JP2000309010A - コンクリート製品 - Google Patents
コンクリート製品Info
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- JP2000309010A JP2000309010A JP11119252A JP11925299A JP2000309010A JP 2000309010 A JP2000309010 A JP 2000309010A JP 11119252 A JP11119252 A JP 11119252A JP 11925299 A JP11925299 A JP 11925299A JP 2000309010 A JP2000309010 A JP 2000309010A
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- concrete
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Abstract
(57)【要約】
【課題】アンカー筋を用いて鉄筋へ固定部材を溶接する
際に、熟練を要するとともに、鉄筋が固定部材と干渉す
るために、鉄筋の一部を切除する必要があった。 【解決手段】コンクリート製品は、筋部材を格子状に配
設しその筋部材をコンクリートCにより被覆してなるコ
ンクリート製品本体1と、コンクリート製品本体1の筋
部材に固定されコンクリート製品本体1を他の部材に結
合するための固定部材とを備えてなり、固定部材が、筋
部材に固定されてコンクリート製品本体内1に設けられ
るアンカー部21,31と、アンカー部21,31に一
体に形成され他の部材に連結されて荷重を支持する荷重
受け部22,32とを有し、アンカー部21,31が筋
部材の干渉を回避する開口23,33を備える。
際に、熟練を要するとともに、鉄筋が固定部材と干渉す
るために、鉄筋の一部を切除する必要があった。 【解決手段】コンクリート製品は、筋部材を格子状に配
設しその筋部材をコンクリートCにより被覆してなるコ
ンクリート製品本体1と、コンクリート製品本体1の筋
部材に固定されコンクリート製品本体1を他の部材に結
合するための固定部材とを備えてなり、固定部材が、筋
部材に固定されてコンクリート製品本体内1に設けられ
るアンカー部21,31と、アンカー部21,31に一
体に形成され他の部材に連結されて荷重を支持する荷重
受け部22,32とを有し、アンカー部21,31が筋
部材の干渉を回避する開口23,33を備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば高層ビル等
の外装に用いられるプレキャストコンクリート版等のコ
ンクリート製品に関する。
の外装に用いられるプレキャストコンクリート版等のコ
ンクリート製品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のコンクリート製品、例え
ばブレキャストコンクリート版は、型枠内に複数の主鉄
筋を直交するようにして格子状に配筋しておき、配筋し
た主鉄筋にファスナと呼ばれる製品固定用の金具を固定
しておき、型枠内にコンクリートを打設し、コンクリー
トが硬化した後に型枠から脱型して製造するものであ
る。図13に示すファスナFnは、プレキャストコンク
リート版を例えば高層建築の鉄骨にプレキャストコンク
リート版下端部を固定するための金具であり、鉄骨との
連結部Fnaがコンクリート表面から突出するものであ
る。このようなファスナFnは、アングル材を用いて製
作されるもので、アングル材を所定幅に切断し、その下
面に平鋼板Psを垂直に溶接し、平鋼板Psの側面に固
定のためのアンカー鉄筋Asを溶接して、そのアンカー
鉄筋Asを主鉄筋Msに溶接してファスナFnを固定す
るものである。
ばブレキャストコンクリート版は、型枠内に複数の主鉄
筋を直交するようにして格子状に配筋しておき、配筋し
た主鉄筋にファスナと呼ばれる製品固定用の金具を固定
しておき、型枠内にコンクリートを打設し、コンクリー
トが硬化した後に型枠から脱型して製造するものであ
る。図13に示すファスナFnは、プレキャストコンク
リート版を例えば高層建築の鉄骨にプレキャストコンク
リート版下端部を固定するための金具であり、鉄骨との
連結部Fnaがコンクリート表面から突出するものであ
る。このようなファスナFnは、アングル材を用いて製
作されるもので、アングル材を所定幅に切断し、その下
面に平鋼板Psを垂直に溶接し、平鋼板Psの側面に固
定のためのアンカー鉄筋Asを溶接して、そのアンカー
鉄筋Asを主鉄筋Msに溶接してファスナFnを固定す
るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なアングル材を用いたものにあっては、配筋に合わせて
平鋼板Psを溶接するものの、ファスナFnの固定位置
によっては、アンカー鉄筋Asが主鉄筋Msに干渉する
ことがある。例えば、主鉄筋Msにより形成される格子
内領域にファスナFnの平鋼板Psが入らない場合に
は、アンカー鉄筋Asを主鉄筋Msに定着できない。こ
のようなものにあっては、格子を形成している主鉄筋M
sの一部を切除し、その切除した主鉄筋Msの位置から
ファスナFnの平鋼板Psを格子内領域に入れ、主鉄筋
Msに補強筋を加えなければならず、作業工数が増加す
るとともに、主鉄筋Msへの定着が困難なものになっ
た。
なアングル材を用いたものにあっては、配筋に合わせて
平鋼板Psを溶接するものの、ファスナFnの固定位置
によっては、アンカー鉄筋Asが主鉄筋Msに干渉する
ことがある。例えば、主鉄筋Msにより形成される格子
内領域にファスナFnの平鋼板Psが入らない場合に
は、アンカー鉄筋Asを主鉄筋Msに定着できない。こ
のようなものにあっては、格子を形成している主鉄筋M
sの一部を切除し、その切除した主鉄筋Msの位置から
ファスナFnの平鋼板Psを格子内領域に入れ、主鉄筋
Msに補強筋を加えなければならず、作業工数が増加す
るとともに、主鉄筋Msへの定着が困難なものになっ
た。
【0004】しかも、このような構造のファスナFnに
あっては、アンカー鉄筋Asと主鉄筋Msとの溶接によ
