JP2000204150A - コポリカ―ボネ―ト重合体 - Google Patents

コポリカ―ボネ―ト重合体

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JP2000204150A
JP2000204150A JP11008181A JP818199A JP2000204150A JP 2000204150 A JP2000204150 A JP 2000204150A JP 11008181 A JP11008181 A JP 11008181A JP 818199 A JP818199 A JP 818199A JP 2000204150 A JP2000204150 A JP 2000204150A
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JP
Japan
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carbon atoms
group
bis
hydroxyphenyl
carbon
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JP11008181A
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English (en)
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Noriyoshi Ogawa
典慶 小川
Kazuhiro Ando
和弘 安藤
Mitsuhiko Masumoto
光彦 増本
Noriaki Honda
典昭 本田
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性および低複屈折性に優れたコポリカー
ボネート重合体を提供する。 【解決手段】 (A)2個の一価フェノール類がトリシ
クロペンタンで結ばれたビスフェノールと、(B)その
他のビスフェノールとから誘導されたコポリカーボネー
トであって、(A)から誘導された炭酸エステル構造が
全構造単位中5〜60mol%であり、かつ極限粘度が0.30
〜2.00dl/gであるコポリカーボネート重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンパクトディス
ク、レーザーディスク、光カード、MOディスクなどの
光記録媒体を製造するのに好適な耐熱性、成形性などが
優れるとともに複屈折の低減されたポリカーボネート樹
脂光記録媒体用成形材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノールA型ポリカーボネート
は、その透明性、耐熱性、耐加水分解性、寸法安定性な
どの特徴を生かして、最近は光ディスク用基盤材料とし
て広く用いられるようになった。しかしながら、光ディ
スク用にポリカーボネートを用いる場合いくつかの問題
点があった。
【0003】光ディスク基盤としての性能のうち、情報
読み取り、書き込みに用いられるレーザー光線を実質的
に弱めてしまう複屈折は最も重要な問題であり、複屈折
が大きい材料ではエラーが増加し、記録媒体としての信
頼性が劣ってしまう。
【0004】そのため、複屈折低減を目的とした様々な
ポリカーボネート樹脂材料が開発されている。(特開昭
60−215020,特開昭62−181115)しか
しながら、高密度化が進む光ディスクでは、これらの材
料では十分とは言えなかった。また、最近では成形条件
で改善が困難な斜め入射の複屈折の低減が要求されるよ
うになった。そのため、さらに複屈折を低減したポリカ
ーボネート−ポリスチレン共重合体(PC−PS)が開
発されている。(特開平2−29412)
【0005】このPC−PSは複屈折に関しては、従来
のものに比べ大幅に改良されているが、PSを用いてい
るため耐熱性がポリカーボネートより劣るという欠点が
ある。最近の光ディスクでは、ピットが短くなり、より
高い転写性が要求され、また量産性のために成形時間の
短縮化が要求されている。このため、従来より成形温度
を高くする必要があり、これらは耐熱性に問題があり用
途が限られていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の材料
に比較して、複屈折が非常に小さく、しかも耐熱性およ
び成形性に優れた光記録媒体用成形材料を提供するもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のジシクロペ
ンタン構造を有するポリカーボネート樹脂は、低複屈折
性と耐熱性を兼ね備えた光記録媒体成形材料となること
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の実施の形態】即ち、本発明は、一般式(A)お
よび一般式(B)で表される構造単位を有し、一般式
(A)の構造単位が全構造単位中 5〜60mol%であり、か
つ極限粘度が0.30〜2.00dl/gであるコポリカーボネート
重合体である。
【化6】 (式中のR1 〜R4 は、各々独立して、水素、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素
数6〜12のアリール基、炭素数2〜6のアルケニル
基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数7〜17
のアラルキル基を示す。なお、R1 〜R4 が炭素原子を
有する場合は、該炭素原子に置換基を有することも可能
である。)
【化7】 (式中Wは、
【化8】 であり、R5 〜R8 は、各々独立して、水素、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜5のアルキル基、炭素
