JP2000309550A - 高純度ナフタレンの製造方法 - Google Patents

高純度ナフタレンの製造方法

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JP2000309550A
JP2000309550A JP11122671A JP12267199A JP2000309550A JP 2000309550 A JP2000309550 A JP 2000309550A JP 11122671 A JP11122671 A JP 11122671A JP 12267199 A JP12267199 A JP 12267199A JP 2000309550 A JP2000309550 A JP 2000309550A
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naphthalene
formaldehyde
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JP11122671A
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Toshihide Senzaki
利英 千崎
Takahiro Imamura
高弘 今村
Takeshi Takayama
毅 高山
Katsuhide Noguchi
勝秀 野口
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて高純度で且つ香料用としても優れるナ
フタレンを簡易に得ること。 【解決手段】 粗ナフタレンを、ホルムアルデヒド及び
反応系でホルムアルデヒドを生成する化合物から選ばれ
るホルムアルデヒド類と又は該ホルムアルデヒド類とフ
ェノール類と、酸触媒の存在下に反応させてオリゴマー
を生成させ、得られた反応混合物から未反応ナフタレン
を蒸留又は蒸発させてオリゴマーと分離し、分離された
ナフタレンを晶析又は有機溶剤で洗浄することを特徴と
する高純度ナフタレンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高純度ナフタレンの
製造方法に関する。特に、異臭の少ない香料用として優
れる高純度ナフタレンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ナフタレンは石油系油、石炭系油中の中
油溜分(約200〜250℃)中に比較的多量に含まれ
ており、これから蒸留等により回収されている。例とし
て石炭系ナフタレンの製造方法を示すと、コールタール
を蒸留して中油溜分を取り出し、これからフェノール、
キノリン等の酸性成分、塩基性成分を抽出法により回収
したのち、これを更に蒸留するか、結晶化することによ
りナフタレンを回収する。このようにして得られるナフ
タレンは、純度が95%前後の粗ナフタレンである。
【0003】粗ナフタレンを精製する方法としては、蒸
留法や晶析法が一般的であり、晶析法では再結晶法、連
続晶析法(特公昭58−46322号公報)等が採用さ
れている。また、特公平3−2128号公報では、共沸
蒸留−晶析法が提案されている。このようにして得られ
る精製ナフタレンは、純度が100%近くの高純度ナフ
タレンであり、防虫剤等の用途に使用されるが、この場
合も着色、着臭が可及的に少ないことが望まれる。ま
た、医薬品等の有機合成原料とする場合は触媒毒となる
イオウ化合物の不純物が少ないことが望まれる。ところ
が、上記のような中油溜分中には沸点の近接した多数の
不純物が含まれることが知られており、これらを完全に
除去することは極めて困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡易な方法
で高純度のナフタレンを製造することを目的とする。ま
た、本発明は、香料用ナフタレンとして異臭のない精製
ナフタレンを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するため研究を行ったところ、粗ナフタレン中に含
まれ、晶析等では分離しにくい不純物を重質化し、次い
でこれを蒸留すれば、これらを効率的に分離できること
を見出し本発明に到達した。すなわち、本発明は粗ナフ
タレンと、ホルムアルデヒド及びパラホルムアルデヒド
等の反応系でホルムアルデヒドを生成する化合物から選
ばれるホルムアルデヒド類を、酸触媒の存在下に反応さ
せてオリゴマーを生成させ、得られた反応混合物から未
反応ナフタレンを蒸留又は蒸発させてとオリゴマーと分
離し、分離されたナフタレンを晶析又は有機溶剤で洗浄
することを特徴とする高純度ナフタレンの製造方法であ
る。また、本発明は前記製造方法において、ホルムアル
デヒド類と共にフェノール類を使用する高純度ナフタレ
ンの製造方法である。
【0006】本発明で使用する粗ナフタレンは純度が8
0%以上、好ましくは90%以上とされたものがよく、
これの由来が石油系であっても石炭系であっても差し支
えない。より好ましくは、石炭系の95%ナフタレンと
称される粗ナフタレンである。粗ナフタレン中には各種
芳香族炭化水素やフェノール類等が存在しうるが、キノ
リン等の塩基類は触媒毒となるので、除いておくことが
望ましい。
【0007】本発明で使用するホルムアルデヒド類は、
反応系でホルムアルデヒドを生成するものであればよ
く、ホルムアルデヒド自体、ホルマリン、パラホルムア
ルデヒド等が使用できるが、パラホルムアルデヒドが有
利である。
【0008】本発明ではフェノール類を使用することが
できる。この場合、使用するフェノール類は、フェノー
ルの他、クレゾール、キシレノール、t−ブチルフェノ
ール等のアルキルフェノール、レゾルシン、ピロガロー
ル等の多価フェノール、ナフトール等の多環芳香族ヒド
