JP2000306958A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
プに半導体チップを配設した構造を有する半導体装置に
関し、クラックや割れの発生のない信頼性の高い半導体
装置を実現することを課題とする。 【解決手段】半導体装置は、半導体チップ22が搭載さ
れる位置に矩形状のデバイスホール27が形成されたベ
ースフィルム26上に、半導体素子22と接続されるイ
ンナーリード29と半田ボール34が配設される端子接
続部とが形成されてなる配線パターン28と、配線パタ
ーン28を保護するフォトソルダーレジスト31とが形
成されたTABテープ23を有する。そして、フォトソ
ルダーレジスト31のデバイスホール27のコーナー部
と対向する位置に、ベースフィルム26とフォトソルダ
ーレジスト31との熱線膨張率の相違からフォトソルダ
ーレジスト31内に発生する内部残留応力を緩和する面
取り部35(応力緩和部)を設ける。
Description
特にTAB(Tape Automated Bonding)テープに半導体チ
ップを配設した構造を有する半導体装置に関する。近年
の電子機器は高機能化・高性能化が進み、これに伴い半
導体素子も小型化が要求され、これに対応しうるBGA
(Ball Grid Array) タイプの半導体装置が広く用いられ
るようになってきている。また、BGAタイプの半導体
装置のなかでも、TABテープに半導体チップを配設し
た構造を有するT−BGAタイプの半導体装置は、バン
プピッチをファイン化できることにより注目されてい
る。
頼性が要求されており、使用環境の温度変化等に拘わら
ず安定した動作を実現できる半導体装置が望まれてい
る。
来の半導体装置1を示している。図1は半導体装置1の
デバイスホール7の近傍を拡大して示す平面図であり、
図2は半導体装置1のデバイスホール7の近傍を拡大し
て示す断面図(図1におけるA1−A1線に沿う断面
図)であり、図3は半導体装置1のTABテープ3の切
断前の状態を示す平面図である。尚、説明の便宜上、図
1及び図3におていは、封止樹脂4の図示は省略してい
る。
2,TABテープ3,封止樹脂4等により構成されてい
る。半導体素子2はその上面に回路が形成されており、
また回路形成領域を囲繞するように複数の電極5が形成
されている。TABテープ3は、ベースフィルム6,配
線パターン8,フォトソルダーレジスト11,及び樹脂
止めパターン12等により構成されている。
の樹脂よりなる樹脂基板であり、半導体素子2が搭載さ
れる中央位置に矩形状の開口部7(以下、デバイスホー
ルという)が形成されている。また、ベースフィルム6
の上面には所定パターンに形成された配線パターン8が
形成されている。この配線パターン8の中央側の端部は
デバイスホール7内に延出しインナーリード9を形成し
ている。また、配線パターン8の他端部には端子接続部
が形成されており、この端子接続部には外部接続端子と
なる半田ボール14(図3参照)が配設されている。
7内に延出しインナーリード9にバンプ10により接合
されている。これにより、半導体素子2はバンプ10を
介してインナーリード9に電気的に接続され、またデバ
イスホール7内に固定された構成となる。また、樹脂止
めパターン12はベースフィルム6上に形成されてお
り、その形成位置はデバイスホール7の各コーナー部
(四隅位置)に選定されている。この樹脂止めパターン
12は、前記した配線パターン8を形成する際に同時に
形成されるものであり、よって配線パターン8と同一材
質により形成されている。このように、デバイスホール
7の各コーナー部においてベースフィルム6に樹脂止め
パターン12を形成することにより、封止樹脂4が過剰
にデバイスホール7から背面側に流出することを防止す
ることができる。
おける半導体素子2とベースフィルム6との離間距離
(図1に矢印L1で示す)は、コーナー部以外における
半導体素子2とベースフィルム6との離間距離(図1に
矢印L2で示す)に比べて大きくなっている(L1>L
2)。よって、樹脂止めパターン12を設けない構成で
は、封止樹脂4を配設する際、コーナー部において半導
体素子2とベースフィルム6との離間部分から流出する
樹脂の量は、他の部位における樹脂の流出量に比べて多
くなり、図2に示すように余剰樹脂4Aが形成されてし
まう。
部に樹脂止めパターン12を形成し、コーナー部におけ
る樹脂の背面側に流れる領域を他の部分と略同等となる
よう狭めることにより、封止樹脂4が過剰にデバイスホ
