JPH0732040Y2 - 植毛成形品 - Google Patents

植毛成形品

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JPH0732040Y2
JPH0732040Y2 JP6663990U JP6663990U JPH0732040Y2 JP H0732040 Y2 JPH0732040 Y2 JP H0732040Y2 JP 6663990 U JP6663990 U JP 6663990U JP 6663990 U JP6663990 U JP 6663990U JP H0732040 Y2 JPH0732040 Y2 JP H0732040Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、植毛成形品に関し、より詳しくは光照射の有
無により色彩が可逆的に変化する植毛成形品に関する。
従来技術とその課題 従来の植毛成形品は、基材上に接着剤層を介して着色又
は無着色の短繊維を植設したもので、衣料品、履物類、
インテリア用品、雑貨品(例えばぬいぐるみ等の玩具)
等の材料として幅広く使用されている。しかしながら、
この様な植毛成形品は、その色彩が不変で色彩効果に乏
しいものである。
本考案は、光照射の有無により可逆的に色彩が変化する
機能を持った植毛成形品を作り、多彩な装飾感を楽しむ
ことのできるより一層付加価値の高い商品を提供するた
めになされたものである。
課題を解決するための手段 本考案者は、上記目的を達成すべく研究を進めた結果、
植毛形成品において、接着剤層に代えて有機フォトクロ
ミック化合物及びヒンダードアミン系化合物を透明性の
合成樹脂に均一に分散させたフォトクロミック層を設け
ることで、光照射の有無によって可逆的に色彩が変化
し、しかも光照射時の発色濃度が高く(光照射を断続し
て発色と消色を繰り返したり、光照射を続けた場合)フ
ォトクロミック機能が劣化し難いことを見出し、本考案
を完成するに至った。
即ち、本考案は、基材上に積層されたフォトクロミック
層及び該フォトクロミック層上に形成された透明性の短
繊維植毛層を有する植毛成形品に係る。
本考案植毛成形品の一例の断面図を第1図に示す。図
中、(1)は基材を、(2)はフォトクロミック層を、
(3)は短繊維植毛層をそれぞれ示す。
以下、本考案植毛成形品を構成する上記各層について説
明する。
基材(1)としては、特に制限されずこの分野で慣用の
ものを広く使用でき、具体的には、例えばプラスチッ
ク、金属、ガラス、陶磁器、木材、紙、繊維等からなる
成形体(フィルム及びシートを含む)等が挙げられる。
また、基材の形状も任意である。
フォトクロミック層(2)は、通常有機フォトクロミッ
ク化合物、ヒンダードアミン系化合物及び透明性の合成
樹脂から形成される。
上記有機フォトクロミック化合物としては、例えばアゾ
ベンゼン系化合物、チオインジゴ系化合物、ジチゾン金
属錯体、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化
合物、フルギド系化合物、シヒドロピレン化合物、スピ
ロチオピラン系化合物、1,4−2H−オキサジン、トリフ
ェニルメタン系化合物、ピオロゲン系化合物などが挙げ
られるが、中でも特にスピロピラン系化合物、スピロオ
キサジン系化合物が好ましい。より具体的には、下記の
ものが例示される。
1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリノ−2,3′−(3H)
ナフト(2,1−b)(1,4)−オキサジン〕 5−メトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリノ
−2,3′−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)−オキサジ
ン〕 5−クロル−1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリノ−
2,3′−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)−オキサジ
ン〕 4,7−ジエトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリ
ノ−2,3′−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)−オキサ
ジン〕 5−クロル−1−ブチル−3,3−ジメチルスピロ〔イン
ドリノ−2,3′−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)−オ
キサジン〕 1,3,3,5−テトラメチル−9′−エトキシスピロ〔イン
ドリノ−2,3′−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)−オ
キサジン〕 1−ベンジル−3,3−ジメチルスピロ(インドリン−2,
3′−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)−オキサジン〕 1−(4−メトキシベンジル)−3,3−ジメチルスピロ
〔インドリン−2,3′−(3H)ナフト(2,1−b)(1,
