JP2000296488A - 物品取出し用の吸着装置 - Google Patents

物品取出し用の吸着装置

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JP2000296488A
JP2000296488A JP11106512A JP10651299A JP2000296488A JP 2000296488 A JP2000296488 A JP 2000296488A JP 11106512 A JP11106512 A JP 11106512A JP 10651299 A JP10651299 A JP 10651299A JP 2000296488 A JP2000296488 A JP 2000296488A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】物品の被吸着面が一定でなかったり凹凸の段差
が急激なもの、あるいは被吸着面が平坦なものであって
も、一つの機構で確実に吸着し得る物品取出し用の吸着
装置を提供する。 【解決手段】上下に貫通する如く略中央部分に吸引口が
設けられると共に、該吸引口の上面側に吸引装置が接続
される基盤と、該基盤の下面側で吸引口の周囲全面に亘
って所定の弛みを持たせて張設された柔軟なシート状部
材と、を備えたことを特徴とする。前記シート状部材に
は、例えばシート状部材で形成される内部空間内に外気
を導入し得る通気孔が設けられ、また、シート状部材に
よる物品の吸着取出し後に、シート状部材を膨らませて
吸着前の状態に復帰させ得る送風手段が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被吸着面の凹凸の
段差が大きく、しかもその凹凸の大きさや配列が一定で
ない物品の吸着取出しに好適な物品取出し用の吸着装置
に係わり、例えばリンゴ、桃、梨、卵等の農産物の箱詰
め包装に用いられる農産物収容用のトレイパックを、積
み重ねられた状態から一枚づつ吸着して取出すことがで
きる物品取出し用の吸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、物品を吸着して取出す装置として
は、例えば実開平3−115212号公報、特公昭55
−43876号公報及び実開昭55−175089号公
報に開示されている。先ず、実開平3−115212号
公報に開示の物品の吸着保持体(吸着装置Aという)
は、吸着パッドの下端開口部に、非通気性のゴムスポン
ジ等を所定幅で環状に設けたものである。
【0003】また、特公昭55−43876号公報に開
示の重量物搬送用吸盤(吸着装置Bという)は、逆じょ
うご状の真空室の周囲に中空の加圧室を設け、加圧室に
空気圧または水等の流体源と連結した取入口を設けると
共に真空室を真空源に連結し、加圧室を圧入することに
よりその内圧と真空室の吸引力と相俟って、平面を持つ
重量物を吸着するようにしたものである。さらに、実開
昭55−175089号公報に開示の吸着筺(吸着装置
Cという)は、吸着筺本体の下面側に取り付けられた多
孔板の下面に、通気性のスポンジ板を設けたもので、タ
イル等の平板状の物品の吸着に適するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開平
3−115212号公報に開示の吸着装置Aにあって
は、一般的に使用されている蛇腹式吸着盤の改良型であ
り、被吸着面の凹凸の差が比較的少ない物品や緩やかな
物品(例えば筋状、イボ状、あるいは網目状の凹凸等を
有する物品)で、かつ球状型の青果物等の物品の吸着保
持には好適であるものの、被吸着面の凹凸の差が急激で
大きな物品の場合には吸着ミスが生じ易いという問題点
があった。すなわち、凹凸の差が大きく急激な物品かあ
るいは凹凸がある部分に集中しているような物品の場
合、当該凹凸部分の段差が、環状ゴムスポンジの弾性変
形及び撓み変形範囲内で吸収できないことがあり、環状
ゴムスポンジが物品の被吸着面に確実に接触せず、吸着
ミスが生じ易くなる。
【0005】また、特公昭55−43876号公報に開
示の吸着装置Bにあっては、加圧室を形成するゴム等の
弾性質の吸着壁を物品の被吸着面に吸着させる方式であ
るため、吸着壁の弾性変形及び撓み変形範囲内で、物品
の被吸着面の凹凸を吸収することは難しい。また、実開
昭55−175089号公報に開示の吸着装置Cにあっ
ても、スポンジの圧縮変形によって物品を吸着する方式
であるため、スポンジの圧縮変形範囲内で、物品の被吸
着面の凹凸を吸収することが難しい。したがって、これ
らの吸着装置B、Cにあっても、被吸着面の凹凸の段差
が急激で大きな物品の場合には、吸着装置Aと同様の問
題点を有していることになる。
【0006】ところで、被吸着面の凹凸の段差が急激で
大きく変化する物品の一例として、各種農産物の包装箱
詰め時に使用される農産物収容用のトレイパックが上げ
られる。このトレイパックは、段差の大きな多数の凹部
が所定の配列で隣設して形成されているもので、凹部の
配列及びその形状、大きさは多種多様に設定されてい
る。そして、このようなトレイパックに農産物を箱詰め
する場合、一般的に、選果場(農産物の選別包装施設)
に設置されている箱詰めロボット等によって自動的に行
われるが、この自動箱詰め時に多数枚積層されたトレイ
パック群から各トレイパックを一枚づつ取上げて箱詰め
位置にセットする必要がある。
