JPH0952731A - 弗燐酸系ガラス、このガラスを用いた光ファイバ及びその製造方法 - Google Patents

弗燐酸系ガラス、このガラスを用いた光ファイバ及びその製造方法

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JPH0952731A
JPH0952731A JP7208146A JP20814695A JPH0952731A JP H0952731 A JPH0952731 A JP H0952731A JP 7208146 A JP7208146 A JP 7208146A JP 20814695 A JP20814695 A JP 20814695A JP H0952731 A JPH0952731 A JP H0952731A
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JP
Japan
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glass
ions
optical fiber
core
ion
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JP7208146A
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Inventor
Gakuroku Suu
学禄 鄒
Katsuhisa Ito
勝久 伊東
Hisayoshi Toratani
久良 虎溪
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Publication date
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 紫外線伝送損失が低く、かつ高開口数の光フ
ァイバを提供可能なクラッド用ガラスに適した組成のガ
ラス、およびこのガラスを用いた低伝送損失、高開口数
の光ファイバの提供。 【解決手段】 陽イオンとして、P 、Al、Y 、Mg、Ca、
Sr及びBaを含み、前記各陽イオンの割合がモル%表示
で、 Pイオンが 3〜12%、Alイオンが25〜40%、Yイオ
ンが 1〜10%、Mgイオンが 5〜12%、Caイオンが15〜27
%、Srイオンが 8〜15%、Baイオンが 4〜12%であり、
かつ陰イオンとして、OイオンとFイオンを含み、前記
各陰イオンの割合がモル表示で、Oイオンが 3〜15%、
Fイオンが85〜97%であるガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ用クラ
ッドガラスとして適した組成を有するガラスおよびこの
ガラスを用いた光ファイバ、並びに光ファイバ用ガラス
の製造方法および光ファイバの製造方法に関する。本発
明は、特に、紫外線から近赤外線までの波長領域におけ
る光伝送用として有用な光ファイバとその母材ガラス、
及びそれらの製造法に関する。本発明の光ファイバは、
KrFレーザ光等のエキシマレーザ光に対するダメージ
耐性を有する紫外線レーザ光伝送用としても有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体製造分野を始め、種々の分野で紫
外線硬化型の樹脂が実用されている。そして、樹脂硬化
用の紫外線は光源から伝送路を用いて伝送される。従
来、このような樹脂硬化用紫外線光の伝送路として、石
英ファイバが広く使用されている。光源からの光を効率
よく利用するためには、光の結合効率を上げる必要があ
る。一般に、光伝送における光の結合効率は、ファイバ
構造パラメーターである開口数(NA)を大きくするこ
とで、高められることが知られている。そして、上記石
英ファイバにおける開口数(NA)は、コアガラス中に
含まれる重金属酸化物のドーパント濃度を上昇させるこ
とで大きくすることができる。重金属酸化物はコアガラ
スの屈折率の増加させるからである。上記重金属酸化物
として、例えば、酸化ゲルマニウムなどが用いられてい
る。
【0003】しかし、ゲルマニウム等の不純物濃度が増
加するとガラスの構造欠陥が増える。その結果、紫外線
によるソーラリゼーション(ガラスの着色)が生じ、紫
外線透過率の低下による伝送損失の増加を引き起こす。
逆に、伝送損失を抑えようとすると、不純物濃度を増加
させる技術を利用する限り、開口数(NA)を大きくす
ることはできない。このような技術的背景から、現在紫
外線伝送用に実用化されている石英ファイバの開口数の
上限は、0.22程度である。光の結合効率を上げ、光源か
らの光を効率よく利用するためには、より高い開口数の
光ファイバが産業界から求められている。
【0004】また、大コア径、高開口数、高強度の光フ
ァイバを安価に実現する技術としては、ポリマークラッ
ドファイバが広く実用化されている。ポリマークラッド
ファイバとは、コアに石英ガラスを用い、クラッドに有
機ポリマーを用いたファイバである。例えば、特開平3
−245108号には、広帯域高開口数ポリマークラッ
ド光ファイバが開示され、PCT/US92/0597
