JP2005021878A - 排ガス浄化触媒及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】バリウム及びセリウム、更には白金を密に接触させ、NOxトラップ触媒機能(吸着、脱離、浄化、S解除)を向上させた排ガス浄化触媒及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】バリウム及びセリウムを担持した多孔質粉末を含み、EPMA法によるバリウムとセリウムとの強度比を0.5μmのスキャン間隔で測定した度数分布の標準偏差σが、0.1〜2.5の範囲にある排ガス浄化触媒である。
少なくともバリウム及びセリウムをイオンの状態で混合した水溶液により、バリウム及びセリウムを沈殿させずに多孔質粉末に含浸し、焼成して排ガス浄化触媒を製造する。酢酸バリウム水溶液と酢酸セリウム水溶液を用いる。400〜700℃で1時間以上焼成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、排ガス浄化触媒及びその製造方法に係り、更に詳細には、ディーゼル自動車、ボイラーなどの内燃機関から排出される排ガス中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)及び窒素酸化物(NOx)を浄化する排ガス浄化触媒及びその製造方法に関するものである。
近年、石油資源の枯渇問題、地球温暖化問題から、低燃費自動車の要求が高まっており、希薄燃焼自動車の開発が注目されている。希薄燃焼自動車においては、通常の三元触媒では過剰な酸素の影響からNOx浄化作用が不十分となるため、リーンNOxを浄化できる触媒が望まれている。
従来から、リーン域のNOxを浄化する触媒は種々提案されており、例えば白金(Pt)とアルカリ土類金属化合物を多孔質担体に担持した触媒に代表されるように、リーン域でNOxをトラップし、ストイキ及びリッチ域でNOxを放出させ浄化する触媒が提案されている(例えば特許文献1参照。)。このような触媒の特徴は、アルカリ又はアルカリ土類金属化合物と貴金属を含有することにある。
特開平5−317652号公報 しかし、多孔質担体に、例えば硝酸塩を前駆体としてPtやバリウム(Ba)を別々に担持すると、硝酸がBaと反応してBa(NO3)2の沈殿を形成し、NOx吸着・浄化能が阻害されることがあった。
また、同様に触媒性能の向上を目的として、PtとNOx吸着材のBaを同時に含浸してNOx浄化性能を上げる観点から、テトラアンミンPt溶液と酢酸Baの混合溶液を担持する技術が開示されている(例えば特許文献2参照。)。
特開2000−271443号公報
ところが、この方法で製造された触媒においては、PtがBaの影響を強く受け、ストイキ時又はリッチ時のHCやCOによるNOx脱離反応が起こりづらくなる。このため、HCやCOを活性化する方法が望まれていた。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、バリウム及びセリウム、更には白金を密に接触させ、NOxトラップ触媒機能(吸着、脱離、浄化、S解除)を向上させた排ガス浄化触媒及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、バリウム及びセリウム、又はバリウム、セリウム及び白金、を所定の混合水溶液として多孔質粉末に含浸することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、バリウム及びセリウム、又はバリウム、セリウム及び白金を多孔質粉末に互いに密接に担持させることにより、NOxの吸着性能及び浄化性能に優れる排ガス浄化触媒及びその製造方法を提供できる。
以下、本発明の排ガス浄化触媒について詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を示す。
本発明の排ガス浄化触媒は、バリウム(Ba)及びセリウム(Ce)を担持した多孔質粉末を含み、EPMA法(電子線マイクロプローブアナライザー)によるBaとCeとの強度比を0.5μmのスキャン間隔で測定した度数分布の標準偏差σが、0.1〜2.5の範囲にある。言い換えれば、BaとCeが共含浸により互いに密接に多孔質粉末に担持されており、その強度比の度数分布は単分散となるため、複数の触媒の解析結果に基づき標準偏差の範囲を決定したものである。このような構成により、より優れたNOx浄化性能が得られる。また、かかる排ガス浄化触媒は、代表的には後述する製造方法により得られる。
なお、本発明のようにBaとCeとがアルミナ等の多孔質粉末上で互いに近接していない状態では、強度比の度数分布が単分散とならない。
