JPH11107068A - 紡績用回転リング - Google Patents

紡績用回転リング

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Publication number
JPH11107068A
JPH11107068A JP29043597A JP29043597A JPH11107068A JP H11107068 A JPH11107068 A JP H11107068A JP 29043597 A JP29043597 A JP 29043597A JP 29043597 A JP29043597 A JP 29043597A JP H11107068 A JPH11107068 A JP H11107068A
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JP
Japan
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ring
cylinder
spinning
fin
fixed cylinder
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Withdrawn
Application number
JP29043597A
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English (en)
Inventor
Toshinori Kagohashi
俊憲 籠橋
Teruhiko Sato
輝彦 佐藤
Yasushi Iwama
泰志 岩間
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Nippo Ltd
Howa Machinery Ltd
Nippo Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Nippo Ltd
Howa Machinery Ltd
Nippo Sangyo Co Ltd
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  • Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 環状ブレーキ部からの吹出気流を制御して回
転リングの空気制動効果を確実とする。 【解決手段】 紡出回転によって回転筒26が回転する
と、固定筒22下端より下方にむき出しているブレーキ
リング36の各フィンF外周が、変向カバー70のテー
パ状の気流案内面73と十分な距離をおいていて開放空
間内に位置していることから、フィンFの回転で半径方
向外方に流れ出す気流は、気流案内面73によって斜め
下方に案内され、跳ね返ることがないので、フィンFが
自分で吹き出した気流の影響を受けない上に、隣の回転
リング20のフィンFにも作用することがない。従っ
て、フィンFは空気との間の空気摩擦抵抗によって適度
な回転制動力を生じる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、繊維機械、特に
リング精紡機、リング撚糸機等、トラベラを用いて糸を
巻取る形式の紡機に用いられる紡績用回転リングに関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の紡績用回転リングとして、リン
グレールに、スピンドルの回転中心と同心に固定筒を設
け、この固定筒に前記回転中心と同心で回転するように
回転筒を回転自在に取付け、その回転筒の上部には、ス
ピンドルに嵌合されて回転するボビンに巻取られる糸を
ガイドするトラベラを円周方向に周回自在に案内してお
り、回転筒の下端には凹凸状の環状ブレーキ部を備え、
その環状ブレーキ部は、環状のフランジから下方に垂下
する、放射状に配置された多数のフィンから成り、フィ
ンの半径方向外側を、固定筒下部内周壁が僅かな隙間を
持って取り囲んでいるものがある(国際公開番号WO9
6/08592号、特開平8−209470号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記構成の回転リング
によれば、スピンドルが回転してボビンに糸を巻取って
いくとき、回転筒と一体の環状ブレーキ部としてのフィ
ンにより空気抵抗力が生じ、回転筒は、その回転数に応