数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル
基、炭素数1〜5のアルコキシ基または炭素数7〜17
のアラルキル基である。なお、R5 〜R8 が炭素原子を
有する場合は、該炭素原子に、炭素数1〜5のアルキル
基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアル
コキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハ
ロゲン、ジメチルポリシロキシ基、アルキルアリールポ
リシロキシ基を有することも可能である。Yは、
【化9】 であり、ここにR9 ,R10はそれぞれ、水素、炭素数1
〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素
数2〜5のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール
基を表すか、R9 ,R10が一緒に結合して、炭素環また
は複素環を形成する基を表す。なお、R9 およびR10
炭素原子を有する場合は、該炭素原子に、炭素数1〜5
のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1
〜5のアルコキシ基、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素
を有することも可能である。a は0〜20の整数、b は
1〜100の整数を表す。)
【0009】更に、一般式(A)の構造単位が全構造単
位中10〜40mol%であり、かつ極限粘度が0.30〜0.50dl/g
であるコポリカーボネート重合体からなる光記録媒体用
成形材料を提供するものである。
【0010】本発明のコポリカーボネートは、ビスフェ
ノールAからポリカーボネートを製造する際に用いられ
ている公知の方法、例えば二価フェノールとホスゲンと
の直接反応(ホスゲン法)、あるいは二価フェノールと
ビスアリールカーボネートとのエステル交換反応(エス
テル交換法)などの方法を採用することができる。
【0011】ホスゲン法とエステル交換法では、一般式
(A)構造を誘導する化合物の反応性を考慮した場合、
ホスゲン法の方が好ましい。
【0012】前者のホスゲン法においては、通常酸結合
剤および溶媒の存在下において、一般式(A)を誘導す
る化合物と一般式(B)を誘導する二価フェノールと
を、ホスゲンと反応させる。酸結合剤としては、例え
ば、ピリジンや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どのアルカリ金属の水酸化物などが用いられる。また、
溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、
クロロベンゼン、キシレンなどが用いられる。さらに、
縮重合反応を促進するために、トリエチルアミンのよう
な第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩などの触媒
を、また重合度調節には、フェノール、p-t-ブチルフェ
ノール、p-クミルフェノール又は一般式(C)で表され
る一価フェノール等を分子量調節剤として加える。
【0013】
【化10】 (式中、R11は炭素数4〜20のアルキル基もしくはア
ルコキシ基を示し、R12〜R13はそれぞれ、水素、炭素
数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、
炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリ
ール基を表す。Zは、カルボニル基を表すか、単に結合
を表す。なお、R12〜R13が炭素原子を有する場合は、
該炭素原子に置換基を有することも可能である。)
【0014】更に、所望に応じ亜硫酸ナトリウム、ハイ
ドロサルファイトなどの酸化防止剤や、フロログルシ
ン、イサチンビスフェノールなど分岐化剤を小量添加し
てもよい。反応は通常0〜150℃、好ましくは5〜4
0℃の範囲とするのが適当である。反応時間は反応温度
によって左右されるが、通常0.5分〜10時間、好ま
しくは1分〜2時間である。また、反応中は、反応系の
pHを10以上に保持することが望ましい。
【0015】一方、後者のエステル交換法においては、
一般式(A)を誘導する化合物と一般式(B)を誘導す
る二価フェノールとビスアリールカーボネートとを混合
し、減圧下で高温において反応させる。この時、フェノ
ール、p-t-ブチルフェノール、p-クミルフェノール、一
般式(C)で表されるフェノール類等一官能基化合物を
分子量調節剤として加えてもよい。反応は通常150〜
350℃、好ましくは200〜300℃の範囲の温度に
おいて行われ、また減圧度は最終で好ましくは1mmHg以
下にして、エステル交換反応により生成した該ビスアリ
ールカーボネートから由来するフェノール類を系外へ留
去させる。反応時間は反応温度や減圧度などによって左
右されるが、通常1〜4時間程度である。反応は窒素や
アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好まし
く。また、所望に応じ、酸化防止剤や分岐化剤を添加し
て反応を行ってもよい。
【0016】本発明のポリカーボネートの製造に使用さ
れる一般式(B)を誘導する二価フェノールとしては、
具体的には、4,4'−ビフェニルジオール、ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス
(4-ヒドロキシフェニル)スルファイド、ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)ケトン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェ
ニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロ
パン(ビスフェノ−ルA;BPA )、2,2-ビス(4-ヒドロ
キシフェニル)ブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン(ビスフェノ−ルZ;BPZ )、2,2-
ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジブロモフェニル)プロパ
ン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジクロロフェニル)
プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3-ブロモフェニ
ル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3-クロロフェ
ニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3-メチルフ
ェニル)プロパン(ジメチルビスフェノールA;DMBPA
)、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジメチルフェニ
ル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)−1-
フェニルエタン(ビスフェノールAP;BPAP)、ビス
(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2-ビス
(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,
2-ビス(4-ヒドロキシ−3-アリルフェニル)プロパン、
α,ω−ビス[2-(p-ヒドロキシフェニル)エチル]ポ
リジメチルシロキサン、α,ω−ビス[3-(o-ヒドロキ
シフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、9,9-
ビス(3-メチル−4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3-アリルフェニル)プロパ
ン、4,4'-[1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデ
ン)]ビスフェノール、4,4'-[1,3-フェニレンビス(1-
メチルエチリデン)]ビスフェノール、3,3,5-トリメチ
ル−1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、1,1'−ビ−2-ナフトール、6,6'−ジヒドロキシ-3,
3,3',3'−テトラメチル-1,1'-スピロビインダン、1,1,3
-トリメチル-3−(4-ヒドロキシフェニル)−インダン
−5-オール、6,6'−ジヒドロキシ-4,4,4',4'7,7'−ヘキ
サメチル-2,2'-スピロビクロマンなどが例示される。こ
れらは、2種類以上併用することも可能である。
【0017】また、これらの中でも特に2,2-ビス(4-ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−
3-メチルフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェ
ニル)ジフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルファ
イド、4,4'-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデ
ン)]ビスフェノール、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)−1-フェニルエタンおよび9,9-ビス(3-メチル−4-
ヒドロキシフェニル)フルオレンから選ばれることが好
ましい。これらは、2種類以上併用して用いてもよい。
【0018】一方、炭酸エステル形成性化合物として
は、例えばホスゲンや、ジフェニルカーボネート、ジ−
p-トリルカーボネート、フェニル−p-トリルカーボネー
ト、ジ−p-クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカ
ーボネートなどのビスアリルカーボネートが挙げられ
る。これらの化合物は2種類以上併用して使用すること
も可能である。
【0019】前記一般式(A)を誘導する化合物は、ジ
シクロペンタン構造を有するビスフェノール類であり具
体的には、
【0020】
【化11】 が挙げられる。これらのビスフェノール化合物は2種類
以上組み合わせて用いてもよい。
【0021】更に、本発明の分子量調節剤としては流動
性改良に効果の期待できる一般式(C)で表される一価
フェノールが好ましく、具体的にはブチルフェノール、
オクチルフェノール、ノニルフェノール、デカニルフェ
ノール、テトラデカニルフェノール、ヘプタデカニルフ
ェノール、オクタデカニルフェノール等の長鎖アルキル
置換フェノール;ヒドロキシ安息香酸ブチル、ヒドロキ
シ安息香酸オクチル、ヒドロキシ安息香酸ノニル、ヒド
ロキシ安息香酸デカニル、ヒドロキシ安息香酸ヘプタデ
カニル等のヒドロキシ安息香酸長鎖アルキルエステル;
ブトキシフェノール、オクチルオキシフェノール、ノニ
ルオキシフェノール、デカニルオキシフェノール、テト
ラデカニルオキシフェノール、ヘプタデカニルフェノー
ル、オクタデカニルフェノール等の長鎖アルキルオキシ
