JP2000310160A - 可変燃料計量装置を有する可変ベンチュリー型気化器 - Google Patents

可変燃料計量装置を有する可変ベンチュリー型気化器

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JP2000310160A
JP2000310160A JP11156932A JP15693299A JP2000310160A JP 2000310160 A JP2000310160 A JP 2000310160A JP 11156932 A JP11156932 A JP 11156932A JP 15693299 A JP15693299 A JP 15693299A JP 2000310160 A JP2000310160 A JP 2000310160A
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jet
vaporizer
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jet needle
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Masato Eda
眞人 江田
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M9/00Carburettors having air or fuel-air mixture passage throttling valves other than of butterfly type; Carburettors having fuel-air mixing chambers of variable shape or position
    • F02M9/02Carburettors having air or fuel-air mixture passage throttling valves other than of butterfly type; Carburettors having fuel-air mixing chambers of variable shape or position having throttling valves, e.g. of piston shape, slidably arranged transversely to the passage
    • F02M9/06Carburettors having air or fuel-air mixture passage throttling valves other than of butterfly type; Carburettors having fuel-air mixing chambers of variable shape or position having throttling valves, e.g. of piston shape, slidably arranged transversely to the passage with means for varying cross-sectional area of fuel spray nozzle dependent on throttle position

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 揺動可能なジェットニードルとニードルジェ
ットからなる可変燃料計量装置を備えた可変ベンチュリ
ー型気化器の、ジェットニードルとニードルジェットの
ジェットニードルが揺動する方向の相対位置のばらつき
に起因する低負荷領域における気化器固体間の燃料流量
ばらつきを低減する。 【解決手段】 低負荷領域でニードルジェットの計量部
内に収容されるジェットニードルの部位の形状を、燃料
の流れの上流側に位置する上流側テーパー部と、上流側
テーパー部の下流側に位置してこれに連なる最大径部
と、最大径部の下流側に位置してこれに連なる下流側小
径部とからなる形状とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いに接触するジ
ェットニードルとニードルジェットよりなる可変燃料計
量装置を備えた火花点火内燃機関用可変ベンチュリー型
気化器の気化器個体間の燃料流量ばらつき低減に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ジェットニードルとニードルジェットよ
りなる可変燃料計量装置を有する火花点火内燃機関用可
変ベンチュリー型気化器には、その可変燃料計量装置の
構造に関して2個の方式がある。すなわち、ジェットニ
ードルを揺動可能に可動支持して重力、吸入空気または
スプリングなどの力によりこれがニードルジェットと接
触するのを許して両者の間に燃料計量部である隙間を形
成するものと、ジェットニードルを揺動不能に固定支持
してニードルジェットとの接触を許さずに該隙間を形成
するものである。現在、後者は製造が困難であることな
どの理由により殆ど実用に供されておらず、専ら前者が
採用される。
【0003】可変ベンチュリー型気化器にはベンチュリ
ーを形成する弁装置がスロットル弁を兼ねるいわゆるピ
ストンバルブ式とベンチュリーを形成する弁装置が負圧
作動弁であるいわゆる定真空式などがある。定真空式に
は、ベンチュリー部の断面積の大きさがある一定値とな
るように負圧作動弁をあらかじめ開かれた状態に保持し
吸入空気量がある値に達するまで負圧作動弁の変位を許
さず一定位置に保つものと、内燃機関のアイドリングを
含む全運転領域でベンチュリー負圧に応じて変位を許す
ものがある。前者は低速燃料系を必要とするが、排気中
の有害成分の低減が特に必要なアイドリングから低負荷
領域までの比較的広い吸入空気量範囲にベンチュリー部
の断面積が最小値をとる状態で対応が可能であり低負荷
領域での燃料流量のばらつきが後者より小さい利点があ
り、広く実用に供されている。後者は低速燃料系を必ず
しも必要せず構造が簡単であるが、低負荷領域での燃料
