JP2000303272A - 紡績用リング - Google Patents

紡績用リング

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JP2000303272A
JP2000303272A JP11112451A JP11245199A JP2000303272A JP 2000303272 A JP2000303272 A JP 2000303272A JP 11112451 A JP11112451 A JP 11112451A JP 11245199 A JP11245199 A JP 11245199A JP 2000303272 A JP2000303272 A JP 2000303272A
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ring
spinning
cover
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yarn
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Yasushi Iwama
泰志 岩間
Hidetomo Yamada
英智 山田
Atsushi Tokizane
温 時実
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Nippo Ltd
Original Assignee
Nippo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な機構で紡出張力を調整できるようにす
る。 【解決手段】 固定筒10,回転筒20,トラベラ3
0,ブレーキリング40,カバーリング50,開口面積
調整リング60を有する。ブレーキリング40は、周囲
の空気との間の空気抵抗により回転筒20にブレーキ力
を付与する。カバーリング50は、ブレーキリング40
の近傍に位置し通気孔58を有する。開口面積調整リン
グ60は、カバーリング50に嵌合可能であり、通気孔
58に対応する調整孔68を有し、回転変位可能であ
る。そして、開口面積調整リング60のカバーリング5
0に対する相対的回転角度位置が調整されることによっ
て通気孔58と調整孔68との重なり度合いが調整され
て、通気孔58の開口面積が調整される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、糸供給部から導
かれる糸をボビンに巻き取るための紡績用リングに関す
るものである。
【0002】
【本発明に関連する技術】まず、この種の紡績用リング
が使用される精紡機の一例を説明する。図1に示すよう
に、この精紡機の上方には、粗糸ボビン70(糸供給
部)が、紙面に直角の方向に多数配設されている。これ
に対応して、高さ方向のほぼ中央の左右両側にはドラフ
ト装置72が各々設けられており、下方の左右両側に
は、紙面に直角の方向に伸びるリングレール74が各々
設けられている。リングレール74は、鉛直方向に伸び
る昇降可能なリフチングピラー78に支持され、モータ
(図示省略)の駆動力によって昇降可能である。リング
レール74には、図1の紙面と直角の方向に多数の取付
孔(図示省略)が形成されている。この取付孔に紡績用
リングRが嵌合して取り付けられる。
【0003】紡績用リングRは、固定筒,回転筒,トラ
ベラを有している。回転筒は、固定筒の内側において回
転可能に設けられている。トラベラは、その回転筒に対
してその周方向に回転可能に設けられている。回転筒に
はブレーキリングが設けられている。リングレール74
の上方には、各紡績用リングRに対応してガイド部材7
6が設けられており、ガイド部材76には貫通孔77が
形成されている。そして、粗糸ボビン70,ドラフト装
置72,貫通孔77を経て、糸Tが紡績用リングR(そ
のトラベラ)に供給される。各紡績用リングRの中心軸
線部分には、スピンドル80が、モータ(図示省略)に
よって回転可能に配設されている。スピンドル80に
は、ボビン(精紡糸ボビン)(図示省略)が、相対回転
が不可能な状態で嵌合される。
【0004】そして、リングレール74が往復昇降して
紡績用リングRが往復昇降しつつボビン(スピンドル8
0)が回転することによってトラベラや回転筒が回転
し、粗糸ボビン70(糸供給部)から導かれる糸Tに撚
りがかけられつつ、糸Tがボビンに対して巻き取られて
