JP2000302709A - 操作性に優れたベンジルアルコールの製造方法 - Google Patents
操作性に優れたベンジルアルコールの製造方法Info
- Publication number
- JP2000302709A JP2000302709A JP2000014052A JP2000014052A JP2000302709A JP 2000302709 A JP2000302709 A JP 2000302709A JP 2000014052 A JP2000014052 A JP 2000014052A JP 2000014052 A JP2000014052 A JP 2000014052A JP 2000302709 A JP2000302709 A JP 2000302709A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- methanol
- benzyl
- acetate
- benzyl acetate
- benzyl alcohol
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/10—Process efficiency
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
造方法を提供する。 【解決手段】 酢酸ベンジル、メタノール、水及び塩基
性触媒を反応蒸留塔に供給し、塩基性触媒の存在下で酢
酸ベンジルとメタノールを接触反応させベンジルアルコ
ールを製造方法において、酢酸ベンジルの供給位置(供
給段)より上部に酢酸メチルとメタノールの精留部を設
け、塔頂混合物の一部を還流する、かつその際の還流比
Xと酢酸ベンジルの供給量に対するメタノールの供給量
をモル比で表す値Yとの関係が次式 Y≧1.507+0.662/(X+0.444) (式中、X>0)の関係にあるようにする。
Description
の製造方法に関するものである。更に詳しくは、酢酸ベ
ンジルをメタノールでエステル交換させて得られるベン
ジルアルコールの製造方法に関するものである。
剤であり、塗料、樹脂の剥離剤、光沢付与剤、香料の揮
発保留剤、写真の発色現像助剤等の用途のほかに、無毒
性のため医薬用添加物、農薬や医薬等の中間体としても
極めて重要な化合物である。
ては、次の方法が知られている。
水分解する方法。
還元する方法。
する方法。
ル交換反応法。
当量以上のNaOHを使用するため有機物を含む多量の
食塩水が副生し、その廃水処理が大変である。2)の方
法は、原料のベンズアルデヒドが比較的高価であり、経
済的でない。3)の方法は、平衡転化率が低く、また多
量の水を使用するため分離精製工程が複雑で多量のエネ
ルギーを消費するなど工業的に問題点が多い。
が高く、かつ反応も速いため反応蒸留方式を用いれば容
易に高転化率が得られる有効な方法である。その例とし
て、酢酸ベンジルをメタノールでエステル交換させてベ
ンジルアルコールを製造する方法が、特開平10−16
8007号公報に記載されている。この方法は、酢酸ベ
ンジルを反応蒸留塔の上部から供給し、メタノールを反
応蒸留塔の下部から供給して、塩基性触媒の存在下、酢
酸ベンジルとメタノールを向流的に接触反応させ、酢酸
メチルとメタノールを主成分とする塔頂留分と、メタノ
ールとベンジルアルコールを主成分とする塔底液を得、
反応蒸留塔の塔底液をメタノール分離塔に供給し蒸留し
て、メタノールを主成分とする塔頂留分とベンジルアル
コールを主成分とする塔底液に分離し、メタノール分離
塔の塔頂液を反応蒸留塔へ循環させ、メタノール分離塔
の塔底液をアルコール精製塔に供給し蒸留してベンジル
アルコールを得る方法である。この方法は、酢酸ベンジ
ルの転化率が高く、ベンジルアルコールが高収率で得ら
れる点で工業的に優れた方法である。
10−168007号公報に記載の方法は、原料の酢酸
ベンジルやメタノール中に不純物として酢酸や安息香酸
