以下に、本願発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本願において「青果物」とは、選別ラインや搬送用パン等に載置可能なあらゆる果実及び野菜を含む概念であり、例えばイチゴやミカン等の小型のもの、桃、梨又はリンゴ等の中型のもの、メロンやスイカ等の大型のものが挙げられる。
まず、図1から図3を参照しながら、イチゴ等の青果物2を選別及び容器詰めする選果システム1について説明する。この実施形態の選果システム1は、青果物の選別機能を有する青果物選別装置を構成する。この実施形態では、青果物2は可食部2aとがく片部2bを有するイチゴであるものとして説明する。
図1に示すように、選果システム1は、青果物2を載置した載置台3を列状に搬送する主搬送装置4(主搬送部)と、作業者によって載置台3に青果物2が載置される青果物載置部5と、青果物2ごとに青果物重量を計測する階級計測装置6と、載置台3に載置された青果物2の等級を計測する等級計測装置7と、品質計測部を構成する階級計測装置6及び等級計測装置7よりも搬送下流側で主搬送装置4に接続される複数の仕分け搬送装置9(選別搬送部)と、青果物をその等級及び階級ごとに各仕分け搬送装置9に仕分ける仕分け装置92a〜92f(選別部)を備えている。主搬送装置4に沿って上流側から順に、青果物載置部5、階級計測装置6、等級計測装置7、仕分け装置92a〜92fが配置される。
載置台3は略円筒形状を有している。載置台3の上面には、載置された青果物2の向き
を揃えるべく、青果物2の形状に合わせた形状、例えば略角錐状の凹部が形成されている。載置台3の中央部には上下に貫通する貫通孔が形成されている。この貫通孔は、等級計測装置7において光照射装置により例えば上方から照射される光を下方側で受光装置が受光可能にするために設けられている。このような載置台3は例えば特許文献3に開示されている。また、載置台3の例えば側面に、個々の載置台3を識別するための識別部材が貼設されている。この識別部材は、例えばICチップやバーコード、二次元コード、磁気テープ等で構成される。
主搬送装置4は、例えば電動モータ等の主搬送駆動装置4a(図5参照)により駆動されるベルトコンベアにより構成される。主搬送装置4の送り終端に廃棄ライン10が設けられている。例えば形状や大きさ、品質等が規格外の青果物2は廃棄ライン10に搬送される。また、主搬送装置4には、青果物2が正確に載置されていない載置台3を等級計測装置7の下流側から主搬送装置4の上流側へ戻すリターンライン11が接続されている。青果物載置部5では作業者によって載置台3に青果物2が載置される。この実施形態では、青果物2は、載置台3の上記凹部に略横に寝かせるようにして載置される。
階級計測装置6では載置台3に載置された青果物2の重量(階級)が計測される。階級計測装置6には、例えばロードセル等を有して青果物2の重量を計測する計量機器6aや、載置台3の識別部材に記録された識別情報(例えば識別番号)を読み取る計量位置の識別情報読取装置6b等が設けられている(図5参照)。等級計測装置7では載置台3に載置された青果物2の品質(等級)が計測される。等級計測装置7には、青果物2を撮像する画像取得装置7aや、その画像取得装置で撮像された画像に関する情報の画像処理を行う画像処理装置7b、青果物2の内部の品質を計測する光照射装置7c及び受光装置7d、載置台3の識別部材に記録された識別情報を読み取る品質計測位置の識別情報読取装置7e等が配置されている(図5参照)。
階級計測装置6の計量データと等級計測装置7(受光装置7d)の透過光の検出データから、各青果物2の階級及び等級が例えばSサイズ等級良(低糖度)、Sサイズ等級優(中糖度)、Sサイズ等級秀(高糖度)、Mサイズ等級良、Mサイズ等級優、Mサイズ等級秀、Lサイズ等級良、Lサイズ等級優、Lサイズ等級秀というように分類される。
各仕分け搬送装置9は、例えば主搬送装置4の左側又は右側に搬送路が分岐するように、主搬送装置4の左右両側に複数配置される。仕分け搬送装置9の搬送方向は、主搬送装置4の搬送方向に対して例えば直交するように配置される。仕分け搬送装置9は、例えば電動モータ等の仕分け搬送駆動装置9b(図5参照)により駆動されるベルトコンベアにより構成される。仕分け搬送装置9には、仕分け搬送装置9上に滞留している載置台3(青果物2)を検出する滞留検出センサ9cが配置されている。滞留検出センサ9cは、仕分け搬送装置9ごとに、仕分け搬送装置9の搬送方向に沿って複数配置されている。この実施形態では、主搬送装置4と手詰め部13の間に3個の滞留検出センサ9cが等間隔に配置されている。