4)−オキサジン〕 1−(2−メチルベンジル)−3,3−ジメチルスピロ
〔インドリン−2,3′−(3H)ナフト(2,1−b)(1,
4)−オキサジン〕 1−(3,5−ジメチルベンジル)−3,3−ジメチルスピロ
〔インドリン−2,3′−(3H)ナフト(2,1−b)(1,
4)−オキサジン〕 1−(4−クロロベンジル)−3,3−ジメチルスピロ
〔インドリン−2,3′−(3H)ナフト(2,1−b)(1,
4)−オキサジン〕 1−(4−ブロモベンジル)−3,3−ジメチルスピロ
〔インドリン−2,3′−(3H)ナフト(2,1−b)(1,
4)−オキサジン〕 1−(2−フルオロベンジル)−3,3−ジメチルスピロ
〔インドリン−2,3′−(3H)ナフト(2,1−b)(1,
4)−オキサジン〕 1,3,5,6−テトラメチル−3−エチルスピロ〔インドリ
ン−2,3′−(3H)ピリド(3,2−f)(1,4)−ベンゾ
オキサジン〕 1,3,3,5,6−ペンタメチルスピロ〔インドリン−2,3′−
(3H)ピリド(3,2−f)(1,4)−ベンゾオキサジン〕 1′,3′,3′−トリメチルスピロ(2H−1−ベンゾピラ
ン−2,2′−インドリン) 1′,3′,3′−トリメチルスピロ−8−ニトロ(2H−1
−ベンゾピラン−2,2′−インドリン) 1′,3′,3′−トリメチル−6−ヒドロキシスピロ(2H
−1−ベンゾピラン−2,2′−インドリン) 1′,3′,3′−トリメチルスピロ−8−メトキシ(2H−
1−ベンゾピラン−2,2′−インドリン) 5′−クロル−1′,3′,3′−トリメチル−6−ニトロ
スピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2′−インドリン) 6,8−ジブロモ−1′,3′,3′−トリメチルスピロ(2H
−1−ベンゾピラン−2,2′−インドリン) 8−エトキシ−1′,3′,3′,4′,7′−ペンタメチルス
ピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2′−インドリン) 5′−クロル−1′,3′,3′−トリメチルスピロ−6,8
−ジニトロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2′−インドリ
ン) 3,3,1−ジフェニル−3H−ナフト−(2,1−13)ピラン 1,3,3−トリフェニルスピロ〔インドリン−2,3′−(3
H)−ナフト(2,1−b)ピラン〕 1−(2,3,4,5,6−ペンタメチルベンジル)−3,3−ジメ
チルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)−ナフト(2,1
−b)ピラン〕 1−(2−メトキシ−5−ニトロベンジル)−3,3−ジ
メチルスピロ〔インドリン−2,3′−ナフト(2,1−b)
ピラン〕 1−(2−ニトロベンジル)−3,3−ジメチルスピロ
〔インドリン−2,3′−ナフト(2,1−b)ピラン〕 1−(2−ナフチルメチル)−3,3−ジメチルスピロ
〔インドリン−2,3′−ナフト(2,1−b)ピラン〕等 ヒンダードアミン系化合物としては、例えば下記のもの
が挙げられる。
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバ
ケート ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セ
バケート コハク酸ジメチル 1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物 ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ
−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕 2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル) 1−〔2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル〕−4−
{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン 8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル
−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジ
オン テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)ブタンカルボネート等 これらヒンダードアミン系化合物は、有機フォトクロミ
ック化合物1重量部に対して少なくとも5重量部程度、
好ましくは10〜50重量部程度使用するのが良い。
また、透明性の合成樹脂としては、特に制限されず、例
えば酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合樹
脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リエスタル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、
塩素化ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられ
る。合成樹脂の配合比は、有機フォトクロミック化合物
とヒンダードアミン系化合物との合計の0.1〜2000重量
倍程度、好ましくは1〜200重量倍程度とされるのが好
ましい。
フォトクロミック層(2)は、例えば以下のようにして
基材(1)上に形成され得る。即ち、所望の配合比の有
機フォトクロミック化合物とヒンダードアミン系化合物
とを、必要に応じて適当な揮発性の溶剤を用い、均一に
混合或いは加熱溶融して溶液となす。この溶液を上記合
成樹脂の溶解乃至分散した水性又は油性のビヒクル中に
撹拌下添加し、必要であれば公知の染顔料、蛍光顔料、
サーモクロミック材料等の着色剤、界面活性剤、乾燥調
整剤、可塑剤、油脂、粘度調整剤、粘性改質剤、架橋
剤、触媒、体質顔料、白色顔料等の添加剤を添加して、
塗料又はインキとする。そして、この塗料又はインキを
基材上にスクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印
刷、オフセット印刷、ロータリー印刷等の方法で印刷す
るか、或いはローラコート、ナイフコート、シャワーコ
ート、スプレーコート等の方法で30〜300g/m2程度、好
ましくは50〜150g/m2程度塗布することによりフォトク
ロミック層を形成することができる。
短繊維植毛層(3)において使用される短繊維として
は、太さ1.5〜3.0デニール程度、長さ0.8〜2.0mm程度
の、例えばレーヨン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル
繊維、ポリアクリル繊維等のモノフィラメントが挙げら
れる。短繊維植毛層は、上記フォトクロミック層(2)
の形成に引き続き(該層の乾燥前)、上記短繊維を公知
の静電植毛法によって、密集度80〜150g/m2程度の範囲
で上記フォトクロミック層上に植設し、十分乾燥するこ
とにより形成される。乾燥後、更に50〜200℃程度て0.5
〜10分間程度熱処理を行うのが好ましく、この操作によ
って不必要な溶媒をほぼ完全に蒸発させることができ、
各層をより強固に固着することができる。上記短繊維を
この範囲の密集度で植設したときは、フォトクロミック
層が実質的に短繊維によって光を遮られること無く高い
発色濃度を発揮することができ、立体感に富んだ植毛成
形品を得ることができる。
また、本考案者の研究によれば、上記構造の植毛成形品
において、フォトクロミック層(2)に有機フォトクロ
ミック化合物及びヒンダードアミン系化合物を予め高分
子化合物でマイクロカプセル化したものを均一に分散さ
せた透明性の合成樹脂を使用したときは、フォトクロミ
ック層の耐光性をより一層向上することができることを
見出した。
上記マイクロカプセル化は、例えば以下のようにして行
われる。即ち、まず有機フォトクロミック化合物をヒン
ダードアミン系化合物中で加熱溶融する。次にこれを界
面活性剤、保護コロイド等を必要に応じて含有させた水
又は有機溶媒中に皮膜形成物質である高分子化合物と共
に投入し、撹拌乳化して油滴とし、この油滴の粒径が1
〜50μm程度、好ましくは3〜20μm程度となるように
撹拌速度を調整し、界面重合法、インサイト重合法、コ
アセルベーション法等の公知のカプセル化法によりマイ
クロカプセル化することができる。
上記高分子化合物としては、例えばポリ尿素、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂、ゼラチン、エチルセルロース、ポ
リスチレン、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。マイクロ
カプセル化に当ってのこれら高分子化合物の使用量は、
常法に従えばよく広い範囲から選択できる。例えばカプ
セル中に内包される有機フォトクロミック化合物とヒン
ダードアミンぬ化合物の合計量に対して0.1〜1重量倍
程度とするのがよい。
また、上記カプセル化法および界面活性剤、保護コロイ
ド、pH調整剤、電解質、有機溶媒等としては、従来より
該カプセル化法で使用されるものが好ましく使用でき
る。
また必要に応じて、これらマイクロカプセル化物の表面
を、例えばメラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ア
ルデヒド系化合物、イソシアネート系化合物等で架橋
し、カプセル皮膜を熱硬化性とすることで、皮膜がより
強固となり耐熱性も向上する。
本考案におけるマイクロカプセル化物のより好ましい形
態は、上記の様にして得られるマイクロカプセル化物の
うち、そのカプセル皮膜が熱硬化性のものの表面を、更
にアラビアゴム、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポ
リビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、メ
チルセルロース、エチルセルロース、ポリアクリル酸ソ
ーダ、ポリアクリル酸アマイド、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合物等の
親水性高分子化合物により被覆したものである。このと
きの被覆は、例えばインサイト法、コアセルベーション
法、気中懸濁法、界面沈降法等の公知方法により行われ
得る。
また本考案において、有機フォトクロミック化合物及び
