JP2000302476A - 真空紫外光透過性のフッ化アルミニウムガラス - Google Patents

真空紫外光透過性のフッ化アルミニウムガラス

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JP2000302476A
JP2000302476A JP11105646A JP10564699A JP2000302476A JP 2000302476 A JP2000302476 A JP 2000302476A JP 11105646 A JP11105646 A JP 11105646A JP 10564699 A JP10564699 A JP 10564699A JP 2000302476 A JP2000302476 A JP 2000302476A
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fluoride
aluminum fluoride
light
range
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Kenji Morinaga
健次 森永
Ryushi Igarashi
龍志 五十嵐
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Ushio Sogo Gijutsu Kenkyusho KK
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/32Non-oxide glass compositions, e.g. binary or ternary halides, sulfides or nitrides of germanium, selenium or tellurium
    • C03C3/325Fluoride glasses
    • C03C3/326Fluoride glasses containing beryllium

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスとして安定で、波長157nmの短波
長の領域での光の透過が良好で、光学的均質性、光化学
的耐久性に優れ、かつ多様な透過率特性を持った製品を
容易に作製することが可能な新規フッ化アルミニウムガ
ラスを提供する。 【解決手段】 フッ化アルミニウム、フッ化バリウム、
フッ化カルシウム、フッ化ベリリウムからなることを特
徴とする真空紫外光透過性のフッ化アルミニウムガラ
ス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空紫外光透過性
のフッ化アルミニウムガラスに関するものであり、さら
に詳しくは、ガラスとして安定で、波長160nm以下
の真空紫外光、具体的には波長157nmの光を高透過
率で透過する新規フッ化アルミニウムガラスに関するも
のである。本発明は、上記波長域にある光、レーザ光に
使用されるレンズ、窓部、ミラー、プリズム等の光学部
品を作製するのに好適な真空紫外光透過性のフッ化アル
ミニウムガラスを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体の高精度加工技術の発展に
伴い、LSI等の半導体素子の高集積化の進展は極めて
著しい。例えば、DRAMでは、数年ごとに集積度が飛
躍的に向上した新商品へと世代が変化し、その度に量産
化のための新しい技術の導入が必要とされる状況にあ
る。そのような半導体素子の高集積化を可能にしている
のは光リソグラフィ技術であり、ウエハ上の回路パター
ン形成工程において、微細な線幅で描画できる光リソグ
ラフィ技術が適用されている。そして、より高精度な加
工技術が要求されるに伴い、より微細な線幅を形成する
ために、リソグラフィ用光源から放出される光の波長も
より短波長化の方向に進んでいる。このように、半導体
露光装置に用いられる光の波長はg線(435.8n
m)からi線(365nm)へ、そして、最近ではさら
にレーザー光(波長248nmのKrFエキシマレー
ザ)へと短波長側へシフトする傾向にあり、当該技術分
野では、それらに対応した新しい光学系、光源、光学材
料等の開発が急務の課題となっている。
【0003】すなわち、従来、例えば、64MビットD
RAMでは、波長365nmの光を放出する光源が使用
されてきた。また、256MビットDRAMでは、波長
248nmの光を放出する光源が使用され、また、1G
ビットDRAMでは、波長193nmの光を放出する光
源が使用される。そして、さらなる高集積化が進むにつ
れて、波長160nm以下の光が使用される可能性が強
