JP2000301834A - 熱可逆性記録材料及びそれを用いた熱可逆性記録媒体 - Google Patents

熱可逆性記録材料及びそれを用いた熱可逆性記録媒体

Info

Publication number
JP2000301834A
JP2000301834A JP11111196A JP11119699A JP2000301834A JP 2000301834 A JP2000301834 A JP 2000301834A JP 11111196 A JP11111196 A JP 11111196A JP 11119699 A JP11119699 A JP 11119699A JP 2000301834 A JP2000301834 A JP 2000301834A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron
compound
recording material
thermoreversible recording
color
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11111196A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichi Nishioka
洋一 西岡
Yukihisa Okada
幸久 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP11111196A priority Critical patent/JP2000301834A/ja
Publication of JP2000301834A publication Critical patent/JP2000301834A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱エネルギーの制御により、容易に画像の形
成と消去とを繰り返し行うことができ、良好な画像コン
トラストを持つ熱可逆性記録材料及び熱可逆性記録媒体
を提供する。 【解決手段】 電子供与性呈色性化合物及び電子受容性
化合物を含み、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
合物との間の発色反応を利用した熱可逆性記録材料にお
いて、上記電子受容性化合物が、(4−(4−ハイドロ
キシフェニル)−ベンゾイックアシッド)−アルキルア
ミンであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱エネルギーの
制御により、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合
物との間の発色反応を利用し、画像の形成と消去とを繰
り返し行うことができる熱可逆性記録材料並びにそれを
用いた熱可逆性記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、OA機器の普及に伴い、普通紙或
いは感熱記録紙はワードプロセッサやファックスなどの
OA機器に広く用いられて、大量に消費されている。こ
のため、オフィスからの廃棄物の低減或いは地球環境保
全などの観点から、実用性の高いリサイクル可能な記録
媒体の出現が望まれている。このような記録媒体を実現
するために、画像の形成と消去とを繰り返し可逆的に行
うことができる熱可逆性記録材料を利用した記録媒体の
開発が鋭意進められている。
【0003】従来、このような画像の形成と消去とを繰
り返し可逆的に行うことができる熱可逆性記録材料につ
いては、いくつかのものが公報等に開示されている。例
えば、特開昭63−39377号公報(以下、文献1と
いう)には、樹脂バインダー中に有機低分子物質を分散
させた可逆性感熱記録材料が開示されており、熱エネル
ギーにより透明度を可逆的に変化させるものであった。
また、特開昭58−191190号公報(以下、文献2
という)には、発色剤と顕色剤から構成された可逆性感
熱透明記録材料が開示されており、加熱により画像を形
成し、水または水蒸気で消去を行うするものであった。
また、特開平2−188293号公報(以下、文献3と
いう)には、ロイコ染料と、加熱によりロイコ染料を発
色及び消色させる顕減色剤とを用いた可逆性感熱記録媒
体が開示されており、この可逆性感熱記録媒体におい
て、顕減色剤は、ロイコ染料を発色させる酸性基と、発
色したロイコ染料を消色させる塩基性基を有する両性化
合物で、熱エネルギーの制御により酸性基による発色作
用または塩基性基による消色作用の一方を優先的に発生
させ、発色と消色を行うものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記文献1に開示され
た可逆性記録材料は、熱エネルギーにより透明度を可逆
的に変化させるものであるため、画像形成部と画像未形
成部のコントラストが不十分であるという問題があっ
た。また、上記文献2に開示された可逆性感熱透明記録
材料は、加熱により画像を形成し、水または水蒸気で消
去を行うするものであり、熱エネルギーのみで発色と消
色との両過程を制御できるものではなく、その取り扱い
が容易ではないという問題があった。また、文献3に開
示された可逆性感熱記録媒体では、ロイコ染料と、ロイ
コ染料を発色させる酸性基及び発色したロイコ染料を消