ール7から背面側に流出することを防止することができ
る。更に、ベースフィルム6の上面にはフォトソルダー
レジスト11が配設されている。このフォトソルダーレ
ジスト11は、従来ではデバイスホール7を囲繞するよ
うに矩形枠状形状(図3参照)に形成されていた。ま
た、このフォトソルダーレジスト11は通常ベースフィ
ルム6よりも硬質な絶縁性樹脂(例えば、エポキシ系樹
脂)により形成されており、配線パターン8の上部を覆
うことにより、この配線パターン8を保護する機能を奏
している。また、フォトソルダーレジスト11は、樹脂
止めパターン12の一部も覆う構成とされている。
び半田ボール14が配設される端子接続部の形成位置に
おいては、フォトソルダーレジスト11は配設されてお
らず、よってインナーリード9及び端子接続部はフォト
ソルダーレジスト11から露出した構成となっている。
前記のように、フォトソルダーレジスト11は、配線パ
ターン8の保護及び絶縁性の確保を図るためベースフィ
ルム6と異なる樹脂を用いており、よってフォトソルダ
ーレジスト11の熱線膨張率とベースフィルム6の熱線
膨張率は異なっている。
バイスホール7を覆うように形成されており、この封止
樹脂4により半導体素子2及びインナーリード部8等は
保護される構成となっている。
1は半導体素子2をTABテープ3に接合後に封止樹脂
4を配設する時、また半導体装置1を実装基板に実装す
る時等において加熱される。上記した従来構成の半導体
装置1において、この加熱処理により急激な温度変化等
の熱ストレスが印加されると、フォトソルダーレジスト
11とベースフィルム6の熱線膨張率差に起因してTA
Bテープ3内には応力が発生する。
トソルダーレジスト11は硬度が高いため、この応力は
主にフォトソルダーレジスト11側に発生する。また、
応力の発生は断面積の変化が急激な箇所に集中する特性
がある(応力集中)。よって、前記のように矩形枠状形
状を有したフォトソルダーレジスト11では、特にデバ
イスホール7のコーナー部と対向する位置(図3に矢印
Bで示す位置)に応力は集中する。
1に示すように、加熱処理時においてフォトソルダーレ
ジスト11のデバイスホール7のコーナー部と対向する
位置にクラック15や割れが発生してしまうという問題
点があった。また、このクラック15が大きく発生した
場合には、このクラック15により配線パターン8が切
断されてしまうおそれもあり、半導体装置1の信頼性が
低下してしまうという問題点があった。
あり、クラックや割れの発生のない信頼性の高い半導体
装置を提供することを目的とする。
めに本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴
とするものである。請求項1記載の発明は、半導体素子
と、この半導体チップが搭載される位置に矩形状のデバ
イスホールが形成されたベースフィルムに、前記半導体
素子と接続されるインナーリード部と外部接続端子が配
設される端子接続部とが形成されてなる配線パターン
と、前記ベースフィルムと異なる熱膨張率を有すると共
に前記端子接続部を除き前記ベースフィルム上に形成さ
れることにより前記配線パターンを保護するレジスト材
とが形成されてなるテープ状基板と、前記半導体素子及
び前記レジスト材の一部を含み前記デバイスホールを覆
う封止樹脂とを具備する半導体装置において、前記レジ
スト材の前記矩形状のデバイスホールのコーナー部と対
向する位置に、前記レジスト材内に発生する内部残留応
力を緩和する応力緩和部を設けたことを特徴とするもの
である。
載の半導体装置において、前記応力緩和部を、前記レジ
スト材の前記デバイスホールのコーナー部と対向する位
置に形成された湾曲形状の面取り部により構成したこと
を特徴とするものである。
載の半導体装置において、前記応力緩和部を、前記レジ
スト材の前記デバイスホールのコーナー部と対向する位
置に形成された円弧形状凹部により構成したことを特徴
とするものである。
至3のいずれかに記載の半導体装置において、前記応力
緩和部を、前記レジスト材の前記デバイスホールのコー
ナー部と対向する位置に形成された単数或いは複数のス
リットにより構成したことを特徴とするものである。
至4のいずれかに記載の半導体装置において、前記応力
緩和部を、前記レジスト材の前記デバイスホールのコー
ナー部と対向する位置に少なくとも前記レジスト材を貫
通して形成された単数或いは複数の貫通孔により構成し
たことを特徴とするものである。 また、請求項6記載
の発明は、半導体素子と、この半導体チップが搭載され
