JP2000313642A - 硬質水砕スラグの製造方法 - Google Patents
硬質水砕スラグの製造方法Info
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B5/00—Treatment of metallurgical slag ; Artificial stone from molten metallurgical slag
- C04B5/06—Ingredients, other than water, added to the molten slag or to the granulating medium or before remelting; Treatment with gases or gas generating compounds, e.g. to obtain porous slag
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 コンクリート用細骨材などに適する硬質水砕
スラグを現状の炉前水砕設備で安価に製造する。 【解決手段】 溶融高炉スラグを水砕化する際に、添加
後の総重量に対して未乾燥の高炉水砕スラグを溶融高炉
スラグに1〜5重量%添加して水砕化する。これにより
高炉スラグの付着水が水蒸気化し、水蒸気化時の気化熱
として溶融スラグの温度低下に寄与し、更に水蒸気は溶
融スラグ中に浸入し、溶解窒素と反応して溶解窒素を窒
素ガスとして系外へ放出させる。従って、水砕化時のス
ラグ発泡反応の原因となるスラグ中の窒素溶解量を低減
することができ、かつ溶融スラグの温度を低減するた
め、緻密な水砕スラグを製造することができる。
スラグを現状の炉前水砕設備で安価に製造する。 【解決手段】 溶融高炉スラグを水砕化する際に、添加
後の総重量に対して未乾燥の高炉水砕スラグを溶融高炉
スラグに1〜5重量%添加して水砕化する。これにより
高炉スラグの付着水が水蒸気化し、水蒸気化時の気化熱
として溶融スラグの温度低下に寄与し、更に水蒸気は溶
融スラグ中に浸入し、溶解窒素と反応して溶解窒素を窒
素ガスとして系外へ放出させる。従って、水砕化時のス
ラグ発泡反応の原因となるスラグ中の窒素溶解量を低減
することができ、かつ溶融スラグの温度を低減するた
め、緻密な水砕スラグを製造することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉スラグの処理
方法のうち、コンクリート用細骨材などに適する硬質水
砕スラグの製造方法に関するものである。
方法のうち、コンクリート用細骨材などに適する硬質水
砕スラグの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高炉から副生される溶融高炉スラグは、
銑鉄1トンあたり約300kg発生するが、従来から主
に次の2通りの方法で処理され100%有効に活用され
ている。その中の1つは、溶融高炉スラグに水を噴射し
て急冷破砕して、直径5mm以下のいわゆる高炉水砕ス
ラグとし、その潜在水硬性を利用して高炉セメント原料
やコンクリート混和材とする方法である。また他の1つ
は、溶融高炉スラグを広大な敷地に放流して自然冷却
後、適度の大きさに破砕してバラスとし路盤材等に利用
する方法である。
銑鉄1トンあたり約300kg発生するが、従来から主
に次の2通りの方法で処理され100%有効に活用され
ている。その中の1つは、溶融高炉スラグに水を噴射し
て急冷破砕して、直径5mm以下のいわゆる高炉水砕ス
ラグとし、その潜在水硬性を利用して高炉セメント原料
やコンクリート混和材とする方法である。また他の1つ
は、溶融高炉スラグを広大な敷地に放流して自然冷却
後、適度の大きさに破砕してバラスとし路盤材等に利用
する方法である。
【0003】ところで、建築・土木の分野で使用するコ
ンクリート用細骨材については、環境保護の観点から天
然砂(山砂、川砂、海砂等)の採掘が問題となってい
る。高炉水砕スラグを天然砂の代替とすることができれ
ば、環境上の問題が解決できると同時に、細骨材が天然
砂ゆえに生ずる品質のばらつきが、工業製品である高炉
水砕スラグの場合、品質制御が可能であり安定した製品
を供給することが可能となる。コンクリート用細骨材と
して適する粒径は直径5mm以下である。一方高炉水砕
スラグは直径5mm以下の粒径のものが大部分であるか
