JPH0749631B2 - 染色方法及び染色物 - Google Patents

染色方法及び染色物

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JPH0749631B2
JPH0749631B2 JP3290897A JP29089791A JPH0749631B2 JP H0749631 B2 JPH0749631 B2 JP H0749631B2 JP 3290897 A JP3290897 A JP 3290897A JP 29089791 A JP29089791 A JP 29089791A JP H0749631 B2 JPH0749631 B2 JP H0749631B2
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和容 鎌田
修 佐々木
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Matsui Shikiso Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セルロース繊維を有し
てなる繊維製品を熱または光可逆変色性の材料を含有し
てなる可逆変色性微粒子で染色する方法及び染色物に関
する。
【0002】
【従来の技術及び解決しようとする課題】従来より、温
度変化により色彩が可逆的に変化する熱可逆変色性の材
料、すなわちサーモクロミック材料として、酸顕色性物
質、酸性物質及び溶媒の3成分からなる組成物;酸顕色
性物質及び酸性物質からなる2成分組成物;コレステリ
ック液晶;金属錯塩結晶などが知られている。前記3成
分組成物は、色彩の種類が豊富で発色濃度も高く、而も
有色と無色との間で劇的に色彩変化する。前記2成分組
成物は、変色が比較的緩慢であり、日常環境温度域内で
変化するものが数少ないという欠点があるが、濃度が前
記3成分組成物に比し高い。前記コレステリック液晶
は、黒色の下地を必要とし、また濃度が前記3成分組成
物に比し低いという欠点があるが、任意の温度範囲で
赤、黄、緑、青、紫などに鋭敏に色彩変化させることが
できる。これらの3成分組成物、2成分組成物及びコレ
ステリック液晶は、その成分が厳密な一定比率系を維持
する場合においてのみ優れた変色機能を発揮する。その
機能を保持させるために、それらは通常例えば合成樹脂
中に分散されたマトリックスの微粉末の状態や、マイク
ロカプセル中に内包された状態で使用されている。
【0003】また前記金属錯塩結晶は、毒性の問題か
ら、繊維製品に利用するには不適当なものが多い。一
方、光の照射の有無によって色彩が可逆的に変化する光
可逆変色性の材料、すなわちフォトクロミック材料とし
ては、従来からの無機フォトクロミック化合物であるハ
ロゲン化銀等と比べて有色と無色との間で鋭敏に変化
し、色彩の種類が豊富で、合成樹脂を始めとする各種の
有機化合物に対する相溶性に優れた有機フォトクロミッ
ク化合物が多種開発されている。このような有機フォト
クロミック化合物は、例えば適当な媒体中に分散された
マトリックスの微粉末の状態や、マイクロカプセル中に
そのマトリックスが内包された状態で使用されている。
【0004】これらの熱または光によって可逆的に変色
するマトリックスの微粉末及びマイクロカプセル、すな
わち可逆変色性微粉末は、繊維との親和力がないので繊
維を直接着色することはできない。合成樹脂バインダー
等の接着剤を介した合成樹脂捺染法、合成樹脂パディン
グ法などによる着色は可能であるが、サーモクロミック
材料やフォトクロミック材料を含有する可逆変色性微粉
末の着色濃度が一般の着色剤に比し極めて低いので、例
えば合成樹脂捺染法では、これらの可逆変色性微粉末と
合成樹脂バインダーとを高濃度に含有するインキを使用
して繊維製品に嵩高く印捺した場合においてのみ、ある
程度の発色濃度のものが得られる。この場合、その表面
は繊維の感触が全く無くなって、風合が悪化し、摩擦堅
牢度や洗濯堅牢度の点でも十分とは言えず、たとえ布帛
の全面に着色しても、商品価値のあるものとはならな
い。そのため従来は、布帛におけるごく狭い表面にワン
ポイント柄等の図柄が施されているに過ぎない。
【0005】また上記のような可逆変色性微粉末と合成
樹脂バインダーを高濃度に使用した顔料樹脂パディング
法を使用した場合、その可逆変色性微粉末は繊維との直
接性がないので十分吸着することができず、顔料樹脂捺
染法のように物理的に接着することも期待できないの
で、結局発色濃度が極めて低いものしか得ることができ
ない。そのうえ、繊維の感触や風合及び摩擦堅牢度等も
不十分なものとなる。本発明は、従来技術に存した上記
のような問題点に鑑み行われたものであって、その目的
とするところは、セルロース繊維を有してなる繊維製品
を、高分子化合物中に熱または光可逆変色性の材料を含
有してなる可逆変色性微粒子で従来不可能であった高濃
度に染色し得、そのため前記材料の発色時の色彩を比類
なく濃厚なものとすることができ、而も感触、風合等の
繊維製品としての性質を損なうこともない染色方法及び
可逆変色性微粒子で従来不可能であった高濃度に染色さ
れ、而も感触、風合等の繊維製品としての性質が損なわ
れていない染色物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の染色方法は、セルロース繊維を有してなる
繊維製品をカチオン性化合物で処理する工程と、そのよ
うに処理された繊維製品を、高分子化合物中に熱または
光可逆変色性の材料を含有してなる可逆変色性微粒子を
含む分散液中に浸漬して処理する工程とを有してなるも
のとしている。
【0007】また本発明の染色物は、セルロース繊維を
有してなりカチオン性化合物で処理された繊維製品が、
高分子化合物中に熱または光可逆変色性の材料を含有し
てなる可逆変色性微粒子によって染色されたものとして
いる。セルロース繊維 本発明におけるセルロース繊維の例としては、木綿、麻
等の天然繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維などを
挙げることができる。繊維製品 上記セルロース繊維を有してなる繊維製品の例として
は、セルロース繊維糸、セルロース繊維とポリエステル
繊維、アクリル繊維、羊毛等との混紡糸或はセルロース
繊維糸および/または前記混紡糸からなる織物又は編
物、セルロース繊維を有する不織布、これらの織物、編
物、不織布を用いた被服等の縫製品などを挙げることが
できる。縫製品の具体例としては、Tシャツ、トレーナ
ー、ジャンパー、ジーンズ、靴下、バッグ、帽子などを
挙げることができる。本発明に利用される繊維製品は、
予め染色等により着色されたものであってもよい。
【0008】カチオン性化合物 上記カチオン性化合物としては次のようなタイプを例示
することができる。すなわち、4級アンモニウム塩タイ
プの化合物、ピリジニウム塩タイプの化合物、ジシアン
ジアミドタイプの化合物、ポリアミンタイプの化合物、
ポリカチオンタイプの化合物である。カチオン性化合物
の具体例は次のとおりである。4級アンモニウム塩タイ
プの化合物の例としては、トリメチルオクタデシルアン
モニウムクロライド、トリメチルヘキサデシルアンモニ
ウムクロライド、トリメチルラウリルアンモニウムクロ
ライド、ジメチルラウリルアンモニウムクロライド、ラ
ウリルメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリ
メチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベン
ジルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアン
モニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモ
ニウムクロライド、ステアリルベンジルジメチルアンモ
ニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムク
ロライドなどの4級アンモニウム塩型カチオン界面活性
剤、ラウリルピリジニウムクロライド、ステアリルアミ
ドメチルピリジニウムクロライドなどのピリジニウム塩
型カチオン界面活性剤、2,3−エポキシプロピルトリ
メチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒド
ロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、特
開昭52−155285号及び特開昭52−15528
6号公報に開示されているようなトリアジン環を有する
4級アンモニウム塩化合物などを挙げることができる。
【0009】ジシアンジアミドタイプの化合物の例とし
ては、ジシアンアミドのホルマリン縮合物などを挙げる
ことができる。ポリアミンタイプの化合物の例として
は、ポリアルキレンポリアミンとグアニジン誘導体との
縮合物、ポリエチレンイミン類、ポリアミドポリアミン
類などを挙げることができる。ポリカチオンタイプの化
合物の例としては、ポリ−4−ビニルピリジン塩酸塩、
特開昭54−64186号公報に開示されているような
ポリアクリロニトリルポリマーなどの第3級アミンポリ
マー、特公昭43−243号公報などに開示されている
ようなジメチルアミン−エピクロルヒドリン縮重合物、
特開昭57−112480号公報に開示されているよう
な2−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウ
ム塩ポリマー、特開昭55−76177号公報に開示さ
れているようなジメチルジアリルアンモニウムクロライ
ド系ポリマー、特開昭51−112987号公報に開示
されているようなポリエピクロルヒドリン−トリメチル
アミン反応物、特開昭57−210083号公報に開示
されているような1−ビニルイミダゾールの4級化物重
合体、特開昭60−9979号公報及び特開昭60−9
980号公報に記載されているようなポリアルキレンポ