【0007】このトレイパック群からの各トレイパック
の取上げは、取上げ時に、特定の1種類のトレイパック
を限定して、例えば前記吸着装置Aで、トレイパックの
凹部の底部や平らな凸部に吸着パッドを接触させて吸着
取上げることは可能である。しかし、多種多様の形態の
トレイパックを取り扱う選果場においては、凹部の配列
及び形状、大きさに応じた多くの形状の吸着パッドを用
意しなければならず、吸着装置Aでは、コスト、運営操
作性及び配置スペース等の点において実用的でない。
【0008】また、トレイパックは、その隣設する凹部
間の仕切壁(立上がり壁)についても、その形状が外周
縁部(上端面)と同一のもの、あるいは仕切壁の上部に
凹みを有するものがある等、多種多様である。そのた
め、仕切壁がトレイパックの外周縁部と全て同一で、上
方から平らな板等を伏せた時に空気漏れが生じ難いトレ
イパックの場合は、平面を持つ物品を取上げることを目
的とした、前記吸着装置Aや吸着装置B等で吸着できる
可能性は高い。しかし、仕切壁の高さが低かったり前記
凹みを有するようなトレイパックの場合は、平らな吸着
面に接触させるだけでは隙間ができるため、空気漏れが
生じ易く前述した吸着装置B、C等での吸着は困難であ
る。そこで、トレイパックの仕切壁の形状等に応じて、
吸着装置B、C等を選択的に使い分けることも考えられ
るが、これも実際上困難であり汎用的でない。
【0009】つまり、前記吸着装置Aにあっては、トレ
イパックの凹部の配列、形状等が多種多様にある場合
に、この吸着装置Aを用いて各種形態のトレイパックを
確実に吸着取上げることは困難であり、吸着装置Aがト
レイパックの形態毎に専用化されて吸着装置A自体のコ
ストアップを招くことになる。また、吸着装置Bや吸着
装置Cにあっては、吸着壁やスポンジの圧縮変形に限度
があることから、隣設する凹部の間の仕切壁の高さが様
々あるトレイパックを安定して吸着することが難しい。
また、吸着装置A〜Cで同一形状のトレイパックを吸着
取上げたとしても、トレイパックの厚さが比較的薄いこ
とから、吸着時にトレイパック全体の反りや曲がりが発
生し易く、吸着ミスを一層招き易いという問題点がある
のも実情である。
【0010】本発明は、このような事情に鑑み、従来の
吸着装置のように、特定の形状と弾性力を有するもので
は、凹凸段差の急激な被吸着面を有する物品の取出しに
限度があり、むしろ柔軟なシート状部材に所定の弛ませ
を持たせて設け、この弛みを利用し吸引作用で吸引口方
向に移動させれば、シート状部材を物品の被吸着面に馴
染ませることができる点に着目してなされたものであ
る。
【0011】そして、請求項1記載の発明の目的は、物
品の被吸着面が一定でなかったり凹凸の段差が急激なも
の、あるいは被吸着面が平坦なものであっても、一つの
機構で確実に吸着し得る物品取出し用の吸着装置を提供
することにある。また、請求項2記載の発明の目的は、
請求項1記載の発明の目的に加え、シート状部材の移動
をスムーズに行い得る物品取出し用の吸着装置を提供す
ることにあり、請求項3記載の発明の目的は、請求項1
または2記載の発明の目的に加え、シート状部材を元の
状態に容易に戻して、次の吸着動作を確実に行い得る物
品取出し用の吸着装置を提供することにある。
【0012】また、請求項4記載の発明の目的は、物品
の被吸着面が一定でなかったり凹凸の段差が急激なも
の、あるいは被吸着面が平坦なものであっても、一つの
機構で確実に吸着し得ると共に、構成の簡素化を図り得
る物品取出し用の吸着装置を提供することにある。ま
た、請求項5記載の発明の目的は、請求項1または4記
載の発明の目的に加え、物品の被吸着面に良好に密着し
てより確実に吸着し得る物品取出し用の吸着装置を提供
することにあり、請求項6記載の発明の目的は、請求項
1ないし5記載の発明の目的に加え、被吸着面の小さな
凹凸を吸収して物品をより一層確実に吸着し得る物品取
出し用の吸着装置を提供することにある。また、請求項
7記載の発明の目的は、請求項1ないし6記載の発明の
目的に加え、シート状部材の移動をよりスムーズに行い
得る物品取出し用の吸着装置を提供することにあり、請
求項8記載の発明の目的は、請求項1ないし7記載の発
明の目的に加え、多種多様の農産物収容用トレイパック
であっても確実に吸着し得る物品取出し用の吸着装置を
提供することにある。また、請求項9記載の発明の目的
は、請求項1ないし8記載の発明の目的に加え、吸着時
の物品の反りを確実に防止し得る物品取出し用の吸着装
置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべ
く、本発明のうち請求項1記載の発明は、上下に貫通す
る如く略中央部分に吸引口が設けられると共に、該吸引
口の上面側に吸引装置が接続される基盤と、該基盤の下
面側で吸引口の周囲全面に亘って所定の弛みを持たせて
張設された柔軟なシート状部材と、を備えたことを特徴
とする。
【0014】このように構成することにより、例えば基
盤を下降させてその下面に張設されたシート状部材を、
物品の被吸着面に接触させて吸引装置を作動させると、
基盤の吸引口の下面の周囲全周に亘って設けられている
シート状部材が、吸引作用で被吸着面の凹凸に沿いつつ
吸引口方向に移動する。このシート状部材の移動で、そ
の周囲全周が被吸着面の凹凸に馴染んだ状態で吸着し、
この時、シート状部材が柔軟で所定の弛みを持って張設