ロキシ化合物などが使用できるが、フェノール、アルキ
ルフェノール等の1価のフェノールが反応性、副生する
オリゴマーの有効利用などの面から望ましい。
【0009】本発明で使用する酸触媒は、硫酸、燐酸、
塩酸等の無機酸、しゅう酸、トルエンスルホン酸等の有
機酸、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素及びこれらの
錯体等のルイス酸、シリカ−アルミナ、ゼオライト、イ
オン交換樹脂、酸性白土等の固体酸などが使用できる
が、しゅう酸やトルエンスルホン酸等の有機酸が好まし
い。なお、しゅう酸のような熱分解性の触媒であれば、
これを除去する操作が省略できるという効果もある。
【0010】粗ナフタレンに対するホルムアルデヒド類
及びフェノール類の使用割合は、粗ナフタレンの純度等
により異なるが、粗ナフタレン100重量部に対し、ホ
ルムアルデヒド類(ホルムアルデヒド換算)10〜50
重量部、好ましくは20〜40重量部、フェノール類0
〜70重量部、好ましくは30〜60重量部程度の範囲
がよい。ホルムアルデヒド類が多いとナフタレンの反応
率が上がり、精製ナフタレンの歩留まりが低下する。少
なすぎると不純物が未反応のまま残存する率が増える。
フェノール類は、ナフタレンより反応性が高いため、ナ
フタレンの反応率を低下させる作用を有する他、副生す
るオリゴマーの性状を改良する。しかしながら、副生す
るオリゴマーの分子量が高くないものやフェノール類単
位を含まないものを望む場合は、フェノール類を使用し
ないことも有利である。
【0011】酸触媒の使用量は、酸触媒の種類によって
異なるが、一般に反応原料の0.5〜20重量%程度で
あり、しゅう酸の場合は、5〜10重量%程度が好まし
い。
【0012】反応条件は、使用する原料、触媒によって
異なるが、反応温度が50〜180℃、反応時間が0.
5〜5時間程度が一般的である。この反応では、ナフタ
レン、ナフタレン中の不純物とホルムアルデヒド類との
反応が生じ、ナフタレン系炭化水素樹脂のようなオリゴ
マーが生成する。フェノール類を反応系に加える場合
は、ナフタレン変性ノボラック樹脂又はフェノール類変
性炭化水素樹脂のようなオリゴマーが生成する。そし
て、ナフタレン以外の成分は可及的に全部反応させるこ
とが好ましく、ナフタレンの反応率は60%以下、好ま
しくは10〜50%程度とすることがよい。また、溶媒
は必要により使用することができる。
【0013】反応終了後、これを蒸留にかけ、まず水や
ホルムアルデヒド等の低沸点物を溜出させ、次いで減圧
にして200〜250〜300℃程度まで昇温して、ナ
フタレン及びその他の溜分を溜出させる。ナフタレン溜
分はナフタレン濃度が99%以上であり、これを晶析又
は洗浄して精製ナフタレンとする。残留物はオリゴマー
であり、これは炭化水素樹脂、変性ノボラック樹脂又は
変性炭化水素樹脂として、利用可能である。なお、反応
終了後、必要により触媒除去処理を水洗等により行って
もよく、この場合は反応の進行はここで停止し、行わな
い場合は蒸留中も反応が一部進行する。
【0014】晶析は連続晶析、再結晶いずれでもよい
が、再結晶が簡便である。再結晶溶媒としては、メタノ
ール、エタノール、アセトン等の低沸点有機溶媒が好ま
しい。メタノールの場合、その使用量はナフタレン1重
量部に対し、2〜6重量部が一般的であり、50〜70
℃程度に加熱溶解し、20〜0℃程度に冷却して析出さ
せる。この再結晶は通常、1回で十分であるが、必要に
より2回以上繰り返すこともできる。また、洗浄はメタ
ノール等の有機溶剤を、ナフタレンの全部を溶解するに
は不足する量を使用して撹袢したのち、固液分離するな
どの方法が採用できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を示す。実
施例中、%は重量%であり、部は重量部である。
【0016】
【実施例】実施例1 石炭系の95%ナフタレン134部、p−ターシャリブ
チルフェノール68部及び98%パラホルムアルデヒド
34部をフラスコに仕込み、これを110℃保ち、しゅ
う酸22部を添加した。次いで、撹袢しつつ130℃で
2.5hr反応を行ない、オリゴマーを生成させた。な
お、生成水等の低沸点分は還流させた。
【0017】反応終了後、フラスコにコンデンサーを取
付け、常圧で蒸留を開始した。200℃までに、水、ホ
ルムアルデヒド等の低沸点物は溜出した。200℃から
は10mmHgの減圧にして蒸留を行ない270℃まで
昇温し、ナフタレン溜分を溜出させた。ナフタレン溜分
は100部であり、その純度は99.9%以上であっ
た。また、フラスコ中に残る樹脂分は水洗して、触媒を
除去することにより、軟化点113.6℃のオリゴマー
120部を得た。
【0018】ナフタレン溜分100部を、メタノール4
00部中に加え、60℃完全に溶解させ、次いで10℃
に冷却し、結晶を析出させ、固液分離した。分離された
固体の精製ナフタレンは75部であり、ガスクロ純度は
100%であった。そして、得られた精製ナフタレンの
官能検査をしたところ、異臭がなく、香料用として優れ
たものであることが判明した。
【0019】
【発明の効果】本発明の方法によれば、極めて高純度で
且つ香料用として優れるナフタレンを簡易に得ることが
可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高山 毅 福岡県北九州市戸畑区大字中原先の浜46番 地の80、新日鐵化学株式会社総合研究所内 (72)発明者 野口 勝秀 福岡県北九州市戸畑区大字中原先の浜46番 地の80、新日鐵化学株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AD11 AD15 AD17 AD30 AD33 BA66

