JP4135910B2 - 増設布基礎の通風孔の施工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の増設布基礎の通風孔の施工法に係り、詳しくは、既存建築物の布基礎の床下換気口に連通する通風孔を、既存建築物の布基礎に隣接して新たな建築物の増設布基礎に形成する増設布基礎の通風孔の施工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建築物の布基礎においては、床下換気を図るために床下換気口が設けられていることが多い。既存建築物に新たな建築物を構築する際には、床下換気を図るために新たな建築物の増設布基礎に通風孔を形成する必要が生じる。
【0003】
既存建築物に新たな建築物を構築する際、図8に示すように、既存建築物の既存布基礎101に床下換気口102が設けられており、この既存布基礎101の増設側の外側面103に平面コの字型の新たな増設布基礎104を構築し連結する場合、増設布基礎104に通風孔105を形成する。この場合、増設布基礎104の通風孔105と既存布基礎101の床下換気口102とは空間を介し連続するので、既存建築物及び新たな建築物の床下換気を図ることができる。
【0004】
ところで、既存布基礎101と新たに構築する平面コの字型の増設布基礎104との連結は、図9に示すように、既存布基礎101に差し筋アンカー106を打ち込み、増設側の鉄筋107と重ね継ぎ手を行う施工法による(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この施工法においては、既存布基礎101と増設布基礎104との連結部は簡易な固定面となっており、既存布基礎101と増設布基礎104との連続一体性が殆ど考慮されていない。つまり、増設布基礎102が既存布基礎101と密着固定されず、増設布基礎104が連続一体に閉じていないので、風や地震等による水平力により作用する転倒モーメント等に対して充分な強度及び剛性が確保できず、増設布基礎104に浮き上がりや水平移動等の不具合が生じるおそれがあった。
【0005】
充分な強度と剛性を確保するとともに一体性を確保するために、図10に示すように、既存布基礎101の外側面103に隣接させて、平面視でロの字型等の連続一体に閉じた新たな増設布基礎108を構築する施工法が用いられることがある。この施工法においても、床下換気を図るために増設布基礎108に通風孔を設ける必要がある。前記増設布基礎104に通風孔105を形成するときと同様に、増設布基礎108の既存布基礎101に隣接しない布基礎には通風孔110を形成することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−145164号公報(第1−3頁、図4−図9)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、既存布基礎101の外側面103に隣接させ、連続一体に閉じた新たな増設布基礎108を構築すると、図10に示すように、既存布基礎101に設けられている床下換気口102は増設側の抱き合わせ部の増設布基礎109により塞がれてしまう。このために、既存建築物及び新たな建築物の床下換気を図ることができない。
【0008】
本発明は、上記した事情や問題に鑑みてなされたものであり、既存布基礎に隣接する新たな建築物の増設布基礎を構築する際に、既存布基礎に設けられている床下換気口に連通する通風孔を増設布基礎に形成する増設布基礎の通風孔の施工法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の増設布基礎の通風孔の施工法は、既存建築物の布基礎に隣接して新たな建築物の増設布基礎を構築する際に、前記布基礎の床下換気口に連通する通風孔を前記増設布基礎に形成する増設布基礎の通風孔の施工法において、前記布基礎の床下換気口の増設側の外側面の周囲上方に固着されて、該床下換気口の上方を塞ぐ閉塞部材から前記布基礎と反対方向へ突出している支持片に形成すべき通風孔と略同じ外形状を有する箱状型枠をその一方の端部が前記閉塞部材及び前記床下換気口の周囲と密着するように取付けてから、前記布基礎の外側面と該外側面から所定間隔を設けて別途設置されている型枠の間にコンクリートモルタルを打設して、当該コンクリートモルタルの硬化した後に、前記箱状型枠を取り除くことによって、増設布基礎に通風孔を形成することを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る増設布基礎の通風孔の施工法について、図面に基づいて説明する。