リアミン類のエポキシ化合物による4級化物のポリマ
ー、特開昭57−47309号公報記載のアクリルアミ
ド及びこれと共重合可能なカチオン性単量体の共重合
物、特開昭63−234007号公報記載の4級アンモ
ニウム塩基を有するカチオン性重合体、特開昭63−2
84225号公報開示のアミノアルキルアクリルアミド
系ポリマーの4級塩などの4級アンモニウム塩タイプの
ポリマー、特開昭56−128382号公報に開示され
ている次式のモノマー単位からなるポリマー
【0010】
【化1】
【0011】、次式のモノマー単位からなるポリマー
(シャロールDC(商品名)シリーズ:第1工業製薬社
製)
【0012】
【化2】
【0013】、及びこれら4級アンモニウム塩ポリマー
と他のビニル系ポリマーからなる共重合物などを挙げる
ことができる。そしてこれらのカチオン性化合物の中で
も、ポリアミンタイプの化合物、ジシアンジアミドタイ
プの化合物、並びに、ポリカチオンタイプに属する4級
アンモニウム塩タイプのポリマー及び4級アンモニウム
塩と他のビニル系モノマーとの共重合物が、本発明には
特に効果的である。
【0014】サーモクロミック材料(熱可逆変色性の材料) 本発明に利用可能なサーモクロミック材料の例として
は、酸顕色性物質、酸性物質及び溶媒の3成分混合物;
酸顕色性物質及び酸性物質の2成分混合物;コレステリ
ック液晶;金属錯塩などを挙げることができる。
【0015】3成分混合物、2成分混合物 上記3成分混合物及び2成分混合物における酸顕色性物
質としては、トリフェニルメタンフタリド化合物、フタ
リド化合物、フタラン系化合物、アシルロイコメチレン
ブルー化合物、フルオラン化合物、トリフェニルメタン
化合物、ジフェニルメタン化合物、スピロピラン化合物
などを例示することができる。その具体例としては、
3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジブトキシフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフル
オラン、3−クロロ−6−フェニルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラ
ン、3−ジエチル−7,8−ベンゾフルオラン、3,
3’,3”−トリス(p−ジメチルアミノフェニル)フ
タリド、3,3’−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)フタリド、3−ジエチルアミノ−7−フェニルアミ
ノフルオラン、3,3−ビス(p−ジエチルアミノフェ
ニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエ
チルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチル
インドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチル
アミノ−2−メチル)フェニル−3−(1,2−ジメチ
ルインドール−3−イル)フタリド、2’−(2−クロ
ロアニリノ)−6’−ジブチルアミノスピロ[フタリド
−3,9’−キサンテン]等を挙げることができる。
【0016】上記3成分混合物及び2成分混合物におけ
る酸性物質としては1・2・3−ベンゾトリアゾール
類、フェノール類、チオ尿素誘導体、オキシ芳香族カル
ボン酸などを例示することができる。その具体例として
は、5−ブチルベンゾトリアゾール、ビスベンゾトリア
ゾール−5−メタン、フェノール、ノニルフェノール、
ビスフェノールA、ビスフェノールF、2,2’−ビス
フェノール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナ
フタレン、パラオキシ安息香酸アルキル、フェノール樹
脂オリゴマー等が挙げられる。上記3成分混合物におけ
る溶媒としては、アルコール類、アルコール・アクリロ
ニトリル付加物、アゾメチン類、エステル類などを例示
することができる。その具体例としては、デシルアルコ
ール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セ
チルアルコール、ステアリルアルコ−ル、ベヘニルアル
コール、ラウリルアルコール・アクリロニトリル付加
物、ミリスチルアルコール・アクリロニトリル付加物、
ステアリルアルコール・アクリロニトリル付加物、ベン
ジリデン・p−トルイジン、ベンジリデン・ブチルアミ
ン、カプリン酸オクチル、カプリン酸デシル、カプリル
酸ミリスチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ラウリ
ル、ラウリン酸ミリスチル、ミリスチン酸デシル、ミリ
スチン酸ラウリル、ミリスチン酸セシル、パルミチン酸
ラウリル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸ステアリ
ル、p−t−ブチル安息香酸セチル、4−メトキシ安息
香酸ステアリル、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオ
ジプロピオン酸ジミリスチル、ステアリルベンゾエー
ト、ベンジルステアレート、チオジプロピオン安息香酸
ベンジル、チオジプロピオン酸ジステアリル、安息香酸
ベンジルトリラウレート等を挙げることができる。
【0017】コレステリック液晶 上記コレステリック液晶としては、例えば、コレステロ
ールアセテート、コレステロールベンゾエート、コレス
テロールノナネート、コレステロールプロピオネート、
コレステロールオレイルカルボネート、コレステロール
クロライドなどの2種以上を配合したものを利用するこ
とができる。金属錯塩 上記金属錯塩としては、銀、水銀、ヨウ素又は銅などの
錯化合物、チオジカルバミン酸誘導体の錯化合物などを
例示することができる。
【0018】フォトクロミック材料(光可逆変色性の材料) 本発明に利用可能なフォトクロミック材料の例として
は、アゾベンゼン系化合物、チオインジゴ系化合物、ジ
チゾン金属錯体、スピロピラン系化合物、スピロオキサ
ジン系化合物、フルギド系化合物、ジヒドロプレン系化
合物、スピロチオピラン系化合物、1,4−2H−オキ
サジン、トリフェニルメタン系化合物、ピオロゲン系化
合物、ナフトピラン系化合物、ベンゾピラン系化合物な
どの有機フォトクロミック物質が挙げられるが、本発明
においては、中でもスピロピラン系化合物、スピロオキ
サジン系化合物、フルギド系化合物、ナフトピラン系化
合物、ベンゾピラン系化合物が好ましい。ナフトピラン
系化合物及びベンゾピラン系化合物のうち特に好ましい
ものとして、2位にスピロ−アダマンタン基を有するベ
ンゾピラン類またはナフトピラン類であって、それらの
ベンゼン環またはナフタレン核がベンゾアネレート化ま
たはアネレート化されて縮環により複素環を形成してい
てもよく、1または2以上の他の置換基によって置換さ
れていてもよい化合物を挙げることができる。その置換
基の例としては、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキ
シ基、アミノ基、置換アミノ基(アルキルアミノ基、ジ
アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミ
ノ基、アルキルアリールアミノ基等)、アリール基、置
換アリール基(アルキルアリール基、アミノアリール
基、アルコキシアリール基等)、アラルキル基、複素5
員環基、複素6員環基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0019】フォトクロミック物質の具体例としては、
1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリン−2,3’
−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)−オキサジ
ン〕、6’−インドリノ−1,3,3−トリメチルスピ
ロ〔インドリン−2,3’−(3H)ナフト(2,1−
b)(1,4)−オキサジン〕、5−クロル−1,3,
3−トリメチルスピロ〔インドリン−2,3’−(3
H)ナフト(2,1−b)(1,4)−オキサジン〕、
6’−ピペリジノ−1,3,3−トリメチルスピロ〔イ
ンドリン−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)
(1,4)−オキサジン〕、1−ベンジル−3,3−ジ
メチルスピロ〔インドリン−2,3’−(3H)ナフト
(2,1−b)(1,4)−オキサジン〕、1,3,
5,6−テトラメチル−3−エチルスピロ〔インドリン
−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)
−オキサジン〕、1,3,3,5,6−ペンタメチルス
ピロ〔インドリン−2,3’−(3H)ナフト(2,1
−b)(1,4)−オキサジン〕、1,3,5,6−テ
トラメチル−3−エチルスピロ〔インドリン−2,3’
−(3H)ピリド(3,2−f)(1,4)−ベンゾオ
キサジン〕、1,3’,3’−トリメチルスピロ(2H
−1−ベンゾピラン−2,2’−インドリン)、1,
3,3−トリフェニルスピロ〔インドリン−2,3’−
(3H)−ナフト(2,1−b)ピラン〕、1−(2,
3,4,5,6−ペンタチメルベンジル)−3,3−ジ
メチルスピロ〔インドリン−2,3’−(3H)−ナフ
ト(2,1−b)ピラン〕、1−(2−ニトロベンジ
ル)−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3’
−(3H)−ナフト(2,1−b)ピラン〕、2,2−
ジフェニルナフト(2,1−b)ピラン、2,2−ジ
(p−メトキシフェニル)ナフト(2,1−b)ピラ
ン、2,5−ジメチルフリル−トリメチルフルギド、2
−メチル−5−クロル−トリメチルフルギド、スピロ
[2H−クロメン−2,2’−トリシクロ[3.3.