り、プレキャストコンクリート版取付時にファスナFn
にかかる応力が主鉄筋Msに伝達されるため、比較的大
型のプレキャストコンクリート版では、十分な応力伝達
ができないことがあり、ファスナFnとコンクリートと
の密着性が弱くなる傾向にあった。このような傾向は、
プレキャストコンクリート版の厚みが薄く、主鉄筋が一
層にしか配筋されない薄手のものにおいて、顕著になっ
た。
あっては、アンカー鉄筋Asと主鉄筋Msとの溶接によ
り、プレキャストコンクリート版取付時にファスナFn
にかかる応力が主鉄筋Msに伝達されるため、比較的大
型のプレキャストコンクリート版では、十分な応力伝達
ができないことがあり、ファスナFnとコンクリートと
の密着性が弱くなる傾向にあった。このような傾向は、
プレキャストコンクリート版の厚みが薄く、主鉄筋が一
層にしか配筋されない薄手のものにおいて、顕著になっ
た。
【0005】本発明は、このような不具合を解消するこ
とを目的としている。
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係るコンクリート製品は、コン
クリート製品本体の格子状に配設された筋部材に固定さ
れる固定部材が、コンクリート製品本体内に設けられる
アンカー部とそのアンカー部に一体に形成される荷重受
け部とを有し、アンカー部に筋部材の干渉を回避する開
口を設ける構成としている。
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係るコンクリート製品は、コン
クリート製品本体の格子状に配設された筋部材に固定さ
れる固定部材が、コンクリート製品本体内に設けられる
アンカー部とそのアンカー部に一体に形成される荷重受
け部とを有し、アンカー部に筋部材の干渉を回避する開
口を設ける構成としている。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、筋部材を格子状に配設
しその筋部材をコンクリートにより被覆してなるコンク
リート製品本体と、コンクリート製品本体の筋部材に固
定されコンクリート製品本体を他の部材に結合するため
の固定部材とを備えてなり、固定部材が、筋部材に固定
されてコンクリート製品本体内に設けられるアンカー部
と、アンカー部に一体に形成されて他の部材に連結され
る荷重受け部とを有し、アンカー部が筋部材の干渉を回
避する開口を備えることを特徴とするコンクリート製品
である。
しその筋部材をコンクリートにより被覆してなるコンク
リート製品本体と、コンクリート製品本体の筋部材に固
定されコンクリート製品本体を他の部材に結合するため
の固定部材とを備えてなり、固定部材が、筋部材に固定
されてコンクリート製品本体内に設けられるアンカー部
と、アンカー部に一体に形成されて他の部材に連結され
る荷重受け部とを有し、アンカー部が筋部材の干渉を回
避する開口を備えることを特徴とするコンクリート製品
である。
【0008】このような構成のものであれば、固定部材
は、アンカー部と荷重受け部とが一体に形成されるもの
であるので、アンカー部をコンクリート製品本体の筋部
材に固定すると荷重受け部の位置決めが完了することに
なる。また、アンカー部は、筋部材の干渉を回避する開
口を有しているので、固定部材を筋部材に固定する際に
筋部材を切断する必要がない。したがって、熟練を要す
ることなく固定部材をコンクリート製品本体の所定位置
に固定することが可能になる。
は、アンカー部と荷重受け部とが一体に形成されるもの
であるので、アンカー部をコンクリート製品本体の筋部
材に固定すると荷重受け部の位置決めが完了することに
なる。また、アンカー部は、筋部材の干渉を回避する開
口を有しているので、固定部材を筋部材に固定する際に
筋部材を切断する必要がない。したがって、熟練を要す
ることなく固定部材をコンクリート製品本体の所定位置
に固定することが可能になる。
【0009】固定部材としては、平板を折曲して形成さ
れるものが好ましい。このように、平板を折曲すること
により固定部材を形成すれば、アンカー部と荷重受け部
とを容易に一体に形成することが可能になる。このよう
な固定部材としては、コンクリート製品本体から突出し
てコンクリート製品本体の縦方向の荷重を支持する荷重
受け部を有する縦型ファスナが挙げられる。また、固定
部材としては、コンクリート製品本体の表面と略面一に
取り付けられコンクリート製品本体の厚み方向の荷重を
支持する荷重受け部を有する横型ファスナが挙げられ
る。固定部材として、縦型ファスナをコンクリート製品
本体の下端側に固定し、横型ファスナをその上端側に固
定して組み合わせて使用すれば、コンクリート製品本体
の下方への荷重を縦型ファスナにより支持し、コンクリ
ート製品本体が倒れ込む荷重を横型ファスナにより支持
することが可能になる。
れるものが好ましい。このように、平板を折曲すること
により固定部材を形成すれば、アンカー部と荷重受け部
とを容易に一体に形成することが可能になる。このよう
な固定部材としては、コンクリート製品本体から突出し
てコンクリート製品本体の縦方向の荷重を支持する荷重
受け部を有する縦型ファスナが挙げられる。また、固定
部材としては、コンクリート製品本体の表面と略面一に
取り付けられコンクリート製品本体の厚み方向の荷重を
支持する荷重受け部を有する横型ファスナが挙げられ
る。固定部材として、縦型ファスナをコンクリート製品
本体の下端側に固定し、横型ファスナをその上端側に固
定して組み合わせて使用すれば、コンクリート製品本体
の下方への荷重を縦型ファスナにより支持し、コンクリ
ート製品本体が倒れ込む荷重を横型ファスナにより支持
することが可能になる。
【0010】このような固定部材におけるアンカー部と
荷重受け部とが、1枚の平板を折曲して形成してなり、
アンカー部が、折曲することにより筋部材と略平行な方
向に延出する鍔と開口を形成することにより生じる切り
起こし片とを有してなるものであれば、鍔を筋部材に固
定することにより、固定が容易になるとともに、開口を
形成することにより生じた切り起こし片により、固定部
材にかかる荷重をコンクリート製品本体に伝達しやすく
なる。したがって、大面積のコンクリート製品本体への
適用が可能になる。