ら、粒径としては細骨材に適しているが、軟質すなわち
多孔質で比重が比較的小さいために、強度や吸水率等に
問題があり、現状のままでは不適当である。
ンクリート用細骨材については、環境保護の観点から天
然砂(山砂、川砂、海砂等)の採掘が問題となってい
る。高炉水砕スラグを天然砂の代替とすることができれ
ば、環境上の問題が解決できると同時に、細骨材が天然
砂ゆえに生ずる品質のばらつきが、工業製品である高炉
水砕スラグの場合、品質制御が可能であり安定した製品
を供給することが可能となる。コンクリート用細骨材と
して適する粒径は直径5mm以下である。一方高炉水砕
スラグは直径5mm以下の粒径のものが大部分であるか
ら、粒径としては細骨材に適しているが、軟質すなわち
多孔質で比重が比較的小さいために、強度や吸水率等に
問題があり、現状のままでは不適当である。
【0004】また、前述のバラスの製造による方法で
は、主として粒径の大きなものが得られるので、これを
細骨材にするためには、破砕しなければならないが、バ
ラスは強度が非常に大きいために、細骨材として適する
粒径(5mm以下)に破砕することは極めて困難で、か
つ不経済である。
は、主として粒径の大きなものが得られるので、これを
細骨材にするためには、破砕しなければならないが、バ
ラスは強度が非常に大きいために、細骨材として適する
粒径(5mm以下)に破砕することは極めて困難で、か
つ不経済である。
【0005】硬質水砕スラグを製造する方法としては、
例えば、特公昭57−7095号公報に開示されるよう
に溶融高炉スラグに、風砕転炉滓を添加することによ
り、溶融高炉スラグの温度を所定温度まで降下させた
後、高圧水を吹き付けて水砕化する方法、特開昭53−
118297号公報に開示されるように、溶融高炉スラ
グに鉄酸化物含有物質を溶融高炉滓に添加することによ
り硬質化を図る方法等がある。また、森本らの「高炉ス
ラグの水砕砂製造設備」(R&D神戸製鋼技報、Vo
l.29、No.2、1979年)には、溶融高炉スラ
グをいったんスラグ鍋に受けて、処理場まで運搬した後
水砕処理する、いわゆる炉外水砕方法が記載されてい
る。
例えば、特公昭57−7095号公報に開示されるよう
に溶融高炉スラグに、風砕転炉滓を添加することによ
り、溶融高炉スラグの温度を所定温度まで降下させた
後、高圧水を吹き付けて水砕化する方法、特開昭53−
118297号公報に開示されるように、溶融高炉スラ
グに鉄酸化物含有物質を溶融高炉滓に添加することによ
り硬質化を図る方法等がある。また、森本らの「高炉ス
ラグの水砕砂製造設備」(R&D神戸製鋼技報、Vo
l.29、No.2、1979年)には、溶融高炉スラ
グをいったんスラグ鍋に受けて、処理場まで運搬した後
水砕処理する、いわゆる炉外水砕方法が記載されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】硬質水砕スラグを製造
する方法として、特公昭57−7095号や特開昭53
−118297号公報に開示された方法でも、硬質水砕
を製造することは可能であるが、ともに溶融高炉スラグ
に転炉風砕、鉄酸化物含有物質を添加して、完全に溶融
させなければ効果が得られない。完全に溶融しない場合
には、製品である水砕スラグ中に残留して異物となり、
コンクリート用細骨材の品質を低下させる。高炉スラグ
の場合、スラグの発生量が出銑時間の経過とともに変動
し、かつ樋の状態により、スラグ温度が変化するため、
常に完全溶融させることは、非常に困難である。また高
炉スラグは熱伝導率が低いため、樋での溶融スラグの温
度が高く、内部は溶融状態であっても、周辺部は固化し
ている場合が多く、そこに転炉風砕等の添加剤を投入し
ても、完全溶融には至らないケースが多い。樋の落ち口
部での添加の場合でも、外周部のスラグは一部固化して
おり、やはり添加材を完全溶融させるためには、攪拌混
合装置、加熱設備の設置が必要であり、製造コストが大
きくなりすぎる。
する方法として、特公昭57−7095号や特開昭53
−118297号公報に開示された方法でも、硬質水砕
を製造することは可能であるが、ともに溶融高炉スラグ
に転炉風砕、鉄酸化物含有物質を添加して、完全に溶融
させなければ効果が得られない。完全に溶融しない場合
には、製品である水砕スラグ中に残留して異物となり、
コンクリート用細骨材の品質を低下させる。高炉スラグ
の場合、スラグの発生量が出銑時間の経過とともに変動
