JP3478117B2 - 真空紫外光透過性の無水・無酸素フッ化アルミニウムガラス - Google Patents

真空紫外光透過性の無水・無酸素フッ化アルミニウムガラス

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JP3478117B2 JP06623798A JP6623798A JP3478117B2 JP 3478117 B2 JP3478117 B2 JP 3478117B2 JP 06623798 A JP06623798 A JP 06623798A JP 6623798 A JP6623798 A JP 6623798A JP 3478117 B2 JP3478117 B2 JP 3478117B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/32Non-oxide glass compositions, e.g. binary or ternary halides, sulfides or nitrides of germanium, selenium or tellurium
    • C03C3/325Fluoride glasses

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、波長200nm以
下の真空紫外光、具体的には波長160nm以下の光を
透過するフッ化アルミニウムガラスに関するものであ
り、さらに詳しくは、本発明は、上記波長域にある光、
レーザ光に使用されるレンズ、窓部、ミラー、プリズム
等の光学部品を作製するのに好適な真空紫外光透過性フ
ッ化アルミニウムガラスに関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、半導体の高精度加工技術の発展に
伴い、LSI等の半導体素子の高集積化の進展は極めて
著しい。例えば、DRAMでは、数年ごとに集積度が飛
躍的に高まる新商品へと世代が変化し、その度に量産化
のための新規技術の導入が必要とされる。そのような半
導体素子の高集積化を可能にしているのは光リソグラフ
ィ技術であり、ウエハ上の回路パターン形成工程におい
て、微細な線幅で描画できる光リソグラフィ技術が適用
される。そして、より高精度な加工技術が要求されるに
伴い、より微細な線幅を形成するために、リソグラフィ
用光源から放出される光の波長もより短波長化の方向に
進んでいる。このように、半導体露光装置に用いられる
光の波長はg線(435.8nm)からi線(365n
m)へ、そして、最近ではさらにレーザー光(波長24
8nmのKrFエキシマレーザ)へと短波長側へシフト
する傾向にあり、当業界では、それに対応した新しい光
学系、光源、光学材料等の開発が急務の課題となってい
る。 【0003】すなわち、従来、例えば、64MビットD
RAMでは、波長365nmの光を放出する光源が使用
されてきた。また、256MビットDRAMでは、波長
248nmの光を放出する光源が使用され、また、1G
ビットDRAMでは、波長193nmの光を放出する光
源が採用され、使用されつつある。そして、さらなる高
集積化が進むにつれ、波長160nm以下の光が使用さ
れる可能性が強い。したがって、上記のような光源の短
波長化に対応するために、光学材料としてのガラスにつ
いても、より短波長の光に対する透過率が高く、また、
光学的均質性が良好なものが強く望まれる。 【0004】ところで、従来、短波長の領域において、
高い透過性を有するガラス材料として石英ガラスが使用
されている。例えば、波長193nmの光に対応する投
影レンズに用いられる光学材料は石英ガラスである。し
かしながら、波長160nm以下の光に対しては、石英
ガラスでは十分な透過率が得られず、実質的に光学材料
として使用することは不可能である。また、他の材料で
は、結晶質であるアルカリハロゲン化物結晶、アルカリ
土類ハロゲン化物結晶が短波長の領域で高い透過性を有
することが知られている。これらのハロゲン化物は、そ
の物質の特性上、例えば、CaF2 、MgF2 の結晶
は、波長160nm以下の光に対して透過率の点で優れ
た特性を有している。しかしながら、単結晶の場合、例
えば、投影レンズとして加工する際には劈開の問題があ
り、高精度な加工が難しいという問題がある。 【0005】波長200nm以下の光に対応するガラス
としては、従来の光学ガラスの中では、上記石英ガラス
の他に、フッ化物ガラスが期待されている。すなわち、
フッ化物ガラスには、紫外線吸収が酸素イオンより短波
長側にあるフッ素が含有されているため、リン酸カルシ
ウム系ガラス、ホウ酸塩系ガラス、ホウケイ酸塩系ガラ