いく。その際、ブレーキリングは、そのブレーキトルク
によって糸Tに対して紡出張力を与えている。
【0005】
【従来の技術】ここで、ボビン(精紡糸ボビン)に巻き
取られていく糸(T)には、適切な張力(紡出張力)が
作用する必要がある。そして、太い糸(正確には、強い
糸)の場合には大きな紡出張力が作用し、細い糸(正確
には、弱い糸)の場合には小さな紡出張力が作用する必
要がある。
【0006】紡績用リング(R)が、固定筒に対してト
ラベラが設けられているタイプのもの(すなわち、回転
筒を有さないタイプのもの)の場合には、トラベラの重
さを調整する(すなわち、トラベラを交換する)ことで
対応することもできる。しかし、紡績用リング(R)
が、前述のように、固定筒に対して回転可能に回転筒が
設けられ、その回転筒にトラベラが回転可能に設けられ
ているものの場合(特に、定常時に回転筒とトラベラが
ほぼ同速で回転するものの場合)には、トラベラの重さ
を調整しても紡出張力を変化させることはできない。回
転筒に付属するブレーキリングを交換して回転筒の回転
抵抗を変えれば紡出張力を調整できるが、ブレーキリン
グを交換するのは煩雑である。
【0007】ここで、特開平2−175931号公報に
は、電磁石(その公報中は「電磁コイル」)を用いて回
転筒(その公報中は「回転部」)に対して渦電流を発生
させ、それによって回転筒にブレーキ力を与える技術が
開示されている。この技術を応用すれば、糸に対する紡
出張力を変化させることも可能と考えられる。しかしな
がら、電磁石を用いて渦電流を回転筒に与えるには、そ
のための電気的な装置が必要となり、装置全体が複雑に
なって省スペースに反するとともに、コスト高となって
しまう。
【0008】そこで、本発明は、ブレーキ部材によって
紡出張力を与える紡績用リングであって、簡単な機構で
紡出張力を調整することができるものを提供することを
課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、糸供給部から導かれる糸を
ボビンに巻き取るための紡績用リングであって、固定的
に設けられる固定筒と、その固定筒の内側においてその
固定筒と同心的にかつその中心軸線を中心に回転可能に
設けられ、かつその内側に前記ボビンが同心的にかつそ
の中心軸線を中心に回転可能に配設される回転筒と、そ
の回転筒に対してその周方向に回転可能に設けられ、前
記糸供給部から導かれる糸を前記ボビンに対してガイド
するトラベラと、前記回転筒に設けられ、周囲の空気と
の間の空気抵抗により当該回転筒にブレーキ力を付与す
るブレーキ部材とを有し、前記ブレーキ部材に対して流
通する空気の量が可変のものとされている紡績用リング
である。
【0010】「ブレーキ部材」としては、回転筒と同心
的なリングであり、その半径方向成分を含む方向に延び
る多数のフィンを有しているものがある。そのうちで
も、特に、回転筒の半径方向に延びる多数のフィンを有
しているものが代表的である。
【0011】この発明では、ボビンの回転によって糸供
給部から供給される糸がトラベラを経てボビンにガイド
されつつその糸によってトラベラが回転し、それに伴っ
て回転筒も回転し、ボビンに糸が巻き取られていく。そ
の際に、回転筒に設けられたブレーキ部材によって、回
転筒にブレーキ力が加わり、糸に対して張力が加わる
(紡出張力という)。この発明では、そのブレーキ部材
に対して流通する空気の量が可変であるため、その量を
適宜変えることによってブレーキ部材によるブレーキ力
(すなわち、糸に加わる紡出張力)を調整することがで
きる。すなわち、太い糸(強い糸)の場合には、ブレー
キ部材に対して流通する空気の量を多くして、ブレーキ
部材とその周囲の空気との間の抵抗を大きくして、ブレ
ーキ力(紡出張力)を大きなものとする。また、細い糸
(弱い糸)の場合には、ブレーキ部材に対して流通する
空気の量を少なくして、ブレーキ部材とその周囲の空気
との間の抵抗を小さくして、ブレーキ力(紡出張力)を
小さなものとする。このように、この発明では、糸の種
類(太さ・強さ)に応じて適切な紡出張力をその糸に与
えることが可能となり、糸の種類に応じてその糸を適切
に巻き取ることができる。そして、この発明では、その
ブレーキ力(紡出張力)の調整が、ブレーキ部材に対し
て流通する空気の量を調整することによってされるた
め、電気的な装置を特に必要とせず、装置を簡単なもの
とすることができ、省スペース及び低コスト化も図れ
