JP2000302856A - 光記録媒体用成形材料 - Google Patents

光記録媒体用成形材料

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JP2000302856A
JP2000302856A JP11111046A JP11104699A JP2000302856A JP 2000302856 A JP2000302856 A JP 2000302856A JP 11111046 A JP11111046 A JP 11111046A JP 11104699 A JP11104699 A JP 11104699A JP 2000302856 A JP2000302856 A JP 2000302856A
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JP
Japan
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hydroxyphenyl
molding material
bisphenol
optical recording
recording medium
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JP11111046A
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English (en)
Inventor
Noriyoshi Ogawa
典慶 小川
Mitsuhiko Masumoto
光彦 増本
Noriaki Honda
典昭 本田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性および低複屈折性に優れた光記録媒体
用成形材料を提供する。 【解決手段】 ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェ
ニルメタン、一般式(1)のビスフェノール、及び
3官能以上のフェノール性水酸基を有する化合物と、炭
酸エステル形成化合物とを反応させてなる極限粘度が0.
30〜0.50dlであるポリカーボネートからなる光記録媒体
用成形材料。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンパクトディス
ク、レーザーディスク、光カード、MOディスクなどの
光記録媒体を製造するのに好適な成形性とともに複屈折
の低減されたポリカーボネート樹脂光記録媒体用成形材
料に関する。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノールA型ポリカーボネート
は、その透明性、耐熱性、耐加水分解性、寸法安定性な
どの特徴を生かして、最近は光ディスク用基盤材料とし
て広く用いられるようになった。しかしながら、光ディ
スク用にポリカーボネートを用いる場合いくつかの問題
点があった。
【0003】光ディスク基盤としての性能のうち、情報
読み取り、書き込みに用いられるレーザー光線を実質的
に弱めてしまう複屈折は最も重要な問題であり、複屈折
が大きい材料ではエラーが増加し、記録媒体としての信
頼性が劣ってしまう。
【0004】これらの複屈折低減を目的とした様々なポ
リカーボネート樹脂材料が開発されている。(特開昭6
0−215020,特開昭62−181115)しかし
ながら、近年、高密度化が進む光ディスク分野におい
て、これらの材料では複屈折対策は十分とは言えなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた成形
性と低複屈折性を両立した光記録媒体用成形材料を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のビスフェ
ノール類より誘導された分岐化ポリカーボネート樹脂
は、低複屈折性と良好な成形性を兼ね備えた良質の光記
録媒体成形材料となることを見いだし、本発明を完成す
るに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】即ち、本発明は、ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)ジフェニルメタン、一般式(1)の
ビスフェノール、及び3官能以上のフェノール性水酸
基を有する化合物と、炭酸エステル形成化合物とを反応
させてなる極限粘度が0.30〜0.50dl/gであるポリカーボ
ネートからなる光記録媒体用成形材料である。
【0008】
【化2】
【0009】炭酸エステル形成化合物としては、例えば
ホスゲンや、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリル
カーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ
−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボ
ネートなどのビスアリールカーボネートが挙げられる。
これらの化合物は2種類以上併用して使用することも可
能である。
【0010】本発明の一般式(1)のビスフェノールと
しては、4,4'-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデ
ン)]ビスフェノール及び4,4'-[1,4-フェニレンビス(1-
メチルエチリデン)]ビスフェノールが好ましく、4,4'-
[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスフェ
ノールが、特に好ましい。
【0011】本発明のポリカーボネートは、ビスフェノ