く、例えば、波長157nmの光源が使用される可能性
が大きい。したがって、上記のような光源の短波長化に
対応するために、光学材料としてのガラスについても、
より短波長の光に対する透過率が高く、また、光学的均
質性が良好な材料が強く望まれる。
【0004】ところで、従来、短波長の領域において、
高い透過性を有するガラス材料として石英ガラスが使用
されている。例えば、波長193nmの光に対応する投
影レンズに用いられる光学材料は石英ガラスである。し
かしながら、波長160nm以下の光に対しては、石英
ガラスでは十分な透過率が得られず、このような短波長
の領域では実質的に光学材料として使用することは不可
能である。また、他の材料では、結晶質であるアルカリ
ハロゲン化物結晶、アルカリ土類ハロゲン化物結晶が短
波長の領域で高い透過性を有することが知られている。
これらのハロゲン化物は、その物質の特性上、例えば、
CaF2 、MgF2 の結晶は、波長160nm以下の光
に対して透過率の点で優れた特性を有している。しかし
ながら、単結晶の場合、例えば、投影レンズとして加工
する際には劈開の問題があり、高精度な加工が難しいと
いう問題がある。
【0005】波長200nm以下の光に対応するガラス
としては、従来の光学ガラスの中では、上記石英ガラス
の他に、フッ化物ガラスが期待されている。すなわち、
フッ化物ガラスには、紫外線吸収が酸素イオンより短波
長側にあるフッ素が含有されているため、リン酸カルシ
ウム系ガラス、ホウ酸塩系ガラス、ホウケイ酸塩系ガラ
スなどのいわゆる非架橋酸素を減少させた酸化物ガラス
よりも優れた紫外線透過性を有するものとして期待され
ている。従来、上記フッ化物ガラスには、結晶化を防止
し、ガラス形成が安定であるように、PO2.5 を含有さ
せることが必要であるとの考えが一般的であった。すな
わち、ガラスにPO2.5 を導入して弗燐酸塩ガラスを形
成するのが一般的であった。
【0006】そのような弗燐酸塩ガラスの例としては、
例えば、短波長の領域において高い光透過性をもつ弗燐
酸塩ガラスに関するものとして、燐酸含有弗化物ガラス
にBaCl2 を0.5〜16.5モル%含有させたもの
(特開平2−283635号公報)が報告されており、
さらに、波長350nm以下の紫外線領域でも十分に高
い透過性を示し、かつ光学的均質性を有する弗燐酸塩ガ
ラスに関するものとして、燐酸塩ガラスにOHイオンを
導入したもの(特開平8−104538号公報)が報告
されている。しかしながら、前者では、ガラス化範囲を
広げるためにガラスに多量の塩素イオン(BaCl2
を導入しており、このために350nm以下の紫外線領
域では十分な透過性が得られないと考えられる。また、
後者では、ガラスに水蒸気又は水酸化物の形でOHイオ
ンを導入して、優れた紫外線透過性を有する少量OHド
ープ弗燐酸塩ガラスを製造しているが、ガラスに水蒸
気、OHイオンを導入するとその化学的耐久性が低下
し、いわゆるダメージを受け易くなると考えられる。
また、上記弗燐酸塩ガラスにはガラス構造の安定化すな
わち失透に対する安定性を高めるために、ガラス形成酸
化物としてPO2.5 が導入されているが、PO2.5 の導
入にはいくつかの問題点がある。
【0007】すなわち、本発明者らの検討したところに
よれば、一般に、弗燐酸塩ガラスにPO2.5 を含有させ
ることには、以下のような問題点があることが判明し
た。 (1)弗燐酸塩ガラスについて、透過率を測定したとこ
ろ、ガラスにPO2.5 を含有させることにより、紫外線
吸収端が長波長側へシフトすることが分かった。すなわ
ち、PO2.5 含有ガラスでは波長160nm以下の光に
対しては十分な透過率が得られない。 (2)また、ガラスにPO2.5 を含有させることによ
り、フッ化物と酸化物が混在することとなり、ガラスの
密度分布が良好でなくなる可能性がある。 (3)さらに、ガラス内にOやOHが含まれることによ
り、短波長の光によるダメージを受ける可能性がある。
【0008】そこで、本発明者らは、上記のような問題
点を回避するために、ガラスにPO2.5 を含有させるこ
とをやめて、新たなるガラス安定化のための物質を含有
させることを意図した。そして、本発明者らは、鋭意研
究を積み重ねる過程で、先に、ガラスをフッ化アルミニ
ウムならびにフッ化物からなるBaF2 −CaF2 −A
lF3 の3元系で構成し、第4成分として、PO2.5
代わりにYF3 、SrF2 、LaF3 のうちのいずれか
一つをガラスに含有させると、ガラスとして安定であ
り、しかも、波長160nm以下の光に対する透過率が
高く、また、光学的均質性が良好なフッ化アルミニウム
