JP2000296905A - コンベヤベルトのジョイント構造及びそのジョイント方法 - Google Patents

コンベヤベルトのジョイント構造及びそのジョイント方法

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JP2000296905A
JP2000296905A JP11102445A JP10244599A JP2000296905A JP 2000296905 A JP2000296905 A JP 2000296905A JP 11102445 A JP11102445 A JP 11102445A JP 10244599 A JP10244599 A JP 10244599A JP 2000296905 A JP2000296905 A JP 2000296905A
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conveyor belt
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Tatsu Yoneda
龍 米田
Shunsuke Kawachi
俊介 河内
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ベルト端部を短時間で簡単に、一定のジョイン
ト強度でもってジョイントする。 【解決手段】 ベルトジョイント部6は、コンベヤベル
ト1の表面樹脂層5の上側に、第1の接着樹脂フィルム
層11、補強織布層12及び第2の接着樹脂フィルム層
13を順に積層してなる。第1及び第2の接着樹脂フィ
ルム層11,13に挟まれた状態で補強職層12を、互
いに突き合わされたベルト端部の上面側に熱融着してジ
ョイントする。第1及び第2の接着樹脂フィルム層1
1,13を構成する接着樹脂フィルムはホットメルトタ
イプで、それらの融点が、前記表面樹脂層5を構成する
樹脂の融点よりも低い。また、第1の接着樹脂フィルム
層11を構成する樹脂の融点は、第2の接着樹脂フィル
ム層13を構成する樹脂の融点よりも低い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンベヤベルトの
ジョイント構造及びそのジョイント方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】主に食品や機械部品などの軽量物を搬送
するコンベヤベルトは知られており、このようなコンベ
ヤベルトにおいては、突発的に生じるかみ込みや、スリ
ップによる加熱などに起因して、切断などのトラブルが
生じ、急にベルト交換をする必要が生ずる場合がある。
【0003】そのような事態に備えるために、従来は、
次のようなことが行われている。 (1)エンドレス状態でコンベヤベルトを、予備コンベ
ヤベルトとして予め準備しておき、前述したような事態
が生じた場合には、破損したコンベヤベルトを取り外
し、予備コンベヤベルトに交換する。 (2)エンドレスとする前の状態でコンベヤベルトを、
予備コンベヤベルトとして予め準備しておき、必要時
に、常温施工又は加熱プレスにより、エンドレスとして
用いる。 (3)簡易連結具(レーシング)を用いて、切断部分を
ジョイントする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法では、次のような欠点がある。 (1)の場合には、交換する予備コンベヤベルトが、す
でにエンドレス状態であるので、交換のためのベルトコ
ンベヤ装置の分解・組立に多大な時間を要し、場合によ
って交換できない事態も起こり得る。 (2)の場合には、常温施工であると、交換のために数
時間の停止が必要であり、1層構造であると、バフ加工
が必要であり、屈曲性に劣り、小径プーリに使用できな
い。また、加熱プレスを用いる場合も、プレス時間とし
てかなりの時間を要し、プレスを配置する大きなスペー
スが必要であり、プレス作業には熟練を必要とする。 (3)簡易連結具(レーシング)を用いるため、小径プ
