JPH08246262A - 紡績用ロータリーリング - Google Patents
紡績用ロータリーリングInfo
- Publication number
- JPH08246262A JPH08246262A JP4822395A JP4822395A JPH08246262A JP H08246262 A JPH08246262 A JP H08246262A JP 4822395 A JP4822395 A JP 4822395A JP 4822395 A JP4822395 A JP 4822395A JP H08246262 A JPH08246262 A JP H08246262A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ring
- sliding contact
- contact ring
- rotary
- spinning
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
- 238000009987 spinning Methods 0.000 title claims abstract description 21
- 230000003014 reinforcing effect Effects 0.000 claims abstract description 23
- 239000000463 material Substances 0.000 claims abstract description 15
- 230000000694 effects Effects 0.000 abstract description 6
- 230000001902 propagating effect Effects 0.000 abstract description 2
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 9
- 238000013016 damping Methods 0.000 description 7
- 238000004804 winding Methods 0.000 description 4
- 239000000428 dust Substances 0.000 description 3
- 239000013013 elastic material Substances 0.000 description 2
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 2
- 230000000644 propagated effect Effects 0.000 description 2
- 101100008047 Caenorhabditis elegans cut-3 gene Proteins 0.000 description 1
- 206010010071 Coma Diseases 0.000 description 1
- 238000002788 crimping Methods 0.000 description 1
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 1
- 229920006351 engineering plastic Polymers 0.000 description 1
- 230000001788 irregular Effects 0.000 description 1
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 150000002739 metals Chemical class 0.000 description 1
- 230000002787 reinforcement Effects 0.000 description 1
Landscapes
- Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 回転筒に沿って高速旋回するトラベラーの高
周波振動が、ロータリーリング全体に伝搬するのを極力
防ぐと共に、幾つかの付随的効果も得られる様にした紡
績用ロータリーリングを提供する。 【構成】 縦向きに配置した筒状ホルダー1の内側に、
摺接リング2を介して回転筒4を遊嵌し、該回転筒の上
端フランジ部にトラベラー9を遊嵌させたものに於い
て、弾性を有する摺接リング2の周方向の少なくとも1
箇所に、切れ目2aを設けると共に、この摺接リング2
に、切れ目を設けない補強リング10を外嵌させる構成
とした。そして、摺接リング2と補強リング10の夫々
の材質を相異させるとよい。
周波振動が、ロータリーリング全体に伝搬するのを極力
防ぐと共に、幾つかの付随的効果も得られる様にした紡