ールAからポリカーボネートを製造する際に用いられて
いる公知の方法、例えばビスフェノール類とホスゲンと
の直接反応(ホスゲン法)、あるいはビスフェノール類
とビスアリールカーボネートとのエステル交換反応(エ
ステル交換法)などの方法を採用することができる。
【0012】前者のホスゲン法においては、通常酸結合
剤および溶媒の存在下において、ビス(4-ヒドロキシ
フェニル)ジフェニルメタン、4,4'-[1,3-フェニレン
ビス(1-メチルエチリデン)]ビスフェノールまたは4,
4'-[1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビス
フェノール、及び3官能以上のフェノール性水酸基を
有する化合物と、ホスゲンとを反応させる。酸結合剤と
しては、例えばピリジンや、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などが用いられ
る。また、溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロ
ロホルム、クロロベンゼン、キシレンなどが用いられ
る。さらに、縮重合反応を促進するために、トリエチル
アミンのような第三級アミン触媒および第四級アンモニ
ウム塩などの触媒が使用される。また、重合度調節に
は、フェノール、p−t−ブチルフェノール、p-クミル
フェノール等で表されるフェノール類等一官能基化合物
を分子量調節剤として加える。更に、所望に応じ亜硫酸
ナトリウム、ハイドロサルファイトなどの酸化防止剤を
小量添加してもよい。反応は、通常0〜150℃、好ま
しくは5〜40℃の範囲とするのが適当である。反応時
間は反応温度によって左右されるが、通常0.5分〜1
0時間、好ましくは1分〜2時間である。また、反応中
は、反応系のpHを10以上に保持することが望ましい。
【0013】一方、後者のエステル交換法においては、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
4,4'-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビ
スフェノールまたは4,4'-[1,4-フェニレンビス(1-メチ
ルエチリデン)]ビスフェノール、及び3官能以上の
フェノール性水酸基を有する化合物と、ビスアリールカ
ーボネートとを混合し、減圧下で高温において反応させ
る。この時、p−t−ブチルフェノール、p-クミルフェ
ノール類等の一官能基化合物を分子量調節剤として加え
てもよい。反応は通常150〜350℃、好ましくは2
00〜300℃の範囲の温度において行われ、また減圧
度は最終的には1mmHg以下にすることが好ましく、エス
テル交換反応により生成した該ビスアリールカーボネー
トから由来するフェノール類を系外へ留去させる。反応
時間は反応温度や減圧度などによって左右されるが、通
常1〜6時間程度である。反応は窒素やアルゴンなどの
不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく。また、所望
に応じ、酸化防止剤を添加して反応を行ってもよい。
【0014】ホスゲン法とエステル交換法では、ビス
(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、4,4'-
[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスフ
ェノールまたは4,4'-[1,4-フェニレンビス(1-メチルエ
チリデン)]ビスフェノールの反応性を考慮した場合、
ホスゲン法の方が好ましい。
【0015】更に、本発明の分子量調節剤としては、一
価フェノール類が好ましく、具体的には、ブチルフェノ
ール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、デカニ
ルフェノール、テトラデカニルフェノール、ヘプタデカ
ニルフェノール、オクタデカニルフェノール等の長鎖ア
ルキル置換フェノール;ヒドロキシ安息香酸ブチル、ヒ
ドロキシ安息香酸オクチル、ヒドロキシ安息香酸ノニ
ル、ヒドロキシ安息香酸デカニル、ヒドロキシ安息香酸
ヘプタデカニル等のヒドロキシ安息香酸長鎖アルキルエ
ステル;ブトキシフェノール、オクチルオキシフェノー
ル、ノニルオキシフェノール、デカニルオキシフェノー
ル、テトラデカニルオキシフェノール、ヘプタデカニル
オキシフェノール、オクタデカニルオキシフェノール等
の長鎖アルキルオキシフェノール類が例示される。
【0016】本発明においてホスゲン法を採用する場合
は、ホスゲン吹き込み終了後に反応を効率よく行うため
第四級アンモニウム塩を少量添加することが好ましい。
具体的には、テトラメチルアンモニウムクロライド、ト
リメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル
ベンジルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモ
ニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムア
イオダイドなどが例示される。これらのうちトリメチル
ベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジル
アンモニウムクロライドが好ましい。この第四級アンモ
ニウム塩は、使用される全ビスフェノール類に対して、
一般に0.0005〜 5mol%使用されることが好ましい。第四
級アンモニウム塩の添加後、3〜10分後に、トリエチ
ルアミンなどの三級アミン及び分子量調節剤を添加して
重合させることが好ましい。三級アミンの添加量は、全
ビスフェノール類に対して、0.01〜1.0mol% である。ま
