JP2929162B2 - 夜光性顔料の改質方法 - Google Patents

夜光性顔料の改質方法

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JP2929162B2
JP2929162B2 JP9110594A JP9110594A JP2929162B2 JP 2929162 B2 JP2929162 B2 JP 2929162B2 JP 9110594 A JP9110594 A JP 9110594A JP 9110594 A JP9110594 A JP 9110594A JP 2929162 B2 JP2929162 B2 JP 2929162B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は夜光性顔料の改質方法及
び改質された夜光性顔料に関する。
【0002】
【従来の技術】夜光性顔料とは、光を照射後暗所に保持
した場合にも、一定時間高輝度に発光現象を持続する能
力を有する顔料類を意味するものであり、蓄光顔料と呼
称されることもある。従来、この様な夜光性顔料として
は、硫化カルシウム、硫化亜鉛、硫化カドミウム等の金
属硫化物に、銅やビスマス等を付活させたものが種々知
られているが、いずれも暗所における発光現象の持続時
間が短かく、用途的に極めて制約を受けた条件下で使用
せざるを得ないものであった。この点を改良することを
目的として、それらの化合物類に放射性物質を種々添加
する試みがなされているが、放射性物質を用いる以上人
体に対する影響を無視することができず、安全性の面か
らして、極めて制約を受けるものであった。
【0003】ところで近年、上述の化合物群とは全く異
なった一連の夜光性顔料、即ちある種の金属酸化物に希
土類元素をドープさせた化合物が開発されるに至り、暗
所における発光時間が長いこと、及び安全性についての
問題を有しないことから、上述の問題点を一掃するもの
として斯界の関心を集めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上述の新
しいタイプの夜光性顔料を種々の用途に展開すべく、様
々な研究を続けてきたところ、該顔料類は水分の介在に
より極めて容易に分解劣化するという致命的な欠点を有
することが判明した。この問題は、ビヒクル成分の種類
を代える程度では全く解決することができず、屋外の使
用であるか、又は屋内の使用であるかを問わず、吸湿、
結露等により発光効果が喪失してしまい、実質上、上記
の新タイプの夜光性顔料をそのままの状態で実用に供す
ることは不可能な現状にあった。
【0005】
【課題を解決する為の手段】本発明者は、上述の問題点
を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、この種の夜光性
顔料を酸及び酸発生物質の少なくとも一種の化合物で処
理することにより、耐水性が飛躍的に向上し、どの様な
条件下においても暗所にて長時間の発光効果が得られ、
しかも人体に対する安全性の面からも何等問題を有さな
い夜光性顔料を提供できることを見出し、ここに本発明
を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、金属酸化物に希土類元素
をドープさせてなる夜光性顔料を、水の存在下に、酸及
び酸発生物質の少なくとも一種の化合物と接触させるこ
とを特徴とする夜光性顔料の改質方法、並びに該方法に
よって改質された夜光性顔料に係る。
【0007】本発明において、処理対象とする夜光性顔
料は、金属酸化物に希土類元素をドープさせた構造のも
のである。この様な構造の夜光性顔料は、放射性物質を
実質上含有しないにもかかわらず長時間高輝度に発光可
能という優れた性質を有するものである。かかる夜光性
顔料としては、例えば、長周期型周期表におけるIIa
族、 IIIa族、及び IIIb族に属する元素の酸化物の少
なくとも一種を金属酸化物として用い、これにSc,
Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,T
b,Dy,Ho,Er,Tm,Yb及びLuから選ばれ
た少なくとも一種の希土類元素を混合し、焼結させた一
種のセラミックス構造を有するものを挙げることができ
る。この様な夜光性顔料は、希土類元素を広い範囲で含
むことが可能であるが、夜光性顔料の全体量に対して、
希土類元素を0.0001〜30重量%程度含有するも
のが適当であり、0.1〜10重量%程度含有するもの
が好ましい。この様な夜光性顔料は、上記した金属酸化
物及び希土類元素の他に、例えばFe,Ni,Co,S
i等の単体又は各種化合物を発光性能に悪影響を及ぼさ
ない程度であれば含むことができ、通常、夜光性顔料中
に5重量%程度までならば含有することができる。
【0008】上記夜光性顔料において、金属酸化物のう
ちで、好適なものとしては、酸化カルシウム、酸化スト
ロンチウム、酸化バリウム、アルミナ、酸化セリウム等
を挙げることができ、希土類元素の好適なものとして