上記多孔質粉末としては、例えば、アルミナ、シリカアルミナ、ゼオライト、セリア、ジルコニア又はチタニア、及びこれらの任意の組合せに係るものが望ましく、特に耐熱性の面からはアルミナを用いるのが望ましい。また、アルミナ上には添加物を添加しても良く、例えば、一般に三元触媒で用いらるセリウム、ジルコニウム、ランタンなどが挙げられる。
本発明の排ガス浄化触媒は、代表的には、これら多孔質粉末に触媒成分を担持した後に、それをスラリーとし、コージェライト等の多孔質担体に被覆して使用できる。
次に、本発明の排ガス浄化触媒の製造方法について詳細に説明する。
第1の製造方法は、少なくともBa及びCeをイオンの状態で混合した水溶液により、Ba及びCeを沈殿させず多孔質粉末に含浸し、焼成して排ガス浄化触媒を得る。
このように、BaとCeを混合した水溶液を用いて多孔質粉末に同時に(同一工程にて)BaとCeを含浸・担持する処理を行うことで、多孔質粉末上の細孔内にはBaとCeが競争吸着により互いに密接して配置される。このため、NOx吸着材であるBaとCO−NO反応活性化元素であるCeにより、200〜300℃の低温域における貴金属のCO被毒が抑制され、NO脱離浄化機能が高められるため、CO−NO反応がより円滑に進行しNOx転化性能が大幅に向上する。
なお、従来品では、特に、エンジン始動直後やディーゼルエンジンなどの排ガス低温域においては、白金などの貴金属上にCOが吸着して、Ba等のNOx吸着材上に吸着したNOxをリッチ又はストイキ制御時に還元材であるH及びCOにより脱離浄化することが困難であったが、本発明ではこのような問題が解決される。
上記含浸処理に用いるBaとCeを混合した水溶液としては、共に同種の塩を用いるのがよい。これは、同種塩であれば多孔質粉末(アルミナ等)の細孔内に吸着するBaとCeの速度にほぼ変化がないと考えられ、BaとCeとの競争吸着により、多孔質粉末の細孔内に互いに近接した状態で担持されるためである。
代表的には、酢酸バリウム水溶液と酢酸セリウム水溶液を含む混合水溶液を使用できる。Ba及びCeの酢酸塩は水への溶解度が比較的高く、また含浸時に他の元素との凝集、沈殿を引き起こす可能性が少なく、BaとCeがより密接に配置され易い。
また、上記混合水溶液中のBa及びCeは、多孔質粉末100g当り、Baは0.02〜0.2mol、Ceは0.02〜0.2mol含まれることが好適である。このときは、CeとBaとが密接にアルミナ等多孔質粉末上に担持され、NOx浄化性能も良好となり得る。
なお、多孔質粉末に対して担持するBaやCeの濃度が高すぎる場合は、細孔が閉塞し易く、更には細孔容積の減少により表面積が低下して、NOxと触媒成分との接触面積の減少により触媒性能が低下することがある。また、BaやCeの濃度が低すぎる場合は、BaはNOx吸着能力の低下を招き易く、Ceは十分にCOを活性化できず、低排温域におけるNOxの脱離浄化性能が低下し、触媒性能が低下し易い。
更に、上記多孔質粉末に混合水溶液を含浸した後に行う焼成工程は、400〜700℃で1時間以上焼成することが好適である。例えば、BaとCeを共含浸させるため、溶媒である水分を減圧乾燥、加熱による蒸発乾固などの方法で除去し、粉砕して粒度をそろえた後、空気気流下において600℃〜700℃で1時間から3時間焼成できる。また、より好ましくは630℃〜680℃で2時間から3時間焼成することがよい。更に、酢酸水溶液を用いるときは、酢酸の急速燃焼によるBaやCeの凝集を抑制するため、昇温を室温から行い、焼成は1時間から6時間、好ましくは2時間から4時間かけて行うことが望ましい。
かかる焼成方法により、BaとCeの凝集を防ぎ、微細な粒子として担持されるため、NOx浄化性能を良好に発揮する排ガス浄化触媒が得られる。
なお、上記焼成工程において、酢酸塩の燃焼は300℃付近から開始されるが、400℃以下では燃焼速度が遅く焼成に時間がかかり経済的ではなく、700℃を超えると急速燃焼により金属粒子が凝集し易い。
更にまた、上記多孔質粉末にBa及びCeを含浸担持後に、更に白金(Pt)を担持してもよい。
具体的には、Ba及びCeが担持された多孔質粉末に、テトラアンミン白金水酸塩水溶液を沈殿させずに含浸し、焼成することができる。このとき、Ptは、多孔質粉末100g当り、上記水溶液に0.02〜0.2mol含めることがよい。
これより、先に担持したBaとCeを溶解させることなく高分散の状態を保ったままPtを担持することが可能である。即ち、テトラアミン白金がアルカリ性であるためBaとCeとを溶解させることなく微細な粒子径を保ったままPtを担持できる。このため、得られた排ガス浄化触媒は、ストイキ又はリッチ制御時により多くの還元材と反応し吸着したNOxを脱離浄化できるため、NOx浄化性能が向上し得る。
次に、本発明の排ガス浄化触媒の第2の製造方法について詳細に説明する。