し、かつ樋の状態により、スラグ温度が変化するため、
常に完全溶融させることは、非常に困難である。また高
炉スラグは熱伝導率が低いため、樋での溶融スラグの温
度が高く、内部は溶融状態であっても、周辺部は固化し
ている場合が多く、そこに転炉風砕等の添加剤を投入し
ても、完全溶融には至らないケースが多い。樋の落ち口
部での添加の場合でも、外周部のスラグは一部固化して
おり、やはり添加材を完全溶融させるためには、攪拌混
合装置、加熱設備の設置が必要であり、製造コストが大
きくなりすぎる。
【0007】また鉄酸化物の含有は、水砕スラグ中のF
e成分が高くなり、赤黒色化、かつJIS A 501
1に規定されたFe<3%を超える恐れがある。
e成分が高くなり、赤黒色化、かつJIS A 501
1に規定されたFe<3%を超える恐れがある。
【0008】一方炉外水砕による方法では、受滓鍋、輸
送容器、等の処理設備が必要となり、また作業費用も別
途必要となる。
送容器、等の処理設備が必要となり、また作業費用も別
途必要となる。
【0009】そこで、本発明の目的は、上記の従来技術
の問題点に鑑み、炉前水砕スラグ製造法に関して、設備
改造や新設備設置を伴わずに、安価かつ高歩留まりで硬
質水砕スラグを製造する方法を提供することにある。
の問題点に鑑み、炉前水砕スラグ製造法に関して、設備
改造や新設備設置を伴わずに、安価かつ高歩留まりで硬
質水砕スラグを製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、溶融高炉ス
ラグを水砕化して硬質スラグとするためには、水砕化時
のスラグの発泡反応の原因となるスラグ中の窒素溶解量
を低下させ、かつ溶融スラグの温度を低減させることが
有効であることを見出して本発明を完成した。
ラグを水砕化して硬質スラグとするためには、水砕化時
のスラグの発泡反応の原因となるスラグ中の窒素溶解量
を低下させ、かつ溶融スラグの温度を低減させることが
有効であることを見出して本発明を完成した。
【0011】本発明の要旨は、溶融高炉スラグを水砕化
する際に、溶融高炉スラグに水砕製造後の未乾燥状態の
高炉水砕スラグを、添加後の総重量に対して1〜10重
量%添加することを特徴とする硬質水砕スラグの製造方
法である。
する際に、溶融高炉スラグに水砕製造後の未乾燥状態の
高炉水砕スラグを、添加後の総重量に対して1〜10重
量%添加することを特徴とする硬質水砕スラグの製造方
法である。
【0012】このように、未乾燥状態の高炉水砕スラグ
を添加すると、高炉水砕スラグの付着水が水蒸気化し、
水蒸気化時の気化熱として溶融スラグの温度低下に寄与
し、更に水蒸気は溶融スラグ中に浸入し、溶解窒素と反
応して溶解窒素を窒素ガスとして系外へ放出させること
となり、緻密な硬質水砕スラグを製造することができ
る。
を添加すると、高炉水砕スラグの付着水が水蒸気化し、
水蒸気化時の気化熱として溶融スラグの温度低下に寄与
し、更に水蒸気は溶融スラグ中に浸入し、溶解窒素と反
応して溶解窒素を窒素ガスとして系外へ放出させること
となり、緻密な硬質水砕スラグを製造することができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細について説明
する。
する。
【0014】溶融高炉スラグを水砕化する際、多孔質
(軟質)となり緻密化(硬質)しない原因を検討したと
ころ、次のようであると考えられる。すなわち、溶融高
炉スラグが強還元雰囲気の高炉炉内を流れ落ちる間にス
ラグ中へ窒素が溶解する。この窒素はスラグ中で窒化物
を形成している。水砕化する際、スラグと水が接触する
と、水が冷却の比較的短い時間内に溶融スラグ中に溶解
侵入し、窒素と水が下記(1)式のように反応する(製
鉄研究、No.301、P14〜18、1980年)。
(軟質)となり緻密化(硬質)しない原因を検討したと
ころ、次のようであると考えられる。すなわち、溶融高
炉スラグが強還元雰囲気の高炉炉内を流れ落ちる間にス
ラグ中へ窒素が溶解する。この窒素はスラグ中で窒化物
を形成している。水砕化する際、スラグと水が接触する
と、水が冷却の比較的短い時間内に溶融スラグ中に溶解
侵入し、窒素と水が下記(1)式のように反応する(製
鉄研究、No.301、P14〜18、1980年)。
【0015】 2N3-+3H2O→N2+3H2+3O2-・・・・・・・(1)
【0016】(1)式の右辺に示すように、この反応で