ガラスを得ることができること、そして、製造技術的に
も優れた利点があることを見出した。しかし、より短波
長の波長157nmの光の透過性、安定なガラス形成能
という点ではさらなる材料の開発が求められる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中
で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、ガラスとし
て安定で、より短波長の波長157nmの光の透過が良
好なフッ化アルミニウムガラスを開発することを目標と
して鋭意研究を積み重ねた結果、ガラスをフッ化アルミ
ニウムならびに他のフッ化物からなる、BaF2 、Ca
2 、AlF3 の3元系で構成し、第4成分としてBe
2 をガラスに含有させることにより、ガラスとして安
定で、波長157nmの光を高透過率で透過するフッ化
アルミニウムガラスが得られるという新たな知見を得
て、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
ガラスとして安定であり、しかも、波長157nmの光
に対する透過率が高く、また、光学的均質性が良好な真
空紫外光透過性のフッ化アルミニウムガラスを提供する
ことを目的とするものである。また、本発明は、ガラス
製造工程において、ガラス融液をゆっくり冷却しても、
安定にガラスを形成することが可能な真空紫外光透過性
のフッ化アルミニウムガラスを提供することを目的とす
るものである。さらに、本発明は、波長157nmの短
波長の領域にある光及びレーザー光に使用されるレンズ
等の光学部品を作製するのに好適な新規フッ化アルミニ
ウムガラスを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、以下の構成が採用される。 (1)フッ化アルミニウム、フッ化バリウム、フッ化カ
ルシウム、フッ化ベリリウムからなることを特徴とする
真空紫外光透過性のフッ化アルミニウムガラス。 (2)フッ化アルミニウムならびにフッ化物で構成さ
れ、無酸素の真空紫外光透過性のフッ化アルミニウムガ
ラスにおいて、BaF2 、CaF2 、AlF3 の含有モ
ル%比率がa:b:cであり、上記aの値が14−24
の範囲、上記bの値が24−39の範囲、及び上記cの
値が31−48の範囲であるガラスであって、さらに、
上記ガラスはBeF2 を0.5−30モル%含むことを
特徴とする前記(1)の真空紫外光透過性のフッ化アル
ミニウムガラス。
【0011】
【発明の実施の形態】続いて、本発明についてさらに詳
細に説明する。本発明のフッ化アルミニウムガラスは、
前記のように、フッ化アルミニウム、フッ化バリウム、
フッ化カルシウム、フッ化ベリリウムから構成されるも
のであり、好適には、前記のように、ガラスをフッ化ア
ルミニウムならびにフッ化物で構成すること、無酸素の
真空紫外光透過性のフッ化アルミニウムガラスであるこ
と、BaF2 、CaF2 及びAlF3 を所定の比率で含
有すること、さらに、BeF2 を所定の比率で含むこと
を構成要件としている。すなわち、本発明のガラスは、
フッ化アルミニウムならびにフッ化物で構成される、無
酸素の真空紫外光透過性のフッ化アルミニウムガラスで
あるが、ここで、上記フッ化物とは、AlF3 を除く、
BaF2 、CaF2 、及びBeF2 を意味する。
【0012】本発明のガラスの構成は、好適には、Ba
2 、CaF2 、AlF3 の含有モル%比率がa:b:
cであり、上記aの値が14−24の範囲、上記bの値
が24−39の範囲、上記cの値が31−48の範囲の
ガラスであって、さらに、上記ガラスはBeF2 を0.
5−30モル%含むこと、そして、無酸素であること、
である。
【0013】ここで、上記a:b:cの値は、AlF3
を核としてガラス化できる好適な範囲であり、上記a:
b:cの値が上記の範囲を外れると、ガラスを形成する
ことが難しくなる。AlF3 はガラス形成成分として必
須であり、上記範囲外ではガラスが得られにくく、ま
た、ガラスの結晶化傾向を大きくする。BaF2 、Ca
2 も同様に、上記範囲外ではガラスが得られにくい。
上記範囲内において、AlF3 は、フッ化アルミニウム
ガラスのガラス骨格を形成する成分として、ガラス形成
の安定化、ガラス構造の安定化、ガラスの光学的特性、
紫外線透過性及び化学的耐久性等のガラスの基本的諸性
質を大きく左右する重要成分である。また、BaF2
CaF2 は、ガラス形成の安定化、ガラス構造の安定
化、ガラスの耐失透性の向上等に寄与する成分である。
【0014】また、BaF2 、CaF2 、AlF3 から
なる3元系フッ化アルミニウムガラスにBeF2 を0.