色させる塩基性基を有する両性化合物からなる顕減色剤
を用い、熱エネルギーの制御により酸性基による発色作
用または塩基性基による消色作用の一方を優先的に発生
させ、発色と消色を行うものであるが、この方法では、
熱エネルギーの制御のみで完全に発色反応と消色反応を
切り換えることは不可能で、両反応がある割合同時に起
こるため、十分な発色濃度が得られず、また消色が完全
に行えないという問題があった。
【0005】上述のように、以上述べた従来の技術で
は、熱エネルギーの制御により画像の形成と消去とを繰
り返し可逆的に行うことができ、良好な画像コントラス
トを持ち、日常生活の環境下で経時的に安定な画像を保
持可能な熱可逆性記録材料は得られなかった。この発明
の目的は、熱エネルギーの制御により、容易に画像の形
成と消去とを繰り返し行うことができ、良好な画像コン
トラストを持ち、日常生活の環境下で経時的に安定な画
像を保持可能な熱可逆性記録材料並びにそれを用いた熱
可逆性記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、電子
供与性呈色性化合物及び電子受容性化合物を含み、電子
供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反
応を利用した熱可逆性記録材料において、上記電子受容
性化合物が、次の(1)式であらわされる(4−(4−
ハイドロキシフェニル)−ベンゾイックアシッド)−ア
ルキルアミンであることを特徴とする。
【0007】
【化1】
【0008】この発明の熱可逆性記録材料を用いれば、
電子供与性呈色性化合物(染料)と電子受容性化合物
(顕色剤)との間の発色反応を利用して、熱エネルギー
の制御により、画像の形成と消去とを繰り返し行うこと
が可能となる。この発明の電子受容性化合物である上述
の(4−(4−ハイドロキシフェニル)−ベンゾイック
アシッド)−アルキルアミンとしては、(4−(4−ハ
イドロキシフェニル)−ベンゾイックアシッド)−n−
オクタデシルアミン、(4−(4−ハイドロキシフェニ
ル)−ベンゾイックアシッド)−n−ヘプタデシルアミ
ン、(4−(4−ハイドロキシフェニル)−ベンゾイッ
クアシッド)−n−ヘキサデシルアミン、(4−(4−
ハイドロキシフェニル)−ベンゾイックアシッド)−n
−ペンタデシルアミン、(4−(4−ハイドロキシフェ
ニル)−ベンゾイックアシッド)−n−エイコシルアミ
ン、(4−(4−ハイドロキシフェニル)−ベンゾイッ
クアシッド)−n−ドコシルアミンなどを用いることが
できる。
【0009】また、請求項2の発明は、電子供与性呈色
性化合物及び電子受容性化合物を含み、電子供与性呈色
性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用し
た熱可逆性記録材料において、上記電子受容性化合物
が、次の(2)式で表される(4−(4−ハイドロキシ
フェニル)−ベンゾイックアシッド)−アルキルエステ
ルであることを特徴とする。
【0010】
【化2】
【0011】この発明の熱可逆性記録材料を用いれば、
電子供与性呈色性化合物(染料)と電子受容性化合物
(顕色剤)との間の発色反応を利用して、熱エネルギー
の制御により、画像の形成と消去とを繰り返し行うこと
が可能となる。この発明の電子受容性化合物である上述
の(4−(4−ハイドロキシフェニル)−ベンゾイック
アシッド)−アルキルエステルとしては、(4−(4−
ハイドロキシフェニル)−ベンゾイックアシッド)−ス
テアリルエステル、(4−(4−ハイドロキシフェニ
ル)−ベンゾイックアシッド)−ヘプタデシルエステ
ル、(4−(4−ハイドロキシフェニル)−ベンゾイッ
クアシッド)−ヘキサデシルエステル、(4−(4−ハ
イドロキシフェニル)−ベンゾイックアシッド)−ペン
タデシルエステル、(4−(4−ハイドロキシフェニ
ル)−ベンゾイックアシッド)−エイコシルエステル、
(4−(4−ハイドロキシフェニル)−ベンゾイックア
シッド)−ドコシルエステルなどを用いることができ
る。
【0012】また請求項1または2の発明の熱可逆性記
録材料において、電子供与性呈色性化合物としては、例
えば、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラ
ン系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミ
ン系化合物、インドリノフタリド系化合物などを用いる
ことができる。具体的には、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−
(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4
−アザフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフ
ェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,7−ビス
(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノチアジ
ン、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−
エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3,
3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3
−イル)フタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メ
チルインドール−3−イル)フタリド、3−ジエチルア
ミノ−7−クロロ−アニリノフルオラン、3,6−ジメ
トキシフルオラン、クリスタルバイオレットラクトン、
3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3
−イル)、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチル
アミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−エチルイソペンチルアミノ)フルオラン、3−シ
クロヘキシルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−ア
ニリノフルオラン、3−メチルプロピルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−
6−メチル−7−キシリジノフルオランなどが使用可能
である。
【0013】また、請求項3の発明に係る熱可逆性記録
媒体は、支持体上に、請求項1又は2記載の熱可逆性記
録材料からなる熱可逆性記録層を少なくとも備えたこと
を特徴とする。この熱可逆性記録媒体は、請求項1又は
2記載の熱可逆性記録材料からなる熱可逆性記録層を備
えているため、熱エネルギーの制御により、容易に画像
の形成と消去とを繰り返し行うことができ、しかも良好
な画像コントラストを持ち、さらに日常生活の環境下で
経時的に安定な画像を保持することが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて説明する。まず、この発明の第1の実施の形態に係
る熱可逆性記録材料並びにそれを用いた熱可逆性記録媒
体について、以下に説明する。この第1の実施の形態に
係る熱可逆性記録材料は、電子供与性呈色性化合物と電
子受容性化合物及びバインダーから構成される。この熱
可逆性記録材料は、電子供与性呈色性化合物(染料)と
電子受容性化合物(顕色剤)との間の発色反応を利用す
るものであり、上記電子受容性化合物である(4−(4
−ハイドロキシフェニル)−ベンゾイックアシッド)−
アルキルアミンとして、次の(3)式であらわされる
(4−(4−ハイドロキシフェニル)−ベンゾイックア
シッド)−n−オクタデシルアミンを用いたことを特徴
とする。
【0015】
【化3】
【0016】この第1の実施の形態に係る熱可逆性記録
材料及び熱可逆性記録媒体の製法について、以下に詳細
に説明する。まず、バインダーとしてポリビニルアルコ
ール溶液を用意した。ポリビニルアルコールとしては
(株)クラレ製KL−318を用い、このポリビニルア
ルコール:15重量部を、純水:985重量部に、3時
間加熱しながら溶解させた後、室温に冷却してポリビニ
ルアルコール溶液を得た。
【0017】次に電子供与性呈色性化合物(染料)とし
て、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオランを用意した。更に電子受容性化合物として、前
記(3)式で表される(4−(4−ハイドロキシフェニ
ル)−ベンゾイックアシッド)−n−オクタデシルアミ
ンを用意した。そして、3−ジエチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン:5重量部、(4−(4−
ハイドロキシフェニル)−ベンゾイックアシッド)−n
−オクタデシルアミン:25重量部を加熱溶融し共融物
質を得た。この共融物質を室温に冷却して得た固体を、
粉砕機に投入するのに適当な大きさ(例えば、10〜1
00μm程度の大きさの粒子とする)にし、上記ポリビ
ニルアルコール溶液に混合し、ボールミルで10時間粉
砕分散して熱可逆性記録材料の塗布液を得た。
【0018】次にこの塗布液を用いて熱可逆性記録媒体
を作製した。まず、支持体として、100μm厚の白色
のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用
意し、このPETフィルム上に、上記塗布液をバーコー
ターにより乾燥膜厚が5μmになるように塗布した。次
いで、これを循環熱風乾燥機で60℃、30分の加熱乾
燥をして、PETフィルム上に熱可逆性記録層を形成し
た。ついで、この熱可逆性記録層上に、ポリエポキシア
クリレートを主成分とするUV硬化樹脂を塗布しUVラ
ンプ照射により硬化させて2〜5μm厚の保護層を形成
し、これにより熱可逆性記録媒体を得た。
【0019】この熱可逆性記録媒体に感熱プリンターを
用いて印字したところ、鮮明かつ高濃度の黒色の画像を
得ることができた。次に印字した熱可逆性記録媒体を1
30℃のホットプレート上に置いて加熱したところ、画
像は速やかに消去した。なお、マクベス濃度計で測定し
た結果、発色状態で1.0(O.D.)、消色状態で
0.1(O.D.)であった(但し、O.D.は光学濃
度である)。更に上記の印字と消去の操作を100回繰
り返したところ、鮮明かつ高濃度の画像が繰り返し得る