6には低損失高開口数ポリマークラッド光ファイバが開
示されている。しかし、これらポリマークラッド光ファ
イバは、高温での使用が困難であるという問題がある。
即ち、ポリマークラッド光ファイバに紫外線を伝送する
と、紫外線の伝送に伴い発生する熱によりポリマークラ
ッドが損傷し易い。さらに、バンドル型ファイバにして
高出力紫外線ランプの光を伝送する際には、ランプの熱
でポリマーが溶けることもある。即ち、ポリマークラッ
ド光ファイバは、高開口数を有するものではあるが、紫
外線伝送用としては使用できない。
【0005】ところで、光学的均質性をもち紫外線透過
性のよいガラスとして弗燐酸塩系ガラスがある。このガ
ラスは、酸素イオンよりも基礎吸収が短波長にある弗素
イオンを多量に含むため、酸化物ガラスよりもはるかに
優れた紫外線透過性を有している。しかし、大量の弗素
を含有した弗燐酸塩ガラスは失透に対する安定性が低
く、工業的規模で光学的均質性をもつガラスを製造する
ことが非常に難しい。現在、紫外線透過用の少量燐酸含
有弗化物ガラスは、本発明者らが知る限り、特開平2−
283635号に開示されているに過ぎない。このガラ
スは、P2O5が0.5〜8 %、A12O3 が 0.1〜2 %、 BaOが
0.5〜7 %、A1F3が29〜42%、MgF2が5〜13%、CaF2が15
〜30.5%、SrF2が10〜22%、BaF2が 0〜11%、BaCl2
0.5〜16.5%及び NaFが 0〜7.5 %の弗燐酸塩ガラスで
ある。しかし、このような弗素イオンを大量に含有した
ガラスは、工業的規模での製造は困難である。即ち、ガ
ラスとしての安定性が低いため、これらのガラスで一度
に長いファイバ(例えば10km以上) の製造に用いられる
よう大きなプリフォーム(直径35mm、長さ1000mmのロッ
ドガラス) 用母材ガラスの作製することは、現在の製造
技術では困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の第1の
目的は、紫外線の伝送における損失が低く、かつ高開口
数の光ファイバを提供することが可能なクラッド用ガラ
スに適した組成のガラスを提供することにある。本発明
の第2の目的は、紫外線の伝送における損失が低く、か
つ高い開口数を有する光ファイバを提供することにあ
る。特に、半導体製造分野等で使用されている樹脂硬化
用の紫外線の伝送に有用な高開口数低損失光ファイバを
提供することが本発明の目的である。さらに本発明の第
3の目的は、紫外線透過率の高い、高開口数低損失光フ
ァイバの製造用に適した、ガラスの製造方法を提供する
ことにある。本発明の第4の目的は、高開口数を有し、
低伝送損失の光ファイバの製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】ところで、光ファイバ
は、屈折率n2のコアガラスをn2より低い屈折率n1を有す
るクラッドガラスで取り込む構造をもち、両者の屈折率
差に応じて異なる入射角度φを有する円錐体入射光をコ
アガラス内部に取り込むことができる。光の入射角度φ
と光ファイバの開口数NAとコアおよびクラッドの屈折
率との間には次の関係がある。sinφ=NA=(n2 2-
n1 2)1/2即ち、コア/クラッド間の屈折率差が大きいほ
ど大きな入射角度の光を光ファイバに取り込むことがで
き、ファイバ内を伝送する光の量が増加する。
【0008】一般に、弗燐酸塩ガラスの屈折率は低いた
め、開口数の高いファイバを作製するにはコアガラスの
屈折率の増大が1つの課題となる。例えば、重金属イオ
ンの添加によりコアガラスの屈折率の増大は可能であ
る。しかし、重金属イオンの存在により、ガラスの紫外
線透過率は著しく低下してしまう。そのため、紫外線伝
送も可能なファイバ用コアガラスにはこれらのイオンを
使用することはできない。そこで、コアガラスの屈折率
を高めるためには、例えば、弗化バリウムの含有量を増
やすことが考えられる。しかし、あまりにも多くの弗化
バリウムを添加するとガラスの安定性が悪化し、分相し
やすくなる。そこで、コアガラスの屈折率を向上させる
ことが可能なもう1つの成分である五酸化燐の含有量を
増やすことが考えられる。しかし、五酸化燐の含有量の
増大により、コアガラスの粘性は高くなり、熱膨張係数
も比較的小さくなる傾向がある。
【0009】そこで、本発明者らはガラス組成の最適化
を行うとともに、微量成分の添加等についても検討し、
また極少量の塩素を導入することによって、コアガラス
の粘性を下げ、同時に熱膨張係数と屈折率を高めること
ができることを見いだした。しかし、屈折率を高めるに
は限界があり、より低屈折率を有するクラッドガラスの
開発を試みた。
【0010】クラッドガラスは低屈折率を保持するため
五酸化燐の含有量を低く抑える必要がある。しかし、五
酸化燐の含有量を低く抑えようとすると、コア/クラッ
ド間の熱的な物性を整合させることが難しくファイバの
作製が困難となることがある。そこで、ガラス組成の最
適化を行い、上記コアガラスとの組合せにより、紫外線
伝送損失が低く、開口数0.22以上の高開口数を有する光
ファイバを工業的規模で安価に製造できるクラッド用ガ