荷重受け部とが、1枚の平板を折曲して形成してなり、
アンカー部が、折曲することにより筋部材と略平行な方
向に延出する鍔と開口を形成することにより生じる切り
起こし片とを有してなるものであれば、鍔を筋部材に固
定することにより、固定が容易になるとともに、開口を
形成することにより生じた切り起こし片により、固定部
材にかかる荷重をコンクリート製品本体に伝達しやすく
なる。したがって、大面積のコンクリート製品本体への
適用が可能になる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して
説明する。図1に示すコンクリート製品であるプレキャ
ストコンクリート版100は、コンクリート製品本体1
と、固定部材である下部ファスナ2と上部ファスナ3と
を有している。この実施例のプレキャストコンクリート
版100は、例えば厚さ90mm、縦4000mm、横
2500mmのもので、その内部に筋部材である縦鉄筋
4及び横鉄筋5を1層だけ有するものである。すなわ
ち、コンクリート製品本体1は、複数本の縦鉄筋4、横
鉄筋5と、その縦及び横鉄筋4、5を被覆するように打
設されるコンクリートCとからなる。縦鉄筋4と横鉄筋
5とは、直交するようにして格子状に配筋している。こ
の実施例では、縦鉄筋4と横鉄筋5とがプレキャストコ
ンクリート版100の厚み方向の略中央に1層のみ埋設
される構造である。
説明する。図1に示すコンクリート製品であるプレキャ
ストコンクリート版100は、コンクリート製品本体1
と、固定部材である下部ファスナ2と上部ファスナ3と
を有している。この実施例のプレキャストコンクリート
版100は、例えば厚さ90mm、縦4000mm、横
2500mmのもので、その内部に筋部材である縦鉄筋
4及び横鉄筋5を1層だけ有するものである。すなわ
ち、コンクリート製品本体1は、複数本の縦鉄筋4、横
鉄筋5と、その縦及び横鉄筋4、5を被覆するように打
設されるコンクリートCとからなる。縦鉄筋4と横鉄筋
5とは、直交するようにして格子状に配筋している。こ
の実施例では、縦鉄筋4と横鉄筋5とがプレキャストコ
ンクリート版100の厚み方向の略中央に1層のみ埋設
される構造である。
【0012】このようなコンクリート製品本体1に対し
て、下部ファスナ2と上部ファスナ3とが所定位置に固
定してある。下部ファスナ2及び上部ファスナ3はそれ
ぞれ、一枚の厚肉の平板を折曲加工して製作されるもの
である。下部ファスナ2は、プレキャストコンクリート
版100が使用される際に下側となる下縁100a近傍
に左右に離間して固定されるもので、上部ファスナ3は
上側となる上縁100b近傍で左右方向に下部ファスナ
2の固定位置に対応して固定されるものである。下部フ
ァスナ2及び上部ファスナ3は、縦鉄筋4に固定されて
コンクリート製品本体1内に設けられるアンカー部2
1,31と、アンカー部21,31に一体に形成されて
鉄骨等の他の部材に連結される荷重受け部22,32と
を有し、アンカー部21,31が筋部材である横鉄筋5
の干渉を回避する開口23,33を備える構造である。
て、下部ファスナ2と上部ファスナ3とが所定位置に固
定してある。下部ファスナ2及び上部ファスナ3はそれ
ぞれ、一枚の厚肉の平板を折曲加工して製作されるもの
である。下部ファスナ2は、プレキャストコンクリート
版100が使用される際に下側となる下縁100a近傍
に左右に離間して固定されるもので、上部ファスナ3は
上側となる上縁100b近傍で左右方向に下部ファスナ
2の固定位置に対応して固定されるものである。下部フ
ァスナ2及び上部ファスナ3は、縦鉄筋4に固定されて
コンクリート製品本体1内に設けられるアンカー部2
1,31と、アンカー部21,31に一体に形成されて
鉄骨等の他の部材に連結される荷重受け部22,32と
を有し、アンカー部21,31が筋部材である横鉄筋5
の干渉を回避する開口23,33を備える構造である。
【0013】下部ファスナ2は、その荷重受け部22が
コンクリート製品本体1から突出するもので、荷重受け
部22は、台形状の連結壁22aと、その連結壁22a
の左右に折曲により一体に設けられて連結壁22aを支
持する側面支持壁22bとを有し、側面支持壁22b同
士が平板からなる補強板22cにより連結してある。連
結壁22aの前端近傍には、プレキャストコンクリート
版100の固定用のボルトを通す貫通孔22dが設けて
あり、その貫通孔22dに対応して連結壁22aの下面
にはナット22eが溶接してある。補強板22cは、荷
重受け部22とアンカー部21との境界となる位置に固
定されるものである。この荷重受け部22に一体に形成
されるアンカー部21は、連結壁22aに連続する底壁
21aと、その底壁21aの外方端が略直角外側すなわ
ち下側に折曲されて形成される下鍔21bと、側面支持
壁22bを延出してなる側壁21cと、側壁21cの外
方端が側方外側に略直角に折曲されて形成される側鍔2
1dと、側壁21cの一部をその側壁21c内側に切り
起こして側鍔21dと略水平に位置させた切り起こし片
たる内側鍔21eと、内側鍔21eを切り起こした後に
形成される開口23とからなる。開口23は、横鉄筋5
が貫通する大きさであればよい。また、底壁21aの両
側端部には、縦鉄筋4が通る切欠21fが設けてある。
コンクリート製品本体1から突出するもので、荷重受け
部22は、台形状の連結壁22aと、その連結壁22a
の左右に折曲により一体に設けられて連結壁22aを支
持する側面支持壁22bとを有し、側面支持壁22b同
士が平板からなる補強板22cにより連結してある。連
結壁22aの前端近傍には、プレキャストコンクリート
版100の固定用のボルトを通す貫通孔22dが設けて
あり、その貫通孔22dに対応して連結壁22aの下面
にはナット22eが溶接してある。補強板22cは、荷
重受け部22とアンカー部21との境界となる位置に固
定されるものである。この荷重受け部22に一体に形成
されるアンカー部21は、連結壁22aに連続する底壁
21aと、その底壁21aの外方端が略直角外側すなわ
ち下側に折曲されて形成される下鍔21bと、側面支持
壁22bを延出してなる側壁21cと、側壁21cの外
方端が側方外側に略直角に折曲されて形成される側鍔2
1dと、側壁21cの一部をその側壁21c内側に切り