フェノール類が例示される。
【0022】これらの反応で合成されたポリカーボネー
ト重合体は、押出成形、射出成形、ブロ−成形、圧縮成
形、湿式成形など公知の成形法で成形可能であり、極限
粘度が0.30〜2.00dl/gの範囲である。しかし、光記録媒
体用成形材料としては、容易に押出、射出成形ができる
ことが望ましく、特に光記録媒体用の精密成形では極限
粘度が0.30〜0.50dl/gの範囲であることが好ましい。
【0023】また、本発明の一般式(A)の構造単位は
成形性、耐熱性、低複屈折性を考慮すると全構造単位中
5〜60mol%が好ましいが、特に耐熱性と低複屈折性をよ
り明確とするためには10〜40mol%がより好ましい。一般
式(A)の構造単位が5mol%未満では、複屈折性が大き
くなりすぎ好ましくない。60mol%を越えるとガラス転移
温度上昇により成形条件が狭くなるため成形不良や分子
配向による複屈折増加をおこしやすなり好ましくない。
【0024】また、本発明のポリカーボネート樹脂はガ
ラス転移温度が高く耐熱性に優れた光記録媒体用成形材
料となるが、ガラス転移温度が上がりすぎると流動性が
低下し、そのため特に押出射出成形性が低下する。従来
のポリカーボネート同等以上の耐熱性を示すにはガラス
転移温度は120℃以上でかつ十分な成形性を示すには
180℃以下が好ましく、さらに良好な射出成形性を示
すには170℃以下が好ましい。
【0025】本発明の光記録媒体用ポリカーボネート成
形材料は、一般の光ディスク用ポリカーボネートと同様
に高度に精製されたものでなければならない。具体的に
は、直径50μm以上のダストが実質上検出されず、直
径0.5〜50μmのダストが3×104 以下、無機お
よび有機残留塩素が2ppm以下、残留アルカリ金属が
2ppm以下、残存水酸基200ppm以下、残存窒素
量5ppm以下、残存モノマー20ppm以下等の基準
を可能な限り満たすように精製される。また、低分子量
体除去や溶媒除去のため抽出等の後処理が行われる場合
もある。
【0026】光記録媒体用ポリカーボネート成形材料は
押出や射出成形時に必要な安定性や離型性を確保するた
め、所望に応じて、ヒンダードフェノール系やホスファ
イト系酸化防止剤;シリコン系、脂肪酸エステル系、脂
肪酸系、脂肪酸グリセリド系、密ろう等天然油脂などの
滑剤や離型剤;ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン
系、ジベンゾイルメタン系、サリチレート系等の光安定
剤;ポリアルキレングリコール、脂肪酸グリセリド等帯
電防止剤などを適宜併用してよいものであり、さらには
コスト等から一般の光記録媒体用ポリカーボネートと性
能を損なわない範囲で任意に混合して使用する事も可能
である。また、本成形材料を射出成形する場合の成形温
度は、流動性の観点から280〜360℃が好ましい。
【0027】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0028】実施例1 8.8%(w/v) の水酸化ナトリウム水溶液58リットルに、下記構
造の化合物
【化12】 3.21Kg(以下DCP と略称、10mol )と2,2-ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)プロパン(以下BPA と略称、30mol )
6.84Kg及びハイドロサルファイト10g を加え溶解した。
これにメチレンクロライド36リットルを加え、15℃に保ちな
がら撹拌しつつ、p-ターシャルブチルフェノール375g
(以下PTBPと略称、2.5mol)を加え、ついでホスゲン5k
gを50分かけて吹き込んだ。吹き込み終了後、トリエチ
ルベンジルアンモニウムクロライド5gを加え激しく撹拌
して、反応液を乳化させ、乳化後20mlのトリエチルアミ
ンを加え、約1時間撹拌し重合させた。重合液を水相と
有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、洗液の導電
率が10μS以下になるまで水洗を繰り返した後、精製樹
脂液を得た。得られた精製樹脂液を、強攪拌されている
45℃の温水に樹脂液をゆっくり滴下し、溶媒を除去し
つつ重合物を固形化した。固形物を濾過後、乾燥して白
色粉末状重合体を得た。この重合体は、塩化メチレンを
溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の温度20℃における極限
粘度[η]は0.37dl/g であった。得られた上記重合体
を赤外線吸収スペクトルより分析した結果、1770cm-1
近の位置にカルボニル基による吸収、1240cm-1付近の位
置にエーテル結合による吸収が認められ、カーボネート
結合を有することが確認された。また、3650〜3200cm-1
の位置に水酸基由来の吸収はほとんど認められなかっ
た。このポリカーボネート中のモノマーをGPC分析で
測定した場合、DCP 及びBPA はいずれも20ppm 以下であ
った。これらを総合した結果、この重合体は下記構造単
位からなるコポリカーボネート重合体と認められた。
【0029】
【化13】 得られたポリカーボネート粉末にステアリン酸モノグリ
セリド300ppmを添加し、50μm ポリマーフィルターを付
けたベント付き50mm押出機にて300℃で押出し、
溶融ペレット化を行った。得られたペレットを樹脂温度
350℃で、金型温度100℃、及び射出圧29.4M
Paの条件で、外径120mm、厚さ1.2mmの円盤
を射出成形し、2日間室内放置後30℃斜め入射時の複
屈折を測定した。また、押出ペレットについてガラス転
移温度(Tg)を測定し、耐熱性の目安とした。
【0030】実施例2 DCP を5.14Kg(16mol )、BPA を5.47Kg(24mol )、PT