等の酸性物質又は水を多く含む場合には、触媒が失活し
たり、塔内で固形物が析出して閉塞トラブルを招くこと
があり、反応蒸留塔の操作安定性において十分ではなか
った。このため、これらの不純物を多く含む場合は、前
もってトラブルが起きないように、これらの不純物を分
離除去する必要がありプロセスの経済性に問題があっ
た。
て困難で、かつ反応中に触媒と塩を形成するような化合
物が混入した場合、同公報に記載の技術では対応できな
い場合があった。例えば、不純物として、オルソ体、メ
タ体、パラ体のクレシルアセテート類を含む場合がそれ
に該当する。クレシルアセテート類を含む場合は、原料
の酢酸ベンジルとの沸点差が2〜7℃と小さいため(標
準沸点差で2〜7℃)、前もって蒸留分離することが困
難である。原料の酢酸ベンジル中にクレシルアセテート
類を含んだまま使用すると、エステル交換や鹸化反応に
よってこれらクレシルアセテート類が弱酸性のクレゾー
ル類へ転化され、その結果、酢酸や安息香酸を含む場合
と同様なトラブルを招くことが避けられなかった。
れたものであり、その目的は、原料中に含まれる不純物
の許容濃度が高く、操作安定性に優れた高純度ベンジル
アルコールの経済的製造法を提供することである。
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、反応蒸留塔
において、酢酸ベンジルとメタノールをエステル交換反
応させる方法を改良することによって、原料中の水や不
純物に対して閉塞トラブルの心配がない操作安定性に優
れたエステル交換反応法を見出し、本発明を完成するに
至った。
ール、水及び塩基性触媒を反応蒸留塔に供給し、塩基性
触媒の存在下で酢酸ベンジルとメタノールを接触反応さ
せベンジルアルコールを製造する方法において、酢酸ベ
ンジルの供給位置(供給段)より上部に酢酸メチルとメ
タノールの精留部を設け、塔頂混合物の一部を還流する
こと、かつその際の還流比Xと酢酸ベンジルの供給量に
対するメタノールの供給量をモル比で表す値Yとの関係
が次式 Y≧1.507+0.662/(X+0.444) (式中、X>0)の関係にあることを特徴とするベンジ
ルアルコールの製造方法である。
ノールと反応させて、ベンジルアルコールと酢酸メチル
を得るエステル交換反応は、平衡反応である。平衡をず
らして反応を有利に行うために原料の酢酸ベンジルに対
してメタノールを過剰に使用し、蒸留塔を使用してもう
一方の生成物の酢酸メチルを除去しながら反応を行わせ
る。メタノールは、反応によって生成する酢酸メチルと
最低共沸混合物を形成する。(オーム社、有機合成化学
協会編「溶剤ポケットブック」によれば、メタノールの
共沸組成は19.5wt%で、共沸温度は54℃であ
る。)したがって、留出する塔頂混合物中のメタノール
濃度はこの共沸組成以上であり、残りのメタノールが塔
底から排出されることになる。
給位置(供給段)より上部に酢酸メチルとメタノールの
精留部を設け、塔頂混合物の一部を還流することであ
り、もう一つの特徴は、反応蒸留塔へ供給する酢酸ベン
ジルの供給量に対するメタノールの供給量の比(モル比
で表し、以下原料モル比と呼ぶ)を、そのときの還流比
(一般の定義と同じく、留出量に対する塔内へ還流する
還流量の比をいう)に見合った原料モル比にすることで
ある。
等と共に反応蒸留塔内に水が持ち込まれその結果生成す
る塩類や、原料中の不純物と触媒が反応して生成する塩
類の析出によって塔内がスケーリングしたり閉塞したり
することがなく安定した運転ができ、経済的に高転化率
で酢酸ベンジルをベンジルアルコールに変えることがで
きる。
ルとしては、その製法は問わないが、不純物としてフェ
ノール誘導体、芳香族基を有する酢酸エステル又はカル
ボン酸等を含む酢酸ベンジルからエステル交換によって
ベンジルアルコールを製造するときに、本発明は特に効
果を発揮する。具体例を挙げると、トルエンの酸化アセ
トキシル化法によって製造される酢酸ベンジルを原料と
