JP2000310623A - 改質された充填剤、その改質方法及びそれを用いたクロマトグラフィー用カラム - Google Patents

改質された充填剤、その改質方法及びそれを用いたクロマトグラフィー用カラム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリマー系充填剤の遊離カルボキシル基を効
果的に不活性化することで、ポリマー系充填剤が充填さ
れたクロマトグラフィー用カラムの分離性能を向上させ
る。 【解決手段】 ポリマー系充填剤の遊離カルボキシル基
が不活性基によりキャッピングされてなるクロマトグラ
フィー用ポリマー系充填剤、ポリマー系充填剤の改質方
法及びそれを用いたクロマトグラフィー用カラム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遊離カルボキシル
基を含むポリマー系充填剤の遊離カルボキシル基を効果
的に不活性化することにより改質されたクロマトグラフ
ィー用ポリマー系充填剤、ポリマー系充填剤の改質方法
及び該充填剤を用いたクロマトグラフィー用カラムに関
する。
【0002】
【従来の技術】一般的な分配吸着カラム用の充填剤とし
て最も用いられているのは、オクタデシル化シリカゲル
(以下、「ODS」という。)などのシリカ系粒子であ
る。これらシリカ系粒子には、未反応のシラノール基が
残っている場合が多く、そのため十分な分離性能が得ら
れないことがある。シラノール基残存量の程度は、充填
カラムにピリジンなどの有機塩基を注入し、そのピーク
形状を比較することによって調べることができ、一般に
残存シラノール基が多いほどピークのテーリングが激し
くなることが知られている。シリカ系充填剤に見られる
ような上記問題の解決法として、残存シラノール基を不
活性基でキャッピングする方法があり、最近ではより高
密度にキャッピングを行なう方法として、不活性ガス雰
囲気下の密閉容器中で一部錯体化合物を形成する2種の
末端付加剤を反応させる方法(特開平10-73579)、超臨
界流体中で化学修飾剤と反応させる方法(特開平9-4982
9 )などが報告されている。また、分配吸着カラム用の
充填剤として、上記シリカ系粒子のほかにポリマー系粒
子も用いられる。ポリマー系粒子の代表例としては、ジ
ビニルベンゼン/スチレン共重合体、エチレングリコー
ルジメタクリレート/アルキルメタクリレート共重合
体、架橋ポリビニルアルコールにオクタデカノイル基を
導入したものなどが挙げられる。一般にこれらを充填し
たポリマーカラムは、シリカカラムに比べて化学的安定
性が優れているという長所を持つが、理論段数をはじめ
とする基本分離性能がシリカカラムと同レベルには至っ
ていない。そのため、市販されているポリマー系分配吸
着カラムの種類は極めて少なく、使用される機会も非常
に限られる。一般的には、ポリマーカラムの価値をOD
Sカラム相当まで高めるには、粒子径を小さく揃えて分
離能を向上させる必要があると考えられている。このよ
うな背景により、ポリマーカラムを用いピリジンなどの
有機塩基を分析したときに生じる問題等については、議
論も検討もほとんどされていないのが現状である。むし
ろ、ポリマーカラムにはシラノール基が存在しないた
め、シリカカラムのような問題は生じえないと考えられ
てきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、種々のポ
リマー系分配吸着カラムを用いて有機塩基分析の検討を
行なったところ、ポリマー系分配吸着カラムの問題点と
して、保持容量のロット差が大きい、保持容量の再
現性が悪い、テーリングが激しい、理論段数が低
い、という4つの課題が明らかになった。これらの問題
点は、特に塩を全く添加しない溶離液を用いるときに、
顕著に現れる。これまで、ポリマーカラムの性能改善に
ついては、理論段数を向上させることにのみ注力されて
きたが、ODSカラム以上の性能を目指すには、新たに
発見された上記4つの課題をも解決する必要がある。本
発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、高分離
能を有するクロマトグラフィー用ポリマー系充填剤、該