る。
【0012】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明の紡績用リングであって、前記ブレーキ部材の近傍に
位置するとともに通気部を有するカバー部材と、そのカ
バー部材に対して、前記通気部の開口面積を調整可能に
設けられる開口面積調整部材とを有する紡績用リングで
ある。
【0013】カバー部材の形状としては、円筒状のもの
が代表例であるが、その他、角筒状のもの等でもよい。
また、固定筒がカバー部材を兼ねる場合もある。
【0014】そして、カバー部材が複数個の通気部を有
し、開口面積調整部材が、各通気部の開口面積を調整可
能に各通気部に対して各々設けられる場合がある。ま
た、カバー部材が複数個の通気部を有し、その各通気部
の開口面積を同時に調整する1つの開口面積調整部材が
設けられている場合もある。その場合の一例としては、
筒状(例えば角筒状)のカバー部材に対してその軸線方
向(高さ方向)に変位可能に開口面積調整部材が設けら
れ、カバー部材及び開口面積調整部材の各周側部には各
々通気孔及び調整孔が対応して設けられ、開口面積調整
部材のカバー部材に対する相対的高さ位置が調整される
ことによって通気孔と調整孔との重なり度合いが調整さ
れて通気孔の開口面積が調整されるようにされている場
合がある。
【0015】この発明では、カバー部材の通気部の開口
面積を開口面積調整部材によって変化させることによっ
て、ブレーキ部材に対して流通する空気の量を容易に調
整することができ、請求項1に係る発明の作用効果を容
易に得ることができる。また、この発明では、カバー部
材がブレーキ部材の近傍に位置するため、カバー部材に
よってそのブレーキ部材にその作業員の手が触れること
が防止され、安全性を向上させることもできる。
【0016】請求項3に係る発明は、請求項2に係る発
明の紡績用リングであって、前記カバー部材が、前記回
転筒と同心的なリング状をしたカバーリングであり、前
記開口面積調整部材が、前記カバーリングに嵌合可能な
リング状をした開口面積調整リングであり、その中心軸
線を中心に回転変位可能であり、前記通気部に対応する
調整孔を有し、前記カバーリングに対する相対的回転角
度位置が調整されることによって前記通気孔と前記調整
孔との重なり度合いが調整されて前記通気孔の開口面積
を調整するものである紡績用リングである。
【0017】「通気部」としては、カバーリングの円筒
状の周側部に複数設けられた孔部(通気孔)である場合
がある。また、カバーリングの円筒状の周側部から求心
方向(中心軸線に向かう方向)につば部が設けられ、そ
のつば部に複数設けられた孔部(通気孔)である場合が
ある。これらの場合には、開口面積調整リングにもその
通気孔に対応して調整孔が設けられ、通気孔と調整孔と
の重なり度合い(完全に重なるか、全く重ならないか、
その中間か等)が調整される。
【0018】また、カバーリングの円筒状の周側部を横
断する方向に蓋部又は底部が設けられ、その蓋部又は底
部に多角形状(例えば正方形)の通気部(通気孔)がそ
の中心軸線位置に設けられている場合がある。この場合
には、開口面積調整リングに上記と同様に設けられた蓋
部又は底部に、通気孔に対応して調整孔が設けられる。
そして、通気孔と調整孔との重なり度合いが調整され
る。すなわち、通気孔及び調整孔が正方形の場合、両者
が完全に重なるか、45度ずれるか、その中間か等が調
整される。
【0019】また、請求項2に係る発明について述べた
ように、固定筒がカバーリングを兼ねる場合もある。
【0020】この発明では、カバーリングに対する開口
面積調整リングの相対的回転角度位置を調整して通気孔
と調整孔との重なり度合いを調整することによって、通
気孔の開口面積が調整される。すなわち、複数の通気孔
がある場合でも、1つの開口面積調整リングを回転変位
させることによってすべての通気孔の調整をすることも
可能となる。このため、請求項2に係る発明に比べて、
さらに容易に請求項1に係る作用効果を得ることができ
る。
【0021】請求項4に係る発明は、請求項1に係る発
明の紡績用リングであって、前記ブレーキ部材の近傍に
配設されるカバー部材を有し、そのカバー部材が、種々
の開口面積の通気孔を有する複数種類のものから適宜選
択されるものである紡績用リングである。
【0022】「カバー部材」としては、蓋部又は底部を
有する筒状をなし、その蓋部又は底部に種々の開口面積
の通気孔が設けられている場合がある。また、筒状(特