して用いる場合等である。これら酢酸ベンジル中の不純
物は、塩基性触媒と反応し触媒を消費するため少ないほ
ど好ましいが、前述したようにクレシルアセテート類の
ような分離が困難な不純物については、その許容量の大
小がプロセス存続の鍵を握る。本発明の方法によれば、
酢酸ベンジル中のクレシルアセテート類の許容濃度は十
分に高く、1wt%含有していても閉塞トラブルを起こ
すことなく目的の反応が可能である。また、安息香酸の
場合は0.1wt%、酢酸の場合は1wt%含有してい
ても実用上問題がないなど他の不純物の許容濃度も高
い。もう一つの原料であるメタノールは、余剰分を蒸留
回収する一方、エステル交換して得られる生成物の一つ
である酢酸メチルを加水分解して、酢酸とメタノールと
して回収すれば、供給量の殆どを回収し循環使用でき、
メイクアップ量はわずかでよい。
触媒と共に反応蒸留塔へある程度の水が混入することは
問題ない。本発明のように酢酸ベンジルの供給段より上
部に濃縮部を設け還流することによって塔内のメタノー
ル濃度が高められる場合には、水はメタノールとの相互
作用によって原料中の不純物と触媒との反応によって生
成の塩類によるスケーリングや閉塞トラブルを抑制する
働きをすることがあるため、積極的に供給することもで
きる。しかし、多すぎると鹸化反応量が増加し、触媒失
活量が増加して本来のエステル交換反応の進行が阻害さ
れ酢酸ベンジルの転化率を低下させる。その上限は要求
される酢酸ベンジルの転化率によって異なるが、酢酸ベ
ンジルの供給量に対する水の全供給量(触媒や回収メタ
ノールと共に持ち込まれる量を含む)で表すと、通常、
重量比で0.025以下、好ましくは0.02以下であ
る。
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金
属の水酸化物や、ナトリウムアルコラート、カリウムア
ルコラート等のアルコラート等が使用できる。安価な点
で水酸化ナトリウムが好適であり、取り扱いが容易なこ
とから、その水溶液が最適である。このように水溶液の
形態で触媒を使用できるのも本発明の特徴の一つであ
る。
不純物の種類と濃度によって変わるため一律には言えな
いが、酢酸ベンジルの供給量に対して塩基性触媒の供給
量の比で表すと、重量比で0.00005〜0.05、
好ましくは0.0005〜0.01である。
は、通常の棚段塔や充填塔が使用できる。酢酸ベンジル
の供給位置(供給段)より上部に設ける酢酸メチルとメ
タノールの精留部の理論段数は、2〜20段、好ましく
は3〜10段である。段数が少なすぎると精留効果がな
く、塩類のスケーリングや閉塞トラブルの抑制効果が小
さい。しかし段数を多くしすぎても一定の効果以上は期
待できない。一方、反応蒸留塔の酢酸ベンジルの供給位
置(供給段)より下部の段数は、酢酸ベンジルの供給量
に対する塩基性触媒の供給量及び原料モル比によって異
なるが、理論段数として、3〜50段が適当である。
がなく高転化率で酢酸ベンジルをベンジルアルコールに
変えるためには、該反応蒸留塔の塔頂の還流比Xと原料
モル比Yの関係が極めて重要である。その関係は次式で
表される。
ためには次式で表される関係が好ましい。
(横軸)と原料モル比Y(縦軸)の関係を図に示す。
たものでいずれも閉塞トラブルがなかったところであ
る。一方×印は、比較例をプロットしたものでいずれも
反応蒸留塔内で塩類が析出して閉塞し運転が継続できな
くなったところである。また、曲線は、塔内で閉塞トラ
ブルが起きることなく運転できる境界線を示し、上式
(1)の関係を表している。
塔内のスケーリングや閉塞トラブルを抑制し、エステル
交換反応を有利に進めるが、大きくしすぎるとエネルギ
ー消費量が増大し経済的でない。通常、実用的な原料モ
ル比は15以下、好ましくは10以下であり、実用的な
還流比は10以下好ましくは5以下である。エネルギー
消費量に及ぼす該還流比の大小の影響は該反応蒸留塔の
みに関係することであるのに対し、原料モル比の大小は