ラスとして適した弗燐酸系ガラスを開発することに成功
した。
【0011】本発明は、ガラスを構成する陽イオンとし
て、P 、Al、Y 、Mg、Ca、Sr及びBaを含み、前記各陽イ
オンの割合がモル%表示で、 Pイオンが 3〜12%、Alイ
オンが25〜40%、Y イオンが 1〜10%、Mgイオンが 5〜
12%、Caイオンが15〜27%、Srイオンが 8〜15%、Baイ
オンが 4〜12%であり、かつガラスを構成する陰イオン
として、OイオンとFイオンを含み、前記各陰イオンの
割合がモル表示で、Oイオンが 3〜15%、Fイオンが85
〜97%であることを特徴とするガラスに関する。このガ
ラスは、さらに、陽イオンとしてアルカリ金属イオンを
含むことができ、その割合はモル表示で、Liが0〜5
%、Naが0〜5%、K が0〜5%、Rbが0〜5%、Csが
0〜5%てあり、かつ合計(Li+Na+K +Rb+Cs)の含
有量は5%以下である。
【0012】さらに本発明は、上記の本発明のガラスを
クラッドとし、ガラスを構成する陽イオンとして、P 、
Al、Mg、Ca、Sr及びBaを含み、前記各陽イオンの割合が
モル%表示でPイオンが12〜37%、Alイオンが12〜35
%、Mgイオンが 3〜12%、Caイオンが12〜20%、Srイオ
ンが 7〜18%、Baイオンが 8〜20%であり、かつガラス
を構成する陰イオンとして、OイオンとFイオンとClイ
オンとを含み、前記各陰イオンの割合がモル%表示でO
イオンが15〜55%、Fイオンが45〜85%であるガラスを
コアとする光ファイバに関する。さらに上記光ファイバ
のコア用のガラスは、陰イオンとしてClイオンを含むこ
とができ、Clイオンの含有量は3 %以下である。さらに
上記光ファイバのコア用のガラスは、陽イオンとしてY
イオンを含むことができ、その割合はモル表示で10%以
下である。さらに上記光ファイバのコア用のガラスは、
陽イオンとしてアルカリ金属イオンを含むことができ、
その割合はモル表示で、Liが0〜10%、Naが0〜10%、
Kが0〜10%、Rbが0〜10%、Csが0〜10%てあり、か
つ合計(Li+Na+K +Rb+Cs)の含有量は10%以下であ
る。また、本発明の上記光ファイバは、好ましくは、開
口数が0.22以上である。さらに本発明は、開口数が0.22
以上であり、かつ300〜400nmの範囲の波長の光
の伝送損失が1dB/m以下であることを特徴とする光
ファイバに関する。
【0013】また本発明は、ガラス原料を熔解し、冷却
して、光ファイバ用ガラスを製造する方法であって、前
記ガラス原料の熔解を不活性ガスまたは不活性ガスと水
蒸気との混合ガスの雰囲気下で行うことを特徴とする光
ファイバ用ガラスの製造方法に関する。さらに本発明
は、上記方法によりクラッド用ガラスおよびコア用ガラ
スをそれぞれ製造し、得られたクラッド用ガラスおよび
コア用ガラスからプリフォームを作製し、得られたプリ
フォームを線引きすることを含む光ファイバの製造方法
に関する。
【0014】本発明のガラスは、光ファイバのクラッド
用として有用であり、特に、低伝送損失高開口数の光伝
送ファイバ用クラッドガラスとして有用である。ガラス
の各成分について以下に説明する。
【0015】Pイオンは、ガラス形成成分として働き、
ガラス構造の安定化即ち失透に対する安定性を増す。ま
た化学的耐久性を向上させるためにもPイオンは不可欠
な成分である。ただし、Pイオンの含有量が12%よりも
多くなると、ガラスの屈折率が上昇するので高開口数フ
ァイバに要求される低屈折率ガラスが得られない。ま
た、Pイオンの含有量が 3%より少ないとガラスの失透
に対する安定性が悪くなり、化学的耐久性も低下してし
まう。従って、Pイオンの含有量の範囲は 3〜12%であ
ることが適当である。Pイオンの好ましい含有量の範囲
は 3〜10%である。尚、Pイオンは、他の陽イオンに比
べ優先的にOHイオンと結合する特性を持つ。そのた
め、Pイオンを弗化物ガラスに導入することによってガ
ラス中にあるOHイオンのほとんどがP-O-H のような結
合を形成する。このような結合は、Al-O-Hのような結合
に比べ、ガラスの紫外線透過率の向上に寄与することか
ら、紫外線伝送用光ファイバとして用いる場合に特に好
ましい。
【0016】Alイオンは、ガラスの高紫外線透過率の性
質を付与する成分として、また、Pイオンと共にガラス
構造の安定化及びガラス融液の粘性を高め化学的耐久性
の向上に寄与する成分としても非常に重要である。そし
て、ガラスに低い屈折率を付与し、失透に対する安定性
を向上させるという観点から、その含有量は25%以上で
あることが必要である。しかし、40%超えると逆に失透
しやすくなる。従って、Alイオンの含有量の範囲は25〜
40%であることが適当である。好ましいAlイオンの含有
量の下限は27%であり、上限は37%である。
【0017】Yイオンは、ガラスの失透に対する安定性
及び化学的耐久性の向上に寄与する成分である。しか
し、適量範囲を超えて導入するとかえって失透しやすく
なり、ガラスの屈折率を上昇させる傾向もある。そこ
で、Yイオンの含有量は 1〜10%の範囲とすることが適