充填剤の改質方法及び該充填剤を用いたクロマトグラフ
ィー用カラムを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ポリマー系
分配吸着カラム充填剤粒子に残存するカルボキシル基に
エステル化またはアミド化反応などを施し、遊離カルボ
キシル基に不活性基を共有結合させることにより、上記
課題が解決し高分離能のポリマー系分配吸着カラム充填
剤が得られることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。すなわち本発明は次の事項に関する。 (1)ポリマー系充填剤の遊離カルボキシル基を、不活
性基によりキャッピングしてなることを特徴とする改質
されたクロマトグラフィー用ポリマー系充填剤。 (2)不活性基によるキャッピングが、エステル化また
はアミド化であることを特徴とする上記(1)に記載の
改質されたクロマトグラフィー用ポリマー系充填剤。 (3)ポリマー系充填剤が、ポリエステル構造、ポリア
ミド構造及び/またはポリイミド構造を含む架橋性粒子
である上記(1)または(2)に記載の改質されたクロ
マトグラフィー用ポリマー系充填剤。 (4)平均粒径が1〜50μmである上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載の改質されたクロマトグラフィ
ー用ポリマー系充填剤。 (5)ポリマー系充填剤の遊離カルボキシル基を、エス
テル化またはアミド化によりキャッピングすることを特
徴とするクロマトグラフィー用ポリマー系充填剤の改質
方法。 (6)ポリマー系充填剤の遊離カルボキシル基に導入さ
れるエステルまたはアミドが、炭素数18以下のアルキ
ルエステルまたはアルキルアミドである上記(5)に記
載のクロマトグラフィー用ポリマー系充填剤の改質方
法。 (7)ポリマー系充填剤をカラムに充填した後、試薬ま
たはその溶液をカラムに送り込んでキャッピングするこ
とを特徴とする上記(5)または(6)に記載のクロマ
トグラフィー用充填剤の改質方法。 (8)上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の改質
されたクロマトグラフィー用ポリマー系充填剤を用いた
クロマトグラフィー用カラム。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、ポリマー系充填剤の遊
離カルボキシル基が不活性基によりキャッピングされた
クロマトグラフィー用ポリマー系充填剤、その改質方法
及びその充填剤を用いたクロマトグラフィー用カラムに
関する。本発明において、キャッピングとは、改質前の
ポリマー系充填剤粒子の疎水性に大きな変化を与えない
範囲で不活性基を共有結合させることを意味する。
【0006】本発明の方法で改質を施す対象となるポリ
マー系充填剤粒子は、製造工程中、加水分解等によって
目的としないカルボキシル基が生じているものである。
例えば、ポリエステル構造、ポリアミド構造及び/また
はポリイミド構造を含む架橋性粒子及び上記構造を含ま
ないその他架橋性粒子が対象となる。
【0007】ポリエステル構造を含むポリマー系充填剤
粒子の例としては、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート単独重合体、
グリセリンジ(メタ)アクリレート/アルキル(メタ)
アクリレート共重合体、グリセリンジ(メタ)アクリレ
ート単独重合体及びそれを修飾したもの、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート/グリセリンジ(メタ)
アクリレート共重合体及びそれを修飾したもの、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート/アルキル
(メタ)アクリレート共重合体、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート単独重合体、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート/アルキル(メタ)