じた強さの回転制動力を受け、回転筒の回転速度が、回
転筒に相対回転自在に設けてあるトラベラの回転速度を
越えるような事態を防止できる効果が期待出来るもので
あるが、出願人のその後の試験などから、フィンの外側
に近接して固定筒の下部内周壁が取り囲んでいる上記従
来技術の構造では、回転筒の回転でフィンから半径方向
側方に吹き出す気流が、直ちに内周壁に吹き付けて跳ね
返り、その跳ね返り気流がフィンに作用して、フィンの
ブレ−キ作用を阻害し、未だ期待した制動効果が得らな
いことがわかった。この発明の課題は、効果的な制動効
果を発揮する、安全な環状ブレーキ部を有する回転リン
グを提供することにある。又、本願の別の課題は、その
ような回転リングを隣合わせてリングレールに取り付け
たとき、隣合う回転リングの環状ブレーキ部で生じる気
流が互いに悪影響を及ぼさないように制御する気流制御
部材を有する回転リングを提供することにある。さらに
別の課題は、部品点数を減らして、組み付けの手間を少
なくできる前記回転リングを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のために、
リングレールに、スピンドルの回転中心と同心になるよ
うに固定筒を設け、その固定筒に前記回転中心と同心で
回転するように回転筒を回転自在に支承し、その回転筒
の上端部に糸をガイドするためのトラベラを周回可能に
取付けて成る紡績用回転リングであって、前記回転筒に
は、空気に対する回転抵抗により回転筒に制動力を付与
する環状ブレ−キ部を備えている回転リングにおいて、
環状ブレ−キ部は固定筒下端より下方に空気制動用の多
数のフインを露出した状態で備えていることを特徴とす
る(請求項1)。これによれば、フィンの半径方向外側
には固定筒の内面が近接配置されないため、フイン回転
により半径方向に吹き出す気流は跳ね返されず、フィン
による空気制動作用が阻害されない。
【0005】また、そのフインの半径方向外側に、フイ
ン全周を囲み、回転筒の回転に伴って前記フインから生
じる半径方向の気流を、跳ね返りなく下向き気流に変向
する気流方向の変向カバ−を固定筒と一体的に取り付け
ると、一層好適である(請求項2)。具体的には、変向
カバ−は、そのフインに対向する内面が、下方に向かっ
て広がるテ−パ状の気流案内面に形成されている(請求
項3)。これによれば、フインから半径方向側方に流れ
出る気流は、跳ね返ることなく斜め下方に案内されるの
で、隣合った回転リングのフィンに影響することを防止
出来る。
【0006】変向カバ−は、その上端部に固定筒をリン
グレ−ルとの間で挾持固定する挾持部分を一体に備える
と、部品点数を少なく出来て好適である(請求項4)。
さらに、変向カバ−の下側開口の下側には、隣合うスピ
ンドルにおける変向カバ−間を仕切る仕切板を設けると
好適である(請求項5)。これによれば、(斜め)下向
きに変向した気流が、隣のボビンに吹き付けないから、
ボビンに巻かれた糸を毛羽立たせることがない。
【0007】
【発明の実施の形態】図1において、リング精紡機のス
ピンドルレール2には、長手方向に所定ピッチで多数の
スピンドル3が回転自在に支持されている。各スピンド
ル3は主モータ(図示なし)によりチンプーリシャフト
を介して駆動されるベルト6を介して回転駆動される。
なお、スピンドル3は各錘毎に設けた単独モータによっ
て回転されるようにしても良い。7は金属製のリングレ
ールで、図示しない昇降装置により一定量の上下動(チ
ェース)を行いつつ、そのチェース運動中にチェース位
置を僅かずつ上昇させる、いわゆるシェーパ送りを行う
ようになっている。リングレール7には、各スピンドル
3に対応して、回転リング20が取り付けられている。
回転リング20は、スピンドル3を中心にして周回可能
なトラベラ8を備え、このトラベラ8が主モータ又は他
のモータにより回転されるドラフトローラ(図示なし)
から送出されてスネールワイヤ11に案内されている糸
10を案内しながらスピンドル3の回りを旋回し、スピ
ンドル3の回転数とトラベラ8の回転数の差に相当する
巻数分の糸をボビン12の外周に巻取るようになってい
る。
【0008】図2〜図4に基づいて、回転リング20を
詳細に説明する。リングレール7には、各スピンドル3
と対応して固定筒22の取付孔21が、スピンドル3の
回転中心Cと同心に形成されている。各取付孔21には
固定筒22が嵌め込まれ、固定筒22の環状フランジ部
