JP2000302614A - トリフェニル(オクタデシルアミン)ボロンと有機窒素化合物を含有する漁網防汚剤 - Google Patents

トリフェニル(オクタデシルアミン)ボロンと有機窒素化合物を含有する漁網防汚剤

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JP2000302614A
JP2000302614A JP11118852A JP11885299A JP2000302614A JP 2000302614 A JP2000302614 A JP 2000302614A JP 11118852 A JP11118852 A JP 11118852A JP 11885299 A JP11885299 A JP 11885299A JP 2000302614 A JP2000302614 A JP 2000302614A
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dichloro
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JP11118852A
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Akira Shimada
朗 嶋田
Masanori Kohara
正則 古原
Masaaki Yoshimaru
正哲 吉丸
Keiji Shibuya
恵史 渋谷
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Yoshitomi Fine Chemicals Ltd
Original Assignee
Yoshitomi Fine Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】環境に与える影響も少なく、取り扱いも容易で
あり安全に使用でき、また低い使用濃度でもあっても長
期にわたり優れた水棲生物付着を防止する効果を持続で
きる漁網防汚剤を提供する。 【解決手段】一般式(1)に示すビストリフェニル(ア
ルキレンジアミン)ボロンと、2−第3級ブチルアミノ
−4−シクロプロピルアミノ−6−メチルチオ−1,
3,5−トリアジンおよび/または4,5−ジクロロ−
2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オンとを組み
合わせて用いることにより、上記課題を解決できる水中
防汚塗料を得ることができる。 (式中、Rは炭素数3から30までのアルキル基を示
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は養殖用または定置用
の漁網、あるいは、漁網に使用される浮き子とロープな
どの資材などに対し使用することにより、腔腸動物、貝
類、管棲多毛類、および、その他の海棲付着生物による
汚損を防止し、さらに、有効成分が有機溶剤に可溶であ
るために、網染めの作業性などが大きく改善された漁網
防汚剤に関する。
【0002】
【従来の技術】養殖用または定置用の漁網類は、海中に
長期間保持されるため、ヒドロ虫などの腔腸動物、貝
類、管棲多毛類、海藻類、コケムシ、軟体動物類などの
海棲汚損生物が激しく付着する。汚損生物の付着は、漁
網に大きな経済的損失を与えるため、多大の労力と費用
をかけて、これら被汚損対象物の保守に努めているのが
現状である。
【0003】これまで、付着生物への対策として種々の
研究、提案がなされてきた。実用的には一連の有機錫化
合物が有効であることが知られている。しかし、有機錫
化合物は概して毒性が強く、これらを含有する商品を不
用意に取り扱うと取扱者に障害を及ぼす恐れがあるうえ
に、環境に与える影響も懸念される。この様な理由から
低公害性の水中防汚剤の出現が望まれるようになり、従
来、各種の漁網防汚剤が開発され、また実用されてい
る。
【0004】特開平8−295608号公報には、トリ
フェニルボラン−アルキルアミン錯化合物は、漁網防汚
剤の水中防汚剤の有効成分であることが記載されてい
る。
【0005】一般式(1)により表されるトリフェニル
ボラン−アルキルアミン錯化合物は水中に入れるとベン
ゼン、ホウ酸、オクタデシルアミンに分解され、しかも
これら分解生成物はいずれも生分解されることから、環
境中で容易に分解する物質であり、漁網防汚剤の有効成
分として有用なものであるが、さらに少量で効果が優れ
た漁網防汚剤が求められている。
【0006】また、「船底塗料の新規防汚剤に関する調
査研究成果報告書」、(社団法人日本造船研究協会発行
の第209研究部会資料、平成5年3月)には、2−第
3級ブチルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6−メ
チルチオ−1,3,5−トリアジン(以下「化合物B」
ともいう。)、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−
イソチアゾリン−3−オン(以下「化合物C」ともい
う。)が記載されている。
【0007】一方、2−第3級ブチルアミノ−4−シク
ロプロピルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリ
アジン(化合物B)や4,5−ジクロロ−2−n−オク
チル−イソチアゾリン−3−オン(化合物C)を有効成
分として含有する漁網防汚剤は、高濃度含有した場合は