ヒンダードアミン系化合物の他に、カプセル中、当分野
で従来より用いられている可塑剤、溶剤、酸化防止剤、
赤外線吸収剤、一重項酸素消光剤、油脂、ワックス、合
成樹脂当の添加剤を必要に応じ適宜添加しても構わな
い。これら添加剤の配合比は、有機フォトクロミック化
合物及びヒンダードアミン系化合物の総重量の30%程度
までの範囲とするのがよく、この範囲内であれば植毛成
形品の耐光性を低下させることなく、発色濃度を高めた
り、色彩を変化させたりすることが可能である。
こうして得られるマイクロカプセル化物は、非熱可塑性
でしかもシームレスな皮膜のものであり、マイクロカプ
セル化物に内蔵される有機フォトクロミック化合物及び
ヒンダードアミン系化合物は外部と完全に遮断され、耐
熱性、耐摩擦圧力性がより一層優れたものとなる。
フォトクロミック層に、マイクロカプセル化物を用いた
ときの有機フォトクロミック化合物、ヒンダードアミン
系化合物及び合成樹脂の配合比、並びに該層の積層密度
は、前記と特に変わることはない。
考案の効果 本考案によれば、発色濃度が高く、耐光性に優れたフォ
トクロミック機能を有する植毛成形品が得られる。ま
た、得られる植毛成形品は、色変化の幅が大きく、その
色種の選択の幅も広いので、極めて実用性が高いもので
ある。
本考案のフォトクロミック機能を有する植毛成形品は、
気温に影響されずその機能を発揮するもので、衣料品、
履物、インテリア用品、雑貨など、より具体的には下記
例の用途に適応して色彩と装飾感覚を著しく高めること
ができる。
衣料品:ジャンパー、コート、ジャッケト、セーター、
ズボン、スカート、スポーツウェアー、Tシャツ、ブラ
ウス、靴下、ストッキング、手袋、帽子、マフラー、ハ
ンカチ、タオル、ネッカチーフなど。
履物:サンダル、スリッパ、靴、長靴(ブーツ)など。
インテリア用品:カーペット、カーテン、テーブルクロ
ス、マット、コースター、カバー、ノレン、ペナントな
ど。
雑貨:カバン、ケース類、本、ぬいぐるみなどの玩具、
造花、リボンなど。
実施例 以下実施例を示し、本考案の特徴とするところをより一
層明確なものとする。
尚、以下において「耐光性」とは、須賀長市著「耐候光
と色彩」(スガ試験機株式会社、1988)の記載に準じて
測定したものである。
参考例1 1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)
ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕7.5部(重量
部、以下同じ)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)セバケート150部及びエポキシ樹脂(“エ
ピコート828"油化シェルエポキシ(株)製)30部の均一
な熱溶液を60℃の5%ヒドロオキシエチルセルロース水
溶液500部中に投入し撹拌にて直径約10μmの油滴状に
分散させ、次いでエポキシ樹脂用硬化剤(“エピキュア
U"油化シェルエポキシ(株)製)12部を投入し、引続き
撹拌を続け、90℃に昇温して2時間反応させた。その
後、冷却し、生成したマイクロカプセル粒子を濾別、水
洗、乾燥することにより約200部の粗マイクロカプセル
化物を得た。得られた粗マイクロカプセル化物100部
を、60℃に加熱した5%ゼラチン水溶液500部中に加
え、撹拌を続け、均一に分散した。この分散液中に5%
カルボキシメチルセルロース水溶液50部を、撹拌しなが
ら添加した。pHを5.5に調整した後、10℃に冷却し、10
%ホルマリン水溶液25部を加え、5分間放置し、更に10
%カセイソーダ液を添加しながら系のpHを10に調整し
た。生成した粒径12〜15μmのカプセル分散液を別、
水洗、自然乾燥した後、更に80℃で2時間乾燥すること
により約120部のマイクロカプセル化物を得た。以下こ
れをカプセルAという。
参考例2及び3 1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)
ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕を1−ベンジル
−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)ナ
フト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕又は1−(2,3,4,
5,6−ペンタメチルベンジル)−3,3−ジメチルスピロ
〔インドリン−2,3′−(3H)ナフト(2,1−b)ピラ
ン〕に代える以外は参考例1と同様にしてマイクロカプ
セル化物を得た。以下これらをカプセルB及びCとい
う。
実施例1 1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)
ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕0.2部をビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト4部に溶融したものをアクリル酸エステル系樹脂エマ
ルジョン(“マツミンゾールF23C"(株)松井色素化学
工業所製)93部、25%アンモニア水溶液2部、メラミン
樹脂架橋剤(“スミテックスレジンM−3"住友化学工業