績用ロータリーリングを提供する。 【構成】 縦向きに配置した筒状ホルダー1の内側に、
摺接リング2を介して回転筒4を遊嵌し、該回転筒の上
端フランジ部にトラベラー9を遊嵌させたものに於い
て、弾性を有する摺接リング2の周方向の少なくとも1
箇所に、切れ目2aを設けると共に、この摺接リング2
に、切れ目を設けない補強リング10を外嵌させる構成
とした。そして、摺接リング2と補強リング10の夫々
の材質を相異させるとよい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、縦向きの筒状ホルダー
の内側に、摺接リングを介して回転筒を挿嵌し、その上
端フランジ部にトラベラーを遊嵌させたものに於いて、
摺接リングに制振機能を付与する等して、その性能を向
上させた紡績用ロータリーリングに関する。
の内側に、摺接リングを介して回転筒を挿嵌し、その上
端フランジ部にトラベラーを遊嵌させたものに於いて、
摺接リングに制振機能を付与する等して、その性能を向
上させた紡績用ロータリーリングに関する。
【0002】
【従来の技術】図5に、「特開平3−8821」に開示
された従来の紡績用ロータリーリングの、部分縦断面を
示した。この紡績用ロータリーリング50は、全体とし
て縦向きの偏平円筒状に形成されている。51は筒状ホ
ルダーで、その内側に、上下に二分割可能な回転筒52
を遊嵌させている。筒状ホルダー51の上部内周面に
は、V形溝51aを周設している。回転筒52の上端に
形成したフランジ部52aには、止輪状のトラベラー5
3を遊嵌させている。回転筒52の外周面には、筒状ホ
ルダー51のV形溝51aと対向する位置に、これと対
称形のV形溝52bを周設している。そして、両V形溝
51a,52b間に挟まれた環状間隙に、摺接リング5
4を介在させている。この摺接リング54は、回転筒5
2を支持すると共に、円滑に回転させる役割を果す。
又、回転筒52の下端には、弾性材料製でスカート状の
ブレーキシュー55を嵌着している。56はブレーキリ
ング、57はダストカバーである。60は、紡績用ロー
タリーリング50を取付けるリングレールで、ボビン6
1を装着したスピンドル(図示略)に沿って所定ストロ
ークで上下動される。62は、上記取付用のストップリ
ングである。
された従来の紡績用ロータリーリングの、部分縦断面を
示した。この紡績用ロータリーリング50は、全体とし
て縦向きの偏平円筒状に形成されている。51は筒状ホ
ルダーで、その内側に、上下に二分割可能な回転筒52
を遊嵌させている。筒状ホルダー51の上部内周面に
は、V形溝51aを周設している。回転筒52の上端に
形成したフランジ部52aには、止輪状のトラベラー5
3を遊嵌させている。回転筒52の外周面には、筒状ホ
ルダー51のV形溝51aと対向する位置に、これと対
称形のV形溝52bを周設している。そして、両V形溝
51a,52b間に挟まれた環状間隙に、摺接リング5
4を介在させている。この摺接リング54は、回転筒5
2を支持すると共に、円滑に回転させる役割を果す。
又、回転筒52の下端には、弾性材料製でスカート状の
ブレーキシュー55を嵌着している。56はブレーキリ
ング、57はダストカバーである。60は、紡績用ロー
タリーリング50を取付けるリングレールで、ボビン6
1を装着したスピンドル(図示略)に沿って所定ストロ
ークで上下動される。62は、上記取付用のストップリ
ングである。
【0003】次に、紡績用ロータリーリング50の作用
を説明する。ボビン61の上方から供給される糸は、そ
の先端をトラベラー53に挿通させたうえボビン61に
固定する。スピンドルを回転させると、トラベラー53
は旋回する糸に伴われて、フランジ部52aに沿って旋
回し、糸に撚りを掛けながらボビン61への巻取りをガ
イドする。この状態で、トラベラー53と回転筒52と
の間には摩擦係合力が働くので、回転筒52も、トラベ
ラーに同伴される様にして回転する。回転筒52の回転
数の上昇につれて、その下端に取着したブレーキシュー
55の裾部分が、図中に仮想線で示した様に遠心力で持
上げられ、ブレーキリング56を筒状ホルダー51の底
面に押し付ける。これによって回転筒52の回転速度
が、トラベラー53の旋回速度と同等以上になる、いわ
ゆるオーバーラン状態に陥ることが防がれて、糸には常
に適度なテンションが掛かり、ボビン61には、良質の
精紡糸が緊密且つ均等に巻取られて行く。
を説明する。ボビン61の上方から供給される糸は、そ
の先端をトラベラー53に挿通させたうえボビン61に
固定する。スピンドルを回転させると、トラベラー53
は旋回する糸に伴われて、フランジ部52aに沿って旋
回し、糸に撚りを掛けながらボビン61への巻取りをガ
イドする。この状態で、トラベラー53と回転筒52と
の間には摩擦係合力が働くので、回転筒52も、トラベ