当である。好ましいYイオンの含有量の下限は 2%であ
り、上限は9 %である。
【0018】Mgイオンは、ガラスの紫外線透過率を高
め、かつガラスの屈折率を下げるために非常に有用であ
る。但し、12%を超えるとガラスの失透に対する安定性
が低くなり、 5%未満ではガラスの高温溶解性が悪くな
る。従って、Mgイオンの含有量は 5〜12%の範囲とする
ことが適当である。Mgイオンの含有量の下限は、好まし
くは5.5 %であり、上限は10%である。Caイオンはガ
ラスに高紫外線透過率を付与すると共に、失透に対して
安定なガラス化範囲を広げるのに有効である。但し、27
%を超えるか、或いは15%未満ではガラスの失透に対す
る安定性が低下し、ガラスの屈折率も高まる傾向があ
る。従って、Caイオンの含有量は15〜27%の範囲とする
ことが適当である。Caイオンの含有量の下限は、好まし
くは、17%であり、上限は26%である。
【0019】アルカリ土類金属の中でSr、Baのような原
子番号の比較的大きいイオンは、いずれもガラスの失透
に対する安定性を向上させるために導入される成分であ
る。但し、SrイオンおよびBaイオンの含有量がそれぞれ
15%および12%を超えるとガラスの屈折率が高くなりす
ぎる傾向がある。また、SrイオンおよびBaイオンの含有
量がそれぞれ 8%および 4%未満では高温溶解性が悪く
なり、十分安定なガラスが得られなくなる。そこで、Sr
イオンおよびBaイオンの含有量はそれぞれ 8〜15%およ
び 4〜12%の範囲であることが適当である。特にSrイオ
ンの含有量は 8〜14%、Baイオンの含有量は 4〜10%の
範囲とすることが好ましい。
【0020】アルカリ金属イオンは、ガラスの熔融性及
びクラッドガラスの屈折率の低下に非常に有用な成分で
はあるので、任意成分として少なくとも1種を含有させ
ることができる。しかし、合計の含有量が 5%を超える
とガラスの失透に対する安定性が低下し、コアガラスと
適合する程度の高温粘性が得らず、化学的耐久性も低下
する。尚、アルカリ金属イオンの合計の含有量は、好ま
しくは、 3.5%以下である。
【0021】一方、本発明のガラスは、陰イオンとして
酸素イオンと弗素イオンを含有する。ガラス中に陰イオ
ンとして酸素イオンを導入することによりガラスの失透
に対する安定性をかなり向上させることができる。しか
し、酸素イオンが 3%未満ではガラスの失透傾向を抑え
る効果が低下する。また、15%を超えると低屈折率のガ
ラスが得られなくなる傾向がある。そこで、ガラスを構
成する陰イオン中の酸素イオンの割合は 3〜15%の範囲
とすることが適当である。特に、酸素イオンの割合は 3
〜13%の範囲であることが好ましい。
【0022】また、ガラス中に陰イオンとして弗素イオ
ンを多量に含有させることによりガラスの紫外線透過率
の向上が望める。しかし、弗素イオン含有量が85%未満
では低屈折率のガラスが得られず、また97%を超えると
十分安定なガラスが得られなくなる。そこで、ガラスを
構成する陰イオンの中の弗素イオンの割合は85〜97%の
範囲とすることが適当である。特に弗素イオンの含有量
は、87〜97%の範囲であることが好ましい。
【0023】本発明の光ファイバは、前記本発明のガラ
スをクラッドとし、ガラスを構成する陽イオンとして、
P 、Al、Mg、Ca、Sr及びBaを含み、ガラスを構成する陰
イオンとして、OイオンとFイオンを含むガラスをコア
とする。本発明の光ファイバは、紫外線伝送用として有
用である。上記構成の本発明の光ファイバは、0.22以上
の開口数を有するものである。コア用ガラスについて以
下に説明する。
【0024】Pイオンはガラス形成成分として働き、ガ
ラス構造の安定化、即ち失透に対する安定性を増す。ま
た化学的耐久性を向上させるためにもPイオンは不可欠
な成分である。ただし、Pイオンはガラスの成分として
37%よりも多くなると、紫外線の透過率を低下させるP-
O-R のような結合が相対的に多くなるので、得られたガ
ラスの紫外線透過率が低下する。これに対し、Pイオン
の含有量が12%より少ないと高開口数ファイバに要求さ
れている高屈折率を有するコアガラスが得られない。そ
こで、Pイオンの含有量は12〜37%の範囲が適当であ
る。特にPイオンの含有量の下限は13%であり、上限は
30%であることが好ましい。尚、Pイオンは他の陽イオ
ンに比べ優先的にOHイオンと結合する特性をもつ。そ
のため、Pイオンを弗化物ガラスに導入することによっ
てガラス中にあるOHイオンのほとんどがP-O-H のよう
な結合を形成する。このような結合はAl-O-Hのような結
合に比べ、ガラスの紫外線透過率の向上に寄与すること
から、紫外線伝送用のコアガラスとして用いる場合に特
に好ましい。
【0025】Alイオンはガラスの高紫外線透過率の性質
を付与する成分としても、Pイオンと共にガラス構造の
安定化及び化学的耐久性の向上に寄与する成分としても
非常に重要である。失透に対する十分な安定性を有する
コアガラスを作製するためには12%以上のAlイオンが必
要である。また、35%超えると逆に失透しやすくなり、
P含有量の少ないクラッドガラスに一致する粘性をもつ
