JP2000300988A - 触媒体およびその製造法 - Google Patents

触媒体およびその製造法

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JP2000300988A
JP2000300988A JP11114430A JP11443099A JP2000300988A JP 2000300988 A JP2000300988 A JP 2000300988A JP 11114430 A JP11114430 A JP 11114430A JP 11443099 A JP11443099 A JP 11443099A JP 2000300988 A JP2000300988 A JP 2000300988A
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catalyst
titanium oxide
alumina
metal
heat
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Tadami Suzuki
忠視 鈴木
Koichi Nakano
幸一 中野
Yoshifumi Moriya
好文 守屋
修三 ▲徳▼満
Shuzo Tokumitsu
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の触媒体は、塩素ガスに対する浄化能力
は高いが、臭気成分に対する浄化能力は保証されていな
いという課題を有している。 【解決手段】 少なくとも酸化チタンとアルミナおよび
貴金属触媒とを含有する触媒層5を金属基材3から成る
触媒担体に設けた触媒体とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス中の臭気成
分および塩素系ガスの浄化を行う触媒体およびその製造
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の酸化触媒体は、セラミック焼結
体、多孔状のブロックやハニカム担持体の表層に活性ア
ルミナを有する無機微粒子と貴金属類とを混合したスラ
リーを焼結担持したものや、セラミック繊維堆積ペーパ
ーのハニカム状成形体に酸化マンガンを主体とする成分
を吸着担持したもの、または触媒成分としてチタン酸化
物を含有し、チタン酸化物の細孔群の細孔径の範囲を限
定した有機ハロゲン化合物除去用触媒(特開平10ー2
35191)などがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の触媒体の内で、
多孔状のブロックやハニカム担持体の表層に活性アルミ
ナを有する無機微粒子と貴金属触媒類とを混合したスラ
リーを焼結担持した触媒体は硫化水素、アンモニア、メ
チルメルカプタン、ホルムアルデヒドなどの臭気成分に
対する浄化能力は優れているが、有機塩素系ガスに対す
る浄化能力が低い。また、セラミック繊維堆積ペ−パ−
のハニカム状成形体に二酸化マンガンを主体とする成分
を吸着担持した触媒体は硫黄により被毒されやすく、ま
た耐熱限界が500℃程度であり触媒寿命が短い。一
方、特開平10−235191に示されたチタン酸化物
を含有し、チタン酸化物の細孔群の細孔径の範囲を限定
した有機ハロゲン化合物除去用触媒は塩素系ガスに対す
る浄化能は高いが、臭気成分に対する浄化能に対する効
果は開示されていない。
【0004】本発明はこのような従来の触媒体が有して
いる課題を解決するもので、熱容量が小さく浄化能力に
優れ、200〜900℃の温度範囲で使用可能な触媒体
を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の手段の一つは、少なくとも酸化チタンとアル
ミナおよび貴金属触媒とを含有する触媒層を金属基材か
らなる触媒担体に設けた触媒体とする。
【0006】また他の手段は、酸化チタンとアルミナお
よび貴金属触媒に加え、少なくとも、バリウム、ストロ
ンチウム、セリウム、ランタンの酸化物のうちの一種以
上を含有する触媒層を金属基材からなる触媒担体に設け
た触媒体とする。
【0007】また他の手段は、前記酸化チタンの結晶形
態、純度、比表面積をそれぞれ最適化した触媒層を金属
基材からなる触媒担体に設けた触媒体とする。
【0008】また、他の手段は加熱不動態化皮膜を有す
る金属基材を触媒担体とする。