る位置に矩形状のデバイスホールが形成されたベースフ
ィルムに、前記半導体素子と接続されるインナーリード
部と外部接続端子が配設される端子接続部とが形成され
てなる配線パターンと、前記端子接続部を除き前記ベー
スフィルム上に形成されることにより前記配線パターン
を保護するレジスト材とが形成されてなるテープ状基板
と、前記半導体素子及び前記レジスト材の一部を含み前
記デバイスホールを覆う封止樹脂と、前記テープ状基板
に形成された前記デバイスホールのコーナー部に配設さ
れており、前記封止樹脂が前記デバイスホールから背面
側に過剰に流出するのを防止する樹脂止めパターンとを
具備する半導体装置において、前記樹脂止めパターン
に、熱印加時に該樹脂止めパターンが熱変形するのを抑
制する変形抑制部を設けたことを特徴とするものであ
る。
載の半導体装置において、前記変形抑制部は、前記樹脂
止めパターンの前記デバイスホールのコーナー部と対向
する位置に形成された湾曲形状の面取り部からなる構
成、前記樹脂止めパターンの前記デバイスホールのコー
ナー部と対向する位置に形成された円弧形状凹部からな
る構成、前記樹脂止めパターンの前記デバイスホールの
コーナー部と対向する位置に形成された単数或いは複数
のスリットからなる構成、及び、前記樹脂止めパターン
の前記デバイスホールのコーナー部と対向する位置に少
なくとも前記レジスト材を貫通して形成された単数或い
は複数の貫通孔からなる構成のいずれか1の構成よりな
ることを特徴とするものである。
求項1記載の発明によれば、レジスト材の矩形状のデバ
イスホールのコーナー部と対向する位置に、レジスト材
内に発生する内部残留応力を緩和する応力緩和部を設け
たことにより、レジスト材にベースフィルムとレジスト
材の熱膨張差に起因して発生する応力が上記のコーナー
部に集中することを防止することができる。
に熱膨張差があると、封止樹脂の形成時或いは半導体装
置の実装時等の熱印加時において、この熱膨張差に起因
してテープ状基板内には応力が発生する。一般にベース
フィルムに対しレジスト材は硬度が高いため、この応力
は主にレジスト材側に発生する。また、この応力の発生
は断面積の変化が急激な箇所に集中する特性があり(応
力集中)、よってレジスト材の中でも、特にデバイスホ
ールのコーナー部と対向する位置に応力は集中する。
生しやすい位置、即ちデバイスホールのコーナー部と対
向する位置に内部残留応力を緩和する応力緩和部を設け
ることにより、応力集中によりレジスト材にクラックが
発生することを防止することができる。これにより、ク
ラックの発生により配線パターンが切断されることもな
くなり、半導体装置の信頼性を向上させることができ
る。
ように、前記応力緩和部は、湾曲形状の面取り部,円弧
形状凹部,スリットにより構成することができる。この
面取り部,円弧形状凹部,及びスリットはレジスト材の
配設時に同時にパターニングできるため、容易に形成す
ることができる。また、応力緩和部として面取り部,円
弧形状凹部,及びスリットを形成することにより、レジ
スト材の矩形状のデバイスホールのコーナー部と対向す
る位置における断面積の変化を、従来構成(平面視した
状態で直角となる形状)に比べて緩やかにすることがで
き、応力集中の発生を有効に防止することができる。
緩和部を、レジスト材のデバイスホールのコーナー部と
対向する位置に形成され、少なくともレジスト材を貫通
して形成された単数或いは複数の貫通孔により構成した
ことにより、仮に応力集中により前記レジスト材のコー
ナー部にクラックが発生したとしても、このクラックは
貫通孔と連通することにより、それ以上の進行が防止さ
れる。よって、クラックの発生により配線パターンが切
断されることを防止することができる。
加時に樹脂止めパターンが熱変形するのを抑制する変形
抑制部を樹脂止めパターンに設けたことにより、この樹
脂止めパターンの変形に起因してレジスト材にクラック
が発生することを防止することができる。即ち、熱印加
時に樹脂止めパターンの熱変量が大きいと、レジスト材
との熱変形量の相違からテープ状基板内には応力が発生
する。一般に樹脂止めパターンは、配線パターンと同一
材質で一体的に形成されるるため、金属材により形成さ
れている。また、金属よりなる樹脂止めパターンに対し
レジスト材は強度が弱いため、樹脂止めパターンの変形
により発生する応力は、主にレジスト材側に発生する。
また、前記のように応力の発生は断面積の変化が急激な
箇所に集中する特性があり(応力集中)、よってレジス