ラーに同伴される様にして回転する。回転筒52の回転
数の上昇につれて、その下端に取着したブレーキシュー
55の裾部分が、図中に仮想線で示した様に遠心力で持
上げられ、ブレーキリング56を筒状ホルダー51の底
面に押し付ける。これによって回転筒52の回転速度
が、トラベラー53の旋回速度と同等以上になる、いわ
ゆるオーバーラン状態に陥ることが防がれて、糸には常
に適度なテンションが掛かり、ボビン61には、良質の
精紡糸が緊密且つ均等に巻取られて行く。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構造のロータリー
リング50は、回転筒52に摺接しながら高速旋回する
トラベラー53に高周波振動が発生する。この振動は、
摺接リング54を介して筒状ホルダー51に伝えられ
て、ロータリーリング全体を振動させ、この全体振動が
トラベラー53の振動を更に増幅させてしまう。この様
な振動が発生すれば、紡出張力、バルーン張力、巻取張
力が変動し、糸の均等な撚り掛け、ボビンへの糸の円滑
な巻取が阻害されて、糸質の低下を招くことになる。そ
の上、ロータリーリングは機械的疲労が加速されて、そ
の耐用時間がかなり短縮されてしまう。そこで本発明の
目的は、回転筒に沿って高速旋回するトラベラーが発す
る高周波振動が、ロータリーリングの全体に伝搬するの
を極力防げる様に構成した摺接リングを備える、紡績用
ロータリーリングを提供するにある。
リング50は、回転筒52に摺接しながら高速旋回する
トラベラー53に高周波振動が発生する。この振動は、
摺接リング54を介して筒状ホルダー51に伝えられ
て、ロータリーリング全体を振動させ、この全体振動が
トラベラー53の振動を更に増幅させてしまう。この様
な振動が発生すれば、紡出張力、バルーン張力、巻取張
力が変動し、糸の均等な撚り掛け、ボビンへの糸の円滑
な巻取が阻害されて、糸質の低下を招くことになる。そ
の上、ロータリーリングは機械的疲労が加速されて、そ
の耐用時間がかなり短縮されてしまう。そこで本発明の
目的は、回転筒に沿って高速旋回するトラベラーが発す
る高周波振動が、ロータリーリングの全体に伝搬するの
を極力防げる様に構成した摺接リングを備える、紡績用
ロータリーリングを提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する為
の本発明による紡績用ロータリーリングは、縦向きに配
置した筒状ホルダー1の内側に、摺接リング2を介して
回転筒4を挿嵌し、該回転筒の上端フランジ部4aにト
ラベラー9を遊嵌させたものに於いて、弾性を有する前
記摺接リング2の周方向の少なくとも1箇所に、切れ目
2aを設けると共に、該摺接リング2に、切れ目を設け
ない補強リング10を外嵌させる構成とした。そして、
摺接リング2と補強リング10は、夫々の材質を相異さ
せるとよい。
の本発明による紡績用ロータリーリングは、縦向きに配
置した筒状ホルダー1の内側に、摺接リング2を介して
回転筒4を挿嵌し、該回転筒の上端フランジ部4aにト
ラベラー9を遊嵌させたものに於いて、弾性を有する前
記摺接リング2の周方向の少なくとも1箇所に、切れ目
2aを設けると共に、該摺接リング2に、切れ目を設け
ない補強リング10を外嵌させる構成とした。そして、
摺接リング2と補強リング10は、夫々の材質を相異さ
せるとよい。
【0006】
【作用】糸に撚りを掛けながら、スピンドルに装着した
ボビンへの巻き取りをガイドするトラベラー9は、糸の
旋回運動を受けて回転筒4の周りに高速旋回し、それに
伴ってトラベラー9に高周波振動が生ずる。この高周波
振動は、トラベラー9との間に生じた摩擦係合力により
追従回転する回転筒4に伝えられ、更に、摺接リング2
を介して筒状ホルダー1に伝搬されて、ロータリーリン
グ全体を振動させることになる。然し、本発明の摺接リ
ング2は、弾性変形し得る材料で作られ、且つ、その周
方向の少なくとも1箇所に切れ目2aを設けてあるの
で、回転筒4を介して摺接リング2に伝わったトラベラ
ー9の振動は、この摺接リング2が激しく微振動するこ
とによって、有効に減衰され、ロータリーリング全体に
伝搬される振動エネルギーは顕著に少なくなる。
ボビンへの巻き取りをガイドするトラベラー9は、糸の
旋回運動を受けて回転筒4の周りに高速旋回し、それに
伴ってトラベラー9に高周波振動が生ずる。この高周波
振動は、トラベラー9との間に生じた摩擦係合力により
追従回転する回転筒4に伝えられ、更に、摺接リング2
を介して筒状ホルダー1に伝搬されて、ロータリーリン
グ全体を振動させることになる。然し、本発明の摺接リ
ング2は、弾性変形し得る材料で作られ、且つ、その周
方向の少なくとも1箇所に切れ目2aを設けてあるの
で、回転筒4を介して摺接リング2に伝わったトラベラ
ー9の振動は、この摺接リング2が激しく微振動するこ
とによって、有効に減衰され、ロータリーリング全体に