【0009】また他の手段は、酸化チタンとアルミナを
主成分とし、助触媒としてバリウム、ストロンチウム、
セリウム、ランタンの酸化物のうちの一種以上を添加
し、これに少なくともコロイド状アルミナもしくはコロ
イド状シリカあるいは両者の混合物のいずれかを含むス
ラリ−を加熱不動態化皮膜を有する触媒担体上に塗布
し、乾燥焼成後に貴金属硝酸塩水溶液を塗布含浸し、そ
の後乾燥焼成したことを特徴とする触媒体の製造方法で
ある。
【0010】また他の手段は、少なくとも酸化チタンと
アルミナを主成分とし、助触媒としてバリウム、ストロ
ンチウム、セリウム、ランタンの酸化物のうちの一種以
上を添加し、これに少なくともコロイド状アルミナもし
くはコロイド状シリカあるいは両者の混合物のいずれか
を含むスラリーを加熱不動態化皮膜を有する触媒担体に
塗布し、乾燥焼成後にジニトロジアンミン貴金属硝酸塩
水溶液を塗布含浸し、その後乾燥焼成することを特徴と
する触媒体の製造方法である。
【0011】また、触媒担体に加熱不動態化皮膜を形成
する手段が、少なくとも雰囲気中の酸素が0.05〜
0.2容積%含有するガス中で加熱焼鈍処理したことを
特徴とする触媒体の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、少なくと
も酸化チタンとアルミナおよび貴金属触媒とを有する触
媒層を金属基材からなる触媒担体に設けた触媒体とする
ことにより、活性の高い触媒層を形成し、且つ触媒担体
への強固な密着性を持たせる触媒層を有しているので、
従来に比べて特に臭気成分や塩素系のガスの浄化能力と
耐久能力が共に優れた触媒体を提供できるものである。
【0013】請求項2記載の発明は、酸化チタンとアル
ミナおよび貴金属触媒と少なくとも、バリウム、ストロ
ンチウム、セリウム、ランタンの酸化物のうちの一種以
上を含有する触媒層を触媒担体に設けた触媒体とするこ
とにより、特に、酢酸臭の分解に効果的に作用し、且つ
触媒担体への強固な密着性を持たせる触媒層を形成して
いるで、従来に比べて触媒能力と耐久能力の双方に優れ
た触媒体を提供できるものである。
【0014】請求項3記載の発明は、酸化チタンの結晶
構造をアナタ−ゼ型に限定することで、熱触媒としての
触媒能力と光触媒作用を有する触媒体を提供できるもの
である。
【0015】請求項4記載の発明は、酸化チタンの純度
を99%以上とすることで、触媒活性をさらに高めた触
媒体を提供できるものである。
【0016】請求項5記載の発明は、比表面積が100
〜500m2/gの酸化チタンを含有した触媒体とする
ことにより、さらに活性を高めた触媒体を提供できるも
のである。
【0017】請求項6記載の発明は、触媒担体を加熱不
動態化皮膜を有する金属基材とすることで、触媒層と触
媒担体との密着性をより強固にした触媒体を提供できる
ものである。
【0018】請求項7記載の発明は、酸化チタンとアル
ミナを主成分とし、助触媒としてバリウム、ストロンチ
ウム、セリウム、ランタンの酸化物のうちの一種以上を
添加し、これに少なくともコロイド状アルミナもしくは
コロイド状シリカあるいは両者の混合物のいずれかを含
む分散スラリ−を加熱不動態化皮膜を有する触媒担体上
に塗布し、乾燥焼成後に貴金属硝酸塩水溶液を塗布含浸
し、その後乾燥焼成した触媒体の製造法としているの
で、極めて表層部分に貴金属の密度の高い触媒体を形成
させることができる。従って従来に見られない浄化能力
を発揮するものとなる。この触媒体の特質としてアンダ
ーコートの成分としてバリウム、ストロンチウム、セリ
ウム、ランタンのうちの一種以上の酸化物を使用するこ
とで従来の酸化マンガン触媒で転化不良のために発生し
ていた酢酸臭気を全く発生することなく完全に無臭の状
態に浄化する能力を有する触媒体の製造方法を提供する
ことができる。
【0019】請求項8記載の発明は、貴金属硝酸塩の水
溶液が白金ジニトロジアンミン硝酸溶液とパラジウムジ
ニトロジアンミン硝酸溶液、ロジウムジニトロジアンミ
ン硝酸溶液の中の少なくとも一種を含むことを特徴とす
ることにより、触媒体表層部分に高密度の触媒を形成す
る方法としているので、浄化すべきガスに含まれる水蒸
気に影響されることなく、且つ200〜900℃の温度
範囲で高活性を示す触媒体の製造方法を提供することが
できる。
【0020】請求項9記載の発明における加熱不動態化
皮膜を有する金属基材は、少なくとも雰囲気中の酸素が
0.05〜0.2容量%含有するガス中で加熱焼鈍処理