1.13,7 ]デカン]、スピロ[2H−ナフト[1,2
−b]ピラン−2,2’−トリシクロ[3.3.1.1
3,7 ]デカン]、スピロ[3H−ナフト[2,1−b]
ピラン−3,2’−トリシクロ[3.3.1.13,7
デカン]、5,7−ジメチル−スピロ[2H−クロメン
−2,2’−トリシクロ[3.3.1.13,7 ]デカ
ン]、6−(4−メトキシフェニル)−9−メトキシ−
スピロ[2H−ナフト[1,2−b]ピラン−2,2’
−トリシクロ[3.3.1.13,7 ]デカン]、6−ク
ロロ−スピロ[2H−ナフト[1,2−b]ピラン−
2,2’−トリシクロ[3.3.1.13,7 ]デカン]
等が挙げられる。
【0020】可逆変色性微粒子 上記可逆変色性微粒子は、高分子化合物中に上記サーモ
クロミック材料またはフォトクロミック材料を含有して
なるものである。その可逆変色性微粒子の例としては、
サーモクロミック材料を内包した高分子化合物のマイク
ロカプセル、サーモクロミック材料が合成樹脂中に分散
したマトリックスの微粒子、フォトクロミック材料が合
成樹脂中に分散したマトリックスの微粒子、フォトクロ
ミック材料が合成樹脂中に分散したマトリックスを内包
した高分子化合物のマイクロカプセル、フォトクロミッ
ク材料が媒体中に溶解または分散した混合物を内包した
高分子化合物のマイクロカプセルなどが挙げられる。可
逆変色性微粒子の粒径は、50μm以下程度とすること
が望ましい。50μmを越える場合、繊維製品への吸尽
がうまく行かないことが多くなるからである。
【0021】サーモクロミックマイクロカプセル サーモクロミック材料として上記3成分混合物、2成分
混合物又はコレステリック液晶をマイクロカプセルに内
包するには、例えば次のような方法により行うことがで
きる。すなわち、上記3成分混合物、2成分混合物又は
コレステリック液晶から選ばれたサーモクロミック材料
及び皮膜形成物質としての高分子化合物、並びに、必要
に応じて界面活性剤、保護コロイド、pH調整剤、電解
質などを用い、水中にて、界面重合法、インサイト重合
法、コアセレベーション法、気中懸濁法、界面沈降法な
どの公知のカプセル化法を実施する。それによって、サ
ーモクロミック材料を内包する粒径1〜50μmのマイ
クロカプセルを水系分散液に分散した状態で得ることが
できる。
【0022】またこれらのうち1種または2種以上のカ
プセル化法を用いて2度以上重ねてカプセル化すること
により、複層のマイクロカプセルとすることもできる。
上記皮膜形成物質の好適な例としては、ポリ尿素皮膜を
形成するための多価イソシアネートと多価アミン、ポリ
アミド皮膜を形成するための多塩基酸クロライドと多価
アミン、ポリウレタン皮膜を形成するための多価イソシ
アネートとポリヒドロキシ化合物、ポリエステル皮膜を
形成するための多塩基酸クロライドとポリヒドロキシ化
合物、エポキシ樹脂皮膜を形成するためのエポキシ化合
物と多価アミン、メラミン樹脂皮膜尿素樹脂皮膜を形成
するためのメラミン・ホルマリンプレポリマー、尿素ホ
ルマリンプレポリマー、エチルセルロース、ポリスチレ
ン及びポリ酢酸ビニル、並びに後述のアニオン性高分子
化合物、両性高分子化合物などを挙げることができる。
なお、上記マイクロカプセルの皮膜としては、耐熱性の
点で優れる熱硬化性のものが好ましい。
【0023】上記界面活性剤及び保護コロイドとして好
ましく使用し得るものの例示としては、アニオン性界面
活性剤、両性界面活性剤、アニオン性高分子化合物、両
性高分子化合物などが挙げられる。また、これらと非イ
オン界面活性剤とを併用することもできる。上記pH調
整剤や電解質としては、上記カプセル化法において通常
使用されているものを使用し得る。本発明では、上記の
ようにして得られたサーモクロミックマイクロカプセル
を含む分散液をそのまま使用することもでき、その分散
液からマイクロカプセルの分散性が保持できる範囲で界
面活性剤や保護コロイドを取り除いて使用することもで
きる。また、そのマイクロカプセルの分散液を脱水・乾
燥してマイクロカプセルを一旦粉末状とし、使用の際に
必要に応じ界面活性剤や保護コロイドを加えて液中に分
散して使用することもできる。その際、そのマイクロカ
プセルの分散性が高ければ、界面活性剤や保護コロイド
を加えなくてもよい。マイクロカプセルの皮膜を構成す
る高分子化合物がアニオン性又は両性であれば、十分な
分散性を有することが多い。
【0024】上記アニオン性界面活性剤としては、アル
キル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、
アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハ
ク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、
アルキルりん酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エ
ステル、ポリオキシエチレンアルキルアリル硫酸エステ
ル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポ
リオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル硫酸エ
ステル、ポリオキシエチレアルキルりん酸エステルなど
を例示することができる。上記アニオン性高分子化合物
としてはポリアクリル酸、ポリ−α−ヒドロキシアクリ
ル酸及びメタクリル酸並びにこれらと他のビニル系ポリ
マーによる共重合物、エチレン/無水マレイン酸コポリ
マー、ブチレン/無水マレイン酸コポリマー、ビニルエ
ーテル/無水マレイン酸コポリマー、アニオン変性ポリ
ビニルアルコール、アラビアゴム、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、デンプン誘導体などを例示すること
ができる。
【0025】上記両性高分子化合物としては、ゼラチ
ン、カゼインなどを例示することができる。上記非イオ
ン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル
及びその他のポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエ
チレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソ
ルビタン脂肪族エステル、ポリオキシエチレンソルビト
ール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなどを
例示することができる。
【0026】サーモクロミックマトリックス微粒子 サーモクロミック材料として上記3成分混合物、2成分
混合物又はコレステリック液晶が合成樹脂中に分散した
マトリックスの微粒子は、例えば次のような方法により
製造することができる。まず上記より選ばれたサーモク
ロミック材料及び合成樹脂を加熱溶融し、攪拌してサー
モクロミック材料を分散させる。その状態で界面活性剤
や保護コロイドを含む水中に攪拌下投入することによっ
てサーモクロミック材料が合成樹脂中に分散した微粒子
状態のマトリックスが得られる。また、サーモクロミッ
ク材料及び合成樹脂を加熱溶融し、攪拌してサーモクロ
ミック材料を分散させたものを冷凍粉砕することによっ
ても、微粒子状態のマトリックスを得ることができる。
【0027】このマトリックスに利用できる合成樹脂と
しては、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコー
ル、ポリメチルメタアクリレートのようなアクリル系ポ
リマー、ポリスチレン、ABS樹脂のようなスチレン系
ポリマー、ポリカーボネートのようなポリエステル系ポ
リマー、ポリエチレンオキシドのようなポリエーテル系
ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリ
オレフィン系ポリマー、エチルセルロース、ポリビニル
アセテート、ポリビニルクロライド、メラミン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などを例示することがで
きる。以上のサーモクロミックマイクロカプセルやサー
モクロミックマトリックス微粒子中には、紫外線吸収
剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、還元防止剤、界面活性
剤、蛍光増白剤などを必要に応じて添加することができ
る。
【0028】フォトクロミックマトリックス微粒子 フォトクロミック材料として上記有機フォトクロミック
物質が合成樹脂中に分散したマトリックスの微粒子は、
例えばサーモクロミックマトリックス微粒子について上
記した方法と同様の方法で同様の合成樹脂を用いて製造
し得る。フォトクロミックマイクロカプセル フォトクロミック材料が合成樹脂中に分散したマトリッ
クス又はフォトクロミック材料が媒体中に溶解または分
散した混合物をマイクロカプセルに内包するには、例え
ば、サーモクロミック材料を前記マトリックス或は混合
物に代えるほかはサーモクロミックマイクロカプセルに
ついて上記した方法と同様にして行い得る。上記媒体と
しては、高沸点タイプの溶媒、可塑剤、合成樹脂、ヒン
ダートアミン系化合物、ヒンダートフェノール系化合物
などが好ましく、その中でも、有機フォトクロミック化
合物の耐光性を向上させる上で、ヒンダートアミン系化
合物、或はヒンダートアミン系化合物と他の媒体との併
用が特に好ましい。