は、Eu,Tb,Dy等を挙げることができる。
【0009】本発明で用いる夜光性顔料のうちで、特に
好ましいものとしては、金属酸化物として酸化ストロン
チウム及び/又はアルミナを含み、希土類元素としてE
u及び/又はDyを含むものであって、希土類元素の含
有量が夜光性顔料の全体量に対して好ましくは0.1〜
10重量%程度、より好ましくは0.5〜5重量%程度
のものを挙げることができる。
【0010】この様な夜光性顔料の一例としては、根本
特殊化学株式会社製の「N夜光」(商品名)を挙げるこ
とができるが、これに限定されるものではない。
【0011】本発明において、夜光性顔料の平均粒径は
特に限定されないが、発光性能や各種用途への適用の容
易さ等を考慮すると、好ましくは0.5〜200μm程
度、より好ましくは1〜50μm程度とすればよい。
【0012】本発明の改質方法は、上述の夜光性顔料
を、水の存在下に、酸及び酸発生物質の少なくとも一種
の化合物(以下、「酸類」ということもある)と接触さ
せるものである。この様な処理を施すことにより、該夜
光性顔料の耐水性が飛躍的に向上し、水の存在する条件
下においても、暗所にて長時間に亘って高輝度の発光効
果が得られる。この理由は明確ではないが、当該夜光性
顔料に含まれる金属酸化物と、処理に用いる酸類とが反
応して、当該顔料の表面部に水に対して不溶性又は難溶
性の反応生成物が形成され、当該顔料の表面が水不溶性
又は水難溶性の物質で被覆された構造となることによる
ものと推測される。
【0013】本発明では、酸類としては、水の存在下
に、該夜光性顔料中の金属酸化物成分と反応して、水に
対して不溶性又は難溶性の反応生成物を形成する能力を
有するものであればいずれも用いることができ、夜光性
顔料の構成に応じて適宜選択するのが良い。
【0014】本発明で使用し得る酸の具体例としては、
硫酸、亜硫酸、硝酸、塩酸、炭酸、ケイ酸、ホウ酸、リ
ン酸、亜リン酸、ポリリン酸、第1リン酸ソーダ、第2
リン酸ソーダ、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプリル
酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリ
ル酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、安息香
酸、フタル酸、サリチル酸、没食子酸、フェノール、ナ
フトエ酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、
メタニル酸、タウリン、アスコルビン酸、乳酸、シラノ
ール酸、ホスホン酸、クロトン酸、マレイン酸等を挙げ
ることができる。また、酸発生物質としては、上記した
酸の塩類、酸無水物等を用いることができる。塩類とし
ては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウ
ム塩等を用いることができ、酸無水物としては、上記し
た酸から形成し得る酸無水物をいずれも用いることがで
きる。これらの酸発生物質についても、上記した酸と同
様に、水の存在下に、夜光性顔料に含まれる金属酸化物
と反応して、水に対して不溶性又は難溶性の反応生成物
を形成できる。
【0015】本発明では、酸類のうちで、特に優れた効
果を有するものとして、リン酸、亜リン酸、ポリリン
酸、第1リン酸ソーダ、第2リン酸ソーダ等のリン酸類
及びこれらの塩類からなるリン酸系化合物、並びに硫酸
を挙げることができ、特にリン酸系化合物が好ましい。
【0016】尚、本発明においては、上記した酸及び酸
発生物質を各々単独で、或いは2種以上のものを組み合
わせて用いることができる。
【0017】本発明の夜光性顔料の改質方法としては、
水の存在下に、上記夜光性顔料を酸類と接触させること
のできる方法であれば、特に限定はなく各種の方法を採
用できる。この様な方法の例としては、酸類を含有する
水溶液に夜光性顔料を浸漬する方法、酸類を含有する水
溶液を夜光性顔料に噴霧する方法、高湿度の雰囲気中で
夜光性顔料の表面に酸類を接触させる方法等の各種の方
法を挙げることができる。これらの方法のうちで、酸類
を含有する水溶液中に夜光性顔料を浸漬する方法は、操
作が簡単で効率よく反応を行なうことができる点におい
て好適な方法である。
【0018】以下に、酸類を含む水溶液中に夜光性顔料
を浸漬することによる処理方法の一実施態様を例示する
が、本発明の処理方法はこれのみに限定されるものでは
ない。
【0019】まず、夜光性顔料に対して、1〜1000
重量倍程度、好ましくは2〜100重量倍程度、より好
ましくは3〜10重量倍程度の水を準備し、上述の酸類
を0.01〜30重量%程度、好ましくは0.5〜4重
量%程度の濃度となるように溶解させる。この際、酸類
の溶解能を調整することを目的として、上記反応媒体た
る水の一部を、メタノール、エタノール、アセトン、ジ
オキサン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル
スルホキシド(DMSO)等の水溶性の有機溶剤に置き