主搬送装置4により搬送される載置台3は、載置されている青果物2の等級及び階級等に応じて主搬送装置4からいずれかの仕分け搬送装置9又は廃棄ライン10に搬送される。仕分け搬送装置9ごとに、搬送される青果物2の等級及び階級が予め設定されている。この実施形態では、主搬送装置4の搬送方向に対して左右それぞれに3本ずつ仕分け搬送装置9が配置されている。
主搬送装置4と仕分け搬送装置9の分岐部分に仕分け装置92a〜92f(選別部)が配置されている。仕分け装置92a〜92fは、主搬送装置4の搬送上流側からその順に配置されており、主搬送装置4と仕分け搬送装置9の各分岐部分において青果物2が載置
された載置台3を仕分け搬送装置9へ移送させるものである。仕分け装置92a〜92fは、例えば仕分けシリンダ90a〜90f(図5参照)の作動により、目的の載置台3を主搬送装置4から仕分け搬送装置9へ導くように動作する。仕分け搬送装置9は、仕分け装置92a〜92fによって主搬送装置4から移送された青果物2及び載置台3を搬送する。図1に示すように、仕分け搬送装置9の例えば両側方に手詰め部13が配置されている。手詰め部13では、作業者が青果物2を載置台3から取り出して青果物収納容器へ詰める容器詰め作業が行われる。
主搬送装置4の左側及び右側に、容器詰め装置50がそれぞれ1台ずつ配置されている。容器詰め装置50は、主搬送装置4の左側又は右側に配置された3本の仕分け搬送装置9のうちいずれかの仕分け搬送装置9の送り終端部9aに案内される。各容器詰め装置50は仕分け搬送装置9により搬送された青果物2を平トレイ8へ移送する装置である。
各容器詰め装置50は、レール71及び車輪72上にそれぞれ配置されている。レール71及び車輪72は、容器詰め装置50が3本の仕分け搬送装置9の送り終端部9a間で移動させて、容器詰め装置50をいずれかの仕分け搬送装置9の送り終端部9aに案内する。レール71は、仕分け搬送装置9よりも主搬送装置4から離れた位置で、主搬送装置4の青果物搬送方向に沿って主搬送装置4の左右に例えば2本ずつ設けられている。車輪72は後述する容器詰め装置50の搬送フレーム70の下部に例えば4個ずつ取り付けられている。対向配置された一対の車輪72は車軸73により連結されている。車軸73の両端にそれぞれ車輪72が固着されている。車軸73は例えば電動モータ等の車軸回転駆動装置74の作動により回転される。1本のレール71上に車輪72が2個ずつ載置され、2本のレール71上に4個の車輪72を介して容器詰め装置50が配置される。車軸回転駆動装置74の作動により車軸73が回転されて車輪72がレール71上で移動することにより、容器詰め装置50がレール71に沿って移動及び案内される。レール71、車輪72、車軸73及び車軸回転駆動装置74は移動部を構成する。車軸回転駆動装置74の作動は例えば制御装置100(図5参照)によって制御される。なお、車軸回転駆動装置74の作動を制御するための制御装置を制御装置100とは別に容器詰め装置50に設けてもよい。
容器詰め装置50は、いずれかの仕分け搬送装置9の送り終端部9aに接続される容器詰め搬送装置91(容器詰め搬送部)と、容器詰め搬送装置91上で載置台3の向き、ひいては青果物2の向きを修正する方向修正装置(図示省略)と、容器詰め搬送装置91の近傍で平トレイ8を供給及び搬送するトレイ搬送装置93(容器配置部)と、載置台3に載置された青果物を容器詰め搬送装置91から平トレイ8へ移送する移送装置60(移送部)を備えている。容器詰め装置50において、容器詰め搬送装置91とトレイ搬送装置93と移送装置60は搬送フレーム70上に配設されている。
図2に示すように、搬送フレーム70は、複数の縦フレームと横フレームが略直方体状に連結された外枠に、隣り合う縦フレームの中途部同士を連結する横桟フレームや、対向する横フレームの中途部同士を連結する梁フレームなどを備えている。例えば、容器詰め搬送装置91及び搬送するトレイ搬送装置93は対向配置された一対の横桟フレーム上に支持され、移送装置60は枠状に組まれた上部横フレームに配設された梁フレームに支持される。また、搬送フレーム70の下部で枠状に組まれた下部横フレームの四隅に車輪72がそれぞれ配置されている。
図3及び図4に示すように、容器詰め搬送装置91は、例えばベルトコンベアで構成され、載置台3を搬送する容器詰め搬送ベルト91aと、容器詰め搬送ベルト91aを作動させる例えば電動モータ等の容器詰め搬送駆動装置91bと、移送装置60が載置台3から青果物2を取り出す青果物取出位置95で載置台3の識別部材に記録された識別情報を読み取る識別情報読取装置91c(図5参照)を備えている。容器詰め搬送駆動装置91bの作動は制御装置100(図5参照)によって制御される。
