JP2000297248A - 有機薄膜、その製造方法及びその製造装置と、液晶配向膜、その製造方法及びその製造装置と、液晶配向膜を用いた液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents

有機薄膜、その製造方法及びその製造装置と、液晶配向膜、その製造方法及びその製造装置と、液晶配向膜を用いた液晶表示装置及びその製造方法

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JP2000297248A JP2000032858A JP2000032858A JP2000297248A JP 2000297248 A JP2000297248 A JP 2000297248A JP 2000032858 A JP2000032858 A JP 2000032858A JP 2000032858 A JP2000032858 A JP 2000032858A JP 2000297248 A JP2000297248 A JP 2000297248A
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強 上村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境に対する負荷を低減した有機薄膜の製造プ
ロセスを提供する。 【解決手段】有機薄膜の製造方法は、活性水素を有する
官能基に対して反応性を示す官能基を備えた分子群を基
材に接触させることにより、該基材上に結合させて、該
分子群からなる被膜を形成する被膜形成工程S1と、上
記基材に結合されない上記分子を、ケトン類、アルキレ
ングリコール類及びアルコキシアルコール類からなる群
より選ばれる少なくとも一種を含む洗浄剤で除去する除
去工程S2とを有することを特徴とする。これにより、
塩素系有機溶剤を使用することなく膜厚の均一な有機薄
膜を形成できる等、環境に対する負荷を低減した有機薄
膜の製造プロセスを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスやセラミッ
クス等の基材表面に形成する有機薄膜、その製造方法及
びその製造装置に関するものである。又、液晶に対する
配向能を備えた液晶配向膜、その製造方法及びその製造
装置と、該液晶配向膜を備えた液晶表示装置及びその製
造方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より有機薄膜を製造する方法として
は、例えばクロロシラン系界面活性剤等を基材表面に化
学吸着させる方法が知られている。この方法の詳細につ
いては、例えば特開平3−7913号公報、特開平3−
230156号公報、特開平4−330925号公報、
日本国特許第2,028,662号、第2,598,8
67号及び第2,638,446号等に開示されてい
る。
【0003】上記公報に記載されている方法では、膜形
成分子を基材表面上に吸着固定させた後、未吸着分子を
除去する洗浄工程を行っているが、この洗浄工程に於け
る洗浄の程度を適正に行うことにより超薄膜である単分
子膜を形成することが可能となる。
【0004】そしてこのような洗浄には従来より、上記
した何れの公報に記載された洗浄工程においても、その
洗浄剤にクロロホルムが使用されている。その理由は、
クロロホルムが以下に述べる、2つの大きな特徴を有し
ているからである。即ち、1.有機化合物に対する溶解
能が大きい。2.沸点が61℃と低いので、蒸発させる
ことにより簡単に除去できる。
【0005】しかしながら、上記クロロホルムは毒性が
高いことで知られている。又、オゾン層を破壊する原因
としても知られており、環境負荷の非常に大きな物質で
ある。
【0006】他方、例えば特開平6−45142号公
報、特開平6−187692号公報、特開平6−312
477号公報等では、クロロホルムの代替洗浄剤とし
て、エーテル類、ラクトン類、エステル類、ニトリル
類、アミド類等が開示されているが、これらの洗浄剤で
は洗浄力の点で疑問が残る。実際においてもこれらの代
替洗浄剤は使用されておらず、洗浄剤として優れていな
かった。
【0007】以上のことから、環境に対する負荷がな
く、塩素系溶剤と同等の洗浄力を有する代替洗浄剤を用
いた有機薄膜の製造プロセスの確立が嘱望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一群の本発明は、この
ような従来技術の課題を解決すべくなされたものであ
り、その第1の目的は、塩素系溶剤以外の洗浄剤にて洗
浄する洗浄工程を含む有機薄膜の製造方法と、この方法
により成膜された有機薄膜と、この方法に於いて使用す
る製造装置とを提供することにある。
【0009】又、一群の本発明は、このような従来技術
の課題を解決すべくなされたものであり、その第2の目
的は、塩素系溶剤以外の洗浄剤にて洗浄する洗浄工程を
含む液晶配向膜の製造方法と、この方法により成膜され
た液晶配向膜と、この方法に於いて使用する製造装置と
を提供することにある。
【0010】更に、第3の目的は、前記液晶配向膜を備
えた液晶表示装置と、その製造方法とを提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】[有機薄膜、その製造方
法及びその製造装置]本願発明者等は、上記従来の問題
点を解決すべく、有機薄膜の製造方法について鋭意検討
した。その結果、基材表面に分子群が結合されてなる有
機薄膜に対して、ケトン類、アルキレングリコール類又
はアルコキシアルコール類を含む洗浄剤にて洗浄等する
と、上記基材に結合されない上記分子を除去することが
でき、塩素系溶剤の洗浄剤にて洗浄した場合と同様の効
果を有することを見出して、本発明を完成するに至っ
た。
【0012】(1)有機薄膜 上記の課題を解決する為に、本発明に係る有機薄膜は、
基材上に結合された分子群からなる有機薄膜であって、
上記有機薄膜は、活性水素を備えた官能基に対して反応
性を示す官能基を有する分子群を、該基材面に接触させ
て結合させた後、上記基材に結合されない上記分子群
を、ケトン類、アルキレングリコール類及びアルコキシ
アルコール類からなる群より選ばれる少なくとも一種を
含む洗浄剤で除去して得られたものであることを特徴と
する。
【0013】上記構成の有機薄膜は、一端が基材面に結
合し、他端が基材面から離れる方向に突出した状態で基
材面に沿って配列した分子群からなる。そして、上記洗
浄剤により、基材に結合されない分子(以下、未固定分
子と称することもある)が除去されてなる有機薄膜は、
分子群が基材面に乱れた状態となることなく、均一な膜
構造とすることができる。
【0014】又、上記活性水素を備えた官能基に対して
反応性を示す官能基は、下記一般式(1)で表される官
能基群から選ばれる1種の官能基とすることができる。
【化9】 (式中、Aはケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン及び
ジルコニウムからなる群より選ばれる1種の原子を表
し、Xはハロゲン、アルコキシ基及びイソシアネート基
から選ばれる1種の官能基を表している。) 尚、上記「基材上に」とは、上記分子群が基材表面に直
接固定される場合に限定されるものではなく、他の物質
層を介して固定される場合も含む意味である。
【0015】(2)有機薄膜の製造方法 上記の課題を解決する為に、本発明に係る有機薄膜の製
造方法は、活性水素を有する官能基に対して反応性を示
す官能基を備えた分子群を基材に接触させることによ
り、該基材上に結合させて、該分子群からなる被膜を形
成する被膜形成工程と、上記基材に結合されない上記分
子を、ケトン類、アルキレングリコール類及びアルコキ
シアルコール類からなる群より選ばれる少なくとも一種
を含む洗浄剤で除去する除去工程と、を含むことを特徴
とする。
【0016】上記分子は、下記一般式(1)で表される
官能基群から選ばれる1種の官能基を有するものとする
ことができる。
【化10】 (式中、Aはケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン及び
ジルコニウムからなる群より選ばれる1種の原子を表
し、Xはハロゲン、アルコキシ基及びイソシアネート基
から選ばれる1種の官能基を表している。)
【0017】上記被膜形成工程にて上記一般式(1)で
表される官能基群から選ばれる1種の官能基を有する分
子群を、基材表面に固定させて被膜を形成すると、該被
膜の表面には基材に結合されない分子(未固定分子)が
残存する。この未固定分子は、除去工程にてケトン類、
アルキレングリコール類及びアルコキシアルコール類か
らなる群より選ばれる少なくとも一種を含む洗浄剤を用
いることにより、容易に除去することができる。これ
は、ケトン類等が未固定分子に対する溶解能に優れてい
ることによる。これにより、基材表面には少なくとも該
基材に固定した上記分子群からなる有機薄膜が形成さ
れ、一様な膜厚を有する有機薄膜の製造が可能となる。
【0018】上記ケトン類としては、アセトン、メチル
エチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン及びアセチルアセトンからなる群より選ばれる少なく
とも1種の化合物を使用できる。
【0019】これらの化合物群は、前記一般式(1)で
表される官能基群から選ばれる1種の官能基を有する分
子群に対する溶解能に優れている。従って、洗浄力に優
れた上記化合物群を用いた上記の方法によれば、上記分
子の種類や洗浄条件等を勘案して、最適なケトン類を必
要に応じて選択することにより、未固定分子を除去した
膜厚の均一な有機薄膜を形成することができる。
【0020】又、上記アルキレングリコール類としてポ
リエチレングリコールを用いることができる。
【0021】上記ポリエチレングリコールは、前記一般
式(1)で表される官能基群から選ばれる1種の官能基
を有する化合物に対する溶解能に優れている。従って、
洗浄力に優れているポリエチレングリコールを用いた上
記の方法によれば、未固定分子の除去が一層容易にな
り、該未固定分子を除去した有機薄膜を形成することが
できる。
【0022】更に、上記ポリエチレングリコールの分子
量は100以上、300以下の範囲内とすることができ
る。
【0023】これにより、低分子量のポリエチレングリ
コールを洗浄剤成分として使用するので、粘性が小さく
取り扱い性に優れた洗浄剤とすることができる。
【0024】又、上記洗浄剤として、塩素系溶剤を含ま
ないものを使用することができる。
【0025】上記の様に、除去工程において、ケトン
類、アルキレングリコール類及びアルコキシアルコール
類からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む洗浄剤
であって、塩素系溶剤が含まれない洗浄剤を使用する
と、環境に対する負荷を抑制することができる。しか
も、この洗浄剤は、従来の塩素系溶剤からなる洗浄剤と
比較して同程度の洗浄作用を被洗浄物、即ち未固定分子
に対して発揮するので、均一な膜厚を有する有機薄膜の
形成が可能である。よって、塩素系溶剤を使用しなくと
も一様な膜厚を有する有機薄膜を形成することができ、
環境に対する負荷を抑制した有機薄膜の製造プロセスを
提供することができる。
【0026】更に、上記除去工程の後に、上記基材に付
着した上記洗浄剤を除去する洗浄剤除去工程を行うこと
ができる。
【0027】これにより、形成された有機薄膜に洗浄剤
が残留することによって膜の品質に悪影響が及ぶのを防
止することができる。特に、撥水作用や親水性等の機能
を有した機能膜として形成する場合に、上記洗浄剤除去
工程を行えば、種々の機能の劣化を防止できる。
【0028】上記洗浄剤除去工程は、上記基材に付着し
た上記洗浄剤を水で洗い流すリンス工程と、上記基材に
付着した上記水を乾燥させる乾燥工程とを有していても
よい。
【0029】上記方法であると、基材表面に形成された
被膜に付着している上記洗浄剤を水により洗浄して除去
することができる。この結果、例えば分子がAX基を備
えている場合には、該被膜に残存しているAX基と水と
の間で縮合反応が引き起こされ、被膜を構成する分子に
ヒドロキシル基を導入することができる。更に、乾燥工
程にて基材を乾燥させることにより、該基材に付着した
水を除去することができる。一方で、この乾燥工程を行
うことにより、基材表面に結合した分子間で脱水反応を
促進させる面もあり、この結果架橋構造とすることがで
き、耐摩耗性や耐擦傷性等に優れた有機薄膜を製造する
ことができる。
【0030】上記基材として、その表面に活性水素を有
する官能基が存在するものを使用することができる。
【0031】上記の方法によれば、分子が前記一般式
(1)で表される官能基を有する場合に、この官能基
と、基材表面に於ける活性水素を有する官能基との間
で、HX分子が脱離して縮合反応を引き起こすことがで
きる。これにより、該一般式(1)で表される官能基を
有する分子を基材表面に結合させることができる。
【0032】更に、上記被膜形成工程及び除去工程は、
乾燥雰囲気中で行うことができる。
【0033】上記被膜形成工程を乾燥雰囲気中にて行う
ことにより、基材表面には単分子膜を形成し、更にこの
単分子膜の上に単分子膜状の分子層が何層にも累積した
累積膜が形成される。これは乾燥雰囲気中である為に、
雰囲気中の水分と上記一般式(1)で表される官能基と
が反応して架橋することを防ぐことによる。このように
して形成された被膜に対して、除去工程も乾燥雰囲気中
で行うので、上記累積膜の全て、或いは該累積膜のうち
何層かの分子層を容易に除去することができる。これ
は、除去工程に於いてもやはり乾燥雰囲気中で行う為
に、累積膜を形成する分子に於ける前記一般式(1)で
表される官能基と雰囲気中の水分との間で、HX分子の
脱離による縮合反応が起こるのを防ぐことができるから
である。よって、基材表面に固定している分子や固定さ
れていない分子が架橋することを防ぐことができ、単分
子膜状又は単分子膜状の分子層が複数累積した有機薄膜
を形成することができる。
【0034】更に、上記基材の表面に、上記一般式
(1)で表される官能基群から選ばれる1種の官能基を
有する分子群を、単分子膜状となるように固定させた、
そのような有機薄膜を形成することができる。
【0035】上記の方法によれば、単分子膜状の有機薄
膜を形成することできるので、前記一般式(1)で表さ
れる官能基を有する分子の分子設計を制御することによ
り、分子レベルでの膜厚の制御が容易に可能となる。こ
の結果、非常に薄い有機薄膜を所望の膜厚で製造するこ
とができる。
【0036】(3)有機薄膜の製造装置 上記の課題を解決する為に、本発明に係る有機薄膜の製
造装置は、活性水素を有する官能基に対して反応性を示
す官能基を備えた分子群を基材に接触させることにより
該基材表面に結合させて、該分子群からなる被膜を形成
する被膜形成手段と、上記基材に結合されない上記分子
を、ケトン類、アルキレングリコール類及びアルコキシ
アルコール類からなる群より選ばれる少なくとも一種を
含む洗浄剤で除去する除去手段と、を有することを特徴
とする。
【0037】上記分子は、下記一般式(1)で表される
官能基群から選ばれる1種の官能基を有するものとする
ことができる。
【化11】 (式中、Aはケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン及び
ジルコニウムからなる群より選ばれる1種の原子を表
し、Xはハロゲン、アルコキシ基及びイソシアネート基
から選ばれる1種の官能基を表している。)
【0038】[液晶配向膜、その製造方法及びその製造
装置] (1)液晶配向膜 上記の課題を解決する為に、本発明に係る液晶配向膜
は、基板上に結合された分子群からなり、液晶分子を特
定の方向に配向させる液晶配向膜であって、上記液晶配
向膜は、活性水素を備えた官能基に対して反応性を示す
官能基を有する分子群を、該基板面に接触させて結合さ
せた後、上記基板に結合されない上記分子を、ケトン
類、アルキレングリコール類及びアルコキシアルコール
類からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む洗浄剤
で除去して得られたものであることを特徴とする。
【0039】上記構成の液晶配向膜は、一端が基板側に
結合し、他端が基板から離れる方向に突出した状態で基
板面に沿って配列した分子群からなる。そして、上記洗
浄剤を用いて洗浄された薄膜であるので、基板に結合さ
れない未固定分子が除去され均一な膜厚を有している。
【0040】又、従来、塩素系溶剤からなる洗浄剤(塩
素系洗浄剤)にて分子群が固定した基板を洗浄すると、
これらの分子群は乱れた状態で固定した膜構造となる場
合があった。これに対して、上記構成であると、液晶配