22aがリングレール7上面に当て付けられた状態で、
固定筒22のリングレール7より下方に突出した環状突
出部22bに形成された環状係止溝23にゴム製のセッ
トリング24を嵌め込んで、固定筒22がリングレール
7に取り付けられている。固定筒22は合成樹脂材料で
構成されている。
【0009】固定筒22には、内側に回転自在に嵌め込
まれた軸受としての摺接リング(摺動ベアリング)25
とその外周に嵌合されている補強リング25Aを介して
回転筒26が、固定筒22の中心軸線と同心に即ちスピ
ンドル3の回転中心Cと同心に回転自在に支承されてい
る。補強リング25Aは、摺接リング25を後述の補強
軸受32に外周の一箇所を切り割って嵌合した際にその
摺接リング25の拡開を防止して外周形状の変形を防止
するものであり、摺接リング25を直接嵌合させて外周
形状の変形がない場合には省略可能である。摺接リング
25と補強リング25Aは、固定筒22の上面に嵌着に
より取り付けられた合成樹脂製のカバー27により、上
方へ抜けないように保持されている。
【0010】摺接リング25は、耐摩耗性の高い、か
つ、摩擦係数の小さなポリ四フッ化エチレン(PTF
E)やエラストマー等の合成樹脂材料、或は金属等で構
成され、補強リング25Aは摺接リング25よりも剛性
が高いポリアセタール(POM)等の合成樹脂材料又は
金属にて構成されている。
【0011】回転筒26は、合成樹脂材料によって構成
した環状の回転筒本体28と、回転筒本体28の下部に
設けてある合成樹脂製の環状ブレーキ部29と、回転筒
本体28の中間部外周に設けてある合成樹脂製の防塵カ
バー30とで構成されている。 回転筒本体28の外周
には被支承部として例示する環状の軸受嵌合溝28aが
形成され、軸受嵌合溝28aに母材(回転筒本体28)
よりも硬度が硬くて耐摩耗性に優れている金属材料であ
る鋼材から成る環状の補強軸受32が嵌着されている。
補強軸受32は切削加工により形成され、補強軸受32
の軸受部材摺動部分を構成する嵌合溝32aに前記摺接
リング25が摺動回転自在に嵌合されている。
【0012】回転筒26の主たる部分を構成する回転筒
本体28の上端部には、外周側へ張出す膨出部28cと
内周側へ張出す嵌合凸部28hが形成され、膨出部28
cの下方位置には周囲を複数に等分する位置に風綿排出
孔33が形成されている。また回転筒本体28の嵌合凸
部28h内周には、母材(回転筒本体28)よりも硬度
が硬くて耐摩耗性に優れている鋼材又はセラミック材料
から成る環状のトラベラ摺動リング34の外周に形成し
た嵌合凹部34hが合成樹脂製の嵌合凸部28hの弾性
を利用して上方から嵌着され、トラベラ摺動リング34
が回転筒本体28に固定されている。トラベラ摺動リン
グ34の上端部内周には、内周側へ張出す膨出部34c
が形成され、この膨出部34cと前記膨出部28cとで
トラベラ8を案内するフランジ部31を構成している。
フランジ部31のトラベラ摺動リング34には、トラベ
ラ8を円周方向に周回自在に案内するトラベラ摺動部分
31aが膨出部34cによって形成されている。回転筒
本体28のフランジ部31の下方には、前記カバー27
の僅か上方の位置に防塵カバー30が嵌着により一体に
固着されている。
【0013】環状ブレーキ部29は、回転筒本体28に
固着されている合成樹脂製のブレーキリング36によっ
て構成されている。ブレーキリング36は、エアブレー
キ部材を構成し、リング本体37の上部に円筒状の嵌合
部38が形成され、嵌合部38の下部に外方へ張り出す
円環状の上側壁39が形成されている。ブレーキリング
36は、嵌合部38が回転筒本体28の被嵌合部28d
に下方から嵌合されかつ係止部38aが係止段部28e
に係合されて固定され、嵌合部38の上端部が補強軸受
32に当接して補強軸受32を位置固定している。上側
壁39の半径方向内側に連続して、円筒状の風圧遮断壁
42が形成され、その下端は固定筒22の下端より下方
に伸びている。風圧遮断壁42の上下方向中間部から
は、固定筒22の下端との間に狭い隙間44を設けて半
径方向外方に伸びる環状の下側壁43が形成され、固定
筒22の下部に対応する部分まで張出している。上側壁
39と下側壁43との間は、両壁39,43と繋ぐ垂直
なリブ41が、円周方向に4か所設けてある。下側壁4
3の下部には、多数のフィンFが設けられている。各フ
ィンFは円周方向等角度間隔で回転中心Cを中心とし
