JP2000327767A - 光記録媒体用成形材料 - Google Patents

光記録媒体用成形材料

Info

Publication number
JP2000327767A
JP2000327767A JP11140136A JP14013699A JP2000327767A JP 2000327767 A JP2000327767 A JP 2000327767A JP 11140136 A JP11140136 A JP 11140136A JP 14013699 A JP14013699 A JP 14013699A JP 2000327767 A JP2000327767 A JP 2000327767A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydroxyphenyl
molding material
recording medium
optical recording
bisphenol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11140136A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Kanekawa
達也 金川
Takahiro Adachi
高広 安達
Mitsuhiko Masumoto
光彦 増本
Noriaki Honda
典昭 本田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP11140136A priority Critical patent/JP2000327767A/ja
Publication of JP2000327767A publication Critical patent/JP2000327767A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性および低複屈折性に優れた光記録媒体
用成形材料を提供する。 【解決手段】 1,1-(4-ヒドロキシフェニル)−1-フ
ェニルエタン、4,4'-[1,3-フェニレン(1-メチルエチ
リデン)]ビスフェノール、及び3官能以上のフェノー
ル性水酸基を有する化合物と、炭酸エステル形成化合物
とを反応させてなる極限粘度が 0.3〜0.5 dl/gであるポ
リカーボネートからなる光記録媒体用成形材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンパクトディス
ク、レーザーディスク、光カード、MOディスクなどの
光記録媒体を製造するのに好適な成形性とともに複屈折
の低減されたポリカーボネート樹脂光記録媒体用成形材
料に関する。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノールA型ポリカーボネート
は、その透明性、耐熱性、耐加水分解性、寸法安定性な
どの特徴を生かして、最近は光ディスク用基盤材料とし
て広く用いられるようになった。しかしながら、光ディ
スク用にポリカーボネートを用いる場合いくつかの問題
点があった。
【0003】光ディスク基盤としての性能のうち、情報
読み取り、書き込みに用いられるレーザー光線を実質的
に弱めてしまう複屈折は最も重要な問題であり、複屈折
が大きい材料ではエラーが増加し、記録媒体としての信
頼性が劣ってしまう。
【0004】これらの複屈折低減を目的とした様々なポ
リカーボネート樹脂材料が開発されている。(特開昭6
0−215020,特開昭62−181115)しかし
ながら、近年、高密度化が進む光ディスク分野におい
て、これらの材料では複屈折対策は十分とは言えなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた成形
性と低複屈折性を両立した光記録媒体用成形材料を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のビスフェ
ノール類より誘導された分岐化ポリカーボネート樹脂
は、低複屈折性と良好な成形性を兼ね備えた良質の光記
録媒体成形材料となることを見いだし、本発明を完成す
るに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】即ち、本発明は、1,1-(4-ヒド
ロキシフェニル)−1-フェニルエタン、4,4'-[1,3-フ
ェニレン(1-メチルエチリデン)]ビスフェノール、及び
3官能以上のフェノール性水酸基を有する化合物と、
炭酸エステル形成化合物とを反応させてなる極限粘度が
0.3〜0.5 dl/gであるポリカーボネートからなる光記録
媒体用成形材料である。
【0008】炭酸エステル形成化合物としては、例えば
ホスゲンや、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリル
カーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ
−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボ
ネートなどのビスアリールカーボネートが挙げられる。
これらの化合物は2種類以上併用して使用することも可
能である。
【0009】本発明のポリカーボネートは、ビスフェノ
ールA〔2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン〕