換えることも可能である。有機溶剤の使用量は、特に限
定されず、夜光性顔料中の金属酸化物と、酸類との反応
を阻害しない範囲であればよいが、通常は、使用する水
の容量よりも少ない量とするのが適当である。また、こ
の水溶液中には、夜光性顔料の分散性を向上させる為
に、界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤の
種類、使用量等は、使用する夜光性顔料の種類及び量に
応じて適宜調整すればよい。
【0020】次に、酸類を含む水溶液に夜光性顔料を添
加し、撹拌により均一に分散させて、酸類と夜光性顔料
中の金属酸化物とを反応させる。この際の反応温度は、
特に限定はされないが、通常、液温を20℃程度以上、
好ましくは50℃〜沸点未満の温度範囲とし、反応時間
を、0.5〜120分間程度、好ましくは10〜60分
間程度とすればよい。
【0021】その後、ろ過と水洗を複数回繰り返した
後、十分乾燥することによって、目的とする改質された
夜光性顔料が得られる。乾燥条件は特に限定されない
が、通常、20℃程度以上の温度で2時間程度以上乾燥
すればよい。
【0022】この様な方法により処理された夜光性顔料
を、必要に応じて、ふるいにかけることにより、改質さ
れた夜光性顔料がパウダー状で得られる。
【0023】この様にして得られる改質された夜光性顔
料は、40℃の水100gに対する溶解度が1g未満で
あり、非常に良好な耐水性を有するものである。
【0024】本発明の方法によって改質された夜光性顔
料は、放射性物質を含有しないにもかかわらず、暗所に
て長時間発光可能な夜光性顔料であって、しかも極めて
優れた耐水性を有するものであり、従来の夜光性顔料が
用いられていた用途全てに亘って使用することができる
ことは勿論のこと、通常の染顔料類が着色剤として用い
られるほとんど全ての用途について使用することができ
る。例えば、この顔料を各種インキビヒクル、塗料ビヒ
クル等に均一に分散させて夜光性インキ又は夜光性塗料
とし、このインキ又は塗料を用いて、グラビア、オフセ
ット、スクリーン、タンポなどの印刷方法によって、又
は刷毛塗り、しごき塗り、ディッピング、ロールコー
ト、ナイフコート、シャワーコート、スプレーコートな
どの塗装方法によって、紙、モノ若しくはマルチフィラ
メント繊維、繊維編織物、不織布、合成樹脂フィルム、
合成樹脂成形品、硝子、陶磁器、皮革、金属、木材等の
成形品に対して夜光性の図柄、文字、数字等を形成で
き、更には夜光性の塗膜を施すこともできる。また、本
発明の方法で改質された夜光性顔料を筆記具用インキビ
ヒクル中に均一に分散させれば、夜光性の筆記具用イン
キとして使用することもできる。この他、天然、半合成
もしくは合成樹脂、又はワックス中に均一に分散して成
形すれば、各種夜光性成形品を得ることができる。
【0025】本発明方法により改質された夜光性顔料に
ついて、更に詳しい用途の具体例を以下に示すが、該夜
光性顔料の用途はこれらに限定されるものではない。
【0026】(1) 夜光性顔料を分散した液状体に、
糸、スライバー、原綿、織物、編物、不織布、ウェブ及
びこれらを各縫製してなる縫製品を浸漬することによっ
て得られる該夜光性顔料により吸尽着色された夜光性の
繊維製品類。
【0027】(2) 夜光性顔料と熱可塑性樹脂を含む
パッディング浴に、糸、スライバー、原綿、織物、編
物、不織布、ウェブ及びこれらを各縫製してなる縫製品
をパッドすることによって得られる夜光性の繊維製品
類。
【0028】(3) 夜光性捺染用インキ(水性又は塩
化ビニルプラスチゾルインキ)を印捺したジャンパー、
コート、ジャケット、セーター、ブラウス、Tシャツ、
ズボン、スカート、ワンピース、ストッキング、靴下、
手袋、帽子、ハンカチ、タオル、ネクタイ、スキーウェ
ア、水着、スポーツウェア、リボン、マフラー、ネッカ
チーフなどの衣料品、スリッパ、サンダル、靴、ブーツ
などの履物、カーテン、カーペット、座布団、ノレン、
国旗、ペナント、テーブルクロス、マット、造花、コー
スター、カバン、手提げ袋などのインテリア用品及び雑
貨のほか玩具、文具、スポーツ用品など。
【0029】(4) 剥離性を有する基体上に夜光性イ
ンキを印刷して図柄、文字、数字、記号などを形成した
り、或いは該夜光性インキにて全面着色し、その上から
接着剤を印刷又は散布した熱転写シート、及びこのシー
トを熱転写した繊維、皮革、プラスチック製品(塩化ビ
ニル製品など)、例えば衣料品、インテリア用品、履
物、雑貨、玩具、文具、スポーツ用品など。
【0030】(5) 夜光性塗料で表面を被覆したモノ
又はマルチフィラメント及びこれから得られるドールヘ
アー、かつら、獣毛、刺繍糸、更に該フィラメントの編
織物である衣料品、インテリア用品、履物、雑貨など。
【0031】(6) 夜光性顔料をプラスチック中に均
一に分散させたカラーマスターバッチ、該夜光性顔料を
ワックスとプラスチック中に均一に分散させたカラーマ
スターバッチ及び該夜光性顔料を塩化ビニルプラスチゾ
ル中に均一に分散させたコンクゾル、更には、これらに