ーリには使用できず、十分なジョイント強度も得られな
い。
【0005】そこで、発明者は、前述したような事態に
おいて、ベルト端部を短時間で簡単に、一定のジョイン
ト強度でもってジョイントすべく研究を重ねた結果、本
発明を想到するに至ったものである。
【0006】ところで、コンベヤベルトのジョイント構
造として、例えば特開昭64−64909号公報に記載
されるように、ジグザク形状(フィンガー形状)に切断
したベルトのジョイント両端部を交互にかみ合わせ、こ
のジョイント部分の両面又は片面において、心体帆布層
側は接着剤により補強織布を接着し、樹脂側は溶融接着
シートにより補強織布を接着するようにしたものが知ら
れているが、そのようなジョイント構造では、接着剤に
よる補強織布の接着作業と、溶融接着シートによる補強
織布の接着作業という2つの作業が必要なり、ジョイン
ト作業が面倒である。それ加えて、心体帆布層側に接着
剤により補強織布を接着すると、コンベヤベルトを回転
するプーリと接触する心体帆布層側に段差部が生じる。
また、樹脂側に溶融接着シートにより補強織布を接着す
る片面だけでのジョイントであると、溶融接着シートが
溶けても、補強織布があるため、溶融した樹脂がベルト
裏面側まで及ばず、必要なジョイント強度が得られない
おそれもある。
【0007】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、ベルト端部を短時間で簡単に、一定のジョイント強
度でもってジョイントできるコンベヤベルトのジョイン
ト構造及びジョイント方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、表面
樹脂層を有するコンベヤベルトのジョイント構造であっ
て、フィンガー形状に切断され互いに突き合わせて接合
されるベルト端部の表面樹脂層の上側に、補強織布層
が、下側の第1の接着樹脂フィルム及び上側の第2の接
着樹脂フィルム層で挟まれた状態で熱融着され、前記第
1及び第2の接着樹脂フィルム層を構成する樹脂の融点
が、前記表面樹脂層を構成する樹脂の融点よりも低いも
のである。
【0009】請求項1の発明によれば、下側の第1の接
着樹脂フィルム層は、熱溶融により、ベルト端部の隙間
を通じてベルト裏面側まで及ぶと共に補強織布層に浸透
している。また、上側の第2の接着樹脂フィルム層は、
熱溶融により、補強織布層に浸透すると共にそれを覆う
ようになっている。よって、補強織布がジョイント部に
確実に熱融着され、必要なジョイント強度が確保され
る。
【0010】また、第2の接着樹脂フィルム層を補強織
布層の上側に設けることで、補強織布層が表面に露出し
てジョイント部分だけ他の部分と材質が異なることによ
り汚れやすくなるのが回避される。
【0011】さらに、第1及び第2の接着樹脂フィルム
層を構成する樹脂の融点が、コンベヤベルトの表面樹脂
層を構成する樹脂の融点よりも低いので、前述した熱融
着によるコンベヤベルトの表面樹脂層への影響はない。
【0012】請求項2記載のコンベヤベルトのジョイン
ト構造のように、前記第1の接着樹脂フィルム層を構成
する樹脂の融点を、第2の接着樹脂フィルム層を構成す
る樹脂の融点よりも低くすることが望ましい。
【0013】このようにすれば、加熱融着の際に、第1
の接着樹脂フィルム層を構成する樹脂が溶けやすくな
り、溶融した樹脂が、補強織布層への浸透はもちろん、
ベルト裏面まで到達しやすくなり、高いジョイント強度
を得る上で有利とされる。一方第2の接着樹脂フィルム
層を構成する樹脂は、溶融して補強織布層に浸透はする
ものの、表面性状が損なわれることはない。
【0014】また、請求項3記載のコンベヤベルトのジ
ョイント構造のように、前記第1の接着樹脂フィルム層
を構成する樹脂が軟質である一方、前記第2の接着樹脂
フィルム層を構成する樹脂がコンベヤベルトの表面樹脂
層と同程度の硬質であることが望ましい。
【0015】このようにすれば、第1の接着樹脂布フィ