アクリレート共重合体及びそれを修飾したもの、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート単独重合体及
びそれを修飾したもの、ビニル(メタ)アクリレート単
独重合体、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート
/グリシジル(メタ)アクリレート共重合体を加水分解
あるいは修飾したものなどが挙げられる。
【0008】また、ポリアミド及び/またはポリイミド
構造を含むポリマー系充填剤粒子の例としては、N ,N'
- メチレンビスアクリルアミド/アクリルアミド共重合
体、N ,N'- ジアクリロイルピペラジン/アクリルアミ
ド共重合体、ジビニルベンゼン/N-アルキルアクリルア
ミド共重合体、イソシアヌル酸トリアリル/酢酸ビニル
共重合体を加水分解したもの及び加水分解して生成した
水酸基をさらに修飾したもの、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレー
ト共重合体にN-イソプロピルアクリルアミドをグラフト
重合したものなどが挙げられる。これらのポリマー系充
填剤粒子には数多くのエステル結合またはアミド結合が
含まれるため、重合、洗浄、乾燥などの製造工程におけ
る加熱、水や金属との接触、pHの変動その他によっ
て、それらの一部が加水分解を受け、カルボキシル基を
生じている可能性が大きい。また、原料モノマーが一部
加水分解されてカルボキシル基を生じ、それがそのまま
ポリマー鎖に組み込まれる可能性もある。
【0009】一方、ポリエステル構造、ポリアミド構造
及びポリイミド構造を含まないポリマー系充填剤粒子で
あっても、重合中、二重結合に酸素が付加することによ
って含酸素基が生じ、それがさらに酸化、加水分解を経
てカルボキシル基になっている場合があるため、本発明
において改質を施す対象になりうる。ポリエステル構
造、ポリアミド構造及びポリイミド構造を含まないポリ
マー系充填剤粒子の例としては、ジビニルベンゼン/ス
チレン共重合体、ジビニルベンゼン/アルキルスチレン
共重合体、ジビニルベンゼン単独重合体、ジビニルベン
ゼン/クロロメチルスチレン共重合体及びそれを修飾し
たもの、ジビニルベンゼン/2 ,3-エポキシプロピルビ
ニルベンジルエーテル共重合体を加水分解したもの及び
加水分解して生成した水酸基をさらに修飾したもの、ジ
ビニルベンゼン/アセトキシスチレン共重合体を加水分
解したもの及び加水分解して生成した水酸基をさらに修
飾したものなどが挙げられる。
【0010】本発明でいう改質されたポリマー系充填剤
とは、上に例示したようなポリマー粒子の残存カルボキ
シル基が、不活性基によりキャッピングされたものすべ
てを含むものである。本発明において改質対象となるポ
リマー系充填剤粒子は、平均粒径1〜50μmのものを
用いるのがよく、好ましくは1.5〜30μm、より好
ましくは2〜10μmのものを用いる。平均粒径が1μ
mより小さい場合は、カラム圧力が上がりすぎて粒子の
強度限界を越えてしまうため好ましくなく、50μmよ
り大きい場合は,分離能が低く実用上好ましくない。
【0011】本発明においてキャッピングに用いられる
エステル化及びアミド化の具体的方法を述べる。エステ
ル化、アミド化いずれの場合においても、導入される不
活性基の大きさは小さい方がよい。新たに導入される部
分が小さいほど、立体障害が小さいので導入効率が上が
り、改質前のポリマー系充填剤粒子の疎水性に大きな変
化を及ぼさないなどの利点があるからである。しかしな
がら、キャッピングすべき遊離カルボキシル基の量が極
めて少ない場合には、比較的大きい不活性基を導入して
も疎水性の変化が少なくてすむこともあるので、例えば
アルキル基ならば炭素数18以下のものから選ぶのが好
ましい。炭素数が18より大きい場合は、立体障害、導
入効率などの問題点から好ましくない。
【0012】本発明でのエステル化においては、改質を
施すポリマー系充填剤粒子の遊離カルボキシル基以外の
部分に好ましくない変化を及ぼさない限り、方法に制限
はない。エステル化の方法としては、例えば T.W.Green