起こして側鍔21dと略水平に位置させた切り起こし片
たる内側鍔21eと、内側鍔21eを切り起こした後に
形成される開口23とからなる。開口23は、横鉄筋5
が貫通する大きさであればよい。また、底壁21aの両
側端部には、縦鉄筋4が通る切欠21fが設けてある。
【0014】この下部ファスナ2は、所定の形状すなわ
ち台形形状に切断された厚肉板金素材を、開口23を形
成するための位置及び下鍔21bを折曲するために切欠
21fの位置に切り欠いておき、次に説明する順序で、
プレスにて折曲加工を行う。まず、第1曲げ加工として
下鍔21bを形成するように折曲する。次に、第2、第
3曲げ加工として、側鍔21dを形成すべく厚肉板金素
材の対応部分を折曲する。この第2、第3曲げ加工時
に、内側鍔21eを相寄る方向に側鍔21dの折曲に伴
って内側鍔21eを切り起こす。この後、第4、第5曲
げ加工として、連結壁22aに連続する側面支持壁22
bを形成するために、連結壁22bの幅に相当する位置
で、厚肉板金素材が相寄るように折曲する。この後、側
面支持壁22bの対向する内面間に、補強板22cを溶
接して側面支持壁22bを補強する。この後、ナット2
2eを連結壁22aに溶接する。
ち台形形状に切断された厚肉板金素材を、開口23を形
成するための位置及び下鍔21bを折曲するために切欠
21fの位置に切り欠いておき、次に説明する順序で、
プレスにて折曲加工を行う。まず、第1曲げ加工として
下鍔21bを形成するように折曲する。次に、第2、第
3曲げ加工として、側鍔21dを形成すべく厚肉板金素
材の対応部分を折曲する。この第2、第3曲げ加工時
に、内側鍔21eを相寄る方向に側鍔21dの折曲に伴
って内側鍔21eを切り起こす。この後、第4、第5曲
げ加工として、連結壁22aに連続する側面支持壁22
bを形成するために、連結壁22bの幅に相当する位置
で、厚肉板金素材が相寄るように折曲する。この後、側
面支持壁22bの対向する内面間に、補強板22cを溶
接して側面支持壁22bを補強する。この後、ナット2
2eを連結壁22aに溶接する。
【0015】上部ファスナ3は、その荷重受け部32の
表面がコンクリート製品本体1の表面と略面一になるも
ので、荷重受け部32は、略正方形の平板で、その中央
に固定用のボルトが貫通する貫通孔32aが設けてあ
り、その貫通孔32aに対応して裏面に雌ネジ長の長い
ナット32bが固定されている。このナット2bの荷重
受け部32表面と背向する端部は、例えばプラスチック
製のキャップ(図示しない)により、打設したコンクリ
ートCがナット32b内部に侵入しないようにしてあ
る。この荷重受け部32に連続して、アンカー部31を
構成する傾斜側壁31aが一体に設けてある。傾斜側壁
31aは、荷重受け部32と対向する、つまり荷重受け
部32に連続しない縁部分が、所定角度例えば傾斜側壁
31aと略直角になるようにして外側に折曲されて取付
鍔31bが形成してある。また、この取付鍔31bに
は、傾斜側壁31aの一部をその傾斜側壁31a内側に
切り起こして略水平に位置させた切り起こし片たる内側
鍔31cが連続する。そして、傾斜側壁31aには、内
側鍔31cを切り起こした後に形成される開口33が設
けられる。
表面がコンクリート製品本体1の表面と略面一になるも
ので、荷重受け部32は、略正方形の平板で、その中央
に固定用のボルトが貫通する貫通孔32aが設けてあ
り、その貫通孔32aに対応して裏面に雌ネジ長の長い
ナット32bが固定されている。このナット2bの荷重
受け部32表面と背向する端部は、例えばプラスチック
製のキャップ(図示しない)により、打設したコンクリ
ートCがナット32b内部に侵入しないようにしてあ
る。この荷重受け部32に連続して、アンカー部31を
構成する傾斜側壁31aが一体に設けてある。傾斜側壁
31aは、荷重受け部32と対向する、つまり荷重受け
部32に連続しない縁部分が、所定角度例えば傾斜側壁
31aと略直角になるようにして外側に折曲されて取付
鍔31bが形成してある。また、この取付鍔31bに
は、傾斜側壁31aの一部をその傾斜側壁31a内側に
切り起こして略水平に位置させた切り起こし片たる内側
鍔31cが連続する。そして、傾斜側壁31aには、内
側鍔31cを切り起こした後に形成される開口33が設
けられる。
【0016】この上部ファスナ3は、下部ファスナ2同
様に、所定の形状すなわち略長方形形状に切断された厚
肉板金素材を、開口33を形成するための位置に切り込
みを入れておき、次に説明する順序で、プレスにて折曲
加工を行う。まず、第1、第2曲げ加工として、取付鍔
31bを形成すべく厚肉板金素材の対応部分を折曲す
る。この第1、第2曲げ加工時に、内側鍔31cを相寄
る方向に取付鍔31bの折曲に伴って内側鍔31cを切
り起こす。この後、第3、第4曲げ加工として、荷重受
け部32に連続する傾斜側壁31aを形成するために、
荷重受け部32の幅に相当する位置で、厚肉板金素材が
所定角度で相寄るように折曲する。
様に、所定の形状すなわち略長方形形状に切断された厚
肉板金素材を、開口33を形成するための位置に切り込
みを入れておき、次に説明する順序で、プレスにて折曲
加工を行う。まず、第1、第2曲げ加工として、取付鍔
31bを形成すべく厚肉板金素材の対応部分を折曲す
る。この第1、第2曲げ加工時に、内側鍔31cを相寄
る方向に取付鍔31bの折曲に伴って内側鍔31cを切
り起こす。この後、第3、第4曲げ加工として、荷重受
け部32に連続する傾斜側壁31aを形成するために、
荷重受け部32の幅に相当する位置で、厚肉板金素材が
所定角度で相寄るように折曲する。
【0017】これらの下部ファスナ2及び上部ファスナ
3は、型枠内に配筋された縦鉄筋4及び横鉄筋5に、そ
れぞれのアンカー部21,31を接合することにより固
定される。具体的には、まず下部ファスナ2を、型枠に
対して、下部ファスナ2の連結壁22aに固定されたナ
ット22eを雄ねじ部材により下部ファスナ2の固定位
置に、同様に、上部ファスナ3を、所定の固定位置にそ
れぞれ仮固定しておく。この状態で、縦鉄筋4及び横鉄
筋5を型枠内に配筋していく。縦鉄筋4及び横鉄筋5は
それぞれ、所定のピッチで配筋する。
3は、型枠内に配筋された縦鉄筋4及び横鉄筋5に、そ