されていることから、被吸着面の凹凸の段差が急激に変
化する箇所があっても、その変化に容易に馴染むことが
できる。これにより、被吸着面の凹凸の形態に係わら
ず、シート状部材で物品が確実に吸着される。
【0015】また、請求項2記載の発明は、シート状部
材が、該シート状部材で形成される内部空間内に外気を
導入し得る通気孔が設けられていることを特徴とする。
このように構成することにより、シート状部材に設けら
れた通気孔を介して、シート状部材の内部空間内の換気
を行うことができて、シート状部材の移動がスムーズと
なる。
【0016】また、請求項3記載の発明は、シート状部
材による物品の吸着取出し後に、シート状部材を膨らま
せて吸着前の状態に復帰させ得る送風手段が設けられて
いることを特徴とする。このように構成することによ
り、シート状部材による物品の吸着取出し終了後に、吸
引作用で収縮して物品に吸着しているシート状部材の内
部空間内に、圧縮空気等が送り込まれる。この圧縮空気
等でシート状部材が膨らんで元の状態に復帰することか
ら、シート状部材による物品の繰り返し吸着取出しが容
易かつ確実に行われる。
【0017】また、請求項4記載の発明は、上下に貫通
する如く略中央部分に吸引口が設けられると共に、該吸
引口の上面側に吸引装置が接続される基盤と、該基盤の
下面側で吸引口の周囲に異形同心状に垂設された複数の
柔軟なシート状部材と、を備えたことを特徴とする。
【0018】このように構成することにより、例えば基
盤を下降させてその下面側に設けられているシート状部
材を、物品の被吸着面に接触させて吸引装置を作動させ
ると、基盤の吸引口の周囲に垂設されている柔軟なシー
ト状部材が、吸引作用で被吸着面の凹凸に沿いつつ吸引
口方向に移動する。このシート状部材の移動で、その周
囲全周が被吸着面の凹凸面に馴染んだ状態で吸着し、こ
の時、シート状部材が異形同心状に複数設けられている
ことから、いずれかのシート状部材が被吸着面の凹凸の
段差が急激に変化する箇所があっても、その変化に容易
に馴染む状態で吸着する。これにより、被吸着面の凹凸
の形態に係わらず、シート状部材で物品が確実に吸着さ
れる。また、シート状部材の上端部を基盤に固着するだ
けでよいことから、吸着装置の構成の簡素化が図れる。
【0019】また、請求項5記載の発明は、シート状部
材が、物品の被吸着面に所定圧で接触した際に、吸引口
に連通する空間が形成される如く設けられていることを
特徴とする。このように構成することにより、所定の弛
みを有したシート状部材が、物品の被吸着面に接触して
吸引装置が作動すると、シート状部材が凹凸に容易に馴
染んで物品の被吸着面に良好に密着し、物品がより確実
に吸着される。
【0020】また、請求項6記載の発明は、基盤の下面
でシート状部材との間に弾性部材が設けられていること
を特徴とする。このように構成することにより、弾性部
材自体の変形で物品の被吸着面の凹凸を吸収することも
できて、被吸着面の凹凸の急激な段差の変化等により容
易に対応し得る。
【0021】また、請求項7記載の発明は、シート状部
材が略非通気性を有する如く形成されていることを特徴
とする。このように構成することにより、シート状部材
として、非通気性ができるだけ高い材質(略非通気性の
材質)を使用すれば、吸引作用が効果的に得られて、シ
ート状部材の移動がよりスムーズとなる。
【0022】また、請求項8記載の発明は、物品が、所
定形状の農産物をそれぞれ収容する多数の凹部を有する
農産物収容用のトレイパックであることを特徴とする。
このように構成することにより、種類が比較的多い農産
物収容用のトレイパックであっても、その形態に係わら
ず一つの吸着装置で吸着ミスすることなく確実に吸着す
ることができて、例えば農産物の箱詰め作業の作業効率
の向上が図れる。
【0023】また、請求項9記載の発明は、吸引口内へ
の物品の吸い込みを防止する吸込防止手段が設けられて
いることを特徴とする。このように構成することによ
り、吸引口に設けられている吸込防止手段で、物品の吸
引口内への吸い込みが防止され、例えばトレイパックの
ような薄く柔らかい物品であっても、吸着取上げ時の変
形等が確実に防止される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図5は、本発
明に係わる物品取出し用の吸着装置の一実施例を示し、
図1が斜視図、図2がその底面図、図3が吸着装置の断
面図、図4が農産物収容用のトレイパックの断面図、図
5が吸引動作時の断面図である。
【0025】図1〜図3において、吸着装置1は、鉄板
等からなる平板状の基盤2を有し、この基盤2の下面2
bには、スポンジ等からなる弾性体3を介して、柔軟な
シート状部材4が取り付けられている。このシート状部
材4は、各種の生地の繊維製品(例えばポリエスル繊
維)や、合成樹脂シート(例えばポリエチレンシート)
等の非通気性を有する薄いシートによって、比較的浅型
の略袋状に形成されている。
【0026】そして、シート状部材4は、その内周縁部
4aが、基盤2と弾性体3の中心位置に設けた円形の吸
引口5の開口全域に適宜の固着手段で固着されると共
に、その外周縁部4bが、基盤2(及び弾性体3)の外
周縁部に接着等の適宜の固着手段で固着されている。こ
れにより、シート状部材4は、基盤2の下面2b側(弾
性体3の下面側)に所定の弛みを有する状態で固着さ
れ、その内部に環状の内部空間6が形成されている。ま