ト材の中でも、特にデバイスホールのコーナー部と対向
する位置に応力は集中する。
設けることにより、樹脂止めパターンとレジスト材との
間に発生する応力を小さくすることができ、よって応力
集中が発生しやすいデバイスホールのコーナー部と対向
する位置においてもクラックが発生することを防止する
ことができる。これにより、クラックの発生により配線
パターンが切断されることもなくなり、半導体装置の信
頼性を向上させることができる。
変形抑制部は、湾曲形状の面取り部,円弧形状凹部,ス
リットにより構成することができる。この面取り部,円
弧形状凹部,及びスリットはレジスト材の配設時に同時
にパターニングできるため、容易に形成することができ
る。また、変形抑制部を、樹脂止めパターンのデバイス
ホールのコーナー部と対向する位置にテープ状基板を貫
通して形成された単数或いは複数の貫通孔により構成す
ることにより、仮に樹脂止めパターンの熱変形によりレ
ジスト材のコーナー部にクラックが発生したとしても、
このクラックは貫通孔と連通することにより、それ以上
の進行が防止される。よって、クラックの発生により配
線パターンが切断されることを防止することができる。
て図面と共に説明する。図4及び図5は、本発明の第1
実施例である半導体装置20Aを示している。図4は半
導体装置20AのTABテープ23が切断される前の状
態を示す平面図であり、図5は半導体装置20Aのデバ
イスホール27の近傍を拡大して示す平面図である。
び後に図6乃至図16を用いて説明する各半導体装置2
0B〜20Lは、先に図2を用いて説明した従来の半導
体装置1と同様に封止樹脂4が配設されるが、説明の便
宜上、以下の説明で用いる各図において封止樹脂の図示
は省略している。半導体装置20Aは、大略すると半導
体素子22,TABテープ23(テープ状基板),封止
樹脂(図示せず)等により構成されている。半導体素子
22はその上面に回路が形成されており、また回路形成
領域を囲繞するように複数の電極25が形成されてい
る。
6,配線パターン28,フォトソルダーレジスト31
(レジスト材),及び樹脂止めパターン32等により構
成されている。ベースフィルム26は、例えばポリイミ
ド等の樹脂よりなる樹脂基板であり、半導体素子22が
搭載される中央位置に矩形状の開口部27(以下、デバ
イスホールという)が形成されている。このベースフィ
ルム26の熱線膨張率は、例えば15ppmである。
パターンに形成された配線パターン28が形成されてい
る。この配線パターン28は銅(Cu)により形成され
ており、その中央側の端部はデバイスホール27内に延
出しインナーリード29を形成している。また、配線パ
ターン28の他端部には端子接続部が形成されており、
この端子接続部には外部接続端子となる半田ボール34
が配設されている。
ル27内に延出しインナーリード29にバンプ30によ
り接合されている。これにより、半導体素子22はバン
プ30を介してインナーリード29に電気的に接続さ
れ、またデバイスホール27内に固定された構成とな
る。また、樹脂止めパターン32はベースフィルム26
上に形成されており、その形成位置はデバイスホール2
7の各コーナー部(四隅位置)に選定されている。この
樹脂止めパターン32は、配線パターン28を形成する
際に同時に形成されるものであり、よって配線パターン
28と同一材質である銅(Cu)により形成されてい
る。前記したように、この樹脂止めパターン32をデバ
イスホール27の各コーナー部に配設することにより、
封止樹脂(図示せず)が過剰にデバイスホール27から
背面側に流出することを防止することができる。
トソルダーレジスト31が配設されている。このフォト
ソルダーレジスト31は、デバイスホール27を囲繞す
るように形成されている。また、フォトソルダーレジス
ト31は通常ベースフィルム26よりも硬質な絶縁性樹
脂(例えば、エポキシ系樹脂)により形成されており、
配線パターン28の上部を覆うことにより、この配線パ
ターン28を保護する機能を奏している。また、フォト
ソルダーレジスト31は、樹脂止めパターン32の一部
も覆う構成とされている。
パターン28の保護及び絶縁性の確保を図るためベース
フィルム26と異なる樹脂を用いており、よってフォト
ソルダーレジスト31の熱線膨張率とベースフィルム2
6の熱線膨張率は異なっている。具体的には、ベースフ
ィルム26の熱線膨張率が15ppmであるのに対し、
フォトソルダーレジスト31の熱線膨張率は例えば14
0ppmであり、その値は大きく異なっている。