向膜は、塩素系溶剤からなる洗浄剤で洗浄された薄膜で
はないので、分子群が基板面に乱れた状態で固定した膜
構造となるのが防止され、分子群が均一に配列し整った
膜構造の有機薄膜とすることができる。
【0041】ここで、上記構成の液晶配向膜が単分子膜
である場合、近傍の液晶分子は膜構成分子との相互作用
により、基板に対しある傾き及び/又は配向方位に規制
される。
【0042】従って、上述のように、個々の分子が均一
に配列した整った膜構造であると優れた配向能を有し、
具体的には配列状態を乱すことなく液晶分子を配向させ
ることが可能となる。
【0043】尚、上記「基板上に」とは、分子が基板表
面に直接結合される場合に限定されるものではなく、電
極等の他の物質層を介して結合される場合も含む意味で
ある。
【0044】又、上記活性水素を備えた官能基に対して
反応性を示す官能基は、下記一般式(1)で表される官
能基群から選ばれる1種の官能基とすることができる。
【化12】 (式中、Aはケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン及び
ジルコニウムからなる群より選ばれる1種の原子を表
し、Xはハロゲン、アルコキシ基及びイソシアネート基
から選ばれる1種の官能基を表している。)
【0045】(2)液晶配向膜の製造方法 上記の課題を解決する為に、本発明に係る液晶配向膜の
製造方法は、活性水素を有する官能基に対して反応性を
示す官能基を備えた分子群を基材に接触させることによ
り、該基材上に結合させて、該分子群からなる被膜を形
成する被膜形成工程と、上記基材に結合されない上記分
子を、ケトン類、アルキレングリコール類及びアルコキ
シアルコール類からなる群より選ばれる少なくとも一種
を含む洗浄剤で除去する除去工程と、を含むことを特徴
とする。
【0046】上記分子は、下記一般式(1)で表される
官能基群から選ばれる1種の官能基を有するものとする
ことができる。
【化13】 (式中、Aはケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン及び
ジルコニウムからなる群より選ばれる1種の原子を表
し、Xはハロゲン、アルコキシ基及びイソシアネート基
から選ばれる1種の官能基を表している。)
【0047】上記被膜形成工程にて上記一般式(1)で
表される官能基群から選ばれる1種の官能基を有する分
子群を、基板表面に固定させて被膜を形成すると、該被
膜の表面には、未固定分子が残存する。ケトン類等はこ
の未固定分子に対して優れた溶解能を発揮する為、上記
洗浄剤を用いて洗浄することにより、容易に除去するこ
とができる。よって、基板表面には少なくとも該基板に
固定した上記分子群からなる液晶配向膜を環境に対する
負荷を抑制しつつ形成することができる。更に、上記方
法により形成される液晶配向膜は、均一な膜厚を有し、
かつ分子群が乱れることなく固定して均一な膜構造とす
ることができる。
【0048】(3)液晶配向膜の製造装置 上記の課題を解決する為に、本発明に係る液晶配向膜の
製造装置は、活性水素を有する官能基に対して反応性を
示す官能基を備えた分子群を基板に接触させることによ
り該基板表面に結合させて、該分子群からなる被膜を形
成する被膜形成手段と、上記基材に結合されない上記分
子を、ケトン類、アルキレングリコール類及びアルコキ
シアルコール類からなる群より選ばれる少なくとも一種
を含む洗浄剤で除去する除去手段と、を有することを特
徴とする。
【0049】上記分子は、下記一般式(1)で表される
官能基群から選ばれる1種の官能基を有するものとする
ことができる。
【化14】 (式中、Aはケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン及び
ジルコニウムからなる群より選ばれる1種の原子を表
し、Xはハロゲン、アルコキシ基及びイソシアネート基
から選ばれる1種の官能基を表している。)
【0050】[液晶表示装置及びその製造方法] (1)液晶表示装置 上記の課題を解決する為に、本発明に係る液晶表示装置
は、基板上に液晶分子を所定の方向に配向させる液晶配
向膜を備えた液晶表示装置であって、上記液晶配向膜
は、活性水素を備えた官能基に対して反応性を示す官能
基を有する分子群が、上記基板上に結合されてなる薄膜
であり、かつ、上記分子からなる群を上記基板に接触さ
せて結合させた後、該基板に結合されない上記分子を、
ケトン類、アルキレングリコール類及びアルコキシアル
コール類からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む
洗浄剤で除去して得られたものであることを特徴とす
る。
【0051】上記構成の液晶表示装置が有している液晶
配向膜は、上記洗浄剤を用いて洗浄された薄膜であるの
で、基板に結合されない分子は除去され、均一な膜厚を
有している。又、上記液晶配向膜は、従来の塩素系溶剤
からなる洗浄剤で洗浄された薄膜ではないので、分子群
が均一に配列し整った膜構造を有している。よって、配
列状態を乱すことなく液晶分子を配向させることが可能
である。即ち、上記の様な液晶配向膜を具備させること
により、上記構成の液晶表示装置は、液晶の配向欠陥等
が視認されず表示品位に優れたものとすることができ
る。
【0052】(2)液晶表示装置の製造方法 上記の課題を解決する為に、本発明に係る液晶表示装置
の製造方法は、基板上に結合された分子群からなり、液
晶分子を特定の方向に配向させる液晶配向膜を備えた液
晶表示装置の製造方法であって、上記基板に、活性水素
を有する官能基に対して反応性を示す官能基を備えた分
子群を接触させ、該基板表面に結合させて、該分子群か
らなる被膜を形成する被膜形成工程と、上記基材に結合
されない上記分子を、ケトン類、アルキレングリコール
類及びアルコキシアルコール類からなる群より選ばれる
少なくとも一種を含む洗浄剤で除去する除去工程と、を
含むことを特徴とする。
【0053】上記の方法によれば、膜厚が均一で配向能
に優れた液晶配向膜を備えた液晶表示装置を製造するこ
とができる。即ち、塩素系洗浄剤の代替洗浄剤として上
記洗浄剤を使用することにより、環境に対する負荷を抑
制しつつ、表示品位に優れた液晶表示装置の製造が可能
となる。
【0054】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の実施の
形態について、図1ないし図8に基づいて説明すれば以
下の通りである。但し、説明に不要な部分は省略し、
又、説明を容易にする為に拡大或いは縮小等して図示し
た部分がある。以上のことは以下の図面に対しても同様
である。
【0055】本発明に係る有機薄膜の製造方法は、活性
水素を有する官能基に対して反応性を示す官能基を備え
た分子群を基材に接触させることにより該基材表面に固
定させて、該分子群からなる被膜を形成する被膜形成工
程と、上記基材に固定しない上記分子を、ケトン類、ア
ルキレングリコール類及びアルコキシアルコール類から
なる群より選ばれる少なくとも一種を含む洗浄剤で除去
する除去工程とを含む点に特徴がある。
【0056】ここで、上記分子は、下記一般式(1)で
表される官能基群から選ばれる1種の官能基を有する分
子とすることができる。
【化15】 (式中、Aはケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン及び
ジルコニウムからなる群より選ばれる1種の原子を表
し、Xはハロゲン、アルコキシ基及びイソシアネート基
から選ばれる1種の官能基を表している。)
【0057】又、上記ハロゲンとは、F、Cl、Br又
はI等が挙げられるが、基材との反応性の観点からCl
が好ましい。
【0058】上記一般式(1)で表される官能基を有す
る分子としては、以下に列挙する官能基が該一般式
(1)で表される官能基と連結して構成される。
【0059】(a)メチル基、エチル基、n−プロピル
基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、
n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−
デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−ト
リデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル
基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オ
クタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、
フェニル基等の炭化水素基。
【0060】(b)上記(a)の炭化水素基の一部に炭
素−炭素二重結合若しくは炭素−炭素三重結合を含む炭
化水素基。
【0061】(c)上記(a)及び(b)の炭化水素基
に於ける水素が他の官能基(例えば、メチル基、ハロゲ
ン化メチル基、水酸基、シアノ基、アミノ基、イミノ
基、カルボキシル基、エステル基、チオール基、アルデ
ヒド基等)及び/又は原子(例えば、F、Cl、Br、
I等)に置換された官能基。
【0062】(d)上記(a)及び(b)の炭化水素基
に於けるC−C結合の一部がC−O−C(エーテル)結
合、C−CO−C−(カルボニル)結合又はC=N結合
に置換された官能基。尚、本発明に於いて、上記一般式
(1)で表される官能基と連結する官能基としては、上
記したものに限定されることはない。
【0063】以下に、本発明に係る有機薄膜の製造方法
について、図1を参照しながら詳述する。先ず、非水系
有機溶媒に前記一般式(1)で表される官能基を有する
分子(以下、単に吸着分子又は分子と称することもあ
る。)群が溶解した吸着溶液を作製する(吸着溶液作製
工程、S1)。この吸着溶液の作製に際しては、相対湿
度が35%以下の範囲内になるような乾燥雰囲気、例え
ば乾燥空気、乾燥窒素又は乾燥ヘリウム中で行われるの
が好ましい。
【0064】次に、上記吸着溶液作製工程にて作製した
吸着溶液を、予めよく洗浄することにより脱脂した基材
1に接触させると(被膜形成工程、S2)、前記一般式
(1)で表される官能基を有する分子群が該基材1表面
に化学吸着して固定される(図4参照)。より詳細に
は、前記一般式(1)で表される官能基を有する分子
と、上記基材表面に存在する活性水素を有する官能基と
の間で縮合反応が起こる。例えば、吸着分子が−AX3
基を有する分子であり、活性水素を有する官能基がヒド
ロキシル基である場合、下記化学反応式(2)に示す反
応が起こる。
【化16】 (式中、Aはケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン及び
ジルコニウムから選ばれる1種の原子を表しており、X
はハロゲン、アルコキシ基及びイソシアネート基から選
ばれる1種の官能基を表している。) この縮合反応の結果、HXが脱離して前記一般式(1)
で表される官能基を有する分子群が基材1表面に吸着す
る。尚、上記脱脂は、吸着溶液の基材1表面に対する付
着性能を向上させる為に行うものであり、その他にも従
来公知の方法にて表面処理を行ってもよい。
【0065】ここで、上記被膜形成工程を通常の湿度の
雰囲気中(即ち、大気中)で行うと、図5(a)に示す
ような薄膜3が基材1表面に形成される。より詳細に
は、基材1表面に吸着した吸着分子と、該基材1に吸着
しない未吸着分子とが結合し、更にこの未吸着分子に他
の未吸着分子が結合する等して鎖が形成され、ポリマー
ライクな構造となっている。そして、この鎖が基材1の
表面から上方に(大気中に)向かって長く延びる程屈曲
し、他の屈曲した鎖と3次元的に絡み合った状態で上記
薄膜3が形成されている。このような膜構造を有する薄
膜3が形成されるのは、以下に述べる理由による。即
ち、基材1表面に吸着しない未吸着分子は雰囲気中の水
分と反応し、HX分子が脱離される。この結果、該未吸
着分子にはOH基が導入される。そして、このOH基が
他の未吸着分子に於ける上記一般式(1)で表される官
能基(吸着部位)と反応する等して架橋結合する。よっ
て、上記したような構造の薄膜が形成される。ここで、
同図に示す薄膜は膜厚としては、吸着分子からなる単分
子膜が3層に積層した程度の厚みがあり、この場合には
本明細書では便宜的に3分子層と呼ぶ。一方、乾燥雰囲
気中(例えば、相対湿度35%以下)で行うと、図5
(b)に示すように、基材1表面には、単分子膜2が形
成され、更にこの単分子膜2表面に未吸着分子4が付着
した構造の薄膜が形成される。これは、乾燥雰囲気中で
ある為、未吸着分子4に於ける吸着部位が水分と反応せ
ず、前記一般式(1)で表される官能基を有した状態で
付着していることによる。
【0066】尚、前記一般式(1)で表される官能基を
有する分子を基材1表面に接触させる方法としては特に
限定されるものではなく、例えば予め作製しておいた吸
着溶液に基材1を浸漬させる方法や、該吸着溶液を基材
1に塗布する方法等が挙げられる。
【0067】又、上記基材1表面に存在する活性水素を
有する官能基としては、上記ヒドロキシル基の他に、例
えばカルボキシル基、スルフィン酸基、スルフォン酸
基、リン酸基、亜リン酸基、チオール基、アミノ基等が
挙げられる。更に、上記官能基の活性水素が、それぞれ
アルカリ金属又はアルカリ土類金属で置換された官能基
であってもよい。又、上記基材1表面に活性水素を有す
る官能基が存在しないか、或いはそれが少ない場合に
は、UV/オゾン処理、酸素プラズマ処理、過マンガン
酸カリウム溶液等の化合物酸化剤処理を行うことによ
り、該基材1表面を改質して上記官能基を導入し、或い
はその数を増やすことが好ましい。
【0068】続いて、少なくともケトン類、アルキレン
グリコール類及びアルコキシアルコール類からなる群よ
り選ばれる少なくとも一種を含む洗浄剤にて除去工程を
行う(S3)。この工程にて洗浄する主な対象は、上記
一般式(1)で表される官能基を有する分子のうち、基
材1表面に化学結合により固定せずに残存している未吸
着分子群である。より詳細には、図5(a)に於いて
は、基材1ではなく、この基材1上に形成された網目状
分子層3に於ける構成分子としての吸着分子に結合した
未吸着分子が洗浄の対象となる。又、図5(b)に於い
ては、単分子膜2表面に付着した未吸着分子4からなる
累積膜5が洗浄の対象となる。これらの未吸着分子群を
上記洗浄剤にて溶解させて除去することにより、均一な
膜厚を有する単分子膜状の有機薄膜を形成することがで
きる。
【0069】上記洗浄剤に含まれる洗浄成分としてのケ
トン類は、上記一般式(1)で表される官能基を有する
分子に対する溶解能に優れている。上記ケトン類として
は、具体的には、例えばアセトン、メチルエチルケト
ン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチ
ルアセトン等が挙げられる。
【0070】又、上記洗浄剤に含まれる洗浄成分として
のアルキレングリコール類としては、具体的には、例え
ばエチレングリコール類、プロピレングリコール類、ブ
チレングリコール類等が挙げられ、これらのうちエチレ
ングリコール類が最適である。上記エチレングリコール
類は、臭いが少なく無色であり、多くの各種有機溶剤、
水及び界面活性剤等と容易に混和する特徴を有している
からである。従って、洗浄剤設計には都合がよい。上記
エチレングリコール類としては、具体的には、例えばエ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等が好適
に使用できる。
【0071】更に、上記アルキレングリコール類として
は、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコ
ール類、ポリブチレングリコール類等のポリマーであっ
てもよい。上記ポリエチレングリコール類としては、具
体的には、例えばポリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ポリジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、ポリジエチレングリコール
モノエチルエーテルアセテート、ポリエチレングリコー
ルモノエチルエーテルアセテート、ポリエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート、ポリエチレングリコールモ
ノ−n−ブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノ
フェニルエーテル等が好適に使用できる。
【0072】上記アルキレングリコール類がポリマーの
場合、その分子量としては、2,000以下程度である
ことが好ましく、100〜300の範囲内であることが
より好ましい。分子量が2,000より大きい場合、粘