スなどのいわゆる非架橋酸素を減少させた酸化物ガラス
よりも優れた紫外線透過性を有するものとして期待され
ている。従来、上記フッ化物ガラスには、結晶化を防止
し、ガラス形成が安定であるように、PO2.5 を含有さ
せることが必要であるとの考えが一般的であった。すな
わち、ガラスにPO2.5 を導入して弗燐酸塩ガラスを形
成するのが一般的であった。 【0006】そのような弗燐酸塩ガラスの例としては、
例えば、短波長域において高い光透過性をもつ弗燐酸塩
ガラスに関するものとして、燐酸含有弗化物ガラスにB
aCl2 を0.5〜16.5モル%含有させたもの(特
開平2−283635号公報)が報告されており、さら
に、波長350nm以下の紫外線領域でも十分に高い透
過性を示し、かつ光学的均質性を有する弗燐酸塩ガラス
に関するものとして、燐酸塩ガラスにOHイオンを導入
したもの(特開平8−104538号公報)が報告され
ている。しかしながら、前者では、ガラス化範囲を広げ
るためにガラスに多量の塩素イオン(BaCl2 )を導
入しており、このために350nm以下の紫外線域では
十分な透過性が得られないと考えられる。また、後者で
は、ガラスに水蒸気又は水酸化物の形でOHイオンを導
入して、優れた紫外線透過性を有する少量OHドープ弗
燐酸塩ガラスを製造しているが、ガラスに水蒸気、OH
イオンを導入するとその化学的耐久性が低下し、いわゆ
るダメージを受け易くなると考えられる。また、上記弗
燐酸塩ガラスにはガラス構造の安定化すなわち失透に対
する安定性を高めるために、ガラス形成酸化物としてP
2.5 が導入されているが、PO2.5 の導入にはいくつ
かの問題点がある。 【0007】すなわち、本発明者らの検討したところに
よれば、一般に、弗燐酸塩ガラスにPO2.5 を含有させ
ることには、以下のような問題点があることが判明し
た。 (1)弗燐酸塩ガラスについて、透過率を測定したとこ
ろ、ガラスにPO2.5 を含有させることにより、紫外線
吸収端が長波長側へシフトすることが分かった。すなわ
ち、PO2.5 含有ガラスでは波長160nm以下の光に
対しては十分な透過率が得られない。 (2)また、ガラスにPO2.5 を含有させることによ
り、フッ化物と酸化物が混在することとなり、ガラスの
密度分布が良好でなくなる可能性がある。 (3)さらに、ガラス内にOやOHが含まれることによ
り、短波長の光によるダメージを受ける可能性がある。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】このような状況の中
で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上記のよう
な問題点を回避するために、ガラスにPO2.5 を含有さ
せることをやめ、新たなるガラス安定化のための物質を
含有させることを意図した。そして、鋭意研究を積み重
ねた結果、ガラスをフッ化アルミニウムならびにフッ化
物からなるBaF2−CaF2 −AlF3 の3元系で構
成し、第4成分として、PO2.5 の代わりにYF3 、S
rF2 、LaF3 のうちのいずれか一つをガラスに含有
させると、ガラスとして安定であり、しかも、より短波
長の光に対する透過率が高く、また、光学的均質性が良
好なガラスを得ることができること、製造技術的にも優
れた利点があることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、ガラスとして安定であり、し
かも、より短波長の光に対する透過率が高く、また、光
学的均質性が良好な真空紫外光透過性フッ化アルミニウ
ムガラスを提供することを目的とするものである。ま
た、本発明は、ガラス製造工程において、ガラス融液を
ゆっくり冷却しても、安定にガラスを形成することが可
能な真空紫外光透過性フッ化アルミニウムガラスを提供
することを目的とするものである。さらに、本発明は、
波長160nm以下の短波長の領域にある光及びレーザ
ー光に使用されるレンズ等の光学部品を作製するのに好
適なフッ化アルミニウムガラスを提供することを目的と
するものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、以下の構成が採用される。 (真空紫外光透過用無水・無酸素フッ化アルミニウ
ムガラスであって、1)BaF2 、CaF2 、AlF3
の含有モル%比率がa:b:cであり、上記aの値が1
4.00〜24.00の範囲、上記bの値が28.25
〜38.25の範囲、及び上記cの値が37.25〜4
7.25の範囲、であるガラスである、 2) さらに、上記ガラスはYF3 、SrF2 、LaF3
のうちのいずれか一つを含み、YF3 を2.5〜20.