に円筒状)をなすとともにその側部(周側部)から求心
方向(中心軸線に向かう方向)につば部が設けられ、そ
の側部(周側部)又はつば部に種々の開口面積の通気孔
が複数又は1つ設けられている場合がある。また、ブレ
ーキ部材の近傍に支持部材が設けられ、その支持部材に
対して各カバー部材が取り付けられる場合もある。
【0023】この発明では、種々の面積の通気孔を有す
る複数種類のカバー部材のうちから、適切な開口面積の
通気孔を有するカバー部材を適宜選択し、それをブレー
キ部材の近傍に配設することによって、ブレーキ部材に
対して流通する空気の量を調整することができる。こう
して、請求項1に係る発明の作用効果を容易に得ること
ができる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明の各実施形態を図面
に基づいて説明する。なお、これら各実施形態である紡
績用リング(R)が用いられる精紡機全体については、
図1に基づいて前述したとおりである。
【0025】[実施形態1]図2に示すように、この紡
績用リング2(図1中の紡績用リングR)は、固定筒1
0,回転筒20,トラベラ30,ブレーキリング40,
カバーリング50(カバー部材),開口面積調整リング
60(開口面積調整部材)を有している。
【0026】固定筒10は、合成樹脂から形成されてお
り、円筒状をしている。固定筒10は、合成樹脂製又は
ゴム製等のセットリング12によって、リングレール7
4に固定される。
【0027】回転筒20も円筒状をしている。回転筒2
0は、固定筒10の内側において、固定筒10と同心的
に設けられている。回転筒20は、その中心軸線を中心
に回転可能に設けられている。固定筒10と回転筒20
との間には、摺接リング22が介装されており、回転筒
20が固定筒10に対して円滑に回転するようにされて
いる。なお、固定筒10にはライナーカバー14が嵌合
固定されており、摺接リング22の抜け止めがなされて
いる。回転筒20の上部には、円環状のフランジ部24
が形成されている。
【0028】トラベラ30は、回転筒20のフランジ部
24に対して、フランジ部24の周方向に回転可能に設
けられている。
【0029】ブレーキリング40は、回転リング10の
上部に設けられている。図3に示すように、ブレーキリ
ング40には、多数のフィン42が設けられている。各
フィン42は縦板状をなし、均等な角度間隔で放射状に
延びている。
【0030】カバーリング50は、固定筒10(ライナ
ーカバー14)に対して固定されている。図4に示すよ
うに、カバーリング50は、固定筒10及び回転筒20
と同心的なリング状をなしている。カバーリング50
は、ブレーキリング40の近傍に位置し、ブレーキリン
グ40をほぼ取り囲んでいる。
【0031】カバーリング50は、周側部52,つば部
54を有している。なお、カバーリング50は、周側部
52及びつば部54が一体的に製造されるものでもよい
し、別体のものが結合されるものでもよい。周側部52
は、扁平な円筒状をしている。つば部54は、周側部5
2の上端から求心方向に延びる円環状をしている。つば
部54の内端縁によって形成される円形の孔部は、第1
通気孔56とされている。つば部54には、複数個(例
えば4個)の第2通気孔58(通気部)が、等角度間隔
を隔てて設けられている。なお、第2通気孔58は1つ
のみ設けられてもよい。また、第2通気孔58の形状
は、角形に限らず、丸形,楕円形等、種々の形状が適用
される。他の実施形態でも同様である。
【0032】開口面積調整リング(以下、単に調整リン
グともいう)60は、カバーリング50に嵌合されてい
る。調整リング60は、作業員によって、カバーリング
50に対して自身の中心軸線を中心に回転変位可能であ
る。調整リング60も、周側部62,つば部64を有し
ている。周側部62は、カバーリング50の周側部52
に対応する扁平な円筒状をしている。すなわち、カバー
リング50の周側部52よりも若干大径である。つば部
64は、周側部62の上端から求心方向に延びる円環状
をしている。つば部64もカバーリング50のつば部5
4に対応しており、カバーリング50のつば部54の上
に位置する。つば部64には、複数個の調整孔68が形
成されている。各調整孔68は、カバーリング50の各
第2通気孔58に対応している。第2通気孔58が1つ
のみ設けられる場合は、調整孔68の数は1つのみでも