性が大きくなり過ぎて取り扱い性が低下する。但し、分
子量が約300以上のポリマーを使用する場合、水や、
アルコール等に溶解させて溶液として用いる方が洗浄剤
としては最適である。例えば、ポリマーとしてポリエチ
レングリコールを使用し、これを水に溶解させる場合に
は、ポリエチレングリコールの濃度としては10〜50
wt%程度であることが好ましく、一方アルコールに溶
解させる場合には10〜50wt%程度であることが好
ましい。
【0073】一方、上記アルコキシアルコール類として
は、特に限定されるものではなく、具体的には、例えば
メトキシアルコール、エトキシエタノール等が挙げられ
る。
【0074】ここで、本発明に係る洗浄剤は、上記ケト
ン類、アルキレングリコール類又はアルコキシアルコー
ル類の何れか一種を単独で用いた非水系の洗浄剤であっ
てもよい。
【0075】尚、上記除去工程は乾燥雰囲気中(相対湿
度35%以下)で行ってもよい。例えば、図5(a)に
示すような単分子膜2上に累積膜5が形成された被膜を
洗浄する場合、乾燥雰囲気中である為、雰囲気中の水分
と未吸着分子4に於ける上記一般式(1)で表される官
能基との間で、HX分子の脱離反応が生じる等して架橋
することを防ぐ。従って、洗浄剤の洗浄作用により累積
膜5を除去することができ、単分子膜状の有機薄膜を形
成することができる。又、上記除去工程を乾燥雰囲気中
で行う場合、洗浄剤も含水率の低いものを使用するのが
好ましい。具体的には、含水率が1.0%未満であれば
実用上問題のない場合が多いが、好ましくは0.1%未
満程度であればよく、より好ましくは、0.01%未満
程度がよい。含水率が上記数値範囲を越えると、未吸着
分子や吸着分子に於けるAX基が洗浄剤に含まれる水と
反応して架橋構造を形成するので、この場合にも単分子
膜を形成することができない。
【0076】上記除去工程にて行う具体的な洗浄方法と
しては、例えば洗浄剤が満たされた洗浄槽に基材1を静
かに浸漬させる方法の他に、該洗浄剤中に基材1を浸漬
させた状態で超音波を照射する等機械力を付与する方法
や、該洗浄剤自体の洗浄力を向上させる為に洗浄剤を加
熱する方法等が挙げられる。尚、超音波等の応力が基材
1にかかる場合には、応力が基材1に悪影響を与えない
様にする必要がある。
【0077】又、上記除去工程に於ける洗浄条件として
は特に限定されるものではなく、未吸着分子の被洗浄物
に対する付着の程度、被洗浄物の材質、形状、後工程へ
の影響等を考慮して、適宜必要に応じて設定すればよ
い。更に、洗浄剤の濃度や洗浄時間、洗浄回数等を変え
ることにより、例えば単分子膜状の有機薄膜だけでなく
2分子層に相当する膜厚を有する有機薄膜を形成するこ
とができる等、膜厚の制御が可能となる。つまり、未吸
着分子の残存の程度を制御することにより、膜厚を制御
する。例えば、所定濃度の洗浄剤が入っている洗浄槽を
3槽程度設け、各洗浄槽にて所定時間洗浄する等して洗
浄の程度を高めることにより、未吸着分子が殆ど取り除
かれ、単分子膜状の有機薄膜を得ることができる。その
一方、洗浄槽を1槽程度にして上記所定時間よりも短い
時間洗浄する等軽く洗浄するに留めた場合には、多くの
未吸着分子が残存している。このような状態で大気中に
曝すと、該未吸着分子が大気中の水分と反応して固定さ
れ、例えば、2分子層など数分子層に相当する膜厚の有
機薄膜が形成される。
【0078】更に、単分子膜状に形成された有機薄膜の
膜厚を制御する為には、基材1に吸着させる吸着分子の
分子設計を変更することにより、精度良く制御すること
も可能である。
【0079】次に、上記除去工程後、洗浄剤を除去する
洗浄剤除去工程を行ってもよい(S4)。この洗浄剤除
去工程は、主に洗浄剤をリンス剤で洗い流す第1洗浄剤
除去方法と、洗浄剤を乾燥して蒸発させる第2洗浄剤除
去方法とに分けられる。そして、第1洗浄剤除去方法
は、洗浄剤にケトン類、アルキレングリコール類及びア
ルコキシアルコール類からなる群より選ばれる少なくと
も一種が含まれる場合に採用できる。その一方、第2洗
浄剤除去方法は、洗浄剤にケトン類が含まれる場合に主
に採用できる。
【0080】上記第1洗浄剤除去方法は、洗浄剤をリン
ス剤にてリンスするリンス工程(S5)と、このリンス
剤を蒸発させることにより除去するリンス剤乾燥工程
(S6)とからなる(図2参照)。この第1洗浄剤除去
方法はAX基の残存している分子群が基材1表面に吸着
している場合、或いは安全上等の観点から洗浄剤として
比較的沸点の高い溶剤を使用する場合に行うのが好まし
い。前者の場合、残留した洗浄剤を除去すると共に、未
反応のAX基と水との間でHXの脱離反応を起こさせ、
吸着分子にOH基を導入することを目的としてリンス工
程は行われる(図6(a)参照)。従って、リンス剤と
しては水を使用するのが好ましい。更に、リンス剤乾燥
工程(S6)を行うことにより、OH基同士が脱水反応
して図6(b)に示す架橋構造を有する有機薄膜を形成
することができる。一方、後者の場合、被洗浄物に付着
している高沸点溶剤(洗浄剤)は常温にて乾燥蒸発が困
難な為、この高沸点溶剤を低沸点のリンス剤に置換させ
ることを主目的としている。この場合に使用する低沸点
のリンス剤としては、アセトンやアルコール等を用いる
ことができる。尚、上記リンス工程は上記除去工程と同
様に、超音波等の機械力を与えるとリンス効果を向上さ
せることができる。
【0081】又、上記第2洗浄剤除去方法は、洗浄剤を
蒸発させることにより除去する洗浄剤乾燥工程(S7)
と、基材1を水分に接触させる接触工程(S8)と、水
分を乾燥させる乾燥工程(S9)とからなる(図3参
照)。この第2洗浄剤除去方法は、例えばアセトンやメ
チルエチルケトンなど常温に於いて蒸発するような低沸
点の洗浄剤を使用する場合に行うのが好ましい。上記接
触工程は、基材1表面に吸着している分子群に残存して
いるAX基と水分とを反応させて、吸着分子にOH基を
導入する為に行われる。従って、水分と接触させる方法
としては、例えば空気中に放置して該空気中の水分と反
応させたり、直接水と反応させる方法が採用される。こ
の後、乾燥工程(S9)を行うことにより、OH基同士
が脱水反応して架橋構造を有する有機薄膜を形成するこ
とができる。
【0082】又、以上に説明した洗浄剤除去方法の他
に、基材1に吸着した吸着分子にはAX基が存在せず、
かつ常温に於いて蒸発するような低沸点の洗浄剤を使用
している場合には、除去工程の後単に洗浄剤を乾燥させ
るだけでよい。
【0083】尚、前記基材1としては、ガラス、金属、
金属酸化物、セラミックス、プラスチック、木材、石
材、繊維、紙及び高分子樹脂等からなる群より選ばれる
何れか1種の材料からなるものを適用できる。又、基材
1表面は、塗料等で塗装されていても構わない。これら
の材料からなる基材はその表面に活性水素を有する官能
基が存在するという点で類似の物性を有する。尚、基材
1の材料として特にプラスチック等を用いる場合は、プ
ラスチックの種類によっては基材1を変質させたり、溶
解等による損傷を与えたりする場合が考えられる。従っ
て、予め洗浄剤がプラスチックからなる基材1に上記の
ような作用を与えないことを確認したうえで使用する必
要がある。
【0084】以下に、本発明が適用可能な用途について
具体例を列挙するが、本発明はこれらに何ら限定される
ものではない。
【0085】(a)刃物の例:包丁、鋏、ナイフ、カッ
ター、彫刻刀、剃刀、バリカン、鋸、カンナ、ノミ、
錐、千枚通し、バイト、ドリルの刃、ミキサーの刃、ジ
ューサーの刃、製粉機の刃、芝刈り機の刃、パンチ、押
し切り、ホッチキスの刃、缶切りの刃又は手術用メス
等。
【0086】(b)針の例:鍼術用の針、縫い針、ミシ
ン針、フトン針、畳針、注射針、手術用針、安全ピン、
押しピン等。
【0087】(c)窯業製品の例:陶磁器製、ガラス
製、セラミックス製又はほうろうを含む製品等。例え
ば、衛生陶器(例えば、便器、洗面器、浴槽等)、食器
(例えば、茶碗、皿、どんぶり、湯呑み、コップ、瓶、
コーヒー沸かし容器、鍋、すり鉢、カップ等)、花器
(例えば、水盤、植木鉢、一輪差し等)、水槽(例え
ば、養殖用水槽、鑑賞用水槽等)、化学実験器具(例え
ば、ビーカー、反応容器、試験管、フラスコ、シャー
レ、冷却管、撹拌棒、スターラー、乳鉢、バット、注射
器等)、瓦、タイル、ほうろう製食器、ほうろう製洗面
器、ほうろう製鍋等。
【0088】(d)鏡の例:手鏡、化粧用コンパクト付
属鏡、姿見、浴室用鏡、洗面所用鏡、自動車用鏡(例え
ば、バックミラー、サイドミラー等)、交通用鏡(例え
ば、カーブミラー、反射鏡等)、ハーフミラー、ショー
ウィンドー用鏡、デパートの商品売り場の鏡等。
【0089】(e)成形用部材の例:プレス成型用金
型、鋳型成形用金型、射出成型用金型、トランスファー
成型用金型、真空成型用金型、吹き込み成型用金型、押
し出し成型用ダイ、インフレーション成型用口金、繊維
紡糸用口金、カレンダー加工用ロール等。
【0090】(f)装飾品の例:時計、宝石、真珠、サ
ファイア、ルビー、エメラルド、ガーネット、キャッツ
アイ、ダイアモンド、トパーズ、ブラッドストーン、ア
クアマリン、サードニックス、トルコ石、翡翠、大理
石、アメジスト、カメオ、オパール、水晶、ガラス、指
輪、腕輪、ネックレス、アンクレット、ブローチ、タイ
ピン、イヤリング、ピアス、貴金属装飾製品、白金、
金、銀、銅、アルミ、チタン、錫あるいはそれらの合金
やステンレス製、メガネフレーム等。
【0091】(g)食品成形用型の例:ケーキ焼成用
型、クッキー焼成用型、パン焼成用型、チョコレート焼
成用型、ゼリー成形用型、アイスクリーム成形用型、オ
ーブン皿、製氷皿等。
【0092】(h)調理器具の例:鍋、釜、やかん、ポ
ット、ボール、フライパン、ホットプレート、焼き物調
理用網、油切り、タコ焼きプレート、パン焼き機用釜、
餅つき機用釜、炊飯器釜、お玉杓子、泡たて器等。
【0093】(i)紙の例:グラビア紙、撥水撥油紙、
ポスター紙、高級パンフレット紙等。
【0094】(j)樹脂の例:ポリプロピレン、ポリエ
チレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリエステル、アラミド、ポリスチレン、ポリスル
フォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンスル
フィド、フェノール樹脂、フラン樹脂、ユリア樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリウレタン、ケイ素樹脂、ABS樹脂、
メタクリル酸樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、アクリ
ル酸樹脂、アクリル酸エステル樹脂、ポリアセタール樹
脂、ポリフェニレンオキサイド等。
【0095】(k)家庭電化製品の例:テレビジョン、
ラジオ、テープレコーダー、オーディオ、パーソナルコ
ンピュータ、コンパクトディスク(CD)、ミニディス
ク(MD)、デジタルビデオディスク(DVD)、冷凍
関係機器の冷蔵庫、冷凍庫、エアーコンディショナー、
ジューサー、ミキサー、ミルサー、洗濯機、掃除機、照
明器具、乾燥機、食器洗い機、ひげ剃り機、アンテナ、
扇風機の羽、文字盤、パーマ用ドライヤー等。
【0096】(l)スポーツ用品の例:スキー板、スノ
ーボード板、スケートボード板、釣り竿、釣り糸、漁
網、釣り浮き、棒高跳び用ポール、ボール、ヨット、ジ
ェットスキー、サーフボード、ゴルフボール、ボーリン
グのボール等。
【0097】(m)乗り物部品に適用する例: (1)ABS樹脂:ランプカバー、インストルメントパ
ネル、内装部品、オートバイのプロテクター (2)セルロースプラスチック:自動車のマーク、ハン
ドル (3)FRP(繊維強化樹脂):外板バンパー、エンジ
ンカバー (4)フェノール樹脂:ブレーキ (5)ポリアセタール:ワイパーギア、ガスバルブ、キ
ャブレター部品 (6)ポリアミド:ラジエーターファン (7)ポリアクリレート:方向指示レンズ、計器板レン
ズ、リレーハウジング (8)ポリブチレンテレフタレート:リヤエンド、フロ
ントフェンダー (9)ポリアミノビスマレイミド:エンジン部品、ギヤ
ボックス、ホイール、サスペンションドライブシステム (10)メタクリル樹脂:ランプカバーレンズ、計器
板、計器板カバー、センターマーク (11)ポリプロピレン:バンパー (12)ポリフェニレンオキサイド:ラジエーターグリ
ル、ホイールキャップ (13)ポリウレタン:バンパー、フェンダー、インス
トルメントパネル、ファン (14)不飽和ポリエステル樹脂:ボディー、燃料タン
ク、ヒーターハウジング、計器板等。
【0098】(n)事務用品の例:万年筆、ボールペ
ン、シャープペンシル、筆入れ、バインダー、机、椅
子、本棚、ラック、レターケース、電話台、物差し、製
図用具等。
【0099】(o)建材の例:屋根材、外壁材、内装
材。屋根材として、窯瓦、スレート瓦、トタン(亜鉛メ
ッキ鉄板)等。外壁材としては、木材(加工木材を含
む)、モルタル、コンクリート、窯業系サイジング、金
属系サイジング、レンガ、石材、プラスチック材料、ア
ルミ等の金属材料等。内装材としては、木材(加工木材
を含む)、アルミ等の金属材料、プラスチック材料、
紙、繊維等。
【0100】(p)石材の例:カコウ岩、大理石、御影
石等。例えば、建築物、建築材、芸術品、置物、風呂、
墓石、記念碑、門柱、石垣、敷石等。
【0101】(q)楽器及び音響機器の例:打楽器、弦
楽器、鍵盤楽器、管楽器等の楽器、及びマイクロフォ
ン、スピーカー等の音響機器等。例えば、ドラム、シン
バル、パーカッション、バイオリン、チェロ、ギター、
琴、ピアノ、オルガン、アコーディオン、ハーモニカ、
フルート、尺八、ホルン等。
【0102】(r)その他、魔法瓶、真空系機器、電力
送電用碍子又はスパークプラグ等の撥水撥油防汚効果の
高い高耐電圧性絶縁碍子等。
【0103】尚、本願発明者等は日本国特許第2,59
8,867号に於いて、膜密度を向上させた化学吸着膜
及びその製造方法について開示している。この公報にて
開示されている化学吸着膜の製造方法は、吸着反応と、
未反応吸着分子を除去する為の洗浄とを交互に繰り返す
ことにより化学吸着剤を基体及び化学吸着膜に固定さ
せ、膜密度の高い化学吸着膜を形成するというものであ
る。又、洗浄には非水系溶液を用いているが、形成され
る化学吸着膜は以下に述べる点で本願発明の有機薄膜と
膜構造が異なる。
【0104】即ち、上記方法にて形成される化学吸着膜
は、基材表面の活性水素を有する官能基が存在しない部
分でも、基材に最初に吸着した化学吸着幹分子に化学吸
着グラフト分子を結合させる為、化学吸着膜の構成分子
間距離が短くなり膜密度の高い構造となっている。しか
も、化学吸着グラフト分子には、化学吸着幹分子等との
結合に用いられなかった水酸基が結合したままであり、
よって化学吸着膜の膜中には多数の水酸基が取り残され
ている。
【0105】一方、本願発明の有機薄膜は、ほとんどの
膜形成分子が基材表面に吸着しているので、膜密度は上
記化学吸着膜と比較して低い。又、製造プロセスに於い
て乾燥工程を行い、膜中に存在する水酸基同士を脱水反
応させて架橋結合させているので、上記化学吸着膜と比
較して水酸基の存在確率は低い。
【0106】以上のことから本願発明は、上記公報に記
載されている化学吸着膜とは本質的に膜構造の異なる有
機薄膜に関して、製造プロセスを確立したものである。
【0107】又、本発明に係る有機薄膜の製造装置は、
被膜形成手段と、除去手段とを備えて構成されている
(図7参照)。更に、被膜形成手段と除去手段との間に
は、例えば従来公知の搬送装置等からなる基材の受け渡
し手段52を設けることも可能である。
【0108】上記被膜形成手段は、吸着溶液を基材上に
塗布する等して、該吸着溶液に含まれている吸着分子群
を基材上に吸着固定させて被膜を形成する機能を有して
いる。該被膜形成手段としては、具体的には、例えばス
ピン式又はローラ式等の塗布装置等が挙げられる。
【0109】上記除去手段は、ケトン類、アルキレング
リコール類及びアルコキシアルコール類からなる群より
選ばれる少なくとも一種を含む洗浄剤にて被洗浄物を洗
浄する機能を有する。ここで、洗浄の対象となるのは、
基材上に付着して残存している未吸着の吸着分子(未固
定分子)である。
【0110】又、上記被膜形成手段と除去手段とは同一
の密閉系に含み構成されていてもよく、或いは個々に独
立して設けられていてもよい。
【0111】上記構成の様に、被膜形成手段と除去手段
とを同一の密閉系とすると、外気と遮断することができ
る。この結果、例えば乾燥雰囲気中で被膜形成工程及び
除去工程を行うことが可能となる(図7(a))。ここ
で、被膜形成手段と除去手段とを同一の密閉系に含み構
成されるとは、例えば被膜形成手段及び除去手段を内部
に設置可能な外気遮蔽手段51が有機薄膜の製造装置に
具備されている場合等を意味する。上記外気遮蔽手段5