た、シート状部材4の基盤2との固着部で、基盤2の対
角線位置には内部空間6内の空気を換気させる通気孔7
がそれぞれ形成されている。
【0027】前記基盤2の上面2a側で吸引口5部分に
は、取付板8を介して吸気管9の一端が接続され、この
吸気管9の他端は、図示しない吸引装置に接続されてい
る。この吸引装置の作動で吸引口5を介して、シート状
部材4の下面4c(外面)と物品としてのトレイパック
15の被吸着面15aとで形成される空間21(図5参
照)が、後述する如く負圧になることによって、弛んだ
状態のシート状部材4がトレイパック15の被吸着面1
5aの形状に馴染みながら移動することになる。
【0028】また、基盤2の上面2aで前記内部空間6
に対応する位置にはエアー送風口10(図1参照)が設
けられ、このエアー送風口10には図示しない送風装置
が接続されている。このエアー送風口10から内部空間
6内にエアーが送風されることによって、収縮状態のシ
ート状部材4が膨らむ、すなわちシート状部材4が元の
状態に復帰する。なお、このエアー送風口10や前記通
気孔7は必ずしも必要ではなく、例えば収縮した状態の
シート状部材4の復帰を、シート状部材4自体の重みで
下方に垂れるようにして行うこともできるし、内部空間
6の換気をシート状部材4自体の材質(所定の通気性)
によって行うこともできる。
【0029】前記取付板8の下面で吸引口5内には、図
3に示すように、吸込防止機構11が設けられている。
この吸込防止機構11は、取付板8に固定された支持板
12と、この支持板12の下端に固定された金網13と
で形成され、金網13の下面位置(支持板12の高さ)
は、弾性体3の下面より若干上方に位置するように設定
されている。この吸込防止機構11によって、板厚が薄
く変形し易いトレイパック15の吸引口5内への吸い込
みが防止される。
【0030】次に、この吸着装置1で物品としての農産
物収容用のトレイパック15の吸着取出し動作について
説明する。先ず、農産物収容用のトレイパック15は、
図1及び図4に示すように、平面視直方体形状でその被
吸着面15aには、多数の凹部16が所定の配列を有す
る如く発泡樹脂等で形成されている。このトレイパック
15の隣設する凹部16間の仕切壁17(立上がり壁)
には、凹部16内に収容された農産物の取出し等を容易
にするための凹み17aがそれぞれ形成されると共に、
凹部16間及び外周縁部には平坦部18が形成されてい
る。このように形成されたトレイパック15は、上方の
トレイパック15の凹部16に対応して下方に突出した
突出部16aを、下方のトレイパック15の凹部16内
に軽く嵌合することにより積層されて、図1に示すよう
に、トレイパック群19を形成している。
【0031】そして、このトレイパック群19から、最
上位のトレイパック15を吸着装置1で吸着して取上げ
る(取出す)場合、吸着装置1のシート状部材4が膨ら
み下方に弛んだ状態で、吸着装置1(吸気管9及び基盤
2)を下降させてシート状部材4の下面4cをトレイパ
ック15の被吸着面15aに押し付ける。この時、シー
ト状部材4は下方に弛んだ状態となっているため、シー
ト状部材4がトレイパック15の被吸着面15aの平坦
部18に収縮した状態で接触すると共に、凹部16や仕
切壁17部分に所定圧(下降量に応じた圧力)で接触し
た状態となる。しかし、例えば被吸着面15aの仕切壁
17の凹み17a部分においては、被吸着面15aの凹
凸の段差が急激に変化するため、シート状部材4を単に
下方に押し付けただけでは、図4の二点鎖線で示すよう
に、多少の隙間20を有する箇所も生じていることにな
る。
【0032】このような状態で吸気管9に接続されてい
る吸引装置を作動させると、図5に示すように、吸気管
9及び吸引口5を介して、シート状部材4の下面4cと
トレイパック15の被吸着面15aで形成される空間2
1内が負圧となり、この負圧によって柔軟なシート状部
材4が吸引口5方向に引っ張られて移動する。シート状
部材4が吸引口5方向に移動すると、シート状部材4が
柔軟であることから、トレイパック15の被吸着面15
aの凹凸の段差に沿って、すなわちシート状部材4が段
差に馴染みつつ移動し、この移動によって仕切壁17の
凹み17a部分に形成されている前記隙間20がシート
状部材4で塞がれる。
【0033】この隙間20が塞がれることによって空間
21内が密閉されて状態となり、所定の吸引圧でシート
状部材4がトレイパック15の被吸着面15aの平坦部
18、凹部16及び仕切壁17の凹み17a部分等に密
着する。そして、この状態で吸引装置1が上昇すること
によって、最上位のトレイパック15が直下のトレイパ
ック15から分離して取上げられる。
【0034】なお、隙間20が塞がれると空間21内が
密閉状態となり、板厚の薄いトレイパック15が吸引口
5内に吸い込まれ易くなる。しかし、この吸い込みは、
吸引口5に設けた吸込防止機構11の金網13によって
防止され、吸着時のトレイパック15の反り等の変形が
なくなり、上下のトレイパック15の分離がスムーズと
なる。また、シート状部材4の移動時に、シート状部材
4の4隅の外周縁部4bに設けた通気孔7から外気が導
入されるため、この外気によってもシート状部材4の移
動がよりスムーズに行われる。
【0035】そして、この取上げられたトレイパック1
5は、後述する如く選別包装施設25の箱詰め位置S1
(図6及び図7参照)まで移動された後に、吸引装置1