後工程におけるメタノール回収のエネルギー消費量にも
影響する。したがって、原料モル比と還流比の最適な組
み合わせについては、設備費とエネルギーコストを勘案
して選択するのが好ましい。
特に限定はしない。触媒は、酢酸ベンジルとメタノール
の反応を行わせるところに存在するように供給する。通
常は、酢酸ベンジルの供給位置(供給段)に対して、同
じ位置(段)である。メタノールは同じ位置(段)か、
両者の沸点を考慮してそれより下部の位置(段)に供給
することができる。メタノールが十分に予熱されずに、
供給する位置(段)の塔内温度より低い温度で供給され
る場合は酢酸ベンジルの供給位置(供給段)より上部か
ら供給することも可能である。しかしメタノールの最も
好ましい供給位置(供給段)は、反応がより多く進行
し、その分原料中の不純物と触媒の反応により生成する
塩類も多く、該塩類の析出・スケーリングの可能性が高
い酢酸ベンジルの供給位置(供給段)又はその直下付近
である。したがって、好ましい位置関係は、触媒、メタ
ノール及び酢酸ベンジルを同じ位置(段)に供給するこ
とである。更に好ましくは、触媒とメタノールの一部又
は全部を予め混合した上で、酢酸ベンジルの供給位置
(供給段)へ供給するのが好ましい。
が、塔頂の主成分である酢酸メチルとメタノールの蒸気
圧を考慮すると常圧で操作するのが最も合理的である。
られるベンジルアルコールとメタノールを主成分とする
混合物は、ベンジルアルコールの分離精製工程へ送られ
蒸留等によって不純物が除去されて製品化される。一
方、反応蒸留塔の塔頂から得られる酢酸メチルとメタノ
ールを主成分とする留出混合物は、そのままあるいはメ
タノールの一部を蒸留分離した後、酢酸メチルの加水分
解工程へ送られ、反応後酢酸とメタノールに分離回収さ
れ再利用される。
の形態を説明するが、これに限定されるものではない。
を示した工程図である。
給段)より上部に酢酸メチルとメタノールを精留する精
留部を設置した通常の蒸留塔からなる反応蒸留塔を示
す。
る。導管2より塩基性触媒を水溶液の形態で供給する。
導管3、4からメタノールを供給する。導管3からはメ
イクアップのメタノールを供給する。導管4からは酢酸
メチルの加水分解工程B及びメタノール分離工程Cにお
いて回収されたメタノールを供給する。反応蒸留塔Aの
塔頂から得られる酢酸メチルとメタノールを主成分とす
る塔頂混合物の一部は、導管6を通じて反応蒸留塔Aに
還流して、塔頂混合物の組成を酢酸メチルとメタノール
の共沸組成に近くなるように精留することによって塔内
のメタノール濃度、とりわけ酢酸ベンジルの供給位置
(供給段)近傍のメタノール濃度を高める。導管5を通
じて留出の酢酸メチルとメタノールを主成分とする混合
物は、酢酸メチル加水分解工程Bへ送って酢酸メチルを
加水分解し、酢酸とメタノールとして回収する。酢酸メ
チルとして取得する場合は酢酸メチルの分離精製工程
(省略)へ送って精製することもできる。反応蒸留塔A
の塔底から得られるベンジルアルコールとメタノールを
主成分とする缶出混合物は、導管7を通じてメタノール
分離工程Cへ供給してメタノール及び水を分離回収し、
次いでベンジルアルコールの精製工程Dへ送って不純物
を分離除去後ベンジルアルコールとして製品化される。
原料中に含まれる不純物や水の濃度が高くても塔内で閉
塞することがなく、安定した運転のもとに、酢酸ベンジ
ルからベンジルアルコールを経済的に製造することがで
きる。
説明するが、これに限定されるものではない。なお、酢
酸ベンジルの転化率はモル%で表わし、その他の%は重
量%で表わす。
0段、下部に反応部として実段数20段のガラス製オル
ダーショウカラムを配し、塔頂に全縮器と還流比調整
器、塔底にリボイラーを有す連続式蒸留塔を反応蒸留塔
として使用した。
比でオルソ体:メタ体:パラ体=1:3:2)0.59
6%、安息香酸0.0990%、酢酸0.024%、ベ
ンズアルデヒド0.030%、ベンジルアルコール0.