5−30モル%含ませることにより安定にガラスを形成
することできる。上記範囲内において、BeF2 は、フ
ッ化アルミニウムガラスの安定なガラス化範囲を広げ、
さらに、ガラス骨格の安定化に寄与する成分として重要
である。通常、例えば、PO2.5 、YF3 などは、この
PO2.5 、YF3 自体は自ら安定にガラスを形成するた
めの成分ではないが、BeF2 は自ら、ガラスを形成す
る成分であり、ガラスを安定化させる効果が大きい。し
かしながら、後記する実施例に示したように、BeF2
が0.5モル%未満では、部分的にはガラス化するもの
のガラス形成が不安定になり、ガラス化がしにくくな
る。また、BeF2 が30モル%を超えるとガラス融体
の分相傾向が顕著にみられ、安定なガラスが得られなく
なる。
【0015】また、後記する実施例に示したように、波
長157nmの光の透過率からみて、上記3元系フッ化
アルミニウムガラスに対するBeF2 の含有量は、0.
5−30モル%、好適には5−15モル%の範囲であ
る。BeF2 の含有量が多くなると通常のガラス作製方
法では透過率が逆に減少するが、これは、BeF2 に含
まれる微量の遷移金属不純物が多くなることに原因する
と考えられる。
【0016】上記3元系フッ化アルミニウムガラスの構
造は数個のAl−F−Alユニットで構成されていると
考えられるが、これにBeF2 を添加すると、ガラス形
成能が向上するものと考えられる。BeF2 は自ら、ガ
ラスを形成する成分であり、ガラス骨格成分として、ガ
ラス骨格の安定性を増大させ、さらにガラス化範囲を拡
大させる効果を有する。本発明では、ガラス製造工程に
おいて、ガラス融液をゆっくり冷却しても安定にガラス
が形成されるが、それは、上記ガラス形成のメカニズム
によるものと考えられる。本発明のフッ化アルミニウム
ガラスでは、BeF2 を添加することにより、ガラス中
の結合していない(非架橋)フッ素イオンの量が減る
(結合されたフッ素イオンが増える)ことで、短波長の
領域の光の透過性が向上するものと考えられる。また、
本発明のフッ化アルミニウムガラスは、上記構成要件に
示されるように、無酸素であることを特徴としている。
従来の弗燐酸塩ガラスでは、PO2.5 を含み、さらに、
ガラスにO、OHイオンを導入することで、ガラス構造
中にP−O−R結合、P−O−H結合を有する。しか
し、それによって、透過率は良くなっても、ガラス構造
中にO、OHが分散して含まれることにより、透過率、
屈折率が不均一となり、光学的均質性が低下する可能性
があり、また、紫外線等による化学反応によりP−O結
合が切断され、HF、H2 O等のガス発生の要因とな
り、ガラスの光化学的耐久性が低くなり、透過率が下が
る(着色)、屈折率が変わる等の、いわゆるダメージを
受け易くなる可能性がある。これに対して、本発明のガ
ラスは、前記のように、無酸素であり、そのような問題
はなく、光学的均質性とガラスの光化学的耐久性が高
く、いわゆるダメージの生じにくい長所を有する。
【0017】本発明では、上記ガラスの原料を溶融し、
得られたガラス融液を冷却して目的のガラスが製造され
るが、当該ガラスの製造工程において、ガラス融液をゆ
っくり冷却しても、安定にガラスを形成することができ
る長所がある。本発明では、上記特定のガラス成分を特
定の割合で組み合わせることにより、ガラス製造工程に
おいて、ガラス融液を緩慢に冷却しても、安定にガラス
が形成されるので、ガラス製造時に製品にクラックや割
れの発生がなく、したがって、ガラスの大型化が容易に
可能である。また、ガラスの成分組成を変えることによ
り、透過性の微妙に異なるガラスを容易に作製できる。
【0018】ガラスの諸特性の中で重要なのは、短波長
の領域における高紫外線透過性であるが、いくら紫外線
透過率が高くても、それだけではガラス材料としての実
用化は困難であり、実際には、優れた高紫外線透過性を
有する素材の中から、さらに、ガラスとしての安定性、
ガラスの光学的均質性、光化学的安定性・耐久性(低ダ
メージ性)、透過率・屈折率の均一性、安定なガラス形
成能、製造上の簡便性、低コスト性、製品の多様化の容
易性などの諸要件を全てクリアーしたものがはじめてガ