BPをp-ヘプタデカニルフェノール830g(以下PHPDP と略
称、2.5mol)に変更した以外は、実施例1と同様に行っ
た。得られた重合体の極限粘度[η]は0.35dl/gで、赤
外吸収スペクトル分析等よりこの重合体は下記構造単位
からなるコポリカーボネート重合体と認められた。
【0031】
【化14】
【0032】実施例3 DCP を2.57Kg(8mol)、BPA を5.5Kg (24mol )に変更
し、さらに9,9-ビス(3-メチル−4-ヒドロキシフェニ
ル)フルオレン3.02Kg(以下BCF と略称、8mol)を用
い、PTBPの代わりに、p-ヒドロキシ安息香酸n-ブチル48
5g(以下PHBBと略称、2.5mol)に変更した以外は実施例
1と同様に行った。得られた重合体の極限粘度[η]は
0.38dl/g で、赤外吸収スペクトル等よりこの重合体は
下記構造単位を有するコポリカーボネート重合体と認め
られた。
【0033】
【化15】
【0034】実施例4 DCP を1.28Kg(4mol)、BPA を7.3kg (32mol )に変更
し、さらに1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)−1-フェ
ニルエタン1.18kg(以下BPAPと略称、4mol)を用いた以
外は実施例1と同様に行った。得られた重合体の極限粘
度[η]は0.36dl/g で、赤外吸収スペクトル等よりこ
の重合体は下記構造単位を有するコポリカーボネート重
合体と認められた。
【0035】
【化16】
【0036】実施例5 BCF の代わりに、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェ
ニルメタン2.82Kg(以下BPBPと略称、8mol)に、PHBBを
310g(1.6mol)に変更した以外は実施例3と同様に行っ
た。得られた重合体の極限粘度[η]は0.49dl/g で、
赤外吸収スペクトル等よりこの重合体は下記構造単位を
有するコポリカーボネート重合体と認められた。
【0037】
【化17】
【0038】実施例6 BPA を4.56kg(20mol )、DCP を3.21kg(10mol )に変
更し、さらに4,4'-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチ
リデン)]ビスフェノール3.46kg(以下BPM と略称、10
mol )を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られ
た重合体の極限粘度[η]は0.38dl/g で、赤外吸収ス
ペクトル等よりこの重合体は下記構造単位を有するコポ
リカーボネート重合体と認められた。
【0039】
【化18】
【0040】比較例1 実施例1のポリカーボネートの代わりに、市販光記録媒
体用BPA型ポリカーボネート(三菱瓦斯化学(株)製
H−4000、[η]=0.35dl/g)を用いて実施例1と
同様の試験を行った。
【0041】比較例2 実施例1のポリカーボネートの代わりに、市販光記録媒
体用ポリカーボネート−ポリスチレン共重合体(三菱瓦
斯化学(株)製ODX、[η]=1.08dl/g)を用いて実
施例1と同様の試験を行った。
【0042】比較例3 BPA を4.1kg (18mol )、DCP を7.06kg(22mol )に変
更した以外は実施例1と同様に行った。得られた重合体
の極限粘度[η]は0.40dl/g で、赤外吸収スペクトル
等よりこの重合体は重合比以外は実施例1と同等の構造
単位を有するコポリカーボネート重合体と認められた。
【0043】
【表1】 斜め複屈折(nm) 耐熱性 外観 実施例 DCP 濃度 極限粘度 中心からの距離 カ゛ラス転移温度 比較例 mol% dl/g R=24mm R=42mm R=56mm ℃ ─────────────────────────────────── 実1 25 0.37 19 13 13 158 良好 実2 40 0.35 11 9 9 151 良好 実3 20 0.38 19 14 22 155 良好 実4 10 0.36 26 19 23 159 良好 実5 20 0.49 14 8 12 155 良好 実6 25 0.38 18 11 10 146 良好 比1 0.35 92 75 90 143 良好 比2 1.08 22 16 15 113 気泡発生 比3 55 0.40 −− −− −− 173 充填不良 ───────────────────────────────────
【0044】(測定方法) 複屈折:(株)溝尻光学工業製、自動エリフ゜ソメータ-使用。
測定波長632.8nmカ゛ラス 転移温度:島津製作所(株)製DSCにより測定 DCP 濃度:一般式(A)構造単位の全構造単位に対する
割合(mol%) 極限粘度:0.5g/100cc ジクロロメタン樹脂溶液を20
℃、ハギンズ定数0.45で極限粘度[η](dl/g)を求め
た。
【0045】
【発明の効果】本発明より、優れた耐熱性、成形性、低
複屈折性を両立した光記録媒体用成形材料を提供でき
る。特に、高密度記録と信頼性が要求される書換可能な
光ディスクおよび光磁気ディスクに好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本田 典昭 大阪府豊中市神州町2丁目12番地 三菱瓦 斯化学株式会社大阪工場内 Fターム(参考) 4J029 AA09 AB02 AC02 AD01 AE01 AE04 BB10A BB12A BB12B BB13A BD09A BE05A BF14A BG08X BG15 BG22X BH02 DB07 DB11 DB13 EB04A FA07 FB06 FB07 FB13 HC01 HC03 HC05A KE02 KE09 KH04 KH06 5D029 KA07 KC07 KC13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(A)および一般式(B)で表さ