窒素ガスと水素ガスが生成しスラグが発泡して多孔質と
なる。本発明者らは、真空チャンバー内に従来の製法に
よる水砕スラグを入れ、破砕して、ガス分析を行ったと
ころ、N2:H2が1:3の組成であった。従って、発泡
反応を抑制する方法には、(1)式の反応を抑制するこ
とであり、それにはスラグ中への水蒸気の浸入を抑制す
ること、あるいは溶融スラグ中の窒素の溶解量を低下さ
せることが考えられる。スラグ中への水蒸気の浸入を抑
制するには、溶融スラグ中への水蒸気の拡散を抑制する
ことである。スラグ中への水蒸気の拡散は、スラグの温
度が低下するとともに小さくなり、固体状態では急激に
減少する。
窒素ガスと水素ガスが生成しスラグが発泡して多孔質と
なる。本発明者らは、真空チャンバー内に従来の製法に
よる水砕スラグを入れ、破砕して、ガス分析を行ったと
ころ、N2:H2が1:3の組成であった。従って、発泡
反応を抑制する方法には、(1)式の反応を抑制するこ
とであり、それにはスラグ中への水蒸気の浸入を抑制す
ること、あるいは溶融スラグ中の窒素の溶解量を低下さ
せることが考えられる。スラグ中への水蒸気の浸入を抑
制するには、溶融スラグ中への水蒸気の拡散を抑制する
ことである。スラグ中への水蒸気の拡散は、スラグの温
度が低下するとともに小さくなり、固体状態では急激に
減少する。
【0017】すなわち溶融スラグの温度を水砕処理が可
能な範囲内で、できるだけ低温にすることで、溶融スラ
グ中への水蒸気の拡散を少なくし、(1)式に示す発泡
反応が減少させ、より緻密な水砕スラグができる。また
溶融スラグ中の溶解窒素を減少させる方法として、溶融
状態のスラグに水蒸気を添加することが考えられる。
能な範囲内で、できるだけ低温にすることで、溶融スラ
グ中への水蒸気の拡散を少なくし、(1)式に示す発泡
反応が減少させ、より緻密な水砕スラグができる。また
溶融スラグ中の溶解窒素を減少させる方法として、溶融
状態のスラグに水蒸気を添加することが考えられる。
【0018】本発明者らのラボ実験では、坩堝で溶融さ
せたスラグに、水蒸気を接触させることで、スラグ中の
窒素溶解量を低減させることができた。すなわち高炉水
砕スラグの発泡抑制には、溶融スラグの温度低減と溶融
スラグ内の溶解窒素量を低下させることが有効である。
問題は水砕スラグ内に遺物として、添加剤が残らないよ
うな添加剤として、何を用いるかである。
せたスラグに、水蒸気を接触させることで、スラグ中の
窒素溶解量を低減させることができた。すなわち高炉水
砕スラグの発泡抑制には、溶融スラグの温度低減と溶融
スラグ内の溶解窒素量を低下させることが有効である。
問題は水砕スラグ内に遺物として、添加剤が残らないよ
うな添加剤として、何を用いるかである。
【0019】本発明者らは、添加剤として未乾燥の高炉
水滓スラグを用いることを発明した。添加剤として、水
砕スラグ製造後の未乾燥状態の高炉水砕スラグ(水砕処
理直後のザルから上げた状態のスラグ:表面には少量の
付着水と、亀裂、開口気孔等の隙間には水が入った状態
のスラグ)が適している。
水滓スラグを用いることを発明した。添加剤として、水
砕スラグ製造後の未乾燥状態の高炉水砕スラグ(水砕処
理直後のザルから上げた状態のスラグ:表面には少量の
付着水と、亀裂、開口気孔等の隙間には水が入った状態
のスラグ)が適している。
【0020】未乾燥状態の高炉水砕スラグの添加は、溶
融スラグ温度の低減のための冷材としての作用と同時
に、その亀裂内の付着水が溶融スラグ中に水蒸気として
拡散し、溶融スラグ内の溶融窒素を水砕化前に溶融スラ
グ中から放出させる作用がある。
融スラグ温度の低減のための冷材としての作用と同時
に、その亀裂内の付着水が溶融スラグ中に水蒸気として
拡散し、溶融スラグ内の溶融窒素を水砕化前に溶融スラ
グ中から放出させる作用がある。
【0021】例えば、未乾燥高炉水砕スラグを高炉樋上
で添加すると、添加した高炉水砕スラグの付着水は、水
蒸気として溶融スラグ内に拡散する。また水砕スラグ
は、亀裂内の付着水が水蒸気化する時に破砕、微細化さ
れながら一部は溶解し、大半の水砕スラグは溶融スラグ
の上に乗り、樋落ち口まで行き、落ち口にて混合攪拌さ
れる。その結果、溶融スラグの溶解窒素量は減少すると
同時に、溶融スラグ温度も、炉外水砕スラグ相当まで低
下する。添加した高炉水砕スラグはガラス質であり、結
晶質の他の添加剤よりも溶融しやすい。もし未乾燥の高