容器詰め搬送装置91に設けられた方向修正装置(図示省略)は、容器詰め搬送装置91によって搬送される載置台3の向きを容器詰め搬送装置91上で修正して、後述する移送装置60の吸着部66によって青果物2のがく片部2bを吸着可能なように、載置台3に載置される青果物2の向き(青果物2のがく片部2bの向き)を修正する。このような方向修正装置は例えば特許文献3に開示されている。例えば、方向修正装置は、後述する移送装置60の吸着部66により青果物2のがく片部2bを吸着可能にすべく、載置台3を平面視で時計回り又は反時計周りに回転させて、青果物2のがく片部2bが容器詰め搬送装置91の搬送方向に対して右方に135度の方向を向くように青果物2の向きを修正する。
図3及び図4に示すように、トレイ搬送装置93は例えばベルトコンベア部とトレイ供給装置93fを備えている。トレイ搬送装置93は、その搬送方向が容器詰め搬送装置91の搬送方向と同一方向となるように、容器詰め搬送装置91に平行に並べて配置される。また、トレイ搬送装置93は容器詰め搬送装置91の搬送方向に対して例えば右方に配置される。トレイ搬送装置93のベルトコンベア部は、駆動ローラ93aと従動ローラ93bの間に巻回されたトレイ搬送ベルト93cと、駆動ローラ93aを駆動するトレイ搬送駆動装置93dを備えている。トレイ搬送駆動装置93dは例えば電動モータで構成される。トレイ搬送駆動装置93dの作動は制御装置100(図5参照)によって制御される。
トレイ供給装置93fは、トレイ搬送装置93の送り上流側領域で、例えば搬送フレーム70やベルトコンベア部のフレームに支持されてトレイ搬送ベルト93c上に配置されるとともに、トレイ搬送ベルト93c上に平トレイ8を1枚ずつ順次供給する。トレイ搬送ベルト93c上に供給された平トレイ8は、トレイ搬送駆動装置93dの駆動により、トレイ出口93gから青果物載置位置96側へ向けて間欠搬送される。トレイ供給装置93fは、トレイ搬送ベルト93c上に供給した平トレイ8がトレイ出口93gから排出された後に、次の平トレイ8をトレイ搬送ベルト93c上に平トレイ8同士が重ならないようにして供給する。
各平トレイ8には青果物2を収納する複数の収納部8aが形成されている。平トレイ8は、収納部8aのがく片部収納位置8bがトレイ搬送装置93の搬送前進方向(容器詰め搬送装置91の搬送方向と同じ方向)に対して右方に135度(左方に45度)の方向を向くようにしてトレイ搬送ベルト93c上に載置されて搬送される。トレイ搬送装置93には平トレイ8の位置を検出するトレイ位置検出センサ93e(図5参照)が設けられている。
移送装置60は、容器詰め搬送装置91によって搬送される載置台3上の青果物2をトレイ搬送装置93上の平トレイ8へ移送するものである。制御装置100(図5参照)に接続される。移送装置60は、横移送レール61、シリンダブラケット62、上下シリンダ63、支持部64、吸着シリンダ65及び吸着部66を備えている。
横移送レール61は、容器詰め搬送装置91及びトレイ搬送装置93の搬送方向に対して略直交する方向に延伸して、容器詰め搬送装置91及びトレイ搬送装置93の上方に配置されている。シリンダブラケット62は、横移送レール61の延伸方向(図3及び図4の矢印Aの方向)に摺動可能に横移送レール61の下面に支持されている。横移送レール61には例えばリニアアクチュエータ61aが設けられて、シリンダブラケット62を水平方向に摺動駆動可能としている。リニアアクチュエータ61aは例えば電動シリンダ又
はリニアモータ等で構成され、速度変更可能とし、制御装置100(図5参照)によって移動速度が制御される。
シリンダブラケット62には上下シリンダ63が固定されている。上下シリンダ63には上下方向(図3の矢印Bの方向)に伸縮可能なピストンロッドが設けられ、そのピストンロッドの先端部(下端部)に支持部64が固定されている。支持部64には吸着シリンダ65が固定される。上下シリンダ63及び吸着シリンダ65は、例えば電動シリンダ又はリニアモータ等で構成され、速度変更可能とし、制御装置100(図5参照)によって移動速度が制御される。
吸着シリンダ65にはピストンロッドが突設され、そのピストンロッドの先端部(下端部)には吸着部66が固定される。移送装置60の吸着シリンダ65のピストンロッドは、平面視で容器詰め搬送装置91上の載置台3に載置された青果物2の主軸とトレイ搬送装置93上の平トレイ8の収納軸におおよそ平行(図3及び図4の矢印Cの方向)で、やや下方に伸縮可能に構成される。ここで、青果物2の主軸は可食部2aの先端とがく片部2bの中央を結ぶ直線である。また、平トレイ8の収納軸は平トレイ8の収納部8aにおける、がく片部収納位置8bの中央と、収納部8aに青果物2が収納されたときにその先端部が位置する部分を結ぶ直線である。
吸着部66は、空気を吸引する吸引装置67(図5参照)と接続され、吸引装置67の作動により吸着部66の先端に青果物2を吸着することができる。吸引装置67は例えばエジェクタ又はポンプ等で構成される。吸着部66は青果物2のがく片部2b側からこれを吸着するように構成される。このような移送装置60は例えば特許文献3,4に開示されている。