流量のばらつきが大きい欠点があるり、現在殆ど実用に
供されていない。
【0004】ジェットニードルとニードルジェットの接
触を許す方式の従来の可変ベンチュリー型気化器では、
ベンチュリー部の断面積が最小値付近の値をとる際にニ
ードルジェットの最狭部たる計量部内に収容されるジェ
ットニードル部位の形状は、径が一定のストレート部と
これに燃料の流れの上流側で接続している上流側テーパ
ー部との組合わせにより形成されるのが通例である。こ
の部位の形状を、ストレート部が無いテーパー部のみの
形状とすることも可能ではあるが、ジェットニードルの
変位方向の位置ばらつきにより燃料流量が敏感に変化す
る問題、および使用過程でニードルジェットとジェット
ニードルの接触摺動による摩耗による燃料流量変化が大
きい問題などがあるとされ実用例は少ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】可変ベンチュリー型気
化器のベンチュリー部の断面積が最小値付近の値をとる
のは、内燃機関が低負荷運転を行う場合である。この運
転領域では排気中の有害成分発生の抑止や燃料消費低減
などの要求から、燃料流量の気化器個体間のばらつきを
低く抑える必要がある。ジェットニードルがニードルジ
ェットに出入変位する方向の相対位置のばらつきが燃料
流量のばらつきに大きく影響することはひろく知られて
おり、既にいくつかの対策が施されてされている。しか
し、同時にジェットニードルの揺動を許す方式の可変ベ
ンチュリー型気化器では、この出入変位の方向と直交す
る方向でジェットニードルが揺動する向きのジェットニ
ードルとニードルジェットの相対位置のばらつきにより
ジェットニードルの中心線とニードルジェットの中心線
がなす相対角にばらつきが生じ、これにより燃料流量の
ばらつきが生じる問題点もあった。この問題点は従来よ
り当業者には認識されていたが、その機序に関しては必
ずしも解明されておらず、いわゆるジェットニードルの
強制偏心を行うなどでこと足れりとされそれ以上の対策
はとられなかった。すなわち、従来のかかる種類の気化
器では、ベンチュリー部の断面積が最小値付近の値をと
る際に、この相対角の大きさに応じて、ジェットニード
ルとニードルジェットの接触の態様に後述の3個のパタ
ーンが存在し、各々のパターンにおいてジェットニード
ルの外面とニードルジェットの計量部の内面の間に形成
される立体的な空隙の形状が異なるため、燃料がこの空
隙を通過する際の通過抵抗に差が生じ、この通過抵抗の
差が燃料が気化器個体間の燃料流量ばらつきを生むとい
う問題点があった。
【0006】従来の気化器におけるジェットニードルと
ニードルジェットの接触の3個のパターンにつき、図
4、図5および図6を参照して説明する。図4、図5お
よび図6は、各々3台の従来の定真空式可変ベンチュリ
ー型気化器例の、ベンチュリー部の断面積が最小値をと
る際のニードルジェットとその計量部内に収容されるジ
ェットニードルの部位を抽出してその部分断面を模式的
に示した概念図である。3台の気化器は同一の仕様をも
ち同一の生産群に属するが、各図中のx1,x2および
x3の大きさ決定に関与する部品の寸法誤差のみ異な
る。
【0007】各図において、ジェットニードル(1)に
は、各図中の点Gにおいて、各図が描かれた紙面と直交
する方向にジェットニードル(1)を貫通するピン(2
1)が固着されている。ピン(21)は、定真空式気化
器の負圧作動弁(22)に設けられたこれを収容する孔
に隙間無くかつ回転自在に挿入されている。ジェットニ
ードル(1)は、各図中の点Gとして示されたピン(2
1)を収容する孔の中心の位置、すなわちピン(21)
の中心と同一の位置、に各図中の水平方向および垂直方
向に位置決めされている。負圧作動弁(22)はミキシ
ングボディ(103)の負圧作動ピストンボア(24)
に収容されており、その下端は負圧作動ピストンボア
(24)の端面に着座している。負圧作動弁(22)は
この位置より下降せず、この位置でベンチュリー部(1
08)の断面積は最小値をとる。各図中では省略されて
いるが、負圧作動弁(22)の上端にはダイアフラムが
装着されている。負圧取入孔(25)を経てベンチュリ
ー部(108)の負圧をその上面に導入されている。吸
入空気量がある一定値に達するまでは負圧作動ピストン
(22)は着座位置にとどまるが、ある一定値をこえる
とダイアフラムは負圧作動弁(22)を重力に抗して上
方に引き上げる。
【0008】ジェットニードル(1)はニードルジェッ
ト(3)の最狭部たる計量部(4)に挿入されている。
ジェットニードル(1)の計量部(4)内に収容されて
いる部位の形状は、ストレート部(5)とこれより燃料
の流れの上流側に位置する上流側テーパー部(6)によ
り形成されている。ジェットニードル(1)は、内燃機
関の運転中は各図中の右方より左方に流れる吸入空気に
よりその流れ下流側、すなわち左方に押されており、ニ
ードルジェット(3)の計量部(4)と各図の点C1、
C2およびC3において接触している。ジェットニード
ル(1)のストレート部(5)の外径はDn、ニードル
ジェット(3)の計量部(4)の内径はDjである。
【0009】ジェットニードル(1)は点Gを回転中心
として各図中の左右方向に振り子の様に自在に揺動す
る。これらの3台の気化器に限らずジェットニードル
(1)の揺動を許すすべての同種の気化器にあっては、
ジェットニードル(1)の揺動時にその中心線がニード
ルジェット(3)の中心を通るよう構成されている。ジ
ェットニードル(1)の揺動運動の際にその中心線の運
動軌跡が載るところの平面を以下ではジェットニードル
揺動面とよぶ。各図中の気化器では、このジェットニー
ドル揺動面は各図の断面をとった平面、すなわち各図の
描かれている平面と一致している。各図中にEEで示す
直線は、ジェットニードル揺動面上において、ジェット
ニードル(1)をニードルジェット(3)の計量部
(4)の中心線と直交する方向に位置決めしている点、
各図中の気化器の場合は点G、を通り、ニードルジェッ
ト(3)の計量部(4)の中心線に直交している直線で