9及び半田ボール34が配設される端子接続部の形成位
置においては、フォトソルダーレジスト31は配設され
ておらず、よってインナーリード29及び端子接続部は
フォトソルダーレジスト31から露出した構成となって
いる。また、図示しない封止樹脂は、デバイスホール2
7を覆うように形成されており、この封止樹脂により半
導体素子22及びインナーリード部8等は保護される構
成となっている。
成状に注目する。本実施例では、フォトソルダーレジス
ト31のデバイスホール17のコーナー部と対向する位
置に湾曲形状を有した面取り部35を形成したことを特
徴としている。尚、ここで言う“対向”とは、ベースフ
ィルム26上において、平面方向に対し対峙した状態を
いう。
されている。また、フォトソルダーレジスト31は、例
えばスクリーン印刷法等の印刷技術を用いて形成される
ため、印刷時に面取り部35に形状に対応したマスクを
用いることにより、容易に面取り部35を形成すること
ができる。ところで、前記のようにフォトソルダーレジ
スト31とベースフィルム26との間に熱膨張差がある
と、熱印加時においてTABテープ23の内部に応力が
発生する。また、ポリイミドよりなるベースフィルム2
6に対してエポキシ系樹脂よりなるフォトソルダーレジ
スト31の方が硬度が高いため、この応力は主にフォト
ソルダーレジスト31側に発生し、また断面積の変化が
急激なデバイスホール27のコーナー部と対向する位置
に集中する特性(応力集中)があることも前述した通り
である。
ォトソルダーレジスト31のデバイスホール27のコー
ナー部と対向する位置に面取り部35を形成している。
このように面取り部35を形成することにより、図1に
示される従来のような直角な形状に比べ、フォトソルダ
ーレジスト31のデバイスホール27のコーナー部と対
向する位置における断面積の変化を緩やかにすることが
でき、よって応力集中の発生を有効に防止することが可
能となる。即ち、面取り部35は、フォトソルダーレジ
スト31内に発生する内部残留応力を緩和する応力緩和
部として機能する。
内に発生する内部残留応力を緩和する応力緩和部として
機能する面取り部35を、応力集中が発生し易い箇所に
配設することにより、ベースフィルム26とフォトソル
ダーレジスト31との熱膨張差に起因して発生する応力
が上記のコーナー部に集中することを防止でき、よって
応力集中によりフォトソルダーレジスト31にクラック
が発生することを防止することができる。これにより、
クラックの発生により配線パターン28が切断されるこ
ともなくなり、半導体装置20Aの信頼性を向上させる
ことができる。
ことにより断面積の変化はより緩やかになり、応力集中
を緩和する効果は増大する。一方、フォトソルダーレジ
スト31とベースフィルム26の熱線膨張率の差が大き
い程、大きな応力集中が発生する。よって、フォトソル
ダーレジスト31とベースフィルム26の熱線膨張率差
に基づき面取り部35の半径Rを調整することにより、
効果的に応力集中を緩和することができる。
装置20Bを示している。尚、図6において図4及び図
5を用いて説明した第1実施例に係る半導体装置20A
の構成と対応する構成については同一符号を付し、その
説明を省略する。また、図7乃至図16に示す各実施例
に係る半導体装置20C〜20Lについても同様とす
る。
トソルダーレジスト31のデバイスホール27のコーナ
ー部と対向する位置(以下、この位置をコーナー部対向
位置という)に、応力緩和部として円弧形状凹部36を
形成したことを特徴とするものである。また、図7は本
発明の第3実施例である半導体装置20Cを示してお
り、フォトソルダーレジスト31のコーナー部対向位置
に1本のスリット37を形成したことを特徴とするもの
である。
導体装置20Dを示しており、フォトソルダーレジスト
31のコーナー部対向位置に複数(本実施例では2本)
のスリット37A,37Bを形成したことを特徴とする
ものである。上記のように、フォトソルダーレジスト3
1のコーナー部対向位置に応力緩和部として円弧形状凹
部36及びスリット37,37A,37Bを形成するこ
とにより、フォトソルダーレジスト31のコーナー部対
向位置における断面積の変化を緩やかにすることがで
き、応力集中の発生を有効に防止することができる。
装置20Aと同様に、応力集中によりフォトソルダーレ
ジスト31にクラックが発生することを防止でき、クラ
ックの発生により配線パターン28が切断されることも
なくなり、半導体装置20B〜20Dの信頼性を向上さ
せることができる。また、この円弧形状凹部36及びス