次に、図5を参照しながら、選別制御(判定、仕分け、集積及び容器詰め制御の総称)のための構成例について説明する。選果システム1には、青果物2の区分(等級や階級)を選別(判定、仕分及び集積)する選別制御を司る制御装置100(制御部)が設けられている。詳細な図示は省略するが、制御装置100は、各種演算処理や制御を実行するCPU(Central Processing Unit)のほか、制御プログラムやデータを記憶させるための
ROM、制御プログラムやデータを一時的に記憶させるためのRAM、及び入出力インターフェイス等を備えている。ここでRAMは青果物2の識別情報と等級及び階級等を関連付けて記憶する記憶装置101を構成する。なお、記憶装置101は制御装置100と通信可能に制御装置100の外部に設けられた例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッ
シュメモリ、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置であってもよい。
制御装置100には、主搬送装置4の主搬送駆動装置4a、階級計測装置6の計量機器6a及び計量位置の識別情報読取装置6b、等級計測装置7の画像取得装置7a、画像処理装置7b、光照射装置7c、受光装置7d及び品質計測位置の識別情報読取装置7e、仕分け搬送装置9の仕分け搬送駆動装置9b及び滞留検出センサ9c、仕分け装置92a〜92fの仕分けシリンダ90a〜90f及び仕分け位置の識別情報読取装置94a〜94f、移送装置60のリニアアクチュエータ61a、上下シリンダ63、吸着シリンダ65及び吸引装置67、容器詰め搬送装置91の容器詰め搬送駆動装置91b及び青果物取出位置の識別情報読取装置91c、トレイ搬送装置93のトレイ搬送駆動装置93d、トレイ位置検出センサ93e、最適ロボット配置報知装置51等が接続されている。
次に、図5から図7を参照しながら、選別制御の一例について説明する。図6及び図7のフローチャートで示すアルゴリズム(プログラム)は、制御装置100のROMに記憶されていて、当該アルゴリズムをRAMに呼び出してからCPUで実行される。選果システム1上の各青果物2は、階級計測装置6及び等級計測装置7で青果物2の階級(重量)
と等級(糖度)を測定され、測定結果に応じて選別される。
例えば1荷口分の青果物2の選別作業を実行する場合、主搬送装置4の作動により青果物載置部5に搬送されてくる各載置台3の上に青果物2が1個ずつ載置される。青果物2が載置された載置台3は階級計測装置6と等級計測装置7に順次送られる。
載置台3が階級計測装置6に到達すると、図6に示す判定制御が開始される。計量位置の識別情報読取装置6bが載置台3に貼設された識別部材のデータを読み取り、計量位置に青果物2があることを確認すると(ステップS01:YES)、読み取った識別部材のデータから載置台3を特定する(ステップS02)。次いで、計量機器6aで青果物2を載置台3と共に計量して計量結果を制御装置100に入力して(ステップS03)、計量結果から青果物2の重量データを取得し(ステップS04)、青果物2の重量データに基づき、青果物2の階級を判定する(ステップS05)。その後、青果物2を載置した載置台3は等級計測装置7へ搬送される。
載置台3が等級計測装置7に到達し、品質計測位置の識別情報読取装置7eが載置台3に貼設された識別部材のデータを読み取り、識別情報読取装置7eで品質計測位置に青果物2があることを確認すると(ステップS06:YES)、読み取った識別部材のデータから載置台3を特定する(ステップS07)。そして、青果物2を透過した光照射装置7cの透過光を受光装置7dによって検出して検出結果を制御装置100に入力し(ステップS08)、検出結果から青果物2の糖度データを取得する(ステップS09)。次いで、青果物2の糖度データに基づき、青果物2の等級を判定する(ステップS10)。
次いで、青果物2の重量データ、階級、糖度データ及び等級を載置台3の識別部材に対応させて記録する(ステップS11)。なお、等級計測装置7は、青果物2の変質度合い、青果物2の傷の有無、青果物2のがく片部2bの有無、載置台3に載置される青果物2の向き、青果物2の糖度や酸度、青果物2の残留農薬濃度等に関する情報も制御装置100に送信し、制御装置100はこれらの情報も載置台3の識別情報に関連付けて記憶装置101に記憶する。その後は、等階級決定後の青果物2を載せた載置台3を下流側にある仕分け装置92a〜92fに搬送する。青果物2の階級及び等級を判定して記録する作業(ステップS01〜S11)は、1荷口分の青果物2の選別作業が全て終了するまで自動的に繰り返し実行される。