したものである。この処理は上記の加熱雰囲気中105
0℃程度で実施するもので、黒色状メッキ様の凹凸のあ
る加熱不動態皮膜が形成され、アンダーコートの塗布焼
成時にこの成分である酸化チタン、アルミナ或いは酸化
チタン、アルミナ、バリウム酸化物との相互密着が発生
するため、金属基材上にアンダーコートが強固に密着保
持し続ける形成を可能にし、さらに担体上に形成させた
加熱不動態化皮膜が耐食性を発揮する触媒体を製造す
る。これに該当する雰囲気は都市ガス燃焼排ガス中での
加熱焼鈍処理(一般的にはDX処理とも称する)、プロ
パン燃焼排ガス中での加熱焼鈍処理(RX処理)、上記
の酸素濃度である窒素雰囲気、同上酸素濃度にある炭酸
ガス雰囲気で実施する。
【0021】
【実施例】(実施例1)以下、本発明の請求項1、6、
8、9に対応する一実施例について説明する。
【0022】本発明では触媒担体の形状を限定するもの
ではないが図1に本発明で用いた金属基材からなる触媒
担体の形状の一実施例を示す。触媒担体の形状は一般的
なコルゲ−トタイプの金属担体であり、金属箔の平板1
と波付け加工された金属箔である波板2を交互になるよ
うに巻回することによって構成されている。材料は平板
1、波板2ともに耐食性ステンレス鋼NAR−FC4
(住友金属工業製)の厚み0.1mmのものである。コ
ルゲ−ト加工後の触媒担体の形状は外径寸法がφ45、
高さが40mmの円筒形(シェル数・200個/平方イ
ンチ)とした。その後、前記触媒担体にDX処理を施す
ことで不動態化皮膜を基材表面に形成させる。
【0023】このDX処理は、都市ガスと空気を理論空
気比以下で燃焼させ、燃焼排ガス中の水分を除湿した
後、1050℃の電気炉中に充満させ、この雰囲気下で
加熱焼鈍処理するものである。なお、雰囲気ガス発生は
大阪ガス株式会社製の装置を使用した。
【0024】DX処理を施した触媒担体に後述するアン
ダーコートスラリーを5.0g塗布した後、130℃×
20分乾燥、600℃×20分焼成し、アンダーコート
層を形成した。次に、1.9重量%のジニトロジアンミ
ン白金硝酸水溶液と1.9重量%のジニトロジアンミン
パラジウム硝酸水溶液とを2/1の比で混合し5.0g
(貴金属重量として1.5g/担体1リットル)塗布し
た。その後、130℃×20分乾燥、600℃×20分
焼成し触媒体3を作製した。
【0025】次に、アンダーコートスラリーの調製につ
いて詳述する。スラリー組成物Aは次の様にして調製し
た。酸化チタンは比表面積が300m2/g、純度が9
9.5%でアナタ−ゼ型の結晶構造のものを用いた。配
合比は前記酸化チタン300重量部、活性アルミナ10
0重量部、硝酸アルミニウム9水和物を50重量部、コ
ロイド状アルミナを120重量部、イオン交換水を74
0重量部として、これを2リットルボールミルで2時間
混合してアンダーコートスラリーを得た。
【0026】このようにして作製した本発明の触媒体の
断面構成を模式図で図2に示した。この図において、3
は金属基材、3aは加熱不動態化皮膜、4はアンダーコ
ート層、5は貴金属触媒層である。
【0027】次に本触媒体の浄化性能測定装置を図3に
示した測定装置を参照して説明する。6は空気を送るた
めのコンプレッサ−、7は空気量を調節するための流量
調整器A(マスフロ−コントロ−ラ−)、8は液体を蒸
発させて測定ガスを発生させるガス発生器(パ−ミエ−
タ−)、9は測定ガスを一定の濃度に希釈して充填した
ガスボンベ、ガスボンベ9とガス発生器8は切り替えコ
ック10を切り替えて使い分ける。11は流量調整器B
でガスボンベ9からの流量を調節する。12は測定ガス
を触媒体に導入するための配管、13は測定ガスの混合
拡散を行うための整流板、14は本発明の触媒体、15
はガス漏れを防止するためのセラミックウールシ−ル
材、16は測定ガスを採取するためのサンプリング管
A、17は浄化ガスを採取すためのサンプリング管B、
18は触媒体を加熱するマッフル炉、19は浄化ガスの
排出口20を備えた触媒体保持容器で石英管で作られて
いる。
【0028】次に、この動作を説明する。測定する臭気
物質が液体(例えばトルエンなど)の場合、ガス発生器
8に測定する液体を入れてコンプレッサ−6からの空気
で蒸発させながら臭気物質を発生させる。コンプレッサ
−からの空気量は流量調整器A7で調整して空間スピー
ド(SV値)3000/hr(触媒の体積に対する1h
r当りのガス流量負荷)とし、切り替えコック10から