よく、複数でもよい。また、周側部62には、複数個の
把持部61が設けられている。
【0033】そして、作業員が把持部61を把持して調
整リング60を回転変位させることによって、各第2通
気孔58の開口面積が調整される。すなわち、各調整孔
68がカバーリング50の各第2通気孔58と完全に重
なる(合致する)全開状態(図5参照)と、各調整孔6
8がカバーリングの各第2通気孔58と全く重ならない
全閉状態(図6参照)と、その間の部分的開状態(図7
参照)の種々の状態となり得る。部分的開状態では、各
調整孔68と各第2通気孔58との重なり度合いによっ
て、7割開状態,5割開状態等のように、開状態の度合
いが調整され得る。
【0034】次に、この紡績用リング2の作用効果につ
いて説明する。図1に基づいて前述したように、リング
レール74が往復昇降して紡績用リング2が往復昇降し
つつボビン82(スピンドル80)が回転することによ
って、トラベラ30や回転筒20が回転する。ドラフト
装置72によってドラフトされて所定の送出速度で送り
出される糸Tは、ガイド部材76の貫通孔77を通り、
紡績用リング2のトラベラ30によってガイドされかつ
撚りをかけられつつ、ボビン82に対して巻き取られて
いく。その際、ブレーキリング40によって回転筒20
にブレーキ力が与えられ、糸Tには張力(紡出張力)が
加えられる。
【0035】この紡績用リング2では、上記の作動状態
となる前に、作業員によって調整リング60が調整され
る。すなわち、糸Tが太い糸(強い糸)の場合には、第
2通気孔58を全開状態(図5)としておく。これによ
って、回転筒20及びブレーキリング40の回転の際に
ブレーキリング40に対して流通する空気の量(ブレー
キリング40の近傍を流れる空気の量)が多いものとな
る。すなわち、第1通気孔,ブレーキリング40,第2
通気孔58を流れる空気の量が多いものとなる。そし
て、それによって、ブレーキリング40に対して与えら
れる空気抵抗は大きなものとなる。このため、回転筒2
0に作用するブレーキ力は大きなものとなり、糸Tに作
用する紡出張力は大きなものとなる。
【0036】一方、糸Tが細い糸(弱い糸)の場合に
は、第2通気孔58を全閉状態(図6)としておく。こ
れによって、回転筒20及びブレーキリング40の回転
の際にブレーキリング40に対して流通する空気の量
(ブレーキリング40の近傍を流れる空気の量)は少な
いものとなり、それによってブレーキリング40に対し
て与えられる空気抵抗は小さなものとなる。このため、
回転筒20に作用するブレーキ力は小さなものとなり、
糸Tに作用する紡出張力は小さなものとなる。
【0037】また、糸Tの太さ(強さ)が中間程度のも
のの場合には、第2通気孔58を部分的開状態(図7)
とすることによって、中間程度の紡出張力が糸Tに作用
することになる。
【0038】以上のように、この紡績用リング2では、
調整リング60を回転変位させて第2通気孔58の開口
面積を調整することによって、糸Tに作用する紡出張力
を容易に調整することが可能となる。このため、糸Tの
種類(太さ・強さ)に応じた適切な紡出張力を糸Tに与
えることが可能となり、糸Tの種類に応じて糸Tを適切
に巻き取ることができる。
【0039】[実施形態2]次に、本発明の実施形態2
について、実施形態1との相違点を中心に、図8〜図1
1に基づいて説明する。すでに説明した部材と同一又は
ほぼ同一の部材については、同一の符号を付して説明を
省略する。以下同様である。
【0040】この紡績用リング102(図1中の紡績用
リングR)は、実施形態1の紡績用リング2と同様に、
カバーリング150,調整リング160を有している。
カバーリング150は、周側部152,つば部154を
有している。そして、各第2通気孔158は、周側部1
52に、等角度間隔を隔てて形成されている。調整リン
グ160は、周側部162,つば部164を有してい
る。各調整孔168は、第2通気孔158に対応して、
周側部162に形成されている。つば部164には、複
数個の把持部161が設けられている。
【0041】そして、実施形態1と同様に、作業員が把
持部161を把持して調整リング160を回転変位させ
ることによって、各第2通気孔158の開口面積が調整
される。全開状態が図10に、部分的開状態が図11に
示されている。各第2通気孔158の開口面積が調整さ
れることによって、ブレーキリング40に流通する空気
の量が調整される。こうして、ブレーキリング40に作
