JP2000300248A - 細胞培養用基材 - Google Patents

細胞培養用基材

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JP2000300248A
JP2000300248A JP11107213A JP10721399A JP2000300248A JP 2000300248 A JP2000300248 A JP 2000300248A JP 11107213 A JP11107213 A JP 11107213A JP 10721399 A JP10721399 A JP 10721399A JP 2000300248 A JP2000300248 A JP 2000300248A
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JP
Japan
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cells
substrate
pits
cell culture
pit
Prior art date
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Pending
Application number
JP11107213A
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English (en)
Inventor
Hideaki Ito
秀明 伊藤
Yoshinori Kuboki
芳徳 久保木
Hiroko Kikuchi
裕子 菊池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Steel Works Ltd
Original Assignee
Japan Steel Works Ltd
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Publication date
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  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種細胞の増殖速度、分化効率に優れた
細胞培養用基材を提供する。 【解決手段】 基材1の表面に、開口部形状が略円形ま
たは多角形形状で大きさが30〜250μmの小ピット
2…2を多数形成する。 【効果】 ピット内に細胞が収まり、増殖速度が増
大するとともに、早期にピット内でコンフルエントに達
して分化効率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞培養用基材に
関するものであり、人工臓器形成のために細胞培養を必
要とする医療分野や細胞培養により有用物質を生産する
バイオテクノロジー応用分野に属する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より細胞培養を行う際には、一般のガラスシャーレ、プ
ラスチックシャーレなど平板状の細胞培養基材が用いら
れてきた。一方、細胞が生成する有用物質を得る目的で
用いられるバイオリアクターなどでは、その内部に細胞
の足場となるべき担体を充填する例もあるが、あくまで
も細胞の足場となる面積を増大させる目的であり、その
担体表面の幾何学的な制御を行ってはいなかった。動物
細胞の培養は、医療分野およびバイオテクノロジーを応
用した産業分野において重要な技術であり、細胞の増殖
速度を高めることができれば、培養効率が向上するほ
か、新たな分野にも適用可能になると考えられる。動物
の組織を構成する細胞は、細胞外マトリックスに接着し
てはじめて生存が可能になる。この細胞外マトリックス
の幾何学的形状が細胞の増殖・分化の制御に本質的な役
割を果たしており、それによって組織の正常な形態が維
持されることが近年明らかにされてきている。発明者ら
は、その幾何学的形状の効果に着目し、動物細胞を微細
な窪み(マイクロピット)を有した平板上で培養すると
細胞増殖速度および細胞分化効率が向上することを見出
し、本発明をなすに至った。
【0003】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の細胞
培養用基材のうち第1の発明は、表面に大きさが30〜
250μmの小ピットが多数形成されていることを特徴
とする。第2の発明の細胞培養用基材は、第1の発明に
おいて、小ピットの深さが10〜50μmであることを
特徴とする第3の発明の細胞培養用基材は、第1または
第2の発明において、小ピットの開口部形状が略円形ま
たは多角形形状からなることを特徴とする。
【0004】一般に動物組織の細胞は20〜40μmの
大きさであり、本発明のマイクロピットを有する培養用
基材を用いて細胞培養すると、多数の細胞は窪みの内部
で活発に増殖し、その速度はマイクロピットの大きさに
依存する。一般にシャーレなどで細胞培養を行う場合、
シャーレの底面に付着して細胞が増殖し、底面を覆い尽
くした(コンフルエントに達した)後に細胞の分化が生
じて、生成した細胞に応じた機能が発現する。これをマ
イクロピットを有した基材上で培養を行うと、細胞の増
殖速度が速いためにコンフルエントに達する時間が短く
でき、またピット内がコンフルエントに達した時点で分
化が始まるため、より一層、機能の発現を早めることが
できる。
【0005】この細胞の住家となるべきピットの大きさ
は、直径あるいはピットの長さ方向で30〜250μm
の範囲内とする必要がある。ピットの大きさがこれより
大きくても小さくても細胞増殖速度、分化効率が低下す
る。さらにピットの大きさは、同様の理由で、望ましく
は50〜200μm、さらに望ましくは50〜150μ
mである。上記ピットの開口部形状は特に制限はなく、
円形、楕円形、正方形、矩形や他の多角形が適用でき
る。但し、いずれの形状においても長短幅が上記範囲内
にあることも必要である。さらにピットの深さについて
は特に制限はないが、細胞をピットの底面に一層に増殖
させるためには10〜50μmが望ましい。ピットの深
さがこれよりも浅くても深くても増殖速度、分化効率の
向上効果が小さくなる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の基材は各種の細胞培養に
使用することができ、臓器細胞や皮膚細胞、歯根細胞、
骨細胞、リンパ球等の培養に用いることができる。な
お、本発明の基材材料としても制限はなく、ガラス、プ
ラスチック、ゴム、金属、セラミックスなどが適用可能
であり、細胞との親和性や培養した細胞の利用方法に応
じて適宜使い分けることができる。これら材料で構成さ
れる細胞培養基材は、適宜の形状とすることができ、本
発明としては特定の形状に限定されることはない。
【0007】上記基材1には図1に示すようにその表面
に多数のピット2…2が形成されている。このピットの
形成方法も特に限定されるものではなく、基材に対し物
理的方法や化学的方法等によってピットを形成すること
ができる。ピットは、上記方法のように後処理として基
材に形成するものでもよく、また基材製造時に同時にピ
ットが形成されるものであってもよい。該ピットは前述
したように、特定範囲の大きさに制御することが必要が
あり、また、その深さを前述の範囲に制御するのが望ま
しい。このピットは基材表面の全てに亘って形成しても
よく、一部表面に対し形成するものであってもよい。な
お、ピットの形成密度は特に限定されないが、ピット同
士が連結しない程度に間隔をおいてピットが形成されて
いるのが望ましい。
【0008】上記ピットを形成した基材は、癌の免疫療
法に必要なリンパ球の培養等のように種々の細胞を培養
する器具として使用することができ、さらに肝臓、膵臓
等の人工臓器や人工皮膚、人工歯根、人工骨などのよう
に生体内に埋め込む人工生体材料の一部または全部とし
て使用することもできる。本発明の培養用基材では種々
の細胞を急速、大量に培養することができ、また、人工
生体材料として用いた場合には、生体での細胞増殖が活
発に行われ優れた生体親和性を発揮する。さらに、産業
面では、サイトカイン、成長物質、リコンビナント蛋白
質など、バイオテクノロジーの手法を活用して細胞から
得られる有用物質を生産するバイオリアクターにおい
て、その細胞増殖速度を高めて効率よく生産することを
目的として使用することができる。
【0009】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を説明する。細胞
培養用基材としてシリコン単結晶基材を用意し、該基材
の(100)面にフォトリソグラフィーおよびエッチン
グの技術を用いて、直径ないし一辺の長さが25、5
0、100、200、400、600μm、深さが10
μmの円形ないし正方形の窪み(ピット)を、それぞれ
各チップ毎に多数加工した。その際、窪みの総面積と残
りの総面積が等しくなるように設計した。各基材を0.
1%コラーゲンを含む氷冷0.1M酢酸溶液に30分間
浸して基材表面にコラーゲンをコーティングした。ま
た、培養する細胞として、ラット大腿骨から採取した骨
髄間質細胞を一次培養して骨髄由来骨芽細胞様細胞を得
た。培養用ディッシュに各基材および培養液(α−ME
M+10%FBS)を入れ、上記細胞播種後4日間培養
した。細胞は30分から1時間で基材に接着し、伸展を
開始した。
【0010】上記培養後、窪みの内部の細胞数および総
細胞数を顕微鏡観察にて計測した。さらにトリプシン処
理ではがした細胞数を計算盤により計測した。これらの
結果は、図2、3に示した。図2から明らかなように、
培養4日目での計数では窪み内により多くの細胞が存在
することが認められた。特に窪み内の細胞数と総細胞数
との比は50μmの大きさの窪みで最大であった。ま
た、図3に示すように、50、100、200μmのピ
ットを形成した基材で総細胞数が顕著に増加しており、
100μmの大きさの窪みを有する基材で最大になっ
た。この時、窪みの形状が円形の場合と正方形の場合で
は違いは認められなかった。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の細胞培養
用基材は、表面に大きさが30〜250μmの小ピット
が多数形成されているので、細胞の増殖速度、分化効率
を大幅に向上させることができる。今回の発明に基づ
き、動物細胞の増殖、分化を効率的に行うことができれ
ば、医療面、産業面で大きな効果がもたらされる。医療
面での例として、患者本人の細胞を採取してこれを速や
かに増殖させることにより、免疫反応を生じない人工臓
器の急速培養が可能となる。人工臓器としては、人工皮
膚、人工肝臓、人工膵臓などが考えられる。また、癌の
免疫療法に必要なリンパ球の大量急速培養にも適用でき
る。さらには、人工歯根、人工骨など生体内に埋め込ま
れる人工材料の表面に同様の微細加工を施すことによ
り、生体での細胞増殖が活発に行われ、生体親和性に優
れた人工材料とすることができる。産業面では、サイト
カイン、成長物質、リコンビナント蛋白質など、バイオ
テクノロジーの手法を活用して細胞から得られる有用物
質を生産するバイオリアクターにおいて、その細胞増殖
速度を高め、効率よい生産が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例における培養用基材の一部
斜視図である。
【図2】 同じくピット大きさに対するピット内外の培
養後細胞数比を示したグラフである。
【図3】 同じくピット大きさに対する基材上の培養後
細胞総数を示すグラフである。
【符号の説明】
1 培養用基材 2 ピット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B029 AA08 BB11 CC02 CC08 GA08 GB10 4B065 AA91X AC20 BB01 BC01 BC41 CA44 CA60

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に大きさが30〜250μmの小ピ
    ットが多数形成されていることを特徴とする細胞培養用
    基材
  2. 【請求項2】 小ピットの深さが10〜50μmである
    ことを特徴とする請求項1記載の細胞培養用基材
  3. 【請求項3】 小ピットの開口部形状が略円形または多
    角形形状からなることを特徴とする請求項1または2に
    記載の細胞培養用基材
JP11107213A 1999-04-14 1999-04-14 細胞培養用基材 Pending JP2000300248A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102009002577A1 (de) * 2009-04-22 2010-10-28 Leibniz-Institut Für Polymerforschung Dresden E.V. Zellkulturträger für die Kultivierung von humanen Stamm- und Vorläuferzellen sowie ein Verfahren zur Kultivierung

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102009002577A1 (de) * 2009-04-22 2010-10-28 Leibniz-Institut Für Polymerforschung Dresden E.V. Zellkulturträger für die Kultivierung von humanen Stamm- und Vorläuferzellen sowie ein Verfahren zur Kultivierung
DE102009002577B4 (de) * 2009-04-22 2018-01-18 Leibniz-Institut Für Polymerforschung Dresden E.V. Zellkulturträger für die Kultivierung von humanen Stamm- und Vorläuferzellen sowie ein Verfahren zur Kultivierung

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