該増設布基礎の通風孔の施工法は、図1に示す施工手順に従い、図2に示すように、既存布基礎1に隣接する連続一体に閉じた新たな増設布基礎2を構築する際に、既存布基礎1の増設布基礎2に隣接する隣接布基礎3に設けられている床下換気口4に連通させて、新たな建築物の抱き合わせ部布基礎5に通風孔6を形成する施工法である。なお、図2において、新たな増設布基礎2は平面視でロの字型であるが、これに限定されない。新たな増設布基礎2が連続一体に閉じ、既存布基礎1の隣接布基礎3が少なくとも床下換気口4が設けられている部分において増設布基礎2の抱き合わせ部布基礎5と隣接していればよく、例えば、新たな増設布基礎2は平面視で隅部に斜部や凹部を有していてもよい。
【0011】
既存建築物の既存布基礎1に隣接する新たな建築物の増設布基礎2を構築するために、図1(a)及び図3に示すように、増設布基礎2の骨組とするための配筋を行う。増設側の抱き合わせ部布基礎5における通風孔6の予定部位付近の配筋に関しては、通風孔6周りの格子状鉄筋9を切り欠き、補強筋10により補強し配筋を行う。
【0012】
隣接布基礎3の床下換気口4の増設側の外側面7の周囲上方に閉塞部材11をコンクリートボンド等の固着剤により固着させ、図1(b)及び図4に示すように、該床下換気口4の上方を塞ぐ。該閉塞部材11は隣接布基礎3と反対方向へ突出している支持片12を有する。閉塞部材11は厚さ0.4mm程度の薄厚の亜鉛鉄板等の金属板からなる。閉塞部材11は、例えば図5に示すように、長片の金属板の1辺から長さ同一の平行な切り込み13を2か所に設け、該切込み13を対辺とする長方形状の片を隣接布基礎3と反対方向へ直角方向に折曲げることにより支持片12を設け形成してもよい。また、長片の金属板を隣接布基礎3と反対方向へ直角方向に折曲げ、断面がL字型一定の閉塞部材としてもよい。この閉塞部材は、床下換気口4を塞ぎ外側面7に固着する片と、該片の端部から直角方向に延出する支持片とからなる。
【0013】
閉塞部材11の支持片12に箱状型枠14を、図1(c)及び図6に示すように、該箱状型枠14の一方の端部が閉塞部材11及び床下換気口4の周囲と密着するように取付ける。該箱状型枠14は増設布基礎2の抱き合わせ部布基礎5に形成すべき通風孔6と略同じ外形状を有し、木板を貼り合せる等してなる。閉塞部材11の支持片12に箱状型枠14を密着させるとともに、取り外しができるように取付ける。なお、箱状型枠14は、格子状鉄筋9や補強筋10に針金等を用いて取り付ければよいが、これに限定されない。
【0014】
次に、既存布基礎1の隣接布基礎3の外側面7と該外側面7から所定間隔を設けて、図1(d)に示すように、増設布基礎2の抱き合わせ部布基礎5を設けるための型枠16を別途設置する。また、増設布基礎2の抱き合わせ部布基礎5以外の布基礎を設けるための型枠と、増設布基礎2の抱き合わせ部布基礎5以外に形成する通風孔8を設けるための型枠を更に別途設置する。隣接布基礎3の外側面7と前記型枠16との間、及び増設布基礎2の抱き合わせ部布基礎5以外の布基礎と通風孔8を設けるための型枠の間に、コンクリートモルタルを打設する。このとき、床下換気口4と箱状型枠14との隙間は前記閉塞部材11により塞がれているので、コンクリートモルタルが床下換気口4に漏れない。
【0015】
コンクリートモルタルの硬化した後、図1(e)に示すように、前記箱状型枠14、及び型枠16等の型枠を取り除く。これによって、床下換気口4に連通し箱状型枠14と略同じ外形状の通風孔6が形成された抱き合わせ部布基礎5を有する増設布基礎2を構築することができる。このため、既存建築物及び新たな建築物の床下換気を図る役割を連通する床下換気口4と通風孔6とが果たすことができる。