リット37,37A,37Bは、フォトソルダーレジス
ト31の印刷時に同時にパターニングできるため、容易
に形成することができる。
装置20Eを示している。本実施例に係る半導体装置2
0Eは、応力緩和部としてフォトソルダーレジスト31
のコーナー部対向位置に円形ホール38を形成したこと
を特徴とするものである。本実施例では、この円形ホー
ル38はフォトソルダーレジスト31のみを貫通する貫
通孔であり、その下部に位置するベースフィルム6及び
配線パターン8は貫通しない構成としている。
力集中によりフォトソルダーレジスト31のコーナー部
対向位置にクラック39が発生したとしても、図9に示
されるように、このクラック39は円形ホール38と連
通することによりそれ以上の進行が防止される。よっ
て、クラック39が長く発生することにより、配線パタ
ーン28が切断されてしまうことを防止することができ
る。
る半導体装置20Fを示している。前記した第5実施例
に係る半導体装置20Eでは円形ホール38を1個のみ
形成した構成としたが、本実施例に係る半導体装置20
Eは、複数(本実施例では2個)の円形ホール38A,
38Bをフォトソルダーレジスト31のコーナー部対向
位置に形成したことを特徴とするものである。
力集中がフォトソルダーレジスト31のコーナー部対向
位置に発生し、円形ホール38Aを超えてクラック39
が進行した場合であっても、クラック39の進行方向に
対し円形ホール38Aの後方に位置する円形ホール38
Bとクラック39とが連通することにより、クラック3
9のそれ以上の進行は阻止される。よって、クラック3
9が長く発生することにより、配線パターン28が切断
されてしまうことをより確実に防止することができる。
る半導体装置20Gを示しており、また図12は本発明
の本発明の第8実施例である半導体装置20Hを示して
いる。尚、図11(B)は図11(A)のA2−A2線
に沿う断面を示しており、また図12(B)は図12
(A)のA3−A3線に沿う断面を示している。前記し
た図9及び図10に示した半導体装置20E,20Fで
は、円形ホール38,38A,38Bがフォトソルダー
レジスト31のみを貫通する貫通孔により構成されてい
た。これに対し、第7及び第8実施例に係る半導体装置
20G,20Hでは、フォトソルダーレジスト31に加
え、ベースフィルム26及び配線パターン28も貫通す
る貫通孔43,43A,43Bを形成し、クラック39
がこの貫通孔43,43A,43Bに連通することによ
りそれ以上の進行を防止しするよう構成したものであ
る。
をTABテープ23を上下に貫通する貫通孔43,43
A,43Bで構成することにより、クラック39が貫通
孔43,43A,43Bに達した際、それ以上の進行を
確実に防止することができる。よって、図9及び図10
に示した第5及び第6実施例に係る半導体装置20E,
20Fに比べ、クラック39の発生により配線パターン
28が切断されてしまうことをより確実に防止すること
ができる。
る半導体装置20Iを示している。前記した第1乃至第
6実施例に係る半導体装置20A〜20Fは、フォトソ
ルダーレジスト31に応力緩和部として機能する面取り
部35、円弧形状凹部36、スリット37,37A,3
7B、及び円形ホール38,38A,38Bを形成した
構成とした。
0Gでは、樹脂止めパターン40Aのコーナー部対向位
置に面取り部41を形成し、この面取り部41を熱印加
時に樹脂止めパターン40Aが熱変形するのを抑制する
変形抑制部として用いたことを特徴とするものである。
この面取り部41を樹脂止めパターン40Aに設けるこ
とにより、この樹脂止めパターン40Aの変形に起因し
てフォトソルダーレジスト31にクラックが発生するこ
とを防止することができる。
の熱変量が大きいと、フォトソルダーレジスト31との
熱変形量の相違からTABテープ23内に応力が発生す
る。前記のように樹脂止めパターン40Aは、配線パタ
ーン28と同一材質である銅(Cu)により形成されて
いる。また、このように金属よりなる樹脂止めパターン
40Aに対し樹脂よりなるフォトソルダーレジスト31
は強度が弱いため、樹脂止めパターン40Aの変形によ
り発生する応力は、主にフォトソルダーレジスト31に
発生する。また、前記のように応力の発生は断面積の変
化が急激な箇所に集中する特性があり(応力集中)、よ
ってフォトソルダーレジスト31の中でもコーナー部対
向位置に応力集中が発生する。
ン40Aのフォトソルダーレジスト31に応力集中が発