伝搬される振動エネルギーは顕著に少なくなる。
【0007】その反面、摺接リング2に切れ目2aを設
けた分、その機械的強度の低下を招くことになるが、こ
の不都合は、切れ目の無い補強リング10を、摺接リン
グ2外嵌させることによって、十分解消される。然も、
摺接リング2と補強リング10の素材として、夫々振動
減衰特性が異なるものを選べば、複雑な振動に対して、
より高い制振効果を生じさせることが出来る。
けた分、その機械的強度の低下を招くことになるが、こ
の不都合は、切れ目の無い補強リング10を、摺接リン
グ2外嵌させることによって、十分解消される。然も、
摺接リング2と補強リング10の素材として、夫々振動
減衰特性が異なるものを選べば、複雑な振動に対して、
より高い制振効果を生じさせることが出来る。
【0008】又、従来の摺接リングは、回転筒の円滑な
回転を保証する為に、その装着間隙に対して高い寸法精
度を要求されたが、周方向に切れ目2aを設けた本発明
の摺接リング2は、回転筒4の回転開始当初の“コマ運
動様”の偏心回転動に対して、“逃げ挙動”するので、
摺接リング2の寸法精度が比較的低くても回転筒4を円
滑・静粛に回転させられる。
回転を保証する為に、その装着間隙に対して高い寸法精
度を要求されたが、周方向に切れ目2aを設けた本発明
の摺接リング2は、回転筒4の回転開始当初の“コマ運
動様”の偏心回転動に対して、“逃げ挙動”するので、
摺接リング2の寸法精度が比較的低くても回転筒4を円
滑・静粛に回転させられる。
【0009】更に、ロータリーリングの組立の際に、切
れ目2aを設けた摺接リング2はかなり大きく拡径出来
るので、図5に示した従来のものとは異なって、回転筒
4を面倒な分割構造にしなくても簡単に組付けられる。
れ目2aを設けた摺接リング2はかなり大きく拡径出来
るので、図5に示した従来のものとは異なって、回転筒
4を面倒な分割構造にしなくても簡単に組付けられる。
【0010】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を、図1〜図4を
参照しながら説明する。図1は、紡績用ロータリーリン
グAの部分縦断面を示している。1は、偏平円筒状をし
た筒状ホルダーで、図示の様に縦向きに配置される。こ
の筒状ホルダー1の外周面下部には、この筒状ホルダー
1をリングレール60に取り付ける取付溝1aを周設し
ている。取付溝1aには、ストップリング61が嵌め込
まれる。
参照しながら説明する。図1は、紡績用ロータリーリン
グAの部分縦断面を示している。1は、偏平円筒状をし
た筒状ホルダーで、図示の様に縦向きに配置される。こ
の筒状ホルダー1の外周面下部には、この筒状ホルダー
1をリングレール60に取り付ける取付溝1aを周設し
ている。取付溝1aには、ストップリング61が嵌め込
まれる。
【0011】筒状ホルダー1の内周面上部には、摺接リ
ング2及びこのリングに外嵌させた後述する補強リング
10を遊嵌させる為の、リング収容溝aの一半側を構成
する、段差面1bを設けている。更に、筒状ホルダー1
の上部には、摺接リング2及び補強リング10を抜止す
るカラー3を外嵌させている。
ング2及びこのリングに外嵌させた後述する補強リング
10を遊嵌させる為の、リング収容溝aの一半側を構成
する、段差面1bを設けている。更に、筒状ホルダー1
の上部には、摺接リング2及び補強リング10を抜止す
るカラー3を外嵌させている。
【0012】4は回転筒で、筒状ホルダー1に内嵌され
ており、その上部は筒状ホルダー1の上方に突出させて
いる。この突出端には横断面T字形のフランジ部4aを
周設している。回転筒4の外周面には、筒状ホルダー1
の段差面1bと対向する箇所に、リング収容溝aの他半
側を構成するリング受溝4bを設けている。又、このリ
ング受溝4bの上方には、円環板状のダストカバー5を
外嵌させている。
ており、その上部は筒状ホルダー1の上方に突出させて
いる。この突出端には横断面T字形のフランジ部4aを
周設している。回転筒4の外周面には、筒状ホルダー1
の段差面1bと対向する箇所に、リング収容溝aの他半
側を構成するリング受溝4bを設けている。又、このリ
ング受溝4bの上方には、円環板状のダストカバー5を
外嵌させている。
【0013】又、回転筒4の下端部には、横断面L字形
のブレーキ組付環7を嵌着し、そのその外周りには、図
4に示した形状の6個のブレーキ素子6を、図1に示し
た様に等間隔を隔てて組付けている。このブレーキ素子
6は、ブレーキ組付環7のフランジ部分7a上に突設し
た枢支ピン8にその一端側を枢支されており、回転筒4
の高速回転に伴って生ずる遠心力により筒状ホルダー1
の内周面に圧接されて、回転筒4の回転を制動する。回
転筒4のフランジ部4aには、図1に示した様に、トラ
ベラー9を遊嵌させている。
のブレーキ組付環7を嵌着し、そのその外周りには、図