用するブレーキ力が調整され、糸Tに作用する紡出張力
を容易に調整することが可能となる。このため、糸Tの
種類(太さ・強さ)に応じた適切な紡出張力を糸Tに与
えることが可能となり、糸Tの種類に応じて糸Tを適切
に巻き取ることができる。
【0042】[実施形態3]次に、本発明の実施形態3
について、実施形態1との相違点を中心に、図12〜図
15に基づいて説明する。
【0043】この紡績用リング202(紡績用リング
R)は、実施形態1の紡績用リング2と同様に、カバー
リング250,調整リング260を有している。カバー
リング250は、周側部252,蓋部254を有してい
る。周側部252は、扁平な円筒状をしている。蓋部2
54は、周側部252の上端において、周側部252を
横断する方向に設けられている。蓋部254の中心軸線
位置には、正方形の孔状の通気孔256(通気部)が形
成されている。
【0044】調整リング260は、カバーリング250
に嵌合されている。調整リング260は、作業員によっ
て、カバーリング250に対して、その中心軸線を中心
に回転変位可能である。調整リング260も、周側部2
62,蓋部264を有している。周側部262は、カバ
ーリング250の周側部252に対応する扁平な円筒状
をしている。蓋部264は、周側部262の上端におい
て、周側部262を横断する方向に設けられている。蓋
部264の中心軸線位置には、カバーリング250の通
気孔256に対応して、正方形の孔状の通気孔266
(通気部)が形成されている。なお、実施形態1,2の
把持部61,161と同様に、調整リング260の周側
部262又は蓋部264に把持部が設けられていてもよ
い。
【0045】そして、調整リング260を回転変位させ
ることによって、通気孔256の開口面積が調整され
る。すなわち、調整孔266がカバーリング250の通
気孔256と完全に重なる(合致する)最大開状態(図
14)と、それを基準に調整リング260が45度回転
変位されて正方形の調整孔266が通気孔256に対し
て45度ずれて通気孔256の開口面積が最小となる最
小開状態(図15)と、その間の中間開状態の種々の状
態となり得る。
【0046】このように、調整リング260を回転変位
させることによって、通気孔256の開口面積が調整さ
れ、ブレーキリング40に流通する空気の量が調整され
る。こうして、ブレーキリング40に作用するブレーキ
力が調整され、糸Tに作用する紡出張力を容易に調整す
ることが可能となる。このため、糸Tの種類(太さ・強
さ)に応じた適切な紡出張力を糸Tに与えることが可能
となり、糸Tの種類に応じて糸Tを適切に巻き取ること
ができる。
【0047】[実施形態4]次に、本発明の実施形態4
について、実施形態1との相違点を中心に、図16及び
図17に基づいて説明する。
【0048】この紡績用リング302(紡績用リング
R)は、支持リング350(支持部材),カバーリング
360(カバー部材)を有している。
【0049】支持リング350は、固定筒10(ライナ
ーカバー14)に対して固定されている。支持リング3
50は、固定筒10及び回転筒20と同心的な扁平な円
筒状を状をなしている。支持リング350は、ブレーキ
リング40の近傍に位置し、ブレーキリング40をほぼ
取り囲んでいる。
【0050】カバーリング360は、支持リング350
に嵌合される。カバーリング360は、周側部362,
つば部364を有している。周側部362は、支持リン
グに対応する扁平な円筒状をしている。すなわち、支持
リング350のよりも若干大径である。つば部364
は、周側部62の上端から求心方向に延びる円環状をし
ている。つば部364の内端縁によって形成される円形
の孔部は、通気孔368(通気部)とされている。
【0051】この紡績用リング302は、複数種類のカ
バーリング360(360A,360B,360C,
…)を有している。各カバーリング360の通気孔36
6(366A,366B,366C,…)は、異なった
開口面積を有している。すなわち、カバーリング360
Aの通気孔366Aが最大で、カバーリング360Bの
通気孔366B,カバーリング360Cの通気孔366
C,…の順に従って、その開口面積が徐々に小さなもの
となっている。
【0052】この紡績用リング302では、作動状態と
なる前に、作業員によって、適切なカバーリング360
がセットされる。すなわち、糸Tが太い糸(強い糸)の
場合には、カバーリング360A(大きな開口面積の通