ある。この直線を以下では仮想支持点移動線(9)と呼
ぶ。この仮想支持点移動線(9)とジェットニードル
(1)の中心線の交点を以下では仮想支持点(2)とよ
ぶ。各図中の気化器では仮想支持点(2)は点Gと一致
する。仮想支持点(2)の仮想支持点移動線(9)上の
位置の決定に関与する諸部品の寸法の誤差により、仮想
支持点(2)の仮想支持点移動線(9)上の位置は変化
する。仮想支持点(2)からニードルジェット(3)の
計量部(4)の中心線までの距離を以下では偏倚量xと
よぶ。仮想支持点移動線(9)上にこの偏倚量xの座標
をとり、仮想支持点移動線(9)とニードルジェット
(3)の計量部(4)の中心線の交点(10)を原点に
とり、ジェットニードル(1)の先端が揺動する向き、
各図中の左方、を負に、その反対向き、各図中の右方、
を正にとる。
【0010】図4,図5および図6の間において、ジェ
ットニードル(1)の仮想支持点(2)の仮想支持点移
動線(9)上の位置は、関与する諸部品の寸法の誤差に
より各々異なっている。図4、図5および図6場合の偏
倚量は、各々x1、x2およびx3である。本気化器で
は、この誤差をピン(21)の各図中の水平方向の位置
ばらつきで代表させている。各図中の気化器間におい
て、この偏倚量xの大きさ以外に差はなく、他はすべて
等しい。
【0011】図4、図5および図6から以下のことが知
られる。 1) 図4の接触パターンとなるのは、偏倚量xがジェ
ットニードル(1)の中心線とニードルジェット(3)
の計量部(4)の中心線が平行で両者の相対角uが零と
なる場合で、偏倚量xがxaより小さい領域である。x
aはジェットニードル(1)が揺動する向き、すなわち
負の向き、に絶対値がニードルジェット(3)の計量部
(4)の内径Djからジェットニードル(1)のストレ
ート部(5)の外径Dnを引いた値の1/2なる偏倚量
である。 2) 図5の接触パターンとなるのは、相対角uが零か
ら上流テーパー部(6)のテーパー角の1/2の間であ
り、偏倚量xがxaからxbの領域である。便宜上、x
がxaまたはxbに等しい場合はこのパターンに含める
ものとする。 3) 図6の接触パターンとなるのは偏倚量xがxbよ
り大きい領域である。
【0012】図7は、ジェットニードル(1)の仮想支
持点(2)の偏倚量xを横軸に燃料の通過抵抗rを縦軸
にとり気化器のx−r特性傾向を表示する図である。通
過抵抗rは、燃料流量とニードルジェット(3)の計量
部(4)の入口出口間圧力差の平方根との間の比例定数
の逆数である。通過抵抗rの目盛りは、検討対象領域で
の最小値を1にとる比を示している。同図中に図4、図
5および図6の従来の気化器のx−r特性曲線の例を鎖
線で示す。これから以下のことがわかる。 1) x−r特性曲線は下に凸の形状をもつ。 2) 図5のパターンをとる領域では、単位偏倚量当り
の通過抵抗変化が他の2パターンの領域のそれより小さ
くx−r特性曲線は平坦に近い。図4および図6のパタ
ーンをとる領域では、単位偏倚量当りの通過抵抗変化が
大きくx−r特性曲線の勾配の絶対値が大きい。これ
は、計量部(4)内を通過する燃料の流れが図5の接触
パターンの場合は直線的であるに対して、図4および図
6のそれでは、燃料の一部が入口から出口に至る間にジ
ェットニードル(1)の周囲を巡る旋回流れとなり、衝
突損失と粘性損失の和が増加するためである。 3) 通過抵抗rは、ジェットニードル(1)の中心線
とニードルジェット(3)の計量部(4)の中心線が平
行となり両者のなす相対角uが零となる偏倚量xaにお
いて最小となる。
【0013】以上より、従来の気化器の仮想支持点
(2)の偏倚量のばらつきに起因する個体間の流量ばら
つきは、ジェットニードル(1)とニードルジェット
(3)の計量部(4)の接触のパターンが図4および図
6の接触パターンをとることにより発生する、と結論さ
れる。
【0014】同時に前記の知見は、従来の通常の設計に
おける基準位置たる偏倚量xが零の点のごく近傍から始
まる図4のパターンの発生を回避してこれを図5のパタ
ーンに変換できるならば、単位偏倚量当たりの通過抵抗
の変化が小さい領域が拡大され、これにより燃料流量の
ばらつき低減が実現されることを示唆している。
【0015】また、図4の接触パターンでは、ジェット
ニードル(1)とニードルジェット(3)の接触点C1
は、使用過程において最も摩耗の進行する部位に位置す
るので、使用過程での燃料流量の増加が他のパターンよ
りも大きくなる。図4の接触パターンにはこの摩耗耐性
が劣る問題点もある。
【0016】本発明は、従来の当該可変ベンチュリー型
気化器のかかる個体間の燃料流量ばらつきの問題を前記
の知見と示唆にもとづき低減することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明になる可変ベンチュリー型気化器では、ベ
ンチュリー部の断面積が最小値付近の値をとる際にニー
ドルジェットの計量部内に収容されるジェットニードル
部位の形状を、ジェットニードルの径が該部位の間で最
も大きい最大径部と燃料の流れの上流で該最大径部に接
続している上流側テーパー部と該最大径部と燃料流れの
下流側で接続している下流側小径部により形成される形
状とする手段を採用する。また、必要に応じ仮想支持点
をジェットニードルが揺動してニードルジェットの計量
部と接触している向き、すなわち負の向きにあらかじめ
偏倚させる手段を併せて採用する。
【0018】前述の手段を採用する本発明になる可変ベ
ンチュリー型気化器において発生するジェットニードル
とニードルジェットの接触の態様に関するパターンにつ
き図8、図9および図10を参照して説明する。図8、
図9および図10は、各々本発明になる3台の定真空式
可変ベンチュリー型気化器例の、ベンチュリー部の断面
積が最小値をとる際のニードルジェットとその計量部内
に収容されたジェットニードルの部位を抽出してその部
分断面を模式的に示した概念図である。3台の気化器は
同一の仕様をもち同一の生産群に属するが、各図中のx
1,x2およびx3の大きさ決定に関与する部品の寸法
誤差のみ異なる。図8、図9および図10において、ジ