00モル%、SrF2 を2.5〜7.5モル%、及びL
aF3 を2.5〜7.5モル%、含む、 3)Cl、Br又はIを含まない、 ことを特徴とする真
空紫外光透過性の無水・無酸素フッ化アルミニウムガラ
ス。 【0010】 【発明の実施の形態】続いて、本発明についてさらに詳
細に説明する。本発明では、前記のように、ガラスをフ
ッ化アルミニウムならびにフッ化物で構成することが必
須の要件であり、さらに、無水・無酸素であることが必
須の要件とされる。すなわち、本発明のガラスは、フッ
化アルミニウムならびにフッ化物で構成されること、そ
して、無水・無酸素であることを特徴としている。ここ
で、上記フッ化物とは、AlF3 を除く、BaF2 、C
aF2 、及びYF3 、SrF2 、LaF3 の1種以上、
及びそれらと同効の物質を意味するものとして定義され
る。 【0011】本発明のガラスの構成は、好適には、Ba
2 、CaF2 、AlF3 の含有モル%比率がa:b:
cであり、上記aの値が14.00〜24.00の範
囲、上記bの値が28.25〜38.25の範囲、上記
cの値が37.25〜47.25の範囲であるガラスで
あって、さらに、上記ガラスはYF3 、SrF2 、La
3 のうちのいずれか一つを含み、YF3 を2.5〜2
0.00モル%、SrF2 を2.5〜7.5モル%、L
aF3 を2.5〜7.5モル%含むこと、そして、無水
・無酸素であること、である。ここで、無水・無酸素で
あることとは、ガラスの基本骨格にO、OH等が導入さ
れたものではないこと、すなわち、後記する赤外線吸収
スペクトル(図4)で、それらに相当する吸収がみられ
ないレベルのものであることを意味する。 【0012】ここで、上記a:b:cの値は、AlF3
を核としてガラス化できる好適な範囲であり、上記a:
b:cの値が上記の範囲を外れると、ガラスを形成する
ことが難しくなる。AlF3 はガラス形成成分として必
須であり、上記範囲外ではガラスが得られにくく、ま
た、ガラスの結晶化傾向を大きくする。BaF2 、Ca
2 も同様に、上記範囲外ではガラスが得られにくい。
上記範囲内において、AlF3 は、フッ化アルミニウム
ガラスのガラス骨格を形成する成分として、ガラス形成
の安定化、ガラス構造の安定化、ガラスの光学的特性、
紫外線透過性及び化学的耐久性等のガラスの基本的諸性
質を大きく左右する重要成分である。また、BaF2
CaF2 は、ガラス形成の安定化、ガラス構造の安定
化、ガラスの耐失透性の向上等に寄与する成分である。 【0013】また、YF3 を2.5〜20.00モル
%、SrF2 を2.5〜7.5モル%、及びLaF3
2.5〜7.5モル%を含ませることにより安定にガラ
スを形成することできる。上記範囲内において、Y
3 、SrF2 、LaF3 は、フッ化アルミニウムガラ
スの安定なガラス化範囲を広げ、ガラス骨格の安定化に
寄与する成分として重要である。通常、例えば、YF3
自体は安定にガラスを形成するための素材ではない。し
かしながら、BaF2 、CaF2 、AlF3 からなる3
元系フッ化アルミニウムガラスにYF3 を含有させると
安定にガラスが形成される。これは、以下の理由による
ものと考えられる。フッ化アルミニウムガラスは、下記
のような数個のAl−F−Alのユニットを形成してい
ると考えられる。 【0014】 【化1】 【0015】そして、これにYF3 が添加されると、上
記のようなユニットがさらにYを介して大きな陰イオン
ネットワークを作り安定化が促進されると考えられる。 【0016】 【化2】【0017】上記ユニットは、液体状態で安定である
が、これにYF3 を添加するとさらに大きな陰イオンネ
ットワークが形成され、液体粘度が上昇し、物質移動が