一応の効果が認められるものの、10重量%程度含有す
る場合には、実用性に乏しいほど効果が低いことが知ら
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】環境に与える影響も少
なく、取り扱いも容易であり安全に使用でき、また低い
使用濃度でもあっても長期にわたり優れた水棲生物付着
を防止する効果を持続できる漁網防汚剤が提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記した要
望に合致した新規な漁網防汚剤を開発すべく鋭意検討し
た結果、一般式(1)
【0010】
【化5】
【0011】(式中、R1は炭素数3から30までのア
ルキル基を示す。)により表されるトリフェニルボラン
−アルキルアミン錯化合物の1種または2種以上と、2
−第3級ブチルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6
−メチルチオ−1,3,5−トリアジンおよび/または
4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン
−3−オンを併せて配合することにより、低い使用濃度
であっても、長期にわたり優れた水棲生物付着を防止す
る効果を持続できる漁網防汚剤を見出した。
【0012】すなわち、 [1]:一般式(1)
【0013】
【化6】
【0014】(式中、R1は炭素数3から30までのア
ルキル基を示す。)により表されるトリフェニルボラン
−アルキルアミン錯化合物の1種または2種以上と、2
−第3級ブチルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6
−メチルチオ−1,3,5−トリアジンおよび/または
4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン
−3−オンとを含有することを特徴とする漁網防汚剤、
【0015】[2]:一般式(1)により表されるトリ
フェニルボラン−アルキルアミン錯化合物の1種または
2種以上と、2−第3級ブチルアミノ−4−シクロプロ
ピルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン
とを含有することを特徴とする漁網防汚剤、
【0016】[3]: 一般式(1)により表されるト
リフェニルボラン−アルキルアミン錯化合物の1種また
は2種以上と、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−
イソチアゾリン−3−オンとを含有することを特徴とす
る漁網防汚剤、
【0017】[4]:一般式(1)により表されるトリ
フェニルボラン−アルキルアミン錯化合物が、トリフェ
ニル(n−オクタデシルアミン)ボロンであることを特
徴とする[1]、[2]、または[3]に記載の漁網防
汚剤に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】一般式(1)により表されるトリ
フェニルボラン−アルキルアミン錯化合物は、ベリッヒ
テ(Berichte)第57B巻 第813ページ
(1924年)、米国特許第3211679号公報、ジ
ャーナル・オブ・オーガニックメタル・ケミストリー
(J.Organomet.Chem.)第8巻 第4
11ページ(1967年)、特開平8−295608号
公報、特開平8−311074号、または特願平10−
203612号になどに記載の方法に準じて合成するこ
とができる。
【0019】一般式(1)により表されるトリフェニル
ボラン−アルキルアミン錯化合物のR1は、炭素数3〜
18の直鎖または分岐のアルキル基であれば特に限定さ
れるものではないが、n−プロピル基、または炭素数が
8から18のアルキル基(例えば、2−エチルヘキシル
基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n
−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル
基、n−オクタデシル基、3−エチルヘキシル基、2,
2−ジメチルヘキシル基、2,3−ジメチルヘキシルな
ど)が好ましく、特に、n−プロピル基、n−オクチル
基、n−ドデシル基、n−ヘキサシル基、n−オクタデ
シル基などが好ましく、なかでもn−オクタデシル基が
最も好ましい。
【0020】また、一般式(1)により表される化合物
は、炭素数3から18までの2種以上のアルキルアミン
化合物を含有したアルキルアミン組成物を用いて合成し
たトリフェニルボラン−アルキルアミン組成物であって
もよい。
【0021】一般式(1)により表される化合物として
は、トリフェニル(オクタデシルアミン)ボロンが最も
好ましい。
【0022】2−第3級ブチルアミノ−4−シクロプロ
ピルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン
は、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の商
品名「イルガロール(Irgarol)−1051」)
を用いることができる。
【0023】4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−イ
ソチアゾリン−3−オンは、ローム・アンド・ハース・
ジャパン株式会社製の商品名「シーナイン(Sea−N