等階級決定後の青果物2を載せた載置台3が仕分け装置92a〜92fに到達すると、図7に示す仕分制御が開始される。仕分制御では、仕分け位置の識別情報読取装置94a〜94fが載置台3の識別部材のデータを読み取り、仕分け位置に青果物2があることを確認すると(ステップS21:YES)、識別部材のデータに対応した青果物2の階級及び等級を読み込む(ステップS22)。載置台3上の青果物2がSサイズ等級優であれば(ステップS23:YES)、仕分けシリンダ90aを作動させて主搬送装置4上の載置台3を仕分け搬送装置9に送り出す(ステップS24)。載置台3の青果物2がSサイズ等級秀であれば(ステップS25:YES)、仕分けシリンダ90bを作動させて主搬送装置4上の載置台3を仕分け搬送装置9に送り出す(ステップS26)。載置台3の青果物2がMサイズ等級優であれば(ステップS27:YES)、仕分けシリンダ90cを作動させて主搬送装置4上の載置台3を仕分け搬送装置9に送り出す(ステップS28)。
載置台3の青果物2がMサイズ等級秀であれば(ステップS29:YES)、仕分けシリンダ90dを作動させて主搬送装置4上の載置台3を仕分け搬送装置9に送り出す(ステップS30)。載置台3の青果物2がLサイズ等級優であれば(ステップS31:YES)、仕分けシリンダ90eを作動させて主搬送装置4上の載置台3を仕分け搬送装置9に送り出す(ステップS32)。載置台3の青果物2がLサイズ等級秀であれば(ステッ
プS33:YES)、仕分けシリンダ90fを作動させて主搬送装置4上の載置台3を仕分け搬送装置9に送り出す(ステップS34)。なお、選別対象外の青果物2を載せた載置台3は、主搬送装置4の送り終端部から廃棄ライン10に回収される。
上述のように、主搬送装置4の左右に容器詰め装置50がそれぞれ1台ずつ配置されており、各容器詰め装置50は主搬送装置4の左右に3本ずつ配置された仕分け搬送装置9のうちいずれかの仕分け搬送装置9の送り終端部9aに案内される。そして、その仕分け搬送装置9の送り終端部9aに、容器詰め装置50の容器詰め搬送装置91の送り始端部91dが接続される。これにより、仕分け搬送装置9により搬送された青果物2及び載置台3は容器詰め搬送装置91に受け継がれて搬送される。
次に、図3から図5を参照しながら、容器詰め装置50において青果物2を青果物取出位置95から青果物載置位置96へ移送する動作について説明する。容器詰め装置50において、容器詰め搬送装置91は、青果物2が載置された載置台3を青果物取出位置95へ搬送する。また、トレイ搬送装置93は平トレイ8を青果物載置位置96へ搬送する。容器詰め搬送装置91は青果物取出位置の識別情報読取装置91cが載置台3を検出すると、青果物取出位置95に載置台3が停止されるようにして搬送動作を停止する。また、トレイ搬送装置93は、トレイ位置検出センサ93eの検出値に基づいて平トレイ8の収納部8aのうち目的のラインの収納部8a群(この実施形態では5個)が青果物載置位置96に停止されるようにして搬送動作を停止する。
次に、移送装置60のリニアアクチュエータ61aを作動してシリンダブラケット62を移動させ、吸着部66を青果物取出位置95にある載置台3の上方に位置させる。上下シリンダ63を伸長させて吸着部66を下降させ、下端位置で吸着シリンダ65を伸長させて、載置台3に載置された青果物2に向かって吸着部66の先端部を近接させる。吸引装置67を作動させ、吸着部66の先端部に青果物2のがく片部2bを吸着させる。
次に、吸引圧を検知する吸着センサ(図示省略)により吸着部66による青果物2の吸着が確認されると、吸着シリンダ65を縮小しながら上下シリンダ63を縮小させて、青果物2を吸着した吸着部66を上昇移動させる。吸着部66が上昇位置に移動した後、リニアアクチュエータ61aを作動して、シリンダブラケット62をトレイ搬送装置93側へ移動させて、青果物2を吸着している吸着部66を青果物載置位置96の上方まで水平移動させる。青果物2は、青果物載置位置96でリニアアクチュエータ61aの移動方向(矢印Aの方向)に平行に配列された複数の収納部8aのうち予め配置決定された収納部8aの上方に配置される。その後、上下シリンダ63を伸長させて吸着部66及び青果物2を下降移動させる。
吸着部66が平トレイ8に到達すると、吸着シリンダ65を伸長させて、青果物2を平トレイ8の収納部8aに収納し、吸引装置67による空気の吸引を終了して吸着部66より青果物2を開放する。このような動作を繰り返すことで、平トレイ8に複数個の青果物2を並べて詰めることができる。例えば、青果物載置位置96に配置された5個の収納部8aに対して容器詰め搬送装置91側に配置された収納部8aから順に青果物2が収納される。なお、容器詰め搬送装置91は、青果物取出位置95で載置台3上の青果物2が移送されると、その搬送動作を再開して、搬送方向上流側の次の載置台3を青果物取出位置95に配置する。また、トレイ搬送装置93は、青果物載置位置96に配置された5個の収納部8aのすべてに青果物2が収納されると、その搬送動作を再開して、搬送方向上流側の次の5個の収納部8a群を青果物載置位置96に配置する。