【0016】
なお、前記閉塞部材11が隣接布基礎3の増設側の外側面7の床下換気口4の上方を塞ぎ、閉塞部材11から突出している支持片12及び床下換気口4の周囲と密着するように箱状型枠14を取付けるので、隣接布基礎3の床下換気口4に連通する通風孔6を増設布基礎2の抱き合わせ部布基礎5に形成することができる。
【0017】
前記支持片12は箱状型枠14と密着することにより、打設するコンクリートモルタルの床下換気口4への漏れを防ぐとともに、箱状型枠14を正確な位置に取付ける役割を果たす。また、支持片12が存在しない場合には、箱状型枠14を正確な位置に取付けることが困難であるため、打設するコンクリートモルタルの床下換気口4への漏れや、また箱状型枠14の外形状ひいては通風孔6の開口面積を必要以上に大きくすることによる増設布基礎2の強度低下という欠点が生じる。
【0018】
また、図3に示すように、増設布基礎2の抱き合わせ部布基礎5の骨組となる格子状鉄筋9の上端筋から通風孔6までのかぶり厚さLを、増設布基礎2の強度確保のため最小限確保する必要がある。通風孔6の上面は、箱状型枠14と密着する閉塞部材11の支持片12により定まるため、閉塞部材11によりかぶり厚さLを最小限確保した通風孔6を確実に形成することができる。
【0019】
なお、箱状型枠14の外形状は通風孔6の開口形状と略同じであるので、必要な床下換気量が得られるように箱状型枠14の外形状を定めればよい。ただし、通風孔6の開口面積は増設布基礎2の強度面から狭いことが望ましい。
【0020】
なお、箱状型枠14の外幅が床下換気口4の幅より狭いと打設するコンクリートモルタルが床下換気口4に漏れるため、また、箱状型枠14の端部を外側面7の床下換気口4の周囲に密着させ取付ける必要があるため、箱状型枠14の外幅は床下換気口4の幅より若干広いことが必要である。さらに、箱状型枠14の下面を床下換気口4の下面より高く設置すると打設するコンクリートモルタルが床下換気口4に漏れるため、また、箱状型枠14の端部を外側面7の床下換気口4の周囲に密着させ取付ける必要があるため、箱状型枠14の下面を床下換気口4の下面より若干低く設置することが必要である。
【0021】
また、前記閉塞部材11は薄板であるため、箱状型枠14を例えば図5に示すような閉塞部材11の上に乗り上げて設置したとしても、乗り上げ隙間からコンクリートモルタルが漏れない。このために、支持片12の幅を箱状型枠14の外幅に誤差無く合わせる必要がないため、閉塞部材11の加工が容易になり、加工コストを削減できる。
【0022】
なお、閉塞部材11は、床下換気口4を塞ぐ面と支持片12とが各々の端部の一部または全部を共有することが好ましい。これは、支持片12に密着して取り付けられる箱状型枠14が増設布基礎2の構築後に取り外されるので、閉塞部材11により通風孔6が一部遮蔽され、実質的な開口面積が減少することを防ぐためである。
【0023】
また、閉塞部材11が、図5に示すような形状であるとき、切り込み12間の距離、すなわち支持片12の幅は、床下換気口4の外側面7側の幅と略同一もしくは広いことが好ましい。通風孔6の幅より支持片12の幅が狭いと、通風孔6が閉塞部材11により一部遮蔽され、実質的な開口面積が減少するためである。
【0024】
また、既存布基礎1の外側面7に隣接する増設布基礎2に通風孔6を設ける場合に限らない。例えば、図7に示すように、既存布基礎1の隣接布基礎3の立ち上がり部をはつり、そのはつり面16に対して構築される連続一体に閉じた増設布基礎17の抱き合わせ部布基礎18に通風孔19を設けてもよい。
【0025】
以上説明したように、本実施の形態の増設布基礎の通風孔の施工法によれば、隣接する増設側の抱き合わせ部布基礎5に、床下換気口4に連通する通風孔6を形成することができる。このため、既存建築物及び新たな建築物の床下換気を図る役割を連通する床下換気口4と通風孔6とが果たすことができる。
【0026】
また、床下換気口4と箱状型枠14との隙間を閉塞部材11により塞ぐことができるので、打設するコンクリートモルタルが床下換気口4に漏れることを防止することができる。
【0027】