ガラスが得られなくなる。そこで、Alイオンの含有量
は、12〜35%の範囲とすることが適当である。Alイオン
の含有量の下限は、好ましくは、13.5%であり、好まし
い上限は30%である。
【0026】Mg イオンはガラスの紫外線透過率を高め
るにもガラス構造の安定化にも非常に有用である。但
し、12%を超えるとガラスの失透に対する安定性が低く
なり、3%より少ないとガラスの高温溶解性が悪くな
る。そこで、Mg イオンの含有量は 3〜12%の範囲とす
ることが適当である。Mg イオンの含有量の下限は、好
ましくは、3.5 %であり、好ましい上限は8 %である。
Caイオンはガラスに高紫外線透過率を付与すると共に、
失透に対して安定なガラス化範囲を広げるのに有効であ
る。但し、20%を超えるとガラスの屈折率が低下する傾
向があり、12%未満ではガラスの失透に対する安定性が
悪化し、分相も起きやすい。従って、Caイオンの含有量
は12〜20%の範囲とすることが適当である。特に、Caイ
オンの含有量の下限は12.5%とすることが好ましく、上
限は18%とすることが好ましい。
【0027】アルカリ土類金属の中でSr、Baのような原
子番号の比較的大きなものはいずれもガラスの失透に対
する安定性を向上させ、ガラスの屈折率を高めるために
導入される成分である。しかし、SrイオンおよびBaイオ
ンの含有量は、それぞれ18%および20%を超えるとガラ
スの失透に対する安定性が悪化し、分相も起きやすい。
また、SrイオンおよびBaイオンの含有量が、それぞれ 7
%未満および 8%未満ではガラスの屈折率と熱膨張係数
が低くなり、さらには十分安定なガラスも得られない。
そこで、SrイオンおよびBaイオンの含有量は、それぞれ
7〜18%および8〜20%の範囲とすることが適当であ
る。特に、Srイオンの含有量の下限は、好ましくは、 8
%であり、好ましい上限は15%である。Baイオンの含有
量の下限は、好ましくは、10%であり、上限は18%とす
ることが好ましい。
【0028】Yイオンはガラスの失透に対する安定性、
化学的耐久性及び屈折率の向上に寄与する任意成分であ
る。特に、Pインオの含有量が少ない場合、Yイオンを
添加してガラスの安定性を向上させることができる。但
し、Pインオの含有量が多いときは、Yイオンを添加し
なくても十分に安定なガラスが得られる。Yイオンの原
料となるYF3 は高価な化合物であり、かつ、適量範囲
を超えて導入するとガラスが分相しやすくなる。そこ
で、Yイオンの含有量は10%以下とすることが適当であ
り、特に 9%以下とすることが好ましい。
【0029】アルカリ金属イオンはガラスの溶融性及び
高温粘性を調整する目的で少なくとも1種を使用でき
る、任意成分である。しかし、10%を超えるとガラスの
失透に対する安定性が低下し、ガラスの屈折率も化学的
耐久性も低下する。従って、その合計含有量は10%以下
とすることが適当である。アルカリ金属イオンの合計含
有量は、好ましくは、 8%以下とする。
【0030】一方、コア用ガラスは、陰イオンとして酸
素イオンと弗素イオンを含有する。ガラスを構成する陰
イオンとして酸素イオンを導入することにより、ガラス
の失透に対する安定性を向上させることができ、ガラス
の屈折率を増大することもできる。但し、15%未満では
十分長いファイバ用プリフォームを作製できるほど安定
なガラスが得られない。また、55%を超えると紫外線透
過性が低下する傾向がある。そこで、酸素イオンの含有
量は15〜55%とすることが適当である。酸素イオンの含
有量の下限は、好ましくは16%であり、上限は好ましく
は、50%である。
【0031】ガラスを構成する陰イオンとして弗素イオ
ンを含有させることにより、ガラスの紫外線透過率を向
上させることができる。しかし、45%未満では高い紫外
線透過率が得られない。一方、85%を超えると十分に高
い屈折率が得られない。そこで、弗素イオンの含有量は
45〜85%の範囲とすることが適当である。弗素イオンの
含有量の下限は、好ましくは、50%であり、上限は、好
ましくは、84%である。
【0032】さらに、コア用ガラスには、ガラスを構成
する任意の陰イオンとして塩素イオンを導入することが
できる。塩素イオンは、主にコアガラスの屈折率と失透
に対する安定性を高め、高温粘性を低めるために有益で
ある。しかし、塩素イオンの添加量が極少量の場合は、
ガラスの紫外線透過率はそれほど低下しないが、多量に
なるとガラスの紫外線透過率が急激に低下し、紫外線に
よるダメージも問題となる。そこで、塩素イオンの含有
量は 3%以下とすることが適当である。塩素イオンの含
有量は、好ましくは、下限が0.05%、上限が2.5 %であ
り、特に好ましくは、下限が0.1 であり、上限が 2%で
ある。
【0033】特に本発明によれば、開口数が0.22以上で
あり、かつ300〜400nmの範囲の波長の光の伝送
損失が1dB/m以下である光ファイバを提供すること
ができる。
【0034】本発明によれば、紫外線透過率の高い光フ
ァイバの提供に適した弗燐酸ガラスの製造方法を提供す
ることができる。この方法は、ガラス原料を熔解し、冷
却して、光ファイバ用ガラスを製造する方法であって、