れぞれのアンカー部21,31を接合することにより固
定される。具体的には、まず下部ファスナ2を、型枠に
対して、下部ファスナ2の連結壁22aに固定されたナ
ット22eを雄ねじ部材により下部ファスナ2の固定位
置に、同様に、上部ファスナ3を、所定の固定位置にそ
れぞれ仮固定しておく。この状態で、縦鉄筋4及び横鉄
筋5を型枠内に配筋していく。縦鉄筋4及び横鉄筋5は
それぞれ、所定のピッチで配筋する。
【0018】下部ファスナ2にあっては、その下鍔21
bを横鉄筋5に溶接により固定し、切欠21fの位置に
おいてアンカー部21の内面に縦鉄筋4を溶接により固
定することにより、コンクリート製品本体1に固定され
る。下鍔21bの上側に存在する横鉄筋5は、下部ファ
スナ2の開口23を貫通する。また、側鍔21dに固定
された縦鉄筋4間に存在する縦鉄筋4は、型枠を水平に
設置している状態で下鍔21bの下側を通過する。ま
た、上部ファスナ3にあっては、取付鍔31bが縦鉄筋
4に固定される。取付鍔31bに溶接された縦鉄筋4間
にある縦鉄筋4は、傾斜側壁31a間を通過するととも
に、横鉄筋5は、型枠を水平に設置している状態で上部
ファスナ3の上側及び下側を通過するとともに、傾斜側
壁31aに設けた開口33を貫通する。したがって、下
部ファスナ2及び上部ファスナ3は、縦鉄筋4及び横鉄
筋5と干渉することがない。
bを横鉄筋5に溶接により固定し、切欠21fの位置に
おいてアンカー部21の内面に縦鉄筋4を溶接により固
定することにより、コンクリート製品本体1に固定され
る。下鍔21bの上側に存在する横鉄筋5は、下部ファ
スナ2の開口23を貫通する。また、側鍔21dに固定
された縦鉄筋4間に存在する縦鉄筋4は、型枠を水平に
設置している状態で下鍔21bの下側を通過する。ま
た、上部ファスナ3にあっては、取付鍔31bが縦鉄筋
4に固定される。取付鍔31bに溶接された縦鉄筋4間
にある縦鉄筋4は、傾斜側壁31a間を通過するととも
に、横鉄筋5は、型枠を水平に設置している状態で上部
ファスナ3の上側及び下側を通過するとともに、傾斜側
壁31aに設けた開口33を貫通する。したがって、下
部ファスナ2及び上部ファスナ3は、縦鉄筋4及び横鉄
筋5と干渉することがない。
【0019】このようにして下部ファスナ2及び上部フ
ァスナ3を縦鉄筋4及び横鉄筋5に固定した後、型枠に
コンクリートCを打設する。コンクリートCを打設する
と、下部ファスナ2にあっては、その荷重受け部22が
コンクリートC表面から露出し、アンカー部21がコン
クリートC内に埋設される。一方、上部ファスナ3にあ
っては、その荷重受け部22表面が露出した状態でコン
クリートC表面と略面一になるとともに、アンカー部2
1がコンクリートC内に埋設される。完成したプレキャ
ストコンクリート版100は、例えば高層ビルディング
の外壁として使用されるもので、図11に示すように、
下部ファスナ2が、鉄骨Fに固定されて下方向への荷重
を支持するとともに、上部ファスナ3が面方向の荷重を
支持する。
ァスナ3を縦鉄筋4及び横鉄筋5に固定した後、型枠に
コンクリートCを打設する。コンクリートCを打設する
と、下部ファスナ2にあっては、その荷重受け部22が
コンクリートC表面から露出し、アンカー部21がコン
クリートC内に埋設される。一方、上部ファスナ3にあ
っては、その荷重受け部22表面が露出した状態でコン
クリートC表面と略面一になるとともに、アンカー部2
1がコンクリートC内に埋設される。完成したプレキャ
ストコンクリート版100は、例えば高層ビルディング
の外壁として使用されるもので、図11に示すように、
下部ファスナ2が、鉄骨Fに固定されて下方向への荷重
を支持するとともに、上部ファスナ3が面方向の荷重を
支持する。
【0020】以上のように、下部ファスナ2及び上部フ
ァスナ3はそれぞれ、1枚の板金素材から折曲加工によ
り製作するので、荷重受け部22,32とアンカー部2
1,31とを一体にして製作することができ、その製作
工程において溶接作業を最小限に削減することができ
る。したがって、下部ファスナ2及び上部ファスナ3
を、溶接の熟練を必要とすることなく、高精度に、かつ
再現性よく製作することができる。また、板金素材を折
曲して製作しているので、下部ファスナ2及び上部ファ
スナ3全体の剛性を板金素材が有する剛性以上に高くす
ることができる。
ァスナ3はそれぞれ、1枚の板金素材から折曲加工によ
り製作するので、荷重受け部22,32とアンカー部2
1,31とを一体にして製作することができ、その製作
工程において溶接作業を最小限に削減することができ
る。したがって、下部ファスナ2及び上部ファスナ3
を、溶接の熟練を必要とすることなく、高精度に、かつ
再現性よく製作することができる。また、板金素材を折
曲して製作しているので、下部ファスナ2及び上部ファ
スナ3全体の剛性を板金素材が有する剛性以上に高くす
ることができる。
【0021】また、下部ファスナ2及び上部ファスナ3
を固定するにあたって、下部ファスナ2は、下鍔21b
及びアンカー部21の内面において縦及び横鉄筋4,5
に固定され、上部ファスナ3は、取付鍔31bにおいて
縦鉄筋4に固定されるので、コンクリート製品本体1の
厚みが薄くとも、縦及び横鉄筋4,5により形成される
仮想平面内で整合のとれた状態で固定することができ
る。したがって、コンクリート製品本体1の厚みを薄く
することができるとともに、使用時にかかる応力をコン
クリート製品本体1に効率よく伝達することができる。
を固定するにあたって、下部ファスナ2は、下鍔21b
及びアンカー部21の内面において縦及び横鉄筋4,5
に固定され、上部ファスナ3は、取付鍔31bにおいて
縦鉄筋4に固定されるので、コンクリート製品本体1の
厚みが薄くとも、縦及び横鉄筋4,5により形成される
仮想平面内で整合のとれた状態で固定することができ
る。したがって、コンクリート製品本体1の厚みを薄く
することができるとともに、使用時にかかる応力をコン
クリート製品本体1に効率よく伝達することができる。
【0022】さらに、下部ファスナ2及び上部ファスナ
3はそれぞれ、アンカー部21,31に開口23,33
を有しているので、配筋の状態に影響されずに所定の位