この実施形態の選果システム1では、レール71及び車輪72により、容器詰め装置50が複数の仕分け搬送装置9の送り終端部9a間で移動されるとともに、いずれかの仕分け搬送装置9の送り終端部9aに案内されるので、一部の仕分け搬送装置9の送り終端部9aでの容器詰め作業を容器詰め装置50に受け持たせて作業者の負担を軽減できる。また、容器詰め装置50の導入台数を抑制して、導入コスト及び導入後の維持管理費用を低減できる。
また、青果物2の選別及び容器詰め作業中において、時間ごとに各仕分け搬送装置9に振り分けられる青果物2の個数に偏りがあり、容器詰め装置50が搬送個数の少ない仕分け搬送装置9に配置されている場合には、容器詰め装置50の稼働率が下がり、費用対効果が低くなる。この実施形態の選果システム1は、容器詰め装置50をレール71及び車輪72により簡便に移動させることができるので、容器詰め装置50を接続する仕分け搬送装置9を適宜変更して容器詰め装置50の稼働率を上げることができる。これにより、容器詰め装置50の導入における費用対効果を向上できる。
容器詰め装置50をどの仕分け搬送装置9に配置するかについて、作業者が青果物2の搬送状況を目視して判断してもよいが、例えば制御装置100(図5参照)にその判定機能をもたせてもよい。この場合、制御装置100(制御部)は、階級計測装置6及び等級計測装置7(品質計測部)の計測結果に基づいて各仕分け搬送装置9に搬送される青果物2の個数を仕分け搬送装置9ごとに予測し、その予測結果に基づいてレール71及び車輪72により容器詰め装置50をどの仕分け搬送装置9に移動するかを判定する。制御装置100の判定結果は、制御装置100に接続された例えばモニタや報知器、ランプなどの最適ロボット配置報知装置51(図5参照)にて作業者に報知される。
例えば、制御装置100は、容器詰め装置50を接続可能な仕分け搬送装置9のうち、振り分けられる載置台3(青果物2)の個数が最も多くなる仕分け搬送装置9に容器詰め装置50を配置するように判定する。制御装置100は、作業者の目視による載置台3の搬送状況の判断に比較して、仕分け搬送装置9に振り分けられる載置台3の個数を正確に予測できるとともに載置台3が仕分け搬送装置9に到達する前に当該個数を予測できる。したがって、制御装置100の判定に基づいて容器詰め装置50を接続する仕分け搬送装置9を適宜変更することにより、容器詰め装置50の稼働率を上げることができ、容器詰め作業にともなう作業者の負担を軽減できる。なお、制御装置100は、容器詰め装置50が接続される仕分け搬送装置9に振り分けられる載置台3の個数が容器詰め装置50の容器詰め処理能力を超えて仕分け搬送装置9から載置台3が主搬送装置4側へ溢れないように、容器詰め装置50の容器詰め処理速度を考慮して、容器詰め装置50を配置する仕分け搬送装置9を決定してもよい。
また、制御装置100は、仕分け搬送装置9に滞留している載置台3(青果物2)を検出する滞留検出センサ9cの出力に基づいて、容器詰め装置50をどの仕分け搬送装置9に配置するかを判定してもよい。この場合、制御装置100は、仕分け搬送装置9ごとに仕分け搬送装置9の搬送方向に沿って複数個ずつ配置された滞留検出センサ9cの出力に基づいて、各仕分け搬送装置9の載置台3収容状況を把握し、例えば載置台3を最も多く収容している仕分け搬送装置9に容器詰め装置50を配置するように判定する。この態様においても、上記の場合と同様に、制御装置100の判定に基づいて容器詰め装置50を接続する仕分け搬送装置9を適宜変更することにより、容器詰め装置50の稼働率を上げることができ、容器詰め作業にともなう作業者の負担を軽減できる。なお、この態様においても、制御装置100は、容器詰め装置50の容器詰め処理速度を考慮して、容器詰め装置50を配置する仕分け搬送装置9を決定してもよい。
また、この実施形態の選果システム1では、容器詰め装置50は、仕分け搬送装置9の送り終端部9aに接続される容器詰め搬送装置91と、容器詰め搬送装置91の近傍に平トレイ8を配置するトレイ搬送装置93と、青果物2を容器詰め搬送装置91から平トレイ8へ移送する移送装置60を備えている。これにより、容器詰め装置50をレール71及び車輪72により移動させて仕分け搬送装置9の送り終端部9aに接続する際に、容器詰め搬送装置91の近傍に平トレイ8を配置する装置を別途設置する手間がなくなり、容器詰め装置50を仕分け搬送装置9に接続した後、容器詰め装置50を作動可能な状態にするまでの作業を簡略化できる。