ェットニードル(1)は、短いストレート形状の最大径
部(6)、上流側テーパー部(7)に加えて従来の気化
器にはない下流側小径部(8)を加えた形状を備える。
ジェットニードル(1)は、ニードルジェット(3)の
計量部(4)と各図の点K1、K2およびK3において
接触している。最大径部(6)の直径Dmおよび上流側
テーパー部(7)のテーパー形状は、通過抵抗rの最小
値が図4、図5および図6の従来の気化器のそれと等し
くなるように従来の気化器のジェットニードル(1)の
ストレート部(5)の直径Dnおよび上流側テーパー部
(7)のテーパー形状よりわずかに変更されている。図
4、図5および図6の従来の気化器と図8、図9および
図10の本発明になる気化器は、仕様的にはジェットニ
ードル(1)の形状以外には差はなく他はすべて等し
い。図4と図8、図5と図9、図6と図10の各組の図
において、ジェットニードル(1)の仮想支持点(2)
の偏倚量xは各々x1、x2、x3であり等しい。
【0019】図8、図9および図10から以下のことが
わかる。 1) 図8において、偏倚量xがxaより小さいx1で
あるにもかかわらず、ジェットニードル(1)とニード
ルジェット(3)の計量部(4)が接触する点K1は図
4中のC1に相当する点ではなく図9中のK2の近傍に
位置している。これは、ジェットニードル(1)に下流
側小径部(8)が設けられていることによるのは明らか
である。 2) 図8の接触パターンは図5および図9のそれと実
質的に等しい。よって偏倚量xが少なくともx1より大
きい領域では、従気化器に存在した図4の接触パターン
は出現せず、従って、実質的に図5および図6に相当す
る2個の接触パターンしか存在しない。 3) 従来の気化器の図5に実質的に相当する接触パタ
ーンとなるのは、偏倚量xのx1よりさらに小さい値か
らxbに至るまでの領域内である。この領域は従来より
もジェットニードル(1)が押され揺動する向き、すな
わち負の向きに拡大されている。
【0020】本発明になる気化器のx−r特性曲線の例
を図7に実線で示す。これより以下のことがわかる。 1) x−r特性曲線は従来の気化器と同様に下に凸の
形状をもつが、偏倚量xのx1よ小さい値からxbに至
るまでの領域で従来よりも平坦に近くなっている。これ
は図4の接触パターンが実質的に図5の接触パターンに
変更されたためである。 2) 偏倚量xのxaからxbまでの領域においても、
x−r特性曲線は従来よりさらに平坦になっている。上
流側の上流側テーパー部(6)の形状と下流側の下流側
小径部(8)の形状が最大径部(7)に対して略対称的
に類似しているため、偏倚量xが変化する時に最大径部
(7)の上流側と下流側の通過抵抗が一方は増加/減少
し他方は減少/増加することにより双方の変化が相殺し
合うことによる。すなわち、下流側小径部(8)の形状
もテーパー形状に構成することにより、かかる相殺作用
が発揮され燃料流量変化をさらに小さく抑える効果が得
られている。 3) 通過抵抗rは、従来の気化器の場合と同様に、ジ
ェットニードル(1)の中心線とニードルジェット
(3)の計量部(4)の中心線が平行となり両者のなす
相対角uが零となる偏倚量xaにおいて最小となる。 4) 仮想支持点(2)の位置を負の向きにあらかじめ
偏倚させることにより、生産気化器群の偏倚量xのばら
つきの中央値を図7のxaよりx1に近づけることがで
きる。これにより、当該群に属するより多くの個体がx
−r特性曲線の平坦に近い領域に位置し、生産個体群の
燃料流量のばらつきが抑えられる。
【0021】以上より、本発明になる気化器では、ジェ
ットニードル(1)の形状を下流側小径部(8)を付設
した形状とする手段により、従来よりジェットニードル
(1)の仮想支持点(2)の偏倚量xの変化に対して燃
料の通過抵抗rの変化が小さい領域を広く確保できるこ
とがわかる。
【0022】また、ジェットニードル(1)の仮想支持
点(2)にニードルジェット(3)の中心線からジェッ
トニードル(1)が押されて揺動する向き、すなわち負
の向きにあらかじめ適当な偏倚量を与えることにより生
産のばらつきの中央値または最頻値を負の向きに偏倚さ
せておけば、図10の接触パターンの発生領域から遠ざ
かりつつ図8および図9の接触パターンで得られるx−
r特性の平坦部を有効利用することが可能となることが
わかる。
【0022】さらに、下流側小径部(8)を付設したこ
とにより、仮想支持点(2)に与える偏倚量を大きくと
っても図4の接触パターンが発生することはないため、
このあらかじめ与える偏倚量xについての自由度が増し
ていることも明らかである。
【0023】これらより、本発明になる気化器では、従
来の気化器よりも仮想支持点(2)の偏倚量xに支配さ
れるジェットニードルとニードルジェットの相対角の変
化に原因する燃料の通過抵抗の変化が小さく抑えられ、
従って気化器個体間の燃料流量のばらつきが低減される
効果が得られる。
【0024】この作用およおび効果は、最大径部(7)
がニードルジェット(3)の計量部(4)を抜けるまで
のベンチュリー部(108)の断面積が最小値付近の値
をとる領域内で持続する。
【0025】気化器が定真空式であり、ベンチュリー部
の断面積の大きさがある一定値となるように負圧作動弁
をあらかじめ開かれた状態に保持し吸入空気量がある値
に達するまで負圧作動弁の変位を許さず一定位置に保つ
方式のものである場合には、アイドリングから低負荷領
域までの比較的広い吸入空気量範囲にベンチュリー部の
断面積が最小値をとる状態で対応が可能であるゆえ、本
発明はこの方式の気化器に適用される場合に特に広い吸
入空気量域で効果を得る。
【0026】気化器がピストンバルブ式である場合は、
低速燃料系を有すると否とにかかわらず、内燃機関のア
イドリング時においてもジェットニードルとニードルジ
ェットよりなる主系統から燃料の一部または全量を供給
するのが一般的である。アイドリング状態は頻繁に出現
するから、アイドリング時の燃料流量のばらつきを抑え
ることは排気ガス中の有害成分の低減のために他の運転
領域に増して重要である。従来のピストンバルブ式の気