できなくなり、安定なガラス形成が可能になるものと考
えられる。本発明では、ガラス製造工程において、ガラ
ス融液をゆっくり冷却しても安定にガラスが形成される
が、それは、上記ガラス形成のメカニズムによるものと
考えられる。また、本発明のガラスは、上記構成に示さ
れるように、無水・無酸素であることを特徴としてい
る。従来の弗燐酸塩ガラスでは、PO2.5 を含み、さら
に、ガラスにO、OHイオンを導入することで、ガラス
構造中にP−O−R結合、P−O−H結合を有する。し
かし、それによって、透過率は良くなっても、ガラス構
造中にO、OHが分散して含まれることにより、透過
率、屈折率が不均一となり、光学的均質性が低下する可
能性があり、また、紫外線等による化学反応によりP−
O結合が切断され、HF、H2 O等のガス発生の要因と
なり、ガラスの光化学的耐久性が低くなり、透過率が下
がる(着色)、屈折率が変わる等の、いわゆるダメージ
を受け易くなる可能性がある。これに対して、本発明の
ガラスは、前記のように、無水・無酸素であり、ガラス
内にOやOH、揮発性不純物が存在しないので、そのよ
うな問題はなく、光学的均質性とガラスの光化学的耐久
性が高く、いわゆるダメージの生じにくい長所を有す
る。 【0018】本発明では、上記ガラスの原料を溶融し、
得られたガラス融液を冷却して目的のガラスが製造され
るが、当該ガラスの製造工程において、ガラス融液をゆ
っくり冷却しても、安定にガラスを形成することができ
る長所がある。本発明では、上記特定のガラス成分を特
定の割合で組み合わせることにより、ガラス製造工程に
おいて、ガラス融液を緩慢に冷却しても、安定にガラス
が形成されるので、ガラス製造時に製品にクラックや割
れの発生がなく、したがって、ガラスの大型化が容易に
可能である。また、ガラスの成分組成を変えることによ
り、透過性の異なる多様なガラスを容易に作製できる。
ガラスの諸特性の中で重要なのは、短波長域における高
紫外線透過性であるが、いくら紫外線透過率が高くて
も、それだけでは実用化は困難であり、実際には、優れ
た高紫外線透過性を有する素材の中から、さらに、ガラ
スの光学的均質性、光化学的安定性・耐久性(低ダメー
ジ性)、透過率・屈折率の均一性、安定なガラス形成、
製造上の簡便性、低コスト性、製品の多様化の容易性な
どの諸要件を全てクリアーしたものがはじめてガラス材
料として使用することが可能となる。すなわち、紫外吸
収端のみを考慮すれば、従来、報告又は各企業から提供
されているシリカガラスで要求は満たされるが、ガラス
内にOやOH、揮発性不純物が存在すると、それらは光
化学的に不安定の原因(ソーラリゼーション)へとつな
がることになる。本発明のガラスは、前記のように、そ
のような問題がなく、短波長域における高紫外線透過性
及び上記諸要件を共に満たす優れた材料を提供しうる点
で、従来製品にない格別の特徴を有する。 【0019】本発明のガラスの特性及び製造上の技術的
特徴としては、特に、以下の点が挙げられる。 (1)波長160nm以下の短波長の領域で高い透過性
を有する。 (2)光学的均質性が高い。 (3)光化学的耐久性が高く、いわゆるダメージを受け
にくい。 (4)ガラス製造時に、製品にクラックや割れの発生が
なく、ガラスの大型化が容易に可能である。 (5)ガラス融液を緩慢に冷却しても、安定にガラスが
形成される。 (6)ガラスの成分組成に応じて、透過性の異なる多様
な製品を容易に作製できる。 【0020】 【実施例】次に、実施例を示して、本発明をさらに具体
的に説明する。しかし、本発明は当該実施例によって何
ら限定されるものではない。 実施例1 (1)ガラスの調製 本実施例では、本発明のフッ化アルミニウムガラスと、
比較のために、弗燐酸塩ガラス、添加成分を変えたフッ