成形用プラスチック、塩化ビニルプラスチゾル又は形状
記憶樹脂を更に加えて、射出成形、真空成形、圧縮成
形、発泡成形、吹込み成形、押出し成形、スラッシュ成
形、カレンダー成形などで得た人形、動物、魚、車、ボ
ール、模擬食品、ママごとセットなどの玩具、プラスチ
ックカップ、プラスチック瓶、ストローなどの食品用、
飲料水用及び化粧品用容器、造花、ブローチ、ペンダン
ト、時計の文字盤などの装飾品、包装用フィルム、シュ
リンクフィルム、雑貨、文具など、更にまた上記マスタ
ーバッチ又はコンクゾルを溶融紡糸、押出紡糸したフィ
ラメント、該フィラメントから得られるドールヘヤー、
かつら、獣毛、ぬいぐるみ、カーペット、カーテン、該
フィラメントの編織物から得られる衣料品、インテリア
用品、履物、雑貨など。
【0032】(7) 布帛上に夜光性塗料をコーティン
グしたコーティング布帛及びこれから得られる衣料品、
インテリア用品、履物、雑貨、又、紙やプラスチックフ
ィルムの上に夜光性塗料をコーティングするか、若しく
は夜光性インキを印刷して得られる色紙、造花、紙コッ
プ、名刺、本、絵本、壁紙、カレンダー、包装紙など。
【0033】(8) 夜光性塗料を塗装したプラスチッ
ク、金属、ガラス又は陶磁器製品、例えば、車、ミニチ
ュアカー、動物、人形、ママごとセット、模擬食品など
の玩具、食品用、飲料品用、化粧品用などの容器、形状
記憶金属若しくは形状記憶樹脂成形品、各種プリペイド
カード、時計の文字盤など。
【0034】(9) 夜光性インキをスクリーン又はグ
ラビア印刷したガラス、陶磁器、プラスチック又は金属
製品、例えばガラスコップ、ガラス瓶、アルミニウム
缶、グラス、ジョッキ、マグカップ、湯のみ、プラスチ
ックカップ、プラスチック瓶などの食品用、飲料水用及
び化粧品用の容器、ブローチ、ワッペン、名刺、カード
類、筆箱、消しゴム、鞄、時計の文字盤などの装飾品、
雑貨、玩具、文具など。
【0035】(10) 夜光性タンポインキを印刷した
プラスチック、金属、ガラス又は陶磁器製品、例えば人
形、動物、車などの玩具、食品用、飲料品用及び化粧品
用などの容器、ブローチ、ワッペン、名刺、カード類、
時計の文字盤などの装飾品、文具、雑貨など。
【0036】(11) 夜光性筆記具用インキを充填し
たボールペン、マジックペン、絵の具などの筆記具。
【0037】(12) 夜光性顔料を均一に分散させた
小麦粉粘土、プラスチック粘土、スライム樹脂(高粘性
流動体)、形状記憶樹脂、ろうそく、クレヨンなど。
【0038】(13) 基体の表面に夜光性インキで図
柄、文字、数字、記号などを形成し、その表面に粘着剤
を介して透明フィルムがラミネートされ、且つ基体の裏
面に粘着剤を介して離型紙が貼着されたタックシール、
及びこのシールが貼付された衣料品、雑貨、玩具、文具
など。
【0039】(14) 剥離性を有する基体上に接着剤
を印刷し、その上に夜光性インキにて図柄や文字、数
字、記号などを形成し、更にその上にカバーコート層を
備えた水転写シート、及びこのシートを水転写したプラ
スチック、硝子、陶磁器又は金属製品、例えばガラスコ
ップ、ガラス瓶、ワイングラス、ジョッキ、マグカッ
プ、プラスチックカップ、プラスチック瓶などの食品
用、飲料水用又は化粧品用容器、その他雑貨、玩具、文
具など。
【0040】(15) 布帛上に夜光性塗料をコーティ
ングし、その上に短繊維を植毛した植毛布帛及びこれか
ら得られるぬいぐるみ、カーペットの他、各種の衣料
品、インテリア用品、履物、雑貨など。
【0041】(16) 剥離性を有する基体上に植設さ
れた短繊維、この表面に印刷された夜光性インキ、及び
該インキ層上に図柄、文字、数字、記号の形状に形成さ
れた接着剤からなるインキ層を有する植毛転写シート、
並びにこのシートを転写した繊維、皮革、プラスチック
製品など、例えば衣料品、履物、インテリア用品、雑
貨、玩具、文具など。
【0042】(17) 夜光性塗料をディッピングした
モノ又はマルチフィラメントからなる糸を網状の基材に
巻き込み裏面を接着剤でバッキングしたハイパイルニッ
ト、及びこれから得られるぬいぐるみ、ドールヘアー、
かつら、カーペットを始め各種衣料品、インテリア用
品、履物、雑貨など。
【0043】(18) 透明性の合成繊維糸よりなる基
体の片面上の一部に夜光性インキで模様層が形成され、
更にその模様層を含む基体にポリウレタン樹脂を含む塗
料にて多孔性皮膜層が形成された透湿性に優れた夜光性
プリント布帛、及びこの布帛を用いた衣料品、インテリ
ア用品、雑貨など。
【0044】尚、上記したインキ、塗料、プラスチック
などの中に各種の薬剤、例えば界面活性剤、乾燥調整
剤、消泡剤、架橋剤、触媒、粘度調整剤、染料、顔料、
蛍光顔料、蛍光染料、体質顔料、サーモクロミック材
料、フォトクロミック材料、パール顔料、ガラスビー
ズ、金属粉、防腐剤、帯電防止剤、発泡剤、難燃剤、紫
外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、プラスチック
用安定剤、滑剤、香料、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、忌避