て、前記風圧遮断壁42から放射方向(半径方向)に伸
びる縦板状に形成され、各フィンFはボビン12側の空
間から遮蔽されて、ボビン12による回転気流の影響を
受けないようになっている。ボビン12(スピンドル
3)が高速定常回転となったときに、トラベラ8が回転
筒26とほぼ一体回転するように、回転筒本体28とト
ラベラ8間の摩擦抵抗、環状ブレーキ部29による周囲
の空気に対する回転抵抗が設定されている。回転筒本体
28と防塵カバー30とブレーキリング36は、比重5
以下である合成樹脂材料で構成して軽量化を図っている
が、比重5以下である軽合金好ましくは比重3以下であ
るアルミニウム材料等の軽合金で構成して軽量化を図っ
ても良い。
【0014】回転筒28には、バランス部材の移動によ
り回転中心に対する動的アンバランスを解消するバラン
ス機構50が設けられている。バランス機構50は、回
転筒本体28の中間部外周に設けた環状の案内面28b
と前記防塵カバー30の内面30aとで環状の案内路5
2を設け、案内路52に重り部材51を案内路52に沿
って移動自在に設けて構成されている。案内路52は、
筒軸線を中心とする環状の案内空間によって構成されて
いる。重り部材51は、案内路52内にその内周面に沿
って転動自在に設けた球形状の重り(ボ−ル)59によ
って構成されている。案内路52内に入れるボール59
の数は、1つでも、或いは複数でも良い。案内路52に
ボール59を複数入れる場合、各ボール59の大きさ、
材質、重さは別々でも良く、同じにする必要はない。
【0015】次に本発明の回転リング20は、以下の構
成を有する。リングレール7の下面には、前記固定筒2
2と、回転筒26のリングレ−ル7下方突出部分を取り
囲む変向カバー70が取り付けてある。変向カバ−70
は樹脂材料から成り、全体としてリング状を成し、前記
セットリング24を収容する段部71と固定筒22の下
端部外周に近接する孔72と、フィンFと対向する高さ
位置の内面とを有し、その内面は下方に向けて広がるテ
ーパ面から成る気流案内面73となっている。気流案内
面73は、フィンFの回転により半径方向に吹き出す半
径方向気流を、斜め下方に向く気流に方向を変更するよ
うになっていて、半径方向吹出気流が跳ね返ってフィン
Fの回転に影響することのないように、気流案内面73
とフィンFの半径方向先端との間に十分な間隔をとって
ある。前記変向カバ−70の下面には、隣合う変向カバ
ー70の境目を区切る垂直な仕切板80が、その上端前
後2個所に設けた取付け部をねじ90によって固着して
あり(図1,3,4)、仕切板80は前記気流案内面7
3で斜め下方に案内された気流を、隣のボビンに影響し
ないように受け止めるようになっている。
【0016】次に、上記紡績用回転リングの作用効果に
ついて説明する。精紡機の主モータを起動し、スピンド
ル3を回転させると共に、リングレール7にチェースと
シェーパ送りを与えて、ドラフトローラから送り出され
てくる糸10を、スネールワイヤ11、トラベラ8を経
てボビン12の外周に巻取り、管糸を形成していく。ス
ピンドル3と一体にボビン12が回転されると、糸10
を介してトラベラ8も回転し、トラベラ8と回転筒26
の間の摩擦により回転筒26が従動回転される。この場
合、回転筒26はその主な部分である回転筒本体28と
ブレーキリング36が合成樹脂により形成され、全体重
量が軽量化されているので、トラベラ8の回転によって
回転筒26が直ぐに追従回転し、増速回転時及び高速回
転時に糸に作用する張力を小さくでき、その結果糸切れ
が少なくなって糸継ぎも容易になり、しかも巻取糸の伸
度を良くできると共に消費電力を大幅に節減できる。ス
ピンドル3の回転が高速の定常状態となると、トラベラ
8に加わる遠心力により、トラベラ8が回転筒26のフ
ランジ部31に強く接触した状態となるので、両者はほ
ぼ一体に回転し、高速回転状態で用いる場合にもトラベ
ラ8の摩耗を小さくでき、トラベラ寿命を長くできる。
【0017】回転筒26とトラベラ8とが一体又はほぼ
一体になって高速回転されるとき、回転筒26にはそれ
自体の加工精度によって軸受中心Cとの間に偏重心が生
じる上にトラベラ8による偏荷重により軸受中心Cとの
間に偏重心が生じ、回転リング20に、回転筒26の動
的アンバランスによる振れ回りによって振動を発生する
ことがあるが、回転筒26の主な部分を合成樹脂で成形
して全体重量を小さくしてあるので、その振動を小さく