ine)」)を用いることができる。
【0024】一般式(1)により表されるトリフェニル
ボラン−アルキルアミン錯化合物の配合量は、漁網防汚
剤の適用環境によって任意に変更できるが、通常1重量
%から20重量%未満、好ましくは2重量%から15重
量%未満である。特に好ましくは3重量%から8重量%
未満である。
【0025】化合物Bの有効成分の配合量は、適用環境
によって任意に変更できるが、漁網防汚剤の適用環境に
よって任意に変更できるが、通常0.1重量%から10
重量%未満、好ましくは1重量%から5重量%未満であ
り、特に好ましくは2重量%から4重量%未満である。
【0026】化合物Cの有効成分の配合量は、適用環境
によって任意に変更できるが、漁網防汚剤の適用環境に
よって任意に変更できるが、通常0.1重量%から10
重量%未満、好ましくは1重量%から5重量%未満であ
り、特に好ましくは2重量%から4重量%未満である。
【0027】また、一般式(1)により表されるトリフ
ェニルボラン−アルキルアミン錯化合物と、化合物Bの
混合重量比は任意の割合とすることができるが、好まし
くは1:0.1〜1:10の範囲であることができ、さ
らに好ましくは1:0.1〜1:2、特に、1:0.5
〜1:2の範囲であることができる。
【0028】さらに必要に応じて、本発明の漁網防汚剤
に以下の化合物を配合することもできる。
【0029】さらに必要に応じて、本発明の漁網防汚剤
に配合することもできる化合物は、
【0030】1,3−ジシアノテトラクロロベンゼン
(以下、化合物(2)ともいう)、
【0031】2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチア
ゾール(以下、化合物(3)ともいう)、
【0032】一般式(2)
【0033】
【化7】
【0034】(式中、R2は、炭素数1〜4個のアルキ
ル基を示す。)により表されるテトラアルキルチウラム
ジスルフィッド類(以下、化合物群(2)ともいう。)
からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物、
【0035】一般式(3)
【0036】
【化8】
【0037】(式中、R3は水素原子、アルキル基、ハ
ロゲン置換アルキル基、シクロアルキル基、フェニル
基、アルキル置換フェニル基、ハロゲン置換フェニル
基、ベンジル基、アルキル置換ベンジル基、ハロゲン置
換ベンジル基を示す。)により表される2,3−ジクロ
ロマレイミド類(以下、化合物群(3)ともいう)から
なる群から選ばれる1種または2種以上の化合物、
【0038】一般式(4)
【0039】
【化9】
【0040】(式中、R4、R5、およびR6は、同一ま
たは異なってもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン
置換アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、ハロ
ゲン原子、アルコキシ基、カルボニル基、アルケニル
基、アラルキル基を示す。)により表されるフェノール
類(以下、化合物群(4)ともいう。)からなる群から
選ばれる1種または2種以上の化合物、
【0041】溶出調整剤として、一般式(5)
【0042】
【化10】
【0043】(式中、R7は炭素数1〜20個のアルキ
ル基を示し、nは2〜10の整数を示す。)により表さ
れるジアルキルポリスルフィッド類(以下、化合物群
(5)ともいう)からなる群から選ばれる1種または2
種以上の化合物、
【0044】平均分子量が200〜1000を有するポ
リブテン、
【0045】パラフィン類、
【0046】およびワセリンである。
【0047】化合物群(2)のR2は、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基が挙げら
れる。
【0048】化合物群(2)の化合物としては、テトラ
メチルチウラムジスルフィッド、テトラエチルチウラム
ジスルフィッド、テトライソプロピルチウラムジスルフ
ィッド、テトラ−n−ブチルチウラムジスルフィッドな
どが挙げられる。
【0049】化合物群(3)のR3におけるアルキル基
とはエチル基、イソプロピル基、ブチル基、第3級ブチ
ル基、オクチル基などが、ハロゲン置換アルキル基とは
ジクロロメチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチ
ル基などが、シクロアルキル基とはシクロヘキシル基な
どが、アルキル置換フェニル基とはジメチルフェニル
基、ジエチルフェニル基、メチルエチルフェニル基など
が、ハロゲン置換フェニル基とはジクロロフェニル基な
どが、アルキル置換ベンジル基とはメチルベンジル基、
ジメチルベンジル基、ジエチルベンジル基、α−メチル
ベンジル基などが、ハロゲン置換ベンジル基とはクロロ
ベンジル基、ジクロロベンジル基などが挙げられる。
【0050】化合物群(3)の化合物としては、2,3
−ジクロロ−N−エチルマレイミド、2,3−ジクロロ
−N−イソプロピルマレイミド、2,3−ジクロロ−N
−n−ブチルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−第3
級ブチルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−n−オク
チルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−シクロヘキシ
ルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−ベンジルマレイ
ミド、2,3−ジクロロ−N−(2−クロロベンジル)
マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(4−クロロベン
ジル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2−メチ
ルベンジル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−
(2,4−ジメチルベンジル)マレイミド、2,3−ジ
クロロ−N−(3,4−ジメチルベンジル)マレイミ
ド、2,3−ジクロロ−N−α−メチルベンジルマレイ
ミド、2,3−ジクロロ−N−(2,4−ジクロロベン
ジル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2−エチ
ル−6−メチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロ
ロ−N−(2,6−ジメチルフェニル)マレイミド、
2,3−ジクロロ−N−(2,6−ジエチルフェニル)
マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2,4−ジエチ
ルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−
(2,4,6−トリメチルフェニル)マレイミドなどま
たはその混合物が挙げられる。
【0051】化合物群(4)のR4、R5、またはR6
おけるアルキル基とはメチル基、エチル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、第3級ブチル基、ノニル基などが、ハ
ロゲン置換アルキル基とはジクロロメチル基、ジクロロ
エチル基、トリクロロエチル基などが、シクロアルキル
基とはシクロヘキシル基などが、ハロゲン原子とはフッ
素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が、アルコキ
シ基とはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基など
が、アルケニル基とはビニル基、アリル基、イソプロペ
ニル基などが、アラルキル基とはクミル基などが挙げら
れる。
【0052】化合物群(4)の化合物としては、ノニル
フェノール、クミルフェノール、4,6−ジ第3級ブチ
ル−m−クレゾール、1−シクロヘキシル−5−メチル
フェノール、2,6−ジ第3級ブチル−p−クレゾー
ル、2−フェニルフェノール、2−ブチル−6−エチル
−4−イソプロピルフェノール、2−ブロモ−6−クロ
ロ−4−ジクロロメチルフェノール、2−フルオロ−4
−ヨ−ド−3−トリクロロエチルフェノール、3−ヒド
ロキシ−5−メトキシ安息香酸、4−エトキシ−2−ビ
ニルフェノールなどが挙げられる。
【0053】溶出調整剤として使用される化合物群
(5)のR7は、エチル基、プロピル基、第3級ブチル
基、第3級アミル基、第3級ノニル基、第3級ドデシル
基、ノナデシル基が好ましい。
【0054】溶出調整剤として使用される化合物群
(5)としては、ジエチルペンタスルフィッド、ジプロ
ピルテトラスルフィッド、ジ第3級ブチルジスルフィッ
ド、ジ第3級ブチルテトラスルフィッド、ジ第3級アミ
ルテトラスルフィッド、ジ第3級ノニルペンタスルフィ
ッド、ジ第3級ドデシルペンタスルフィッド、ジノナデ
シルテトラスルフィッドなどが挙げられる。また、これ
らの混合物であってもよい。
【0055】溶出調整剤として使用される平均分子量が
200〜1000を有するポリブテンとしては、例え
ば、日本石油(株)製のLV−5、LV−10、LV−
25、LV−50、LV−100、HV−15、HV−
35、HV−50、HV−100、HV−300などが
挙げられ、これらの混合物であってもよい。
【0056】溶出調整剤として使用されるパラフィン類
には、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、
塩化パラフィンなどが挙げられ、これらの混合物であっ
てもよい。
【0057】溶出調整剤として使用されるワセリンに
は、白色ワセリン、黄色ワセリンが挙げられる。
【0058】溶出調整剤として使用される化合物群
(5)、ポリブテン、パラフィン類、およびワセリンか
ら選ばれる化合物の配合量は、3〜20重量%、望まし
くは5〜10重量%である。その各溶出調整剤の混合比
は、使用条件により任意に変更できる。
【0059】本発明の漁網防汚剤は通常の方法で容易に
製造できる。たとえば有効成分のトリフェニルボラン−
アルキルアミン錯化合物の1種または2種以上と、化合
物B、化合物C、または化合物Bと化合物Cとに、溶出
調整剤として選ばれる化合物群(5)、ポリブテン、パ
ラフィン類およびワセリンの1種または2種以上、およ
び樹脂、さらに必要に応じて化合物群(2)、化合物群
(3)、化合物群(4)を加えて、有機溶剤で溶解させ
ればよい。
【0060】ここで、使用される樹脂としては、基材表
面に塗膜を形成するための塗膜形成性樹脂であって、従
来の漁網防汚剤に通常用いられている樹脂と同様のもの
が使用できる。たとえば、ロジン樹脂、アクリル樹脂、
ポリブテン樹脂、塩化ゴム樹脂、塩化ビニル樹脂、アル