【0029】上記ヒンダートフェノール系化合物として
は、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4,6−
t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−
ブチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキ
ノン、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t
−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)などを例示
することができる。また上記ヒンダートアミン系化合物
としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、
コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4
−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ンとの重縮合物、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジイル}{2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕、2−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル)、1−〔2−{3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ}エチル〕−4−{3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3
−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕ウ
ンデンカン−2,4−ジオン、テトラキス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)ブタンカルボ
ネート並びに、特開昭62−252496号に開示され
ているマーク LA57、マーク LA62及びマーク
LA67(何れも商品名;アデカアーガス化学社製)
等を挙げることができる。
【0030】上記高沸点タイプの溶媒の例としては、ア
ルコ−ル類、ケトン類、エステル類、エーテル類、芳香
族(ハロゲン化)炭化水素、脂肪族(ハロゲン化)炭化
水素、セルソルブ類、ホルムアミド類、スルホキシ類な
どのうち、高沸点又は蒸発速度の遅いものを挙げること
ができる。上記可塑剤としては、フタレート系、アジペ
ート系、フォスフェイト系、ポリエステル系、ポリエー
テル系を始めとする全ての可塑剤を使用することができ
る。上記合成樹脂としては、サーモクロミックマトリッ
クス微粒子について上記したものと同様のものを例示す
ることができる。
【0031】染色工程例 セルロース繊維を有してなる繊維製品について本発明の
染色方法を用いて染色するには、例えば次のようにして
行うことができる。上記繊維製品をまず精練して、糊や
不純物を取除く。勿論、清浄であれば精練する必要はな
い。次に、適当な浸漬用バスに、その繊維製品に対して
5〜50重量倍の水(浴比1:5〜1:50)、好まし
くは10〜30重量倍の水(浴比 1:10〜1:3
0)を投入し、この水中へ、処理前の繊維製品に対して
0.1〜20重量%、好ましくは0.3〜5重量%程度
のカチオン性化合物を加える。これに対し更に、酢酸、
酒石酸、シュウ酸、りんご酸などの酸を加えてpHを酸
性サイドに調整したり、カチオン性化合物の繊維製品へ
の浸透性を向上させるために尿素、グリセリン、エチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレング
リコールなどの湿潤剤を必要に応じて加えることもでき
る。
【0032】次に、このようにして得られた水溶液に前
記繊維製品を浸漬し、常温乃至80℃程度の温度を5〜
30分程度保持すると、該繊維製品のセルロース繊維部
分が効果的にカチオン化される。続いてこの繊維製品を
十分に濯ぎ、余分のカチオン性化合物やその他の添加剤
を洗い流した後、脱水する。次に、処理された繊維製品
を含むバスに、処理前の繊維製品に対して1:5〜1:
50、好ましくは1:10〜1:30程度の水を入れ、
更に、上記のような可逆変色性微粒子を、処理前の繊維
製品に対して0.1〜50重量%、好ましくは1〜25
重量%程度加えて分散する。この可逆変色性微粒子は、
可逆変色性微粒子を含む分散液として加えることもでき
る。
【0033】このようにして得られた分散液を常温及至
90℃程度で5〜30分程度処理すると、カチオン化さ
れた前記繊維製品に可逆変色性微粒子が完全に吸尽す
る。この処理温度は、上記可逆変色性微粒子を10〜5
0重量%の高濃度で使用する場合は60〜90℃程度が
好ましい。この処理によって、上記可逆変色性微粒子は
上記繊維製品に対し、化学的なイオン結合及び物理的な
吸着によって結合する。そしてこれを脱水及び乾燥する
ことにより、可逆変色性微粒子は繊維製品に強固に固着
する。固着をより強くするには、乾燥後80〜180℃
程度で0.5〜10分程度熱処理することが好ましい。
このようにして得られた繊維製品は、可逆変色性微粒子
により高濃度に染色され、而も繊維製品の感触が損なわ
れず、風合も柔軟であり、摩擦堅牢度や洗濯堅牢度も優
れる。
【0034】好ましい染色態様1 本発明の染色方法の好ましい態様は、セルロース繊維を
有してなる繊維製品をカチオン性化合物で処理する工程
と、そのように処理された繊維製品を、高分子化合物中
に熱または光可逆変色性の材料を含有してなる可逆変色
性微粒子を含む分散液中に浸漬して処理する工程と、そ
の分散液中に染色物の風合及び感触を損なわない量のバ
インダーを加えて更に処理する工程とを有してなる。上
記バインダーの量は、バインダー固形分においてその繊
維製品に対し一般的には0.1〜10重量%程度であ
り、好ましくは0.3〜5重量%である。使用し得るバ
インダーとしては、アクリル酸樹脂、メタクリル酸樹
脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル
樹脂、スチレンブタジエンラテックス、ポリオレフィン
樹脂、上記のアニオン性高分子化合物のうち、ポリアク
リル酸、メタクリル酸、或はこれらの誘導体、又はこれ
らと他のビニル系ポリマーとの共重合物を例示すること
ができる。本発明においては、これらの中でアクリル酸
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂が特に好ましい。この
態様により繊維製品を染色するには、例えば次のように
して行うことができる。
【0035】セルロース繊維を有してなる繊維製品をカ
チオン性化合物で処理した後、上記可逆変色性微粒子含
む分散液中に浸漬して処理することによりその可逆変色
性微粒子を繊維製品に吸尽させる。更にその液中に、バ
インダー固形分においてその繊維製品に対し0.1〜1
0重量%のバインダーを加え、引き続き常温乃至90℃
で1〜30分間処理した後、脱水乾燥する。このように
して得られる繊維製品は、摩擦堅牢度や洗濯堅牢度が更
に向上する。好ましい染色態様2 また、本発明の染色方法の別の好ましい態様は、セルロ
ース繊維を有してなる繊維製品をカチオン性化合物で処
理する工程と、そのように処理された繊維製品を、高分
子化合物中に熱または光可逆変色性の材料を含有してな
る可逆変色性微粒子を含む分散液中に浸漬して処理する
工程と、その繊維製品を染色物の風合及び感触を損なわ
ない量のバインダーを含む水中に浸漬して更に処理する
工程とを有する。
【0036】このバインダーは、上記と同様のものを使
用し得る。その量は、バインダー固形分においてその繊
維製品に対し一般的には0.1〜10重量%程度であ
り、好ましくは0.3〜5重量%である。この態様によ
り繊維製品を染色するには、例えば次のようにして行う
ことができる。セルロース繊維を有してなる繊維製品を
カチオン性化合物で処理した後、上記可逆変色性微粒子
を含む分散液中に浸漬して処理することによりその可逆
変色性微粒子を繊維製品に吸尽させた後、脱水する。次
いで、その繊維製品を収容する染色浴に、再び浴比で
1:5〜1:50、好ましくは1:10〜1:30程度
の水を注ぎ、更にバインダー固形分においてその繊維製
品に対し0.1〜10重量%のバインダーを加え、常温
乃至90℃で5〜30分間処理した後、脱水乾燥する。
【0037】このようにして得られる繊維製品は、前記
の場合と同様に摩擦堅牢度や洗濯堅牢度が更に向上す
る。好ましい染色態様3 また、本発明の染色方法の更に別の好ましい態様は、セ
ルロース繊維を有してなる繊維製品をカチオン性化合物
で処理する工程と、そのように処理された繊維製品を、
高分子化合物中に熱または光可逆変色性の材料を含有し
てなる可逆変色性微粒子並びに染色物の風合及び感触を
損なわない量のバインダーを含む分散液中に浸漬して処
理する工程とを有する。このバインダーは、上記と同様
のものを使用し得る。その量は、バインダー固形分にお
いてその繊維製品に対し一般的には0.1〜10重量%
程度であり、好ましくは0.3〜5重量%である。この
態様により繊維製品を染色するには、例えば次のように
して行うことができる。
【0038】セルロース繊維を有してなる繊維製品をカ
チオン性化合物で処理した後、上記可逆変色性微粒子並
びにバインダー固形分においてその繊維製品に対し0.