できる。また、回転筒26にはバランス機構50を備え
ているので、バランス機構50の重り59が案内路52
内を移動して回転筒26の偏重心がバランスされ、回転
筒26の動的アンバランスが解消されて回転筒26の回
転が円滑になる。尚、回転筒26に生じる偏重心がその
回転にさほど影響がない程度の場合には、バランス機構
50は省略できる。
【0018】回転筒26が回転すると、回転筒26には
その重量による慣性力によって惰性回転しようとする
が、回転筒26の重量が小さいのでその惰性回転を小さ
くできる。また回転筒26には、ブレーキリング36の
各フィンFが、固定筒22下端より下方にむき出しの状
態で設けてあって、その外周が、変向リング70の気流
案内面73と十分な距離をおいていて開放空間内に位置
していることから、フィンFの回転で半径方向外方に吹
き出す気流は、気流案内面73によって斜め下方に案内
され、跳ね返ることがないので、フィンFが自分で吹き
出した気流の影響を受けない上に、隣の回転リング20
のフィンFにも作用することがない。従って、フィンF
は空気との間の空気摩擦抵抗によって適度な回転制動力
を生じる。さらに、ブレーキリング36には、内側部分
に風圧遮断壁42が設けられているので、ボビン12の
回転によって発生した旋回気流が各フィンFに作用しな
くなり、回転筒26の減速を妨げなくなる。従って、リ
ングレール7が下降から上昇に切り変わって回転筒26
の周速度が増速から減速に変わると、ブレーキリング3
6のブレーキ力によって回転筒26及びトラベラ8の回
転速度が理想速度のように減速されることになる。その
結果、スピンドル3を高速回転させる場合でも、チェー
ス運動の度に回転筒26及びトラベラ8の減速が一時的
に遅れてバルーニングが崩壊するのを防止でき、隣合う
スピンドル3間を仕切っているセパレータ(図示なし)
に糸10が接触するのを回避できて糸切れを防止できる
と共に糸品質を良くできる。また、回転筒26を大幅に
軽量化しているので、トラベラ8と回転筒26を小さい
力で回転させることができ、消費電力を少なくできる。
こうして、斜め下方に方向を換えた気流は、更に、隣合
う変向カバ−70の間を仕切るように、変向カバ−70
の下面に取り付けた垂直な仕切板80に沿って、鉛直下
方に案内されて、隣のスピンドルの管糸外周に作用する
こともないので、管糸外周を乱すことが防止出来る。
【0019】減速の際には、本発明の構成により効果的
に作用するフィンのブレーキ力により回転筒26の回転
速度がトラベラ8の回転速度を越えてしまう現象を回避
でき、スピンドル停止時においては、回転筒26とトラ
ベラ8とを同期して停止でき、トラベラ8の近傍におい
て糸10が乱れる所謂スナール現象を回避できる。
【0020】次に図6において、別の実施形態を示す。
ここでは、前記変向カバ−に、前記セットリングの機能
を兼ね備えている。即ち、弾性を有する合成樹脂材料か
ら変向カバー70Aを構成し、筒状の挾持部分70Bと
その挾持部分に連続して下方に広がるスカ−ト部分70
Cとから構成されている。挾持部分70Bは、固定筒2
2の環状係止部23に嵌まり込む係合凸部70Dを内側
に備え、固定筒22の下方から嵌め込んで自体の弾性に
よって拡開した後、縮小して係合凸部70Dを環状係止
部23に弾性係合させて固定筒22をリングレール7と
の間で挾持固定する。スカ−ト部分70Cの内面は、前
記同様の気流案内面73となっている。この変形例で
は、変向カバー70Aが固定筒22の固定機能を備えて
いることから、前記した実施形態に比べて、セットリン
グが不要で、部品点数を少なくでき、組み付けの手間が
省略できる。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明では、フィンの半径
方向外側には固定筒の内面が近接配置されないため、フ
イン回転により半径方向に吹き出す気流は跳ね返され
ず、フィンによる空気制動作用が阻害されないから、回
転筒の回転速度が、回転筒に相対回転自在に設けてある
トラベラの回転速度を越えるような事態を確実に防止で
きる。また、フィンが固定筒の下側で露出しているか
ら、作業者が誤って触れることがなく安全である。
【0022】また、本発明では、フインの半径方向外側
に、フイン全周を囲み、回転筒の回転に伴って前記フイ
ンから生じる半径方向の気流を、跳ね返ることなく(斜
め)下向き気流に変向する気流方向の変向カバ−を固定