e 、 P.G.M.Wuts 著 "Protective Groups in Organic S
ynthesis" 2nd ed. 、 John Wiley & Sons Inc. 、 New
York 、 1991 、 p.227-234 に記載されている方法な
どが挙げられる。
【0013】特に導入効率、扱いやすさ、コストなどの
実用面を考慮すると、以下のような試薬の組み合わせが
好ましく用いられる。 (1)2 ,2-ジメトキシプロパン及び、濃塩酸またはこ
れに類する酸触媒。 (2)メタノールまたは炭素数18以下のアルコール、
4-( ジメチルアミノ) ピリジンまたはこれに類する塩基
触媒及び、N ,N'- ジイソプロピルカルボジイミドまた
はこれに類する脱水縮合剤。 (3)ヨウ化メチルまたは炭素数18以下のヨウ化アル
キル、フッ化カリウムまたはフッ化セシウム及び、N ,
N-ジメチルホルムアミド。
【0014】本発明におけるアミド化は、ペプチド合成
などで使われる一般的方法が適用できる。ただし、改質
を施すポリマー系充填剤粒子の遊離カルボキシル基以外
の部分に好ましくない変化を及ぼさないことが必要であ
る。さらに、導入効率、扱いやすさ、コストなど実用面
を考慮すると、以下のような試薬の組み合わせが好まし
く用いられる。 (1)1-プロピルアミンまたは炭素数18以下のアミン
(三級は除く)、N ,N'- ジイソプロピルカルボジイミ
ドまたはこれに類する脱水縮合剤、不活性有機溶媒。 (2)1-プロピルアミンまたは炭素数18以下のアミン
(三級は除く)、N ,N'- ビス(2- オキソ-3- オキサゾ
リジニル) ホスフィン酸クロリド、ピリジンまたはその
他の不活性有機溶媒。
【0015】本発明における充填剤の改質方法は、ポリ
マー系充填剤粒子に上記エステル化試薬またはアミド化
試薬を含む溶液または懸濁液を接触させることを特徴と
する。すなわち、エステル化試薬またはアミド化試薬を
含む溶液または懸濁液をポリマー系充填剤粒子に接触さ
せることによって、遊離カルボキシル基に不活性基を共
有結合するのである。したがって、改質を施されるポリ
マー系充填剤粒子は、あらかじめカラムに充填されてい
てもいなくてもかまわない。すなわち、本発明には、改
質前のポリマー系充填剤粒子をカラムに充填した後で、
試薬またはその溶液をカラムに送り込んでキャッピング
反応を行なう方法も含まれる。
【0016】本発明のポリマー系充填剤粒子を充填した
カラムでピリジンなどの有機塩基を分析することによ
り、従来のポリマーカラムによる測定時に見られた、
保持容量のロット差が大きい、保持容量の再現性が悪
い、テーリングが激しい、理論段数が低い、という
4つの問題点を解決することができる。
【0017】従来のポリマーカラムによる測定時に見ら
れた上記4つの問題点は、遊離カルボキシル基のプロト
ン型(R-COOH)と金属型(R-COOM)の割合が変動しやす
いために起こっていると考えられる。ピリジンなどの有
機塩基(以下、「ピリジン」という。)の吸着を大きく
するのは、主に前者である。これはプロトン型(R-COO
H)の近傍では局部的にpHが低くなっているため、ピ
リジンとピリジニウムイオンの平衡が後者に傾き、RCOO
(-) →HNC5H5(+) というイオン結合を生じやすくなるか
らである。ところが、溶離液に微量の金属が混在してい
ると、それがプロトン型(R-COOH)の近傍を通るときに
捕捉され、カラム内に濃縮されていく。その結果、金属
型(R-COOM)が増加し、ピリジンは吸着されにくくな
る。逆に、超高純度の水を通液し続けると、金属型(R-
COOM)から金属が奪われてプロトン型(R-COOH)へ移行
していき、ピリジンは吸着されやすくなる。
【0018】さらに、以下(1)〜(3)のように推測
する。 (1)EDTA洗浄で金属を排除することで、ほとんどがプ
ロトン型(R-COOH)になり、ピリジンは吸着されやすく
なる。 (2)CaCl2 を注入すれば、ほとんどがカルシウム型
(R-COOCaCl または R-COOCaOH または R-COOCaOOC-R
)になり、ピリジンは吸着されにくくなる。 (3)遊離カルボキシル基をキャッピングすることによ
り、(1)や(2)の操作を施しても、プロトン型(R-