ことができた。次に印字した画像を室温に100日放置
したところ、画像に劣化は観察されなかった。なお、感
熱プリンターによる印字時の加熱は、本例では保護層側
から加熱したが、支持体側から加熱することも当然可能
である。
【0020】なお、バインダーとしてのポリビニルアル
コール溶液におけるポリビニールアルコールと純水との
混合比に関し、成膜に適した均一な溶液を得るために
は、ポリビニールアルコールと純水を混合したポリビニ
ールアルコール溶液全体の重量に対しポリビニールアル
コールを0.5〜5重量%の範囲とするのが望ましい。
【0021】また、電子供与性呈色性化合物(染料)と
しての3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオランと電子受容性化合物としての(4−(4−ハ
イドロキシフェニル)−ベンゾイックアシッド)−n−
オクタデシルアミンとの混合比に関し、良好な発色濃度
を得るためには、重量比で、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオランを1とした場合、電子
受容性化合物としての(4−(4−ハイドロキシフェニ
ル)−ベンゾイックアシッド)−n−オクタデシルアミ
ンを0.1〜10の比率とするのが望ましい。その理由
は、(4−(4−ハイドロキシフェニル)−ベンゾイッ
クアシッド)−n−オクタデシルアミンの比率が10よ
り大きいと消色時に発色部が残留しやすく、また0.1
より小さいと良好な発色が得にくくなるためである。
【0022】また、前述の共融物質とバインダーとして
のポリビニルアルコール溶液との混合比については、両
者合計の重量に対し、共融物質が30重量%より大きく
なると記録層表面への共融物質の析出が見られたり成膜
性がわるくなり、また0.3重量%より小さくなると発
色濃度が低下し、視認性が悪くなる。従って、共融物質
は、両者合計の重量に対し、0.3〜30重量%の範囲
とするのが望ましい。
【0023】次に、この発明の第2の実施の形態に係る
熱可逆性記録材料並びにそれを用いた熱可逆性記録媒体
について、以下に説明する。この第2の実施の形態に係
る熱可逆性記録材料も、電子供与性呈色性化合物と電子
受容性化合物及びバインダーから構成される。この熱可
逆性記録材料は、電子供与性呈色性化合物(染料)と電
子受容性化合物(顕色剤)との間の発色反応を利用する
ものであり、電子受容性化合物である(4−(4−ハイ
ドロキシフェニル)−ベンゾイックアシッド)−アルキ
ルエステルとして、次の(4)式であらわされる(4−
(4−ハイドロキシフェニル)−ベンゾイックアシッ
ド)−ステアリルエステルを用いたことを特徴とする。
【0024】
【化4】
【0025】この第2の実施の形態に係る熱可逆性記録
材料及び熱可逆性記録媒体の製法については、電子受容
性化合物として、前述の第1の実施の形態において用い
られた電子受容性化合物である(4−(4−ハイドロキ
シフェニル)−ベンゾイックアシッド)−n−オクタデ
シルアミンに代えて、(4−(4−ハイドロキシフェニ
ル)−ベンゾイックアシッド)−ステアリルエステルを
用いた点を除けば、前述の第1の実施の形態と同様の工
程であるため、その説明は省略する。
【0026】この第2の実施の形態に係る熱可逆性記録
媒体においても、感熱プリンターを用いて印字したとこ
ろ、鮮明かつ高濃度の黒色の画像を得ることができた。
次に印字した熱可逆性記録媒体を130℃のホットプレ
ート上に置いて加熱したところ、画像は速やかに消去し
た。なお、マクベス濃度計で測定した結果、発色状態で
1.0(O.D.)、消色状態で0.1(O.D.)で
あった(但し、O.D.は光学濃度である)。更に上記
の印字と消去の操作を100回繰り返したところ、鮮明
かつ高濃度の画像が繰り返し得ることができた。次に印
字した画像を室温に100日放置したところ、画像に劣
化は観察されなかった。なお、感熱プリンターによる印
字時の加熱は、本例では保護層側から加熱したが、支持
体側から加熱することも当然可能である。
【0027】上述の第1、第2の実施の形態に係る熱可
逆性記録材料における画像の形成及び消去の原理は以下
のように考えられる。通常無色ないし淡色の電子供与性
呈色性化合物(染料)は、電子受容性化合物と共に加熱
すると、電子供与性呈色性化合物(染料)から電子受容
性化合物への電子移動が起こり、発色する。この時、電
子受容性化合物分子は発色した染料分子の極めて近傍に
存在している。一方、発色した染料分子から電子受容性
化合物分子を引き離すと、発色した染料分子は再び電子
を受け取り、発色前の電子供与性呈色性化合物に戻る。
また、熱エネルギー制御の面から見れば、次のように考
えられる。電子受容性化合物の融点以上に加熱し、電子
受容性化合物を溶融状態にすることにより、電子供与性
呈色性化合物と電子受容性化合物とが混合し発色する。
溶融状態の混合物をゆっくり冷却すると、降温するに従
い相分離しながら固化するために消色する。一方、急冷
を行うと、相分離が起こる前、即ち発色状態を保持した
ままで固化する。
【0028】ところで、前記各実施の形態の熱可逆性記
録材料では、黒色発色のために、電子供与性呈色性化合
物(染料)として、3−ジエチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオランを用いた例を説明したが、この