筒と一体的に設けたので、フインから半径方向側方に流
れ出る気流は、跳ね返ることなく下方に案内され、気流
を流れ出したフィン自分自身に影響しないばかりか、隣
の回転リングのフィンにその気流が作用せず、各錘のフ
インの制動作用が確実に保証される。
【0023】変更カバ−が、その上端部に固定筒をリン
グレ−ルとの間で挾持固定する挾持部分を一体に備えた
ものでは、固定筒を取り付けるのに、別部材を使用する
場合と比べて部品点数を少なく出来て、組み付けの手間
を省くことができる。さらに、変向カバ−の下側開口の
下側に、隣合うスピンドルにおける変向カバ−間を仕切
る仕切板を設けたものでは、特に斜め下向きに変向した
気流が、隣のボビンに吹き付けないから、ボビンに巻か
れた糸を毛羽立たせることがなく、糸品質の低下を招か
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】精紡機のスピンドル部を示す説明図である。
【図2】回転リングの第1実施形態を示す断面図であ
る。
【図3】スピンドルの正面図である。
【図4】回転リングを下方から見た斜視図である。
【図5】仕切板と変向カバーの取付け関係を示す平面図
である。
【図6】別の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
3 スピンドル 8 トラベラ 22 固定筒 26 回転筒 29 環状ブレーキ部 70 変向カバー 73 気流案内面 70B 挾持部分 80 仕切板 F フィン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リングレールに、スピンドルの回転中心
    と同心になるように固定筒を設け、その固定筒に前記回
    転中心と同心で回転するように回転筒を回転自在に支承
    し、その回転筒の上端部に糸をガイドするためのトラベ
    ラを周回可能に取付けて成る紡績用回転リングであっ
    て、前記回転筒には、空気に対する回転抵抗により回転
    筒に制動力を付与する環状ブレ−キ部を備えている回転
    リングにおいて、環状ブレ−キ部は固定筒下端より下方
    に空気制動用の多数のフインを露出した状態で備えてい
    ることを特徴とする紡績用回転リング。
  2. 【請求項2】 リングレールに、スピンドルの回転中心
    と同心になるように固定筒を設け、その固定筒に前記回
    転中心と同心で回転するように回転筒を回転自在に支承
    し、その回転筒の上端部に糸をガイドするためのトラベ
    ラを周回可能に取付けて成る紡績用回転リングであっ
    て、前記回転筒には、空気に対する回転抵抗により回転
    筒に制動力を付与する環状ブレ−キ部を備えている回転
    リングにおいて、環状ブレ−キ部は固定筒下端より下方
    に空気制動用の多数のフインを露出した状態で備え、そ
    のフインの半径方向外側に、フイン全周を囲み、回転筒
    の回転に伴って前記フインから生じる半径方向の気流
    を、跳ね返りなく下向き気流に変向する気流方向の変向
    カバ−を固定筒と一体的に設けたことを特徴とする紡績
    用回転リング。
  3. 【請求項3】 変向カバ−は、そのフインに対向する内
    面が、下方に向かって広がるテ−パ状の気流案内面に形
    成されていることを特徴とする請求項2記載の紡績用回
    転リング。
  4. 【請求項4】 変向カバ−は、その上端部に固定筒をリ
    ングレ−ルとの間で挾持固定する挾持部分を一体に備え
    て成ることを特徴とする請求項2または3記載の紡績用
    回転リング。
  5. 【請求項5】 変向カバ−の下側開口の下側には、隣合
    うスピンドルにおける変向カバ−間を仕切る仕切板を設
    けたことを特徴とする請求項3〜4の何れか1項記載の
    紡績用回転リング。
JP29043597A 1997-10-06 1997-10-06 紡績用回転リング Withdrawn JPH11107068A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103820894A (zh) * 2014-02-26 2014-05-28 如皋市丁堰纺织有限公司 高速气浮钢领

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