4に示した形状の6個のブレーキ素子6を、図1に示し
た様に等間隔を隔てて組付けている。このブレーキ素子
6は、ブレーキ組付環7のフランジ部分7a上に突設し
た枢支ピン8にその一端側を枢支されており、回転筒4
の高速回転に伴って生ずる遠心力により筒状ホルダー1
の内周面に圧接されて、回転筒4の回転を制動する。回
転筒4のフランジ部4aには、図1に示した様に、トラ
ベラー9を遊嵌させている。
【0014】この実施例の摺接リング2の素材は、いわ
ゆるエンジニアリングプラスチックやエラストマーの中
から、弾性変形性を備えると共に、耐熱性、耐摩耗性、
強靭性等に優れて摩擦係数も低いものを選んでいる。摺
接リング2には、図3に示した様に、その周方向の1箇
所に切れ目2aを設けている。
ゆるエンジニアリングプラスチックやエラストマーの中
から、弾性変形性を備えると共に、耐熱性、耐摩耗性、
強靭性等に優れて摩擦係数も低いものを選んでいる。摺
接リング2には、図3に示した様に、その周方向の1箇
所に切れ目2aを設けている。
【0015】更に、切れ目2aを設けた摺接リング2に
は、図2,3に示した様に補強リング10を外嵌させて
いる。この実施例の補強リング10の素材は、機械的強
度が特に優れたエンジニアリングプラスチックの中から
選ばれており、その内径は、摺接リング2の外径より幾
分小さく設定している。
は、図2,3に示した様に補強リング10を外嵌させて
いる。この実施例の補強リング10の素材は、機械的強
度が特に優れたエンジニアリングプラスチックの中から
選ばれており、その内径は、摺接リング2の外径より幾
分小さく設定している。
【0016】次に、上記構成の作用を説明する。スピン
ドルの上方から供給される糸を、既述の如くして精紡機
にセットしたうえ、スピンドルを回転させると、前述の
如くトラベラー9の旋回動に追従して回転筒4も回転さ
れ、回転筒4に取付けたブレーキ組付環7もこれと一体
に回転する。その為、各ブレーキ素子6は、図1に破線
で示した様に、この回転に伴って生ずる遠心力により、
枢支ピン8の周りに外に向きに回動して筒状ホルダー1
の内周面に圧接され、回転筒4に回転制動を掛ける。こ
れによって、回転筒4及びトラベラー9が、スピンドル
に対してオーバーランする不具合の発生が防がれる。
尚、回転制動機構は図示に限られず、公知の様々な機構
がある。
ドルの上方から供給される糸を、既述の如くして精紡機
にセットしたうえ、スピンドルを回転させると、前述の
如くトラベラー9の旋回動に追従して回転筒4も回転さ
れ、回転筒4に取付けたブレーキ組付環7もこれと一体
に回転する。その為、各ブレーキ素子6は、図1に破線
で示した様に、この回転に伴って生ずる遠心力により、
枢支ピン8の周りに外に向きに回動して筒状ホルダー1
の内周面に圧接され、回転筒4に回転制動を掛ける。こ
れによって、回転筒4及びトラベラー9が、スピンドル
に対してオーバーランする不具合の発生が防がれる。
尚、回転制動機構は図示に限られず、公知の様々な機構
がある。
【0017】ところで、スピンドルの回転数は、精紡速
度を増す為に20,000r.p.m.或はそれ以上に高
められるので、回転筒4のフランジ部4aに遊嵌された
状態で高速旋回するトラベラー9には高周波振動が発生
する。この高周波振動は回転筒4に伝えられ、更に、摺
接リング2及び補強リング10を介して筒状ホルダー1
に伝搬し、ロータリーリングAの全体を振動させる。そ
れによって、トラベラー9の振動が更に増幅されるはず
である。
度を増す為に20,000r.p.m.或はそれ以上に高
められるので、回転筒4のフランジ部4aに遊嵌された
状態で高速旋回するトラベラー9には高周波振動が発生
する。この高周波振動は回転筒4に伝えられ、更に、摺
接リング2及び補強リング10を介して筒状ホルダー1
に伝搬し、ロータリーリングAの全体を振動させる。そ
れによって、トラベラー9の振動が更に増幅されるはず
である。
【0018】然し、摺接リング2は弾性変形し得る材料
で作られ、且つ、従来のものとは異なって、周方向の1
箇所に切れ目2aを設けてあるので、回転筒4を介して
伝達されたトラベラー9の振動は、振動し易い材質と形
状とを併せ備えたこの摺接リング2が激しく微振動する
ことによって有効に減衰され、ロータリーリングA全体
への振動の伝搬が大幅に抑制される。
で作られ、且つ、従来のものとは異なって、周方向の1
箇所に切れ目2aを設けてあるので、回転筒4を介して
伝達されたトラベラー9の振動は、振動し易い材質と形
状とを併せ備えたこの摺接リング2が激しく微振動する
ことによって有効に減衰され、ロータリーリングA全体
への振動の伝搬が大幅に抑制される。
【0019】然し、切れ目2aを設けた摺接リング2
は、高速回転時の遠心力によって拡径され、その外周面
が、筒状ホルダー1の内周面に圧着される傾向が生ず