配管12を通って流入するガスをマッフル炉18で加熱
した触媒体14に導入する。触媒体14の温度は200
〜700℃の間変化させ、浄化の状態をサンプリング管
16、17からガスを採取して触媒体14の入り口と出
口のガス濃度をガスクロマトグラフィ−または北川式ガ
ス検知管で測定し、浄化率を求めた。
【0029】これと同様にして、ガス状の臭気物質は一
定の濃度に希釈して充填したガスボンベ9から流量調整
器B11で流量を調整して切り替えコック10を通して
触媒体14に導入する。測定は前記液状の臭気物質と同
様の方法で行った。
【0030】測定した臭気物質はエタノ−ル、硫化ジメ
チル、アンモニア、塩素系ガスとしてトリクロロベンゼ
ン、について浄化性能を測定した。比較品としてセラミ
ック繊維堆積ペ−パ−のハニカム状成形体(シェル数・
300個/平方インチ)を基材とし、二酸化マンガンを
触媒種とした触媒体により、上記と同様にして浄化性能
を測定した。測定したこれらの結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1に示しているように、初期の状態は比
較品に対して本実施例の触媒体は各種ガスの浄化性能が
優れている。特に塩素系ガスの浄化特性は明らかに本実
施例が優れている。また、15重量%のエタノ−ル30
gを蒸発させて触媒体を通過させた時に中間体として発
生する酢酸の排出状態を試験した結果も表1に併記し
た。この結果からも明らかなように本発明品が優れてお
り、特に酢酸の浄化能力に優れている結果を示してい
る。
【0033】(実施例2)請求項2、請求項7に対応す
る実施例で、触媒体の製造工程については実施例1と概
略は同じであるが、アンダーコートスラリーの調製方法
のみ異なっているので、以下にこの調製方法を詳述す
る。
【0034】アンダーコートスラリーは以下のようにし
て調製した。配合比は酸化チタン(実施例1と同じ)3
00重量部、活性アルミナ100重量部、硝酸アルミニ
ウム9水和物を50重量部、硝酸バリウム25重量部、
コロイド状アルミナを120重量部、イオン交換水を7
90重量部とし、これを2リットルボールミルで2時間
混合してスラリー組成物Bを得た。
【0035】このようにして得られた触媒体は、実施例
1で得られる触媒体に比べて、酸化チタンの比表面積の
低下が少なく、200〜900℃の温度範囲において、
浄化性能は同等の性能を示すものであるが、耐久性にお
いて優れている。バリウム酸化物の代わりにセリウム、
ストロンチウム、ランタンの酸化物を添加しても同様の
効果が得られた。15重量%エタノール水溶液の浄化性
能は酢酸2ppm、ホルムアルデヒドは検出なしの結果
を示した。従って、酢酸およびホルムアルデヒドの浄化
に特異性を示す触媒体をもたらすものである。
【0036】(実施例3)請求項3、4、5に対応する
実施例で酸化チタンの結晶構造、純度、被表面積と脱臭
性能について実験したものである。
【0037】酸化チタンの結晶構造はチタン原子を中心
に6個の酸素原子が八面体を構成しており、チタンの配
位数は6である。この八面体の連なり方には3種類あ
り、それぞれアナタ−ゼ、ルチル、ブルカイトと呼ばれ
ている。アナタ−ゼとルチルは正方晶系であるが、ブル
カイトは斜方晶系である。3種類の結晶構造の中ではル
チル型が最も安定でアナターゼおよびブルカイトは転移
抑制剤や促進剤がない場合にはそれぞれ915℃および
650℃以上でルチルに不可逆的に転移する。
【0038】触媒体の作製は実施例1の配合比で酸化チ
タンの結晶構造だけをかえて行った。浄化能の測定も実
施例1と同様の方法で行った。実験結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】表2から明らかなように、3種類の結晶構
造の中ではアナタ−ゼ型の酸化チタンの浄化性能が優れ
ていた。
【0041】次に酸化チタンの純度について実験した結
果を表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】表3から明らかなように、純度が99.0
%以上になると浄化特性が大幅に改善する。これは不純
物として酸化チタンに含まれているSO2の影響が大き
いためと思われる。
【0044】次に酸化チタンの比表面積の影響について
実験した結果を表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】表4から明らかなように、比表面積が10