1としては、その内部から外気を遮蔽できるものであれ
ば特に限定されるものではなく、例えば温度や湿度等の
制御が可能なチャンバーや処理室等が例示できる。尚、
上記外気遮蔽手段51としては、常温常圧に於いて湿度
の制御は勿論、内部の対流の制御も可能な対流制御手段
を設けることもできる。これにより、内部の湿度や対流
状態を制御することができ、作業の安全性が確保でき
る。安全性の確保が必要なのは、上記ケトン類、アルキ
レングリコール類又はアルコキシアルコール類のうち分
子量の小さい化合物の使用に際しては、これらを含有し
た洗浄剤は引火性を有する為注意を要するからである。
【0112】又、被膜形成手段と除去手段とは、上記し
た様に、相互に分離・独立した処理単位として構成する
こともできる(図7(b))。又、被膜形成工程及び除
去工程を乾燥雰囲気中で行いたい場合には、外気との隔
離と湿度等の制御とができる様に、各処理単位毎に外気
遮蔽手段が設けられている構成であってもよい。
【0113】尚、上記除去手段は、バッチ処理式でもよ
く、或いは流れ処理式でもよい。バッチ処理式として
は、被洗浄物としての基材を浸漬する浸漬法等が挙げら
れる。この浸漬法は、具体的には図8(a)に示すよう
に、上記洗浄剤32を洗浄槽31に満たすと共に、基材
34…をカセット33に載置し、このカセット33を洗
浄槽31に所定時間浸漬して洗浄するものである。
【0114】流れ処理式としては、例えば図8(b)に
示す様に、基材34…を搬送する搬送部41と、洗浄剤
を噴射する複数の噴射装置42…とからなる洗浄装置が
挙げられる。更に、上記噴射装置42は、門形アーチ状
の本体部43と、洗浄剤を霧状に又は液滴状に噴射する
ノズル43…とが設けられて構成されている。又、ノズ
ル43は、洗浄剤の噴射方向が直下方向と同様の方向と
なる様に設けられている。その一方、搬送部41は門形
アーチ状の本体部43の内側となる様に設置されてい
る。上記構成の洗浄装置に於いては、搬送部41上に載
置された基材34…は矢印Aで示す方向に搬送されると
共に、ノズル44…から洗浄剤が噴射されることにより
洗浄される。ここで、上記したパッチ処理式及び流れ処
理式はあくまでも例示であって上記の手段に限定される
ものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載された技
術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果
を奏するものは、いかなるものも本発明の技術的範囲に
包含される。
【0115】又、本発明に係る有機薄膜の製造装置は、
必要に応じて、基材に付着した洗浄剤を除去する為の洗
浄剤除去工程を行うべく、洗浄剤除去手段を設けること
も可能である(図7(a)及び図7(b))。更に、上
記洗浄剤除去手段としては、図7(c)に示すように、
リンス手段と乾燥手段とを有する構成であってもよい。
上記リンス手段としては、特に限定されるものではな
く、従来公知の種々のリンス装置を用いることができ
る。又、上記乾燥手段としては、特に限定されるもので
はなく、従来公知の種々の乾燥装置を用いることができ
る。中でも上記乾燥手段としては、常温風又は温風によ
るブローが好適に採用できる。
【0116】又、基材として紙や繊維等からなるものを
使用し、これに有機薄膜を形成する場合には、適宜必要
に応じて洗浄剤の種類や洗浄方法等を選択する必要があ
る。
【0117】(実施の形態2)また、本発明の有機薄膜
を液晶配向膜として液晶表示装置に適用する場合には、
該有機薄膜は以下の方法で製造することができる。
【0118】先ず、上記したのと同様の手順にて、例え
ばITO(インジウム錫酸化物)からなる電極等が形成
された基板を、上記吸着溶液に接触させて吸着分子を吸
着させる(S2、図1参照)。吸着分子がITO表面に
吸着できるのは、該ITO表面にはOH基が存在してお
り、かつ吸着分子はOH基等の活性水素を有する官能基
に対して反応性を示す官能基を具備するからである。こ
れにより、耐剥離性等に優れた薄膜の形成が可能とな
る。
【0119】又、ITO表面にOH基等が少ない場合に
は、エキシマUV処理、プラズマ処理等の処理を施すこ
とにより、ITO表面を改質してOH基等を増やした
り、或いは他の物質層(例えば、蒸着したSiO層等)
を基板上に形成し、この物質層を介して液晶配向膜を形
成するのが好ましい。
【0120】続いて、S3に於いて基板表面に残存する
未吸着分子を洗浄・除去する。これにより、残存する未
吸着分子(御子低分子)が除去され、膜厚の均一な薄膜
形成が可能になる。よって、残存する未吸着分子に起因
して生じる液晶の配列状態の乱れ、即ち配向欠陥を抑制
することができる。又、従来の例えばクロロホルム等の
洗浄剤による洗浄を行った場合には、この洗浄に起因し
て吸着分子の吸着状態の乱れが発生する問題が生じてい
た。しかし、上記除去工程に於いては、ケトン類、アル
キレングリコール類及びアルコキシアルコール類からな
る群より選ばれる少なくとも一種を含む洗浄剤にて洗浄
するので、吸着分子の吸着状態の乱れが発生し難く、吸
着分子群が均一に配列し整った膜構造することができ
る。
【0121】次いで、上述の有機薄膜の製造方法に於け
る場合と同様に、S4に於いて洗浄剤の除去等を行い、
これにより本発明に係る液晶配向膜を製膜することがで
きる。尚、更に必要に応じて液晶配向膜に、ラビング処
理等の配向処理を施してもよい。
【0122】以上のことから、本発明に係る液晶配向膜
の製造方法は、塩素系洗浄剤を使用せずに一様な膜厚を
有する液晶配向膜を、環境に対する負荷を抑制しつつ形
成することができる。
【0123】上記の様にして得られた液晶配向膜は、例
えば図9に示す態様の如く液晶表示装置に適用すること
ができる。即ち、本発明に係る液晶表示装置は、第1基
板61と、これと対をなす第2基板62と、第1基板6
1及び第2基板62の間に介在する液晶層63とを有す
る構成とすることができる。第1基板61の内側面に
は、TFT(薄膜トランジスタ)群64…及び第1電極
65が形成され、該第1電極65上には液晶配向膜66
が形成されている。上記第2基板62の内側面には、カ
ラーフィルター67が形成され、更に第2基板62及び
カラーフィルター67上には第2電極68が設けられて
いる。該第2電極68上には、液晶配向膜69が形成さ
れている。又、上記第1基板61及び第2基板62は、
シール材70により接着貼り合わせされ、液晶をパネル
内に封止保持されている。上記第1基板61の外側には
偏光板71が設けられ、第2基板62の外側には偏光板
72が設けられている。
【0124】上記第1基板61及び第2基板62は、例
えばガラス等からなる透明基板である。又、上記第1電
極65及び第2電極68は、例えばITOからなる透明
導電膜である。上記液晶層63は、例えばネマティック
液晶を含み構成されている。上記カラーフィルター67
は、R(赤)・G(緑)・B(青)の各ドットを含み構
成されている。
【0125】以上の様な構成の液晶表示装置であると、
液晶の配向欠陥等が視認されず表示品位に優れたものと
することができる。これは、上述の様に、液晶配向膜の
膜厚が均一であり、かつ吸着分子群も均一に整って吸着
した膜構造である結果、優れた配向能を発揮し、配列状
態を乱すことなく液晶分子を配向させることができるか
らである。
【0126】又、上記構成の液晶表示装置は、液晶配向
膜66・69を上述の方法にて製膜する以外は、従来公
知の方法を採用することにより作製することができる。
【0127】尚、本発明に係る液晶配向膜の製造装置
は、上述した有機薄膜の製造装置と同様の構成とするこ
とができる。よって、その詳細な説明は省略する。
【0128】
【実施例】以下に、図面を参照して、この発明の好適な
実施例を例示的に詳しく説明する。ここで、この実施例
に記載されている構成要素の材質、製造条件等は、特に
限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらの
みに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例に過ぎ
ない。
【0129】[第1実施例] (実施例1−1)先ず、ヘキサデカンにn−オクタデシ
ルトリクロロシランを約1重量%となるように溶解さ
せ、吸着溶液Aを調製した。
【0130】次に、十分に脱脂洗浄を施したガラス基板
11(2cm×5cm、厚み1.1mm)を、吸着溶液
Aに1時間浸漬させた。これにより、ガラス基板11表
面に存在するヒドロキシル基と、トリクロロシリル基と
が、下記化学反応式に示す脱塩酸反応を起こし、シロキ
サン結合を介して該ガラス基板11上に化学吸着した。
【化17】
【0131】続いて、相対湿度35%程度の空気中で、
洗浄剤としてのアセトンを十分な量(50ml〜100
ml)となるように洗浄槽に入れ、約45℃で加熱し
た。この洗浄槽の中でガラス基板11を十分に洗浄し
た。更に、ガラス基板11表面に付着したポリエチレン
グリコールを洗い流す為に、充分に水洗を行った。これ
により、洗浄剤を洗い流すと共に、ガラス基板11上に
化学吸着した分子に於ける未反応のCl基がOH基に置
換される。続いて、ガラス基板11を乾燥させた。これ
により、OH基同士が脱水反応を起こして架橋し、図1
0に示す単分子膜12がガラス基板11上に形成され
た。
【0132】ここで、フーリエ変換赤外分光法(以下、
FT−IRと略す。)にて単分子膜12を測定すると、
図11に示すように、2930〜2840cm-1(帰
属:CH3及び−CH2−)、1470cm-1(帰属:−
CH2−)、1080cm-1(帰属:−Si−O−)に
特徴的なシグナルが得られた。これにより、図10に示
す単分子膜12が形成されていることが確認された。
【0133】尚、本実施例に於ける除去工程は、相対湿
度5%以下のドライエアー中又は窒素中で行う方が良い
が、相対湿度35%以下の空気中であれば、良好な結果
が得られた。
【0134】(比較例1−1)本比較例1−1に於いて
は、洗浄剤としてクロロホルムを用いた他は、前記実施
例1−1と同様の工程を行うことによりガラス基板11
上に単分子膜12を成膜した。この単分子膜12につい
てFT−IR測定を行ったところ、図12に示されるよ
うに、前記図11に示す吸収スペクトルとほぼ同じ吸収
位置にほぼ同じ吸収強度のシグナルを得られた。
【0135】更に、実施例1−1と比較例1−1とにつ
いて詳細に比較検討した結果、両者には膜構造に於いて
以下に述べる相違点が見出された。即ち、図11及び図
12に示す吸収スペクトルに於いて、2920cm-1
CH2に逆対称伸縮振動に由来する吸収と、2860c
-1のCH2に対称伸縮振動に由来する吸収とを比較す
ると、その吸収比は、実施例1−1に係る図11に於い
ては2.2:1であり、比較例1−1に係る図12に於
いては2.0:1であった。このことは、実施例1−1
に係る単分子膜が、比較例1−1に係る単分子膜よりも
均一で整った膜構造であることを示している。なぜなら
ば、FT−IR測定方法に於いては、CH2の吸収比が
1:1に近づく程、膜形成分子(吸着分子)の吸着状態
が乱れた状態にあると判断され得るからである(T.Ohta
ke et al.,Langmuir,2081,8,1992)。
【0136】(実施例1−2)本実施例1−2に於いて
は、洗浄剤としてメチルエチルケトン(50ml〜10
0ml)を用いた他は、前記実施例1−1と同様の工程
を行うことによりガラス基板11上に単分子膜12を成
膜した。この単分子膜12についてFT−IR測定を行
ったところ、前記図11とほぼ同じ位置にほぼ同じ吸収
強度のシグナルを得られた。
【0137】(実施例1−3)先ず、シロキサン系溶媒
(商品名:KF96L、信越化学(株)製)/トルエン
(=10/1)に下記化学式(4)で表される化合物を
約1重量%となるように溶解させて、吸着溶液Bを調製
した。
【化18】
【0138】次に、十分に脱脂洗浄を施したガラス基板
11を窒素雰囲気中で、吸着溶液Bに1時間浸漬させ
た。これにより、上記化学式(4)で表される分子が、
下記化学式(5)に示すように、ガラス基板11上に化
学吸着した。
【化19】
【0139】次に、湿度35%の空気中、洗浄剤として
のアセトンを十分な量(50ml〜100ml)となる
ように洗浄槽に入れ、この洗浄槽の中でガラス基板11
を十分に洗浄した。更に、ガラス基板11表面に付着し
たアセトンを洗い流す為に、充分に水洗を行った。これ
により、洗浄剤を洗い流すと共に、ガラス基板11上に
化学吸着した分子に於ける未反応のCl基がOH基に置
換される。続いて、ガラス基板11を乾燥させた。これ
により、OH基同士が脱水反応を起こして架橋し、図1
3に示す単分子膜13がガラス基板11上に形成され
た。
【0140】ここで、FT−IRにて測定すると、図1
4に示すように、2920〜2840cm-1(帰属:−
CH2−)、1650cm-1(帰属:C=O)、160
0cm-1(帰属:ベンゼン骨格)、1345cm-1(帰
属:ベンゼン骨格)、1080cm-1(帰属:−Si−
O−)に特徴的なシグナルが得られた。これにより、膜
形成の確認がされた。
【0141】(比較例1−2)本比較例1−2に於いて
は、洗浄剤としてクロロホルムを用いた他は、前記実施
例1−3と同様の工程を行うことによりガラス基板11
上に単分子膜13を成膜した。この単分子膜13につい
てFT−IR測定を行ったところ、図15に示されるよ
うに、前記図14とほぼ同じ位置にほぼ同じ吸収強度の
シグナルを得られた。
【0142】更に、実施例1−3と比較例1−2とにつ
いて詳細に比較検討した結果、両者には膜構造に於いて
以下に述べる相違点が見出された。即ち、図14及び図
15に示す吸収スペクトルに於いて、2920cm-1
CH2に逆対称伸縮振動に由来する吸収と、2860c
-1のCH2に対称伸縮振動に由来する吸収とを比較す
ると、その吸収比は、実施例1−3に係る図14に於い
ては2.1:1であり、比較例1−2に係る図15に於
いては1.9:1であった。よって、実施例1−3に係
る単分子膜が、比較例1−2に係る単分子膜よりも均一
で整った膜構造であることが分かった。
【0143】(比較例1−3)本比較例1−3に於いて
は、洗浄剤として酢酸エチル又はギ酸エチルを用いた他
は、前記実施例1−3と同様の工程を行うことによりガ
ラス基板11上に単分子膜13を成膜した。この単分子
膜13の形成後空気中にさらすと、ガラス基板11表面
は一瞬にして白濁し、透明性を有する薄膜を成膜するこ
とは不可能であった。尚、上記酢酸エチル及びギ酸メチ
ルは特開平6−45142号公報、特開平6−3124
77号公報、特開平6−187692号公報等に記載さ
れている、カルボニル基を有するエステル類である。
【0144】(比較例1−4)本比較例1−4に於いて
は、洗浄剤としてトルエンを用いた他は、前記実施例1
−3と同様の工程を行うことによりガラス基板11上に
単分子膜13を成膜した。
【0145】ガラス基板11上に成膜された単分子膜1
3について観察したところ、ごく薄く雲が懸かったよう
に見えた。更に、この単分子膜13についてFT−IR
測定を行ったところ、図16に示されるように、前記図
14及び図15とは明らかに異なり、吸収強度の大きな
シグナルが得られた。このことは、洗浄剤としてトルエ
ンを用いた場合には、洗浄が不十分であることを示して
いる。
【0146】(比較例1−5)本比較例1−5に於いて
は、洗浄剤としてDMF(ジメチルフォルムアミド)を
用いた他は、前記実施例1−3と同様の工程を行うこと
によりガラス基板11上に単分子膜13を成膜した。
【0147】この単分子膜13について観察したとこ
ろ、無色透明に見えた。更に、この単分子膜13につい
てFT−IR測定を行ったところ、図17に示されるよ
うに、前記図14及び図15とは明らかに異なり、吸収
強度の大きなシグナルが得られた。このことは、洗浄剤
としてDMFを用いた場合には、洗浄が不十分であるこ
とを示している。
【0148】(結果)以上の結果から、有機薄膜を製造
するに際して、その除去工程にてアセトン又はメチルエ
チルケトンを洗浄剤として用いれば、クロロホルムと同
様の洗浄効果があることが確認された。更に、上記アセ
トンやメチルエチルケトンの他に、ジエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン又はアセチルアセトン等を使用し
た場合にも、クロロホルムを使用した場合と同様の洗浄
効果を奏することが確認された。一方、塩素系洗浄剤で
はないトルエンやDMFを洗浄剤として使用した場合と
比較して、洗浄作用に優れていることが確認された。よ
って、上記各実施例に係る洗浄剤は有機塩素系溶剤の代
替洗浄剤として有用であることが判明した。
【0149】[第2実施例] (実施例2−1)先ず、ヘキサデカンにn−オクタデシ
ルトリクロロシランを約1重量%となるように溶解させ