からポリカーボネートを製造する際に用いられている公
知の方法、例えばビスフェノール類とホスゲンとの直接
反応(ホスゲン法)、あるいはビスフェノール類とビス
アリールカーボネートとのエステル交換反応(エステル
交換法)などの方法を採用することができる。
【0010】前者のホスゲン法においては、通常酸結合
剤および溶媒の存在下において、1,1-(4-ヒドロキシ
フェニル)−1-フェニルエタン、4,4'-[1,3-フェニレ
ン(1-メチルエチリデン)]ビスフェノール、及び3官
能以上のフェノール性水酸基を有する化合物と、ホスゲ
ンとを反応させる。酸結合剤としては、例えばピリジン
や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ
金属の水酸化物などが用いられる。また、溶媒として
は、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベン
ゼン、キシレンなどが用いられる。さらに、縮重合反応
を促進するために、トリエチルアミンのような3級アミ
ン触媒および第4級アンモニウム塩などの触媒が使用さ
れる。また、重合度調節には、フェノール、p-t-ブチル
フェノール、p-クミルフェノール等で表されるフェノー
ル類等一官能基化合物を分子量調節剤として加える。更
に、所望に応じ亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイ
トなどの酸化防止剤を小量添加してもよい。反応は、通
常0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範囲とするの
が適当である。反応時間は反応温度によって左右される
が、通常5分〜10時間、好ましくは10分〜2時間で
ある。また、反応中は、反応系のpHを10以上に保持す
ることが望ましい。
【0011】一方、後者のエステル交換法においては、
1,1-(4-ヒドロキシフェニル)−1-フェニルエタン、
4,4'-[1,3-フェニレン(1-メチルエチリデン)]ビスフ
ェノール、及び3官能以上のフェノール性水酸基を有
する化合物と、ビスアリールカーボネートとを混合し、
減圧下で高温において反応させる。この時、p-t-ブチル
フェノール、p-クミルフェノール類等の一官能基化合物
を分子量調節剤として加えてもよい。反応は通常150
〜350℃、好ましくは200〜300℃の範囲の温度
において行われ、また減圧度は最終的には1mmHg以下に
することが好ましく、エステル交換反応により生成した
該ビスアリールカーボネートから由来するフェノール類
を系外へ留去させる。反応時間は反応温度や減圧度など
によって左右されるが、通常1〜6時間程度である。反
応は窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うこ
とが好ましく。また、所望に応じ、酸化防止剤を添加し
て反応を行ってもよい。
【0012】ホスゲン法とエステル交換法では、1,1-
(4-ヒドロキシフェニル)−1-フェニルエタン、及び
4,4'-[1,3-フェニレン(1-メチルエチリデン)]ビスフェ
ノールの反応性を考慮した場合、ホスゲン法の方が好ま
しい。
【0013】更に、本発明の分子量調節剤としては、一
価フェノール類が好ましく、具体的には、ブチルフェノ
ール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、デカニ
ルフェノール、テトラデカニルフェノール、ヘプタデカ
ニルフェノール、オクタデカニルフェノール等の長鎖ア
ルキル置換フェノール;ヒドロキシ安息香酸ブチル、ヒ
ドロキシ安息香酸オクチル、ヒドロキシ安息香酸ノニ
ル、ヒドロキシ安息香酸デカニル、ヒドロキシ安息香酸
ヘプタデカニル等のヒドロキシ安息香酸長鎖アルキルエ
ステル;ブトキシフェノール、オクチルオキシフェノー
ル、ノニルオキシフェノール、デカニルオキシフェノー
ル、テトラデカニルオキシフェノール、ヘプタデカニル
オキシフェノール、オクタデカニルオキシフェノール等
の長鎖アルキルオキシフェノール類が例示される。
【0014】本発明においてホスゲン法を採用する場合
は、ホスゲン吹き込み終了後に反応を効率よく行うため
第4級アンモニウム塩を少量添加することが好ましい。
具体的には、テトラメチルアンモニウムクロライド、ト
リメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル
ベンジルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモ
ニウムブロマイド、テトラ−n-ブチルアンモニウムアイ
オダイドなどが例示される。これらのうちトリメチルベ
ンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルア
ンモニウムクロライドが好ましい。この第四級アンモニ
ウム塩は、使用される全ビスフェノール類に対して、一
般に0.0005〜 5mol%使用されることが好ましい。第4級
アンモニウム塩の添加後、3〜10分後に、トリエチル
アミンなどの3級アミン及び分子量調節剤を添加して重
合させることが好ましい。三級アミンの添加量は、全ビ
スフェノール類に対して、0.01〜1.0mol% である。ま
た、分子量調節剤の添加量は、全ビスフェノール類に対