置に固定することができる。すなわち、上記したよう
に、鉄筋間にある鉄筋は、開口23,33を介してアン
カー部21,31を貫通することになり、よってこのよ
うな位置にある鉄筋をアンカー部21,31近傍位置に
おいて切断する必要がない。このため、下部ファスナ2
及び上部ファスナ3の固定作業工数を削減することがで
きるとともに、鉄筋の切除部分をなくすことができるの
で、コンクリート製品本体1の強度を低下させることを
防止することができる。
3はそれぞれ、アンカー部21,31に開口23,33
を有しているので、配筋の状態に影響されずに所定の位
置に固定することができる。すなわち、上記したよう
に、鉄筋間にある鉄筋は、開口23,33を介してアン
カー部21,31を貫通することになり、よってこのよ
うな位置にある鉄筋をアンカー部21,31近傍位置に
おいて切断する必要がない。このため、下部ファスナ2
及び上部ファスナ3の固定作業工数を削減することがで
きるとともに、鉄筋の切除部分をなくすことができるの
で、コンクリート製品本体1の強度を低下させることを
防止することができる。
【0023】さらに、使用時にあっては、下部ファスナ
2は、下鍔21b及びアンカー部21の内面において縦
及び横鉄筋4,5に固定され、かつ打設されたコンクリ
ートC内に埋設され、上部ファスナ3は、取付鍔31b
において縦鉄筋4に固定され、かつコンクリートC内に
埋設され、しかもそれぞれが内側鍔21e,31cが打
設されたコンクリートC内に埋設されるので、下部ファ
スナ2に係る下向きの荷重及び上部ファスナ3にかかる
厚み方向の荷重は、それらの下鍔21b、側鍔21d、
取付鍔31b及びに内側鍔21e,31cより分散され
て支持されるものとなる。したがって、それぞれの荷重
を下及び上部ファスナ2,3とコンクリートCとにより
一体的に支持することができる。
2は、下鍔21b及びアンカー部21の内面において縦
及び横鉄筋4,5に固定され、かつ打設されたコンクリ
ートC内に埋設され、上部ファスナ3は、取付鍔31b
において縦鉄筋4に固定され、かつコンクリートC内に
埋設され、しかもそれぞれが内側鍔21e,31cが打
設されたコンクリートC内に埋設されるので、下部ファ
スナ2に係る下向きの荷重及び上部ファスナ3にかかる
厚み方向の荷重は、それらの下鍔21b、側鍔21d、
取付鍔31b及びに内側鍔21e,31cより分散され
て支持されるものとなる。したがって、それぞれの荷重
を下及び上部ファスナ2,3とコンクリートCとにより
一体的に支持することができる。
【0024】なお、本発明は以上に説明した実施例に限
定されるものではない。上記実施例における下部ファス
ナ2は、側面支持壁22bを平板の補強板22cにより
相互に連結したが、この補強板22cを、図12に示す
ように、平板の幅寸法の略1/2の幅で、両端部を所定
角度例えば45°で傾斜させた傾斜端122caを有す
るように形成するものであってもよい。このような補強
板122cに対応して、下部ファスナ102の側面支持
壁122bには、傾斜端122ca及び非傾斜端122
cbを係止するための開口122eが設けてある。この
補強板122cは、下部ファスナ102の折り曲げ加工
が完了した後、アンカー部121方向から荷重受け部1
22方向に移動させて、傾斜端122ca及び非傾斜端
122cbを開口122e,122eに嵌合させて取り
付け、その後傾斜端122ca及び非傾斜端122cb
を溶接して固定する。このような構造にすれば、補強板
122cの位置決めが容易で、また、補強板122cを
支持することなく溶接することができ、製作を容易にす
ることができる。
定されるものではない。上記実施例における下部ファス
ナ2は、側面支持壁22bを平板の補強板22cにより
相互に連結したが、この補強板22cを、図12に示す
ように、平板の幅寸法の略1/2の幅で、両端部を所定
角度例えば45°で傾斜させた傾斜端122caを有す
るように形成するものであってもよい。このような補強
板122cに対応して、下部ファスナ102の側面支持
壁122bには、傾斜端122ca及び非傾斜端122
cbを係止するための開口122eが設けてある。この
補強板122cは、下部ファスナ102の折り曲げ加工
が完了した後、アンカー部121方向から荷重受け部1
22方向に移動させて、傾斜端122ca及び非傾斜端
122cbを開口122e,122eに嵌合させて取り
付け、その後傾斜端122ca及び非傾斜端122cb
を溶接して固定する。このような構造にすれば、補強板
122cの位置決めが容易で、また、補強板122cを
支持することなく溶接することができ、製作を容易にす
ることができる。
【0025】また、下部ファスナの形状としては、連結
壁に対して左右支持壁が傾斜することなく略直角に折曲
され、かつ左右支持壁の形状が側面視長方形のものであ
ってもよい。このような形状にすれば、折曲加工を単純
化することができる。また、アンカー部が略長方形状と
なるので、プレキャストコンクリート版100に埋設さ
れた状態でアンカー部の支圧接触面積が大きくなり、安
定性を向上させることができる。
壁に対して左右支持壁が傾斜することなく略直角に折曲
され、かつ左右支持壁の形状が側面視長方形のものであ
ってもよい。このような形状にすれば、折曲加工を単純
化することができる。また、アンカー部が略長方形状と
なるので、プレキャストコンクリート版100に埋設さ
れた状態でアンカー部の支圧接触面積が大きくなり、安
定性を向上させることができる。
【0026】このように、下部ファスナにあっては、各
種の形状を採用するものであってよい。この場合、下部
ファスナは、一枚の厚肉板金素材から折曲加工により形
成するもので、アンカー部に鉄筋の干渉を回避する開口
を備えるものであればよい。また、左右支持壁の補強と
して、左右支持壁の一部を相寄る方向に折曲し、折曲し
た部分の端部を当接させた上で溶接により接合するよう
にしたものであってもよい。
種の形状を採用するものであってよい。この場合、下部
ファスナは、一枚の厚肉板金素材から折曲加工により形
成するもので、アンカー部に鉄筋の干渉を回避する開口
を備えるものであればよい。また、左右支持壁の補強と
して、左右支持壁の一部を相寄る方向に折曲し、折曲し