吸着溶液Aを調製した。
【0150】次に、十分に脱脂洗浄を施したガラス基板
21(20×7mm、厚み1.1mm)を、吸着溶液A
に1時間浸漬させた。これにより、ガラス基板21表面
に存在するヒドロキシル基と、トリクロロシリル基と
が、下記化学反応式に示す脱塩酸反応を起こし、シロキ
サン結合を介して該ガラス基板21上に化学吸着した。
【化20】
【0151】次に、相対湿度35%程度の空気中で、洗
浄剤としてのポリエチレングリコール(平均分子量30
0)を50ml(ガラス基板21が十分に浸かり、振り
払い洗浄が可能な程度の量)洗浄槽に入れ、約45℃で
加熱した。この洗浄槽の中でガラス基板21を3回洗浄
した。1回の洗浄に有する洗浄時間は1分間程度とし
た。更に、ガラス基板21表面に付着したポリエチレン
グリコールを洗い流す為に、水洗を行った。水洗は流水
下で約5分間置くことにより行った。これにより、洗浄
剤を洗い流すと共に、ガラス基板21上に化学吸着した
分子に於ける未反応のCl基がOH基に置換される。続
いて、ガラス基板21を乾燥させた。これにより、OH
基同士が脱水反応を起こして架橋し、図18に示す単分
子膜22がガラス基板21上に形成された。
【0152】ここで、単分子膜22についてフーリエ変
換赤外分光法(以下、FT−IRと略す。)にて測定す
ると、図19に示すように、2930〜2840cm-1
(帰属:CH3及び−CH2−)、1470cm-1(帰
属:−CH2−)、1080cm-1(帰属:−Si−O
−)に特徴的なシグナルが得られた。これにより、図1
8に示す単分子膜22が形成されていることが確認され
た。
【0153】尚、本実施例に於ける除去工程は、相対湿
度5%以下のドライエアー中又は窒素中で行う方が良い
が、相対湿度35%以下の空気中であれば、良好な結果
が得られた。
【0154】(比較例2−1)本比較例2−1に於いて
は、洗浄剤としてクロロホルムを用いた他は、前記実施
例2−1と同様の工程を行うことによりガラス基板21
上に単分子膜22を成膜した。この単分子膜22につい
てFT−IR測定を行ったところ、図20に示されるよ
うに、前記図19に示す吸収スペクトルとほぼ同じ吸収
位置にほぼ同じ吸収強度のシグナルを得られた。
【0155】更に、実施例2−1と比較例2−1とにつ
いて詳細に比較検討した結果、両者には膜構造に於いて
以下に述べる相違点が見出された。即ち、図19及び図
20に示す吸収スペクトルに於いて、2920cm-1
CH2に逆対称伸縮振動に由来する吸収と、2860c
-1のCH2に対称伸縮振動に由来する吸収とを比較す
ると、その吸収比は、実施例2−1に係る図19に於い
ては1.65:1であり、比較例2−1に係る図20に
於いては1.58:1であった。よって、実施例2−1
に係る単分子膜が、比較例2−1に係る単分子膜よりも
均一で整った膜構造であることが分かった。
【0156】(実施例2−2)先ず、シロキサン系溶媒
(商品名:KF96L、信越化学(株)製)/トルエン
(=10/1)に下記化学式(4)で表される化合物を
約1重量%となるように溶解させて、吸着溶液Bを調製
した。
【化21】
【0157】次に、十分に脱脂洗浄を施したガラス基板
21を窒素雰囲気中で、吸着溶液Bに1時間浸漬させ
た。これにより、上記化学式(4)で表される分子が、
下記化学式(5)に示すように、ガラス基板21上に化
学吸着した。
【化22】
【0158】次に、湿度50%の空気中、洗浄剤として
のグリコールエーテル(商品名:PK−LCG55、パ
ーカーコーポレーション製)(平均分子量200)を十
分な量となるように洗浄槽に入れ、約80℃で加熱し
た。この洗浄槽の中でガラス基板を十分に洗浄した。更
に、ガラス基板21表面に付着したポリエチレングリコ
ールを洗い流す為に、充分に水洗を行った。これによ
り、洗浄剤を洗い流すと共に、ガラス基板上に化学吸着
した分子に於ける未反応のCl基がOH基に置換され
る。続いて、ガラス基板21を乾燥させた。これによ
り、OH基同士が脱水反応を起こして架橋し、図21に
示す単分子膜23がガラス基板21上に形成された。
【0159】ここで、単分子膜23についてFT−IR
測定をすると、図22に示すように、2920〜284
0cm-1(帰属:−CH2−)、1650cm-1(帰
属:C=O)、1600cm-1(帰属:ベンゼン骨
格)、1345cm-1(帰属:ベンゼン骨格)、108
0cm-1(帰属:−Si−O−)に特徴的なシグナルが
得られた。これにより、膜形成の確認がされた。
【0160】(比較例2−2)本比較例2−2に於いて
は、洗浄剤としてクロロホルムを用いた他は、前記実施
例2−2と同様の工程を行うことによりガラス基板21
上に単分子膜23を成膜した。この単分子膜23につい
てFT−IR測定を行ったところ、図23に示されるよ
うに、前記図22に示す吸収スペクトルとほぼ同じ吸収
位置にほぼ同じ吸収強度のシグナルを得られた。
【0161】更に、実施例2−2と比較例2−2とにつ
いて詳細に比較検討した結果、両者には膜構造に於いて
以下に述べる相違点が見出された。即ち、図22及び図
23に示す吸収スペクトルに於いて、2920cm-1
CH2に逆対称伸縮振動に由来する吸収と、2860c
-1のCH2に対称伸縮振動に由来する吸収とを比較す
ると、その吸収比は、実施例2−2に係る図22に於い
ては1.8:1であり、比較例2−2に係る図23に於
いては1.7:1であった。よって、実施例2−2に係
る単分子膜が、比較例2−2に係る単分子膜よりも均一
で整った膜構造であることが分かった。
【0162】(実施例2−3)本実施例2−3に於いて
は、洗浄剤としてエトキシエタノールを用いた他は、前
記実施例2−2と同様の工程を行うことによりガラス基
板21上に単分子膜23を成膜した。この単分子膜23
についてFT−IR測定を行ったところ、図24に示さ
れるように、前記図22及び図23とほぼ同じ位置にほ
ぼ同じ吸収強度のシグナルを得られた。
【0163】(比較例2−3)本比較例2−3に於いて
は、洗浄剤としてトルエンを用いた他は、前記実施例2
−2と同様の工程を行うことによりガラス基板21上に
単分子膜23を成膜した。
【0164】ガラス基板21上に成膜された単分子膜2
3について観察したところ、ごく薄く雲が懸かったよう
に見えた。更に、この単分子膜23についてFT−IR
測定を行ったところ、図25に示されるように、前記図
22及び図23とは明らかに異なり、吸収強度の大きな
シグナルが得られた。このことは、洗浄剤としてトルエ
ンを用いた場合には、洗浄が不十分であることを示して
いる。
【0165】(比較例2−4)本比較例2−4に於いて
は、洗浄剤としてDMF(ジメチルフォルムアミド)を
用いた他は、前記実施例2−2と同様の工程を行うこと
によりガラス基板21上に単分子膜23を成膜した。
【0166】この単分子膜23について観察したとこ
ろ、無色透明に見えた。更に、この単分子膜23につい
てFT−IR測定を行ったところ、図26に示されるよ
うに、前記図22及び図23とは明らかに異なり、吸収
強度の大きなシグナルが得られた。このことは、洗浄剤
としてDMFを用いた場合には、洗浄が不十分であるこ
とを示している。
【0167】(結果)以上の結果から、有機薄膜を製造
するに際して、その除去工程にてポリエチレングリコー
ル、グリコールエーテル又はエトキシエタノールを洗浄
剤として用いれば、クロロホルムと同様の洗浄効果があ
ることが確認され、未吸着の分子が除去された均一な膜
厚の有機薄膜を製造することができた。一方、塩素系洗
浄剤ではないトルエンやDMF等の従来の代替洗浄剤を
使用した場合と比較して、上記洗浄剤は洗浄作用に優れ
ていることが確認された。よって、上記各実施例に係る
洗浄剤は有機塩素系溶剤の代替洗浄剤として有用である
ことが判明した。
【0168】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の構成によれ
ば、本発明の課題を十分に達成することができる。即
ち、本発明に係る有機薄膜によれば、ケトン類、アルキ
レングリコール類及びアルコキシアルコール類からなる
群より選ばれる少なくとも一種を含む洗浄剤により洗浄
されて形成されるので、均一な膜厚を有し、かつ均一に
配列し整った膜構造とすることができる。
【0169】更に、本発明に係る有機薄膜の製造方法に
よれば、ケトン類、アルキレングリコール類及びアルコ
キシアルコール類からなる群より選ばれる少なくとも一
種を含む洗浄剤を用いることにより、塩素系洗浄剤の代
替洗浄剤として未固定分子を除去することができ、一様
な膜厚を有する有機薄膜の製造が可能となる。この結
果、環境に対する負荷を低減した有機薄膜の製造プロセ
スを提供できるという効果を奏する。
【0170】又、本発明に係る液晶配向膜によれば、膜
厚が均一で、かつ分子群が均一に配列し整った膜構造を
有するので、配列状態を乱すことなく液晶分子を配向さ
せることが可能となる。
【0171】更に、本発明に係る液晶配向膜の製造方法
によれば、ケトン類、アルキレングリコール類及びアル
コキシアルコール類からなる群より選ばれる少なくとも
一種を含む洗浄剤を用いることにより、塩素系有機溶剤
を使うことなしに未固定分子を除去することができ一様
な膜厚を有する液晶配向膜を製造できる。しかも、基板
に対する吸着状態が良好で膜構造に乱れが生じることな
く、配向能に優れた液晶配向膜を、環境に対する負荷を
低減して製造できるという効果を奏する。
【0172】更に、この様な液晶配向膜を備えた液晶表
示装置であると、液晶の配向欠陥等が視認されず表示品
位に優れたものにできるという効果を奏する。よって、
本発明の産業上の意義は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る有機薄膜の製造工程
を示すフローチャートである。
【図2】上記有機薄膜の製造工程に於いて、洗浄剤除去
工程に係る第1洗浄剤除去方法を説明する為のフローチ
ャートである。
【図3】上記有機薄膜の製造工程に於いて、洗浄剤除去
工程に係る第2洗浄剤除去方法を説明する為のフローチ
ャートである。
【図4】上記有機薄膜が基材に吸着した状態を模式的に
示す要部拡大図である。
【図5】上記有機薄膜が基材に吸着した状態を模式的に
示す断面図であって、図5(a)は吸着分子が層状に吸
着した状態を示す図であり、図5(b)は吸着分子が絡
み合いながら基材に吸着した状態を示す図である。
【図6】上記有機薄膜が基材に吸着した状態を模式的に
示す要部拡大図であって、図6(a)は吸着分子にヒド
ロキシル基が導入された状態を示す図であり、図6
(b)は吸着分子が架橋した状態を示す図である。
【図7】本発明に係る有機薄膜の製造装置を模式的に示
した説明図であって、図7(a)は被膜形成手段と洗浄
手段が密閉系である場合を示し、図7(b)は独立系で
ある場合を示し、図7(c)は洗浄剤除去手段を模式的
に示している。
【図8】本発明に係る洗浄手段を模式的に示した斜視図
であって、図8(a)はバッチ処理式の場合を示し、図
8(b)は流れ処理式の場合を示す。
【図9】本発明に係る液晶表示装置を示す断面図であ
る。
【図10】本発明の実施例1−1に係る単分子膜を模式
的に示す要部拡大図である。
【図11】上記実施例1−1に係る単分子膜のFT−I
Rのスペクトル図である。
【図12】比較例1−1に係る単分子膜のFT−IRの
スペクトル図である。
【図13】本発明の実施例1−3に係る単分子膜を模式
的に示す要部拡大図である。
【図14】上記実施例1−3に係る単分子膜のFT−I
Rのスペクトル図である。
【図15】比較例1−2に係る単分子膜のFT−IRの
スペクトル図である。
【図16】比較例1−4に係る単分子膜のFT−IRの
スペクトル図である。
【図17】比較例1−5に係る単分子膜のFT−IRの
スペクトル図である。
【図18】本発明の実施例2−1に係る単分子膜を模式
的に示す要部拡大図である。
【図19】上記実施例2−1に係る単分子膜のFT−I
Rのスペクトル図である。
【図20】比較例2−1に係る単分子膜のFT−IRの
スペクトル図である。
【図21】本発明の実施例2−2に係る単分子膜を模式
的に示す要部拡大図である。
【図22】上記実施例2−2に係る単分子膜のFT−I
Rのスペクトル図である。
【図23】比較例2−2に係る単分子膜のFT−IRの
スペクトル図である。
【図24】本発明の実施例2−3に係る単分子膜のFT
−IRのスペクトル図である。
【図25】比較例2−3に係る単分子膜のFT−IRの
スペクトル図である。
【図26】比較例2−4に係る単分子膜のFT−IRの
スペクトル図である。
【符号の説明】
1、34 基材 3 薄膜 2 単分子膜 4 未吸着分子 5 累積膜 21 ガラス基板 22 単分子膜 31 洗浄槽 32 洗浄剤32 33 カセット 41 搬送部 42 噴射装置 43 本体部 44 ノズル 51 外気遮蔽手段 52 受け渡し手段 61 第1基板 62 第2基板 63 液晶層 64 TFT(薄膜トランジスタ) 65 第1電極 66、69 液晶配向膜 67 カラーフィルター 68 第2電極 S1 吸着溶液作製工程 S2 被膜形成工程 S3 除去工程 S4 洗浄剤除去工程 S5 リンス工程 S6 リンス剤乾燥工程 S8 接触工程 S9 乾燥工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 幸生 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 上村 強 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 武部 尚子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (101)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に結合された分子群からなる有機
    薄膜であって、 上記有機薄膜は、活性水素を備えた官能基に対して反応
    性を示す官能基を有する分子群を、該基材面に接触させ
    て結合させた後、上記基材に結合されない上記分子を、
    ケトン類、アルキレングリコール類及びアルコキシアル
    コール類からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む
    洗浄剤で除去して得られたものであることを特徴とする
    有機薄膜。
  2. 【請求項2】 基材上に結合された分子群からなる有機
    薄膜であって、 上記有機薄膜は、活性水素を備えた官能基に対して反応
    性を示す官能基を有する分子群を、該基材面に接触させ
    て結合させた後、上記基材に結合されない上記分子を、
    アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチ
    ルイソブチルケトン及びアセチルアセトンからなる群よ
    り選ばれる少なくとも1種のケトン類を含む洗浄剤で除
    去して得られたものであることを特徴とする有機薄膜。
  3. 【請求項3】 基材上に結合された分子群からなる有機
    薄膜であって、 上記有機薄膜は、活性水素を備えた官能基に対して反応
    性を示す官能基を有する分子群を、該基材面に接触させ
    て結合させた後、上記基材に結合されない上記分子を、
    エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレン
    グリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、
    ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレング
    リコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリ
    コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメ
    チルエーテルアセテート及びエチレングリコールモノ−
    n−ブチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも
    一種のアルキレングリコール類を含む洗浄剤で除去して
    得られたものであることを特徴とする有機薄膜。
  4. 【請求項4】 基材上に結合された分子群からなる有機
    薄膜であって、 上記有機薄膜は、活性水素を備えた官能基に対して反応
    性を示す官能基を有する分子群を、該基材面に接触させ
    て結合させた後、上記基材に結合されない上記分子を、
    ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
    ポリブチレングリコール、ポリエチレングリコールモノ