の作動を停止させることにより、シート状部材4がトレ
イパック15の被吸着面15aから離れ箱詰め位置S1
にセットされる。この時、箱詰め位置S1まで移動し
た、すなわち吸引動作が完了した時点で、基盤2に設け
られているエアー送風口10からシート状部材4の内部
空間6内にエアーを送風する。このエアーの送風によ
り、吸引で収縮状態のシート状部材4が膨らみ、吸着し
ているトレイパック15がシート状部材4から容易に離
れると共に、シート状部材4自体の形状も吸着前の元の
状態に戻り、次のトレイパック15の吸着動作が可能な
状態となる。
【0036】すなわち、前記吸引装置1は、柔軟なシー
ト状部材4を下方に弛ませた状態で設け、このシート状
部材4を吸引作用によって吸引口5方向に移動させるこ
とにより、シート状部材4をトレイパック15の被吸着
面15aの凹凸形状に馴染ませつつ密着させる。そのた
め、被吸着面15aの凹凸の段差が大きくかつ急激な形
状のトレイパック15であっても、シート状部材4をそ
の被吸着面15aに確実に密着させて取上げることがで
きて、トレイパック15の形状に係わらず、一つの吸着
装置1で各種形状のトレイパック15の取上げが可能に
なる。
【0037】次に、前記吸着装置1を使用した農産物の
選別包装施設の一例を図6〜図11に基づいて説明す
る。図6において、選別包装施設25には、2列の農産
物供給コンベア26と、この農産物供給コンベア26に
対応した2列の搬送コンベア27と、1列の選別コンベ
ア28とが連続した状態で配置されると共に、選別コン
ベア28にはその搬送方向と直交する方向に複数列の分
岐搬送ライン29が接続されている。
【0038】そして、前記農産物供給コンベア26から
搬送されてくる農産物Wは、作業者Mによって対応する
搬送コンベア27のトレイ30上(図7参照)に1個づ
つそれぞれ載置され、この農産物Wが、搬送コンベア2
7の下流側に配置された計測装置31で計測された後に
合流部32で合流されて、1列の選別コンベア28の上
流側に供給される。
【0039】前記分岐搬送ライン29は、選別コンベア
28に対して複数列設けられ、各列の分岐搬送ライン2
9には2列対になった貯留集積コンベア33がそれぞれ
配置され、この各貯留集積コンベア33上に、仕分け分
類された農産物Wが貯留集積される。また、分岐搬送ラ
イン29(貯留集積コンベア33)の上流側には、排出
装置34がそれぞれ配置されると共に、分岐搬送ライン
の29下流側には機械箱詰め部35と手詰め部36(但
し手詰め部36は最右端の分岐搬送ライン29)がそれ
ぞれ配置されている。
【0040】前記機械箱詰め部35は、図7〜図11に
示すように、前記吸着装置1を有するトレイパック供給
装置37と、箱詰め装置38及び空箱供給装置39等で
構成されている。トレパック供給装置37は、複数列の
貯留集積コンベア33の下流側上方に1列状態で配置さ
れた、例えば18玉、20玉及び24玉の3種類のトレ
イパック15用の載置台40と、緩衝シート42用の載
置台41を有し、この各載置台40、41の上方に吸着
装置1が位置し得るように構成されている。
【0041】そして、吸着装置1は、トレイパック供給
装置37に次のようにして取り付けられている。すなわ
ち、図8〜図10に示すように、前記吸気管9の上端に
支持杆44が連結され、この支持杆44の上部に軸受4
5が配置されると共に、支持杆44上部と軸受45には
1対の平行アーム46a、46bの一端が連結されてい
る。また、平行アーム46aの他端は、フレーム47に
固定したモータ48の回転軸48aに連結され、平行ア
ーム46bの他端が支軸49に連結されている。さら
に、モータ48が固定されたフレーム47にはガイド5
0が設けられ、このガイド50がモータ52の作動で回
転するガイド杆51に上下動し得るように係合すると共
に、ガイド杆51自体がモータ53(図9参照)の回転
で水平方向に移動し得るように構成されている。
【0042】これにより、モータ48が回転することに
よって、一対の平行アーム46a、46bは、図6及び
図10に示すように、載置台40、41の位置と箱詰め
位置S1との間で矢印イの如く水平面内で回動する。ま
た、モータ52が回転することによって、フレーム47
(すなわち一対の平行アーム46a、46b)が、カイ
ド杆51に沿って図10の矢印ロの如く(Z方向)に上
下動し、モータ53が回転することによって、吸引装置
1が図9の矢印ハ方向(Y方向)に移動する。なお、ト
レイパック供給装置37の構成は、以上の例に限定され
ることなく、他の適宜の構成を採用することができる。
【0043】前記箱詰め装置38は、所定数の吸着パッ
ド56を有する箱詰めヘッド55を有し、この箱詰めヘ
ッド55は、図11に示すように、モータ57が回転す
ることによってY方向に移動すると共に、モータ58の
回転によってZ方向に移動し、さらに図7に示すよう
に、モータ59の回転によってX方向に移動可能に設け
られている。この箱詰めヘッド55は、その吸着パッド
56によって、貯留集積コンベア33の下流側に接続さ
れた搬送コンベア60の、箱詰め待機位置S2に待機し
ているトレイ30上の農産物Wを吸着して取上げる。そ
して、この農産物Wが、X方向前方に移動することによ
って、前記トレイパック供給装置37で取上げられ、箱
詰め位置S1にセットされているトレイパック15の凹
部16内に収容(箱詰め)される。なお、箱詰め位置S
1は、箱詰め作業の効率向上のために例えば2箇所設け
られている。
【0044】前記空箱供給装置39は、箱詰め装置38
の反箱詰め位置S1側に設置された空箱降下装置61
と、この空箱降下装置61の下端に連結され空箱65を
箱詰め位置S1下方まで搬送する空箱搬送コンベア62
と、この箱詰め位置S1下方まで搬送された空箱65を
箱詰め位置S1まで上昇させる空箱上昇装置63とで構
成されている。なお、空箱降下装置61には、例えば4
種類の空箱65を供給する4列の配函コンベア64(図
8参照)が接続されており、この配函コンベア64で搬
送されてくる空箱65が、適宜に選択されて空箱降下装
置61に供給される。
【0045】ここで、この選別包装施設25における農
産物Wと空箱65等の流れの概略について説明する。先
ず、計測装置31によって計測されその等階級等が判定
(仕分け分類)された農産物Wは、仕分け分類に応じて
対応する排出装置34が作動することによって、所定の
分岐搬送ライン29の貯留集積コンベア33上に供給さ
れ、貯留集積コンベア33で下流側に搬送されて貯留集
積される。この貯留集積された農産物Wは、貯留集積コ
ンベア33の下流側に接続された搬送コンベア60上に
適宜に供給されて箱詰め待機位置S2で待機させられ
る。
【0046】一方、4種類の空箱65は、造られた状態
(上面が開けられた状態)で配函コンベア64で搬送さ
れて、各空箱降下装置61の位置で停止させられて待機
し、所定の空箱65が空箱降下装置61内に供給され
る。この空箱65は、空箱搬送コンベア62で搬送さ
れ、空箱上昇装置63によって2箇所の箱詰め位置S1
にそれぞれセットされる。
【0047】そして、所定の農産物Wが箱止め待機位置
S2に所定数待機され、箱詰め位置S1に空箱65がセ
ットされたら、トレイパック供給装置37が作動して、
前述したように、シート状部材4の吸着によって、所定
のトレイパック群19の最上位のトレイパック15を取
上げる。この取上げられたトレイパック15は、平行ア
ーム46a、46bが回転することにより、箱詰め位置
S1にセットされている空箱65内に挿入されてセット
される。この状態で、箱詰め装置38が作動して、その
箱詰めヘッド55の吸着パッド56で、箱詰め待機位置
S2に待機しているトレイ30上の農産物Wが所定数一
括吸着されて取上げられ、箱詰め位置S1まで移動させ
られる。
【0048】箱詰め位置S1まで移動させられた農産物
Wは、箱詰めヘッド55の下降により、トレイパック1
5の凹部16内に例えば一列状態で収容され、この作業
を所定回数繰り返すことにより、所定玉数の農産物Wが
トレイパック15の各凹部16内にそれぞれ収容(箱詰
め)される。1枚目のトレイパック15の全ての凹部1
6に農産物Wが箱詰めされたら、トレイパック供給装置
37を作動させて、載置台41上に積層載置されている
緩衝シート42を、吸着装置1のシート状部材4で吸着
して取上げる。この緩衝シート42の吸着取上げも、シ
ート状部材4のトレイパック15に対する作用と同様の
作用によって取上げられ、この時、緩衝シート42には
凹凸がほとんどないことから、より良好な吸着取上げが
可能になる。
【0049】シート状部材4で取上げられた緩衝シート
42は、トレイパック供給装置37の回動により、箱詰
め位置S1の箱詰めされた空箱65内の農産物W上に載
置される。そして、箱詰め形態が2段積みの場合は、こ
の緩衝シート42上にさらに次のトレイパック15が積
層されて農産物Wが箱詰めされ、所定段数箱詰めされた
時点で箱詰め作業が終了する。なお、緩衝シート42を
用いない箱詰め形態の場合には、農産物Wが箱詰めされ
た時点で箱詰め作業が終了することになる。このように
して農産物Wが箱詰めされた包装箱は、製品搬送コンベ
アで下流側に搬送され、農産物Wが箱詰めされた包装箱
が排出された箱詰め位置S1には、空箱供給装置39に
より次の空箱65が供給される。
【0050】このように上記実施例の吸着装置1によれ
ば、基盤2の吸引口5の下面2a外周に柔軟なシート状
部材4を弛ませた状態で取り付け、このシート状部材4
を吸引装置の作動で吸引口5方向に移動させることがで
きるため、シート状部材4をトレイパック15の凹凸形
状に馴染ませつつ密着させることができ、仕切壁7に凹
み7aを有する凹凸の段差が大きく急激であるトレイパ
ック15であっても、吸着ミスすることなく確実に吸着
して取上げることができる。
【0051】また、シート状部材4が基盤2に所定厚さ
の弾性体3を介して取り付けられているため、この弾性
体3の弾性変形により、トレイパック15の被吸着面1
5aの多少の凹凸を吸収することができ、シート状部材
4のトレイパック15への吸着をよりスムーズに行うこ
とができる。さらに、吸引口5に金網13を有する吸込
防止機構11が設けられているため、比較的薄いトレイ
パック15や緩衝シート42の吸引による吸引口5内へ
の吸い込みが確実に防止され、吸着取上げ時のトレイパ
ック15等の反りや変形が抑えられ、積層状態のトレイ
パック15の分離及び取上げをスムーズに行うことがで
きる。
【0052】これらのことから、この吸着装置1を選別
包装施設25のトレイパック供給装置37に適用するこ
とにより、積層状態のトレイパック群19からトレイパ
ック15を一枚づつ確実に分離して取上げて、箱詰め位
置S1にセットすることができる。その結果、吸着取上
げミスの発生頻度を従来の方式に比較して極めて小さく