ルム層が軟質であるので、早く溶けてベルト裏面側に浸
透するのにより有利となり、第2の接着樹脂フィルム層
が表面樹脂層と同程度の硬質としているので、ジョイン
ト部も含めてコンベヤベルトの表面全体が一様な硬質と
なり、ジョイント部分が局部的に汚れるというのが回避
される。
【0016】さらに、請求項4記載のコンベヤベルトの
ジョイント構造のように、前記第2の接着樹脂フィルム
を、硬質樹脂フィルムからなる上側層と、軟質樹脂フィ
ルムからなる下側層とを有する2層構造とすることもで
きる。
【0017】このようにすれば、下側層の軟質樹脂フィ
ルムが早く溶融しやすくなり、上側層の硬質樹脂フィル
ムによってジョイント部表面の性状を確保して、補強織
布層により浸透しやすくなる。
【0018】請求項5の発明は、コンベヤベルトのジョ
イント方法であって、フィンガー形状に切断したベルト
端部を若干の隙間を残して、互いに突き合わせる第1の
工程と、前記ベルト端部を突き合わせた状態で、それら
の上面に跨って、前記表面樹脂層より融点が低い第1及
び第2の接着樹脂フィルムで補強織布を挟んだ積層体を
載せる第2の工程と、前記積層体を載せた状態で、加熱
手段にて加熱して熱融着させる第3の工程とを備えるも
のである。
【0019】請求項5の発明によれば、第3の工程にお
いて、加熱手段にて積層体を加熱すると、表面樹脂層に
熱融着による影響を与えることなく、第1及び第2の接
着樹脂フィルムが溶融して、補強織布に浸透する。それ
と共に、第1の接着樹脂フィルムが溶融した樹脂は、前
記ベルト端部間の隙間を通じて、ベルト裏面側まで浸透
することとなる。よって、短時間で、補強織布がジョイ
ント部に簡単かつ確実に、必要なジョイント強度でもっ
て熱融着され、また、第2の接着樹脂フィルムにて、補
強織布層が露出するのが回避され、ジョイント部表面の
汚れが抑制される。
【0020】また、請求項6記載のジョイント方法のよ
うに、前記表面樹脂層を、融点が150〜180℃程度
のポリウレタンで構成し、前記第1及び第2の接着樹脂
フィルムを、融点が100〜150℃程度のポリウレタ
ンで構成し、前記加熱手段を、加熱温度が170℃程度
のアイロンとすることが望ましい。
【0021】このようにすれば、加熱温度が170℃程
度のアイロンを適用するだけで、すなわち加圧すること
なく加熱するだけで、第1及び第2の接着樹脂フィルム
を構成し融点が100〜150℃程度であるポリウレタ
ンが溶融して、ジョイント部に対し補強織布を熱融着す
る。一方、コンベヤベルトの表面樹脂層は、融点が15
0〜180℃程度のポリウレタンで構成されているの
で、アイロンによる加熱の影響をほとんど受けない。
【0022】請求項7記載のジョイント方法のように、
前記第3の工程において、前記積層体の上側に、フッ素
系樹脂フィルムを載せ、熱融着後に引き剥がすようにす
ることが望ましい。
【0023】このようにすれば、フッ素系樹脂フィルム
によって、ジョイント部表面の光沢が確保される。ま
た、フッ素系樹脂フィルムを介して加熱手段にて加熱す
るので、第2の接着樹脂フィルムが加熱溶融して、アイ
ロンなどの加熱手段に付着するのが回避される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0025】図1は、本発明に係るコンベヤベルトのジ
ョイント構造を示す説明図である。
【0026】図1において、コンベヤベルト1は、中間
樹脂層2を挟んで上側及び下側心体織布層3,4を有
し、上側の補強織布層3の上側に表面樹脂層5が設けら
れている。
【0027】コンベヤベルト1は、途中にベルトジョイ
ント部6を備えている。このベルトジョイント部6は、
後述するように、フィンガー形状に切断され互いに突き
合わせて接合されるベルト端部同士をジョイントしたも
のである。ベルトジョイント部6は、コンベヤベルト1
の上側に、軟質の第1の接着樹脂フィルム層11、補強
織布層12及び硬質の第2の接着樹脂フィルム層13が
順に積層されてなる。第1の接着樹脂布フィルム層11
を軟質としているのは、早く溶けてベルト裏面側に浸透