して、3 〜10mol%である。
【0015】本発明中の分岐化剤として作用する3官能
以上のフェノール性水酸基を有する化合物としては、フ
ロログルシン、2,4,4'-トリヒドロキシベンゾフェノン、
2,4,4' −トリヒドロキシフジェニルエーテル、2,2-ビ
ス(2,4-ジヒドロキシフェニル)プロパン、2,2',4,4'-
テトラヒドロキシジフェニルメタン、2,4,4'−トリヒド
ロキシジフェニルメタン、2,4,6-トリス(4-ヒドロキシ
フェニル)-2,6-ジメチル−ヘプテン-3、2,4,6-トリス
(4-ヒドロキシフェニル)-4,6-ジメチル−ヘプタン-2、
2,6-ビス(2-ヒドロキシ−5-メチルベンジル)-4-メチル
フェノール、2,6-ビス(2-ヒドロキシ−5-イソプロピル
ベンジル)-4-イソプロピルフェノール、テトラキス(4-
ヒドロキシフェニル)メタン、α,α',α"-トリス(4-
ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼ
ン、4,4'-[1-[4-[1-(4-ヒドロキシフェニル)−1-メチ
ルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、1,
1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1-ト
リス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1-トリス
(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,1-トリス(2-
メチル−4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1-トリス
(2-メチル−4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1-ト
リス(3-メチル−4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,
1-トリス(3-メチル−4-ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1,1-トリス(3,5-ジメチル−4-ヒドロキシフェニル)
メタン、1,1,1-トリス(3,5-ジメチル−4-ヒドロキシフ
ェニル)エタン、1,1,1-トリス(3-クロロ−4-ヒドロキ
シフェニル)メタン、1,1,1-トリス(3-クロロ−4-ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1,1-トリス(3,5-ジクロロ
−4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1-トリス(3,5-
ジクロロ−4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1-トリ
ス(3-ブロモ−4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1-
トリス(3-ブロモ−4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,
1,1-トリス(3,5-ジブロモ−4-ヒドロキシフェニル)メ
タン、1,1,1-トリス(3,5-ジブロモ−4-ヒドロキシフェ
ニル)エタン、1,1,1-トリス(3-フルオロ−4-ヒドロキ
シフェニル)メタン、1,1,1-トリス(3-フルオロ−4-ヒ
ドロキシフェニル)エタン、1,1,1-トリス(3,5-ジフル
オロ−4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1-トリス
(3,5-ジフルオロ−4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,
1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)−1-フェニルメタ
ン等が例示される。そのうち、1,1,1-トリス(4-ヒドロ
キシフェニル)エタン、4,4'-[1-[4-[1-(4-ヒドロキシ
フェニル)−1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]
ビスフェノール、及び2,4,6-トリス(4-ヒドロキシフェ
ニル)−2,6-ジメチル−3-ヘプテンが反応性や取り扱い
の容易さから最も好ましい。
【0016】さらに、分岐化剤となる3官能以上のフェ
ノール性水酸基を有する化合物は、1,1-ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)−1-フェニルエタンと、4,4'-[1,3-
フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスフェノー
ルとの合計100モル部に対して、3官能以上のフェノ
ール性水酸基を有する化合物を0.2 〜3.0 モル部添加す
ることが好ましい。0.2 モル部未満では流動性改善効果
が低く、3.0 モル部を超えると耐衝撃性が劣ってくる。
【0017】また、本発明では、1,1-(4-ヒドロキシ
フェニル)−1-フェニルエタンと、4,4'-[1,3-フェニ
レン(1-メチルエチリデン)]ビスフェノールとの使用モ
ル割合は、1:9 〜9:1 が好ましい。1,1-(4-ヒドロキシ