化器の主系統はばらつきが大きく、この要求に十分応え
ることが出来なかったが、本発明はこのアイドリング運
転時の燃料流量のばらつき低減に特に高い効果を得る。
【0027】図4、図5、図6、図8、図9および図1
0は概念を示す図であり、説明に必要上実用気化器の寸
度とは異なる。実用気化器では、例えば各図中のxa、
xbは、0.05〜0.2ミリメートル程度である場合
が多い。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例にも
とづき図面を参照して説明する。
【0029】まず、構成につき説明する。
【0030】図1は本発明の実施例たるピストンバルブ
式気化器の吸気通路の中心における断面図である。同図
において、火花点火内燃機関(101)に装着された気
化器(102)は、すべて基準寸法に仕上げられた部品
により組み立てられており、生産におけるばらつきの中
央に位置する個体である。気化器(102)のミキシン
グボディ(103)を円形の断面形状をもつ吸気通路
(105)が貫通している。吸気通路(105)と直交
するスロットルボア(200)には略円筒形状のスロッ
トル弁(104)がに収容されており、図は省略されて
いるスロットル弁(104)の最小開度を制限するスト
ップスクリューにより図示の開度に保たれている。スロ
ットル弁(104)にはケーブル(201)が装着され
ている。スロットル弁(104)はこのケーブル(20
1)の変位に応じて、スロットル弁(104)内のホル
ダー(203)上に圧縮されて装着されているリターン
スプリング(202)の力に抗しつつ吸気通路(10
5)に出入する。図1の状態はスロットル弁(104)
の開度が火花点火内燃機関(101)のアイドリング時
のものであり、これがこの気化器(102)のベンチュ
リーの面積が最小値をとる状態である。スロットル弁
(104)の下端の片側にはリブ状の突起が一周してい
る。このリブ状突起の吸入空気の流れの下流側、図中の
左方、の部分が吸気通路(105)の開口断面積を変化
させ吸入空気量を規制する吸入空気量規制部(106)
を形成しており、リブ状突起の吸入空気の流れの上流
側、図中の右方の部分がベンチュリー負圧制御部(20
9)を形成している。吸入空気量規制部(106)とベ
ンチュリー負圧制御部(209)の間の平坦部(10
7)とこれに対面する吸気通路(105)の面の間にベ
ンチュリー部(108)が形成されている。
【0031】スロットル弁(104)の内部のジェット
ニードル収容孔(109)にはジェットニードル(1)
が挿入されている。傾斜スプリング(111)は、ホル
ダー(203)内に圧縮されて収容されており、ジェッ
トニードル(1)を図中の下方に押している。ジェット
ニードル(1)にはリング(204)が固着されてお
り、このリング(204)はスロットル弁(104)の
シート部(205)の縁部と接触している。この部分の
構成詳細については図2を参照して後述する。ジェット
ニードル(1)はまた収容孔(109)の内周面に図中
の点Pで接触しており、この点において図中の水平方向
に位置決めされている。ジェットニードル(1)の当該
部位の外径は収容孔(109)の内径よりも僅かに小さ
く、ジェットニードル(1)はこの寸法差により生じる
隙間において傾斜スプリング(111)の力による時計
回りのモーメントを受けて揺動し図中の点Kでニードル
ジェット(3)と接触している。図中の点Gが本気化器
の仮想支持点(2)である。
【0032】ニードルジェット(3)はミキシングボデ
ィ(103)に圧入されており、最狭部たる計量部
(4)を備える。ジェットニードル(1)はニードルジ
ェット(3)の計量部(4)に挿入されている。フロー
ト室(115)内にはフロート(116)により定油面
が形成されており、定油面下の燃料溜(117)に貯え
られた燃料がジェットニードル(1)と計量部(4)の
間の隙間における通過抵抗により計量されベンチュリー
(108)に吸引されるよう燃料通路(118)が構成
されている。
【0033】図2は、図1の気化器のスロットル弁(1
04)、ジェットニードル(1)、ニードルジェット
(3)の要部を抽出、拡大した図1と同じく吸気通路
(105)の中心における部分断面図である。同図にお
いて、ニードルジェット(3)の計量部(4)に収容さ
れたジェットニードル(1)の部分は、最大径部
(7)、上流側テーパー部(6)および下流側小径部
(8)からなる。傾斜スプリング(111)が伸張しよ
うとする力は分散的にジェットニードル(1)の上部に
固着された円盤状のリング(204)に各図中の下向き
に作用しているが、図中の点Fに単一の力として集中作
用するのと等価である。リング(204)は、スロット
ル弁(104)に設けられた図中のAから見た形状が略
半月状であるシート部(205)の縁部の稜線(20
6)上の通常2点で接触し、図中の上下方向に位置決め
されている。この稜線(206)の上にある接触点がジ
ェットニードル(1)の揺動の支点である。図3は、シ
ート部(205)を図2中のAから見た上面図である。
シート部(205)の略半月状の面の最大傾斜線は、図
2中の角eなる傾斜をもつ。この傾斜は、偏倚量xがば
らつきにより負で絶対値が大きい値をとりジェットニー
ドル(1)が図中の反時計方向に傾斜する場合に、リン
グ(206)の前縁部(207)1点のみでシート部
(205)と接触するのを許さぬために必要である。前
縁部(207)1点でシート部(205)と接触する
と、これが図1の断面に直交する方向に関する唯一の揺
動の支点となり、ジェットニードル(1)のこの方向の
安定が損なわれ燃料流量のばらつきを招き、かつ、垂直
方向の位置決め点と水平方向の位置決め点の間の距離が
大きくなるため、ジェットニードル(1)が揺動する際
の摩擦損失が大きくなって流量の再現性を損なう問題が
生じる。角eはかかる問題を回避し得る大きさに設定さ
れている。図1にも示したとおり、図2中の点Gが本気
化器の仮想支持点(2)である。
【0034】図1、図2および図3の気化器をある内燃
機関に適合した場合における各部の具体的な寸度例につ