するようにするためである。第2の接着樹脂フィルム層
13を硬質とするのは、軟質であると汚れやすいからで
ある。この場合、第2の接着樹脂フィルム層13は、表
面樹脂層5と同程度の硬質とし、ベルト全周に亘ってほ
ぼ一様とするのが望ましい。
【0028】なお、前記フィンガー形状に切断されたベ
ルト端部(フィンガー打ち抜き部)の幅L1は50mm
とされる一方、第1の接着樹脂フィルム層11、補強織
布層12及び第2の接着樹脂フィルム層13の幅L2は
52mmと、少し長く形成される。これは、フィンガー
先端部での強度不足を解消するためである。
【0029】第1及び第2の接着樹脂フィルム層11,
13を構成する接着樹脂フィルムはホットメルトタイプ
で、それらの融点が、前記表面樹脂層5を構成する樹脂
の融点よりも低いものが用いられる。
【0030】表面樹脂層5として、例えば、融点が15
0〜180℃程度のポリウレタンを用いる場合には、第
1及び第2の接着樹脂フィルム層11,13としては、
融点が100〜150℃程度のポリウレンタンフィルム
が用いられる。これは、温度170℃程度のアイロンを
用いて溶着するので、融点が150℃を超えると、溶融
しても補強織布を浸透しにくく、熱融着が不十分となる
おそれがあるからである。一方、融点が100℃未満で
あると、アイロン溶着の際に、樹脂が発泡し、フッ素系
樹脂フィルム26(図7参照)に粘着し、作業性が低下
すると共に、外観を損なう原因となるからである。
【0031】また、前記第1の接着樹脂フィルム層11
を構成する樹脂の融点は、第2の接着樹脂フィルム層1
3を構成する樹脂の融点よりも低くされ、アイロン溶着
の際に溶けやすく、ベルト裏面側までの浸透性が高くな
るようにしている。
【0032】第1及び第2の接着樹脂フィルム層11,
12としては、具体的に、ポリウレタン、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリオレフィンなどが用いられる。
【0033】続いて、コンベヤベルトのベルト端部を、
ジョイントする手順について説明する。 (第1の工程) ーベルトの事前準備ー まず、図2に示すように、必要サイズ(L3:必要長
さ、W:ベルト幅)にフィンガー打ち抜きしたベルト2
1を準備する。ここで、フィンガー打ち抜き部の幅L1
は50mmであり、フィンガー部間の間隔L4は10m
mである。 ーベルトの引き込みー 工程1において必要サイズにフィンガー打ち抜きされた
ベルト21を、図3に示すように、フィンガー先端部2
1aを汚したり、傷つけたりしないように、プーリ22
〜26に巻き掛けてフレーム(図示せず)に引き込み、
移動しないように固定する。 ージョイントの合わせー 図4に示すように、ジョイント部6を構成するフィンガ
ー先端部21aが曲がらないように、先端部21a,2
1a間に2〜3mm程度の隙間Sをもたせて、突き合わ
せ、まっすぐな突き合わせ状態とする。 (第2の工程) ー接着剤の塗布、乾燥ー 図5に示すように、ジョイント部6を構成する両フィン
ガー先端部21a,21aの上面側(表面樹脂層がある
側)に接着剤22を塗布し、例えばドライヤーを用い
て、手に付着しない程度まで乾燥する。 ー成形作業ー 図6に示すように、まず、ジョイント部6を構成する両
フィンガー先端部21a,21aの上面側に、それらの
間に跨るように、第1の接着樹脂フィルム23、補強織
布24、及び第2の接着樹脂フィルム25の順で積層さ
れてなる積層体を載せる。補強織布24の下側に位置す
る第1の接着樹脂フィルム23については表裏はない
が、上側に位置する第2の接着樹脂フィルム25につい
ては、光沢面が上側で、離型紙面が下側で貼り合わせ面
となるようにする。 (第3の工程)図7に示すように、突き合わせ状態にあ
るフィンガー先端部21a,21aを、図示しない成形
作業台(例えばベニヤ板製)上に載せ、前記第2の接着
樹脂フィルム25の上面側に、フッ素系樹脂フィルム2
6を置き、所定の温度まで昇温したアイロン27を押し