フェニル)−1-フェニルエタンが1割未満になると、耐
熱性が低下すると同時に複屈折改善効果が不十分とな
る。また、1,1-(4-ヒドロキシフェニル)−1-フェニル
エタンが9割を超えると流動性が悪くなり成形が困難に
なる。
【0018】これらの反応で合成されたポリカーボネー
ト重合体は、押出成形、射出成形、ブロ−成形、圧縮成
形、湿式成形など公知の成形法で成形可能であるが、光
記録媒体用成形材料としては、容易に押出、射出成形が
できることが望ましく、特に光記録媒体用の精密成形で
は極限粘度が 0.3〜0.5 dl/gの範囲であることが好まし
い。
【0019】本発明の光記録媒体用ポリカーボネート成
形材料は、射出成形で成形することが好ましく、その際
の流動性は大きすぎても小さすぎても成形性に問題が生
じる。例えば高化式フローテスター(280 ℃、160kgf/c
m2、ノズル径1mm ×10mm)測定で、15〜90×10-2cc/sec
の範囲が好ましい。15×10-2cc/sec未満では、流動性が
悪く金型への充填不良やフローマークが生じる場合があ
り、90×10-2cc/secを越えると金型剥離不良やソリを生
じやすい。
【0020】本発明の光記録媒体用ポリカーボネート成
形材料は、一般の光ディスク用ポリカーボネートと同様
に高度に精製されたものでなければならない。具体的に
は、直径50μm以上のダストが実質上検出されず、直
径0.5〜50μmのダストが3×104 以下、無機お
よび有機残留塩素が2ppm以下、残留アルカリ金属が
2ppm以下、残存水酸基200ppm以下、残存窒素
量5ppm以下、残存モノマー20ppm以下等の基準
を可能な限り満たすように精製される。また、低分子量
体除去や溶媒除去のため抽出等の後処理が行われる場合
もある。
【0021】光記録媒体用ポリカーボネート成形材料は
押出や射出成形時に必要な安定性や離型性を確保するた
め、所望に応じて、ヒンダードフェノール系やホスファ
イト系酸化防止剤;シリコン系、脂肪酸エステル系、脂
肪酸系、脂肪酸グリセリド系、密ろう等天然油脂などの
滑剤や離型剤;ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン
系、ジベンゾイルメタン系、サリチレート系等の光安定
剤;ポリアルキレングリコール、脂肪酸グリセリド等帯
電防止剤などを適宜併用してよいものであり、さらには
コスト等から、一般の光記録媒体用ポリカーボネートと
性能を損なわない範囲で任意に混合して使用する事も可
能である。また、本成形材料を射出成形する場合の成形
温度は、流動性の観点から280 〜380 ℃が好ましい。
【0022】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定
されるものではない。
【0023】実施例1 8.8%(w/v) の水酸化ナトリウム水溶液58リットルに、1,1-ビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)−1-フェニルエタン5.80kg
(以下BPAPと略称、20mol)、4,4'-[1,3-フェニレン(1-
メチルエチリデン)]ビスフェノール6.92kg(以下BPM と
略称、20mol)、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)
エタン122.4g(以下THPEと略称、0.4mol)及びハイドロ
サルファイト10g を加え溶解した。これにメチレンクロ
ライド36リットルを加え、15℃に保ちながら撹拌しつつ、ホ
スゲン5kg を50分かけて吹き込んだ。吹き込み終了後、
トリエチルベンジルアンモニウムクロライド5g(0.022mo
l)を加え5分間激しく撹拌して反応液を乳化させ、次に
p-ターシャルブチルフェノール468g(以下PTBPと略称、
3.12mol)を加え、さらに20mlのトリエチルアミン(0.14m
ol) を加え、約1時間撹拌し重合させた。重合液を水相
と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、洗液の導
電率が10μS以下になるまで水洗を繰り返した後、精製
樹脂液を得た。得られた精製樹脂液を、強攪拌されてい
る45℃の温水に樹脂液をゆっくり滴下し、溶媒を除去
しつつ重合物を固形化した。固形物を濾過後、乾燥して
白色粉末状重合体を得た。この重合体は、塩化メチレン
を溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の温度20℃における極
限粘度[η]は0.36dl/gであった。得られた上記重合体
を赤外線吸収スペクトルより分析した結果、1770cm-1
近の位置にカルボニル基による吸収が認められ、カーボ
ネート結合を有することが確認された。また、3650〜32
00cm-1の位置に水酸基由来の吸収はほとんど認められな
かった。このポリカーボネート中のモノマーをGPC分
析で測定した場合、いずれのモノマーも20ppm 以下であ
った。
【0024】得られたポリカーボネート粉末にステアリ
ン酸モノグリセリド300ppmを添加し、50μmポリマーフ
ィルターを付けたベント付き50mm押出機にて300
℃で押出し、溶融ペレット化を行った。得られたペレッ
トを樹脂温度350℃で、金型温度100℃、及び射出
圧29.4MPaの条件で、外径120mm、厚さ1.