上述の如く、かかる製造方法では、少なくともバリウム(Ba)、セリウム(Ce)、白金(Pt)を多孔質粉末に含浸担持し、焼成することで排ガス浄化触媒を得る。このとき、Ba、Ce及びPtをイオンの状態で混合した水溶液を用い、Ba、Ce及びPtを沈殿させずに上記多孔質粉末に含浸することを特徴とする。これより、Ba、Ce及びPtが密に接触した状態で多孔質粉末に担持されるので、NOx吸着機能、還元ガスとの接触による脱離機能が高まる。また、PtとBaが接触して担持されることにより、得られる排ガス浄化触媒はNOx吸着作用を十分に発揮する。更に、CeがPtとBaに密に接触することにより、HCやCOの活性化作用が得られる。
ここで、上記Ba、Ce及びPtを混合した水溶液としては、酢酸バリウム水溶液と、酢酸セリウム水溶液と、テトラアンミン白金水酸塩水溶液との混合水溶液を用いることが好適である。かかる混合水溶液は、Ba、Ce及びPtのいずれもが水に均一に溶解するので、多孔質粉末に含浸させる際は、それぞれが密に接触できることとなる。なお、Pt塩に硝酸を含むもの(ジニトロジアンミンPt硝酸塩、テトラアンミンPt硝酸塩等)やCe塩に硝酸を含むもの(硝酸Ce塩)を用いると、Baが硝酸Ba結晶として沈殿してしまい、Ba、Ce及びPtが密に接触する状態が形成されにくい。また、他の塩としては、塩酸塩(塩酸Pt、塩酸Ce)があるが、これらを用いると装置の腐食を招くなど、製造上の問題が生じることがある。
なお、排ガス浄化触媒の活性を高める目的で、該混合水溶液に、更に他の成分を含む酢酸水溶液を加えてもよい。例えば、アルミナの熱劣化抑制に有効なLaの酢酸水溶液や、Ceの安定化に有効なZrの酢酸水溶液などが挙げられる。また、Pt、Ba及びCeが密に接する状態とは、アルミナ等の多孔質体上のほぼ同一部位にこれら元素が分布していることをいう。この状態を観測する方法としては、TEM(透過型電子顕微鏡)測定などが使用できる。
また、上記混合水溶液に含めるBa、Ce及びPtは、多孔質粉末100g当り、Baを0.02〜0.2mol、Ceを0.02〜0.2mol、Ptを0.02〜0.02mol、とすることが好適である。
この範囲とすることで各成分の析出がなく均一に混合された溶液が得られる。Ba、Ce及びPtの少なくとも1種の成分が上記範囲未満であると、該成分の触媒活性が十分に得られにくい。また、上記範囲を超えると、溶解させるのに必要な酸量や水の量が非常に多くなり、生産性が悪化し易い。
本発明の製造方法では、焼成工程を室温から行うことが好適である。かかる焼成工程においては、250℃付近で酢酸塩が燃焼を開始するが、200℃以下では燃焼が発生せず、500℃以上では酢酸の急速燃焼により白金粒子が凝集してしまう。
また、酢酸の急速燃焼による担持元素の凝集を抑制するため、昇温は室温から行い、1時間から6時間、より望ましくは2時間から4時間かけて焼成工程を行うことがよい。
このように焼成を行うことにより、BaとCeとが酢酸の燃焼熱により凝集することを防ぎ、微細な粒子として担持されるため、NOx浄化性能に優れた排ガス浄化触媒を製造できる。
また、本発明の製造方法では、焼成工程を、少なくとも200〜300℃で30分以上行うことが好適である。これより、水溶液中に含まれる酢酸と空気中に含まれる酸素との反応による燃焼、発熱が抑制でき、各成分の粒凝集が抑制され得る。焼成温度、焼成時間が上記範囲未満であると、酢酸根、アンミン根が多く残存し、スラリ作成時に水に溶解することがある。焼成温度が上記範囲を超えると、酢酸の燃焼が急激に起こり、各成分の粒凝集が起こることがある。また、上記焼成時間は2時間以下であることが望ましい。なお、焼成前に水分を蒸発させるための乾燥工程を行うのが望ましい。乾燥は100〜150℃で1時間以上行うのが望ましい。
更に、本発明の製造方法では、焼成工程を、200〜300℃で30分以上の1次焼成と、300〜600℃の2次焼成との2段階で行うことが好適である。
上記2次焼成を行うことで酢酸根、アンミン根が除去され、多孔質体上に密着・固定化されることとなる。焼成温度、焼成時間が上記範囲未満であると、焼成時間が長くなることがある。焼成温度、焼成時間が上記範囲を超えると、該範囲以上だと各成分の粒凝集が起こることがある。また、上記二次焼成の焼成時間は30分以上2時間以下であることが望ましい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
酢酸Ba水溶液と、酢酸Ce水溶液と水とアルミナ粉末を混合、攪拌した後、空気中150℃で乾燥した。これを室温から昇温時間3時間の後700℃保持1時間で焼成しBa−Ce担持アルミナ粉末を得た。次に、テトラアンミンPt水酸水溶液と水とBa−Ce担持アルミナ粉末とを混合し、攪拌した後空気中150℃で乾燥した。これを400℃で1時間で焼成しPt−Ba−Ce担持アルミナ粉末を得た。