き説明する。シート部(205)の最大傾斜線の角eは
3度である。上流側テーパー部(6)のテーパー角は1
度20分(約1.333度)である。本実施例では下流
側小径部(8)もテーパー形状でありそのテーパー角は
1度20分(約1.333度)である。この下流側小径
部(8)のテーパー角は、生産におけるばらつきの範囲
内で図4の接触パターンの発生を阻止できる角度であ
り、かつ、最大径部(7)を挟み上流側と下流側で対象
の形状を実現するように上流側テーパー部(6)のテー
パー角に等しく選定されている。最大径部(7)はその
直径Dmが2.4ミリメートル、長さ0.5ミリメート
ルの短いストレート形状である。
【0035】ジェットニードル(1)の最大径部(7)
とニードルジェット(3)の計量部(4)が接触してい
る点Kとジェットニードル(1)を水辺方向に位置決め
している点P間の垂直方向の距離、図2中のh、は15
ミリメートルである。すなわち、点Kと本気化器(10
2)の仮想支持点(2)の垂直方向の距離は15ミリメ
ートルである。ニードルジェット(3)の計量部(4)
の長さは4ミリメートルである。偏倚量xがxaである
時、すなわちジェットニードル(1)の中心線とニード
ルジェット(3)の計量部(4)の中心線が平行である
時、の図中の点Kと計量部(4)の出口側終端間の垂直
方向の距離は1.5ミリメートルである。従って、この
時計量部(4)の内部には2ミリメートルの上流側テー
パー部(6)と0.5ミリメートルの最大径部(7)と
1.5ミリメートルの下流側小径部(8)が収容されて
いる。
【0036】スロットル弁(104)上にジェットニー
ドル収容孔(109)を穿孔する際に、その中心の水平
方向の位置はニードルジェット(3)の計量部(4)の
中心線の位置より負の方向に0.025ミリメートルず
らされている。これにより、水平方向のジェットニード
ル(1)の装着位置にはあらかじめマイナス0.025
ミリメートルの偏倚が与えられている。
【0037】ジェットニードル収容孔(109)の直径
は4.05ミリメートル、これに挿入されるジェットニ
ードル(1)の部分の直径は4ミリメートルである。両
者の寸法は単純な孔加工および軸加工で得られるからこ
れらの径のばらつきは他の偏倚量に関与するばらつきに
比べて無視できる程度に小さい。図2において、リング
(206)は水平であり傾斜スプリング(111)の力
からは水平方向の分力が発生しないが、吸入空気の流れ
の力によりジェットニードル(1)は、ジェットニード
ル収容孔(109)内で図中の左方、負の向きに偏倚し
て点Pにて各図中の水平方向に位置決めされている。よ
って、ジェットニードル(1)の中心線はジェットニー
ドル収容孔(109)の中心線より左方、負の向きに両
者の直径の差の1/2、0.025ミリメートルだけ偏
倚している。すなわち、図1および図2の場合には、ジ
ェットニードル(1)は、この偏倚マイナス0.025
ミリメートルと前記のジェットニードル収容孔(10
9)の穿孔位置に与えられた偏倚マイナス0.025ミ
リメートルとを合わせた図2中にx0として示すマイナ
ス0.05ミリメートルだけ偏倚している。よって、仮
想支持点(2)の偏倚量xはマイナス0.05ミリメー
トルである。
【0038】気化器個体間のばらつきにより偏倚量xが
xaより大きい個体では、リング(204)が図2中の
右下がりに傾斜するため、傾斜スプリング(111)の
力から水平分力が発生し、これ吸入空気の流れの力等よ
り大きければジェットニードル(1)と収容孔(10
9)の接触点は点Pの反対側の点Gに移動する。この場
合、ジェットニードル(1)はジェットニードル収容孔
(109)の内部で各図中の右方、正の向きに約両者の
直径の差の1/2、0.025ミリメートルだけ偏倚す
る。
【0039】本気化器が属する生産気化器群の、ジェッ
トニードル収容孔(109)の中心とニードルジェット
(3)の計量部(4)の中心の水平方向の相対的な位置
関係を支配する諸部品の生産での寸法誤差の集積により
生じる偏倚量xに関与する位置のばらつきの範囲は、基
準位置に対してマイナス0.13ミリメートルからプラ
ス0.13ミリメートルである。
【0040】
【発明の効果】以上の構成をもつ本発明の実施例たる気
化器の作用とこれにより得られる効果につき説明する。
なお、ジェットニードル(1)の中心線とニードルジェ
ット(3)計量部(4)の中心線のなす相対角は小さい
から、以下ではこの相対角の余弦は1と見なせるものと
する。
【0041】図1、図2および図3に示した気化器は既
述のとおりばらつきの中央に位置する。これに生産での
ばらつきの限界値を適用して本発明の構成の作用と効果
を説明する。偏倚量xの最小値xminは、あらかじめ
ジェットニードル収容孔(10)の位置に与えられた偏
倚マイナス0.025ミリメートルとジェットニードル
(1)のジェットニードル収容孔(109)の内部での
偏倚約マイナス0.025ミリメートルとばらつきe1
のマイナス0.13ミリメートルを加えた値マイナス
0.18ミリメートルである。偏倚量xの最大値xma
xは、あらかじめジェットニードル収容孔(109)の
位置に与えられた偏倚マイナス0.025ミリメートル
とジェットニードル収容孔(109)の内部でニードル
ジェット(1)が右方、正の向きに移動する場合の偏倚
プラス0.025ミリメートルとばらつきe2のプラス
0.13ミリメートルを加えた値プラス0.13ミリメ
ートルである。すなわち、この気化器が属する個体群の
偏倚量xのばらつき範囲は、マイナス0.18ミリメー
トルからプラス0.13ミリメートルである。
【0042】偏倚量xがxmin、すなわちマイナス
0.18ミリメートルである時、計算結果によれば図2
中の角jdは基準時よりは減少するが零には至らない。
従ってジェットニードル(1)とニードルジェット
(3)の計量部(4)の出口部が接触することはなく、
接触パターンは図8のパターンに維持されている。これ
はジェットニードル(1)に設けた最大径部(7)と下
流側小径部(8)の作用の結果である。
【0043】偏倚量xがxmax、すなわちプラス0.