2mmの円盤を射出成形し、2日間室内放置後30度斜
め入射時の複屈折を測定した。押出ペレットについて
は、流れ値(Q値)を測定し、成形流動性の目安とし
た。またポリカーボネート粉末について、50μm厚の
キャストフィルムを作成し、300 〜1100g の荷重をか
け、光弾性感度を測定した。結果を表1に示した。
【0025】実施例2 BPAPを5.80kg(20mol)、BPM を6.92kg(20mol)、THPEを
244.8g(0.8mol)及びPTBPを570g(3.8mol)に変更した
以外は、実施例1と同様に行った。得られた重合体の極
限粘度[η]は0.38dl/gで、赤外吸収スペクトル分析等
よりこの重合体は分岐化度以外は、実施例1と同等の構
造を有するポリカーボネート重合体と認められた。結果
を表1に示した。
【0026】実施例3 BPAPを8.12kg(28mol)、BPM を4.15kg(12mol)、THPEを
122.4g(0.4mol)及びPTBPを456g(3.04mol)に変更した
以外は、実施例1と同様に行った。得られた重合体の極
限粘度[η]は0.37dl/gで、赤外吸収スペクトル分析等
よりこの重合体は分岐化度以外は、実施例1と同等の構
造を有するポリカーボネート重合体と認められた。結果
を表1に示した。
【0027】実施例4 BPAPを3.48kg(12mol)、BPM を9.69kg(28mol)、THPEを
122.4g(0.4mol)及びPTBPを432g(2.88mol)に変更した以
外は、実施例1と同様に行った。得られた重合体の極限
粘度[η]は0.34dl/gで、赤外吸収スペクトル等よりこ
の重合体は下記構造単位を有するポリカーボネート重合
体と認められた。結果を表1に示した。
【0028】比較例1 実施例1のポリカーボネートの代わりに、市販光記録媒
体用2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(以下
BPA と略称)型ポリカーボネート(三菱瓦斯化学(株)
製H−4000、[η]=0.35dl/g)を用いて実施例1
と同様の試験を行った。結果を表1に示した。
【0029】比較例2 BPM を用いず、BPAPのみ11.60kg(40mol)用い、PTBPを34
8g(2.32mol) に変更した以外は、実施例1と同様に行っ
た。得られた重合体の極限粘度[η]は0.36dl/gで、赤
外吸収スペクトル等よりこの重合体は下記構造単位を有
するポリカーボネート重合体と認められた。しかし、流
れ値が非常に低く、射出成形は不可であった。結果を表
1に示した。
【0030】比較例3 BPAPを用いず、BPM のみ13.84kg(40mol)用い、PTBPを28
8g(1.92mol) に変更した以外は実施例1と同様に行っ
た。得られた重合体の極限粘度[η]は0.35dl/gで、赤
外吸収スペクトル等よりこの重合体は下記構造単位を有
するポリカーボネート重合体と認められた。結果を表1
に示した。
【0031】
【表1】
【0032】〔表1の説明〕 複屈折:(株)溝尻光学工業製、自動エリフ゜ソメータ-使用。
測定波長:632.8nm。 流れ値(Q値):島津製作所(株)製高化式フローテス
ター使用。280 ℃、160kgf/cm2、ノズル径1mm ×10mm条
件での単位時間あたりの流量。(単位×10-2cc/sec) 光弾性感度:50μmのキャストフィルムに300 〜1100g
の荷重をかけ、エリプソメーターで波長632.8mm にて、
光弾性感度を測定。 BPAP:1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)−1-フェニル
エタン BPM :4,4'-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデ
ン)]ビスフェノール BPA :2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン THPE:1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン PTBP:p-ターシャルブチルフェノール BP成分(a):BPAPの全ビスフェノールの使用量に対する割
合(mol%) BP成分(b):BPM の全ビスフェノールの使用量に対する割
合(mol%) 極限粘度:0.5g/100cc ジクロロメタン樹脂溶液を20
℃、ハギンズ定数0.45で極限粘度[η](dl/g)を求め
た。
【0033】
【発明の効果】本発明より、優れた成形性、低複屈折性
を両立した光記録媒体用成形材料を提供できる。特に、
高密度記録と信頼性が要求される書換可能な光ディスク
および光磁気ディスクに好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 526 G11B 7/24 526G (72)発明者 本田 典昭 大阪府豊中市神州町2丁目12番地 三菱瓦 斯化学株式会社大阪工場内 Fターム(参考) 4J029 AA09 AB07 AC02 AD01 AE01 AE05 BB12A BB13A BB15A FA07 FC33 HC01 HC02 HC05A HC05B JC021 JC091 KB17 KB24 KE09 5D029 KA07 KC07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,1-(4-ヒドロキシフェニル)−1-フ
    ェニルエタン、4,4'-[1,3-フェニレン(1-メチルエチ
    リデン)]ビスフェノール、及び3官能以上のフェノー
    ル性水酸基を有する化合物と、炭酸エステル形成化合物
    とを反応させてなる極限粘度が 0.3〜0.5 dl/gであるこ
    とを特徴とするポリカーボネートからなる光記録媒体用
    成形材料。
  2. 【請求項2】 1,1-(4-ヒドロキシフェニル)−1-フ
    ェニルエタンと、4,4'-[1,3-フェニレン(1-メチルエ
    チリデン)]ビスフェノールとの使用モル割合が、1:9 〜
    9:1 である請求項1記載の光記録媒体用成形材料。
  3. 【請求項3】 1,1-(4-ヒドロキシフェニル)−1-フ
    ェニルエタンと、4,4'-[1,3-フェニレン(1-メチルエ