生しやすい位置の近傍に面取り部41を形成することに
より、樹脂止めパターン40Aとフォトソルダーレジス
ト31との間に発生する応力を小さくすることができ
る。これにより、応力集中が発生しやすいコーナー部対
向位置においてクラックが発生することを防止すること
ができ、よって配線パターン28が切断されることもな
くなり、半導体装置20Iの信頼性を向上させることが
できる。
体装置20Jを示しており、樹脂止めパターン40Bの
コーナー部対向位置に1本のスリット42を形成したこ
とを特徴とするものである。また、図15は本発明の第
11実施例である半導体装置20Kを示しており、樹脂
止めパターン40Cのコーナー部対向位置に複数(本実
施例では2本)のスリット42A,42Bを形成したこ
とを特徴とするものである。
40Cのコーナー部対向位置に変形抑制部としてスリッ
ト42,42A,42Bを形成することにより、樹脂止
めパターン40B,40Cのコーナー部対向位置におけ
る変形量を低減することができ、応力集中の発生を有効
に防止することができる。よって、前記した第9実施例
に係る半導体装置20Iと同様に、応力集中によりフォ
トソルダーレジスト31にクラックが発生及び配線パタ
ーン28の断線を防止でき、半導体装置20I〜20K
の信頼性を向上させることができる。また、面取り部4
1及びスリット42,42A,42Bは、配線パターン
28のパターニング処理(例えば、エッチング処理)時
に同時に一括して行なえるため、容易に形成することが
できる。
体装置20Lを示している。同図に示す半導体装置20
Lは、フォトソルダーレジスト31のコーナー部対向位
置に第3実施例で設けたと同様のスリット37C(図7
参照)を形成すると共に、第7実施例で設けたと同様の
TABテープ23を貫通する貫通孔43C(図11参
照)を形成し、更に樹脂止めパターン40Bのコーナー
部対向位置に第10実施例で設けたと同様のスリット4
2(図14参照)を形成したことを特徴とするものであ
る。
て説明した面取り部35,41、円弧形状凹部36、ス
リット37,37A,37B,42,42A,42B、
及び円形ホール38,38A,38Bは組み合わせて用
いることが可能であり、これによりより確実にクラック
の発生及び配線パターン28の断線を防止することがで
きる。
例に基づき記載したが、本発明は前記した各実施例に限
定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々
変更可能であることはいうまでもない。
各種の効果を実現することができる。請求項1乃至5の
発明によれば、応力集中によりレジスト材にクラックが
発生することを防止することができ、これによりクラッ
クの発生により配線パターンが切断されることもなくな
り、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
よれば、応力緩和部を容易に形成することができる。ま
た、応力緩和部として面取り部,円弧形状凹部,及びス
リットを形成することにより、レジスト材の矩形状のデ
バイスホールのコーナー部と対向する位置における断面
積の変化を緩やかにすることができ、応力集中の発生を
有効に防止することができる。
によれば、仮に応力集中により前記レジスト材のコーナ
ー部にクラックが発生したとしても、このクラックは貫
通孔と連通することによりそれ以上の進行が防止される
ため、クラックの発生により配線パターンが切断される
ことを防止することができる。また、請求項6記載の発
明によれば、樹脂止めパターンに変形抑制部を設けるこ
とにより、樹脂止めパターンとレジスト材との間に発生
する応力を小さくすることができ、よって応力集中が発
生しやすいデバイスホールのコーナー部と対向する位置
においてもクラックが発生することを防止することがで
きるため、クラックの発生により配線パターンが切断さ
れることもなくなり半導体装置の信頼性を向上させるこ
とができる。
抑制部を容易に形成することができる。
デバイスホールのコーナー部を拡大して示す平面図であ
る。
デバイスホールのコーナー部を拡大して示す断面図であ
る。
である。
れているデバイスホールのコーナー部を拡大して示す平
面図である。
れているデバイスホールのコーナー部を拡大して示す平
面図である。
れているデバイスホールのコーナー部を拡大して示す平
面図である。
れているデバイスホールのコーナー部を拡大して示す平
面図である。
れているデバイスホールのコーナー部を拡大して示す平
面図である。