    れる構造単位を有し、一般式(A)の構造単位が全構造
    単位中 5〜60mol%であり、かつ極限粘度が0.30〜2.00dl
    /gであることを特徴とするコポリカーボネート重合体。 【化1】 (式中のR1 〜R4 は、各々独立して、水素、フッ素、
    塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素
    数6〜12のアリール基、炭素数2〜6のアルケニル
    基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数7〜17
    のアラルキル基を示す。なお、R1 〜R4 が炭素原子を
    有する場合は、該炭素原子に置換基を有することも可能
    である。) 【化2】 (式中Wは、 【化3】 であり、R5 〜R8 は、各々独立して、水素、フッ素、
    塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜5のアルキル基、炭素
    数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル
    基、炭素数1〜5のアルコキシ基または炭素数7〜17
    のアラルキル基である。なお、R5 〜R8 が炭素原子を
    有する場合は、該炭素原子に、炭素数1〜5のアルキル
    基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアル
    コキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハ
    ロゲン、ジメチルポリシロキシ基、アルキルアリールポ
    リシロキシ基を有することも可能である。Yは、 【化4】 であり、ここにR9 ,R10はそれぞれ、水素、炭素数1
    〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素
    数1〜5のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール
    基を表すか、R9 ,R10が一緒に結合して、炭素環また
    は複素環を形成する基を表す。なお、R9 およびR10
    炭素原子を有する場合は、該炭素原子に、炭素数1〜5
    のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1
    〜5のアルコキシ基、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素
    を有することも可能である。a は0〜20の整数、b は
    1〜100の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 一般式(A)で表される構造単位のR1
    〜R4 が水素である請求項1に記載のコポリカーボネー
    ト重合体。
  3. 【請求項3】 一般式(B)で表される構造単位が2,2-
    ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-
    ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2-ビス(4-ヒ
    ドロキシ−3-メチルフェニル)プロパン、ビス(4-ヒド
    ロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキ
    シフェニル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)
    スルファイド、4,4'-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエ
    チリデン)]ビスフェノール、1,1-ビス(4-ヒドロキシ
    フェニル)−1-フェニルエタン、9,9-ビス(3-メチル−
    4-ヒドロキシフェニル)フルオレンより誘導された請求
    項1に記載のコポリカーボネート重合体。
  4. 【請求項4】 一般式(A)で表される構造単位が全構
    造単位中10〜40mol%である請求項1に記載のコポリカー
    ボネート重合体。
  5. 【請求項5】 分子末端が下記一般式(C)で表される
    一価フェノールより誘導された請求項1記載のコポリカ
    ーボネート重合体。 【化5】 (式中、R11は炭素数4〜20のアルキル基もしくはア
    ルコキシ基を示し、R12〜R13はそれぞれ、水素、炭素
    数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、
    炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリ
    ール基を表す。Zは、カルボニル基を表すか、単に結合
    を表す。なお、R12〜R13が炭素原子を有する場合は、
    該炭素原子に置換基を有することも可能である。)
  6. 【請求項6】 極限粘度が0.30〜0.50dl/gである請求項
    4に記載のコポリカーボネート重合体からなる光記録媒
    体用成形材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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