0m2/g以上になると浄化特性の著しい改善が認めら
れるが500m2/gを越えると粒径が細かくなりすぎ
て加工性が極端に悪くなる。したがって、本発明の触媒
体用としては比表面積が100〜500m2/gの2酸
化チタンが適している。加工性を加味すると好ましくは
300m2/g前後のものが適している。
【0047】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、少なくと
も酸化チタンとアルミナと貴金属触媒とを有する活性の
高い触媒層を加熱不動態化皮膜を有する金属基材に設け
ているので、従来に比べて触媒層の密着性が強く脱臭性
能、有機塩素系ガスの触媒浄化能力と耐久性に優れた触
媒体を提供できるものである。
【0048】請求項2記載の発明によれば、酸化チタン
とアルミナおよび貴金属触媒と少なくとも、バリウム、
セリウム、ストロンチウム、ランタンの酸化物のうちの
一種以上を含有する活性の高い触媒層を不動態化皮膜を
有する触媒担体に設けているので、従来に比較して触媒
浄化能力と耐久性に優れた触媒体であり、また、酢酸と
ホルムアルデヒドの浄化性能に優れている触媒体を提供
できる。
【0049】請求項3記載の発明によれば、アナタ−ゼ
型の結晶構造の酸化チタンを用いることで、熱触媒とし
ても優れた浄化能力を発揮する。また、触媒体の昇温も
すばやく、従来に比べて即熱できる触媒の提供ができ
る。
【0050】請求項4記載の発明によれば、純度が99
%以上の酸化チタンを用いることで、触媒活性をさらに
高めた触媒体を提供できる。
【0051】請求項5記載の発明によれば、比表面積が
100〜500m2/gの酸化チタンを用いることで、
貴金属触媒の分散性が改善され触媒活性をさらに高めた
触媒体を提供できる。
請求項6記載の発明によれば、触媒
担体を加熱不動態化皮膜を有する金属基材とすること
で、触媒層と触媒担体との密着性をより強固にした触媒
体を提供できるものである。
【0052】請求項7記載の発明によれば、酸化チタン
とアルミナを主成分とし、助触媒としてバリウム、セリ
ウム、ストロンチウム、ランタンの酸化物の一種以上を
添加し、これに少なくともコロイド状アルミナもしくは
コロイド状シリカあるいは両者の混合物のいずれかを含
む分散スラリ−を加熱不動態化皮膜を有する金属基材上
に塗布し、乾燥焼成後に貴金属硝酸塩水溶液を塗布含浸
し、その後乾燥焼成した触媒体の製造法としているの
で、極めて表層部分に貴金属の密度の高い触媒体を形成
させることができる。従って従来に見られない浄化能力
を発揮するものとなる。また、触媒体は表面部分に貴金
属濃度の高い状態で製造されることから従来に比べて触
媒の浄化能力と耐久性に優れた触媒体を提供できるもの
である。また、ホルムアルデヒドの浄化性能に優れてい
る触媒体の製造方法が提供できる。
【0053】請求項8記載の発明によれば、酸化チタン
とアルミナを主成分とし、助触媒としてバリウム、セリ
ウム、ストロンチウム、ランタンの酸化物の一種以上を
添加し、これに少なくともコロイド状アルミナもしくは
コロイド状シリカあるいは両者の混合物のいずれかを含
む分散スラリ−を加熱不動態化皮膜を有する金属基材上
に塗布し、乾燥焼成後、白金ジニトロジアンミン硝酸溶
液とパラジウムジニトロジアンミン硝酸溶液とロジウム
ジニトロジアンミン硝酸溶液の少なくともいずれか一方
を含む水溶液により触媒体を製造するので、触媒体の表
面層に高濃度の貴金属触媒層を形成できるので、ガス中
に含まれる水蒸気にほとんど影響されることなく、20
0〜900℃の温度範囲で高活性を確保できる触媒体の
製造方法が提供できる。
【0054】請求項9記載の発明によれば、触媒担体は
ガス燃焼排ガス中で加熱焼鈍処理して加熱不動態化皮膜
を有する基材とすることから、少なくとも雰囲気中の酸
素が0.05〜0.2容量%を含有するガス雰囲気中で
加熱焼鈍処理したものにより、触媒体を製造することか
ら基材と触媒層が強固に密着し、耐食性に優れた触媒体
の製造を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒体の一実施例における基材の構成
を示す斜視図
【図2】本発明の触媒体の構成を示す断面図
【図3】本発明の触媒体の性能を測定する浄化性能測定
装置の構成を示す断面図
【符号の説明】