た、分子量調節剤の添加量は、全ビスフェノール類に対
して、3 〜10mol%である。
【0017】本発明中の分岐化剤として作用する3官能
以上のフェノール性水酸基を有する化合物としては、フ
ロログルシン、2,4,4'-トリヒドロキシベンゾフェノン、
2,4,4' −トリヒドロキシフジェニルエーテル、2,2-ビ
ス(2,4-ジヒドロキシフェニル)プロパン、2,2',4,4'-
テトラヒドロキシジフェニルメタン、2,4,4'−トリヒド
ロキシジフェニルメタン、2,4,6-トリス(4-ヒドロキシ
フェニル)-2,6-ジメチル−ヘプテン-3、2,4,6-トリス
(4-ヒドロキシフェニル)-4,6-ジメチル−ヘプタン-2、
2,6-ビス(2-ヒドロキシ−5-メチルベンジル)-4-メチル
フェノール、2,6-ビス(2-ヒドロキシ−5-イソプロピル
ベンジル)-4-イソプロピルフェノール、テトラキス(4-
ヒドロキシフェニル)メタン、α,α',α"-トリス(4-
ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼ
ン、4,4'-[1-[4-[1-(4-ヒドロキシフェニル)−1-メチ
ルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、1,
1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1-ト
リス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1-トリス
(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,1-トリス(2-
メチル−4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1-トリス
(2-メチル−4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1-ト
リス(3-メチル−4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,
1-トリス(3-メチル−4-ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1,1-トリス(3,5-ジメチル−4-ヒドロキシフェニル)
メタン、1,1,1-トリス(3,5-ジメチル−4-ヒドロキシフ
ェニル)エタン、1,1,1-トリス(3-クロロ−4-ヒドロキ
シフェニル)メタン、1,1,1-トリス(3-クロロ−4-ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1,1-トリス(3,5-ジクロロ
−4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1-トリス(3,5-
ジクロロ−4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1-トリ
ス(3-ブロモ−4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1-
トリス(3-ブロモ−4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,
1,1-トリス(3,5-ジブロモ−4-ヒドロキシフェニル)メ
タン、1,1,1-トリス(3,5-ジブロモ−4-ヒドロキシフェ
ニル)エタン、1,1,1-トリス(3-フルオロ−4-ヒドロキ
シフェニル)メタン、1,1,1-トリス(3-フルオロ−4-ヒ
ドロキシフェニル)エタン、1,1,1-トリス(3,5-ジフル
オロ−4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1-トリス
(3,5-ジフルオロ−4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,
1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)−1-フェニルメタ
ン等が例示される。そのうち、1,1,1-トリス(4-ヒドロ
キシフェニル)エタン、4,4'-[1-[4-[1-(4-ヒドロキシ
フェニル)−1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]
ビスフェノール、及び2,4,6-トリス(4-ヒドロキシフェ
ニル)−2,6-ジメチル−3-ヘプテンが反応性や取り扱い
の容易さから最も好ましい。
【0018】さらに、分岐化剤となる3官能以上のフェ
ノール性水酸基を有する化合物は、ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)ジフェニルメタンと、4,4'-[1,3-フェニ
レンビス(1-メチルエチリデン)]ビスフェノールまた
は4,4'-[1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]
ビスフェノールからなるビスフェノール類の合計100
モル部に対して、3官能以上のフェノール性水酸基を有
する化合物を0.2 〜3.0 モル部添加することが好まし
い。0.2 モル部未満では流動性改善効果が低く、3.0 モ
ル部を越えると耐衝撃性が劣ってくる。
【0019】また、本発明では、ビス(4-ヒドロキシ
フェニル)ジフェニルメタンと、4,4'-[1,3-フェニレ
ンビス(1-メチルエチリデン)]ビスフェノールまたは
4,4'-[1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビ
スフェノールとの使用モル割合は、1:9 〜9:1 が好まし