ラス材料として使用することが可能となる。すなわち、
紫外吸収端のみを考慮すれば、従来、報告又は各企業か
ら提供されているシリカガラスでも要求は満たされる
が、ガラス内にOが存在すると、それらは光化学的に不
安定の原因(ソーラリゼーション)へとつながることに
なる。本発明のフッ化アルミニウムガラスは、前記のよ
うに、そのような問題がなく、ガラスとしての安定性、
波長157nmの短波長の領域における高紫外線透過性
及び上記諸要件を共に満たす優れた材料を提供しうる点
で、従来製品にない格別の特徴を有する。
【0019】本発明のフッ化アルミニウムガラスの特性
及び製造上の技術的特徴としては、特に、以下の点が挙
げられる。 (1)波長157nmの短波長の領域で高い透過性を有
する。 (2)ガラスとして安定である。 (3)光学的均質性が高い。 (4)光化学的耐久性が高く、いわゆるダメージを受け
にくい。 (5)ガラス製造時に、製品にクラックや割れの発生が
なく、ガラスの大型化が容易に可能である。 (6)ガラス融液を緩慢に冷却しても、安定にガラスが
形成される。 (7)ガラスの成分組成に応じて、透過性の微妙に異な
る製品を容易に作製できる。
【0020】
【実施例】次に、実施例を示して、本発明をさらに具体
的に説明する。しかし、以下の実施例は本発明の好適な
一例を示すものであり、本発明は当該実施例によって何
ら限定されるものではない。 実施例1 (1)ガラスの調製 本実施例では、本発明のフッ化アルミニウムガラスと、
比較のために、弗燐酸塩ガラス、添加成分を変えたフッ
化アルミニウムガラス、石英ガラスを調製又は準備し
た。本実施例において調製したガラス系は、BaF2
CaF2 −AlF3 の3元系に、第4成分としてP2
5 を添加した弗燐酸塩ガラスと、第4成分としてYF
3 、BeF2 を添加したフッ化アルミニウムガラスであ
る。本発明のフッ化アルミニウムガラスについては、B
aF2 −CaF2 −AlF3 の3元系のみでは安定な測
定用ガラス試料が得られなかったため、BaF2 、Ca
2 、AlF3 の組成比を19:33:42カチオン%
程度にして第4成分(BeF2 )の添加効果を調べた。
また、後記する表1に示したように、本発明のフッ化ア
ルミニウムガラスのガラス組成と波長157nmの光の
透過率の関係を調べた。
【0021】(2)出発原料 出発原料として、BaF2 (森田化学工業株式会社製、
昇華精製)、CaF2 (白辰化学研究所製、99.99
%)、AlF3 (森田化学工業株式会社製、99.99
%)、P25 (和光純薬工業株式会社製、98.0
%)、YF3 (森田化学工業株式会社製、99.99
%)、BeF2 (添川理化学株式会社製、99%)を用
いた。
【0022】(3)方法 所定の組成比に混合したバッチをるつぼを用いて溶融し
た。溶融条件は、850〜950℃において30min
とし、溶融を脱水窒素雰囲気下で行った。これらの融液
をるつぼごと急冷し、ガラス転移温度Tg付近でアニー
ル後、ガラス試料を得た。得られたガラス試料を厚さ2
±0.01mmに成形し、両面について鏡面研磨を行
い、真空紫外域透過率測定用試料とした。
【0023】
【表1】
【0024】(4)結果 上記表1に示されるように、本発明のフッ化アルミニウ
ムガラスにおいて、特に、BaF2 −CaF2 −AlF
3 の3元系にBeF2 を0.5−30モル%の範囲で添
加したものが安定なガラス形成、及び波長157nmの
光の良好な透過を示すことが分かった。また、各ガラス
系について、真空紫外域透過率を測定した結果を図1に
示す。図1は、弗燐酸塩ガラス、各種フッ化アルミニウ
ムガラス、石英ガラスの真空紫外光透過性の比較データ
をそれぞれ示したものである。尚、図中、BCAは、B
aF2 −CaF2 −AlF3 の3元系を示す。5PはP
25 添加、5YはYF3 添加、5Be〜10BeはB
eF2 添加及びそのカチオン%をそれぞれ示す。
【0025】図1に示されるように、弗燐酸塩ガラス
(BCA+5p)では、短波長の領域で高い透過性を有
するが、波長160nm付近の光に対しては高い透過率
が得られないことが分かる。また、フッ化アルミニウム
ガラス(BCA+5Y)では、波長160nm以下の短