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗ナフタレンを、ホルムアルデヒド及び
    反応系でホルムアルデヒドを生成する化合物から選ばれ
    るホルムアルデヒド類と又は該ホルムアルデヒド類とフ
    ェノール類と、酸触媒の存在下に反応させてオリゴマー
    を生成させ、得られた反応混合物から未反応ナフタレン
    を蒸留又は蒸発させてオリゴマーと分離し、分離された
    ナフタレンを晶析又は有機溶剤で洗浄することを特徴と
    する高純度ナフタレンの製造方法。
  2. 【請求項2】 高純度ナフタレンが香料用ナフタレンで
    ある請求項1記載の高純度ナフタレンの製造方法。
JP11122671A 1999-04-28 1999-04-28 高純度ナフタレンの製造方法 Withdrawn JP2000309550A (ja)

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KR1020017013587A KR100743889B1 (ko) 1999-04-28 2000-04-27 방향족 탄화수소의 정제방법 및 고순도 방향족 탄화수소의제조방법
EP00921078A EP1180507A4 (en) 1999-04-28 2000-04-27 PROCESS FOR CLEANING AROMATIC HYDROCARBONS AND METHOD FOR PRODUCING HIGH-PURITY AROMATIC HYDROCARBONS
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PCT/JP2000/002798 WO2000066521A1 (fr) 1999-04-28 2000-04-27 Procede pour purifier des hydrocarbures aromatiques et procede pour preparer des hydrocarbures aromatiques tres purs

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105523899A (zh) * 2015-07-06 2016-04-27 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 一种双酚类化合物抗氧剂的清洁生产方法及应用

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105523899A (zh) * 2015-07-06 2016-04-27 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 一种双酚类化合物抗氧剂的清洁生产方法及应用
CN105523899B (zh) * 2015-07-06 2017-07-28 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 一种双酚类化合物抗氧剂的清洁生产方法及应用

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