い。ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタンが
1割より少なくなると流動性が上がりすぎて成形性に問
題が生じる場合があると同時に複屈折改善効果が不十分
となる。また、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニ
ルメタンが9割を超えると流動性が悪くなり成形が困難
になる。
【0020】これらの反応で合成されたポリカーボネー
ト重合体は、押出成形、射出成形、ブロ−成形、圧縮成
形、湿式成形など公知の成形法で成形可能であるが、光
記録媒体用成形材料としては、容易に押出、射出成形が
できることが望ましく、特に光記録媒体用の精密成形で
は極限粘度が0.30〜0.50dl/gの範囲であることが好まし
い。
【0021】本発明の光記録媒体用ポリカーボネート成
形材料は、射出成形で成形することが好ましく、その際
の流動性は大きすぎても小さすぎても成形性に問題が生
じる。例えば高化式フローテスター(280 ℃、160kgf/c
m2、ノズル径1mm ×10mm)測定で、15〜90×10-2cc/sec
の範囲が好ましい。15×10-2cc/sec未満では、流動性が
悪く金型への充填不良やフローマークが生じる場合があ
り、90×10-2cc/secを越えると金型剥離不良やソリを生
じやすい。
【0022】本発明の光記録媒体用ポリカーボネート成
形材料は、一般の光ディスク用ポリカーボネートと同様
に高度に精製されたものでなければならない。具体的に
は、直径50μm以上のダストが実質上検出されず、直
径0.5〜50μmのダストが3×104 以下、無機お
よび有機残留塩素が2ppm以下、残留アルカリ金属が
2ppm以下、残存水酸基200ppm以下、残存窒素
量5ppm以下、残存モノマー20ppm以下等の基準
を可能な限り満たすように精製される。また、低分子量
体除去や溶媒除去のため抽出等の後処理が行われる場合
もある。
【0023】光記録媒体用ポリカーボネート成形材料は
押出や射出成形時に必要な安定性や離型性を確保するた
め、所望に応じて、ヒンダードフェノール系やホスファ
イト系酸化防止剤;シリコン系、脂肪酸エステル系、脂
肪酸系、脂肪酸グリセリド系、密ろう等天然油脂などの
滑剤や離型剤;ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン
系、ジベンゾイルメタン系、サリチレート系等の光安定
剤;ポリアルキレングリコール、脂肪酸グリセリド等帯
電防止剤などを適宜併用してよいものであり、さらには
コスト等から、一般の光記録媒体用ポリカーボネートと
性能を損なわない範囲で任意に混合して使用する事も可
能である。また、本成形材料を射出成形する場合の成形
温度は、流動性の観点から280 〜380 ℃が好ましい。
【0024】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定
されるものではない。
【0025】実施例1 8.8%(w/v) の水酸化ナトリウム水溶液58リットルに、ビス
(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン7.04Kg(以
下BPBPと略称、20mol )、4,4'-[1,3-フェニレンビス
(1-メチルエチリデン)]ビスフェノール6.92Kg(以下
BPM と略称、20mol)、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフ
ェニル)エタン61.2g (以下THPEと略称、0.2mol)及び
ハイドロサルファイト10g を加え溶解した。これにメチ
レンクロライド36リットルを加え、15℃に保ちながら撹拌し
つつ、ホスゲン5kg を50分かけて吹き込んだ。吹き込み
終了後、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド5g
(0.022mol)を加え5分間激しく撹拌して反応液を乳化さ
せ、次にp-ターシャルブチルフェノール432g(以下PTBP
と略称、2.88mol )を加え、さらに20mlのトリエチルア
ミン(0.14mol) を加え、約1時間撹拌し重合させた。重
合液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和
し、洗液の導電率が10μS以下になるまで水洗を繰り返
した後、精製樹脂液を得た。得られた精製樹脂液を、強
攪拌されている45℃の温水に樹脂液をゆっくり滴下
し、溶媒を除去しつつ重合物を固形化した。固形物を濾
過後、乾燥して白色粉末状重合体を得た。この重合体
は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の温
度20℃における極限粘度[η]は0.33dl/gであった。得
られた上記重合体を赤外線吸収スペクトルより分析した
結果、1770cm-1付近の位置にカルボニル基による吸収、
1240cm-1付近の位置にエーテル結合による吸収が認めら
れ、カーボネート結合を有することが確認された。ま
た、3650〜3200cm-1の位置に水酸基由来の吸収はほとん
ど認められなかった。このポリカーボネート中のモノマ
ーをGPC分析で測定した場合、いずれのモノマーも20
ppm 以下であった。これらを総合した結果、この重合体
は下記構造単位からなるポリカーボネート重合体と認め
られた。
【0026】
【化3】
【0027】得られたポリカーボネート粉末にステアリ
ン酸モノグリセリド300ppmを添加し、50μmポリマーフ
ィルターを付けたベント付き50mm押出機にて300
℃で押出し、溶融ペレット化を行った。得られたペレッ
トを樹脂温度350℃で、金型温度100℃、及び射出
圧29.4MPaの条件で、外径120mm、厚さ1.