化アルミニウムガラスを調製した。本実施例において調
製したガラス系は、BaF2 −CaF2 −AlF3 の3
元系に、第4成分としてP2 5 を添加した弗燐酸塩ガ
ラスと、第4成分としてYF3 、SrF2 、LaF3
ZrF4 、InF3 を添加したフッ化アルミニウムガラ
スである。ここで、BaF2 −CaF2 −AlF3 の3
元系のみでは安定な測定用ガラス試料が得られなかった
ため、BaF2 、CaF2 、AlF3 の組成比を19:
33:42カチオン%程度にして第4成分の添加効果を
調べた。表1に本実施例で調製したガラス組成を示す。 【0021】(2)出発原料 出発原料として、BaF2 (森田化学工業株式会社製、
昇華精製)、CaF2(白辰化学研究所製、99.99
%)、AlF3 (森田化学工業株式会社製、99.99
%)、P2 5 (和光純薬工業株式会社製、98.0
%)、YF3 (森田化学工業株式会社製、99.99
%)、SrF2 (白辰化学研究所製、99.99%)、
LaF3 (白辰化学研究所製、99.99%)、ZrF
4 (森田化学工業株式会社製、昇華精製)、InF
3 (フルウチ化学株式会社製、99.999%)を用い
た。 【0022】(3)方法 所定の組成比に混合したバッチをるつぼを用いて溶融し
た。溶融条件は、850〜950℃において30min
とし、溶融を脱水窒素雰囲気下で行った。これらの融液
をるつぼごと急冷し、ガラス転移温度Tg付近でアニー
ル後、ガラス試料を得た。得られたガラス試料を厚さ2
±0.01mmに成形し、両面について鏡面研磨を行
い、真空紫外域及び赤外域透過率測定用試料とした。 【0023】 【表1】 【0024】(4)結果 結果を図1〜4に示す。図1は、各種弗燐酸塩ガラスの
真空紫外光透過性の比較、図2は、各種フッ化アルミニ
ウムガラスの真空紫外光透過性の比較、図3は、各種ガ
ラス系及びCaF2 結晶の真空紫外光透過性の比較、そ
して、図4は、弗燐酸塩ガラス系とフッ化アルミニウム
ガラスの赤外吸収スペクトルの比較、をそれぞれ示した
ものである。尚、図中、BCAは、BaF2 −CaF2
−AlF3 の3元系を示す。5P〜20Pは、P2 5
添加、5Y〜15YはYF3 添加、5S、5L、5Z、
5Iは、SrF2 、LaF3 、ZrF4 、InF3
加、及びそのカチオン%をそれぞれ示す。 【0025】図1に示されるように、弗燐酸塩ガラスで
は、BCA+20Pを除き、いずれも、短波長域で高い
透過性を有するが、ほぼ同一又は近似の透過曲線を示す
のものに限られていることが分かる。しかし、本発明の
ガラスでは、YF3 、SrF2 、LaF3 の添加によっ
て、図3に示されるように、波長160nm以下の短波
長域で高い透過性を有し、かつその特性が微妙に異なっ
た多様なものになることが分かる。すなわち、本発明の
ガラスでは、その成分組成に応じて、透過率の異なる多
様なガラス製品を容易に作製することが可能である。高
精度の加工を可能とするより短波長の光に対応した新し
い光学系を構築するには、透過率の異なる多様な製品の
組み合わせが重要であり、かかる観点からも、多様な特
性を有する製品を容易に製造することができる本発明の
ガラスは、従来の製品にない長所を有すると云える。ま
た、図4の赤外線吸収スペクトルに示されるように、弗
燐酸塩ガラス(BCA+5P)では、OHに基づく水の
吸収がみられるが、フッ化アルミニウムガラス(BCA
+5RFn、R=Y,Sr,La,Zr,In)では、
そのような水の吸収は全くみられず、本発明のガラス
が、ガラスの基本骨格上、無水・無酸素のものであるこ
とが分かる。尚、O、OHに基づく吸収は、YF3 等の
種類及び添加量に関係しない、ガラスの基本骨格に基づ