気孔366Aを有する)を支持リング350に対して嵌
合させる。また、糸Tが細い糸(弱い糸)の場合には、
カバーリング360C(小さな開口面積の通気孔366
Cを有する)を支持リング350に対して嵌合させる。
【0053】このように、カバーリング360を適宜選
択することによって、通気孔356の開口面積が調整さ
れ、ブレーキリング40に流通する空気の量が調整され
る。こうして、ブレーキリング40に作用するブレーキ
力が調整され、糸Tに作用する紡出張力を容易に調整す
ることが可能となる。このため、糸Tの種類(太さ・強
さ)に応じた適切な紡出張力を糸Tに与えることが可能
となり、糸Tの種類に応じて糸Tを適切に巻き取ること
ができる。
【0054】[実施形態5]次に、本発明の実施形態5
について、実施形態2との相違点を中心に、図18に基
づいて説明する。この紡績用リング402(紡績用リン
グR)は、固定筒410,回転筒20,トラベラ30,
ブレーキリング440,開口面積調整リング460(開
口面積調整部材)を有している。固定筒410は、実施
形態2のカバーリング150(カバー部材)を兼ねてい
る。
【0055】ブレーキリング440は、回転筒20の下
部に設けられている。ブレーキリング440にも、多数
のフィン442が設けられている。各フィン442は縦
板状をなし、均等な角度間隔で放射状に延びている。
【0056】固定筒410(カバーリング)(その下半
部)は、ブレーキリング440の近傍に位置し、ブレー
キリング440をほぼ取り囲んでいる。
【0057】固定筒410(カバーリング)の下半部の
周側部452には、複数個の通気孔458(通気部)が
形成されている。通気孔458は、等角度間隔を隔てて
複数個(例えば4個)設けられている。
【0058】開口面積調整リング(調整リング)460
は、固定筒410の周側部452に嵌合されている。調
整リング460は、作業員によって、固定筒410(周
側部452)に対して、その中心軸線を中心に回転変位
可能である。調整リング460は、周側部462,つば
部464を有している。周側部462は、固定筒410
(カバーリング)の周側部452に対応する扁平な円筒
状をしている。すなわち、固定筒410(カバーリン
グ)の周側部452よりも若干大径である。周側部45
2には、固定筒410の各通気孔458に対応して、複
数個の調整孔468が形成されている。なお、実施形態
1,2の把持部61,161と同様に、調整リング46
0の周側部462又はつば部464に把持部が設けられ
ていてもよい。
【0059】そして、実施形態1と同様に、調整リング
460を回転変位させることによって、各通気孔458
の開口面積が調整され、ブレーキリング440に流通す
る空気の量が調整される。こうして、ブレーキリング4
40に作用するブレーキ力が調整され、糸Tに作用する
紡出張力を容易に調整することが可能となる。このた
め、糸Tの種類(太さ・強さ)に応じた適切な紡出張力
を糸Tに与えることが可能となり、糸Tの種類に応じて
糸Tを適切に巻き取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である紡績用リング及び従来
の紡績用リングが用いられる精紡機の一例の全体を示す
図である。
【図2】本発明の実施形態1の紡績用リングの拡大断面
図である。
【図3】本発明の実施形態1の紡績用リング中のブレー
キリングを取り出して示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態1の紡績用リング中のカバー
リング及び調整リングを取り出して示す分解斜視図であ
る。
【図5】本発明の実施形態1の紡績用リング中のカバー
リング及び調整リングを取り出して示す平面図である。
全開状態を示す。
【図6】本発明の実施形態1の紡績用リング中のカバー
リング及び調整リングを取り出して示す平面図である。
全閉状態を示す。
【図7】本発明の実施形態1の紡績用リング中のカバー
リング及び調整リングを取り出して示す平面図である。
部分的開状態を示す。
【図8】本発明の実施形態2の紡績用リングの拡大断面
図である。
【図9】本発明の実施形態2の紡績用リング中のカバー
リング及び調整リングを取り出して示す分解斜視図であ
る。
【図10】本発明の実施形態2の紡績用リング中のカバ
ーリング及び調整リングを取り出して示す横断面図であ
る。全開状態を示す。
【図11】本発明の実施形態2の紡績用リング中のカバ