られているデバイスホールのコーナー部を拡大して示す
平面図である。
られているデバイスホールのコーナー部を拡大して示す
平面図である。
られているデバイスホールのコーナー部を拡大して示す
平面図である。
られているデバイスホールのコーナー部を拡大して示す
平面図である。
けられているデバイスホールのコーナー部を拡大して示
す平面図である。
けられているデバイスホールのコーナー部を拡大して示
す平面図である。
けられているデバイスホールのコーナー部を拡大して示
す平面図である。
ト 38,38A,38B 円形ホール 39 クラック 43,43A〜43C 貫通孔
Claims (7)
- 【請求項1】 半導体素子と、 該半導体チップが搭載される位置に矩形状のデバイスホ
ールが形成されたベースフィルムに、前記半導体素子と
接続されるインナーリード部と外部接続端子が配設され
る端子接続部とが形成されてなる配線パターンと、前記
ベースフィルムと異なる熱膨張率を有すると共に前記端
子接続部を除き前記ベースフィルム上に形成されること
により前記配線パターンを保護するレジスト材とが形成
されてなるテープ状基板と、 前記半導体素子及び前記レジスト材の一部を含み前記デ
バイスホールを覆う封止樹脂とを具備する半導体装置に
おいて、 前記レジスト材の前記矩形状のデバイスホールのコーナ
ー部と対向する位置に、前記レジスト材内に発生する内
部残留応力を緩和する応力緩和部を設けたことを特徴と
する半導体装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置において、 前記応力緩和部を、 前記レジスト材の前記デバイスホールのコーナー部と対
向する位置に形成された湾曲形状の面取り部により構成
したことを特徴とする半導体装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の半導体装置において、 前記応力緩和部を、 前記レジスト材の前記デバイスホールのコーナー部と対
向する位置に形成された円弧形状凹部により構成したこ
とを特徴とする半導体装置。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の半導
体装置において、 前記応力緩和部を、 前記レジスト材の前記デバイスホールのコーナー部と対
向する位置に形成された単数或いは複数のスリットによ
り構成したことを特徴とする半導体装置。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の半導
体装置において、 前記応力緩和部を、 前記レジスト材の前記デバイスホールのコーナー部と対
向する位置に少なくとも前記レジスト材を貫通して形成
された単数或いは複数の貫通孔により構成したことを特
徴とする半導体装置。 - 【請求項6】 半導体素子と、 該半導体チップが搭載される位置に矩形状のデバイスホ
ールが形成されたベースフィルムに、前記半導体素子と
接続されるインナーリード部と外部接続端子が配設され
る端子接続部とが形成されてなる配線パターンと、前記
端子接続部を除き前記ベースフィルム上に形成されるこ
とにより前記配線パターンを保護するレジスト材とが形
成されてなるテープ状基板と、 前記半導体素子及び前記レジスト材の一部を含み前記デ
バイスホールを覆う封止樹脂と、 前記テープ状基板に形成された前記デバイスホールのコ
ーナー部に配設されており、前記封止樹脂が前記デバイ
スホールから背面側に過剰に流出するのを防止する樹脂
止めパターンとを具備する半導体装置において、 前記樹脂止めパターンに、熱印加時に該樹脂止めパター
ンが熱変形するのを抑制する変形抑制部を設けたことを
特徴とする半導体装置。 - 【請求項7】 請求項6記載の半導体装置において、 前記変形抑制部は、 前記樹脂止めパターンの前記デバイスホールのコーナー
部と対向する位置に形成された湾曲形状の面取り部から
なる構成、 前記樹脂止めパターンの前記デバイスホールのコーナー
部と対向する位置に形成された円弧形状凹部からなる構
成、 前記樹脂止めパターンの前記デバイスホールのコーナー
部と対向する位置に形成された単数或いは複数のスリッ
トからなる構成、 及び、前記樹脂止めパターンの前記デバイスホールのコ
ーナー部と対向する位置に少なくとも前記レジスト材を
貫通して形成された単数或いは複数の貫通孔からなる構
成の、いずれか1の構成よりなることを特徴とする半導
体装置。
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