前記ガラス原料の熔解を不活性ガスまたは不活性ガスと
水蒸気との混合ガスの雰囲気下で行うことを特徴とする
光ファイバ用ガラスの製造方法である。上記不活性ガス
は、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウムおよびネオンか
らなる群から選ばれる少なくとも1種であることができ
る。ガラス熔解雰囲気に水蒸気を導入する方法について
は、まずアルゴンなどの不活性ガスを水の入っているガ
ス洗浄瓶に流し、洗浄瓶の中の水蒸気で飽和させ、ある
程度の水蒸気分圧を得てから溶解炉に流し、ガラス溶解
の雰囲気とすることができる。図4は溶解炉への水蒸気
導入のプロセスを示す。水蒸気の導入量は図3に示した
洗浄瓶中の水の温度で調整することができる。
【0035】ガラス原料を熔解する際に用いるるつぼと
しては、グラッシーカーボン製が好ましいが、白金るつ
ぼを用いることも可能である。ただし、白金るつぼを用
いる場合はガラスへの白金インクルージョンの混入を避
ける注意が必要である。ガラスの熔解雰囲気としては、
上記のように不活性ガスまたは不活性ガスと水蒸気との
混合ガスを用いる。このような雰囲気下でガラスの熔解
を行うことで、ガラス中の弗素及びOHの揮発を防ぐこ
とができる。特に、不活性ガスと水蒸気との混合ガスを
用いることで、熔解雰囲気からOHイオンをガラスに混
入させることもでき、不活性ガスだけでなく、水蒸気を
加えた方が紫外域での透過率が高くなる。
【0036】本発明者らは、従来の少量燐酸を含有する
弗化物ガラスの紫外線透過率の低下は、燐酸系ガラスと
同様に下記のような結合がガラス構造中に存在するため
であると考えた。 P-O-R ( R = Mg、Ca、Sr、Ba、Na、Li、K ) そして、本発明においては、上記結合をガラス構造から
なるべく除去することによりガラスの紫外線透過率の改
善を行った。即ち、本発明の製造方法では、ガラスを不
活性ガス雰囲気下または不活性ガスと水蒸気との混合ガ
ス雰囲気で熔解することで、ガラス構造中のP-O-R 結合
の一部をP-O-H 結合で置き換えた。その結果、今までに
ない優れた紫外線透過性と光学的均質性とを有する弗燐
酸塩ガラスが得られた。
【0037】本発明は光ファイバの製造方法も包含す
る。この製造方法は、上記のガラスの製造方法によりク
ラッド用ガラスおよびコア用ガラスを製造し、これらガ
ラスからクラッドチューブおよびコアロッドを作製す
る。次いで、クラッドチューブおよびコアロッドを用い
てプリフォームを作製し、得られたプリフォームを線引
きすることを含む。前記本発明の製造方法により製造さ
れたクラッド用ガラスおよびコア用ガラスはいずれも優
れた紫外線透過性と光学的均質性とを有することから、
得られる光ファイバも優れた紫外線透過性と光学的均質
性とを有するものとなる。また、クラッド用ガラスおよ
びコア用ガラスの組成は、いすれも、前記本発明の光フ
ァイバを構成するガラスとすることが適当である。
【0038】より具体的に説明すると、前記本発明の方
法により熔解して得たコアガラスをガラスの軟化点温度
より高い温度まで加熱しながら押し出し成形法で(図1
に示す)コアロッドを作製する。同様に本発明の方法に
より熔解して得たクラッドガラスをガラスの軟化点温度
より高い温度まで加熱しながら押し出し成形法で(図2
に示す)クラッドチューブを作製する。これらコアロッ
ドとクラッドチューブを組み合わせて(図3に示す)フ
ァイバ線引き用プリフォームとし、これを線引きするこ
とで光ファイバが得られる。
【0039】本発明の光ファイバは、コア/クラッド間
の比屈折率差は1.1 %以上である。そのため、開口数は
0.22以上である。その結果、本発明光ファイバは、ファ
イバの曲げ損失の低下、ファイバ断面への光の入射効率
の向上を図ることができる。一般にファイバの曲げ損失
はファイバの開口数と反比例関係にあり、またファイバ
端面に照射される光の中でファイバに閉じ込められる光
量がファイバの開口数の増大にともない多くなる。特に
比屈折率差は1.4 %以上であることが好ましい。また、
比屈折率差の上限はないが、ガラスの組合せにより、実
際にはせいぜい20%である。また、本発明の光ファイバ
において開口数は0.25以上であることが好ましい。ま
た、開口数に上限はないが、実際にはせいぜい0.6 であ
る。
【0040】本発明の光ファイバは、300〜400n
mの範囲の波長の光の伝送損失が1dB/m以下である。好
ましくは、上記範囲の波長の光の伝送損失が0.5 dB/m以
下である。上記範囲の波長の光の損失が1.0 のdB/mを超
えると熱によるファイバダメージが生じ、さらに損失を
大きくし、ファイバの破損をまねく恐れがある。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、紫外線の伝送における
損失が低く、かつ高開口数の光ファイバを提供すること
が可能なクラッド用ガラスに適した組成のガラスを得る
ことができる。また、このガラスは、光学機器に用いら
れるレンズなどの光学部品の材料としても有望である。
さらに本発明によれば、上記クラッドガラスを用いた紫