ーリング及び調整リングを取り出して示す横断面図であ
る。部分的開状態を示す。
【図12】本発明の実施形態3の紡績用リングの拡大断
面図である。
【図13】本発明の実施形態3の紡績用リング中のカバ
ーリング及び調整リングを取り出して示す分解斜視図で
ある。
【図14】本発明の実施形態3の紡績用リング中のカバ
ーリング及び調整リングを取り出して示す平面図であ
る。最大開状態を示す。
【図15】本発明の実施形態3の紡績用リング中のカバ
ーリング及び調整リングを取り出して示す平面図であ
る。最小開状態を示す。
【図16】本発明の実施形態4の紡績用リングの拡大断
面図である。
【図17】本発明の実施形態4の紡績用リング中のカバ
ーリングを取り出して示す斜視図である。
【図18】本発明の実施形態5の紡績用リングの拡大断
面図である。
【符号の説明】
2,102,202 紡績用リング 10 固定筒 20 回転筒 30 トラベラ 40 ブレーキリング 50,150,250 カバーリング(カバー部材) 58,158 第2通気孔(通気部) 258 通気孔
(通気部) 60,160,260 開口面積調整リング(開口面積
調整部材) 68,168,268 調整孔 302 紡績用リング 350 支持リング(支持部材) 360 カバーリング(カバー部材) 366 通気孔(通気部) 402 紡績用リング 410 固定筒(カバーリング(カバー部材)) 440 ブレーキリング 458 通気孔(通気部) 460 開口面積調整リング(開口面積調整部材) 469 調整孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸供給部から導かれる糸をボビンに巻き
    取るための紡績用リングであって、 固定的に設けられる固定筒と、 その固定筒の内側においてその固定筒と同心的にかつそ
    の中心軸線を中心に回転可能に設けられ、かつその内側
    に前記ボビンが同心的にかつその中心軸線を中心に回転
    可能に配設される回転筒と、 その回転筒に対してその周方向に回転可能に設けられ、
    前記糸供給部から導かれる糸を前記ボビンに対してガイ
    ドするトラベラと、 前記回転筒に設けられ、周囲の空気との間の空気抵抗に
    より当該回転筒にブレーキ力を付与するブレーキ部材と
    を有し、 前記ブレーキ部材に対して流通する空気の量が可変のも
    のとされている紡績用リング。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の紡績用リングであっ
    て、 前記ブレーキ部材の近傍に位置するとともに通気部を有
    するカバー部材と、 そのカバー部材に対して、前記通気部の開口面積を調整
    可能に設けられる開口面積調整部材とを有する紡績用リ
    ング。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の紡績用リングであっ
    て、 前記カバー部材が、前記回転筒と同心的なリング状をし
    たカバーリングであり、 前記開口面積調整部材が、前記カバーリングに嵌合可能
    なリング状をした開口面積調整リングであり、その中心
    軸線を中心に回転変位可能であり、前記通気部に対応す
    る調整孔を有し、前記カバーリングに対する相対的回転
    角度位置が調整されることによって前記通気孔と前記調
    整孔との重なり度合いが調整されて前記通気孔の開口面
    積を調整するものである紡績用リング。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の紡績用リングであっ
    て、 前記ブレーキ部材の近傍に配設されるカバー部材を有
    し、 そのカバー部材が、種々の開口面積の通気孔を有する複
    数種類のものから適宜選択されるものである紡績用リン
    グ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109537121A (zh) * 2019-01-23 2019-03-29 上海海事大学 自动捻线装置
CN113279093A (zh) * 2021-06-10 2021-08-20 日照品特裕华纺织科技有限公司 一种环锭纺细纱机钢丝圈自动穿线方法及其穿线装置

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