た部分の端部を当接させた上で溶接により接合するよう
にしたものであってもよい。
【0027】同様に、下部ファスナは、連結壁が、アン
カー部に対向する端部に向かって拡開する平面視台形形
状をなし、またアンカー部に対向する端部に向かって拡
開する側面視台形形状の左右支持壁を傾斜することなく
略直角に折曲したものであってもよい。このような形状
によれば、荷重受け部が略台形形状をしているので、プ
レキャストコンクリート版100のアンカー部の耐力向
上支圧面積が大きくなり、この下部ファスナと鉄骨との
安定性を向上させることができる。
カー部に対向する端部に向かって拡開する平面視台形形
状をなし、またアンカー部に対向する端部に向かって拡
開する側面視台形形状の左右支持壁を傾斜することなく
略直角に折曲したものであってもよい。このような形状
によれば、荷重受け部が略台形形状をしているので、プ
レキャストコンクリート版100のアンカー部の耐力向
上支圧面積が大きくなり、この下部ファスナと鉄骨との
安定性を向上させることができる。
【0028】さらに、上部ファスナにあっては、荷重受
け部が、プレキャストコンクリート版100の表面側に
膨らんで湾曲するものであってもよい。すなわち、上部
ファスナの荷重受け部を貫通孔を中心として、プレキャ
ストコンクリート版100の横方向に平面的に湾曲する
もの、あるいは球面状に湾曲するものであってよい。こ
れら荷重受け部が湾曲するものにあっては、プレキャス
トコンクリート版100が鉄骨に取り付けられた状態
で、鉄骨が震動した場合に、上部ファスナが鉄骨に対し
て線あるいは点接触状態になっているので、プレキャス
トコンクリート版100に伝達される震動を減少させる
ことができる。
け部が、プレキャストコンクリート版100の表面側に
膨らんで湾曲するものであってもよい。すなわち、上部
ファスナの荷重受け部を貫通孔を中心として、プレキャ
ストコンクリート版100の横方向に平面的に湾曲する
もの、あるいは球面状に湾曲するものであってよい。こ
れら荷重受け部が湾曲するものにあっては、プレキャス
トコンクリート版100が鉄骨に取り付けられた状態
で、鉄骨が震動した場合に、上部ファスナが鉄骨に対し
て線あるいは点接触状態になっているので、プレキャス
トコンクリート版100に伝達される震動を減少させる
ことができる。
【0029】加えて、上記したそれぞれの上部ファスナ
にあっては、荷重受け部におけるナットのかわりに、雄
ねじの形成された棒体を固定しておくものであってもよ
い。また、このような棒体を有するものと荷重受け部の
湾曲面構造とを組み合わせて、上部ファスナを形成する
ものであってもよい。その他、各部の構成は図示例に限
定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲
で種々変形が可能である。
にあっては、荷重受け部におけるナットのかわりに、雄
ねじの形成された棒体を固定しておくものであってもよ
い。また、このような棒体を有するものと荷重受け部の
湾曲面構造とを組み合わせて、上部ファスナを形成する
ものであってもよい。その他、各部の構成は図示例に限
定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲
で種々変形が可能である。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、固定部
材は、アンカー部と荷重受け部とが一体に形成されるも
のであるので、アンカー部をコンクリート製品本体の筋
部材に固定することにより荷重受け部の位置決めを完了
することができる。また、アンカー部は、筋部材の干渉
を回避する開口を有しているので、固定部材を筋部材に
固定する際に筋部材を切断することをなくすことができ
る。したがって、熟練を要することなく固定部材をコン
クリート製品本体の所定位置に固定することができる。
材は、アンカー部と荷重受け部とが一体に形成されるも
のであるので、アンカー部をコンクリート製品本体の筋
部材に固定することにより荷重受け部の位置決めを完了
することができる。また、アンカー部は、筋部材の干渉
を回避する開口を有しているので、固定部材を筋部材に
固定する際に筋部材を切断することをなくすことができ
る。したがって、熟練を要することなく固定部材をコン
クリート製品本体の所定位置に固定することができる。
【0031】固定部材として、平板を折曲して形成され
るものにすれば、アンカー部と荷重受け部とを容易に一
体に形成することができる。また、溶接を行う必要がな
いので、寸法精度及び取付精度を高くすることができ
る。このような固定部材として、コンクリート製品本体
から突出してコンクリート製品本体の縦方向の荷重を支
持する荷重受け部を有する縦型ファスナ、及びコンクリ
ート製品本体の表面と略面一に取り付けられコンクリー
ト製品本体の厚み方向の荷重を支持する荷重受け部を有
する横型ファスナであれば、縦型ファスナをコンクリー
ト製品本体の下端側に固定し、横型ファスナをその上端
側に固定して組み合わせて使用して、コンクリート製品
本体の下方への荷重を縦型ファスナにより支持し、コン
クリート製品本体が倒れ込む荷重を横型ファスナにより
支持することができる。
るものにすれば、アンカー部と荷重受け部とを容易に一
体に形成することができる。また、溶接を行う必要がな
いので、寸法精度及び取付精度を高くすることができ
る。このような固定部材として、コンクリート製品本体
から突出してコンクリート製品本体の縦方向の荷重を支
持する荷重受け部を有する縦型ファスナ、及びコンクリ
ート製品本体の表面と略面一に取り付けられコンクリー
ト製品本体の厚み方向の荷重を支持する荷重受け部を有
する横型ファスナであれば、縦型ファスナをコンクリー
ト製品本体の下端側に固定し、横型ファスナをその上端
側に固定して組み合わせて使用して、コンクリート製品
本体の下方への荷重を縦型ファスナにより支持し、コン
クリート製品本体が倒れ込む荷重を横型ファスナにより
支持することができる。
【0032】このような固定部材におけるアンカー部と
荷重受け部とが、1枚の平板を折曲して形成してなり、
アンカー部が、折曲することにより筋部材と略平行な方