硝酸Rh水溶液をアルミナに担持し、150℃で乾燥、400℃で焼成し、Rh担持アルミナ粉末を得た。
上記Pt−Ba−Ce担持アルミナ粉末とRh担持アルミナ粉末と水を磁性ボールミルに投入、粉砕し、スラリ液を得た。このスラリハニカム担体(6ミル400セル1.3L)に塗布し、余分なスラリを吸引除去した後、120℃で乾燥し、400℃で焼成して、排ガス浄化触媒を得た。この触媒の製造条件と完成触媒中の成分量を表1に示す。
(実施例2〜5)
Ba−Ce混合水溶液におけるアルミナに対するBa量及びCe量、焼成条件及びBa−Ce担持アルミナに対するPt水溶液量、Pt塩、乾燥条件を変化させたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、実施例2〜5の排ガス浄化触媒を得た。これらの触媒の製造条件と完成触媒中の成分量を表1に示す。
(実施例6)
酢酸Ba水溶液と、酢酸Ce水溶液と、テトラアンミンPt水酸水溶液と、水とアルミナ粉末を混合し、攪拌した後、空気中150℃で乾燥した。これを250℃で1時間で1時間焼成した後、400℃で1時間焼成し、Pt−Ba−Ce担持アルミナ粉末を得た。
硝酸Rh水溶液をアルミナに担持し、150℃で乾燥し、400℃で焼成して、Rh担持アルミナ粉末を得た。
上記Pt−Ba−Ce担持アルミナ粉末とRh担持アルミナ粉末と水を磁性ボールミルに投入、粉砕し、スラリ液を得た。このスラリをハニカム担体(6ミル400セル1.3L)に塗布し、余分なスラリを吸引除去した後、120℃で乾燥し、400℃で焼成して、排ガス浄化触媒を得た。この触媒の製造条件と完成触媒中の成分量を表1に示す。
(実施例7〜10)
Pt−Ba−Ce混合水溶液におけるアルミナに対するPt量、Ba量及びCe量、焼成条件を変化させたこと以外は、実施例6と同様の操作を繰り返して、実施例7〜10の排ガス浄化触媒を得た。これらの触媒の製造条件と完成触媒中の成分量を表1に示す。
(比較例1)
アルミナ粉末と酢酸Ce水溶液とを混合、攪拌した後、空気中150℃で乾燥した。これを700℃で1時間焼成し、Ce担持アルミナを得た。この粉末と酢酸バリウム水溶液とを混合、攪拌した後、空気中150℃で乾燥した。これを700℃で1時間焼成した後、400℃で1時間焼成し、Ba−Ce−アルミナを得た。この粉末とテトラアンミンPt水酸水溶液とを混合し、攪拌した後、空気中150℃で乾燥した。これを400℃で1時間焼成し、排ガス浄化触媒を得た。この触媒の製造条件と完成触媒中の成分量を表1に示す。
(比較例2)
アルミナ粉末とセリア粉末にPt−Ba混合水溶液を担持し、Pt−Ba担持セリア粉末とPt−Ba担持アルミナ粉末を得た以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、排ガス浄化触媒を得た。なお、セリア粉末量は実施例1と同じコート量となるようにした。この触媒の製造条件と完成触媒中の成分量を表1に示す。
(参考例1〜3)
アルミナ粉末に対するPt−Ba−Ce混合水溶液中のPt量、Ba量及びCe量、焼成条件を変化させた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、参考例1〜3の排ガス浄化触媒を得た。この触媒の製造条件と完成触媒中の成分量を表1に示す。
Figure 2005021878
<評価試験1>
実施例、比較例及び参考例で得られた触媒(容量:6ミル400セル1.3L)について、以下の条件で耐久性及びNOx転化率を評価した。
・耐久性評価:
排気量4400ccのエンジンの排気系に触媒を装着し、国内レギュラーガソリンを使用し、触媒入口温度を700℃として、50時間運転した。
・リーンNOx評価:
上記耐久性評価後に、排気量2000ccのエンジンの排気系に触媒を装着して、リーンNOx評価を行った。また、フロント部に三元触媒を配置した。リーンで40km/h定常→70km/hまで加速→70km/h定常→40km/hまで減速の走行を繰り返し、途中70km/h定常走行時にリッチスパイクを行った。該触媒の入口温度は250〜280℃とした。触媒入口NOx量に対する浄化NOx量をNOx転化率として求めた。
表1に示すように、実施例で得られた排ガス浄化触媒は、耐久後におけるNOx転化率が良好であり、Ba−Ce混合水溶液やBa−Ce−Pt混合水溶液を構成する塩の種類、Pt量、Ba量及びCe量、並びに焼成条件が比較例及び参考例に対して好適であることが明らかである。
<評価試験2>
実施例、比較例及び参考例で得られた触媒中のBa及びCeについて、以下の装置を用いたEPMA法により強度分布を求めた。
・装置名 :電子線マイクロアナライザー 島津製作所製 EPMA−1600