る。ところが、この両面間には、補強リング10が遊嵌
された状態にあるので、この様な圧着現象の発生を防ぐ
ことが出来る。
は、高速回転時の遠心力によって拡径され、その外周面
が、筒状ホルダー1の内周面に圧着される傾向が生ず
る。ところが、この両面間には、補強リング10が遊嵌
された状態にあるので、この様な圧着現象の発生を防ぐ
ことが出来る。
【0020】更に、切れ目2aの存在によって、回転筒
4の回転開始当初の“コマ運動様”の偏心回転動に対し
て、摺接リング2は“逃げ挙動”する余地が残されてい
る。その為、摺接リング2の寸法精度乃至組付精度が比
較的低くても、回転筒4及びトラベラー9を円滑・静粛
に回転さることが出来る。この様に、回転筒4及びトラ
ベラー9がスムーズに回転すれば、スピンドルをより高
速回転させても、糸の撚り掛けと、ボビンへの巻取が円
滑に行われて、均質な糸をより高速で紡ぐことが出来
る。
4の回転開始当初の“コマ運動様”の偏心回転動に対し
て、摺接リング2は“逃げ挙動”する余地が残されてい
る。その為、摺接リング2の寸法精度乃至組付精度が比
較的低くても、回転筒4及びトラベラー9を円滑・静粛
に回転さることが出来る。この様に、回転筒4及びトラ
ベラー9がスムーズに回転すれば、スピンドルをより高
速回転させても、糸の撚り掛けと、ボビンへの巻取が円
滑に行われて、均質な糸をより高速で紡ぐことが出来
る。
【0021】その反面、摺接リング2に切れ目2aを設
けた分、摺接リング2の機械的強度の低下を招くことに
なる。然しこの不都合は、切れ目の無い強靭な補強リン
グ10を、摺接リング2に外嵌させることによって、十
分解消される。その上、摺接リング2と補強リング10
の素材は、振動減衰特性が夫々異なるものを選ぶことに
よって、複雑な振動をより有効に減衰させることが出来
る。
けた分、摺接リング2の機械的強度の低下を招くことに
なる。然しこの不都合は、切れ目の無い強靭な補強リン
グ10を、摺接リング2に外嵌させることによって、十
分解消される。その上、摺接リング2と補強リング10
の素材は、振動減衰特性が夫々異なるものを選ぶことに
よって、複雑な振動をより有効に減衰させることが出来
る。
【0022】更に、ロータリーリングAの組立の際に、
切れ目2aを設けた摺接リング2はかなり大きく拡径出
来るので、図5に示した従来のものとは異なって、回転
筒4を面倒な分割構造にしなくても、簡単に組付けられ
る。
切れ目2aを設けた摺接リング2はかなり大きく拡径出
来るので、図5に示した従来のものとは異なって、回転
筒4を面倒な分割構造にしなくても、簡単に組付けられ
る。
【0023】尚、上記構成に於いて、細部の構造は適宜
に変更しても本発明の目的は達成される。例えば、摺接
リング2及び補強リング10の断面形状は図示に限られ
ず、方形、矩形、円形、楕円形、或は、その他の異形断
面形状であってもよい。又、切れ目2aを複数箇所に設
けたり、切れ目2aの代わりに、凹入部を設けても、切
れ目に準ずる効果が得られる。そして、摺接リング2及
び補強リング10の材質は、金属も含めて、前述の様に
最良の制振効果が得られる組合わせを、試行錯誤に基ず
いて選定すればよい。
に変更しても本発明の目的は達成される。例えば、摺接
リング2及び補強リング10の断面形状は図示に限られ
ず、方形、矩形、円形、楕円形、或は、その他の異形断
面形状であってもよい。又、切れ目2aを複数箇所に設
けたり、切れ目2aの代わりに、凹入部を設けても、切
れ目に準ずる効果が得られる。そして、摺接リング2及
び補強リング10の材質は、金属も含めて、前述の様に
最良の制振効果が得られる組合わせを、試行錯誤に基ず
いて選定すればよい。
【0024】
【発明の効果】以上の説明によって明らかな様に、本発
明による紡績用ロータリーリングは、弾性を有する材料
で作られ、その周方向の少なくとも1箇所に切れ目を設
けた摺接リングを組込むと共に、この摺接リングに補強
リングを外嵌させたことによって、以下に列挙した如き
様々の優れた効果が得られる。 (a) スピンドルの回転速度の上昇に比例して激しく
なるトラベラーの振動は、回転筒を介してこの振動を伝
えられた摺接リングが激しく微振動することによって有
効に減衰され、ロータリーリング全体への振動の伝搬が
著しく抑制される。 (b) その結果、スピンドルをより高速回転させて
も、糸の撚り掛けと、ボビンへの巻取が円滑に行われ
て、均質な糸をより高速で紡げる。 (c) 然しその反面、摺接リングに切れ目を設けた
分、摺接リングの機械的強度の低下を招く不都合は、切
れ目の無い補強リングを、摺接リングに外嵌させること
によって十分に解消出来る。 (d) 又、摺接リングと補強リングの素材は、夫々振
動減衰特性の異なるものを選ぶことによって、制振効果
をより高められる。 (e) 材料費が高価な摺接リングの肉厚を減らして