2mmの円盤を射出成形し、2日間室内放置後30度斜
め入射時の複屈折を測定した。押出ペレットについて
は、流れ値(Q値)を測定し、成形流動性の目安とし
た。またポリカーボネート粉末について、50μm厚の
キャストフィルムを作成し、300 〜1100g の荷重をか
け、光弾性感度を測定した。結果を表1に示した。
【0028】実施例2 THPEを122.4g(0.4mol)、PTBPを486g(3.24mol)に変更
した以外は、実施例1と同様に行った。得られた重合体
の極限粘度[η]は0.35dl/gで、赤外吸収スペクトル分
析等よりこの重合体は分岐化度以外は、実施例1と同等
の構造を有するポリカーボネート重合体と認められた。
結果を表1に示した。
【0029】実施例3 THPEを244.8g(0.8mol)、PTBPを624g(4.16mol)に変更
した以外は、実施例1と同様に行った。得られた重合体
の極限粘度[η]は0.38dl/gで、赤外吸収スペクトル分
析等よりこの重合体は分岐化度以外は、実施例1と同等
の構造を有するポリカーボネート重合体と認められた。
結果を表1に示した。
【0030】実施例4 BPBPを11.26kg (32mol )、BPM を2.77kg(8mol)、PT
BPを493g(3.32mol)に変更し、THPEの代わりに4,4'-[1-
[4-[1-(4-ヒドロキシフェニル)−1-メチルエチル]フ
ェニル]エチリデン]ビスフェノール139g(以下TPPAと
略称、0.4mol)を用いた以外は実施例1と同様に行っ
た。得られた重合体の極限粘度[η]は0.39dl/gで、赤
外吸収スペクトル等よりこの重合体は下記構造単位を有
するポリカーボネート重合体と認められた。結果を表1
に示した。
【0031】
【化4】
【0032】実施例5 BPBPを2.82kg(8mol)、BPM を11.07kg (32mol )、PT
BPを496g(3.24mol )に変更し、THPEの代わりに2,4,6-
トリス(4-ヒドロキシフェニル)−2,6-ジメチル−3-ヘ
プテン322g(以下P300と略称、0.8mol)を用いた以外は
実施例1と同様に行った。得られた重合体の極限粘度
[η]は0.39dl/gで、赤外吸収スペクトル等よりこの重
合体は下記構造単位を有するポリカーボネート重合体と
認められた。結果を表1に示した。
【0033】
【化5】
【0034】比較例1 実施例1のポリカーボネートの代わりに、市販光記録媒
体用2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(以下
BPAと略称)型ポリカーボネート(三菱瓦斯化学(株)
製H−4000、[η]=0.35dl/g)を用いて実施例1
と同様の試験を行った。結果を表1に示した。
【0035】比較例2 BPBPとTHPEを用いず、BPM のみ13.84Kg(40mol)用い、PT
BPを288g(1.92mol) に変更した以外は、実施例1と同様
に行った。得られた重合体の極限粘度[η]は0.35dl/g
で、赤外吸収スペクトル等よりこの重合体は下記構造単
位を有するポリカーボネート重合体と認められた。結果
を表1に示した。
【0036】
【化6】
【0037】比較例3 THPEとBPM を用いず、BPBPのみ14.08Kg(40mol)用い、PT
BPを360g(2.4mol)に変更した以外は実施例1と同様に行
った。得られた重合体の極限粘度[η]は0.31dl/gで、
赤外吸収スペクトル等よりこの重合体は下記構造単位を
有するポリカーボネート重合体と認められたが、Q値測
定が出来ないほど流動性が悪く射出成形は不可であっ
た。結果を表1に示した。
【0038】
【化7】
【0039】
【表1】
【0040】〔表1の説明〕 複屈折:(株)溝尻光学工業製、自動エリフ゜ソメータ-使用。
測定波長:632.8nm。 流れ値(Q値):島津製作所(株)製高化式フローテス
ター使用。280 ℃、160kgf/cm2、ノズル径1mm ×10mm条
件での単位時間あたりの流量。(単位×10-2cc/sec) 光弾性感度:50μmのキャストフィルムに300 〜1100g
の荷重をかけ、エリプソメーターで波長632.8mm にて、
光弾性感度を測定。 BPM :4,4'-[1,3−フェニレンビス(1-メチルエチリデ
ン)]ビスフェノール。 BPBP:ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタ
ン。 THPE:1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)−1-フェニル
エタン。 TPPA:4,4'-[1-[4-[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチル
エチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール。 P300:2,4,6-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-2,6-ジメ
チル−3-ヘプテン。 BPA :2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン BPBP濃度:全ビスフェノール類に対するBPBPモル% =BPBP
/(BPBP+BPM)×100 。 BPM濃度:全ビスフェノール類に対するBPM モル% =BPM/
(BPBP +BPM)×100 。 分岐化剤:3官能以上のフェノール性水酸基を有する化
合物。 極限粘度:0.5g/100cc ジクロロメタン樹脂溶液を20
℃、ハギンズ定数0.45で極限粘度[η](dl/g)を求め
た。
【0041】
【発明の効果】本発明より、優れた成形性、低複屈折性