向に延出する鍔と開口を形成することにより生じる切り
起こし片とを有してなるものであれば、鍔を筋部材に固
定することにより、固定が容易になるとともに、開口を
形成することにより生じた切り起こし片により、固定部
材にかかる荷重をコンクリート製品本体に容易に伝達す
ることができ、したがって、大面積のコンクリート製品
本体への適用が容易になる。
荷重受け部とが、1枚の平板を折曲して形成してなり、
アンカー部が、折曲することにより筋部材と略平行な方
向に延出する鍔と開口を形成することにより生じる切り
起こし片とを有してなるものであれば、鍔を筋部材に固
定することにより、固定が容易になるとともに、開口を
形成することにより生じた切り起こし片により、固定部
材にかかる荷重をコンクリート製品本体に容易に伝達す
ることができ、したがって、大面積のコンクリート製品
本体への適用が容易になる。
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図。
【図2】同実施例の上部ファスナと下部ファスナとの取
付状態を示す図1のI−I線に沿った一部省略断面図。
付状態を示す図1のI−I線に沿った一部省略断面図。
【図3】同実施例のコンクリートを打設する前の状態を
示す一部省略平面図。
示す一部省略平面図。
【図4】同実施例の下部ファスナの斜視図。
【図5】同実施例の下部ファスナの正面図。
【図6】同実施例の下部ファスナの平面図。
【図7】同実施例の下部ファスナの側面図。
【図8】同実施例の上部ファスナの斜視図。
【図9】同実施例の上部ファスナの平面図。
【図10】同実施例の上部ファスナの下面図。
【図11】同実施例の使用状態を示す一部省略断面図。
【図12】本発明の他の実施例の下部ファスナの斜視
図。
図。
【図13】従来例の下部ファスナを示す斜視図。
1…コンクリート製品本体 2…下部ファスナ 3…上部ファスナ 21,31…アンカー部 22,32…荷重受け部 23,33…開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E002 NA01 NB06 PA04 PA08 RA03 RB01 RB07 SA01 TA01 XA03 XA18 2E162 AA01 CA11 4G058 GA01 GB02 GC01 GE01 GE15
Claims (5)
- 【請求項1】筋部材を格子状に配設しその筋部材をコン
クリートにより被覆してなるコンクリート製品本体と、 コンクリート製品本体の筋部材に固定されコンクリート
製品本体を他の部材に結合するための固定部材とを備え
てなり、 固定部材が、筋部材に固定されてコンクリート製品本体
内に設けられるアンカー部と、アンカー部に一体に形成
され他の部材に連結されて荷重を支持する荷重受け部と
を有し、アンカー部が筋部材の干渉を回避する開口を備
えることを特徴とするコンクリート製品。 - 【請求項2】固定部材が、平板を折曲して形成されるこ
とを特徴とする請求項1記載のコンクリート製品。 - 【請求項3】固定部材が、コンクリート製品本体から突
出してコンクリート製品本体の縦方向の荷重を支持する
荷重受け部を有する縦型ファスナであることを特徴とす
る請求項1又は2記載のコンクリート製品。 - 【請求項4】固定部材が、コンクリート製品本体の表面
と略面一に取り付けられコンクリート製品本体の厚み方
向の荷重を支持する荷重受け部を有する横型ファスナで
あることを特徴とする請求項1又は2記載のコンクリー
ト製品。 - 【請求項5】アンカー部と荷重受け部とが、1枚の平板
を折曲して形成してなり、アンカー部が、折曲すること
により筋部材と略平行な方向に延出する鍔と開口を形成
することにより生じる切り起こし片とを有してなること
を特徴とする請求項1、2、3又は4記載のコンクリー
ト製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11119252A JP2000309010A (ja) | 1999-04-27 | 1999-04-27 | コンクリート製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11119252A JP2000309010A (ja) | 1999-04-27 | 1999-04-27 | コンクリート製品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000309010A true JP2000309010A (ja) | 2000-11-07 |
Family
ID=14756736
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11119252A Pending JP2000309010A (ja) | 1999-04-27 | 1999-04-27 | コンクリート製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000309010A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104775338A (zh) * | 2015-03-26 | 2015-07-15 | 中铁七局集团第一工程有限公司 | 一种铁路防护栅栏立柱及其制作方法 |
CN115012540A (zh) * | 2022-07-05 | 2022-09-06 | 浙江理工大学 | 一种新型外墙保温连接件及其安装使用方法 |
-
1999
- 1999-04-27 JP JP11119252A patent/JP2000309010A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104775338A (zh) * | 2015-03-26 | 2015-07-15 | 中铁七局集团第一工程有限公司 | 一种铁路防护栅栏立柱及其制作方法 |
CN115012540A (zh) * | 2022-07-05 | 2022-09-06 | 浙江理工大学 | 一种新型外墙保温连接件及其安装使用方法 |
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