も、それによる強度低下を、安価な補強リングで補える
ので、製品のコスト低下にも寄与する。 (f) 回転筒の回転開始当初の“コマ運動様”の偏心
回転動に対して、切れ目を設けた摺接リングは“逃げ挙
動”する余地を残されているので、その寸法乃至組立精
度が比較的低くても、回転筒及びトラベラーを円滑・静
粛に回転させられる。 (g) ロータリーリングの組立の際に、切れ目を設け
た摺接リングはかなり大きく拡径出来るので、回転筒を
面倒な分割構造にしなくても簡単に組付けられる。
明による紡績用ロータリーリングは、弾性を有する材料
で作られ、その周方向の少なくとも1箇所に切れ目を設
けた摺接リングを組込むと共に、この摺接リングに補強
リングを外嵌させたことによって、以下に列挙した如き
様々の優れた効果が得られる。 (a) スピンドルの回転速度の上昇に比例して激しく
なるトラベラーの振動は、回転筒を介してこの振動を伝
えられた摺接リングが激しく微振動することによって有
効に減衰され、ロータリーリング全体への振動の伝搬が
著しく抑制される。 (b) その結果、スピンドルをより高速回転させて
も、糸の撚り掛けと、ボビンへの巻取が円滑に行われ
て、均質な糸をより高速で紡げる。 (c) 然しその反面、摺接リングに切れ目を設けた
分、摺接リングの機械的強度の低下を招く不都合は、切
れ目の無い補強リングを、摺接リングに外嵌させること
によって十分に解消出来る。 (d) 又、摺接リングと補強リングの素材は、夫々振
動減衰特性の異なるものを選ぶことによって、制振効果
をより高められる。 (e) 材料費が高価な摺接リングの肉厚を減らして
も、それによる強度低下を、安価な補強リングで補える
ので、製品のコスト低下にも寄与する。 (f) 回転筒の回転開始当初の“コマ運動様”の偏心
回転動に対して、切れ目を設けた摺接リングは“逃げ挙
動”する余地を残されているので、その寸法乃至組立精
度が比較的低くても、回転筒及びトラベラーを円滑・静
粛に回転させられる。 (g) ロータリーリングの組立の際に、切れ目を設け
た摺接リングはかなり大きく拡径出来るので、回転筒を
面倒な分割構造にしなくても簡単に組付けられる。
【図1】本発明の一実施例を示す、部分縦断面図であ
る。
る。
【図2】同上、摺接リングに補強リングを外嵌させた状
態の斜視図である。
態の斜視図である。
【図3】同上、摺接リングから補強リングを外した状態
の斜視図である。
の斜視図である。
【図4】同上、 ブレーキ素子の斜視図である。
【図5】従来例を示す、部分縦断面図である。
A 紡績用ロータリーリング a リング収容溝 1 筒状ホルダー 1a 取付溝 1b 段差面 2 摺接リング 2a 切れ目 3 カラー 4 回転筒 4a フランジ部 4b リング受溝 5 ダストカバー 6 ブレーキ素子 7 ブレーキ組付環 8 枢支ピン 9 トラベラー 10 補強リング 50 紡績用ロータリーリング 51 筒状ホルダー 52 回転筒 53 トラベラー 54 摺接リング 55 ブレーキシュー 56 ブレーキリング 60 リングレール 61 ボビン 62 ストップリング
Claims (2)
- 【請求項1】 縦向きに配置した筒状ホルダー1の内側
に、摺接リング2を介して回転筒4を遊嵌し、該回転筒
の上端フランジ部4aにトラベラー9を遊嵌させたもの
に於いて、 弾性を有する前記摺接リング2の周方向の少なくとも1
箇所に、切れ目2aを設けると共に、該摺接リング2
に、切れ目を設けない補強リング10を外嵌させたこと
を特徴とする紡績用ロータリーリング。 - 【請求項2】 前記摺接リング2と補強リング10は、
夫々の材質を相異させたことを特徴とする請求項1記載
の紡績用ロータリーリング。
Priority Applications (12)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4822395A JPH08246262A (ja) | 1995-03-08 | 1995-03-08 | 紡績用ロータリーリング |
EP95931430A EP0730054B1 (en) | 1994-09-16 | 1995-09-18 | Spinning ring |
BR9506384A BR9506384A (pt) | 1994-09-16 | 1995-09-18 | Tear de anéis |
US08/646,296 US5881546A (en) | 1994-09-16 | 1995-09-18 | Spinning ring |
DE69530671T DE69530671T2 (de) | 1994-09-16 | 1995-09-18 | Spinnring |
PCT/JP1995/001852 WO1996008592A1 (fr) | 1994-09-16 | 1995-09-18 | Anneau de filage |