当てて加熱することにより、溶着する。そして、フッ素
系樹脂フィルム26を少し冷えてから引き剥がす。ここ
で、フッ素系樹脂フィルム26を第2の接着樹脂フィル
ム25の上側に置くのは、アイロン27の使用時に前記
フィルム25の付着を回避するとともに、表面に光沢を
出させるためである。
【0034】上記のようにしてジョイントすれば、ジョ
イント部の上側に積層体を載せて、アイロン27を当て
て加熱するだけでよいので、十分なジョイント強度が得
られるだけでなく、作業時間としては加熱に要する時間
だけあれば足り、短時間で簡単に作業が行える。すなわ
ち、作業は数分で完了できるので、加熱プレスを使用す
る作業に比べて、大幅な時間短縮となる。
【0035】また、ジョイント部6の表面には、補強織
布24ではなく、表面樹脂層5と同程度の硬質の第2の
接着樹脂フィルム25にて構成するようにしているの
で、コンベヤベルト1の表面と同様な材質となり、局部
的に汚れるということがなくなる。
【0036】続いて、前述したようなジョイント方法に
よって得られたコンベヤベルトのジョイント部のジョイ
ント強度、ジョイント時の作業性及びジョイント後の外
観についての評価試験について説明する。 <試験条件> ・加熱手段のアイロンとしては、松下電器(株)製の自
動裁縫こて(品番N1−207F)を用いた。 ・第1の接着樹脂フィルム23としては、本発明例1
は、ポリウレタンフィルム(大日本インク(株)製のパ
ンデックス5012、厚さ0.05mm、融点100〜
120℃)であり、本発明例2は、ポリエステルフィル
ム(日本マタイ(株)製のエルファンPH419、厚さ
0.1mm、融点120〜130℃)、本発明例3は、
ポリアミドフィルム(日本マタイ(株)製のエルファン
NT120、厚さ0.08mm、融点120℃)を用い
た。
【0037】第2の接着樹脂フィルムとしては、ポリウ
レンタンフィルム(大日精化工業(株)製のP104
5、融点140℃)を用いた。 ・補強織布は、厚さ0.1mmである。 ・フッ素系樹脂フィルムは、ポリテトラフルオロエチレ
ン・フィルムで、厚さ0.2mmである。
【0038】試験結果は、次の表1に示す通りである。
なお、作業性及び外観の評価において、目視により、
○:よい、△:まあまあ、×:悪い、の3段階評価を行
った。
【表1】 上記結果から、ジョイント強度の点からは、本発明例1
〜3は、いずれも、必要とするジョイント強度(39.
2kN/m)以上である。
【0039】作業性、外観の点からは、本発明例3が、
加熱したときに、樹脂がフッ素系樹脂フィルムに付着す
るため、若干劣るが、許容できる程度であった。
【0040】以上の結果から、本発明例1〜3(特に本
発明例1,2)は、ジョイント強度、作業性及び外観の
いずれの点においても、満足できることがわかった。
【0041】前記実施の形態においては、第2の接着樹
脂フィルムとしては、単一の樹脂からなるものを用いて
いるが、本発明はそれに限定されるものではなく、例え
ば図7に示すように、上側層及び下側層からなる2層構
造のものを用いることもできる。この場合、第2の接着
樹脂フィルム13Aは、上側層としては外観を良くする
ために光沢のある硬質ウレタンフィルム13a(50
μ)を、下側層としては補強織布12Aを通過して融着
するように溶融しやすい軟質ウレタンフィルム12b
(100μ)を用いる一方、第1の接着樹脂フィルム1
1Aは、下側層と同材質の軟質ウレタンフィルム(20
0μ)を用い、ベルト裏面まで溶融した樹脂が及びやす
いように第2の接着樹脂フィルム13Aよりも厚さが厚
くされている。このようにすれば、補強織布12Aの熱
融着力が高まり、ジョイント強度は52kN/m程度と
なり、必要なジョイント強度を大きく上回り、外観及び
作業性についても問題ないことが確認されている。
【0042】なお、フィンガー先端部での強度不足を解
消するために、フィンガー打ち抜き幅L1=50mmに
対し、第1及び第2の接着樹脂フィルム11A,13
A,及び補強織布12Aの幅L5を60mmとしてい