    チリデン)]ビスフェノールの合計100モル部に対し
    て、3官能以上のフェノール性水酸基を有する化合物
    を、0.2 〜3.0 モル部添加してなる請求項1記載の光記
    録媒体用成形材料。
  4. 【請求項4】 3官能以上のフェノール性水酸基を有
    する化合物が、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)
    エタン、4,4'-[1-[4-[1-(4-ヒドロキシフェニル)−1-
    メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノー
    ル、及び2,4,6-トリス(4-ヒドロキシフェニル)−2,6-
    ジメチル−3-ヘプテンからなる群より選択された少なく
    とも1種類である請求項1記載の光記録媒体用成形材
    料。
  5. 【請求項5】 アルカリ水溶液と有機溶媒存在下で、
    1,1-(4-ヒドロキシフェニル)−1-フェニルエタン、
    4,4'-[1,3-フェニレン(1-メチルエチリデン)]ビスフェ
    ノール、及び3官能以上のフェノール性水酸基を有す
    る化合物に、ホスゲンを吹き込んだ後、第4級アンモニ
    ウム塩を添加し重縮合反応を開始させ、次に分子量調節
    剤となる一価フェノールを添加し、更に3級アミン重合
    触媒を添加し、重縮合を促進せしめることを特徴とする
    請求項1記載の光記録媒体用成形材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 分子量調節剤と3級アミンを同時に添加
    する請求項5記載の光記録媒体用成形材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 第4級アンモニウム塩が、トリエチルベ
    ンジルアンモニウムクロライドまたはトリメチルベンジ
    ルアンモニウムクロライドである請求項5記載の光記録
    媒体用成形材料の製造方法。
JP11140136A 1999-05-20 1999-05-20 光記録媒体用成形材料 Pending JP2000327767A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11140136A JP2000327767A (ja) 1999-05-20 1999-05-20 光記録媒体用成形材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11140136A JP2000327767A (ja) 1999-05-20 1999-05-20 光記録媒体用成形材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000327767A true JP2000327767A (ja) 2000-11-28

Family

ID=15261729

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11140136A Pending JP2000327767A (ja) 1999-05-20 1999-05-20 光記録媒体用成形材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000327767A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7317067B2 (en) 2002-03-28 2008-01-08 Teijin Chemicals Polycarbonate copolymer, and heat resistant parts comprising the same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7317067B2 (en) 2002-03-28 2008-01-08 Teijin Chemicals Polycarbonate copolymer, and heat resistant parts comprising the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001055435A (ja) 光記録媒体用成形材料
EP1165652B1 (en) Polycarbonates siutable for use in optical articles
EP1169703B1 (en) Polycarbonates derived from alicyclic bisphenols
JP3486989B2 (ja) 光記録媒体用成形材料
KR20090057943A (ko) 폴리카보네이트 수지 및 이를 사용한 광학용 재료
US6436503B1 (en) Data storage medium containing polyestercarbonate
JP2005520925A (ja) コポリカーボネート組成物並びに関連する物品及び方法
EP1223184B1 (en) Polycarbonate resin
JP2000302857A (ja) 光記録媒体用成形材料
JP3525963B2 (ja) 光記録媒体用成形材料
JPH11269259A (ja) 光記録媒体用成形材料
JP4314695B2 (ja) 光記録媒体用成形材料
JP2001055436A (ja) 光記録媒体用成形材料
JP4492774B2 (ja) 光情報記録媒体用カバー層フィルム
JP2000327765A (ja) 光記録媒体用成形材料
JP2000327767A (ja) 光記録媒体用成形材料
JP2000302858A (ja) 光記録媒体用成形材料
JP2000327766A (ja) 光記録媒体用成形材料
JP4207309B2 (ja) 光記録媒体用成形材料
JPS63223034A (ja) ポリカ−ボネ−ト共重合体
JP2000319377A (ja) 光記録媒体用成形材料
JP2000306267A (ja) 光記録媒体用成形材料
JP2000319376A (ja) 光記録媒体用成形材料
JP2000327764A (ja) 光記録媒体用成形材料
JP2000302856A (ja) 光記録媒体用成形材料