外線の伝送における損失が低く、かつ高い開口数を有す
る光ファイバを提供することができる。特に本発明の光
ファイバは、半導体製造分野等で使用されている樹脂硬
化用の紫外線の伝送に有用な高開口数低損失を有するも
のである。さらに本発明の製造方法により、紫外線透過
率の高い、高開口数低損失光ファイバの製造用に適した
ガラスを製造でき、かつこのガラスを用いて、高開口数
を有し、低伝送損失の光ファイバを製造することもでき
る。特に、本発明の光ファイバは工業的規模での生産が
可能であり、石英ガラスファイバに代わるものとして非
常に有望である。
【0042】また、本発明の少量のOHまたは少量塩素
ドープ弗燐酸塩ガラスは、今までにない優れた紫外線透
過性を示し、かつ比較的安定に得ることができものであ
る。そのため、紫外線から近赤外線までの波長領域で低
損失、高開口数である光ファイバ用の母材ガラスとして
有用である。
【0043】加えて、本発明の光ファイバは、KrFレ
ーザ光等のエキシマレーザ光に対するダメージ耐性を有
することから、紫外線レーザ光伝送用として有用であ
る。さらに、本発明の光ファイバは、紫外域から赤外線
にわたる広い範囲で、高開口数、低損失を示し、紫外線
硬化光伝送用だけでなく、例えば波長 800nm付近の光を
用いた短距離通信用ファイバ、その他計測器用、センサ
等にも広く用いることができる。
【0044】
【実施例】以下、表及び図により本発明の低損失高開口
数弗燐酸塩ガラスファイバの作製方法について説明す
る。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。 参考例1〜33(コアガラス)および実施例1〜11
(クラッドガラス) 表1〜3には参考例1〜33のコアガラスの陽イオン及
び陰イオンの割合を示す。表4には実施例1〜11のク
ラッドガラスの陽イオン及び陰イオンの割合を示す。表
5〜7には表1〜3に示したコアガラスの組成に対応す
る各種化合物の割合をモル%で示す。表8には表4に示
したクラッドガラスの組成に対応する各種化合物の割合
をモル%で示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】これらのガラスを熔解する際には出発原料
として、純度99.99 %の Al(PO3)3、 Mg(PO3)2 、 Ca(P
O3)2 、 Sr(PO3)2 、Ba(PO3)2、 AlF3 、YF3 、MgF2、C
aF2、SrF2、BaF2、NaF 、LiF 、KF、MgCl2 、CaCl2 、S
rCl2 、BaCl2 、NaCl、KCl、LiClなどの化合物を用い
た。これらの化合物を表5〜8に示した所定の割合に10
0〜1000g秤取し、十分混合して調合バッチとした。こ
の調合バッチをカーボンるつぼに入れ、 950〜1000℃
で、アルゴン、N2、Neなどの不活性ガスあるいはこれら
の不活性ガスと水蒸気との混合ガス雰囲気で1〜2時間
ガラスの溶解を行った。
【0054】参考例4、9、26のコアガラスにおいて
は、図4に示す装置を用いて不活性ガスと水蒸気を混合
した雰囲気中で熔解を行った。その他の実施例および参
考例では、不活性ガスのみの雰囲気中で熔解を行った。
熔融後、ガラス融液カーボンるつぼに入れたまま室温ま
で放冷してガラスを得た。得られたガラスが無色透明で
光学顕微鏡で観察できる結晶は析出しなかった。また得
られたガラスのNa-d線での屈折率を測定し、示差熱分析
においてガラスの転移温度及び熱膨張計においてガラス
の屈伏温度と熱膨張係数をそれぞれ測定し、それらの値
をガラスの組成とともに表1〜4に示した。
【0055】実施例12〜19(光ファイバ) 本発明の光ファイバは、図1に示した押し出し方法で作
製した直径25mmと長さ500mmのコア用ロッドと、図2に
示した押し出し方法で作製した内径25mmと長さ500mmの
クラッドガラスチューブを用いた。これらコア用ロッド
とクラッドガラスチューブをクラス100のクリーンブ
ースの中で塩酸などの酸でエッチングした後直ちに図3
に示したようにロッドとチューブを組み合わせてプリフ
ォームとした。そして、常法により、約 500〜520 ℃で
直径 175μm、コア系 150μmのファイバを線引きし
た。尚、コアガラスとクラッドガラスは表9に示す組合
せとした。得られた各ファイバは、カットバック法によ
り損失測定を行った。250 〜 400nmの波長範囲では重水
素ランプ、 400〜1100nmの波長範囲ではハロゲンランプ
を光源とし、それぞれの波長範囲でファイバの出力をDH
-BP サイドオン型フォトマルとシリコンディテクターを
用いて測定した。結果を図5〜12に示す。さらに、本
発明の光ファイバ(実施例12〜19)の開口数および
屈折率差を表9に示す。
【0056】
【表9】
【0057】本発明のファイバの光伝送損失では、ガラ
スに含まれる不純物の吸収損失が最大の損失要因とな
る。これらの不純物が 250〜850nm の波長範囲で三つの
透過窓を示し、その最低損失が370nm では 0.1〜0.15dB
/m、 550nmでは0.04〜0.06dB/m、 780nmでは0.003 〜0.