    エチルエーテル、ポリジエチレングリコールモノエチル
    エーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル
    アセテート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテ
    ル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテ
    ート及びポリエチレングリコールモノ−n−ブチルエー
    テルからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルキレ
    ングリコール類を含む洗浄剤で除去して得られたもので
    あることを特徴とする有機薄膜。
  5. 【請求項5】 基材上に結合された分子群からなる有機
    薄膜であって、 上記有機薄膜は、活性水素を備えた官能基に対して反応
    性を示す官能基を有する分子群を、該基材面に接触させ
    て結合させた後、上記基材に結合されない上記分子を、
    エトキシエタノール及びメトキシアルコールからなる群
    より選ばれる少なくとも一種のアルコキシアルコール類
    を含む洗浄剤で除去して得られたものであることを特徴
    とする有機薄膜。
  6. 【請求項6】 上記活性水素を備えた官能基に対して反
    応性を示す官能基は、下記一般式(1)で表される官能
    基群から選ばれる1種の官能基であることを特徴とする
    請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の有機薄膜。 【化1】 (式中、Aはケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン及び
    ジルコニウムからなる群より選ばれる1種の原子を表
    し、Xはハロゲン、アルコキシ基及びイソシアネート基
    から選ばれる1種の官能基を表している。)
  7. 【請求項7】 上記洗浄剤は、塩素系溶剤を含まないこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載
    の有機薄膜。
  8. 【請求項8】 上記洗浄剤の含水率が1%未満であるこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項に記載
    の有機薄膜。
  9. 【請求項9】 上記基材の表面には、活性水素を有する
    官能基が存在することを特徴とする請求項1〜請求項8
    の何れか1項に記載の有機薄膜。
  10. 【請求項10】 上記基材は、ガラス、金属、金属酸化
    物、樹脂、紙、布、木材及びセラミックスからなる群よ
    り選ばれる何れか一種からなることを特徴とする請求項
    9に記載の有機薄膜。
  11. 【請求項11】 上記有機薄膜は、乾燥雰囲気中で上記
    分子を上記基材面に接触させて結合させた後、乾燥雰囲
    気中で上記洗浄剤にて除去して得られた単分子膜である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項10の何れか1項に
    記載の有機薄膜。
  12. 【請求項12】 上記アルキレングリコール類の分子量
    が100以上、300以下の範囲内にあることを特徴と
    する請求項4に記載の有機薄膜。
  13. 【請求項13】 活性水素を有する官能基に対して反応
    性を示す官能基を備えた分子群を基材に接触させること
    により、該基材上に結合させて、該分子群からなる被膜
    を形成する被膜形成工程と、 上記基材に結合されない上記分子を、ケトン類、アルキ
    レングリコール類及びアルコキシアルコール類からなる
    群より選ばれる少なくとも一種を含む洗浄剤で除去する
    除去工程と、 を含むことを特徴とする有機薄膜の製造方法。
  14. 【請求項14】 該基材上に結合させて、該分子群から
    なる被膜を形成する被膜形成工程と、 上記基材に結合されない上記分子を、アセトン、メチル
    エチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケト
    ン及びアセチルアセトンからなる群より選ばれる少なく
    とも1種のケトン類を含む洗浄剤で除去する除去工程
    と、 を含むことを特徴とする有機薄膜の製造方法。
  15. 【請求項15】 活性水素を有する官能基に対して反応
    性を示す官能基を備えた分子群を基材に接触させること
    により、該基材上に結合させて、該分子群からなる被膜
    を形成する被膜形成工程と、 上記基材上に結合されない上記分子を、エチレングリコ
    ール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エ
    チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
    コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエ
    チルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチ
    ルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルア
    セテート及びエチレングリコールモノ−n−ブチルエー
    テルからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルキレ
    ングリコール類を含む洗浄剤で除去する除去工程と、 を含むことを特徴とする有機薄膜の製造方法。
  16. 【請求項16】 活性水素を有する官能基に対して反応
    性を示す官能基を備えた分子群を基材に接触させること
    により、該基材上に結合させて、該分子群からなる被膜
    を形成する被膜形成工程と、 上記基材上に結合されない上記分子を、ポリエチレング
    リコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレング
    リコール、ポリエチレングリコールモノエチルエーテ
    ル、ポリジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポ
    リエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、
    ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチ
    レングリコールモノメチルエーテルアセテート及びポリ
    エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルからなる
    群より選ばれる少なくとも一種のアルキレングリコール
    類を含む洗浄剤で除去する除去工程と、 を含むことを特徴とする有機薄膜の製造方法。
  17. 【請求項17】 活性水素を有する官能基に対して反応
    性を示す官能基を備えた分子群を基材に接触させること
    により、該基材上に結合させて、該分子群からなる被膜
    を形成する被膜形成工程と、 上記基材上に結合されない上記分子を、エトキシエタノ
    ール及びメトキシアルコールからなる群より選ばれる少
    なくとも一種のアルコキシアルコール類を含む洗浄剤で
    除去する除去工程と、 を含むことを特徴とする有機薄膜の製造方法。
  18. 【請求項18】 上記分子は、下記一般式(1)で表さ
    れる官能基群から選ばれる1種の官能基を有することを
    特徴とする請求項13〜請求項17に記載の有機薄膜の
    製造方法。 【化2】 (式中、Aはケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン及び
    ジルコニウムからなる群より選ばれる1種の原子を表
    し、Xはハロゲン、アルコキシ基及びイソシアネート基
    から選ばれる1種の官能基を表している。)
  19. 【請求項19】 上記洗浄剤として、塩素系溶剤を含ま
    ないものを使用することを特徴とする請求項13〜請求
    項18の何れか1項に記載の有機薄膜の製造方法。
  20. 【請求項20】 上記洗浄剤として、含水率が1%未満
    のものを使用することを特徴とする請求項13〜請求項
    19の何れか1項に記載の有機薄膜の製造方法。
  21. 【請求項21】 更に、上記除去工程の後に、上記基材
    に付着した上記洗浄剤を除去する洗浄剤除去工程を有す
    ることを特徴とする請求項13〜請求項20の何れか1
    項に記載の有機薄膜の製造方法。
  22. 【請求項22】 上記洗浄剤除去工程は、上記基材に付
    着した上記洗浄剤を水で洗い流すリンス工程と、上記基
    材に付着した上記水を乾燥させる乾燥工程とを有するこ
    とを特徴とする請求項21に記載の有機薄膜の製造方
    法。
  23. 【請求項23】 上記基材として、その表面に活性水素
    を有する官能基が存在するものを使用することを特徴と
    する請求項13〜請求項22の何れか1項に記載の有機
    薄膜の製造方法。
  24. 【請求項24】 上記基材として、ガラス、金属、金属
    酸化物、樹脂、紙、繊維、木材及びセラミックスからな
    る群より選ばれる何れか一種からなるものを用いること
    を特徴とする請求項23に記載の有機薄膜の製造方法。
  25. 【請求項25】 上記被膜形成工程及び除去工程を乾燥
    雰囲気中で行うことを特徴とする請求項18に記載の有
    機薄膜の製造方法。
  26. 【請求項26】 上記基材上に、上記一般式(1)で表
    される官能基群から選ばれる1種の官能基を有する分子
    群を、単分子膜状となるように結合させた、そのような
    有機薄膜を形成することを特徴とする請求項25に記載
    の有機薄膜の製造方法。
  27. 【請求項27】 上記アルキレングリコール類の分子量
    が100以上、300以下の範囲内にあることを特徴と
    する請求項16に記載の有機薄膜の製造方法。
  28. 【請求項28】 活性水素を有する官能基に対して反応
    性を示す官能基を備えた分子群を基材に接触させること
    により該基材表面に結合させて、該分子群からなる被膜
    を形成する被膜形成手段と、 上記基材に結合されない上記分子を、ケトン類、アルキ
    レングリコール類及びアルコキシアルコール類からなる
    群より選ばれる少なくとも一種を含む洗浄剤で除去する
    除去手段と、 を有することを特徴とする有機薄膜の製造装置。
  29. 【請求項29】 活性水素を有する官能基に対して反応
    性を示す官能基を備えた分子群を基材に接触させること
    により該基材表面に結合させて、該分子群からなる被膜
    を形成する被膜形成手段と、 上記基材に結合されない上記分子を、アセトン、メチル
    エチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケト
    ン及びアセチルアセトンからなる群より選ばれる少なく
    とも1種のケトン類を含む洗浄剤で除去する除去手段
    と、 を有することを特徴とする有機薄膜の製造装置。
  30. 【請求項30】 活性水素を有する官能基に対して反応
    性を示す官能基を備えた分子群を基材に接触させること
    により該基材表面に結合させて、該分子群からなる被膜
    を形成する被膜形成手段と、 上記基材に結合されない上記分子を、エチレングリコー
    ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチ
    レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
    ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
    ルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチル
    エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセ
    テート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテ
    ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
    ル、ポリブチレングリコール、ポリエチレングリコール
    モノエチルエーテル、ポリジエチレングリコールモノエ
    チルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエー
    テルアセテート、ポリエチレングリコールモノメチルエ
    ーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルア
    セテート及びポリエチレングリコールモノ−n−ブチル
    エーテルからなる群より選ばれる少なくとも一種のアル
    キレングリコール類を含む洗浄剤で除去する除去手段
    と、 を有することを特徴とする有機薄膜の製造装置。
  31. 【請求項31】 活性水素を有する官能基に対して反応
    性を示す官能基を備えた分子群を基材に接触させること
    により該基材表面に結合させて、該分子群からなる被膜
    を形成する被膜形成手段と、 上記基材に結合されない上記分子を、エトキシエタノー
    ル及びメトキシアルコールからなる群より選ばれる少な
    くとも一種のアルコキシアルコール類を含む洗浄剤で除
    去する除去手段と、 を有することを特徴とする有機薄膜の製造装置。
  32. 【請求項32】 上記分子は、下記一般式(1)で表さ
    れる官能基群から選ばれる1種の官能基を有することを
    特徴とする請求項28〜請求項31の何れか1項に記載
    の有機薄膜の製造装置。 【化3】 (式中、Aはケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン及び
    ジルコニウムからなる群より選ばれる1種の原子を表
    し、Xはハロゲン、アルコキシ基及びイソシアネート基
    から選ばれる1種の官能基を表している。)
  33. 【請求項33】 上記有機薄膜の製造装置は、上記被膜
    形成手段と除去手段とが同一の密閉系に含み構成されて
    いることを特徴とする請求項28〜請求項32の何れか
    1項に記載の有機薄膜の製造装置。
  34. 【請求項34】 上記被膜形成手段及び除去手段を内部
    に設置し、同一の密閉系とすることが可能な外気遮蔽手
    段であって、内部の湿度を制御して乾燥雰囲気とする外
    気遮蔽手段を備えることを特徴とする請求項33に記載
    の有機薄膜の製造装置。
  35. 【請求項35】 上記被膜形成手段と除去手段とは、相
    互に分離・独立して設けられていることを特徴とする請
    求項28〜請求項32の何れか1項に記載の有機薄膜の
    製造装置。
  36. 【請求項36】 上記洗浄剤は、塩素系溶剤を含まない
    ことを特徴とする請求28〜請求項35の何れか1項に
    記載の有機薄膜の製造装置。
  37. 【請求項37】 上記洗浄剤の含水率が1%未満である
    ことを特徴とする請求28〜請求項36の何れか1項に
    記載の有機薄膜の製造装置。
  38. 【請求項38】 上記基材に付着した上記洗浄剤を除去
    する洗浄剤除去手段を有することを特徴とする請求項2
    8〜請求項37の何れか1項に記載の有機薄膜の製造装
    置。
  39. 【請求項39】 上記洗浄剤除去手段は、上記基材に付
    着した上記洗浄剤を水で洗い流すリンス手段と、上記基
    材に付着した上記水を乾燥し除去する乾燥手段とからな
    ることを特徴とする請求項38に記載の有機薄膜の製造
    装置。
  40. 【請求項40】 基板上に結合された分子群からなり、
    液晶分子を特定の方向に配向させる液晶配向膜であっ
    て、 上記液晶配向膜は、活性水素を備えた官能基に対して反
    応性を示す官能基を有する分子群を、該基板面に接触さ
    せて結合させた後、上記基板に結合されない上記分子
    を、ケトン類、アルキレングリコール類及びアルコキシ
    アルコール類からなる群より選ばれる少なくとも一種を