ところで、例えばイチゴなどの青果物2のパック詰め作業を自動で行う容器詰め装置50では、容器詰め処理速度を低く抑えた方が青果物収納容器に収容した青果物2の詰め姿勢を向上できる。しかし、容器詰め装置50が接続される仕分け搬送装置9に青果物2が集中して振り分けられる可能性を考慮して、容器詰め処理速度がある程度上げられており、ほとんどの時間において容器詰め処理速度に関してオーバースペックになっている。容器詰め処理速度を上げると青果物収納容器に収容された青果物2の詰め姿勢が乱れやすくなるので、作業者による手作業で詰め姿勢を修正する作業が必要になる頻度が上昇し、作業者の負担が増加するという問題があった。
このような不具合を解消すべく、図8に示すように、容器詰め装置50が接続される仕分け搬送装置9の中途部に貯留部21を接続してもよい。なお、図8では、選果システムは、それぞれ青果物2を載置した複数の載置台3が主搬送装置4により搬送されるとともに仕分け装置92により複数の仕分け搬送装置9に適宜振り分けられる構成を有する。そして、例えば1本の仕分け搬送装置9の送り終端部9aに容器詰め装置50(図3参照)が接続され、他の仕分け搬送装置9の例えば送り終端部9aに手詰め部31が接続される。手詰め部31では、作業者32により青果物2の容器詰め作業が手作業で行われる。なお、手詰め部31は仕分け搬送装置9の側方に配置されてもよい。
容器詰め装置50が接続された仕分け搬送装置9に設けられる貯留部21は、仕分け搬送装置9の中途部に搬送路が分岐するように接続される貯留レーン22と、仕分け搬送装置9と貯留レーン22の分岐部分に配置された搬送路切替え装置23を備えている。貯留レーン22は、例えば搬送路が湾曲したコンベアにより構成され、送り始端部22aが仕分け搬送装置9の一側部に接続され、送り終端部22bが仕分け搬送装置9の他側部に接続されている。
貯留レーン22は、例えば平面視で時計回り方向に載置台3を搬送する。また、貯留レーン22には、載置台3に載置された青果物2の姿勢を崩さないように、搬送路が直交するクランク部が設けられておらず、貯留レーン22の搬送路における湾曲部は円弧形状等によってゆるやかに湾曲している。搬送路切替え装置23は、仕分け搬送装置9により搬送される載置台3を必要に応じて貯留レーン22の送り始端部22aに移送する。
貯留レーン22及び搬送路切替え装置23の動作は例えば制御装置100(図5参照)により制御される。制御装置100は、例えば、容器詰め装置50が接続された仕分け搬送装置9が載置台3で満たされたときに、貯留レーン22及び搬送路切替え装置23を作動させて載置台3を貯留レーン22へ移送する。例えば、制御装置100は、仕分け搬送装置9の送り始端側に設けられた載置台3検出センサ(図示省略)の出力により仕分け搬送装置9の載置台3貯留状況を予測する。また、制御装置100は、階級計測装置6及び等級計測装置7の計測結果や、仕分け装置92や搬送路切替え装置23に設けられた載置台3検出センサの出力、階級計測装置6及び等級計測装置7や上記載置台3検出センサが載置台3を検出したときからの経過時間などに基づいて、仕分け搬送装置9の載置台3貯留状況を予測してもよい。
これにより、容器詰め装置50が接続された仕分け搬送装置9が載置台3で満たされて該仕分け搬送装置9への仕分け装置92による移送が不能状態になって選果システム本体
の処理能力が低下するのを防止できる。さらに、貯留部21に載置台を一時的に退避させることにより、容器詰め装置50の容器詰め処理速度を比較的遅くしても載置台3が仕分け搬送装置9から溢れることはない。したがって、容器詰め装置50の容器詰め処理速度を比較的遅くして、青果物収納容器内での青果物2の詰め姿勢を向上させることができ、作業者が手作業で青果物2の詰め姿勢を修正する頻度が低減されて作業者の負担が軽減される。
なお、貯留レーン22へ移送された載置台3は、仕分け搬送装置9に順次移送される載置台3の個数が考慮されつつ、仕分け搬送装置9の載置台3収容能力に余裕があるときに、貯留レーン22の送り終端部22bから1個ずつ仕分け搬送装置9へ戻される。また、貯留レーン22は、一端部が仕分け搬送装置9に接続されるとともに、載置台3を前後進両方向に搬送可能な構成であって、上記一端部から載置台3の取込み及び戻しを行うようにしてもよい。
また、貯留レーン22の搬送路はゆるやかに湾曲しているので、載置台3に載置された青果物2の姿勢が貯留レーン22による載置台3の搬送中に崩れるのを防止できる。これにより、載置台3上での青果物2の姿勢の乱れに起因する容器詰め装置50の青果物2移送不良や容器詰め姿勢不良を低減できる。
容器詰め装置50が接続された仕分け搬送装置9に配置される貯留部は、図8に示されたものに限らず、青果物2を載置した載置台3を一時的に貯留できる構成であればどのような構成であってもよい。例えば、このような貯留部は、図9及び図10に示す貯留部41であってもよい。