くものであり、同様に実施した他の実施例においても同
様の結果が得られた。 【0026】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、フッ化
アルミニウムならびにフッ化物で構成され、無水・無酸
素としたことを特徴とする真空紫外光透過性の無水・無
酸素フッ化アルミニウムガラスに係るものであり、本発
明によれば、特に、以下のような効果が奏される。 (1)波長160nm以下の短波長域で高い紫外線透過
性を有する。 (2)光学的均質性が高い。 (3)従来品のようなO、OH基に基づく化学的耐久性
の低下がなく、いわゆるダメージの生じる可能性が低
い。 (4)製造時に、ゆっくり冷却しても安定にガラスが形
成され、クラックや割れの発生がない。 (5)大型化が容易である。 (6)ガラスの成分組成に応じて、多様な透過率特性を
持った製品を容易に作製できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】弗燐酸塩ガラスの真空紫外光透過特性を示す。 【図2】フッ化アルミニウムガラスの真空紫外光透過特
性を示す。 【図3】各種ガラス系及びCaF2 結晶の真空紫外光透
過特性を示す。 【図4】弗燐酸塩ガラス系とフッ化アルミニウムガラス
の赤外線透過特性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−107841(JP,A) M.R.Shahriari,SYN THESIS AND CHARACT ERIZATION OF ALUMI NUM FLURIDE BASED GLASSES AND OPTICA L FIBERS,Materials Science Forum,1988 年,vol.32&33,p.99−105 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 1/00 - 14/00 WPI JOIS

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 真空紫外光透過用無水・無酸素フッ化ア
    ルミニウムガラスであって、 1) BaF2 、CaF2 、AlF3 の含有モル%比率が
    a:b:cであり、 上記aの値が14.00〜24.00の範囲、 上記bの値が28.25〜38.25の範囲、及び 上記cの値が37.25〜47.25の範囲、 であるガラスである、 2) さらに、上記ガラスはYF3 、SrF2 、LaF3
    のうちのいずれか一つを含み、 YF3 を2.5〜20.00モル%、 SrF2 を2.5〜7.5モル%、及び LaF3 を2.5〜7.5モル%、 含む、3)Cl、Br又はIを含まない、 ことを特徴とする真空紫外光透過性の無水・無酸素フッ
    化アルミニウムガラス。
JP06623798A 1998-03-02 1998-03-02 真空紫外光透過性の無水・無酸素フッ化アルミニウムガラス Expired - Lifetime JP3478117B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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M.R.Shahriari,SYNTHESIS AND CHARACTERIZATION OF ALUMINUM FLURIDE BASED GLASSES AND OPTICAL FIBERS,Materials Science Forum,1988年,vol.32&33,p.99−105

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