3 金属基材 3a 加熱不動態化皮膜 4 アンダーコート層 5 触媒層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/58 B01J 35/02 J 32/00 35/04 301Z 35/02 37/02 101A 35/04 301 301F 37/02 101 B01D 53/36 H 301 ZABJ (72)発明者 守屋 好文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 ▲徳▼満 修三 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4D048 AA11 AA22 AB01 AB03 AB05 BA03X BA06X BA07X BA13X BA15X BA18X BA19X BA30X BA31X BA33Y BA41X BB02 EA01 4G069 AA01 AA04 AA08 AA09 AA11 AA12 AA14 BA01A BA01B BA01C BA02B BA02C BA04A BA04B BA04C BA17 BA18 BA48A BA48C BB04A BB04B BB04C BC12A BC12B BC13A BC13B BC42A BC42B BC43A BC43B BC71A BC72A BC72B BC72C BC75A BC75B BC75C CA02 CA07 CA10 CA11 CA17 DA06 EA19 EC03X EC22X EC27 FA01 FA02 FA03 FA04 FA06 FB14 FB16 FB23 FC02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、酸化チタン、アルミナおよ
    び貴金属触媒とを有する触媒層を金属基材からなる触媒
    担体に設けた触媒体。
  2. 【請求項2】 バリウム、セリウム、ストロンチウム、
    ランタンの酸化物の一種以上を含有する請求項1記載の
    触媒体
  3. 【請求項3】 酸化チタンの結晶構造がアナタ−ゼ型で
    ある請求項1〜2記載の触媒体
  4. 【請求項4】 酸化チタンの純度が99%以上である請
    求項1〜3記載の触媒体
  5. 【請求項5】 酸化チタンの比表面積が100〜500
    2/gである請求項1〜4記載の触媒体
  6. 【請求項6】 触媒担体が加熱不動態化皮膜を有する金
    属基材である請求項1〜5記載の触媒体。
  7. 【請求項7】 酸化チタンとアルミナを主成分とし、助
    触媒としてバリウム、ストロンチウム、セリウム、ラン
    タンの酸化物のうちの一種以上を添加し、これに少なく
    ともコロイド状アルミナもしくはコロイド状シリカある
    いは両者の混合物のいずれかを含むスラリ−を加熱不動
    態化皮膜を有する触媒担体上に塗布し、乾燥焼成後に貴
    金属硝酸塩水溶液を塗布含浸し、その後乾燥焼成する触
    媒体の製造法。
  8. 【請求項8】 貴金属硝酸塩の水溶液が、白金ジニトロ
    ジアンミン硝酸溶液とパラジウムジニトロジアンミン硝
    酸溶液、ロジウムジニトロジアンミン硝酸溶液のうちの
    少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項7記載の
    触媒体の製造法。
  9. 【請求項9】 触媒担体が、少なくとも雰囲気中の酸素
    が0.05〜0.2容積%含有するガス中で加熱焼鈍処
    理して加熱不動態化皮膜を形成した金属基材である請求
    項7〜8記載の触媒体の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007330864A (ja) * 2006-06-13 2007-12-27 Nissan Motor Co Ltd 排ガス浄化用触媒及びその製造方法
CN101947447A (zh) * 2010-09-10 2011-01-19 山东大学 可图案化环境催化材料及其浆料的制备

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JP2007330864A (ja) * 2006-06-13 2007-12-27 Nissan Motor Co Ltd 排ガス浄化用触媒及びその製造方法
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