る。また、第2の接着樹脂フィルム13Aは、一体化さ
れた2層構造とする必要は必ずしもなく、上側層(硬質
ウレンタンフィルム)と下側層(軟質ウレンタンフィル
ム)とを別体として積層するようにしてもよい。
【0043】前記実施の形態においては、簡便性の点か
ら、アイロンを用いて熱融着するようにしているが、加
熱プレスを用いることができるのはもちろんである。
【0044】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に述べるような効果を奏する。
【0045】本発明のジョイント構造は、フィンガー形
状に切断され互いに突き合わせて接合されるベルト端部
の表面樹脂層の上側に、補強織布層を、上側の第1の接
着樹脂フィルム層と第2の接着樹脂フィルム層との間に
挟んだ状態で熱融着しているので、第1の接着樹脂フィ
ルム層が、熱溶融により補強織布層に浸透すると共にそ
れを覆い、ベルト表面の汚れを防止し、第2の接着樹脂
フィルム層が、熱溶融によりベルト端部の隙間を通じて
ベルト裏面側まで及ぶと共に補強織布層に浸透して、必
要なジョイント強度を確保することができる。また、第
1及び第2の接着樹脂フィルム層を構成する樹脂の融点
を、前記表面樹脂層を構成する樹脂の融点よりも低くし
ているので、コンベヤベルトの表面樹脂層への熱影響は
ない。
【0046】また、第1の接着樹脂フィルム層を構成す
る樹脂の融点を、第2の接着樹脂フィルム層を構成する
樹脂の融点よりも低くすることで、第2の接着樹脂フィ
ルム層が、無理なく、熱溶融によるベルト裏面側まで浸
透したり、補強織布層への浸透したりする。
【0047】それに加えて、第1の接着樹脂フィルム層
を構成する樹脂を軟質、第2の接着樹脂フィルム層を構
成する樹脂がをコンベヤベルトの表面樹脂層と同程度の
硬質とすることで、上側層の硬質樹脂フィルムによって
ジョイント部表面の性状を確保して、下側層の軟質樹脂
フィルムが早く溶融しやすく、補強織布層により浸透し
やすくなる。特に、第2の接着樹脂フィルム層が表面樹
脂層と同程度の硬質としているので、ジョイント部も含
めてコンベヤベルトの表面全体が一様な硬質となり、ジ
ョイント部分が局部的に汚れるのを回避できる。
【0048】さらに、補強織布の上側に位置する第2の
接着樹脂フィルムを、硬質樹脂フィルムからなる上側層
と、軟質樹脂フィルムからなる下側層とを有する2層構
造とすることで、上側層の硬質樹脂フィルムによってジ
ョイント部表面の性状を確保して、下側層の軟質樹脂フ
ィルムが溶融しやすくすることができる。
【0049】本発明のジョイント方法は、ベルト端部を
互いに突き合わせた状態で、それらの上面に跨って、コ
ンベヤベルトの表面樹脂層より融点が低い第1及び第2
の接着樹脂フィルムで補強織布を挟んだ積層体を載せ、
その状態で、加熱手段にて加熱して熱融着するようにし
ているので、積層体を載せ、加熱手段にて加熱するとい
う簡単な作業によって、短時間で、ベルト端部を必要な
ジョイント強度でもってジョイントすることができる。
【0050】その場合、コンベヤベルトの表面樹脂層
を、融点が150〜180℃程度のポリウレタンで構成
し、前記第1及び第2の接着樹脂フィルムを、融点が1
00〜150℃程度のポリウレタンで構成すれば、前記
加熱手段として、加熱温度が170℃程度のアイロンを
使用することができ、ジョイント作業を簡単かつ短時間
で行うことが簡単に実現される。
【0051】また、第3の工程において、前記積層体の
上側に、フッ素系樹脂フィルムを載せ、熱融着後引き剥
がすようにすることで、フッ素系樹脂フィルムによっ
て、ジョイント部表面の光沢を確保し、溶融した樹脂
が、アイロンなどの加熱手段に付着するのを回避でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコンベヤベルトのジョイント構造
を示す説明図である。
【図2】本発明に係るコンベヤベルトのジョイント方法
の説明図である。
【図3】本発明に係るコンベヤベルトのジョイント方法
の説明図である。