することができて、農産物Wの箱詰め包装作業の作業効
率を大幅に高めることが可能になる。
【0053】また、吸引装置1のシート状部材4を、ト
レイパック15の被吸着面15aの凹凸形状に係わらず
密着することができるため、1台(1種類の)の吸着装
置1で各種形態のトレイパック15や緩衝シート42を
吸着して取上げることができ、各トレイパック15に応
じて吸着装置1を一々用意する必要がなくなり、トレイ
パック供給装置37自体の構成を簡素化することができ
ると共に、安価なトレイパック供給装置37を得ること
ができる。さらに、柔軟なシート状部材4で隙間20を
できるだけ塞いだ状態で、吸引装置を作動させることが
できるため、吸引装置自体の吸引容量を過大なものとす
る必要がなくなり、必要最小限の容量で実現できて、よ
り安価な吸着装置1(トレイパック供給装置37)が得
られる。
【0054】図12及び図13は、本発明に係わる吸着
装置の他の実施例を示し、図12が図3と同様の断面
図、図13がその底面図である。なお、上記実施例と同
一部位には同一符号を付して説明する。この実施例の吸
着装置1の特徴は、シート状部材を袋状に形成すること
なく、基盤2の下面2b側に異形同心多層状に垂らして
設けた点にある。すなわち、基盤2の下面2bに弾性体
3を固着し、この弾性体3の下面で吸引口5の外側に、
径の異なる複数種類(図では3種類)のリング状のシー
ト状部材22の上端部22aを固着する。これにより、
各シート状部材22の下端部22bは下方に垂れた状態
となる。
【0055】この実施例のシート状部材22において
も、その下端部22bをトレイパック15の被吸着面1
5aに所定圧(所定量縮めた状態)で接触させ、吸引口
5を負圧にすることによってシート状部材22が吸引口
5方向に移動し、例えば仕切壁7の凹み7a部分に密着
した状態となり、上記実施例と同様の作用効果が得られ
る。また、この実施例の場合、シート状部材22自体の
形状が単純化されるため、吸引装置1の構成を簡素化す
ることができるという作用効果も得られる。この実施例
のシート状部材22の層数や形状は、この例に限定され
ることなく適宜に変更することができる。
【0056】なお、本発明は、上記した各実施例に限定
されるものでもなく、吸引作用によって吸引口5方向に
移動してトレイパック15の被吸着面15aに密着し得
る適宜のシート状部材を使用することができる。また、
上記実施例においては、吸着して取上げる物品として、
農産物収容用のトレイパック15を例にして説明した
が、本発明に係わる吸着装置は、各種の物品の吸着取出
しに適用することができる。
【0057】さらに、上記実施例における基盤2の形状
や吸引口5の大きさ及び形状、選別包装施設25のライ
ン構成、トレイパック供給装置37、箱詰め装置38及
び空箱供給装置39の構成等も一例であって、本発明に
係わる各発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更
可能であることはいうまでもない。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の発
明によれば、基盤にシート状部材を弛ませた状態で取り
付けると共に、このシート状部材を吸引作用で吸引口方
向に移動させることができるため、物品の被吸着面に凹
凸の段差が急激に変化する箇所があっても、その変化に
シート状部材が容易に馴染むことができて、被吸着面の
凹凸の形態に係わらず物品を確実に吸着して取出すこと
ができる。
【0059】また、請求項2記載の発明によれば、請求
項1記載の発明の効果に加え、シート状部材で形成され
る内部空間内に外気を導入し得る通気孔が設けられてい
るため、通気孔を介して、シート状部材で形成される内
部空間内の換気を行うことができて、シート状部材の移
動がスムーズとなり、物品をより一層確実に吸着するこ
とができる。
【0060】また、請求項3記載の発明によれば、請求
項1または2記載の発明の効果に加え、シート状部材に
よる物品の吸着取出し終了後に、吸引作用で収縮して物
品に吸着しているシート状部材の内部に圧縮空気等が送
り込まれるため、圧縮空気等でシート状部材を元の状態
に膨らませることができると共にシート状部材の物品か
らの剥離が確実となり、物品の繰り返し吸着取出し作業
を容易かつ確実に行うことができる。
【0061】また、請求項4記載の発明によれば、基盤
の吸引孔の下面外周側に異形同心円状の複数の柔軟なシ
ート状部材が垂れた状態で設けられているため、シート
状部材が吸引によって被吸着面の凹凸に沿いつつ吸引口
方向に移動して、いずれかのシート状部材を凹凸面に馴
染んだ状態で吸着させることができ、被吸着面の凹凸の
形態に係わらず、物品を確実に吸着して取出すことがで
きる。
【0062】また、請求項5記載の発明によれば、請求
項1または4記載の発明の効果に加え、シート状部材が
被吸着面に所定圧で接触した際に、吸引口に連通する空
間が形成される如く設けられているため、シート状部材
が凹凸に容易に馴染んで物品の被吸着面に良好に密着
し、物品をより確実に吸着することができる。
【0063】また、請求項6記載の発明によれば、請求
項1ないし5記載の発明の効果に加え、基盤の下面でシ
ート状部材との間に弾性部材が設けられているため、弾
性部材自体の変形で物品の被吸着面の凹凸を吸収するこ
とができて、被吸着面の凹凸の急激な段差の変化等によ
り容易に対応することができる。
【0064】また、請求項7記載の発明によれば、請求
項1ないし6記載の発明の効果に加え、シート状部材が
略非通気性を有する如く形成されているため、シート状
部材として、非通気性ができるだけ高い材質(略非通気
性の材質)を使用すれば、吸引作用が効果的に得られ
て、シート状部材の移動をよりスムーズに行うことがで
きる。
【0065】また、請求項8記載の発明によれば、請求
項1ないし7記載の発明の効果に加え、種類が比較的多
い農産物収容用のトレイパックであっても、その形態に
係わらず一つの吸着装置で吸着ミスすることなく確実に
吸着することができて、例えば農産物の箱詰め作業の作
業効率を向上させることができる。
【0066】また、請求項9記載の発明によれば、請求
項1ないし8記載の発明の効果に加え、吸着する物品の
吸引口内への吸い込みが吸込防止手段で防止されるた
め、例えばトレイパックのような薄く柔らかい物品であ
っても、吸着取上げ時の吸い込みによる変形等を確実に
防止することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる物品取出し用の吸着装置の一実
施例を示す斜視図
【図2】同その底面図
【図3】同吸着装置の断面図
【図4】同農産物収容用のトレイパックの断面図
【図5】同吸着装置の吸引動作時の断面図
【図6】同吸着装置を使用した農産物の選別包装施設の
概略平面図
【図7】同その要部の拡大平面図
【図8】同図7のA−A線矢視図
【図9】同図7のB−B線矢視図
【図10】同トレイパック供給装置の動作説明図
【図11】同図7のC−C線矢視図
【図12】本発明に係わる物品取出し用の吸着装置の他
の実施例を示す図3と同様の断面図
【図13】同その底面図
【符号の説明】
1・・・・・・・・吸着装置 2・・・・・・・・基盤 3・・・・・・・・弾性体 4・・・・・・・・シート状部材 4a・・・・・・・内周縁部 4b・・・・・・・外周縁部 4c・・・・・・・下面 5・・・・・・・・吸引口 6・・・・・・・・内部空間 7・・・・・・・・通気孔 10・・・・・・・エアー送風口 11・・・・・・・吸込防止機構 13・・・・・・・金網 15・・・・・・・トレイパック 15a・・・・・・被吸着面 16・・・・・・・凹部 17・・・・・・・仕切壁 17a・・・・・・凹み 19・・・・・・・トレイパック群 20・・・・・・・隙間 21・・・・・・・空間 22・・・・・・・シート状部材 22a・・・・・・上端部 22b・・・・・・下端部 25・・・・・・・選別包装施設 37・・・・・・・トレイパック供給装置 38・・・・・・・箱詰め装置 39・・・・・・・空箱供給装置 S1・・・・・・・箱詰め位置 S2・・・・・・・箱詰め待機位置 W・・・・・・・・農産物

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下に貫通する如く略中央部分に吸引口が
    設けられると共に、該吸引口の上面側に吸引装置が接続
    される基盤と、該基盤の下面側で前記吸引口の周囲全面
    に亘って所定の弛みを持たせて張設された柔軟なシート
    状部材と、を備えたことを特徴とする物品取出し用の吸
    着装置。
  2. 【請求項2】前記シート状部材は、該シート状部材で形
    成される内部空間内に外気を導入し得る通気孔が設けら
    れていることを特徴とする請求項1記載の物品取出し用
    の吸着装置。
  3. 【請求項3】前記シート状部材による物品の吸着取出し
    後に、シート状部材を膨らませて吸着前の状態に復帰さ
    せ得る送風手段が設けられていることを特徴とする請求
    項1または2記載の物品取出し用の吸着装置。
  4. 【請求項4】上下に貫通する如く略中央部分に吸引口が
    設けられると共に、該吸引口の上面側に吸引装置が接続
    される基盤と、該基盤の下面側で前記吸引口の周囲に異
    形同心状に垂設された複数の柔軟なシート状部材と、を
    備えたことを特徴とする物品取出し用の吸着装置。
  5. 【請求項5】前記シート状部材は、物品の被吸着面に所
    定圧で接触した際に、前記吸引口に連通する空間が形成
    される如く設けられていることを特徴とする請求項1ま
    たは4記載の物品取出し用の吸着装置。
  6. 【請求項6】前記基盤の下面でシート状部材との間に弾
    性部材が設けられていることを特徴とする請求項1ない
    し5のいずれかに記載の物品取出し用の吸着装置。
  7. 【請求項7】前記シート状部材が略非通気性を有する如
    く形成されていることを特徴とする請求項1ないし6の
    いずれかに記載の物品取出し用の吸着装置。
  8. 【請求項8】前記物品は、所定形状の農産物をそれぞれ
    収容する多数の凹部を有する農産物収容用のトレイパッ
    クであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか
    に記載の物品取出し用の吸着装置。
  9. 【請求項9】前記吸引口内への物品の吸い込みを防止す
    る吸込防止手段が設けられていることを特徴とする請求
    項1ないし8のいずれかに記載の物品取出し用の吸着装
    置。
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