剤、老化防止剤などを用途に応じて適宜配合することが
できる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、放射性物質を含有しな
いにもかかわらず、暗所にて長時間発光可能であるとい
う優れた性質を有する特定の夜光性顔料について、その
耐水性を飛躍的に向上させることができ、これにより、
該夜光性顔料が本来有する発光性能を十分に発揮して、
何等の制約もともなわずあらゆる産業分野に適用するこ
とが可能となる。特に、高湿度の雰囲気中で使用する場
合や、適用に際し水性の塗料や水性のインキを用いる分
野においては、本発明の方法により耐水性が向上した夜
光性顔料は、非常に有用性の高いものである。また、洗
濯や汗等により水分との接触が頻繁に起こる繊維関係分
野においても、該夜光性顔料を用いることにより長時間
高輝度に発光可能な製品を得ることが可能となり、該夜
光性顔料は非常に有用なものである。
【0046】また、本発明の改質方法は、特殊な装置や
薬剤を要することなく、極めて簡単に実行することがで
き、極めて生産効率に富んだ方法である。
【0047】
【実施例】以下に具体的な実施例を挙げ、本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
【0048】実施例1 1000ml容量のガラスビーカーに、水500gとリ
ン酸10gを加えて混合した。そして該溶液を撹拌しな
がら、夜光性顔料(商標:N夜光,根本特殊化学社製;
金属酸化物として酸化ストロンチウムとアルミナを含
み、Eu及びDyがドープされた構造を有する)100
gを徐々に加え、均一に分散させた。
【0049】続いて、該溶液を撹拌下に70℃まで昇温
させ、その温度において更に20分間撹拌を続けた。
【0050】その後、ろ過、水洗を3回繰り返した後、
ろ過物を70℃の乾燥機中で4時間乾燥させることによ
り、夜光性顔料表面に水不溶性のリン酸ストロンチウム
塩が形成された構造の改質された夜光性顔料がパウダー
状で得られた。
【0051】上述の酸処理による改質前後における夜光
性顔料の溶解度を測定したところ、40℃の温水100
gに対する未処理の夜光性顔料の溶解度が10g以上で
あるのに対して、改質後の夜光性顔料の溶解度は0.0
1g未満であり、飛躍的に耐水性が向上していた。
【0052】実施例2〜11 実施例1で用いたリン酸10gに代えて、下記表1に記
載の酸又は酸発生物質を用いる以外は、全て実施例1と
同様にして夜光性顔料の処理を行なった。
【0053】得られた夜光性顔料の溶解度(実施例1と
同様、40℃の温水100gに対する数値(g))を表
1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】この結果から明らかなように、実施例2〜
11の処理方法においても、夜光性顔料の耐水性を大き
く向上させることができた。
【0056】実施例12 1000ml容量のガラスビーカーに水450g及びシ
ュウ酸10gを加え混合した。続いて、該溶液に、サル
チル酸5gをアセトン100gに溶解した溶液を更に加
え均一に混合し、液温を70℃まで昇温させた。そこ
へ、撹拌下、夜光性顔料(酸化ストロンチウムとアルミ
ナからなる金属酸化物にEuをドープさせたもの)10
0gを徐々に加え、均一に分散させ、30分間撹拌を続
けた。その後、ろ過、水洗を3回繰り返した後、ろ過物
を70℃の乾燥機中で4時間乾燥させることにより、夜
光性顔料表面に水不溶性のストロンチウム塩が形成され
た構造の改質された夜光性顔料がパウダー状で得られ
た。
【0057】続いて、下記の方法によって該夜光性顔料
を用いて綿の白色Tシャツを着色した。
【0058】まず、5リットル容量のステンレス製ビー
カーに200gの重さのTシャツを1着入れ、そこに水
4リットルと窒素カチオン性化合物(商標:Fixer P;
松井色素化学工業所社製)6gを加え、70℃で15分
間処理することによって、該綿Tシャツをカチオン化し
た。
【0059】次いで上記処理液を排水した後、新たな水
4リットルを加え、そこへ上記で得られた夜光性顔料2
5gとポリアクリル酸エステル系樹脂(商標:バインダ
ーMRY;松井色素化学工業所社製)20gを加え、7
0℃で20分間処理した。
【0060】続いて水洗、脱水後、夜光性顔料にて着色
されたTシャツを、タンブラー乾燥機を用いて3時間乾
燥した。
【0061】斯くして得られたTシャツは、明るい場所
では白色であったが、暗所ではその全面が高輝度の緑色
に発光し、その発光状態は2時間継続した。この発光機
能は繰り返し洗濯を行なった後も、維持されていた。し
かも斯くして得られたTシャツは、風合柔軟で、堅牢性
に優れるものであった。
【0062】比較例1 改質した夜光性顔料25gに代えて、未処理の夜光性顔
料25gを用いる以外は、全て実施例12と同様にして
綿の白色Tシャツの着色を行なった。
【0063】斯くして得られたTシャツは、実施例12
のものに比し、暗所における発光効果が非常に劣ってい
た。
【0064】これは、未処理の夜光性顔料は、耐水性が
劣るために、着色工程において加水分解されたことによ
るものである。
【0065】実施例13 水1000gと硫酸20gを2000ml容量のガラス
ビーカーに入れ、撹拌下、夜光性顔料(金属酸化物とし
て酸化ストロンチウムとアルミナを含み、Eu及びDy
がドープされた構造を有する)200gを徐々に投入し
た。その後、撹拌を続けながら、液温を85℃まで昇温
させ、15分間処理した。
【0066】次に該処理液が室温にもどるまで放置し、
その後、ろ過と水洗を3回繰り返し行なった。
【0067】次いで、ろ過物を80℃の乾燥機に入れ、
3時間乾燥した。斯くして得られた夜光性顔料の表面に
は、水に難溶性の硫酸ストロンチウム塩が被膜形成さ
れ、ふるいにかけることによって、パウダー状の改質さ
れた夜光性顔料が得られた。
【0068】続いて、ウレタン樹脂バインダー(商標:
マツミンARバインダーGS;松井色素化学工業所社
製)70部に、上記で得られた夜光性顔料30部を混合
し、水性の捺染ペーストを調製した。この捺染ペースト
を用いて、タテ5cm、ヨコ10cmの「M」のマーク
が施された50メッシュのスクリーン版を使用して、白
色綿ニット布帛上に、スクリーンプリントを施し、常温
で予備乾燥後、130℃×3分間の熱処理を行なった。
【0069】斯くして得られた「M」のマークのプリン
ト模様は、明るい場所では殆んど「M」のマークが確認
できなかったが、暗闇では「M」のマークが高輝度の緑
色に発光し、その発光状態は2時間後においても持続し
ていた。
【0070】該プリント模様は、繰り返し10回の洗濯
を行なっても、発光効果には変化がなく、更に40℃の
温水に1週間浸漬した後も、輝度及び残光時間に変化は
なかった。
【0071】一方、上記で調製した捺染ペーストは、4
0℃で1ヶ月間保管した後も、発光輝度及び暗所におけ
る発光時間に何等遜色のないプリント模様を形成するこ
とができた。
【0072】比較例2 改質した夜光性顔料を未処理の夜光性顔料に置き換える
ことを除き、他は全て実施例13と同様にして捺染ペー
ストを調製し、白色綿ニット布帛上に「M」のマークを
捺染した。
【0073】斯くして得られた「M」のマークのプリン
ト模様は、暗闇にて緑色に発光したが、繰り返し10回
の洗濯を行なった後は、発光輝度が1/3程度に低下し
ており、更に40℃の温水に1週間浸漬した後は、殆ん
ど発光しなかった。
【0074】一方、上記捺染ペーストを40℃で1週間
保管しておくと、夜光性顔料から強アルカリ性の加水分
解物が生成し、系のpHを上昇させてしまい、該捺染ペ
ーストはゲル化状態となり、使用不可能となった。
【0075】実施例14 水1リットルと酒石酸40gを2000ml容量のガラ
スビーカーに入れ、撹拌下、実施例12で用いたものと
同様の夜光性顔料200gを徐々に投入した。そして撹
拌を続けながら60℃に昇温し、30分間処理を続け
た。
【0076】処理液が室温となるのを待って、ろ過と水
洗を3回繰り返し行ない、次いで最終のろ過物を100
℃の乾燥機中で3時間乾燥した。
【0077】斯くして得られた夜光性顔料の表面には、
水に難溶性の酒石酸ストロンチウム塩が被覆形成してお
り、ふるいにかけることによって、パウダー状の改質さ
れた夜光性顔料が得られた。
【0078】次に、ウレタン樹脂(商標:サンプレン3
510;三洋化成工業社製)30部、シクロヘキサノー
ル20部及び芳香族系ナフサ(商標:ペガゾールR−1
00;モービル社製)20部に、上記で得た夜光性顔料
30部を加えてなる印刷インキを作製し、剥離性を有す
るポリエステルフィルム上にタテ5cm、ヨコ10cm
の大きさの「M」のマークの模様を印刷形成した。続い
て上記印刷インキ中の夜光性顔料30部を二酸化チタン
30部に代える以外は全て同処方の印刷インキを用い
て、上記「M」のマークが乾燥後、その上に白色隠蔽層
を形成した。続いて、該白色隠蔽層が未だ湿潤状態にあ
る間に、ホットメルト性のポリエステル樹脂粉末を散布
し、該マーク部以外に散乱した樹脂粉末を取り除いた
後、予備乾燥することによって、転写捺染シートを得
た。
【0079】斯くして得られた転写捺染シートを赤色ポ
リエステルシャツの胸部に重ね、180℃×10秒×2
50g/cm2 の条件で加熱加圧転写した後、基体シー
トたるポリエステルフィルムを剥離すると、暗所にて
「M」のマークが発光する赤色のポリエステルシャツが
得られた。
【0080】かかるポリエステルシャツ上の転写マーク
は、繰り返し10回の洗濯後においても、また40℃の
温水に1週間浸漬した後であっても、発光輝度及び暗所
における発光時間に低下は認められなかった。
【0081】比較例3 改質した夜光性顔料を未処理の夜光性顔料に置き換える
ことを除き、全て実施例14と同様にして転写捺染シー
トを作製し、赤色のポリエステルシャツ上に「M」のマ
ークの転写マークを形成した。
【0082】該マークは、当初暗所にて発光するもので
あったが、10回の洗濯を行なった後は、その輝度が1
/4程度に低下し、更に40℃の温水に1週間浸漬する
と、暗所にて全く発光しないものとなってしまった。
【0083】また、該マークの表面には、気泡が発生
し、マークをつめで引っかくと簡単にはがれてしまっ
た。
【0084】実施例15 リン酸亜鉛処理された亜鉛製ミニチュアカーの表面に、
アミノアルキッド樹脂溶液(商標:ベッコゾールM−7
610−50、大日本インキ化学工業社製)80部、酸
化チタン20部、非イオン系界面活性剤(商標:ホモゲ
ノールL−100、花王社製)0.3部及びブチルセロ
ソルブ20部からなる油性塗料を乾燥膜厚約15μmと
なるように静電塗装し、5分間自然乾燥後、150℃で
10分間熱処理し、白色隠蔽層を形成した。
【0085】次いで、熱硬化性アクリル樹脂溶液(商
標:ダイアナールSE−1466、三菱レーヨン社製)
80部、実施例1で得た夜光性顔料20部、石油系ナフ
サ(商標:ソルベッサ#100、エッソスタンダード石
油社製)50部、及び非イオン系界面活性剤(上記に同
じ)0.3部からなる油性塗料を乾燥膜厚約50μmと
なるように白色隠蔽層表面に静電塗装し、5分間乾燥
後、150℃で10分間熱処理し、夜光性顔料層を形成
した。
【0086】更に夜光性顔料層表面に熱硬化性アクリル
樹脂溶液(上記に同じ)100部及び石油系ナフサ(上
記に同じ)100部からなる透明塗料を乾燥膜厚約60
μmとなるように静電塗装し、5分間自然乾燥後、15
0℃で20分間熱処理し、オーバーコート層を形成し
た。
【0087】斯くして得られた夜光性のミニチュアカー
は、光の当るところでは通常の白色であったが、暗所に
持ち込むと彩やかな緑色へと発光し、この様な発光現象
は明暗に応じて何回も繰り返すことができた。尚、暗所
における発光効果は2時間維持できるものであった。ま
た、このミニチュアカーは、風呂やプールで遊んでも、
暗所における発光効果が低下することはなく、良好な耐
水性を有しており、耐候性の面においても極めて優れた
性能を有するものであった。
【0088】実施例16 塩化ビニル系樹脂(商標:ゼオン121、日本ゼオン社
製)50重量%、ジブチルフタレート24重量%、ポリ
エステル系可塑剤24重量%及びジブチルステアレート
2重量%からなる塩化ビニルペースト79部、非イオン
系界面活性剤(商標:ソルゲン30、第1工業製薬社
製)1部、実施例2で得た夜光性顔料20部、黄色系有
機顔料(商標:PV Fast Yellow H10G、ヘキスト社
製)0.05部及び赤色系有機顔料(商標:Novaperm R
ed HF−3F、ヘキスト社製)0.05部からなる塩
化ビニルコンクゾル15部を上記と同組成の塩化ビニル
ペースト85部中に加え、均一に撹拌した。このペース
トを人形を型どったスラッシュ成形用金型に流し込み、
180℃で2分間加熱すると、金型面より約1mmの厚
みでペーストはゲル化し、固型皮膜となった。金型面よ
り約1mm以上離れた未だ液状のペーストを倒立させて
除去し、更に200℃で2分間加熱して完全なゲル化物
とした。放冷後、ゲル化物を金型より取出し、スラッシ
ュ成形人形を得た。この人形は光のあるところでは肌色
の通常の人形であったが、暗闇にては緑色に発光し、宇
宙人を連想させるものであった。この発光現象は明暗に
応じても何回も可逆的に繰り返すことができ、また暗所
における発光時間は2時間を越えるものであった。
【0089】実施例17 片面にシリコン加工を施したグラシン紙(150g/m
2 )のシリコン加工面に粘着剤(商標:ニッセツPE1
54、日本カーバイト工業社製)をナイフコーターにて
厚み60μmに全面塗布した。風乾後、ポリエステルフ
ィルム(厚み50μm)を貼り合わせ、タックシール用
の基体シートを得た。この基体シートのポリエステルフ
ィルム上に、実施例4で得た夜光性顔料20部、蛍光顔
料(商標:グローピングMF2Gパウダー、松井色素化
学工業所社製)1部及び熱可塑ポリエステル樹脂(商
標:バイロン300、東洋紡社製)の25%セロソルブ
アセテート溶液79部からなる印刷インキを、ワンポイ
ント星柄スクリーン版(100メッシュ)にて乾燥膜厚
約20μmとなるように印刷し、乾燥させることによっ
て、夜光性の星柄模様のタックシールを得た。このシー
ルは、光のあたるところでは桃色を呈するものであった
が、暗所では高輝度に発光し、夜空に浮かぶ星を連想さ
せるものであった。尚、このシールは、各種の耐候性に
非常に優れていた。
【0090】実施例18 実施例5で得た夜光性顔料20部、低分子量ポリプロピ
レン(商標:ビスコースTS200、三洋化成工業社
製)35部、ポリエチレン樹脂(商標:ノーブレンAX
961、住友化成工業社製)45部及びドライカラー
(商標:ブルーPP−038、大日精化社製)0.2部
をV型ダンブラーで混合後、加熱下押出成形機に投入
し、溶融混練して金型より押出し、水中カット方式のペ
レット製造装置にてペレット化し、夜光性カラーマスタ
ーバッチを製造した。このカラーマスターバッチ15
部、成形用ポリプロピレン樹脂(商標:ノバテックスE
T−008,三菱化成工業社製)85部、酸化防止剤
(商標:スミライザーBHT、住友化学工業社製)0.
3部及びジブチルチンブチルメルブチド0.2部をタン
ブルミキサーで混合後、押出成形機内で250℃で10
分間加熱して均質化し、孔径0.18mm、孔数600
ホールの紡糸口金より200℃で水中に押出して溶融紡
糸を行なった。続いて70℃で4倍に延伸処理を行な
い、更に150℃で5分間熱固着することにより、15
デニールのポリプロピレン繊維を得た。この繊維にカー
ルをかけ、適当な長さに裁断し、人形の頭部に縫製して
ドールヘアーを成形した。
【0091】このドールヘアーは、光のあたることろで
は通常の青色ヘアーであったが、暗闇では高輝度に発光
し、その発光効果は2時間維持されるものであった。該
ドールヘアーを有する人形をプールや風呂に持ち込んで
遊んでも、発光効果が劣化することはなく、極めて良好
な耐水性を有するとともに、耐候性においても何等問題
点はなかった。
【0092】実施例19 ポリプロピレン系シラン架橋性ポリマー(商標:リンク
ロンXPM700B、三菱油化社製)100重量部に、
ジブチル錫ジラウレート0.05重量部、実施例8で得
た夜光性顔料3重量部、酸化チタン0.5重量部及びス
テアリン酸マグネシウム0.1重量部を加え、タンブラ
ーにて15分間混合し、押し出し機(口径40φ L/
D32)にて210℃の温度で溶融混練し、直径2mm
のペレットを製造した。得られたペレットを90℃の熱
湯中に5時間浸漬することにより架橋させ、脱水乾燥し
て架橋ペレットとして着色模様材料を約100重量部得
た。該ペレットは、架橋度78重量%であった。
【0093】続いて、ポリプロピレン樹脂(商標:ノー
ブレンAX961、住友化学工業社製)100重量部、
酸化チタン0.5重量部、ステアリン酸マグネシウム
0.2重量部、ステアリン酸亜鉛0.2重量部及び上記
着色模様材料10重量部をタンブラーにて15分間混合
した後、射出成形機にて風呂おけを製造した。
【0094】この風呂おけは、光のあたることろでは通
常の白色を呈したが、暗闇にては、マーブル状に部分発
光し、該発光効果は暗所にて2時間維持された。
【0095】尚、上記の着色模様材料に含まれる夜光性
顔料を未処理の夜光性顔料に置き換えること以外はすべ
て上記と同様にして風呂おけを製造したところ、着色模
様材料を熱湯中で架橋処理する際に該夜光性顔料が加水
分解されてしまい、得られる発光輝度は1/10程度に
低下していた。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属酸化物に希土類元素をドープさせてな
    る夜光性顔料を、水の存在下に、酸及び酸発生物質の少
    なくとも一種の化合物と接触させることにより、該化合
    物と該金属酸化物とを反応させて、該夜光性顔料表面に
    水不溶性又は水難溶性の皮膜を形成することを特徴とす
    る夜光性顔料の改質方法。
  2. 【請求項2】酸及び酸発生物質の少なくとも一種の化合
    物を含有する水溶液に夜光性顔料を浸漬する方法、酸及
    び酸発生物質の少なくとも一種の化合物を含有する水溶
    液を夜光性顔料に噴霧する方法、並びに高湿度の雰囲気
    中で夜光性顔料の表面に酸及び酸発生物質の少なくとも
    一種の化合物を接触させる方法から選ばれた方法である
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】夜光性顔料を構成する金属酸化物が、長周
    期型周期表のIIa族、IIIa族及び IIIb族に属する元
    素の酸化物の少なくとも一種である請求項1に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】夜光性顔料を構成する金属酸化物が、酸化
    カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、アル
    ミナ及び酸化セリウムから選ばれた少なくとも一種であ
    る請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】夜光性顔料を構成する金属酸化物が、酸化
    ストロンチウム及びアルミナの少なくとも一種である請
    求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】夜光性顔料が0.0001〜30重量%の
    希土類元素を含むものである請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】希土類元素がEu、Dy及びTbから選ば
    れた少なくとも一種である請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】酸及び酸発生物質の少なくとも一種の化合
    物が、水の存在下に、夜光性顔料中の金属酸化物成分と
    反応して、水に対して不溶性又は難溶性の反応生成物を
    形成する能力を有するものである請求項1に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】金属酸化物に希土類元素をドープさせてな
    る夜光性顔料を、水の存在下に、酸及び酸発生物質の少
    なくとも一種の化合物と接触させることにより、該化合
    物と該金属酸化物とが反応して、該夜光性顔料の表面に
    水不溶性又は水難溶性の皮膜が形成されたものである改
    質された夜光性顔料。
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