【図4】本発明に係るコンベヤベルトのジョイント方法
の説明図である。
【図5】本発明に係るコンベヤベルトのジョイント方法
の説明図である。
【図6】本発明に係るコンベヤベルトのジョイント方法
の説明図である。
【図7】本発明に係るコンベヤベルトのジョイント方法
の説明図である。
【図8】変形例についての図1と同様の図である。
【符号の説明】
1 コンベヤベルト 3 上側心体織布層 4 下側心体織布層 5 表面樹脂層 6 ベルトジョイント部 11 第1の接着樹脂フィルム層 11A 第1の接着樹脂フィルム層 12 補強織布層 12A 補強織布層 13 第2の接着樹脂フィルム層 13A 第2の接着樹脂フィルム層 13a 上側層 13b 下側層 21 ベルト 21a フィンガー先端部 22 接着剤 23 第1の接着樹脂フィルム 24 補強織布 25 第2の接着樹脂フィルム 26 フッ素系樹脂フィルム 27 アイロン S 隙間

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面樹脂層を有するコンベヤベルトのジ
    ョイント構造であって、 フィンガー形状に切断され互いに突き合わせて接合され
    るベルト端部の表面樹脂層の上側に、補強織布層が、下
    側の第1の接着樹脂フィルム層と上側の第2の接着樹脂
    フィルム層とで挟まれた状態で熱融着され、 前記第1及び第2の接着樹脂フィルム層を構成する樹脂
    の融点が、前記表面樹脂層を構成する樹脂の融点よりも
    低いことを特徴とするコンベヤベルトのジョイント構
    造。
  2. 【請求項2】 さらに、前記第1の接着樹脂フィルム層
    を構成する樹脂の融点が、第2の接着樹脂フィルム層を
    構成する樹脂の融点よりも低い請求項1記載のコンベヤ
    ベルトのジョイント構造。
  3. 【請求項3】 前記第1の接着樹脂フィルム層を構成す
    る樹脂は軟質である一方、前記第2の接着樹脂フィルム
    層を構成する樹脂は、コンベヤベルトの表面樹脂層と同
    程度の硬質である請求項1又は2記載のコンベヤベルト
    のジョイント構造。
  4. 【請求項4】 前記第2の接着樹脂フィルム層は、硬質
    樹脂フィルムからなる上側層と、軟質樹脂フィルムから
    なる下側層とを有する2層構造である請求項1又は2記
    載のコンベヤベルトのジョイント方法。
  5. 【請求項5】 表面樹脂層を有するコンベヤベルトのジ
    ョイント方法であって、 フィンガー形状に切断されたベルト端部を若干の隙間を
    残して、互いに突き合わせる第1の工程と、 前記ベルト端部を突き合わせた状態で、それらの上面に
    跨って、前記表面樹脂層より融点が低い第1及び第2の
    接着樹脂フィルムで補強織布を挟んだ積層体を載せる第
    2の工程と、 前記積層体を載せた状態で、加熱手段にて加熱して熱融
    着させる第3の工程とを備えることを特徴とするコンベ
    ヤベルトのジョイント方法。
  6. 【請求項6】 前記コンベヤベルトの表面樹脂層は、融
    点が150〜180℃程度のポリウレタンで構成され、 前記第1及び第2の接着樹脂フィルムは、融点が100
    〜150℃程度のポリウレタンで構成され、 前記加熱手段は、加熱温度が170℃程度のアイロンで
    ある請求項5記載のコンベヤベルトのジョイント方法。
  7. 【請求項7】 前記第3の工程において、前記積層体の
    上側に、フッ素系樹脂フィルムを載せ、熱融着後に引き
    剥がす請求項5又は6記載のコンベヤベルトのジョイン
    ト方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007284165A (ja) * 2006-04-13 2007-11-01 Nitta Ind Corp ニップ駆動式カーブコンベヤ用搬送ベルト

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