238%、水分0.022%を含む酢酸ベンジル27
2.5g/hを反応蒸留塔に供給した。酢酸ベンジルと
同じ供給部に、不純物として酢酸メチル1.96%と水
分0.124%を含むメタノール118.1g/hと、
47.9%のNaOH水溶液2.21g/hを供給し
た。酢酸ベンジルの供給量に対するメタノールの供給量
の比をモル比で表した原料モル比は2.01であった。
また、酢酸ベンジルの供給量に対する各原料から持ち込
まれる水の合計量の比(重量比で表し、原料持ち込み水
量と呼ぶ、以下同じ)は0.00503であった。塔頂
の還流比を2.4に設定し、生成した酢酸メチルはでき
るだけ留出するようにリボイラーの炊き上げ量を調節し
た。リボイラー内の液温は116℃であった。定常状態
に到達後、留出液と缶出液を採取し、ガスクロマトグラ
フィにより分析したところ、留出液の組成は、酢酸メチ
ル75.0%、メタノール25.0%であった。平均留
出量は172.9g/hであった。缶出液の組成は、酢
酸メチル0.0069%、メタノール6.45%、酢酸
ベンジル0.0055%、ベンジルアルコール91.4
2%であった。酢酸ベンジルの転化率は99.99%以
上の高転化率が得られた。また、酢酸ベンジル中に安息
香酸やクレシルアセテート等の不純物を高濃度含み、か
つ触媒のNaOHやメタノールから多量の水が持ち込ま
れたにもかかわらずカラム内でのスケーリングや閉塞ト
ラブルの気配は全くなかった。
メタノールの供給量を変える以外は実施例1と同様に行
った。結果を表1及び表2にあわせて示す。
と原料モル比を変えると、スケーリングや閉塞トラブル
が生じる場合と、全くその気配がない場合があり、また
原料の酢酸ベンジルの転化率も変化することがわかる。
(理論段数2〜3相当)下にメタノールの供給部を設置
し、メタノールの供給部より下を15段として全体の段
数は実施例1と同じにした。原料の酢酸ベンジルと4
7.9%のNaOH水溶液及びメタノールの供給量は実
施例1と同じものをそれぞれ272.5g/h、2.2
1g/h、118.1g/hで供給した。塔頂還流比は
2.4で行った。
%で酢酸ベンジルの転化率98.6%であった。カラム
内のスケーリングや閉塞トラブルは全く認められなかっ
た。
変更した。酢酸ベンジルの供給部とそれより下のメタノ
ールの供給部との間を25段とし、メタノールの供給部
とリボイラーの間に5段の蒸留塔を設置し合計40段と
した。原料の酢酸ベンジルと47.9%のNaOH水溶
液は実施例1と同じものを同じ位置にそれぞれ207.
1g/hと1.70g/hで供給した。メタノールは実
施例1と同じものを125.5g/h(原料モル比2.
81)で供給した。塔頂還流比は2.4で行った。
%で酢酸ベンジルの転化率は92.0%であった。カラ
ム内のスケーリングや閉塞トラブルは全く認められなか
った。
比較試験するため、実施例11の反応蒸留塔の濃縮部1
0段を取り除き、塔頂還流を実質ゼロにした。更に実施
例11の触媒を和光純薬工業株式会社の28%のナトリ
ウムメチラートを含むメタノール溶液5.11g/hに
変え、原料モル比を該公報の2.81に合わせるためメ
タノールの供給量を161.8g/hにする以外は実施
例11と同様にした。各原料の供給開始後わずか40分
で最上段(酢酸ベンジル供給部の直下)のダウンカマー
がスケーリングによって閉塞し運転を継続することがで
きなくなった。
するための反応蒸留塔の塔頂還流比Xと原料モル比Yの
関係を示したものである。
程図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 酢酸ベンジル、メタノール、水及び塩基
性触媒を反応蒸留塔に供給し、塩基性触媒の存在下で酢
酸ベンジルとメタノールを接触反応させベンジルアルコ
ールを製造する方法において、酢酸ベンジルの供給位置
(供給段)より上部に酢酸メチルとメタノールの精留部
を設け、塔頂混合物の一部を還流すること、かつその際
の還流比Xと酢酸ベンジルの供給量に対するメタノール
の供給量をモル比で表す値Yとの関係が次式 Y≧1.507+0.662/(X+0.444) (式中、X>0)の関係にあることを特徴とするベンジ
ルアルコールの製造方法。 - 【請求項2】 塩基性触媒がアルカリ金属水酸化物であ
ることを特徴とする請求項1に記載のベンジルアルコー
ルの製造方法。 - 【請求項3】 アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウ
ムであることを特徴とする請求項2に記載のベンジルア
ルコールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000014052A JP4507328B2 (ja) | 1999-02-15 | 2000-01-19 | 操作性に優れたベンジルアルコールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3570999 | 1999-02-15 | ||
JP11-35709 | 1999-02-15 | ||
JP2000014052A JP4507328B2 (ja) | 1999-02-15 | 2000-01-19 | 操作性に優れたベンジルアルコールの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000302709A true JP2000302709A (ja) | 2000-10-31 |
JP4507328B2 JP4507328B2 (ja) | 2010-07-21 |
Family
ID=26374701
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000014052A Expired - Fee Related JP4507328B2 (ja) | 1999-02-15 | 2000-01-19 | 操作性に優れたベンジルアルコールの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4507328B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012086808A1 (ja) * | 2010-12-24 | 2012-06-28 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 芳香族アルコール又は複素環式芳香族アルコールの製造方法 |
CN112299955A (zh) * | 2020-11-04 | 2021-02-02 | 江苏科技大学 | 一种去除苯甲醇中苯甲醛杂质的方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10168007A (ja) * | 1996-12-03 | 1998-06-23 | Tosoh Corp | 高純度ベンジルアルコールの製造法 |
-
2000