炉水砕スラグが樋上、あるいは樋落ち口で、完全に溶融
しなくても、また一部再融着していても全く問題はな
い。未溶解物は、同一性状の高炉水砕スラグであり、問
題はないし、再融着スラグも、水砕化時の高圧水によ
り、再水砕化されるため、水砕化後には粒径もそろった
均質な水砕スラグとなる。
で添加すると、添加した高炉水砕スラグの付着水は、水
蒸気として溶融スラグ内に拡散する。また水砕スラグ
は、亀裂内の付着水が水蒸気化する時に破砕、微細化さ
れながら一部は溶解し、大半の水砕スラグは溶融スラグ
の上に乗り、樋落ち口まで行き、落ち口にて混合攪拌さ
れる。その結果、溶融スラグの溶解窒素量は減少すると
同時に、溶融スラグ温度も、炉外水砕スラグ相当まで低
下する。添加した高炉水砕スラグはガラス質であり、結
晶質の他の添加剤よりも溶融しやすい。もし未乾燥の高
炉水砕スラグが樋上、あるいは樋落ち口で、完全に溶融
しなくても、また一部再融着していても全く問題はな
い。未溶解物は、同一性状の高炉水砕スラグであり、問
題はないし、再融着スラグも、水砕化時の高圧水によ
り、再水砕化されるため、水砕化後には粒径もそろった
均質な水砕スラグとなる。
【0022】従来の製法による水砕スラグは多孔質であ
りその吸水率は通常数%〜数10%である。本発明の製
法による水砕スラグは緻密でありその吸水率は1〜2%
程度である。スラグの亀裂に残留している水分は、少量
であり、10%のスラグ添加程度であれば、溶融スラグ
を固化させることもないし、爆発等の問題も生じない。
添加後の総重量に対して未乾燥の高炉水砕スラグを1〜
10重量%添加するのは、1重量%未満では溶融スラグ
の温度低下が不十分である。10重量%を超えると、溶
融スラグの温度低下が大きくなり、粘度が高くなり、水
砕の製造に適正な溶融スラグの流動性が悪くなる。また
大量の添加材を用いることは、水砕スラグの歩留まりの
上からも得策ではなく経済性の観点からも10%が上限
である。
りその吸水率は通常数%〜数10%である。本発明の製
法による水砕スラグは緻密でありその吸水率は1〜2%
程度である。スラグの亀裂に残留している水分は、少量
であり、10%のスラグ添加程度であれば、溶融スラグ
を固化させることもないし、爆発等の問題も生じない。
添加後の総重量に対して未乾燥の高炉水砕スラグを1〜
10重量%添加するのは、1重量%未満では溶融スラグ
の温度低下が不十分である。10重量%を超えると、溶
融スラグの温度低下が大きくなり、粘度が高くなり、水
砕の製造に適正な溶融スラグの流動性が悪くなる。また
大量の添加材を用いることは、水砕スラグの歩留まりの
上からも得策ではなく経済性の観点からも10%が上限
である。
【0023】本発明の水砕スラグの製造法は、出銑経過
時間とともに変動する、高炉スラグ性状(出滓量、温度
等)に、影響されることが少なく、安価かつ実用的な方
法と言える。
時間とともに変動する、高炉スラグ性状(出滓量、温度
等)に、影響されることが少なく、安価かつ実用的な方
法と言える。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例によって、更に詳細に
説明する。
説明する。
【0025】高炉水砕スラグ製造設備概要例を図1に示
す。図1に示すように、高炉1から出た溶融スラグは、
大樋2、スラグ樋3、流銑鉢4、吹製樋5を経由して、
水砕樋7にて水砕化される。本法では、スラグ樋3上に
て、未乾燥の高炉水砕スラグを投入した(添加材投入
A)。投入されたスラグは、スラグ樋3上でその付着水
は水蒸気化し、流銑鉢4にて、混合攪拌される。その後
溶融スラグは吹製函6にて水砕化される。冷却されたス
ラグはベルトコンベアーにて系外へ運搬されるが、その
一部は再度スラグ樋まで搬送され、スラグ樋3にて再投
入する。
す。図1に示すように、高炉1から出た溶融スラグは、
大樋2、スラグ樋3、流銑鉢4、吹製樋5を経由して、
水砕樋7にて水砕化される。本法では、スラグ樋3上に
て、未乾燥の高炉水砕スラグを投入した(添加材投入
A)。投入されたスラグは、スラグ樋3上でその付着水
は水蒸気化し、流銑鉢4にて、混合攪拌される。その後
溶融スラグは吹製函6にて水砕化される。冷却されたス
ラグはベルトコンベアーにて系外へ運搬されるが、その
一部は再度スラグ樋まで搬送され、スラグ樋3にて再投
入する。
【0026】本実施例で用いた添加材の添加量と、製品
である水砕スラグの硬質化の評価指数としての、絶乾比