13ミリメートルである時、計算結果によれば図2中の
角juは基準時よりは減少するが零には至らない。従っ
てジェットニードル(1)とニードルジェット(3)の
計量部(4)の入口部が接触することはなく、接触パタ
ーンは図10のパターンではなく図9のパターンに維持
されている。あらかじめジェットニードル収容孔(10
9)の位置にマイナス0.025ミリメートルの偏倚を
与えてない場合のxmaxはプラス0.155ミリメー
トルであり、この場合には偏倚量xが約プラス0.13
8ミリメートルからプラス0.155ミリメートルの領
域で図10の接触パターンとなる。よって、接触パター
ンがばらつきの全域で図9のパターンに留まるのはあら
かじめ与えた偏倚の作用の結果である。
【0044】従って、本実施例の気化器を含む生産の気
化器個体群では、すべての個体について接触のパターン
が図8および図9のパターンに維持され、気化器個体間
の燃料の通過抵抗のばらつきが小さく抑えられる効果が
得られる。
【0045】下流側小径部(8)およびあらかじめ偏倚
を与えられていない同一寸度の従来の気化器では、偏倚
量xのマイナス0.155ミリメートルからプラス0.
155ミリメートルのばらつき領域において、マイナス
0.05ミリメートル未満の領域では図4の接触パター
ンに、約プラス0.138ミリメートル超の領域では図
6の接触パターンになる。よって、流量変化の小さい図
5の接触パターンはマイナス0.05ミリメートルから
約プラス0.138ミリメートルまでの狭い範囲に限定
されている。
【0046】本発明が適用される可変ベンチュリー型気
化器の、ジェットニードルおよびニードルジェットの計
量部の断面形状は必ずしも円形であること要さず、例え
ば矩形であれば前記の最大径部を最大断面積部のように
読み替えればよい。また、ジェットニードル(1)の変
位方向は吸気通路(105)と直交していることを擁し
ない。
【0047】図1中の、仮想支持点(2)の水平位置の
ばらつき低減に寄与している支持部材(301)につ
き、図1および図11を参照して説明する。図11は、
図1中のYYにおける断面を同図中のBの向きから見た
部分断面図である。両図において、略棒状の支持部材
(301)は、ミキシングボディ(103)に設けられ
た支持部材挿入孔(302−1)、(302−2)に圧
入され固着されている。この圧入は、図1中のスロット
ル弁(104)を収容するスロットルボア(200)が
機械加工される前になされており、スロットルボア(2
00)の機械加工時に同じ回転刃具により図11中の半
径Rの摺動面(304)がスロットルボア(200)と
同心で支持部材(301)の上に形成される。スロット
ル弁(104)は、吸気負圧により図1中の左方に寄せ
られており、摺動面(304)と接触しつつ吸気通路
(105)に出入する。支持部材(301)は、ベンチ
ュリーの断面積が最小値をとる際にスロットル弁(10
4)に作用する吸気負圧の力の作用中心を支持部材(3
01)と図1中の点Lとの間に置くように、前記の吸気
負圧の力の作用中心よりもスロットル弁(104)が開
き始める部位に接近した位置、すなわち図1中の下方の
位置、に装着されている。本実施例では、ベンチュリー
の断面積が最小値をとる際にスロットル弁(104)に
作用する吸気負圧による力の作用中心は、アイドリング
時のスロットルの開度は微小であるから、円形断面をも
つ吸気通路(105)のほぼ中心、より正確には該中心
より図中で微少量上方、にある。
【0048】支持部材(301)を持たない従来の気化
器では、スロットル弁(104)は吸気負圧による力に
より吸入空気の流れの下流側に寄せられて、図1中の点
L、点Mおよび図1中では断面として切り取られた側の
ミキシングボディ(103)の点Mに対応する位置にあ
る点Nの3点においてミキシングボディ(103)に接
触している。スロットル弁(104)の外径はスロット
ルボア(200)の内径よりも当然小さいため、吸気負
圧による力により、スロットル弁(104)の下端部は
吸入空気の流れの下流側、図中の左方へ移動しスロット
ル弁(104)は傾斜する。この移動量はスロットル弁
(104)の外径とスロットルボア(200)の内径の
差が大きければ増加し、両者の径差のばらつき量よりも
大きい値の移動量が発生する。従来の気化器では、この
スロットル弁(104)の下端部の水平方向の移動によ
り点Pおよび仮想支持点(2)も同じ向きに移動するた
め既述の原因による燃料流量ばらつきが助長される問題
があった。スロットル弁(104)の吸入空気量規制部
(106)の下に低速燃料系のバイパスポートを設ける
場合には特に大きな燃料流量のばらつきを招く。また、
点Mと点Nにおいては、負圧による力の作用する方向と
スロットル弁(104)がミキシングボディ(103)
から受ける反力の方向は一致せず、いわゆる楔効果によ
りスロットル弁(104)がミキシングボディ(10
3)に食い込むため大きな摩擦力が作用し、スロットル
弁(104)の操作力が増す問題があった。これらの問
題点は当業者において周知である。
【0049】本発明になる気化器(102)では、支持
部材(301)を採用することにより前述の従来の気化