を両立した光記録媒体用成形材料を提供できる。特に、
高密度記録と信頼性が要求される書換可能な光ディスク
および光磁気ディスクに好適である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月18日(1999.5.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】〔表1の説明〕 複屈折:(株)溝尻光学工業製、自動エリフ゜ソメータ-使用。
測定波長:632.8nm。 流れ値(Q値):島津製作所(株)製高化式フローテス
ター使用。280 ℃、160kgf/cm2、ノズル径1mm ×10mm条
件での単位時間あたりの流量。(単位×10-2cc/sec) 光弾性感度:50μmのキャストフィルムに300 〜1100g
の荷重をかけ、エリプソメーターで波長632.8mm にて、
光弾性感度を測定。 BPM :4,4'-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデ
ン)]ビスフェノール。 BPBP:ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタ
ン。 THPE:1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン。 TPPA:4,4'-[1-[4-[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチ
ルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール。 P300:2,4,6-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-2,6-ジメ
チル−3-ヘプテン。 BPA :2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン。 BPBP濃度:全ビスフェノール類に対するBPBPモル%=BPBP/
(BPBP+BPM)×100 。 BPM 濃度:全ビスフェノール類に対するBPM モル%=BPM/(B
PBP +BPM)×100 。 分岐化剤:3官能以上のフェノール性水酸基を有する化
合物。 極限粘度:0.5g/100cc ジクロロメタン樹脂溶液を20
℃、ハギンズ定数0.45で極限粘度[η](dl/g)を求め
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA09 AB01 AC02 AD01 AE04 BB18 FA07 HC01 JC091 KB02 5D029 KA07 KC07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェ
    ニルメタン、一般式(1)のビスフェノール、及び
    3官能以上のフェノール性水酸基を有する化合物と、炭
    酸エステル形成化合物とを反応させてなる極限粘度が0.
    30〜0.50dl/gであることを特徴とするポリカーボネート
    からなる光記録媒体用成形材料。 【化1】
  2. 【請求項2】 ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェ
    ニルメタンと、前記一般式(1)のビスフェノールと
    の使用モル割合が、1:9 〜9:1 である請求項1記載の光
    記録媒体用成形材料。
  3. 【請求項3】 ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェ
    ニルメタンと、前記一般式(1)のビスフェノールか
    らなるビスフェノール類の合計100モル部に対して、
    3官能以上のフェノール性水酸基を有する化合物を、
    0.2 〜3.0モル部添加してなる請求項1記載の光記録媒
    体用成形材料。
  4. 【請求項4】 3官能以上のフェノール性水酸基を有
    する化合物が、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)
    エタン、4,4'-[1-[4-[1-(4-ヒドロキシフェニル)−1-
    メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノー
    ル、及び2,4,6-トリス(4-ヒドロキシフェニル)−2,6-
    ジメチル−3-ヘプテンからなる群より選択された少なく
    とも1種類である請求項1記載の光記録媒体用成形材
    料。
  5. 【請求項5】 アルカリ水溶液と有機溶媒存在下で、
    ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、前
    記一般式(1)のビスフェノール、及び3官能以上の
    フェノール性水酸基を有する化合物に、ホスゲンを吹き
    込んだ後、第4級アンモニウム塩を添加し重縮合反応を
    開始させ、次に分子量調節剤となる一価フェノールを添
    加し、更に3級アミン重合触媒を添加し、重縮合を促進
    せしめることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体用
    成形材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 第4級アンモニウム塩が、トリエチルベ
    ンジルアンモニウムクロライドまたはトリメチルベンジ
    ルアンモニウムクロライドである請求項5記載の光記録
    媒体用成形材料の製造方法。
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