(株)製)4部及び塩化アンモニウム1部からなるビヒ
クルに撹拌下添加してインキを得た。このインキを厚み
200μmの綿ブロード布上に水玉模様のスクリーン版(8
0メッシュ)によって約80g/m2となるように印捺し、続
いてレーヨンパイル(1.5デニール×1.0mm)を静電植毛
法によって密集度100±5g/m2となるように植毛した。自
然乾燥後、150℃で3分間熱処理を施し、水玉模様のプ
リント布帛を得た。
この布帛の水玉模様は、太陽光を当てられると白色から
青色に変化し、太陽光を遮ると元の白色に戻った。この
変化は、幾度と無く繰り返しが可能であった。また、耐
光性は、4〜5級であった。
実施例2 カプセルA10部を実施例1と同様のビヒクルに均一に分
散させてインキを得、以下実施例1と同様にして水玉模
様のプリント布帛を得た。この布帛も実施例1と同様の
変色を見せ、幾度と無く繰り返し変色させることができ
た。耐光性は、6〜7級であった。
実施例3 水分散型ポリウレタン樹脂(“ボンディッグ1310F"大日
本インキ化学工業(株)製)46部、アクリル酸エステル
系樹脂エマルジョン(“テイサンレンジA−700N"帝国
化学工業(株)製)3部、25%アンモニウム水溶液1
部、ポリイソシアネート系架橋剤、(“マツミンフィク
サーF"松井色素化学工業所製)4部、カプセルB5部、カ
プセルC10部からなる塗料を得た。この塗料を厚み3mmの
エーテルタイプポリウレタンスポンジと厚み0.2mmのナ
イロントリコットとをフレームラミネートして2層構造
としたスポンジ側の全面にナイフコーターにて150g/m2
塗布し、続いてアクリル繊維(2.0デニール×1.0mm“カ
ネカロンパイル”鐘淵化学工業(株)製)を静電植毛法
によって密集度100±5g/m2となるように植毛した。自然
乾燥後、140度で5分間熱処理を施し、シート状の植毛
成形品を得た。
このシートを打ち抜き、植毛面を表面として、ウサギの
ぬいぐるみに縫製し、プラスチック製の目、鼻、口を取
付け、更にポリエステル綿を該縫製物の内部に均一に詰
め込み、綿入れ部を縫製して閉じることによりウサギの
ぬいぐるみを得た。このぬいぐるみは太陽光を当てると
白いウサギから灰色のウサギに変化し、太陽光を遮られ
ると元の白いウサギに戻った。この変化は、幾度と無く
繰り返しが可能であった。耐光性は、6〜7級であっ
た。
比較例1 実施例1におけるフォトクロミック層において、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケー
トを添加しない以外は実施例1と同様にしてプリント布
帛を得た。
この布帛は、実施例1と同様の変色を示すが、耐光性が
1級と極めて低かった。
比較例2 アクリル繊維の太さを5.0デニールにした以外は実施例
3と同様にしてシート状の植毛成形品を得た。このシー
トの発色濃度は、実施例3のものの70%程度であった。
比較例3 アクリル繊維の長さ3.0mmにした以外は実施例3と同様
にしてシート状の植毛成形品を得た。このシートの発色
濃度は、実施例3のものの50%程度であった。
比較例4 アクリル繊維の密集度を180g/m2にした以外は実施例3
と同様にしてシート状の植毛成形品を得た。このシート
の発色濃度は、実施例3のものの50%程度であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案植毛成形品の一例の断面図である。 (1)…基材 (2)…フォトクロミック層 (3)…短繊維植毛層

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に積層されたフォトクロミック層及
    び該フォトクロミック層上に形成された透明性の短繊維
    植毛層を有する植毛成形品。
  2. 【請求項2】基材上に積層されたフォトクロミック層及
    び該フォトクロミック層上に形成された透明性の短繊維
    植毛層を有する植毛成形品であって、該フォトクロミッ
    ク層が、有機フォトクロミック化合物をヒンダードアミ
    ン系化合物中に分散乃至溶解した組成物のマイクロカプ
    セル化物を均一に分散させた透明性の合成樹脂で形成さ
    れていることを特徴とする植毛成形品。
  3. 【請求項3】ヒンダードアミン系化合物が有機フォトク
    ロミック化合物1重量部に対して少なくとも5重量部含
    まれる請求項に記載の植毛形成品。
JP6663990U 1990-06-22 1990-06-22 植毛成形品 Expired - Lifetime JPH0732040Y2 (ja)

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JP6663990U JPH0732040Y2 (ja) 1990-06-22 1990-06-22 植毛成形品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2324156A1 (en) 2008-08-11 2011-05-25 Philip Morris Products S.A. Container with tactile surface

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