キッド樹脂、クマロン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹
脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂などが挙げられ
る。これらの樹脂の1種を使用することもできるし2種
以上を併用することもできる。また、樹脂は特にこれら
に限定されるものではない。特に、アクリル樹脂が好ま
しい樹脂である。
【0061】また、有機溶剤としては、本発明の有効成
分であるトリフェニルボラン−アルキルアミン錯化合
物、化合物Bおよび/または化合物Cと、1,3−ジシ
アノテトラクロロベンゼン、2−(チオシアノメチルチ
オ)ベンゾチアゾール、化合物群(2)、化合物群
(3)、化合物群(4)、および化合物群(5)から選
ばれる化合物を溶解させる溶剤を使用することができ
る、たとえば芳香族系炭化水素類であるベンゼン、トル
エン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ク
メン、メチルナフタレン、プソイドクメン、ジエチルベ
ンゼン、トリエチルベンゼン、メシチレン、ソルベント
ナフサなど、或いは脂肪族炭化水素類であるブタノー
ル、イソプロパノール、メチルイソブチルケトン、ヘキ
サンなどが挙げられる。また、これらの混合物であって
もよい。
【0062】本発明の漁網防汚剤は、低毒性で安全性が
高く、かつ、長期にわたってヒドロ虫などの腔腸動物、
フジツボ、ムラサキイガイ、カキ、セルプラなどの貝
類、カサネカンザシ、ヒトエカンザシ、ヤッコカンザ
シ、ウズマキゴカイなどの管棲多毛類、および、その他
の生物の付着に対し優れた防汚効果を示す。また、有効
成分が有機溶剤に溶解するため、均一な溶解型の漁網防
汚剤が得られ、網染めの作業性などを一段と改善する。
【0063】ここで、使用される樹脂としては、たとえ
ば、などがあげられる。これらの樹脂の1種を使用する
こともできるし、2種以上を併用することもできる。ま
た、樹脂は特にこれらに限定されるものではない。
【0064】
【実施例】以下に、実施例1、2によって本発明の漁網
防汚剤をさらに具体的に説明する。これらの実施例にお
いて部はすべて重量部である。
【0065】実施例1 トリフェニルボラン(オクタデシルアミン)ボロン(以
下、化合物Aともいう。)を5重量部、2−第3級ブチ
ルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6−メチルチオ
−1,3,5−トリアジン(化合物B)を5重量部、ポ
リブテンLV−50(日本油脂株式会社製)を5重量
部、黄色ワセリンを5重量部、アクリル系樹脂LR−1
55(三菱レイヨン株式会社製、50%キシレン溶液)
を20重量部、キシレンを60重量部を混合して漁網防
汚剤を調製した。
【0066】実施例1と同様の調製方法に従い表1に示
す組成に従って配合成分を混合して本発明による実施例
2、比較例1〜6ならびに対照例1の漁網防汚剤を調製
した。
【0067】
【表1】
【0068】表1に記載した化合物Aはトリフェニル
(オクタデシルアミン)ボロンを、化合物Bは2−第3
級ブチルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6−メチ
ルチオ−1,3,5−トリアジンを、化合物Cは4,5
−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−
オンを示す。
【0069】本発明の実施例1、実施例2、比較例1〜
6、ならびに対照例1の漁網防汚剤をそれぞれ、ポリエ
チレン製無結節網(6節、400デニール/60本)に
浸漬塗布して風乾した後に平成10年4月から6ヶ月
間、高知県宿毛湾内の海面下約50cmに浸海保持し
た。
【0070】網の汚損状況を表2の基準により評価し、
結果を表3にまとめた。
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】表3の結果から、本発明の水中防汚剤であ
るトリフェニル(オクタデシルアミン)ボロンと化合物
Bを組み合せて各々5重量%配合した防汚剤(実施例
1)を塗布した試験網(試験例1)やトリフェニル(オ
クタデシルアミン)ボロンと化合物Cを組み合せて各々
5重量%配合した防汚剤(実施例2)を塗布した試験網
(試験例2)は、浸漬6ヶ月目でも水棲付着生物はみら
れなかった。しかし、トリフェニル(オクタデシルアミ
ン)ボロンのみを5重量%配合した防汚剤(比較例1)
を塗布した試験網(比較試験例1)やトリフェニル(オ
クタデシルアミン)ボロンのみを10重量%配合した防
汚剤(比較例4)を塗布した試験網(比較試験例4)
は、浸漬4ヶ月目で極く僅か付着が認められ、浸漬6ヶ
月目には僅かに付着し、組み合せて配合した試験例1、
試験例2と比較して著しく優れた効果を示すことがわか
った。
【0074】また、化合物Bのみを5重量%または10
重量%配合した防汚剤(比較例2、5)を塗布した試験
網(比較試験例2、5)や化合物Cのみを5重量%また
は10重量%配合した防汚剤(比較例3、6)を塗布し
た試験網(比較試験例3、6)は、浸漬4ヶ月目で付着
物が多いか著しく多量の付着が認められ、浸漬6ヶ月目
には著しく大量の付着あるいは試験に耐えない状態とな
り、組み合せて配合した試験例1、試験例2と比較して
著しく優れた効果を示すことがわかった。
【0075】
【発明の効果】本発明の漁網防汚剤は、水棲生物のフジ