発明においては、種々の電子供与性呈色性化合物(染
料)を用いて黒色以外の種々の色を発色させることがで
き、例えば、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フ
ルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオ
ーラミン系化合物、インドリノフタリド系化合物などを
用いることができる。
【0029】以下に、発色する色毎に、電子供与性呈色
性化合物(染料)の具体例を示す。 (1)黒発色:3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−キシリジノフルオラン (2)青発色:3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキ
シフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドー
ル−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(p
−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタ
リド、3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾ
イルフェノチアジン、3−(4−ジエチルアミノフェニ
ル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−
イル)フタリド (3)赤発色:3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフ
ルオラン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチル
インドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−
エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド (4)緑発色:3−ジエチルアミノ−7−クロロ−アニ
リノフルオラン (5)黄発色:3,6−ジメトキシフルオラン
【0030】また、前記各実施の形態の熱可逆性記録材
料において、バインダーとしては水または有機溶剤に溶
解する高分子材料を使用することができる。具体的に
は、前述のポリビニルアルコールの他に、エチルセルロ
ース、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリビニルブチラー
ル、ニトロセルロース、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-
酢酸ビニル共重合体、ポリアセタール、スチレン-ブタ
ジエン共重合体などが使用可能である。
【0031】また、前記各実施の形態の熱可逆性記録媒
体において、支持体の構成材料の例としては、前述のポ
リエチレンテレフタレート(PET)の他に、、ポリエ
チレン、ポリ塩化ビニール、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、ポリアリレートなどを挙げることができる。
【0032】また、前記各実施の形態の熱可逆性記録媒
体において、保護層の構成材料の例としては、前述のポ
リエポキシアクリレートを主成分とするUV硬化樹脂の
他に、その他のUV硬化樹脂、ポリエステル、ポリ塩化
ビニール、ポリオレフィン、ポリビニールアルコール、
ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリア
リレート、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、などの
プラスチック、またはSiO2、TiO2、Al23など
の無機物質を挙げることができる。この保護層の膜厚
は、熱可逆性記録層を加熱するための手段(例えば、サ
ーマルヘッド)からの熱が熱可逆性記録層に良好に伝わ
り、且つ保護層としての機能が発揮できる範囲の膜厚と
すれば良い。
【0033】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1ま
たは2の発明に係る熱可逆性記録材料によれば、電子供
与性呈色性化合物(染料)と電子受容性化合物(顕色
剤)との間の発色反応を利用して、熱エネルギーの制御
により、画像の形成と消去とを繰り返し良好に行うこと
ができる。また請求項3の発明に係る熱可逆性記録媒体
によれば、支持体上に、請求項1又は2記載の熱可逆性
記録材料からなる熱可逆性記録層を少なくとも備えた構
成としたことにより、熱エネルギーの制御により、容易
に画像の形成と消去とを繰り返し行うことができ、良好
な画像コントラストを持ち、日常生活の環境下で経時的
に安定な画像を保持可能な熱可逆性記録媒体を実現でき
る。この熱可逆性記録媒体は、カード、紙、ディスプレ
イなどの再使用可能な記録媒体として用いることができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子供与性呈色性化合物及び電子受容性
    化合物を含み、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