重を表1に示した。
である水砕スラグの硬質化の評価指数としての、絶乾比
重を表1に示した。
【0027】表1に示されるように、乾燥した水砕でも
無添加水砕スラグに比べれば、硬質化しているが、含水
水砕スラグの場合には、改善効果は大きい。添加スラグ
量が製品の10%を超えると、水砕処理前に部分的に過
冷却して、固化し始めるため、絶乾比重には問題はない
が、粒子形状にバラツキが大きくなった。現状の高炉操
業レベル、水砕操業条件レベルであれば、未乾燥の高炉
スラグの添加量は5%程度が最適であった。
無添加水砕スラグに比べれば、硬質化しているが、含水
水砕スラグの場合には、改善効果は大きい。添加スラグ
量が製品の10%を超えると、水砕処理前に部分的に過
冷却して、固化し始めるため、絶乾比重には問題はない
が、粒子形状にバラツキが大きくなった。現状の高炉操
業レベル、水砕操業条件レベルであれば、未乾燥の高炉
スラグの添加量は5%程度が最適であった。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明の方法によって、新たな設備投資
を行わずに現状の炉前水砕設備で設備改造や新設備設置
を伴わずに安価かつ高歩留まりで硬質水砕スラグを製造
することが可能となった。その結果、高炉水砕スラグを
高炉セメントだけでなく細骨材としても使用できるよう
になり、高炉スラグの資源化に大きく貢献できる。
を行わずに現状の炉前水砕設備で設備改造や新設備設置
を伴わずに安価かつ高歩留まりで硬質水砕スラグを製造
することが可能となった。その結果、高炉水砕スラグを
高炉セメントだけでなく細骨材としても使用できるよう
になり、高炉スラグの資源化に大きく貢献できる。
【図1】高炉水砕スラグの製造設備の概要を示す図であ
る。 1 高炉 2 大樋 3 スラグ樋 4 流銑鉢 5 吹製樋 6 吹製函 7 水砕樋 A 添加材投入
る。 1 高炉 2 大樋 3 スラグ樋 4 流銑鉢 5 吹製樋 6 吹製函 7 水砕樋 A 添加材投入
Claims (1)
- 【請求項1】 高炉のスラグ樋の先に設置された、水砕
処理装置を用いる硬質水砕スラグの製造方法において、
溶融高炉スラグを水砕化する前に、未乾燥の高炉水砕ス
ラグを添加後の総重量に対して1〜10重量%添加する
ことを特徴とする硬質水砕スラグの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11117263A JP2000313642A (ja) | 1999-04-23 | 1999-04-23 | 硬質水砕スラグの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11117263A JP2000313642A (ja) | 1999-04-23 | 1999-04-23 | 硬質水砕スラグの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000313642A true JP2000313642A (ja) | 2000-11-14 |
Family
ID=14707442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11117263A Withdrawn JP2000313642A (ja) | 1999-04-23 | 1999-04-23 | 硬質水砕スラグの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000313642A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107663100A (zh) * | 2017-09-27 | 2018-02-06 | 武汉钢铁有限公司 | 利用熔融高炉渣制备的透水砖及其制备方法 |
-
1999
- 1999-04-23 JP JP11117263A patent/JP2000313642A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107663100A (zh) * | 2017-09-27 | 2018-02-06 | 武汉钢铁有限公司 | 利用熔融高炉渣制备的透水砖及其制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060704 |