波長の領域で高い透過率が得られることが分かる。しか
し、本発明のフッ化アルミニウムガラスでは、BeF2
の添加によって、より短波長の波長157nmの光の透
過が良好であることが分かる。このように、本発明のフ
ッ化アルミニウムガラスは、ガラスとして安定で、波長
157nmの光の透過が良好であり、また、その成分組
成に応じて、透過率が微妙に異なるガラス製品を容易に
作製することが可能である。高精度の加工を可能とする
より短波長の光に対応した新しい光学系を構築するに
は、波長157nmの光の透過性、安定なガラス形式
能、さらに、透過率の微妙に異なる多様な製品の組み合
わせが重要であり、かかる観点からも、ガラスとして安
定で、波長157nmの光の透過が良好で、しかも、多
様な特性を有する製品を容易に製造することができる本
発明のフッ化アルミニウムガラスは、従来の製品にない
格別の長所を有すると云える。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、フッ化
アルミニウム、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、フ
ッ化ベリリウムからなることを特徴とする真空紫外光透
過性のフッ化アルミニウムガラスに係るものであり、本
発明によれば、特に、以下のような効果が奏される。 (1)波長157nmの短波長の領域で高い紫外線透過
性を有する。 (2)ガラスとして安定である。 (3)光学的均質性が高い。 (4)従来品のようなOに基づく化学的耐久性の低下が
なく、いわゆるダメージの生じる可能性が低い。 (5)製造時に、ゆっくり冷却しても安定にガラスが形
成され、クラックや割れの発生がない。 (6)大型化が容易である。 (7)ガラスの成分組成に応じて、多様な透過率特性を
持った製品を容易に作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフッ化アルミニウムガラス、比較例の
弗燐酸塩ガラス、フッ化アルミニウムガラス及び石英ガ
ラスの真空紫外光透過特性を示す説明図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G014 AG00 4G062 AA04 BB17 CC10 DA01 DB05 DC01 DD01 DE01 DF01 EA01 EB01 EC01 ED01 EE04 EE05 EF01 EG04 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GB01 GC01 GD01 GE02 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH18 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM02 NN16 NN34

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ化アルミニウム、フッ化バリウム、
    フッ化カルシウム、フッ化ベリリウムからなることを特
    徴とする真空紫外光透過性のフッ化アルミニウムガラ
    ス。
  2. 【請求項2】 フッ化アルミニウムならびにフッ化物で
    構成され、無酸素の真空紫外光透過性のフッ化アルミニ
    ウムガラスにおいて、BaF2 、CaF2 、AlF3
    含有モル%比率がa:b:cであり、 上記aの値が14−24の範囲、 上記bの値が24−39の範囲、及び上記cの値が31
    −48の範囲であるガラスであって、さらに、上記ガラ
    スはBeF2 を0.5−30モル%含むことを特徴とす
    る請求項1記載の真空紫外光透過性のフッ化アルミニウ
    ムガラス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101332071B1 (ko) 2005-11-18 2013-11-22 호야 가부시키가이샤 성형품의 제조 방법, 성형형 및 그 제조 방법

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