器の問題点を解決している。本実施例の気化器のスロッ
トル弁(104)とミキシングボディ(103)が主に
接触してほぼすべての接触力を相互に及し合っているの
は図1中の点Lと点Oの2点である。一般には他に少な
くとも1点の接触点があるが、この点には吸気負圧の力
およびそれへの反力は作用しない。図1から明らかなよ
うに、支持部材(301)は吸気負圧による力に比して
十分に剛であればスロットル弁(104)の下端部の左
方への移動を阻止する。従って、ジェットニードル
(1)の水平方向の支持点が移動することはなくなり、
仮想支持点(2)の偏倚も小さく抑えられ、燃料流量の
ばらつきが低減されている。また、スロットル弁(10
4)とミキシングボディ(103)は点Mおよび点Nで
は接触しない。スロットル弁(104)と支持部材(3
01)の摺動面(304)が接触する点において、摺動
面(304)はスロットル弁(104)に作用する吸気
負圧による力と完全に垂直であるから、従来の気化器に
あったいわゆる楔効果は発生せず、スロットル弁(10
4)が摺動面(304)に食い込むことはない。よっ
て、摩擦力によりスロットル弁(104)の操作力が増
す問題も解消されている。支持部材(301)は定真空
式気化器の負圧作動ピストンに適用しても全く同様に作
用し、同様の効果がえられる。また、吸気抵抗増加を防
ぐために支持部材(301)を薄肉化する場合などは、
点Mおよび点Nにおいてミキシングボディ(103)と
接触するスロットル弁(104)または負圧作動ピスト
ンの部位に逃げを設けるも自由である。
【0050】この支持部材(301)構成は、従来の気
化器に単独で適用しても上記の作用および効果が得られ
るのは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例たる気化器の吸気通路の中心に
おける断面図。
【図2】図1の気化器の要部を抽出、拡大した部分断面
図。
【図3】シート部(205)の上面図。
【図4】従来の気化器例の偏倚量小の場合の要部の概念
を説明する部分断面図。
【図5】従来の気化器例の偏倚量中の場合の要部の概念
を説明する部分断面図。
【図6】従来の気化器例の偏倚量大の場合の要部の概念
を説明する部分断面図。
【図7】気化器の偏倚量xと通過抵抗rの特性曲線を表
示す図。
【図8】本発明になる気化器例の偏倚量小の場合の要部
の概念を説明する部分断面図。
【図9】本発明になる気化器例の偏倚量中の場合の要部
の概念を説明する部分断面図。
【図10】本発明になる気化器例の偏倚量大の場合の要
部の概念を説明する部分断面図。
【図11】支持部材の長手方向の部分断面図。
【符号の説明】
1 ジェットニードル 3 ニードルジェット 4 計量部 6 上流側テーパー部 7 最大径部 8 下流側小径部 105 吸気通路 108 ベンチュリー部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベンチュリー部(108)の断面積を変
    えつつ吸気通路(105)に出入変位する弁装置と、ニ
    ードルジェット(3)およびこのニードルジェット
    (3)と接触して揺動しつつ該弁装置の吸気通路への出
    入変位に応じて変位するジェットニードル(1)からな
    る可変燃料計量装置とを備えた火花点火内燃機関用可変
    ベンチュリー型気化器であって、ベンチュリー部(10
    8)の断面積が最小値付近の値をとる際にニードルジェ
    ット(3)の計量部(4)内に収容されるジェットニー
    ドル(1)の部位の形状が、該部位の間で最も大きい径
    を有する最大径部(7)と、最大径部(7)より燃料の
    流れの上流に位置し最大径部(7)に接続していおり最
    大径部(7)より小径である上流側テーパー部(6)
    と、最大径部(7)より燃料の流れの下流に位置し最大
    径部(7)に接続しており最大径部(7)より小径であ
    る下流側小径部(8)とにより構成された気化器。
  2. 【請求項2】 下流側小径部(8)は、それが最大径部
    (7)に接続している部分において燃料の流れの下流に
    向けて径が減少するテーパー形状であるところの請求項
    1の気化器。
  3. 【請求項3】 ジェットニードル(1)の中心線とニー
    ドルジェット(3)の計量部(4)の中心線の相対位置
    を、両中心線が重なる位置からジェットニードル(1)
    が揺動してニードルジェット(3)の計量部(4)に接
    触している向きにあらかじめ引き離したところの請求項
    1の気化器。
  4. 【請求項4】 気化器は定真空式気化器であり、かつ、
    その負圧作動弁(22)が形成するベンチュリー部(1
    08)の断面積の大きさを少なくとも火花点火内燃機関
    のアイドリング状態では該負圧作動弁(22)の吸気通
    路(105)への出入変位が発生しない大きさとなるよ
    うに該負圧作動弁(22)を保持する機構を備えた気化
    器であるところの請求項1の気化器。
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