COOH)と金属型(R-COOM)の変動はほとんどなくなると
考えられる。 これらの点から、評価対象カラムに対して(a)初期状
態、(b)EDTA洗浄後、(c)CaCl2 注入後、(d)ED
TA再洗浄後のように遊離カルボキシル基のプロトン型と
金属型の割合を変動させる操作を順次施し、各々の段階
でピリジンを分析すれば、キャッピングの効果を明確に
検出することができる。
【0019】すなわち、遊離カルボキシル基が少ないほ
ど、各段階におけるピークの変動(理論段数、テーリン
グ係数、保持容量の変化量)は小さくなるため、本発明
における改質後のポリマー系充填剤粒子を改質前のポリ
マー系充填剤粒子と比較することにより、本発明の効果
を検知することが可能である。上記方法により、キャッ
ピングによるクロマトグラフィー用充填剤の改質効果を
明らかにすることができた。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるも
のではない。
【0021】(製造例)エチレングリコールジメタクリ
レート32g 、メチルメタクリレート22g 及びトルエン54
g の混合溶液に、2 ,2'- アゾビスイソブチロニトリル
0.81g を溶解させた。この溶液をポリビニルアルコール
(重合度約500 )の2 重量%水溶液367gと合わせホモジ
ナイザーで分散させた。油滴の粒子径を顕微鏡で観察
し、最大粒子径が5 μmになるように回転数及び分散時
間を調節し、得られた分散液を反応容器に移し、70℃の
温度で6 時間重合を行なった後、室温まで放冷した。ゲ
ルスラリーを2000rpm で20分間遠心分離し、微粒子を除
いた後に水300ml に分散させて吸引濾過した。次いで漏
斗上のゲルを70℃の温水2000mlで洗浄後、アセトン180m
l に分散させ再び吸引濾過した。漏斗上のゲルをアセト
ン720ml で洗浄し、ステンレス製バットに広げて一日風
乾した後、60℃で8 時間真空乾燥した。得られた乾燥粒
子を風力分級装置により分級し、平均粒子径4 μmの多
孔性ポリマー系充填剤粒子19g を得た。
【0022】なお、キャッピング効果の具体的評価方法
及び液体クロマトグラフィーの測定条件を以下に示す。 (1)キャッピング効果の評価方法 以下の(a)→(d)を順次実行した。 (a)[初期状態]初期状態のままクロマトグラフィー
分析を行なった。 (b)[EDTA洗浄後]CH3CN/(0.1mM EDTA in H2O) = 30
/70 を20ml以上通液してから、CH3CN/H2O = 30/70 に戻
した後、クロマトグラフィー分析を行なった。 (c)[CaCl2 注入後]100mM CaCl2 in CH3CN/H2O=30/
70を5 μl ずつ計100 μl 注入した後、クロマトグラフ
ィー分析を行なった。 (d)[EDTA再洗浄後]再び(b)の操作を行なった。 (2)液体クロマトグラフィー測定条件 溶離液:CH3CN/H2O = 30/70 ; 流速:1.00ml/min; カラム温度:40℃; 検出器:UV-254nm; 試料:ピリジンのCH3CN 溶液(0.12μl/ml); 注入量:5 μl
【0023】(実施例1)多孔性ポリマー系充填剤粒子
3gをスクリュー管にとり、2 ,2-ジメトキシプロパン15
mlと塩酸0.6ml を加えてよく振り混ぜた。室温で一夜静
置後、吸引濾過し、メタノール、水、アセトンで順次洗
浄し、乾燥した。こうして得た改質ポリマー系充填剤粒
子を4.6mm i.d.×150mm L のステンレス製カラムにスラ
リー法で充填した。
【0024】(実施例2)多孔性ポリマー系充填剤粒子
3gをスクリュー管にとり、メタノール15ml、N ,N'- ジ
イソプロピルカルボジイミド1.0g、4-( ジメチルアミ
ノ) ピリジン0.15gを加えてよく振り混ぜた。室温で一
夜振とう後、吸引濾過し、メタノール、DMF、アセトン
で順次洗浄し、乾燥した。得られた改質ポリマー系充填
剤粒子を4.6mm i.d.×150mm L のステンレス製カラムに
スラリー法で充填した。
【0025】(実施例3)多孔性ポリマー系充填剤粒子
を4.6mm i.d.×150mm L のPEEK製カラムにスラリー法で