    合物との間の発色反応を利用した熱可逆性記録材料にお
    いて、 上記電子受容性化合物が、(4−(4−ハイドロキシフ
    ェニル)−ベンゾイックアシッド)−アルキルアミンで
    あることを特徴とする熱可逆性記録材料。
  2. 【請求項2】 電子供与性呈色性化合物及び電子受容性
    化合物を含み、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
    合物との間の発色反応を利用した熱可逆性記録材料にお
    いて、 上記電子受容性化合物が、(4−(4−ハイドロキシフ
    ェニル)−ベンゾイックアシッド)−アルキルエステル
    であることを特徴とする熱可逆性記録材料。
  3. 【請求項3】 支持体上に、請求項1又は2記載の熱可
    逆性記録材料からなる熱可逆性記録層を少なくとも備え
    たことを特徴とする熱可逆性記録媒体。
JP11111196A 1999-04-19 1999-04-19 熱可逆性記録材料及びそれを用いた熱可逆性記録媒体 Withdrawn JP2000301834A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11111196A JP2000301834A (ja) 1999-04-19 1999-04-19 熱可逆性記録材料及びそれを用いた熱可逆性記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11111196A JP2000301834A (ja) 1999-04-19 1999-04-19 熱可逆性記録材料及びそれを用いた熱可逆性記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000301834A true JP2000301834A (ja) 2000-10-31

Family

ID=14554944

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11111196A Withdrawn JP2000301834A (ja) 1999-04-19 1999-04-19 熱可逆性記録材料及びそれを用いた熱可逆性記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000301834A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3876106B2 (ja) 可逆性二色感熱記録材料及び記録方法
JP2004345273A (ja) 画像記録方法
JP3790485B2 (ja) 画像記録方法
JP4226836B2 (ja) 可逆性多色表示媒体及びその多色表示方法
JP3722770B2 (ja) 多色可逆性感熱記録材料及び画像記録方法
JP3233751B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP3674827B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP2000301834A (ja) 熱可逆性記録材料及びそれを用いた熱可逆性記録媒体
JP2001113829A (ja) 可逆性感熱記録材料
JP4350560B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP3193166B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP3233765B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP4263655B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP4567252B2 (ja) 可逆性感熱発色組成物及びそれを用いた可逆性記録媒体
JP3781597B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP4813353B2 (ja) ヒドロキシフェニルヒドロキシアルキルアミド化合物、ならびにそれを用いた可逆性感熱組成物、可逆性感熱記録材料および発消色プロセス
JP2002059654A (ja) 可逆性多色感熱記録材料
JP4263654B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP3781691B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JPH09175030A (ja) 可逆性熱変色記録材料および可逆性熱変色記録媒体
JP2000141893A (ja) 可逆性感熱記録材料
JP3712347B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP2002172866A (ja) 熱可逆性記録材料及びそれを用いた熱可逆性記録媒体
JPH09254541A (ja) 可逆性感熱記録材料
JP3349817B2 (ja) 可逆性感熱記録材料

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060704