    含む洗浄剤で除去して得られたものであることを特徴と
    する液晶配向膜。
  41. 【請求項41】 基板上に結合された分子群からなり、
    液晶分子を特定の方向に配向させる液晶配向膜であっ
    て、 上記液晶配向膜は、活性水素を備えた官能基に対して反
    応性を示す官能基を有する分子群を、該基板面に接触さ
    せて結合させた後、上記基板に結合されない分子を、ア
    セトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチル
    イソブチルケトン及びアセチルアセトンからなる群より
    選ばれる少なくとも1種のケトン類を含む洗浄剤で除去
    して得られたものであることを特徴とする液晶配向膜。
  42. 【請求項42】 基板上に結合された分子群からなり、
    液晶分子を特定の方向に配向させる液晶配向膜であっ
    て、 上記液晶配向膜は、活性水素を備えた官能基に対して反
    応性を示す官能基を有する分子群を、該基板面に接触さ
    せて結合させた後、上記基板に結合されない分子を、エ
    チレングリコール、プロピレングリコール、ブチレング
    リコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
    エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
    コールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコ
    ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチ
    ルエーテルアセテート及びエチレングリコールモノ−n
    −ブチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも一
    種のアルキレングリコール類を含む洗浄剤で除去して得
    られたものであることを特徴とする液晶配向膜。
  43. 【請求項43】 基板上に結合された分子群からなり、
    液晶分子を特定の方向に配向させる液晶配向膜であっ
    て、 上記液晶配向膜は、活性水素を備えた官能基に対して反
    応性を示す官能基を有する分子群を、該基板面に接触さ
    せて結合させた後、上記基板に結合されない分子を、ポ
    リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
    リブチレングリコール、ポリエチレングリコールモノエ
    チルエーテル、ポリジエチレングリコールモノエチルエ
    ーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルア
    セテート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテ
    ル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテ
    ート及びポリエチレングリコールモノ−n−ブチルエー
    テルからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルキレ
    ングリコール類を含む洗浄剤で除去して得られたもので
    あることを特徴とする液晶配向膜。
  44. 【請求項44】 基板上に結合された分子群からなり、
    液晶分子を特定の方向に配向させる液晶配向膜であっ
    て、 上記液晶配向膜は、活性水素を備えた官能基に対して反
    応性を示す官能基を有する分子群を、該基板面に接触さ
    せて結合させた後、上記基板に結合されない分子を、エ
    トキシエタノール及びメトキシアルコールからなる群よ
    り選ばれる少なくとも一種のアルコキシアルコール類を
    含む洗浄剤で除去して得られたものであることを特徴と
    する液晶配向膜。
  45. 【請求項45】 上記活性水素を備えた官能基に対して
    反応性を示す官能基は、下記一般式(1)で表される官
    能基群から選ばれる1種の官能基であることを特徴とす
    る請求項40〜請求項44の何れか1項に記載の液晶配
    向膜。 【化4】 (式中、Aはケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン及び
    ジルコニウムからなる群より選ばれる1種の原子を表
    し、Xはハロゲン、アルコキシ基及びイソシアネート基
    から選ばれる1種の官能基を表している。)
  46. 【請求項46】 上記洗浄剤は、塩素系溶剤を含まない
    ことを特徴とする請求項40〜請求項45の何れか1項
    に記載の液晶配向膜。
  47. 【請求項47】 上記洗浄剤の含水率が1%未満である
    ことを特徴とする請求項40〜請求項46の何れか1項
    に記載の液晶配向膜。
  48. 【請求項48】 上記基板の表面には、活性水素を有す
    る官能基が存在することを特徴とする請求項40〜請求
    項47の何れか1項に記載の液晶配向膜。
  49. 【請求項49】 上記液晶配向膜は、乾燥雰囲気中で上
    記分子を上記基板面に接触させて結合させた後、乾燥雰
    囲気中で上記洗浄剤にて除去して得られた単分子膜であ
    ることを特徴とする請求項40〜請求項48の何れか1
    項に記載の液晶配向膜。
  50. 【請求項50】 上記アルキレングリコール類の分子量
    が100以上、300以下の範囲内にあることを特徴と
    する請求項43に記載の液晶配向膜。
  51. 【請求項51】 基板上に結合された分子群からなり、
    液晶分子を特定の方向に配向させる液晶配向膜の製造方
    法であって、 上記基板に、活性水素を有する官能基に対して反応性を
    示す官能基を備えた分子群を接触させ、該基板表面に結
    合させて、該分子群からなる被膜を形成する被膜形成工
    程と、 上記基材に結合されない上記分子を、ケトン類、アルキ
    レングリコール類及びアルコキシアルコール類からなる
    群より選ばれる少なくとも一種を含む洗浄剤で除去する
    除去工程と、 を含むことを特徴とする液晶配向膜の製造方法。
  52. 【請求項52】 基板上に結合された分子群からなり、
    液晶分子を特定の方向に配向させる液晶配向膜の製造方
    法であって、 上記基板に、活性水素を有する官能基に対して反応性を
    示す官能基を備えた分子群を接触させ、該基板に結合さ
    せて、該分子群からなる被膜を形成する被膜形成工程
    と、 上記基材に結合されない上記分子を、アセトン、メチル
    エチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケト
    ン及びアセチルアセトンからなる群より選ばれる少なく
    とも1種のケトン類を含む洗浄剤で除去する除去工程
    と、 を含むことを特徴とする液晶配向膜の製造方法。
  53. 【請求項53】 基板上に結合された分子群からなり、
    液晶分子を特定の方向に配向させる液晶配向膜の製造方
    法であって、 上記基板に、活性水素を有する官能基に対して反応性を
    示す官能基を備えた分子群を接触させ、該基板に結合さ
    せて、該分子群からなる被膜を形成する被膜形成工程
    と、 上記基材に結合されない上記分子を、エチレングリコー
    ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチ
    レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
    ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
    ルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチル
    エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセ
    テート及びエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテ
    ルからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルキレン
    グリコール類を含む洗浄剤で除去する除去工程と、 を含むことを特徴とする液晶配向膜の製造方法。
  54. 【請求項54】 基板上に結合された分子群からなり、
    液晶分子を特定の方向に配向させる液晶配向膜の製造方
    法であって、 上記基板に、活性水素を有する官能基に対して反応性を
    示す官能基を備えた分子群を接触させ、該基板に結合さ
    せて、該分子群からなる被膜を形成する被膜形成工程
    と、 上記基材に結合されない上記分子を、ポリエチレングリ
    コール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリ
    コール、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、
    ポリジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエ
    チレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ポリ
    エチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレン
    グリコールモノメチルエーテルアセテート及びポリエチ
    レングリコールモノ−n−ブチルエーテルからなる群よ
    り選ばれる少なくとも一種のアルキレングリコール類を
    含む洗浄剤で除去する除去工程と、 を含むことを特徴とする液晶配向膜の製造方法。
  55. 【請求項55】 基板上に結合された分子群からなり、
    液晶分子を特定の方向に配向させる液晶配向膜の製造方
    法であって、 上記基板に、活性水素を有する官能基に対して反応性を
    示す官能基を備えた分子群を接触させ、該基板に結合さ
    せて、該分子群からなる被膜を形成する被膜形成工程
    と、 上記基材に結合されない上記分子を、エトキシエタノー
    ル及びメトキシアルコールからなる群より選ばれる少な
    くとも一種のアルコキシアルコール類を含む洗浄剤で除
    去する除去工程と、 を含むことを特徴とする液晶配向膜の製造方法。
  56. 【請求項56】 上記分子は、下記一般式(1)で表さ
    れる官能基群から選ばれる1種の官能基を有することを
    特徴とする請求項51〜請求項55の何れか1項に記載
    の液晶配向膜の製造方法。 【化5】 (式中、Aはケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン及び
    ジルコニウムからなる群より選ばれる1種の原子を表
    し、Xはハロゲン、アルコキシ基及びイソシアネート基
    から選ばれる1種の官能基を表している。)
  57. 【請求項57】 上記洗浄剤として、塩素系溶剤を含ま
    ないものを使用することを特徴とする請求項51〜請求
    項56の何れか1項に記載の液晶配向膜の製造方法。
  58. 【請求項58】 上記洗浄剤として、含水率が1%未満
    のものを使用することを特徴とする請求項51〜請求項
    57の何れか1項に記載の液晶配向膜の製造方法。
  59. 【請求項59】 更に、上記除去工程の後に、上記基板
    に付着した上記洗浄剤を除去する洗浄剤除去工程を有す
    ることを特徴とする請求項51〜請求項58の何れか1
    項に記載の液晶配向膜の製造方法。
  60. 【請求項60】 上記洗浄剤除去工程は、上記基板に付
    着した上記洗浄剤を水で洗い流すリンス工程と、上記基
    板に付着した上記水を乾燥させる乾燥工程とを有するこ
    とを特徴とする請求項59に記載の液晶配向膜の製造方
    法。
  61. 【請求項61】 上記基板として、その表面に活性水素
    を有する官能基が存在するものを使用することを特徴と
    する請求項51〜請求項60の何れか1項に記載の液晶
    配向膜の製造方法。
  62. 【請求項62】 上記被膜形成工程及び除去工程を乾燥
    雰囲気中で行うことを特徴とする請求項56に記載の液
    晶配向膜の製造方法。
  63. 【請求項63】 上記基板上に、上記一般式(1)で表
    される官能基群から選ばれる1種の官能基を有する分子
    群を、単分子膜状となるように結合させた、そのような
    液晶配向膜を形成することを特徴とする請求項62に記
    載の液晶配向膜の製造方法。
  64. 【請求項64】 上記アルキレングリコール類の分子量
    が100以上、300以下の範囲内にあることを特徴と
    する請求項54に記載の液晶配向膜の製造方法。
  65. 【請求項65】 活性水素を有する官能基に対して反応
    性を示す官能基を備えた分子群を基板に接触させること
    により該基板表面に結合させて、該分子群からなる被膜
    を形成する被膜形成手段と、 上記基材に結合されない上記分子を、ケトン類、アルキ
    レングリコール類及びアルコキシアルコール類からなる
    群より選ばれる少なくとも一種を含む洗浄剤で除去する
    除去手段と、 を有することを特徴とする液晶配向膜の製造装置。
  66. 【請求項66】 活性水素を有する官能基に対して反応
    性を示す官能基を備えた分子群を基板に接触させること
    により該基板表面に結合させて、該分子群からなる被膜
    を形成する被膜形成手段と、 上記基材に結合されない上記分子を、アセトン、メチル
    エチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケト
    ン及びアセチルアセトンからなる群より選ばれる少なく
    とも1種のケトン類を含む洗浄剤で除去する除去手段
    と、 を有することを特徴とする液晶配向膜の製造装置。
  67. 【請求項67】 活性水素を有する官能基に対して反応
    性を示す官能基を備えた分子群を基板に接触させること
    により該基板表面に結合させて、該分子群からなる被膜
    を形成する被膜形成手段と、 上記基材に結合されない上記分子を、エチレングリコー
    ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチ
    レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
    ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
    ルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチル
    エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセ
    テート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテ
    ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
    ル、ポリブチレングリコール、ポリエチレングリコール
    モノエチルエーテル、ポリジエチレングリコールモノエ
    チルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエー
    テルアセテート、ポリエチレングリコールモノメチルエ
    ーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルア
    セテート及びポリエチレングリコールモノ−n−ブチル
    エーテルからなる群より選ばれる少なくとも一種のアル
    キレングリコール類を含む洗浄剤で除去する除去手段
    と、 を有することを特徴とする液晶配向膜の製造装置。
  68. 【請求項68】 活性水素を有する官能基に対して反応
    性を示す官能基を備えた分子群を基板に接触させること
    により該基板表面に結合させて、該分子群からなる被膜
    を形成する被膜形成手段と、 上記基材に結合されない上記分子を、エトキシエタノー
    ル及びメトキシアルコールからなる群より選ばれる少な
    くとも一種のアルコキシアルコール類を含む洗浄剤で除