・前処理 :乾式切断後、樹脂包埋、研磨、通電処理(炭素蒸着)
・分析部位 :触媒断層内断面(各資料3部位測定)
・分析元素 :Ba、Ce
・スキャン時間:1500[sec]
・スキャン間隔:0.50[μm]
・測定ポイント:400[Point]
・分析者 :(株)日産アーク
図1に示すように、実施例1と比較例1のBa/Ce強度比を比較すると、実施例1で得られた触媒は強度比が単分散でありBaとCeが共含浸されているが、比較例1の触媒ではBaとCeが別含浸されていることを示すピークが確認される。
実施例1と比較例1で得られた触媒のBa/Ce強度比を比較したグラフである。

Claims (13)

  1. バリウム及びセリウムを担持した多孔質粉末を含む排ガス浄化触媒であって、
    EPMAにより0.5μmのスキャン間隔で測定したバリウムとセリウムとの強度比の度数分布の標準偏差σが、0.1〜2.5の範囲にあることを特徴とした排ガス浄化触媒。
  2. 少なくともバリウム及びセリウムを担持した多孔質粉末を含む排ガス浄化触媒を製造するに当たり、
    少なくともバリウム及びセリウムをイオンの状態で混合した水溶液により、バリウム及びセリウムを沈殿させずに上記多孔質粉末に含浸し、焼成することを特徴とする排ガス浄化触媒の製造方法。
  3. 上記混合水溶液は、酢酸バリウム水溶液と酢酸セリウム水溶液を含むことを特徴とする請求項2に記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
  4. 多孔質粉末100g当り、上記混合水溶液は、少なくともバリウムを0.02〜0.2mol、セリウムを0.02〜0.2mol含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
  5. 上記焼成工程において、400〜700℃で1時間以上焼成することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つの項に記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
  6. 上記多孔質粉末に、テトラアンミン白金水酸塩水溶液を沈殿させずに含浸し、焼成することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つの項に記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
  7. 上記テトラアンミン白金水酸塩水溶液を白金前駆体とし、多孔質粉末100g当り、白金を0.02〜0.2mol含むことを特徴とする請求項6に記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
  8. 少なくともバリウム、セリウム及び白金を担持した多孔質粉末を含む排ガス浄化触媒を製造するに当たり、
    少なくともバリウム、セリウム及び白金をイオンの状態で混合した水溶液により、バリウム、セリウム及び白金を沈殿させずに上記多孔質粉末に含浸し、焼成することを特徴とする排ガス浄化触媒の製造方法。
  9. 上記混合水溶液は、酢酸バリウム水溶液と、酢酸セリウム水溶液と、テトラアンミン白金水酸塩水溶液とを含むことを特徴とする請求項8に記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
  10. 多孔質粉末100g当り、上記混合水溶液は、バリウムを0.02〜0.2mol、セリウムを0.02〜0.2mol、白金を0.002〜0.02mol含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
  11. 上記焼成工程において、室温から焼成することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1つの項に記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
  12. 上記焼成工程において、少なくとも200〜300℃で30分以上焼成することを特徴とする請求項8〜11のいずれか1つの項に記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
  13. 上記焼成工程において、200〜300℃で30分以上の1次焼成と、300〜600℃の2次焼成とを行うことを特徴とする請求項8〜12のいずれか1つの項に記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
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