009dB/m となった。特に伝送波長が 370nm及び 780nmと
なるところでの光伝送損失は紫外線伝送用石英ガラスフ
ァイバのそれとほぼ同程度となり、しかもファイバの開
口数が石英ガラスファイバのそれより約2倍に増大し
た。
【0058】以上のように、本発明の光ファイバは、紫
外域、可視域において優れた伝送特性を示すが 1.1μm
程度の長波長域まで1.0dB/m 以下の低伝送損失を示す。
コアガラスの溶解に用いられるバッチ原料の不純物をさ
らに低いレベルに抑えれば伝送損失特性のさらに優れた
ファイバの作製も可能である。また、ファイバの伝送損
失特性から計算された本発明のコアガラスのレーリ散乱
係数は0.75〜1.3(μm4・dB/km)と小さく、石英ガラスフ
ァイバのそれより小さい。これらのデータは本発明の光
ファイバが如何に優れているかを首肯させるものとなる
だろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ファイバ線引き用プリフォームに用いるコア
ガラスロッドの製造工程概略図。
【図2】 ファイバ線引き用プリフォームに用いるクラ
ッドガラスチューブの製造工程概略図。
【図3】 コアトッドとクラッドチューブからなるファ
イバ線引き用プリフォームの製造工程概略図。
【図4】 水蒸気雰囲気でのガラス溶解プロセスの概略
図。
【図5】 実施例12の光ファイバの伝送損失特性。
【図6】 実施例13の光ファイバの伝送損失特性。
【図7】 実施例14の光ファイバの伝送損失特性。
【図8】 実施例15の光ファイバの伝送損失特性。
【図9】 実施例16の光ファイバの伝送損失特性。
【図10】 実施例17の光ファイバの伝送損失特性。
【図11】 実施例18の光ファイバの伝送損失特性。
【図12】 実施例19の光ファイバの伝送損失特性。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスを構成する陽イオンとして、P 、
    Al、Y 、Mg、Ca、Sr及びBaを含み、前記各陽イオンの割
    合がモル%表示で、 Pイオンが 3〜12%、Alイオンが25
    〜40%、Y イオンが 1〜10%、Mgイオンが 5〜12%、Ca
    イオンが15〜27%、Srイオンが 8〜15%、Baイオンが 4
    〜12%であり、かつガラスを構成する陰イオンとして、
    OイオンとFイオンを含み、前記各陰イオンの割合がモ
    ル表示で、Oイオンが 3〜15%、Fイオンが85〜97%で
    あることを特徴とするガラス。
  2. 【請求項2】 陽イオンとしてアルカリ金属イオンを含
    み、その割合がモル表示で、Liが0〜5%、Naが0〜5
    %、K が0〜5%、Rbが0〜5%、Csが0〜5%てあ
    り、かつ合計(Li+Na+K +Rb+Cs)の含有量が5%以
    下である請求項1記載のガラス。
  3. 【請求項3】 光ファイバのクラッド用ガラスである請
    求項1または2記載のガラス。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のガラスをクラッ
    ドとし、 ガラスを構成する陽イオンとして、P 、Al、Mg、Ca、Sr
    及びBaを含み、前記各陽イオンの割合がモル%表示でP
    イオンが12〜37%、Alイオンが12〜35%、Mgイオンが 3
    〜12%、Caイオンが12〜20%、Srイオンが 7〜18%、Ba
    イオンが 8〜20%であり、かつガラスを構成する陰イオ
    ンとして、OイオンとFイオンを含み、前記各陰イオン
    の割合がモル%表示でOイオンが15〜55%、Fイオンが
    45〜85%であるガラスをコアとする光ファイバ。
  5. 【請求項5】 コア用のガラスが、陰イオンとしてClイ
    オンを含み、Clイオンの含有量が3 %以下である請求項
    4記載の光ファイバ。
  6. 【請求項6】 コア用のガラスが、陽イオンとしてYイ
    オンを含み、その割合がモル表示で10%以下である請求
    項4または5記載の光ファイバ。
  7. 【請求項7】 コア用のガラスが、陽イオンとしてアル
    カリ金属イオンを含み、その割合がモル表示で、Liが0
    〜10%、Naが0〜10%、K が0〜10%、Rbが0〜10%、
    Csが0〜10%であり、かつ合計(Li+Na+K +Rb+Cs)
    の含有量が10%以下である請求項4〜6のいずれか1項
    に記載の光ファイバ。
  8. 【請求項8】 紫外線伝送用である請求項4〜7のいず
    れか1項に記載の光ファイバ。
  9. 【請求項9】 開口数が0.22以上である請求項4〜8の
    いずれか1項に記載の光ファイバ。
  10. 【請求項10】 開口数が0.22以上であり、かつ300
    〜400nmの範囲の波長の光の伝送損失が1dB/m以下
    であることを特徴とする光ファイバ。
  11. 【請求項11】 ガラス原料を熔解し、冷却して、光フ
    ァイバ用ガラスを製造する方法であって、前記ガラス原
    料の熔解を不活性ガスまたは不活性ガスと水蒸気との混
    合ガスの雰囲気下で行うことを特徴とする光ファイバ用
    ガラスの製造方法。
  12. 【請求項12】 不活性ガスが窒素、アルゴン、ヘリウ
    ムおよびネオンからなる群から選ばれる少なくとも1種
    である請求項11記載の光ファイバ用ガラスの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項11または12記載の方法によ
    りクラッド用ガラスおよびコア用ガラスをそれぞれ製造
    し、得られたクラッド用ガラスおよびコア用ガラスから
    プリフォームを作製し、得られたプリフォームを線引き
    することを含む光ファイバの製造方法。
  14. 【請求項14】 光ファイバが請求項4〜9のいずれか
    1項に記載のものである請求項13記載の光ファイバの
    製造方法。
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