ツボ、ホヤ、セルプラ、ムラサキガイ、カラスガイ、フ
サコケムシ、アオノリ、アオサなどの付着を長期間に亘
って防止できて優れた水中防汚効果を発揮できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 7/12 C09D 7/12 Z 201/00 201/00 (72)発明者 吉丸 正哲 福岡県築上郡吉富町大字小祝955番地 吉 富ファインケミカル株式会社研究所内 (72)発明者 渋谷 恵史 大阪府大阪市中央区平野町二丁目6番9号 吉富ファインケミカル株式会社内 Fターム(参考) 2B106 AA08 EA02 EA16 ED03 HA16 4H011 AD01 BA06 BA07 BB09 BB10 BB16 DD01 DF04 4J038 BA231 CB051 CB121 CD011 CD021 CF031 CG141 CM031 DB001 DD001 DL031 JB36 JC18 JC37 KA06 PB02 PB07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は炭素数3から30までのアルキル基を示
    す。)により表されるトリフェニルボラン−アルキルア
    ミン錯化合物の1種または2種以上と、2−第3級ブチ
    ルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6−メチルチオ
    −1,3,5−トリアジンおよび/または4,5−ジク
    ロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オンと
    を含有することを特徴とする漁網防汚剤。
  2. 【請求項2】 一般式(1) 【化2】 (式中、R1は炭素数3から30までのアルキル基を示
    す。)により表されるトリフェニルボラン−アルキルア
    ミン錯化合物の1種または2種以上と、2−第3級ブチ
    ルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6−メチルチオ
    −1,3,5−トリアジンとを含有することを特徴とす
    る漁網防汚剤。
  3. 【請求項3】 一般式(1) 【化3】 (式中、R1は炭素数3から30までのアルキル基を示
    す。)により表されるトリフェニルボラン−アルキルア
    ミン錯化合物の1種または2種以上と、4,5−ジクロ
    ロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オンとを
    含有することを特徴とする漁網防汚剤。
  4. 【請求項4】 一般式(1) 【化4】 (式中、R1は炭素数3から30までのアルキル基を示
    す。)により表されるトリフェニルボラン−アルキルア
    ミン錯化合物が、トリフェニル(n−オクタデシルアミ
    ン)ボロンであることを特徴とする請求項1ないし3に
    記載の漁網防汚剤。
JP11118852A 1999-04-26 1999-04-26 トリフェニル(オクタデシルアミン)ボロンと有機窒素化合物を含有する漁網防汚剤 Pending JP2000302614A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008155414A1 (en) 2007-06-21 2008-12-24 Ppg B.V. Antifouling coating, resin composition and methods of production thereof
WO2009001829A1 (ja) * 2007-06-26 2008-12-31 Chugoku Marine Paints, Ltd. 安定性が改良されたトリフェニルボロン化合物含有防汚塗料組成物、それに用いる防汚剤セット、およびトリフェニルボロン化合物の分解抑制・制御方法
EP2199349A1 (en) 2008-12-19 2010-06-23 Ppg B.V. Resin composition, antifouling coating comprising barnacle antifoulant and processes of production thereof

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JPWO2009001829A1 (ja) * 2007-06-26 2010-08-26 中国塗料株式会社 安定性が改良されたトリフェニルボロン化合物含有防汚塗料組成物、それに用いる防汚剤セット、およびトリフェニルボロン化合物の分解抑制・制御方法
JP5222291B2 (ja) * 2007-06-26 2013-06-26 中国塗料株式会社 安定性が改良されたトリフェニルボロン化合物含有防汚塗料組成物、それに用いる防汚剤セット、およびトリフェニルボロン化合物の分解抑制・制御方法
EP2199349A1 (en) 2008-12-19 2010-06-23 Ppg B.V. Resin composition, antifouling coating comprising barnacle antifoulant and processes of production thereof

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