    去する除去手段と、 を有することを特徴とする液晶配向膜の製造装置。
  69. 【請求項69】 上記分子は、下記一般式(1)で表さ
    れる官能基群から選ばれる1種の官能基を有することを
    特徴とする請求項65〜請求項68の何れか1項に記載
    の液晶配向膜の製造装置。 【化6】 (式中、Aはケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン及び
    ジルコニウムからなる群より選ばれる1種の原子を表
    し、Xはハロゲン、アルコキシ基及びイソシアネート基
    から選ばれる1種の官能基を表している。)
  70. 【請求項70】 上記液晶配向膜の製造装置は、上記被
    膜形成手段と除去手段とが同一の密閉系に含み構成され
    ていることを特徴とする請求項65〜請求項69の何れ
    か1項に記載の液晶配向膜の製造装置。
  71. 【請求項71】 上記被膜形成手段及び除去手段を内部
    に設置し、同一の密閉系とすることが可能な外気遮蔽手
    段であって、内部の湿度を制御して乾燥雰囲気とする外
    気遮蔽手段を備えることを特徴とする請求項70に記載
    の液晶配向膜の製造装置。
  72. 【請求項72】 上記被膜形成手段と除去手段とは、相
    互に分離・独立して設けられていることを特徴とする請
    求項65〜請求項69の何れか1項に記載の液晶配向膜
    の製造装置。
  73. 【請求項73】 上記洗浄剤は、塩素系溶剤を含まない
    ことを特徴とする請求項65〜請求項72の何れか1項
    に記載の液晶配向膜の製造装置。
  74. 【請求項74】 上記洗浄剤の含水率が1%未満である
    ことを特徴とする請求項65〜請求項73の何れか1項
    に記載の液晶配向膜の製造装置。
  75. 【請求項75】 上記基板に付着した上記洗浄剤を除去
    する洗浄剤除去手段を有することを特徴とする請求項6
    5〜請求項74の何れか1項に記載の液晶配向膜の製造
    装置。
  76. 【請求項76】 上記洗浄剤除去手段は、上記基板に付
    着した上記洗浄剤を水で洗い流すリンス手段と、上記基
    板に付着した上記水を乾燥し除去する乾燥手段とからな
    ることを特徴とする請求項75に記載の液晶配向膜の製
    造装置。
  77. 【請求項77】 基板上に液晶分子を所定の方向に配向
    させる液晶配向膜を備えた液晶表示装置であって、 上記液晶配向膜は、活性水素を備えた官能基に対して反
    応性を示す官能基を有する分子群を上記基板に接触させ
    て結合させた後、該基板に結合されない上記分子を、ケ
    トン類、アルキレングリコール類及びアルコキシアルコ
    ール類からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む洗
    浄剤で除去して得られたものであることを特徴とする液
    晶表示装置。
  78. 【請求項78】 基板上に液晶分子を所定の方向に配向
    させる液晶配向膜を備えた液晶表示装置であって、 上記液晶配向膜は、活性水素を備えた官能基に対して反
    応性を示す官能基を有する分子群を上記基板に接触させ
    て結合させた後、該基板に結合されない上記分子を、ア
    セトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチル
    イソブチルケトン及びアセチルアセトンからなる群より
    選ばれる少なくとも1種のケトン類を含む洗浄剤で除去
    して得られたものであることを特徴とする液晶表示装
    置。
  79. 【請求項79】 基板上に液晶分子を所定の方向に配向
    させる液晶配向膜を備えた液晶表示装置であって、 上記液晶配向膜は、活性水素を備えた官能基に対して反
    応性を示す官能基を有する分子群を上記基板に接触させ
    て結合させた後、該基板に結合されない上記分子を、エ
    チレングリコール、プロピレングリコール、ブチレング
    リコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
    エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
    コールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコ
    ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチ
    ルエーテルアセテート及びエチレングリコールモノ−n
    −ブチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも一
    種のアルキレングリコール類を含む洗浄剤で除去して得
    られたものであることを特徴とする液晶表示装置。
  80. 【請求項80】 基板上に液晶分子を所定の方向に配向
    させる液晶配向膜を備えた液晶表示装置であって、 上記液晶配向膜は、活性水素を備えた官能基に対して反
    応性を示す官能基を有する分子群を上記基板に接触させ
    て結合させた後、該基板に結合されない上記分子を、ポ
    リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
    リブチレングリコール、ポリエチレングリコールモノエ
    チルエーテル、ポリジエチレングリコールモノエチルエ
    ーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルア
    セテート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテ
    ル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテ
    ート及びポリエチレングリコールモノ−n−ブチルエー
    テルからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルキレ
    ングリコール類を含む洗浄剤で除去して得られたもので
    あることを特徴とする液晶表示装置。
  81. 【請求項81】 基板上に液晶分子を所定の方向に配向
    させる液晶配向膜を備えた液晶表示装置であって、 上記液晶配向膜は、活性水素を備えた官能基に対して反
    応性を示す官能基を有する分子群を上記基板に接触させ
    て結合させた後、該基板に結合されない上記分子を、エ
    トキシエタノール及びメトキシアルコールからなる群よ
    り選ばれる少なくとも一種のアルコキシアルコール類を
    含む洗浄剤で除去して得られたものであることを特徴と
    する液晶表示装置。
  82. 【請求項82】 上記活性水素を備えた官能基に対して
    反応性を示す官能基は、下記一般式(1)で表される官
    能基群から選ばれる1種の官能基であることを特徴とす
    る請求項77〜請求項81の何れか1項に記載の液晶表
    示装置。 【化7】 (式中、Aはケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン及び
    ジルコニウムからなる群より選ばれる1種の原子を表
    し、Xはハロゲン、アルコキシ基及びイソシアネート基
    から選ばれる1種の官能基を表している。)
  83. 【請求項83】 上記洗浄剤は、塩素系溶剤を含まない
    ことを特徴とする請求項77〜請求項82の何れか1項
    に記載の液晶表示装置。
  84. 【請求項84】 上記洗浄剤の含水率が1%未満である
    ことを特徴とする請求項77〜請求項83の何れか1項
    に記載の液晶表示装置。
  85. 【請求項85】 上記基板の表面には、活性水素を有す
    る官能基が存在することを特徴とする請求項77〜請求
    項84の何れか1項に記載の液晶表示装置。
  86. 【請求項86】 上記液晶配向膜は、乾燥雰囲気中で上
    記分子を上記基板面に接触させて結合させた後、乾燥雰
    囲気中で上記洗浄剤にて除去して得られた単分子膜であ
    ることを特徴とする請求項77〜請求項85の何れか1
    項に記載の液晶表示装置。
  87. 【請求項87】 上記アルキレングリコール類の分子量
    が100以上、300以下の範囲内にあることを特徴と
    する請求項80に記載の液晶表示装置。
  88. 【請求項88】 基板上に結合された分子群からなり、
    液晶分子を特定の方向に配向させる液晶配向膜を備えた
    液晶表示装置の製造方法であって、 上記基板に、活性水素を有する官能基に対して反応性を
    示す官能基を備えた分子群を接触させ、該基板表面に結
    合させて、該分子群からなる被膜を形成する被膜形成工
    程と、 上記基材に結合されない上記分子を、ケトン類、アルキ
    レングリコール類及びアルコキシアルコール類からなる
    群より選ばれる少なくとも一種を含む洗浄剤で除去する
    除去工程と、 を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  89. 【請求項89】 基板上に結合された分子群からなり、
    液晶分子を特定の方向に配向させる液晶配向膜を備えた
    液晶表示装置の製造方法であって、 上記基板に、活性水素を有する官能基に対して反応性を
    示す官能基を備えた分子群を接触させ、該基板表面に結
    合させて、該分子群からなる被膜を形成する被膜形成工
    程と、 上記基材に結合されない上記分子を、アセトン、メチル
    エチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケト
    ン及びアセチルアセトンからなる群より選ばれる少なく
    とも1種のケトン類を含む洗浄剤で除去する除去工程
    と、 を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  90. 【請求項90】 基板上に結合された分子群からなり、
    液晶分子を特定の方向に配向させる液晶配向膜を備えた
    液晶表示装置の製造方法であって、 上記基板に、活性水素を有する官能基に対して反応性を
    示す官能基を備えた分子群を接触させ、該基板表面に結
    合させて、該分子群からなる被膜を形成する被膜形成工
    程と、 上記基材に結合されない上記分子を、エチレングリコー
    ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチ
    レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
    ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
    ルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチル
    エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセ
    テート及びエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテ
    ルからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルキレン
    グリコール類を含む洗浄剤で除去する除去工程と、 を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  91. 【請求項91】 基板上に結合された分子群からなり、
    液晶分子を特定の方向に配向させる液晶配向膜を備えた
    液晶表示装置の製造方法であって、 上記基板に、活性水素を有する官能基に対して反応性を
    示す官能基を備えた分子群を接触させ、該基板表面に結
    合させて、該分子群からなる被膜を形成する被膜形成工
    程と、 上記基材に結合されない上記分子を、ポリエチレングリ
    コール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリ
    コール、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、
    ポリジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエ
    チレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ポリ
    エチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレン
    グリコールモノメチルエーテルアセテート及びポリエチ
    レングリコールモノ−n−ブチルエーテルからなる群よ
    り選ばれる少なくとも一種のアルキレングリコール類を
    含む洗浄剤で除去する除去工程と、 を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  92. 【請求項92】 基板上に結合された分子群からなり、
    液晶分子を特定の方向に配向させる液晶配向膜を備えた
    液晶表示装置の製造方法であって、 上記基板に、活性水素を有する官能基に対して反応性を
    示す官能基を備えた分子群を接触させ、該基板表面に結
    合させて、該分子群からなる被膜を形成する被膜形成工
    程と、 上記基材に結合されない上記分子を、エトキシエタノー
    ル及びメトキシアルコールからなる群より選ばれる少な
    くとも一種のアルコキシアルコール類を含む洗浄剤で除
    去する除去工程と、 を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  93. 【請求項93】 上記分子は、下記一般式(1)で表さ
    れる官能基群から選ばれる1種の官能基を有することを
    特徴とする請求項88〜請求項92の何れか1項に記載
    の液晶表示装置の製造方法。 【化8】 (式中、Aはケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン及び
    ジルコニウムからなる群より選ばれる1種の原子を表
    し、Xはハロゲン、アルコキシ基及びイソシアネート基
    から選ばれる1種の官能基を表している。)
  94. 【請求項94】 上記洗浄剤として、塩素系溶剤を含ま
    ないものを使用することを特徴とする請求項88〜請求
    項93の何れか1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
  95. 【請求項95】 上記洗浄剤として、含水率が1%未満
    のものを使用することを特徴とする請求項88〜請求項
    94の何れか1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
  96. 【請求項96】 更に、上記除去工程の後に、上記基板
    に付着した上記洗浄剤を除去する洗浄剤除去工程を有す
    ることを特徴とする請求項88〜請求項95の何れか1
    項に記載の液晶表示装置の製造方法。
  97. 【請求項97】 上記洗浄剤除去工程は、上記基板に付
    着した上記洗浄剤を水で洗い流すリンス工程と、上記基
    板に付着した上記水を乾燥させる乾燥工程とを有するこ
    とを特徴とする請求項96に記載の液晶表示装置の製造
    方法。
  98. 【請求項98】 上記基板として、その表面に活性水素
    を有する官能基が存在するものを使用することを特徴と
    する請求項88〜請求項97の何れか1項に記載の液晶
    表示装置の製造方法。
  99. 【請求項99】 上記被膜形成工程及び除去工程を乾燥
    雰囲気中で行うことを特徴とする請求項93に記載の液
    晶表示装置の製造方法。
  100. 【請求項100】 上記基板上に、上記一般式(1)で
    表される官能基群から選ばれる1種の官能基を有する分
    子群を、単分子膜状となるように結合させた、そのよう
    な液晶配向膜を形成することを特徴とする請求項99に
    記載の液晶表示装置の製造方法。
  101. 【請求項101】 上記アルキレングリコール類の分子
    量が100以上、300以下の範囲内にあることを特徴
    とする請求項91に記載の液晶表示装置の製造方法。
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