1〜10重量%のバインダー含む分散液中に浸漬して常
温乃至90℃で5〜30分間処理し、脱水乾燥する。こ
のようにして得られる繊維製品は、前記の場合と同様に
摩擦堅牢度や洗濯堅牢度が更に向上する。好ましい染色態様4 本発明の染色方法の更に別の好ましい態様は、セルロー
ス繊維を有してなる繊維製品を、カチオン性化合物並び
に染色物の風合及び感触を損なわない量のバインダーで
処理する第1工程と、そのように処理された繊維製品
を、高分子化合物中に熱または光可逆変色性の材料を含
有してなる可逆変色性微粒子を含む分散液中に浸漬して
処理する第2工程とを有する。
【0039】このバインダーは、上記と同様のものを使
用し得る。その量は、バインダー固形分においてその繊
維製品に対し一般的には0.1〜10重量%程度であ
り、好ましくは0.3〜5重量%である。また、第1工
程において、ソーダ灰や苛性ソーダ等を加えてカチオン
性化合物を中和することも、必要に応じて行う。また、
第1工程を、セルロース繊維を有してなる繊維製品を、
染色物の風合及び感触を損なわない量のカチオン性のバ
インダーで処理する工程に代えることもできる。カチオ
ン性のバインダーとしては、ボンコートSFCシリーズ
(商品名;酢酸ビニル系又はアクリル酸エステル系エマ
ルジョン:大日本インキ化学工業社製)、ヨドゾールA
Fシリーズ(商品名;アクリル酸エステル系エマルジョ
ン:カネボーNSC社製)、CGCシリーズ(商品名;
アクリル酸エステル系エマルジョン:住友化学工業社
製)、特開昭62−187702号公報開示のカチオン
性エマルジョン、特開昭62−131003号公報開示
のカチオン性共重合体、特開昭62−201914号公
報開示のカチオン性ポリマー、特開昭62−26321
1号公報開示のカチオン性ラテックス等を例示すること
ができる。
【0040】以上の好ましい染色態様1乃至4におい
て、バインダーはその繊維製品に対し、液中に含まれる
のと同程度、すなわちバインダー固形分においてその繊
維製品に対し0.1〜10重量%程度吸尽し、脱水乾燥
することによりその繊維製品に強固に固着する。そして
その結果摩擦堅牢度や洗濯堅牢度が更に向上する。この
場合、バインダー固形分が0.1重量%未満では効果が
不十分となり易く、10重量%を越えると、繊維の感
触、風合を損なうことが多くなる。本発明において、変
色温度の異なる熱可逆変色性微粒子を2種以上用いる
と、温度変化により染色物の色彩を、黄←→橙←→黒、
のように2段階以上に変色させることができる。
【0041】また、熱可逆変色性微粒子におけるサーモ
クロミック材料として上記3成分混合物を用いる場合、
そのうちの溶媒を特定のエステルとすると、色彩変化に
明瞭なヒステリシスを持たせることができる。たとえ
ば、温度上昇による消色温度よりも温度低下による発色
温度の方を数℃以上低くすることができる。従って、本
発明の同一の染色物うち一様に染色された同等の温度の
部分が、温度履歴の相違によって異なった色彩を呈する
ものとすることが可能である。また、熱可逆変色性微粒
子と光可逆変色性微粒子の混合物を用いて本発明の染色
方法を使用すると、温度変化及び光照射の有無の何れに
も感応する多段階の色彩変化を可逆的に実現することが
できる。更にまた、以上に説明した本発明の染色方法に
おいて、可逆変色性微粒子を含む分散液に、昼光蛍光顔
料その他の無機又は有機の顔料をも含ませて、可逆変色
性微粒子と同時にこれらの顔料を繊維製品に吸尽させる
こともできる。これにより、温度変化や光照射の有無に
よって、顔料による色彩との混色による可逆的な色彩変
化を実現させることができる。
【0042】前記顔料の添加量はその可逆変色性微粒子
と顔料の総量がその繊維製品に対して50重量%を越え
ない範囲で適宜選択し得るが、昼光蛍光顔料の場合で
0.5〜10重量%、その他の無機顔料や有機顔料の場
合で0.1〜2重量%使用するのが好ましい。昼光顔料
としては環状アミノトリアジン化合物と芳香族モノスル
フォアミド化合物のホルムアルデヒド共縮合物を基体樹
脂として、蛍光性のカチオン染料や分散染料で着色した
ものが挙げられる。その他の顔料としては、酸化鉄、ク
ロム黄、群青、二酸化チタン、カーボン黒などの無機顔
料、アゾ系顔料、アントラキノン系顔料、レーキ顔料、
ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料などの有機
顔料が挙げられる。これら顔料は、例えば前記アニオン
性界面活性剤に必要に応じて前記非イオン界面活性剤や
湿潤剤を加えた水中で湿式粉砕して粒子径0.05〜1
0μm程度の微粒子に分散させて使用することができ
る。
【0043】またアニオン性界面活性剤及び必要により
加えられる非イオン界面活性剤の存在下に、アクリロニ
トリルと他の重合性不飽和ビニル化合物を水系で乳化重
合又は懸濁重合したものを、重合時もしくは重合後蛍光
性のカチオン染料や分散染料で着色した昼光蛍光顔料
は、粒子径が0.05〜10μm程度であるから、粉砕
することなくそのまま使用し得る。また更に、繊維製品
を予め着色しておき、これに対して以上に説明した本発
明の染色方法を施すこともできる。すなわち、予め直接
染料や酸性染料で該繊維製品を染め付けたり、有機顔
料、無機顔料、昼光顔料などの顔料を樹脂パディングし
て地染めした後上記の各染色方法を施すと、これまた温
度変化や光照射の有無によって、それらの染料や顔料に
よる色彩との混色による可逆的な色彩変化を実現させる
ことができる。
【0044】可逆変色性微粒子の製造例 次に、可逆変色性微粒子の製造例を挙げる。なお、以下
の記述においては「重量部」を「部」と略す。製造例1 (3成分混合物内包サーモクロミックマイクロ
カプセルの製造) NC−R−1(桃色)(商品名;酸顕色性物質:保土谷化学工業社製) 1部 ビスフェノールA 2部 ビスベンゾトリアゾール−5−メタン 2部 ラウリルパルミテート 10部 セシルアルコール 10部 チヌビン326(商品名;紫外線吸収剤:チバガイギー社製) 2部 エピコート828(商品名;エポキシ樹脂:油化シェルエポキシ社製) 6部
【0045】上記配合物を加熱して均一な熱溶融物を得
た。次いで、60℃の5%ゼラチン水溶液200部中に
この溶融物を投入し、撹拌下直径5μmの油滴状に分散
させた。次いでエポキシ樹脂用硬化剤(エピキュアU
(商品名):油化シェルエポキシ社製) 4部を投入し、
引続き撹拌を続け、90℃に昇温して2時間反応させ
た。その後、冷却して、生成したマイクロカプセルを水
洗、濾別して含まれるゼラチン90重量%を取り除き、
約35部のサーモクロミックマイクロカプセル及び約1
部のゼラチンを含む分散液100部を得た。製造例2 (フォトクロミックマイクロカプセルの製造) 製造例1のNC−R−1、ビスフェノールA、ビスベン
ゾトリアゾール−5ーメタン、ラウリルパルミテート、
セシルアルコール、チヌビン326を、1,3,3−ト
リメチルスピロ〔インドリン−2,3’−〔3H〕ナフ
ト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕(有機フォト
クロミック化合物)1部及びビス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)セバケート26部に代え
る以外は製造例1と同様にしてフォトクロミックマイク
ロカプセルを35重量%含む分散液100部を得た。
【0046】製造例3(3成分混合物内包サーモクロミ
ックマイクロカプセルの製造) 水150部、尿素7.5部、37%ホルマリン20部を
混合し、10%炭酸ソーダーでpHを8に調整し、70
℃で1時間撹拌して、尿素ホルムアルデヒド初期縮合物
を含む水溶液を得た。次いでこの水溶液に、下記配合物
を加熱溶融させた混合物を撹拌下滴下し、その混合物の
粒子径が約5μm程度となる様に撹拌速度を調整して撹
拌を続けた。 Y−1(ロイコ染料(黄):山本化成社製) 1部 ビスフェノールA 4部 ミリスチルアルコール 10部 ラウリルパルミテート 10部 チヌビン326 2部
【0047】次いで酒石酸を滴下してこの液のpHを5
とし、温度を70℃に保って2時間撹拌した。更に酒石
酸を滴下してpHを3に調整し、80℃に昇温して2時
間撹拌した後、よく水洗し、濾過、乾燥して約40部の
マイクロカプセルを得た。次に、2%のカルボキシメチ
ルセルロース水溶液100部を加え、撹拌してマイクロ
カプセルを均一に分散した。この分散液に、2%ポリビ
ニルアルコ−ル水溶液100部を加えて撹拌し、40℃
に昇温し、撹拌しながら徐々に25%塩化ナトリウム水
溶液100部を加え、続いてその分散液を10℃に冷却
し、50%グルタールアルデヒト水溶液を撹拌を続けつ
つ添加し、その後15時間撹拌を続けた。更に、その液
の温度を40℃に昇温して3時間撹拌した後、濾別、水
洗、乾燥することにより、外層がカルボキシメチルセル
ロースで被覆されたマイクロカプセルを約42部得た。
【0048】製造例4(フォトクロミックマイクロカプ
セルの製造) 2,2−ジフェニル−3H−ナフト−(2,1−b)ピラン 1部 チヌビン 622LD(商品名;ヒンダートアミン系化合物:チバガイギー社製 ) 2部 ポリスチレン樹脂 24部 トルエン 56部 ポリメチレンフェニルイソシアネート(商品名:ミリオネートMR、日本ポリウ レタン工業社製) 10部 上記配合物をサンドグラインダーにて撹拌することによ
り、均一な混合液を得た。別に、コロイド状りん酸カル
シウム2部を含む水溶液500部を準備し、この水溶液
を撹拌しながら、前記の均一な混合液を滴下し、撹拌速
度を調整して約1時間撹拌すると、トルエンがほとんど
完全に蒸発し、平均粒子径約5μmの均一な分散物の懸
濁液が得られた。
【0049】撹拌を続け、キシリレンジアミン2部を滴
下し、3時間懸濁液を撹拌した後、濾過、水洗、乾燥を
行ない、約38部のフォトクロミックマイクロカプセル
を得た。製造例5 (フォトクロミックマイクロカプセルの製造) 製造例4の2,2−ジフェニル−3H−ナフト−(2,
1−b)ピラン1部、チヌビン 622LD 2部、ポ
リスチレン樹脂24部及びトルエン56部を、6’−ピ
ペリジノ−1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリン
−2,3’−[3H]ナフト(2,1−b)(1,4)
オキサジン〕1部及びサノールLS−770(商品名;
ヒンダートアミン系化合物:三共社製) 26部に代え
る以外は製造例4と同様にしてフォトクロミックマイク
ロカプセルを得た。製造例6 (フォトクロミックマトリックス微粒子の製
造) 8’−ヒペリジノ−1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリン−2,3’−[ 3H]ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕 1部 マーク LA67 2部 ダイヤナールSE−5377(商品名;メチルメタクリレート樹脂40重量%、 キシレン60重量%;三菱樹脂社製) 60部 キシレン 20部
【0050】上記配合物を熱溶融したものを、別に準備
したスチレン/無水マレイン酸共重合樹脂の3%水溶液
を撹拌しながら、この水溶液中に滴下した。次いで80
〜90℃で撹拌速度を調整しながら約2時間撹拌する
と、キシレンがほとんど完全に蒸発し、平均粒子径約5
μmの均一な分散物の懸濁液が得られた。この懸濁物を
水洗し、濾過、乾燥することにより、スチレン/無水マ
レイン酸共重合樹脂0.5部を含む38.5部のフォト
クロミックマトリックス微粒子を得た。
【0051】製造例7(3成分混合物のサーモクロミッ
クマトリックス微粒子の製造) デモールN(商品名;アニオン性界面活性剤:花王社
製)1部を含む水溶液300部を約90℃に加熱してお
き、この水溶液を激しく撹拌しながら、下記配合物の均
一な熱溶融物を徐々に滴下した。 NC−R−1 0.4部 ビスフェノールA 1.6部 ベヘニルアルコール 3部 サンワックス151P(商品名;低分子量ポリエチレン:三洋化成工業社製) 5部 スタフレンE−715(商品名;ポリエチレン樹脂:日本石油化学工業社製) 50部 キシレン 20部
【0052】上記温度を維持しつつ撹拌を2時間続ける
と、キシレンはほとんど蒸発し、平均粒子径約10μm
のサーモクロミックマトリックス微粒子を含む懸濁液が
得られた。この懸濁液の水分を蒸発させ、濃縮すると、
キシレンは完全に蒸発し、サーモクロミックマトリック
ス微粒子を約60部含む150部の懸濁液を得た。製造例8 (ヒステリシス特性を有する3成分混合物内包
サーモクロミックマイクロカプセルの製造) 製造例1のラウリルパルミテート10部及びセシルアル
コール10部を、安息香酸ステアリル15部及びミリス
チン酸ラウリル5部に代える以外は製造例1と同様にし
てヒステリシス特性を有する3成分混合物内包サーモク
ロミックマイクロカプセルを含む分散液を得た。
【0053】
【発明の効果】本発明の染色方法によれば、セルロース
繊維を有してなる繊維製品を、高分子化合物中に熱また
は光可逆変色性の材料を含有してなる可逆変色性微粒子
で、従来不可能であった高濃度に染色し得る。そのた
め、温度又は光量の変化による前記材料の発色時の色彩
を比類なく濃厚なものとすることができ、感触、風合等
の繊維製品としての性質を損なうこともない。また、染
色物の摩擦堅牢度や洗濯堅牢度を向上させるためにバイ
ンダーを併用する場合にも、その量は風合及び感触を損
なわない程度、すなわち従来に比し極めて少量で足り
る。
【0054】本発明のセルロース繊維を有してなる繊維
製品の染色物は、高分子化合物中に熱または光可逆変色
性の材料を含有してなる可逆変色性微粒子で、従来不可
能であった高濃度に染色されている。そのため、温度又
は光量の変化による前記材料の発色時の色彩が比類なく
濃厚であり、感触、風合等の繊維製品としての性質を保
有する。また、風合及び感触を損なわない程度の量、す
なわち従来に比し極めて少量のバインダーで処理された
染色物は、その摩擦堅牢度や洗濯堅牢度に優れる。
【0055】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、勿論、
本発明はこれらに限定されるものではない。実施例1 まず綿Tシャツ(天竺120部)を精練して、糊や不純
物を取除く。次に、5リットル容器に水2400部(浴
比1:20)、サンフィックスPAC−7(商品名;第
4級アンモニウム塩タイプのカチオン性高分子化合物水
溶液:三洋化成工業社製)2部及びエチレングリコ−ル
10部を加えた。この水溶液に、前記の精練したTシャ
ツを浸漬し、徐々に昇温して70℃で15分間処理し
た。続いて水でよくすすぎ、余分なカチオン性化合物や
その他の添加剤を取除き、脱水した。次にこの容器に、
水2400部及び製造例1で得たサーモクロミックマイ
クロカプセルを含む分散液50部を加え、この液を徐々
に昇温し、80℃で15分間処理した。
【0056】処理前においてはこの分散液はピンク色で
あったが、処理後、透明な無色の液となった(25℃に
おいて観察した。)。すなわち、綿Tシャツにサ−モク
ロミックマイクロカプセルが完全に吸尽されたことを示
す。続いて、この綿Tシャツをよくすすぎ、脱水した
後、自然乾燥し、次いでタンブラー乾燥機により140
℃で1分間の熱処理を行なった。このようにして得られ
たTシャツを着用すると、体温による熱の伝播や気温の
微妙な変化により、サーモクロミックマイクロカプセル
の昇温によってTシャツ全面が白色となったり、サーモ
クロミックマイクロカプセルの降温によって濃いピンク
色となったり、あるいは白色とピンク色が混じったもの
となったりした。Tシャツの感触、風合、耐摩擦性、耐
洗濯性は、すべて良好であった。
【0057】実施例2 実施例1におけるサーモクロミックマイクロカプセルを
含む分散液を製造例7のサーモクロミックマトリックス
微粒子を含む懸濁液50部に代える以外は実施例1と同
様にしてTシャツを処理したところ、実施例1と同様の
色彩変化を示し、Tシャツの品質も同様であった。実施例3 製造例1で得たサーモクロミックマイクロカプセル分散
液を製造例2のフォトクロミックマイクロカプセルを含
む分散液50部に代える以外は実施例1と同様に綿Tシ
ャツを処理した。このTシャツは、日光が直接当たらな
い室内では白色であるが、直射日光が当たる窓際や室外
では濃い青色となった。そしてこの変化は、何回も可逆
的にくり返すことができ、Tシャツの品質は実施例1と
同様に良好であった。
【0058】実施例4 製造例1で得たサーモクロミックマイクロカプセルを製
造例6のフォトクロミックマトリックス微粒子15部に
代える以外は実施例1と同様に綿Tシャツを処理した。
このTシャツは、日光が直接当たらない室内では白色で
あるが、直射日光が当たる窓際や室外では濃い紫色とな
った。そしてこの変化は、何回も可逆的にくり返すこと
ができ、Tシャツの品質は実施例1と同様に良好であっ
た。実施例5 製造例1で得たサーモクロミックマイクロカプセルを含
む分散液50部を、製造例1で得たサーモクロミックマ
イクロカプセルを含む分散液20部及び製造例2のフォ
トクロミックマイクロカプセルを含む分散液30部に代
える以外は実施例1と同様に綿Tシャツを処理した。こ
のTシャツは、温度変化と光照射の有無により、白色、
青色、桃色、濃い紫色の4色に亙って、幾通りもの経路
で可逆的に色彩が変化した。そしてTシャツの品質は実
施例1と同様に良好であった。
【0059】実施例6 製造例1で得たサーモクロミックマイクロカプセルを含
む分散液50部を、製造例1で得たサーモクロミックマ
イクロカプセルを含む分散液10部及び製造例3のサー
モクロミックマイクロカプセル8部に代える以外は実施
例1と同様に綿Tシャツを処理した。このTシャツは、
約30℃以上では白色であったが、約25℃で桃色、そ
して約20℃以下で濃いオレンジ色に2段階変色した。
この変化は、何回も可逆的にくり返すことができ、Tシ
ャツの品質は実施例1と同様に良好であった。 実施例7 まず、実施例1と同様に精練した綿Tシャツを、直接染
料(商品名;カヤロスエローF8G:日本化薬社製)を
水に対して0.1重量%加えた浴比1:20の水溶液中
に浸漬し、90℃に加熱して3分間処理し、黄色に地染
めしたTシャツを得た。
【0060】実施例1において精練した綿Tシャツを、
この黄色に地染めしたTシャツに代えると共に、製造例
1で得たサーモクロミックマイクロカプセルを含む分散
液を、製造例8で得たサーモクロミックマイクロカプセ
ルを含む分散液50部に代える以外は、実施例1と同様
に処理してTシャツを得た。このTシャツは約25℃以
下でサーモクロミックマイクロカプセルの桃色と地色の
黄色が混色した濃いオレンジ色であったが、約30℃以
上に昇温するとサーモクロミックマイクロカプセルが消
色して黄色に変化した。その後降温すると、約20℃迄
は黄色のままであったが、更に温度が下がり約15℃以
下となると元の濃いオレンジ色に変化した。すなわちこ
のTシャツは、20〜25℃の範囲において、部分的な
温度履歴の相違により、黄色と濃いオレンジ色の2色を
同時に呈する。Tシャツの品質は実施例1と同様良好で
あった。
【0061】実施例8 まず綿Tシャツ(スムースニット150部)を精練し、
糊や不純物を取除いた。次に、5リットル容器に、水3
000部(浴比1:20)、アミゲンNF(商品名;第
4級アンモニウム塩タイプのカチオン性高分子化合物を
約30重量%含む水溶液:第一工業製薬社製)1.5部
及びエチレングリコール10部からなる水溶液を加え、
前記Tシャツをこれに浸漬し、徐々に昇温させて60℃
で20分間処理した。続いてこのTシャツを水でよくす
すいだ後、脱水した。次いでこの容器に、水3000
部、製造例4のフォトクロミックマイクロカプセル2
2.5部を加えて分散させ、この分散液を徐々に昇温し
て70℃で15分間処理することによりこのTシャツに
フォトクロミックマイクロカプセルを吸尽させた。再び
このTシャツを水でよくすすいだ後、脱水し、次いでタ
ンブラー乾燥にて140℃で1分間の熱処理を行った。
【0062】得られたTシャツは、直射日光が当たらな
い室内では全面白色であったが、直射日光が当る窓際や
室外では、フォトクロミックマイクロカプセルが呈色し
て濃い黄色に変化した。この変化は何回でも可逆的にく
り返すことができ、またTシャツの品質は実施例1〜7
と同様に良好であった。実施例9 綿Tシャツ(150部、スムースニット製)にフォトク
ロミックマイクロカプセルを吸尽させ、水ですすぎ、脱
水するまでの工程は実施例8と同様に行なった。次い
で、水3000部及びマツミンゾールMR−10(商品
名;アクリル酸エステル系樹脂エマルジョン:松井色素
化学工業所社製)15部(固形分:約4.5部)を、T
シャツを収容した容器に加え、その混合液を徐々に昇温
させ、70℃で15分間処理し、脱水、乾燥した。
【0063】得られたTシャツは実施例8と同様に色彩
が変化し、感触、風合も実施例8とほとんど遜色なく良
好で、而も耐摩擦性、耐洗濯性は実施例8のTシャツよ
り更に優れていた。比較例1 まず、実施例8で使用したの同じTシャツを精練し、次
に、水1300部、製造例4のフォトクロミックマイク
ロカプセル300部及びマツミンゾールMR−10 4
00部からなるパディング液に、前記Tシャツを2デッ
プ2ニップ方式により浸漬し、その後脱水乾燥した。こ
のTシャツは、光が十分照射されない室内では白色であ
り、これに光を十分に照射してよく見ると希釈な黄色に
変化したが、その変化はよく見ていないと気がつかない
程わずかなものであり、商品価値がないと言わざるを得
ないものであった。また耐摩擦性、耐洗濯性は実施例8
のTシャツよりも劣っていた。このTシャツを実施例8
及び実施例9で得られたTシャツと比較した結果を、表
1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】表1中、耐摩擦性及び耐洗濯性の評価は、
それぞれ日本工業規格:JIS L−0849及び日本
工業規格:JIS L−0844 A−2法により判定
した。実施例10 製造例4のフォトクロミックマイクロカプセルを製造例
5のフォトクロミックマイクロカプセルに代えて実施例
8と同様にして綿Tシャツ(150部、スムースニット
製)にフォトクロミックマイクロカプセルを吸尽させ
た。引続きその浴中にマツミンゾールMR−10 15
部(固形分:約4.5部)を加えて、60℃で15分間
処理した後脱水、乾燥した。このTシャツは、直射日光
が当らない室内では全面白色であったが、直射日光が当
る窓際や室外ではフォトクロミックマイクロカプセルが
呈色して濃い紫色に変化した。
【0066】この変化は何度でも可逆的に繰り返すこと
ができ、而も感触、風合、耐摩擦性、耐洗濯性は実施例
9と同様良好であった。実施例11 実施例8と同様にしてTシャツのカチオン化処理を行な
った。続いてこのTシャツを水でよくすすいだ後、脱水
し、次いでこの容器に、水3000部、製造例4のフォ
トクロミックマイクロカプセルを含む分散液17.5部
及びGlow Pink MI2G(商品名;桃色系昼光蛍光顔料
のアニオン性界面活性剤による水分散品:松井色素化学
工業所社製)7.5部を加えて分散させ、以下実施例8
と同様にしてフォトクロミックマイクロカプセル及び昼
光蛍光顔料が全面に染着されたTシャツを得た。このT
シャツは、直射日光が当らない室内では桃色であった
が、直射日光が当る窓際や室外では、フォトクロミック
マイクロカプセルの黄色が混色した濃い橙色に変化し
た。この変化は何回でも可逆的に繰り返すことができ、
またTシャツの品質は実施例8と同様に良好であった。
【0067】実施例12 まず、綿トレーナー(300部)を精練し、糊や不純物
を取除いた。次に、10リットル容器に、水6000
部、サンフィックス70(商品名;ジシアンアミドタイ
プのカチオン性高分子化合物:三洋化成工業社製)2.
7部及びエチレングリコール15部を加え、この液に前
記トレーナーを浸漬し、60℃で15分間処理した後、
よくすすいで脱水した。次に、この容器に水6000部
を注ぎ、製造例3のサーモクロミックマイクロカプセル
45部を加えて分散させた。この分散液を徐々に昇温し
て70℃で15分間処理した後、綿トレーナーをよくす
すいで脱水し、更に水6000部を注ぎ、ハイドランA
P−20(商品名;ポリウレタン樹脂エマルジョン:大
日本インキ化学工業社製)30部(固形分:約9部)を
加え、この溶液を徐々に昇温して70℃で15分間処理
した後、綿トレーナーを脱水し、十分自然乾燥した。
【0068】このトレーナーは、気温約20℃以下では
濃い黄色であったが、約25℃で白色となった。そして
この変化は何度でも可逆的にくり返すことができた。而
も、トレーナーの感触、風合、耐摩擦性、耐洗濯性は何
れも実施例9と同様に良好であった。実施例13 実施例12と同様にして綿トレーナー(300部)の精
練及びカチオン化処理を行った後、よくすすいで脱水し
た。次に、この脱水した綿トレーナーが入っている容器
に水6000部を注ぎ、製造例3のサーモクロミックマ
イクロカプセル45部及びハイドランAP−2030部
(固形分:約9部)を加えて分散させた。この分散液を
徐々に昇温して80℃で15分間処理した後、綿トレー
ナーを脱水し、十分に乾燥した。このトレーナーは、実
施例12のものと同様の色彩変化を示し、感触、風合、
耐摩擦性、耐洗濯性も同様に良好であった。
【0069】実施例14 まず、綿トレーナー(300部)を精練し、糊や不純物
を取除いた。次に、10リットル容器に、水6000
部、CGC−102(商品名;カチオン性アクリル酸樹
脂エマルジョン:住友化学工業社製)30部(固形分約
12部)及びエチレングリコール15部を加え、この液
に前記トレーナーを浸漬し、70℃で15分間処理した
後、よくすすいで脱水した。次に、この容器に水600
0部を注ぎ、製造例3のサーモクロミックマイクロカプ
セル45部及びPGブルーMI−IB(商品名;平均粒
径約0.2μmの青系有機顔料を約20重量%含む水系
分散液:松井色素化学工業所社製)6部を加えて分散さ
せた。この分散液を徐々に昇温して80℃で15分間処
理した後、綿トレーナーをよくすすいで脱水乾燥し、更
に130℃で3分間熱処理した。
【0070】このトレーナーは、気温約20℃以下で
は、有機顔料の青色とサーモクロミックマイクロカプセ
ルの黄色とが混色して濃い緑色であったが、約25℃以
上では、サーモクロミックマイクロカプセルが消色して
青色となった。この変化は何度でも可逆的にくり返すこ
とができ、而も、トレーナーの感触、風合、耐摩擦性、
耐洗濯性は何れも実施例12と同様に良好であった。実施例15 実施例12において用いたのと同様のトレーナを精練
し、容器に水6000部及びKAYARUS Black G conc(商
品名;直接染料:日本化薬社製)6部を加えてこのトレ
ーナーを浸漬し、昇温して90℃で5分間処理し、水で
すすぎ、続いて脱水することによってこのトレーナーを
黒色に地染めした。次いで、製造例3のサーモクロミッ
クマイクロカプセルを後述する液晶を内包するサーモク
ロミックマイクロカプセルを40重量%含む分散液に代
える以外は実施例12と同様に前記黒色トレーナーを処
理した。
【0071】このトレーナーは、約18〜30℃で赤、
黄、緑、青、紫に鮮明に可逆的変化を示した。その品質
も実施例12のトレーナーと同様に良好であった。な
お、上記液晶を内包するサーモクロミックマイクロカプ
セルは、コレステロールノナネート、コレステロールベ
ンゾエート及びコレステロールオレイルカルボネートの
重量比が1:1:1の液晶とゼラチンとアラビアゴムを
用いてコアセレベーション法により得ることができる。実施例16 スミスドラム染色機中でコットンジーンズを精練した。
次に、このジーンズに対して2重量%のアミゲンNF及
びジーンズに対して10重量%のCGC−102(固形
分:ジーンズに対し約4重量%)を含む浴比1:15の
液中に、このジーンズを絞った状態で浸漬し、30℃で
2分間処理した。引き続き、ジーンズに対して0.3重
量%のNaOHを加えて、その温度で更に10分間浸漬
した後、ジーンズを濯ぎ、脱水した。
【0072】次に、このジーンズに対して10重量%の
製造例3のサーモクロミックマイクロカプセル及び4重
量%のPGブルーMI−IBを含む浴比1:15の液中
に、このジーンズを浸漬し、75℃で約10分間処理し
た後、濯いで自然乾燥した。そして更に、140℃で3
分間の熱処理を行った。このジーンズは、約20℃以下
では顔料の青色とサーモクロミックマイクロカプセルの
黄色が混色した濃い緑色と白色のストライプ柄であった
が、約25℃以上ではサーモクロミックマイクロカプセ
ルが消色して青色と白色のストライプ柄となった。この
変化は何度でも可逆的にくり返すことができ、ジーンズ
の感触、風合は処理前のジーンズとほとんど遜色なく良
好で、耐摩擦性、耐洗濯性は何れも実施例12と同様に
良好であった。比較例2〜5 カチオン性化合物を用いないこと以外は、実施例1、実
施例6、実施例8及び実施例10とそれぞれ同様にして
処理した。得られた各製品は、何れも発色濃度が実施例
の布帛に比べ10%前後しかなく、商品価値は認められ
なかった。

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロース繊維を有してなる繊維製品をカ
    チオン性化合物で処理する工程と、そのように処理され
    た繊維製品を、高分子化合物中に熱または光可逆変色性
    の材料を含有してなる可逆変色性微粒子を含む分散液中
    に浸漬して処理する工程とを有してなる染色方法。
  2. 【請求項2】セルロース繊維を有してなる繊維製品をカ
    チオン性化合物で処理する工程と、そのように処理され
    た繊維製品を、高分子化合物中に熱または光可逆変色性
    の材料を含有してなる可逆変色性微粒子を含む分散液中
    に浸漬して処理する工程と、その分散液中に染色物の風
    合及び感触を損なわない量のバインダーを加えて更に処
    理する工程とを有してなる染色方法。
  3. 【請求項3】セルロース繊維を有してなる繊維製品をカ
    チオン性化合物で処理する工程と、そのように処理され
    た繊維製品を、高分子化合物中に熱または光可逆変色性
    の材料を含有してなる可逆変色性微粒子を含む分散液中
    に浸漬して処理する工程と、その繊維製品を染色物の風
    合及び感触を損なわない量のバインダーを含む水中に浸
    漬して更に処理する工程とを有してなる染色方法。
  4. 【請求項4】セルロース繊維を有してなる繊維製品をカ
    チオン性化合物で処理する工程と、そのように処理され
    た繊維製品を、高分子化合物中に熱または光可逆変色性
    の材料を含有してなる可逆変色性微粒子並びに染色物の
    風合及び感触を損なわない量のバインダーを含む分散液
    中に浸漬して処理する工程とを有してなる染色方法。
  5. 【請求項5】セルロース繊維を有してなる繊維製品を、
    カチオン性化合物並びに染色物の風合及び感触を損なわ
    ない量のバインダーで処理する工程と、そのように処理
    された繊維製品を、高分子化合物中に熱または光可逆変
    色性の材料を含有してなる可逆変色性微粒子を含む分散
    液中に浸漬して処理する工程とを有してなる染色方法。
  6. 【請求項6】セルロース繊維を有してなる繊維製品を染
    色物の風合及び感触を損なわない量のカチオン性のバイ
    ンダーで処理する工程と、そのように処理された繊維製
    品を、高分子化合物中に熱または光可逆変色性の材料を
    含有してなる可逆変色性微粒子を含む分散液中に浸漬し
    て処理する工程とを有してなる染色方法。
  7. 【請求項7】上記繊維製品が予め着色されたものである
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又
    は請求項6記載の染色方法。
  8. 【請求項8】上記可逆変色性微粒子として、高分子化合
    物中に熱可逆変色性の材料を含有してなるものと高分子
    化合物中に光可逆変色性の材料を含有してなるものの両
    者を用いる請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、
    請求項5又は請求項6記載の染色方法。
  9. 【請求項9】上記可逆変色性微粒子が、酸顕色性物質、
    酸性物質及び溶媒の3成分混合物;酸顕色性物質及び酸
    性物質の2成分混合物並びにコレステリック液晶からな
    る群から選ばれた熱可逆変色性の材料が合成樹脂中に分
    散したマトリックスである請求項1、請求項2、請求項
    3、請求項4、請求項5又は請求項6記載の染色方法。
  10. 【請求項10】上記可逆変色性微粒子が、酸顕色性物
    質、酸性物質及び溶媒の3成分混合物;酸顕色性物質及
    び酸性物質の2成分混合物並びにコレステリック液晶か
    らなる群から選ばれた熱可逆変色性の材料が高分子化合
    物のマイクロカプセルに内包されたものである請求項
    1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求
    項6記載の染色方法。
  11. 【請求項11】上記可逆変色性微粒子が、有機フォトク
    ロミック物質が合成樹脂中に分散したマトリックスであ
    る請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5
    又は請求項6記載の染色方法。
  12. 【請求項12】上記可逆変色性微粒子が、有機フォトク
    ロミック物質が合成樹脂中に分散したマトリックスが高
    分子化合物のマイクロカプセルに内包されたものである
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又
    は請求項6記載の染色方法。
  13. 【請求項13】上記可逆変色性微粒子が、有機フォトク
    ロミック物質が媒体中に溶解または分散した混合物が高
    分子化合物のマイクロカプセルに内包されたものである
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又
    は請求項6記載の染色方法。
  14. 【請求項14】上記分散液が可逆変色性微粒子と共に顔
    料を含む請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請
    求項5又は請求項6記載の染色方法。
  15. 【請求項15】セルロース繊維を有してなりカチオン性
    化合物で処理された繊維製品が、高分子化合物中に熱ま
    たは光可逆変色性の材料を含有してなる可逆変色性微粒
    子によって染色されたことを特徴とする染色物。
  16. 【請求項16】セルロース繊維を有してなりカチオン性
    化合物で処理された繊維製品が、高分子化合物中に熱ま
    たは光可逆変色性の材料を含有してなる可逆変色性微粒
    子によって染色されると共に、染色物の風合及び感触を
    損なわない量のバインダーによって処理されたことを特
    徴とする染色物。
  17. 【請求項17】セルロース繊維を有してなり染色物の風
    合及び感触を損なわない量のカチオン性のバインダーで
    処理された繊維製品が、高分子化合物中に熱または光可
    逆変色性の材料を含有してなる可逆変色性微粒子によっ
    て染色されたことを特徴とする染色物。
  18. 【請求項18】上記繊維製品が予め着色されたものであ
    る請求項15、請求項16又は請求項17記載の染色
    物。
  19. 【請求項19】上記可逆変色性微粒子として、高分子化
    合物中に熱可逆変色性の材料を含有してなるものど高分
    子化合物中に光可逆変色性の材料を含有してなるものの
    両者が併用された請求項15、請求項16又は請求項1
    7記載の染色物。
  20. 【請求項20】上記可逆変色性微粒子が、酸顕色性物
    質、酸性物質及び溶媒の3成分混合物;酸顕色性物質及
    び酸性物質の2成分混合物並びにコレステリック液晶か
    らなる群から選ばれた熱可逆変色性の材料が合成樹脂中
    に分散したマトリックスである請求項15、請求項16
    又は請求項17記載の染色物。
  21. 【請求項21】上記可逆変色性微粒子が、酸顕色性物
    質、酸性物質及び溶媒の3成分混合物;酸顕色性物質及
    び酸性物質の2成分混合物並びにコレステリック液晶か
    らなる群から選ばれた熱可逆変色性の材料が高分子化合
    物のマイクロカプセルに内包されたものである請求項1
    5、請求項16又は請求項17記載の染色物。
  22. 【請求項22】上記可逆変色性微粒子が、有機フォトク
    ロミック物質が合成樹脂中に分散したマトリックスであ
    る請求項15、請求項16又は請求項17記載の染色
    物。
  23. 【請求項23】上記可逆変色性微粒子が、有機フォトク
    ロミック物質が合成樹脂中に分散したマトリックスが高
    分子化合物のマイクロカプセルに内包されたものである
    請求項15、請求項16又は請求項17記載の染色物。
  24. 【請求項24】上記可逆変色性微粒子が、有機フォトク
    ロミック物質が媒体中に溶解または分散した混合物が高
    分子化合物のマイクロカプセルに内包されたものである
    請求項15、請求項16又は請求項17記載の染色物。
  25. 【請求項25】セルロース繊維を有してなりカチオン性
    化合物で処理された繊維製品が、高分子化合物中に熱ま
    たは光可逆変色性の材料を含有してなる可逆変色性微粒
    子及び顔料によって染色されたことを特徴とする染色
    物。
  26. 【請求項26】セルロース繊維を有してなりカチオン性
    化合物で処理された繊維製品が、高分子化合物中に熱ま
    たは光可逆変色性の材料を含有してなる可逆変色性微粒
    子及び顔料によって染色されると共に、染色物の風合及
    び感触を損なわない量のバインダーによって処理された
    ことを特徴とする染色物。
  27. 【請求項27】セルロース繊維を有してなり染色物の風
    合及び感触を損なわない量のカチオン性のバイングーで
    処理された繊維製品が、高分子化合物中に熱または光可
    逆変色性の材料を含有してなる可逆変色性微粒子及び顔
    料によって染色されたことを特徴とする染色物。
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