KR1019960702495A KR100393143B1 (ko) | 1994-09-16 | 1995-09-18 | 방적용 링 |
CN95190901A CN1135776A (zh) | 1994-09-16 | 1995-09-18 | 纺纱用钢领 |
AU34853/95A AU3485395A (en) | 1994-09-16 | 1995-09-18 | Spinning ring |
TW88221449U TW420158U (en) | 1994-09-16 | 1996-03-13 | Ring used for textile |
US08/920,615 US5819519A (en) | 1994-09-16 | 1997-08-27 | Spinning ring |
US09/170,240 US6047533A (en) | 1994-09-16 | 1998-10-13 | Spinning ring |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4822395A JPH08246262A (ja) | 1995-03-08 | 1995-03-08 | 紡績用ロータリーリング |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08246262A true JPH08246262A (ja) | 1996-09-24 |
Family
ID=12797428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4822395A Withdrawn JPH08246262A (ja) | 1994-09-16 | 1995-03-08 | 紡績用ロータリーリング |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08246262A (ja) |
-
1995
- 1995-03-08 JP JP4822395A patent/JPH08246262A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6194801B1 (en) | Device for limiting shaft whirl | |
JP2006084029A (ja) | ダンパー | |
JPS63243557A (ja) | 駆動ベルト用緊張装置 | |
US4045948A (en) | Vibration attenuating support for rotating member | |
JP3626995B2 (ja) | 摩擦仮より装置 | |
JPH06330987A (ja) | ねじり振動減衰器 | |
JPH08246262A (ja) | 紡績用ロータリーリング | |
US5819519A (en) | Spinning ring | |
US4280668A (en) | Thread-storage and delivery device for textile machines | |
JP3549585B2 (ja) | 紡績用ロータリーリング | |
US2698772A (en) | Twister mounting | |
KR20010021095A (ko) | 코인 호퍼 장치 | |
US3327466A (en) | Center-of-gravity spindle device | |
US4932200A (en) | Rotary ring for spinning machinery | |
US5148662A (en) | Rotary ring for spinning | |
JP2002120969A (ja) | 走行する糸をガイド又は巻き取るための装置 | |
US2510292A (en) | Spindle | |
US4305246A (en) | Ring rail with air-suspended spinning or twisting rings | |
JPH08226028A (ja) | 紡績用回転リング | |
KR20010075524A (ko) | 보빈홀더와, 사조권취기, 사조패키지 제조장치,사조권취방법 및 사조패키지 제조방법 | |
SU1212907A1 (ru) | Бобинодержатель | |
KR970074999A (ko) | 스피닝 링 구조 | |
JP3954531B2 (ja) | 振動吸収プーリ | |
JP3207698U (ja) | 糸巻き付け用円筒形紙製ボビン | |
JP2568914B2 (ja) | 紡機用回転リング |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020604 |