- 2000-01-19 JP JP2000014052A patent/JP4507328B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10168007A (ja) * | 1996-12-03 | 1998-06-23 | Tosoh Corp | 高純度ベンジルアルコールの製造法 |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012086808A1 (ja) * | 2010-12-24 | 2012-06-28 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 芳香族アルコール又は複素環式芳香族アルコールの製造方法 |
CN103298772A (zh) * | 2010-12-24 | 2013-09-11 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 芳香醇或杂环芳香醇的制造方法 |
EP2657214A1 (en) * | 2010-12-24 | 2013-10-30 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Process for production of aromatic alcohol or heterocyclic aromatic alcohol |
KR20140019301A (ko) * | 2010-12-24 | 2014-02-14 | 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 | 방향족 알코올 또는 복소환식 방향족 알코올의 제조방법 |
EP2657214A4 (en) * | 2010-12-24 | 2014-05-07 | Mitsubishi Gas Chemical Co | PROCESS FOR PRODUCING AROMATIC ALCOHOL OR HETEROCYCLIC AROMATIC ALCOHOL |
US8993774B2 (en) | 2010-12-24 | 2015-03-31 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Process for production of aromatic alcohol or heterocyclic aromatic alcohol |
CN103298772B (zh) * | 2010-12-24 | 2015-06-24 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 芳香醇或杂环芳香醇的制造方法 |
JP5846126B2 (ja) * | 2010-12-24 | 2016-01-20 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 芳香族アルコール又は複素環式芳香族アルコールの製造方法 |
KR101661531B1 (ko) | 2010-12-24 | 2016-09-30 | 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 | 방향족 알코올 또는 복소환식 방향족 알코올의 제조방법 |
CN112299955A (zh) * | 2020-11-04 | 2021-02-02 | 江苏科技大学 | 一种去除苯甲醇中苯甲醛杂质的方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4507328B2 (ja) | 2010-07-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1343747B1 (en) | Process for the simultaneous coproduction and purification of ethyl acetate and isopropyl acetate | |
KR100414249B1 (ko) | 아세트산의정제방법 | |
JP3934163B2 (ja) | アクリル酸ブチルの精製方法 | |
WO2010090258A1 (ja) | (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 | |
JP2003026633A (ja) | メタクリル酸エステルの製造方法 | |
JP2002371037A (ja) | 高純度ジメチルカーボネートの製造方法 | |
JP2000302709A (ja) | 操作性に優れたベンジルアルコールの製造方法 | |
JP3608927B2 (ja) | 飽和脂肪族カルボン酸アミドの製造方法 | |
CN111233667A (zh) | 一种改进制备甲基丙烯酸甲酯的方法 | |
JP2000302708A (ja) | 改良されたベンジルアルコールの製造方法 | |
JPH0421657A (ja) | ブラックアシッドからのアクリル酸および/またはアクリル酸エチルの回収 | |
JPH03181440A (ja) | アクリル酸の蒸留精製方法 | |
JP4204097B2 (ja) | メタクリル酸メチルの製造方法 | |
JP4162883B2 (ja) | エチレンカーボネートの回収方法 | |
JPS6216937B2 (ja) | ||
JP3890641B2 (ja) | 高純度ベンジルアルコールの製造法 | |
KR100719199B1 (ko) | 초산의 회수방법 | |
JP5748482B2 (ja) | カルボン酸エステルの製造方法 | |
JP4356342B2 (ja) | エチレングリコールの精製方法 | |
JPH01249743A (ja) | メタクリル酸のメタクリル酸メチルとしての回収方法 | |
JP2002155002A (ja) | オルト位アルキル化ヒドロキシ芳香族化合物の製造法 | |
JP2003183265A (ja) | プロピレンオキサイドの精留塔 | |
KR100476271B1 (ko) | 메틸아세테이트와 알코올로부터 초산에스테르를 제조하는공정 | |
JP4240771B2 (ja) | (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 | |
JP2003104937A (ja) | エステル交換法ジアルキルカーボネートの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061221 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091117 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100118 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100413 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100426 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140514 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |