JP2000297277A - 可逆感温変色性組成物 - Google Patents

可逆感温変色性組成物

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JP2000297277A
JP2000297277A JP11108643A JP10864399A JP2000297277A JP 2000297277 A JP2000297277 A JP 2000297277A JP 11108643 A JP11108643 A JP 11108643A JP 10864399 A JP10864399 A JP 10864399A JP 2000297277 A JP2000297277 A JP 2000297277A
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color
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reversible thermochromic
leuco dye
developing substance
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Shiyouzou Suefuku
正三 末福
Ryuichi Hoshikawa
隆一 星川
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Matsui Shikiso Chemical Co Ltd
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Matsui Shikiso Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性、耐熱性、低毒性等に優れた特性を有
する可逆感温変色性組成物を提供すること。 【解決手段】 (イ) 無色又は淡色のロイコ色素、及び
(ロ) 該ロイコ色素を発色させる能力を有する下記一般
式(1)で示される顕色性物質からなる少なくとも2成
分を必須成分とする可逆感温変色性組成物。 【化1】 上記式中、Xはそれぞれ独立に水酸基又は炭素数1〜4
のアルキル基を示し、Yはそれぞれ独立に水酸基又は炭
素数1〜4のアルキル基を示し、Zはそれぞれ独立に水
酸基、ハロゲン又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、
Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜
6のアルキル基を示し、lは0〜2の整数を示し、mは
0〜2の整数を示し、nは1〜2の整数を示す(ただ
し、X、Y、Zの何れか少なくとも1つは水酸基である
ことを要す)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可逆感温変色性組成
物に関する。更に詳しくは、諸堅牢度、特に耐水性が飛
躍的に向上するとともに、発色時の色濃度が高く且つ毒
性の低い可逆感温変色性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】無色又は淡色のロイコ色素と、各種のフ
ェノール類とを組み合わせてなる組成物が、温度の変化
に応じて可逆的に発色したり消色したりする特性を示す
ことは、米国特許第3560229号公報等により公知
である。また、この種の所謂可逆感温変色性組成物が、
上記の必須2成分に加え、更にエステル類、エーテル
類、アルコール類等の有機媒体を添加して構成され得る
ことや、これらの組成物を各種のマイクロカプセルに内
包させて用いること、更に上記変色特性において、昇温
時と降温時に履歴現象が奏されること等も、前記米国特
許公報をはじめ、特公昭62−28990号公報や特開
平7−40660号公報等により公知である。
【0003】上記各種の可逆感温変色性組成物は、種々
様々な用途に用いられており、その実使用時の要請から
その色相は極めて多岐に及ぶ。この為、当該組成物にお
いてその色相を決定しうる作用を担うところのロイコ色
素は、各種各様のものが極めて豊富なバリエーションを
もって実用に供せられている。
【0004】しかしながら、一方、このロイコ色素を発
色させる顕色性物質たるフェノール類としては、ビスフ
ェノールAを代表としてわずか数種類のものが実用に供
せられているのに過ぎない。この理由としては、主にそ
の経済性や流通性等が挙げられるものと考えられるが、
当該組成物においてはこの顕色性物質に起因して、下記
の如き種々の問題点が存する現状にある。
【0005】 当該組成物が水(水分)と接触する環
境下に置かれた場合、顕色性物質が選択的に水相へ移行
(抽出)する結果、ロイコ色素との間の当量バランス
(組成比率)が崩れ、所望の変色特性を示さなくなる。
【0006】即ち、耐水性が劣る。
【0007】 当該組成物が高温に置かれた場合、顕
色性物質が分解乃至昇華し、所望の変色特性を示さなく
なる。
【0008】即ち、耐熱性が劣る。
【0009】 当該組成物は、用途によっては更に高
い安全性が要求される。
【0010】即ち、低毒性であることが必要である。
【0011】上記からの問題点のうち、特に重要課
題たるの問題点について、その解決手段として当該組
成物をマイクロカプセルに内包させることによって解決
しようとすることが試みられている。しかし、当該組成
物をマイクロカプセルに加工する工程において、常法に
従えば、当該組成物を水中に分散した状態でマイクロカ
プセル化されるため、その際顕色性物質の水相への移行
が起こることから根本的な解決策にはなり得ない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な状
況に鑑みなされたものであって、上記の如き問題点を一
掃した、耐水性、耐熱性、低毒性等に優れた特性を有す
る可逆感温変色性組成物を提供することを目的としてな
されたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定構造の顕
色性物質が上述の種々の問題点を一掃する特性を有して
いることを見いだし、この知見に基づき更に検討を重ね
たところ、ついに本発明を完成するに至った。
【0014】即ち、本発明は下記の通りの構成を有する
可逆感温変色性組成物に関するものである。
【0015】1.(イ) 無色又は淡色のロイコ色素、及
び(ロ) 該ロイコ色素を発色させる能力を有する下記一
般式(1)で示される顕色性物質からなる少なくとも2
成分を必須成分とする可逆感温変色性組成物。
【0016】
【化1】 上記式中、Xはそれぞれ独立に水酸基又は炭素数1〜4
のアルキル基を示し、Yはそれぞれ独立に水酸基又は炭
素数1〜4のアルキル基を示し、Zはそれぞれ独立に水
酸基、ハロゲン又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、
Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜
6のアルキル基を示し、lは0〜2の整数を示し、mは
0〜2の整数を示し、nは1〜2の整数を示す(ただ
し、X、Y、Zの何れか少なくとも1つは水酸基である
ことを要す)。
【0017】2.(イ) 無色または淡色のロイコ色素、
(ロ) 該ロイコ色素を発色させる能力を有する、上記1
の一般式(1)で示される顕色性物質、及び(ハ) 有機
媒体からなる少なくとも3成分を必須成分とする可逆感
温変色性組成物。
【0018】3. 一般式(1)で示される顕色性物質
が、Xが水酸基であり且つn=1でその置換位置がパラ
位(4位)、Yが水酸基であり且つm=1でその置換位
置がパラ位(4位)、Zがl=0又は1で、且つl=1
の場合はメチル基又はエチル基で、その置換位置がパラ
位(4位)、及びRが炭素数1〜6のアルキル基である
上記1又は2記載の可逆感温変色性組成物。
【0019】4.(ハ) 有機媒体がアルコール類、エ
ステル類又はケトン類である請求項2又は3記載の可逆
感温変色性組成物。
【0020】5.マイクロカプセルに内包されてなる上
記1、2、3又は4記載の可逆感温変色性組成物。
【0021】本発明の可逆感温変色性組成物の変色特性
は、ある温度を境としてそれより低温側で発色し高温側
で消色するタイプのものをはじめ、昇温時と降温時にお
いて履歴を伴うヒステリシスタイプのものも含まれる。
【0022】本発明は、特に、(ロ)の顕色性物質とし
て、式(1)の化合物を用いる点に特徴を有するもので
あり、このことにより、耐水性、耐熱性又は低毒性に優
れた特性を有する可逆感温変色性組成物を得ることが可
能になった点において、極めて価値が高いと言える。
【0023】以下、本発明につき、更に詳細に説明す
る。
【0024】(1) 無色又は淡色のロイコ色素 本発明で用いる無色または淡色のロイコ色素としては、
感圧複写紙用色素、感熱記録紙用色素として通常知られ
ているもの、並びにその他感温変色性組成物を構成する
ロイコ色素として従来公知のものを何れも用いることが
でき、例えば、トリフェニルメタンフタリド系、フルオ
ラン系、フェノチアジン系、インドリルフタリド系、ロ
イコオーラミン系、スピロピラン系、ローダミンラクタ
ム系、トリフェニルメタン系、トリアゼン系、スピロフ
タランキサンテン系、ナフトラクタム系、アゾメチン系
等の従来公知のものであればいかなるものを使用しても
よい。
【0025】この様なロイコ色素の具体例としては、
3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジブトキシフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフル
オラン、3−クロロ−6−フェニルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルア
ミノフェニル)フタリド、3−ジエチルアミノ−7−フ
ェニルアミノフルオラン、3,3−ビス(p−ジエチル
アミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−
(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−
2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4
−ジエチルアミノ−2−メチル)フェニル−3−(1,
2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、2′−
(2−クロロアニリノ)−6′−ジブチルアミノスピロ
〔フタリド−3,9′−キサンテン〕等を挙げることが
できるが、勿論これらに限定されるものではない。
【0026】本発明においては、これらのロイコ色素を
1種または2種以上組み合わせて用いることができ、こ
れにより発色時の色彩を黄、橙、赤、桃、赤紫、紫、
青、青緑、緑、茶、黒等の任意の色彩とすることができ
る。
【0027】(2) 顕色性物質 本発明の特徴をなす、上述の(イ)ロイコ色素を発色さ
せる能力を有する顕色性物質としては、下記一般式
(1)に示した化合物が該当する。
【0028】
【化1】 上記式中、Xはそれぞれ独立に水酸基又は炭素数1〜4
のアルキル基を示し、Yはそれぞれ独立に水酸基又は炭
素数1〜4のアルキル基を示し、Zはそれぞれ独立に水
酸基、ハロゲン又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、
Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜
6のアルキル基を示し、lは0〜2の整数を示し、mは
0〜2の整数を示し、nは1〜2の整数を示す(ただ
し、X、Y、Zの何れか少なくとも1つは水酸基である
ことを要す)。
【0029】以下に、上記一般式(1)で示される化合
物の具体例を示すが、これらのみに限定されるものでは
ない。
【0030】4,4′−(1−フェニルエチリデン)ビ
スフェノール 2,2′−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール 4,4′,4″−エチリジントリスフェノール 4,4′−〔1−(4−メチルフェニル)エチリデン〕
ビスフェノール 4,4′−〔1−(4−エチルフェニル)エチリデン〕
ビスフェノール 4,4′−(1−フェニルエチリデン)ビス(2−メチ
ルフェノール) 4,4′−(1−フェニルプロピリデン)ビスフェノー
ル 4,4′−〔1−(4−メチルフェニル)プロピリデ
ン〕ビスフェノール 4,4′−〔1−(4−エチルフェニル)プロピリデ
ン〕ビスフェノール 4,4′−(1−フェニルブチリデン)ビスフェノール 4,4′−(1−フェニルペンチリデン)ビスフェノー
ル 4,4′−(2,2−ジメチル−1−フェニルプロピリ
デン)ビスフェノール 4,4′−(1,2−ジフェニルエチリデン)ビスフェ
ノール 4,4′−〔(4−メチルフェニル)メチレン〕ビスフ
ェノール 2,2′−〔(4−メチルフェニル)メチレン〕ビスフ
ェノール 2,2′−〔(2−メチルフェニル)メチレン〕ビスフ
ェノール 本発明においては、前記一般式(1)中、Xが水酸基で
あり且つn=1でその置換位置がパラ位(4位)、Yが
水酸基であり且つm=1でその置換位置がパラ位(4
位)、Zがl=0又は1で、且つl=1の場合はメチル
基又はエチル基で、その置換位置がパラ位(4位)、及
びRが炭素数1〜6のアルキル基であるものが好まし
い。
【0031】本発明においては、上記一般式(1)で示
される顕色性物質を各単独で、あるいは2種以上のもの
を組み合わせて用いることができ、またその使用量は特
に限定されないが、通常前述のロイコ色素1重量部に対
して0.1〜1000重量部程度の範囲内で選択するこ
とができる。
【0032】(3) 有機媒体 本発明の可逆感温変色性組成物は、上述の(イ)無色また
は淡色のロイコ色素と(ロ)顕色性物質との2成分を必須
成分とするものであるが、所望により第3成分として
(ハ)有機媒体を更に添加することが好ましい。
【0033】本発明で用いられる(ハ)有機媒体として
は、この種の感温変色性組成物を構成する従来公知の有
機媒体であれば何れも用いることができ、例えばアルコ
ール類、エステル類、エーテル類、ケトン類、アマイド
類、アゾメチン類、脂肪酸類、炭化水素類等の中から広
範囲のものが選択できる。
【0034】以下にその具体例を挙げるが、決してこれ
らのものに限定されるものではない。
【0035】ベヘニルアルコール、ステアリルアルコー
ル、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリ
ルアルコール、ウンデシルアルコール、デシルアルコー
ル、ノニルアルコール、オクチルアルコール、ヘキシル
アルコール、ネオペンチルアルコール、ブチルアルコー
ル、メチルアルコール、エチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、セロソルブ、グリセリン、ペンタエリ
スリトール、ベンジルアルコール、シクロヘキシルアル
コール、カプリン酸オクチル、カプリン酸デシル、カプ
リン酸ミリスチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ラウ
リル、ラウリン酸ミリスチル、ミリスチン酸デシル、ミ
リスチン酸ラウリル、ミリスチン酸セチル、パルミチン
酸ラウリル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸ステア
リル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ラウリル、
p−t−ブチル安息香酸セチル、4−メトキシ安息香酸
ステアリル、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプ
ロピオン酸ジミリスチル、ステアリルベンゾエート、ベ
ンジルステアレート、チオジプロピオン酸ジベンジル、
チオジプロピオン酸ジステアリル、安息香酸ベンジル、
トリラウレート、トリエチルシトレート、フタル酸ジス
テアリル、アジピン酸ジデシル、ジデシルエーテル、ジ
ステアリルエーテル、ジステアリルケトン、アセトン、
アセトフェノン、ステアリン酸アマイド、ラウリン酸ア
マイド、ラウリルアルコール・アクリロニトリル付加
物、ステアリルアルコール・アクリロニトリル付加物、
ベンジリデン・p−トルイジン、ベンジリデン・ブチル
アミン、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、パ
ラフィン、シクロパラフィン等。
【0036】本発明においては、上記有機媒体を各単独
で、あるいは2種以上のものを組み合わせて用いること
ができ、またその使用量は特に限定されないが、通常前
述のロイコ色素1重量部に対して0.1〜3000重量
部程度の範囲内で選択することができる。
【0037】(4) 添加剤 本発明の可逆感温変色性組成物は、上述の各必須成分の
他、従来公知の顕色性物質を必要により併用することも
でき、またその他、所望により下記の如き公知の各種添
加剤を添加することも勿論可能である。
【0038】その様な添加剤の一例を挙げると、公知の
一般染料、蛍光染料、蛍光増白剤、紫外線発光型色素、
一般顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、夜光顔料、メタリック
光沢顔料、体質顔料、フォトクロミック着色剤、エレク
トロクロミック着色剤等の他の着色剤;紫外線吸収剤、
酸化防止剤、撥水剤、難燃剤、ダル化剤、艶消剤、香
料、抗菌剤、消臭剤、光触媒、防虫剤、忌避剤、防腐剤
等を挙げることができる。
【0039】(5) 使用形態 本発明の可逆感温変色性組成物は、通常の染顔料類と同
様にして、インク、塗料、合成樹脂等に均一に分散させ
て用いることが可能であるが、独立した微小閉鎖系内に
本発明の組成物を内包して用いることが好ましい場合も
ある。
【0040】この目的を達成するためには、従来公知の
各種マイクロカプセル化技法を適用することができる。
【0041】かかるマイクロカプセル化技法としては、
コアセルベーション法、界面重合法、insitu(イ
ンサイチュ)重合法、液中硬化被覆法、気中懸濁被覆
法、スプレードライング法等を挙げることができ、これ
らを1種又は2種以上を組み合わせて本発明の組成物を
内包する粒径1〜50μm程度の単層もしくは複層のマ
イクロカプセルを得ることができる。
【0042】また、その際使用される皮膜形成物質の好
適な例としては、ポリ尿素皮膜を形成するための多価ア
ミンとカルボニル化合物、ポリアミド皮膜を形成するた
めの多塩基酸クロライドと多価アミン、ポリウレタン皮
膜を形成するための多価イソシアネートとポリヒドロキ
シ化合物、ポリエステル皮膜を形成するための多塩基酸
クロライドとポリヒドロキシ化合物、エポキシ樹脂皮膜
を形成するためのエポキシ化合物と多価アミン、メラミ
ン樹脂皮膜を形成するためのメラミン・ホルマリンプレ
ポリマー、尿素樹脂皮膜を形成するための尿素・ホルマ
リンプレポリマー、その他、ゼラチン、エチルセルロー
ス、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル等を挙げることがで
きる。
【0043】尚、上記のマイクロカプセルの皮膜として
は、諸堅牢度の点で優れる熱硬化性のものが好ましい。
【0044】(6) 用途 ここに本発明の可逆感温変色性組成物の用途を挙げる
と、例えば各種衣料品、装飾品、寝具品、インテリア用
品、玩具類、学習教材、筆記具、文房具、その他日常雑
貨類等に適用すれば、優れた可逆感温変色特性が示され
ることから、嗜好性、装飾性、意外性等が付与された付
加価値の高いユニークな製品を得ることができる。
【0045】また、各種のラベル類、インジケーター
類、偽造防止用材等としても利用することができ、例え
ば食品類の過冷却状態や過熱状態の検知、電気配電盤の
各種回路等の漏電、過電流状態の検知等を目的として各
種の危険防止用資材や警告表示用資材として用いられる
とともに、各種のIDカード、プリペイドカード、キャ
ッシュカード、磁気カード、切手、紙幣、有価証券、変
造防止シール等に適用することにより、偽造防止用資材
や偽造検知用資材として利用することができる。
【0046】即ち、本発明の可逆感温変色性組成物を各
種インキビヒクル、塗料ビヒクル等に均一に分散させて
可逆感温変色性インキ又は塗料とし、このインキ又は塗
料を用いて、グラビア、オフセット、スクリーン、タン
ポなどの印刷方法によって、又は刷毛塗り、しごき塗
り、ディッピング、ロールコート、ナイフコート、シャ
ワーコート、スプレーコートなどの塗装方法によって、
紙、モノもしくはマルチフィラメント繊維、繊維編織
物、不織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂成形品、ガラ
ス、陶磁器、皮革、金属、木材等の成形品に対して可逆
感温変色性の図柄、文字、数字、記号等を形成でき、更
には可逆感温変色性の塗膜を施すこともできる。また、
本発明の可逆感温変色性組成物を筆記具用インキビヒク
ル中に均一に分散させれば、可逆感温変色性の筆記具用
インキとして使用することもできる。この他、天然、半
合成もしくは合成樹脂、又はワックス中に均一に分散し
て成形すれば、各種可逆感温変色性成形品を得ることが
できる。
【0047】本発明の可逆感温変色性組成物について、
更に詳しい用途の具体例を以下に示すが、本発明の用途
はこれらに限定されるものではない。(尚、以下の記載
において「組成物」という表現は、特に断りのない限
り、マイクロカプセルに内包された組成物を含む。) (1) 当該組成物を分散した液状体に、糸、スライバ
ー、原綿、織物、編物、不織布、ウェブ及びこれらを各
縫製してなる縫製品を浸漬することによって得られる当
該組成物により吸尽着色された可逆感温変色性の繊維製
品類。
【0048】(2) 当該組成物と熱可塑性樹脂を含むパ
ッディング浴に、糸、スライバー、原綿、織物、編物、
不織布、ウェブ及びこれらを各縫製してなる縫製品をパ
ッドすることによって得られる可逆感温変色性の繊維製
品類。
【0049】(3) 当該組成物含有捺染用インキ(水性
又は塩化ビニルプラスチゾルインキ)を印捺したジャン
パー、コート、ジャケット、セーター、ブラウス、Tシ
ャツ、ズボン、スカート、ワンピース、ストッキング、
靴下、手袋、帽子、ハンカチ、タオル、ネクタイ、スキ
ーウェア、水着、スポーツウェア、リボン、マフラー、
ネッカチーフなどの衣料品、スリッパ、サンダル、靴、
ブーツなどの履物、カーテン、カーペット、カーシー
ト、座布団、のれん、国旗、ペナント、テーブルクロ
ス、マット、造花、コースター、カバン、手提げ袋など
のインテリア用品及び雑貨のほか玩具、文具、スポーツ
用品など。
【0050】(4) 剥離性を有する基体上に当該組成物
含有インキを印刷して図柄、文字、数字、記号などを形
成したり、あるいは当該インキにて全面着色し、その上
から接着剤を印刷又は散布した熱転写シート、及びこの
シートを熱転写した繊維、皮革、プラスチック製品(塩
化ビニル製品など)、例えば衣料品、インテリア用品、
履物、雑貨、玩具、文具、スポーツ用品など。
【0051】(5) 当該組成物含有塗料で表面を被覆し
たモノ又はマルチフィラメント及びこれから得られるド
ールヘアー、かつら、獣毛、刺繍糸、更に該フィラメン
トの編織物である衣料品、インテリア用品、履物、雑貨
など。
【0052】(6) 当該組成物をプラスチック中に均一
に分散させた分散物又はカラーマスターバッチ、当該組
成物をワックスとプラスチック中に均一に分散させたカ
ラーマスターバッチ及び当該組成物を塩化ビニルプラス
チゾル中に均一に分散させたコンクゾル、更には、これ
らに成形用プラスチック、塩化ビニルプラスチゾル又は
形状記憶樹脂を更に加えて、射出成形、真空成形、圧縮
成形、発泡成形、吹込み成形、押出し成形、スラッシュ
成形、カレンダー成形などで得た人形、動物、魚、車、
ボール、模擬食品、ままごとセットなどの玩具、プラス
チックカップ、プラスチック瓶、ストローなどの食品
用、飲料水用及び化粧品用容器、造花、ブローチ、ペン
ダント、時計の文字盤などの装飾品、包装用フィルム、
シュリンクフィルム、雑貨、文具など、更にまた上記分
散物、マスターバッチ又はコンクゾルを溶融紡糸、押出
紡糸したフィラメント、該フィラメントから得られるド
ールヘアー、かつら、獣毛、ぬいぐるみ、カーペット、
カーテン、該フィラメントの編織物から得られる衣料
品、インテリア用品、履物、雑貨など。
【0053】(7) 布帛上に当該組成物含有塗料をコー
ティングしたコーティング布帛及びこれから得られる衣
料品、インテリア用品、履物、雑貨、また、紙やプラス
チックフィルムの上に当該塗料をコーティングするか、
もしくは当該組成物含有インキを印刷して得られる色
紙、造花、紙コップ、名刺、本、絵本、壁紙、カレンダ
ー、包装紙など。
【0054】(8) 当該組成物含有塗料を塗装したプラ
スチック、金属、ガラス又は陶磁器製品、例えば車、ミ
ニチュアカー、動物、人形、ままごとセット、模擬食品
などの玩具、食品用、飲料品用、化粧品用などの容器、
形状記憶金属もしくは形状記憶樹脂成形品、各種プリペ
イドカード、時計の文字盤など。
【0055】(9) 当該組成物含有インキをスクリー
ン、オフセット又はグラビア印刷したガラス、陶磁器、
プラスチック又は金属製品、例えばガラスコップ、ガラ
ス瓶、アルミニウム缶、グラス、ジョッキ、マグカッ
プ、湯のみ、プラスチックカップ、プラスチック瓶など
の食品用、飲料水用及び化粧品用の容器、ブローチ、ワ
ッペン、名刺、カード類、筆箱、消しゴム、カバン、時
計の文字盤などの装飾品、雑貨、玩具、文具など。
【0056】(10) 当該組成物含有タンポインキを印刷
したプラスチック、金属、ガラス又は陶磁器製品、例え
ば人形、動物、車などの玩具、食品用、飲料品用及び化
粧品用などの容器、ブローチ、ワッペン、名刺、カード
類、時計の文字盤などの装飾品、文具、雑貨など。
【0057】(11) 当該組成物含有筆記具用インキを充
填したボールペン、マジックペン、絵の具などの筆記用
具。
【0058】(12) 当該組成物を均一に分散させた小麦
粉粘土、プラスチック粘土、スライム樹脂(高粘性流動
体)、形状記憶樹脂、ろうそく、クレヨンなど。
【0059】(13) 基体の表面に当該組成物含有インキ
で図柄、文字、数字、記号などを形成し、その表面に粘
着剤を介して透明フィルムがラミネートされ、且つ基体
の裏面に粘着剤を介して離型紙が貼着されたタックシー
ル、及びこのシールが貼付された衣料品、雑貨、玩具、
文具など。
【0060】(14) 剥離性を有する基体上に接着剤を印
刷し、その上に当該組成物含有インキにて図柄や文字、
数字、記号、などを形成し、更にその上にカバーコート
層を備えた水転写シート、及びこのシートを水転写した
プラスチック、ガラス、陶磁器又は金属製品、例えばガ
ラスコップ、ガラス瓶、ワイングラス、ジョッキ、マグ
カップ、プラスチックカップ、プラスチック瓶などの食
品用、飲料水用又は化粧品用容器、その他雑貨、玩具、
文具など。
【0061】(15) 布帛上に当該組成物含有塗料をコー
ティングし、その上に短繊維を植毛した植毛布帛及びこ
れから得られるぬいぐるみ、カーペットの他、各種の衣
料品、インテリア用品、履物、雑貨など。
【0062】(16) 剥離性を有する基体上に植設された
短繊維、この表面に印刷された当該組成物含有インキ、
及び該インキ層上に図柄、文字、数字、記号の形状に形
成された接着剤からなるインキ層を有する植毛転写シー
ト、並びにこのシートを転写した繊維、皮革、プラスチ
ック製品など、例えば衣料品、履物、インテリア用品、
雑貨、玩具、文具など。
【0063】(17) 当該組成物含有塗料をディッピング
したモノ又はマルチフィラメントからなる糸を網状の基
材に巻き込み裏面を接着剤でバッキングしたハイパイル
ニット、及びこれから得られるぬいぐるみ、ドールヘア
ー、かつら、カーペットをはじめ各種衣料品、インテリ
ア用品、履物、雑貨など。
【0064】(18) 透明性の合成繊維よりなる基体の片
面上の一部に当該組成物含有インキで模様層が形成さ
れ、更にその模様層を含む基体にポリウレタン樹脂を含
む塗料にて多孔性皮膜層が形成された透湿性に優れた可
逆感温変色性プリント布帛、及びこの布帛を用いた衣料
品、インテリア用品、雑貨など。
【0065】(19) 当該組成物含有インキと導電性イン
キをフィルム上に印刷するか、又は当該組成物含有イン
キを所定の乾電池やバッテリーに印刷することにより、
残存電力量(電圧)を検知できるようにしたバッテリー
テスター。
【0066】尚、上述したインキ、塗料、プラスチック
などの中に各種の薬剤、例えば界面活性剤、乾燥調整
剤、消泡剤、架橋剤、触媒、粘度調整剤、染料、顔料、
蛍光顔料、蛍光染料、体質顔料、夜光顔料、蓄光顔料、
フォトクロミック材料、エレクトロクロミック材料、パ
ール顔料、ガラスビーズ、金属粉、防腐剤、帯電防止
剤、発泡剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、プラ
スチック用安定剤、滑剤、香料、抗菌剤、消臭剤、光触
媒、防虫剤、忌避剤、老化防止剤などを用途に応じて適
宜配合することができる。
【0067】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を挙げて、
本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0068】尚、以下の記載において「部」、「%」と
あるものは、特に断りのない限り「重量部」、「重量
%」を示すものとする。
【0069】
【実施例1】無色又は淡色のロイコ色素(以下単に(イ)
成分と記す)である6−(ジメチルアミノ)−3,3−
ビス〔4−(ジメチルアミノ)フェニル〕−1(3H)
−イソベンゾフラノン(クリスタルバイオレットラクト
ン、以下単にC.V.L.と略記する)1部及び顕色性
物質(以下単に(ロ)成分と記す)である4,4′−(1
−フェニルエチリデン)ビスフェノール(以下単に顕色
性物質Aと略記する)3部を、有機媒体(以下単に(ハ)
成分と記す)であるセチルアルコール26部に加熱溶融
して均質な組成物とすることにより、本発明の可逆感温
変色性組成物30部を得た。
【0070】該組成物は、約48℃以下の温度において
濃青色を示し、それより高い温度では無色となる可逆性
の変色特性を示した。
【0071】
【比較例1】実施例1における顕色性物質A3部に代え
て、従来の顕色性物質であるビスフェノールA3部を用
いることを除き他は全て同様にして、相当する組成物3
0部を得た。以下、この組成物を比較組成物と略称す
る。
【0072】〔耐水性試験1〕実施例1の組成物1部と
比較組成物1部とをそれぞれ別個にポリエチレン樹脂1
0部と加熱溶融し、それぞれについて厚さ1mmの組成物
含有ポリエチレンプレートを得た。
【0073】かかるプレートをそれぞれ3cm×5cmの大
きさにカットし、100℃の沸騰水中で10分間煮沸し
た後、室温に取り出して色差計を用いて発色時の色濃度
を比較したところ、実施例1のものに比し、比較組成物
のプレートの色濃度は50%であった。
【0074】また、別の実験として、60℃の温水中で
1週間それぞれのプレートを保持した後、上記と同様に
して色濃度を測定したところ、やはり実施例1のものに
比し、比較組成物のプレートの色濃度は50%であっ
た。
【0075】以上の結果、本発明の可逆感温変色組成物
は、優れた耐水性を有することが確認できた。
【0076】〔耐熱性試験1〕実施例1の組成物と比較
組成物の適量をそれぞれ内径1mmの毛細管に封入し(た
だし上部は開放)、200℃で10分間保持したとこ
ろ、実施例1の組成物は保持前と全く同一の変色特性を
示したのに対して、比較組成物は保持前のものに比し発
色時の色濃度が約20%低下しており、可逆変色特性も
鈍化していた。
【0077】以上の結果、本発明の可逆感温変色性組成
物は、優れた耐熱性を有することが確認できた。
【0078】〔毒性〕顕色性物質AのLD50値(急性
経口毒性値)は5000mg/kg以上(ラット)であるの
に対して、ビスフェノールAのLD50値が3250m/
kg(ラット)であることからみて、本発明の可逆感温変
色性組成物の毒性が低いことは明らかである。
【0079】
【実施例2〜13】実施例1と同様にして、下記の表に
記載した配合の組成物を得た。得られた組成物の変色特
性を下記の表1に示す。
【0080】尚、表中( )内の数字は配合量(部)を
示し、「変色温度」とはその温度を境として低温側で発
色し、高温側で消色する温度を示す。
【0081】また、表中における化合物の略号は次の通
り。
【0082】ロイコ色素A … 2−アニリノ−3−メチ
ル−6−ジエチルアミノフルオラン ロイコ色素B … 2−クロロ−3−メチル−6−ジエチ
ルアミノフルオラン ロイコ色素C … 3,6−ジメトキシフルオラン ロイコ色素D … 3,3−ビス〔4−(ジメチルアミ
ノ)フェニル〕−1(3H)−イソベンゾフラノン 顕色性物質B … 2,2′−(1−フェニルエチリデ
ン)ビスフェノール 顕色性物質C … 4,4′−〔1−(4−メチルフェニ
ル)エチリデン〕ビスフェノール 顕色性物質D … 4,4′−(1−フェニルブチリデ
ン)ビスフェノール 顕色性物質E … 4,4′−〔(4−メチルフェニル)
メチレン〕ビスフェノール
【表1】 上記の実施例2〜13の可逆感温変色性組成物は、実施
例1のものと同様、耐水性、耐熱性、低毒性等において
優れた特性を有していた。
【0083】
【実施例14】実施例1で得た組成物200部に対し
て、多価イソシアネート(ミリオネートMR:日本ポリ
ウレタン工業(株)製)50部を加えて、加熱、撹拌して
均一な分散液を得た。次に、分散安定剤としてコロイド
状リン酸三カルシウム10部とドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.2部とを含む60℃に加熱した水溶
液2000部中に、上記の均一分散液を加え、撹拌機を
用いて該均一分散液の平均粒子径が3μmとなるように
撹拌速度を調整し、分散させた。この分散液中にキシリ
レンジアミン10部を滴下し、60℃で約3時間分散液
の撹拌を続けて反応を終了した後、塩酸によって分散安
定剤を分解除去し、濾過、水洗、乾燥することにより、
約260部の該組成物内包マイクロカプセル粒状物を得
た。
【0084】次に、この様にして得られた粒状物100
部を、アニオン系界面活性剤(デモールN:花王(株)
製)5部を含む水溶液1000部中に撹拌下投入し、均
一に分散させ、続いてこの分散液中にメラミン・ホルマ
リンプレポリマー20部を滴下し、撹拌を続けながら、
80℃まで加熱した。
【0085】次いで希塩酸を滴下して系のpHを4.5
に調整し、この温度で2時間撹拌を続けた後、放冷し、
濾過、水洗、乾燥を行い約120部のマイクロカプセル
に内包された可逆感温変色性組成物を得た。
【0086】上記で得られた本発明のマイクロカプセル
内包組成物は、約48℃以下の温度において濃青色を示
し、それより高い温度では無色となる可逆性の変色特性
を示した。
【0087】尚、上記マイクロカプセル内包組成物は、
印刷インキや塗料中に任意に配合でき、可逆感温変色性
の印刷インキや塗料を得ることができるものである。ま
たその際、一般の染料類や顔料類を添加すれば、自由に
有色(A)と有色(B)の可逆感温変色性を示すように
することができる。
【0088】
【比較例2】実施例1における顕色性物質A3部に代え
て、従来の顕色性物質である0,0′−ビフェノール3
部を用いることを除き他は全て同様にして、相当する組
成物30部を得(以下、この組成物を比較組成物と略称
する)、この比較組成物を用いることを除き、他は全て
実施例14と同様にして、マイクロカプセル内包比較組
成物を得た。
【0089】〔耐水性試験2〕実施例14で得たマイク
ロカプセル内包組成物20部、マツミンバインダーD−
35(商品名、(株)松井色素化学工業所製、アクリル酸
エステル系水性樹脂エマルジョン)70部、フィクサー
F(商品名、(株)松井色素化学工業所製、アクリル酸エ
ステル樹脂用架橋剤)5部を混合し、本発明に係わる可
逆感温変色性の布帛用樹脂捺染ペーストを調製した(以
下、本発明ペーストと記す)。
【0090】一方、上記の実施例14で得たマイクロカ
プセル内包組成物20部に代えて、マイクロカプセル内
包比較組成物20部を用いることを除き他は全て上記と
同様にして、布帛用樹脂捺染ペーストを調製した(以
下、比較ペーストと記す)。
【0091】上記で得た2種のペーストをそれぞれ用い
て同一綿布帛上に並べて同じ図柄をスクリーン印刷し、
100℃、2分間の熱処理を行った。
【0092】かくして得られた2つの捺染図柄を有する
綿布帛について、JIS L 0217−103法によ
る洗濯試験を行ったところ、本発明ペーストによる捺染
図柄が5級を示したのに対して、比較ペーストによる捺
染図柄は2級であった。
【0093】上記の結果、本発明の可逆感温変色性組成
物は、優れた耐水性を有していることが確認できた。
【0094】
【実施例15】(イ)成分として3,3−ビス〔4−(ジ
メチルアミノ)フェニル〕−1(3H)−イソベンゾフ
ラノン1部、(ロ)成分として4,4′−〔1−(4−メ
チルフェニル)エチリデン〕ビスフェノール4部、及び
(ハ)成分としてオクチルステアレート40部を均一に加
熱溶融して、更にエポキシ樹脂(エピコート828:油
化シエルエポキシ(株)製)9部を加え均一な熱溶液と
し、この溶液を90℃の5%ヒドロキシエチルセルロー
ス水溶液100部中に撹拌下投入し、直径約5μmの油
滴状に分散させ、次いでエポキシ樹脂用硬化剤(エピキ
ュアU:油化シエルエポキシ(株)製)3部を投入し、引
き続き2時間反応させた。
【0095】その後冷却し、生成したマイクロカプセル
粒子を濾別、水洗、乾燥することにより、約57部の該
組成物内包マイクロカプセル粒状物を得た。
【0096】上記で得られた本発明の可逆感温変色性組
成物は、低温から30℃まで昇温させると緑色から無色
へと変色し、一方、引き続き温度を下げていくと、22
℃付近まで無色状態は保持され、それより低い温度まで
下げると再び緑色を呈するという、ヒステリシス性を有
する変色特性を示した。
【0097】本可逆感温変色性組成物も、実施例14の
ものと同様、優れた耐熱性と耐水性を有していた。
【0098】
【発明の効果】本発明の可逆感温変色性組成物は、前記
特定構造の顕色性物質を採用したことにより、従来公知
の組成物に比し、諸堅牢度、特に耐水性、耐熱性が飛躍
的に向上したとともに、発色時の色濃度が高く且つ毒性
も低いことから、従来この種の組成物が用いられていた
各種用途に使用できることは勿論のこと、その他一般の
染顔料類が用いられるあらゆる用途に適用可能であり、
極めて有用なる産業利用性を有するものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ) 無色又は淡色のロイコ色素、及び
    (ロ) 該ロイコ色素を発色させる能力を有する下記一般
    式(1)で示される顕色性物質からなる少なくとも2成
    分を必須成分とする可逆感温変色性組成物。 【化1】 上記式中、 Xはそれぞれ独立に水酸基又は炭素数1〜4のアルキル
    基を示し、 Yはそれぞれ独立に水酸基又は炭素数1〜4のアルキル
    基を示し、 Zはそれぞれ独立に水酸基、ハロゲン又は炭素数1〜4
    のアルキル基を示し、 Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜
    6のアルキル基を示し、 lは0〜2の整数を示し、 mは0〜2の整数を示し、 nは1〜2の整数を示す(ただし、X、Y、Zの何れか
    少なくとも1つは水酸基であることを要す)。
  2. 【請求項2】 (イ) 無色または淡色のロイコ色素、
    (ロ) 該ロイコ色素を発色させる能力を有する、請求項
    1記載の一般式(1)で示される顕色性物質、及び(ハ)
    有機媒体からなる少なくとも3成分を必須成分とする
    可逆感温変色性組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で示される顕色性物質が、 Xが水酸基であり且つn=1でその置換位置がパラ位
    (4位)、 Yが水酸基であり且つm=1でその置換位置がパラ位
    (4位)、 Zがl=0又は1で、且つl=1の場合はメチル基又は
    エチル基で、その置換位置がパラ位(4位)、及びRが
    炭素数1〜6のアルキル基である請求項1又は2記載の
    可逆感温変色性組成物。
  4. 【請求項4】 (ハ) 有機媒体がアルコール類、エステ
    ル類又はケトン類である請求項2又は3記載の可逆感温
    変色性組成物。
  5. 【請求項5】 マイクロカプセルに内包されてなる請求
    項1、2、3又は4記載の可逆感温変色性組成物。
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