また、支持片13は箱状型枠14と密着するので、打設するコンクリートモルタルの床下換気口4への漏れを防ぐとともに、箱状型枠14を正確な位置に設置することができる。
【0028】
また、かぶり厚さLを増設布基礎2の強度確保のため最小限確保して、通風孔6を確実に形成することができる。
【0029】
また、閉塞部材11の取付けと箱状型枠14の設置とによる簡易な施工により、床下換気口4に連通する通風孔6を設けることができるので、手間がかからず施工コストを削減できる。
【0030】
また、閉塞部材11は通風孔6の端面に残るので、通風孔6を補強することができるとともに、閉塞部材11を取除く必要がないため手間がかからず施工コストを削減できる。
【0031】
また、通風孔6を設けるための施工を除き、配筋、型枠設置を含め従来と同じ施工が可能であるので、従来の施工法をそのまま利用することができる。
【0032】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、請求項1の増設布基礎の通風孔の施工法によれば、閉塞部材が既存建築物の布基礎の増設側の外側面の床下換気口の上方を塞ぎ、閉塞部材から突出している支持片に箱状型枠をその一方の端部から閉塞部材及び床下換気口の周囲と密着するように取付けるので、既存建築物の布基礎の床下換気口に連通する通風孔を増設布基礎に形成することができる。
【0033】
また、閉塞部材が既存建築物の布基礎の増設側の外側面の床下換気口の周囲上方に固着されて床下換気口の上方を塞ぎ、閉塞部材から突出している支持片に箱状型枠をその一方の端部から閉塞部材及び床下換気口の周囲と密着するように取付けるので、打設するコンクリートモルタルが床下換気口に漏れることを防止することができる。
【0034】
また、床下換気口の上方を塞ぐ閉塞部材から突出している支持片に箱状型枠を取付けるため、箱状型枠を正確な位置に設置できるので、強度確保等を考慮した通風孔を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る増設布基礎の通風孔の施工法をその手順に沿って示す断面説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る増設布基礎の設置を説明する図である。
【図3】増設布基礎の配筋を示す図である。
【図4】既存布基礎に閉塞部材を取付けた状態を説明する図である。
【図5】閉塞部材の斜視図である。
【図6】既存布基礎に閉塞部材と箱状型枠を取付けた状態を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る別の増設布基礎の設置を説明する図である。
【図8】従来例に係る増設布基礎の設置を説明する図である。
【図9】従来例に係る既存布基礎と増設布基礎の鉄筋との連結状態を説明する図である。
【図10】従来例に係る増設布基礎の設置を説明する図である。
【符号の説明】
1 既存布基礎
2 増設布基礎
3 隣接布基礎
4 床下換気口
5 抱き合わせ部布基礎
6 通風孔
7 外側面
8 通風孔
9 格子状鉄筋
10 補強筋
11 閉塞部材
12 支持片
13 切欠き
14 箱状型枠
15 型枠
Claims (1)
- 既存建築物の布基礎に隣接して新たな建築物の増設布基礎を構築する際に、前記布基礎の床下換気口に連通する通風孔を前記増設布基礎に形成する増設布基礎の通風孔の施工法において、
前記布基礎の床下換気口の増設側の外側面の周囲上方に固着されて、該床下換気口の上方を塞ぐ閉塞部材から前記布基礎と反対方向へ突出している支持片に形成すべき通風孔と略同じ外形状を有する箱状型枠をその一方の端部が前記閉塞部材及び前記床下換気口の周囲と密着するように取付けてから、前記布基礎の外側面と該外側面から所定間隔を設けて別途設置されている型枠の間にコンクリートモルタルを打設して、当該コンクリートモルタルの硬化した後に、前記箱状型枠を取り除くことによって、増設布基礎に通風孔を形成することを特徴とする増設布基礎の通風孔の施工法。
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