充填し、メタノールで十分に置換した。このカラムに、
4 重量%の塩酸を含む2 ,2-ジメトキシプロパン20mlを
0.2ml/min の流速で送液し、室温で一夜静置後、メタノ
ールで十分に置換した。
【0026】(実施例4)多孔性ポリマー系充填剤粒子
3gをスクリュー管にとり、ピリジン15ml、1-プロピルア
ミン1.0g、N ,N'- ビス(2- オキソ-3- オキサゾリジニ
ル) ホスフィン酸クロリド0.5gを加えてよく振り混ぜ
た。室温で一夜振とう後、吸引濾過し、DMF、メタノー
ル、水、アセトンで順次洗浄し、乾燥した。得られた改
質ポリマー系充填剤粒子を4.6mm i.d.×150mm L のステ
ンレス製カラムにスラリー法で充填した。
【0027】(比較例)多孔性ポリマー系充填剤粒子を
4.6mm i.d.×150mm L のステンレス製カラムにスラリー
法で充填した。
【0028】実施例1〜4及び比較例のカラムについ
て、遊離カルボキシル基のプロトン型と金属型の割合を
変動させる操作を順次施し、(a)初期状態、(b)ED
TA洗浄後、(c)CaCl2 注入後、(d)EDTA再洗浄後の
各々の段階で液体クロマトグラフィーによりピリジンを
分析した結果を表1〜3に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】本発明の方法で改質したポリマー系充填剤
でカラムを作り、有機塩基を分析すると、本発明の改質
ポリマー系充填剤粒子は改質前のものと比較して、各段
階におけるピークの変動が顕著に小さくなっているのが
わかる。従来のポリマーカラム使用時に見られた、保
持容量のロット差が大きい、保持容量の再現性が悪
い、テーリングが激しい、理論段数が低い、という
4つの問題点のすべてを解決することができた。
【0033】
【発明の効果】本発明のクロマトグラフィー用充填剤を
用いたカラムは、高分離能を有するため、特に医・農
薬、食品添加物及びそれらの中間体、天然または合成ポ
リマー及びそれらの添加物及び環境汚染物質の分離・分
析など幅広い分野に有用である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー系充填剤の遊離カルボキシル基
    を、不活性基によりキャッピングしてなることを特徴と
    する改質されたクロマトグラフィー用ポリマー系充填
    剤。
  2. 【請求項2】 不活性基によるキャッピングが、エステ
    ル化またはアミド化であることを特徴とする請求項1に
    記載の改質されたクロマトグラフィー用ポリマー系充填
    剤。
  3. 【請求項3】 ポリマー系充填剤が、ポリエステル構
    造、ポリアミド構造及び/またはポリイミド構造を含む
    架橋性粒子である請求項1または2に記載の改質された
    クロマトグラフィー用ポリマー系充填剤。
  4. 【請求項4】 平均粒径が1〜50μmである請求項1
    ないし3のいずれかに記載の改質されたクロマトグラフ
    ィー用ポリマー系充填剤。
  5. 【請求項5】 ポリマー系充填剤の遊離カルボキシル基
    を、エステル化またはアミド化によりキャッピングする
    ことを特徴とするクロマトグラフィー用ポリマー系充填
    剤の改質方法。
  6. 【請求項6】 ポリマー系充填剤の遊離カルボキシル基
    に導入されるエステルまたはアミドが、炭素数18以下
    のアルキルエステルまたはアルキルアミドである請求項
    5に記載のクロマトグラフィー用ポリマー系充填剤の改
    質方法。
  7. 【請求項7】 ポリマー系充填剤をカラムに充填した
    後、試薬またはその溶液をカラムに送り込んでキャッピ
    ングすることを特徴とする請求項5または6に記載のク
    ロマトグラフィー用充填剤の改質方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし4のいずれかに記載の改
    質されたクロマトグラフィー用ポリマー系充填剤を用い
    てなるクロマトグラフィー用カラム。
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