貯留部41は、仕分け搬送装置9の中途部に一端部が接続される中継搬送装置42と、中継搬送装置42の他端部に接続される螺旋状貯留レーン43と、仕分け搬送装置9と中継搬送装置42の分岐部分に配置された搬送路切替え装置44を備えている。中継搬送装置42及び螺旋状貯留レーン43は、載置台3を前後進両方向へ搬送可能な構成を有し、例えばコンベヤにより構成される。螺旋状貯留レーン43は上下方向に螺旋状に延設されている。搬送路切替え装置44は、仕分け搬送装置9により搬送される載置台3を必要に応じて中継搬送装置42に移送する。中継搬送装置42は載置台3を螺旋状貯留レーン43に移送し、螺旋状貯留レーン43は載置台3を上方側へ延びる螺旋状の搬送路に沿って順次貯留する。
中継搬送装置42、螺旋状貯留レーン43及び搬送路切替え装置44の動作は例えば制御装置100(図5参照)により制御される。制御装置100は、図8に示された上記貯留部21に対する制御と同様に、中継搬送装置42、螺旋状貯留レーン43及び搬送路切替え装置44の動作を制御する。なお、中継搬送装置42及び螺旋状貯留レーン43に貯留された載置台3を仕分け搬送装置9に戻す際には、中継搬送装置42及び螺旋状貯留レーン43は載置台3の貯留時とは搬送方向が逆方向になるように逆回転作動される。
また、例えば図8に示した貯留部21や図9及び図10に示した貯留部41と同様の構成を有し、仕分け搬送装置9により搬送される青果物2を一時的に貯留する貯留部を、容器詰め装置50の容器詰め搬送装置91に接続した状態で容器詰め装置50に一体的に設けてもよい。この場合、当該貯留部は、容器詰め搬送装置91の青果物取出位置95(図4参照)よりも送り始端部91d側(図3参照)で容器詰め搬送装置91に接続される。そして、当該貯留部も含めて容器詰め装置50をレール71及び車輪72(図3参照)により移動可能に配置すれば、図1から図7を参照して説明した上記実施形態の選果システム1における作用及び効果に加えて、図8から図10を参照して説明した上記貯留部21,41の作用及び効果を有する選果システムを実現できる。
また、容器詰め装置は、上記実施形態の容器詰め装置50に限定されず、選別搬送部により搬送される青果物を青果物収納容器へ移送できる構成であればどのような構成であってもよい。例えば、当該容器詰め装置は、特許文献3に開示されているように、複数個の青果物を移送装置により同時に移送する構成であってもよい。
例えば、図11から図13に示すように、この実施形態の選果システム1の容器詰め装置50において、複数の青果物2を同時に移送する移送装置60は、6個の吸着部66と伸縮装置80を備えている。6個の吸着部66は、平トレイ8のトレイ搬送方向に並ぶ6個の収納部8aに合わせて6個の青果物2を吸着するように配置され、容器詰め装置50の容器詰め搬送装置91及びトレイ搬送装置93の搬送方向に平面視で平行な方向に等間隔に並べられて配置される。移送装置60の支持部64には、伸縮装置80を介して6個の吸着部66が支持される。
伸縮装置80は、容器詰め搬送装置91及びトレイ搬送装置93の搬送方向に対して平面視で平行な方向に伸縮して吸着部66の間隔を変更可能に構成され、リンク機構81、リンク機構用シリンダ82及びシリンダロッド83等を備えている。シリンダロッド83は、リンク機構用シリンダ82に伸縮摺動可能に設けられて、リンク機構用シリンダ82を作動させることによって容器詰め搬送装置91及びトレイ搬送装置93の搬送方向に対して平面視で平行な方向に伸縮可能に構成される。リンク機構用シリンダ82は電動シリンダやエアシリンダ等によって構成される。
リンク機構81は、容器詰め搬送装置91及びトレイ搬送装置93の搬送方向に対して平面視で平行な方向に伸縮可能に構成されるパンタグラフ状のリンク機構であり、複数の棒状のリンク部材からなる。リンク機構81は、2つのリンク部材が互いの中央部で交差してX字状になるように配置されるとともに、これが容器詰め装置50の容器詰め搬送装置91及びトレイ搬送装置93の搬送方向に対して平面視で平行な方向に連続して複数配置されて、複数のリンク部材が菱形状に回動可能に連結されるように構成される。リンク機構81では、リンク部材が交差する中央部及び両側部に、当該リンク部材同士を枢支するリンクピンがそれぞれ配置される。
リンク機構81は、その基端部がリンク機構用シリンダ82に固定された固定台84によって固定されるとともに、その先端部がシリンダロッド83の先端部に固定される。リンク機構81は、容器詰め搬送装置91及びトレイ搬送装置93の搬送方向に対して平面視で平行な方向にシリンダロッド83が伸縮することにより、容器詰め搬送装置91及びトレイ搬送装置93の搬送方向に対して平面視で平行な方向に伸縮する。このようにリンク機構81が容器詰め搬送装置91及びトレイ搬送装置93の搬送方向に対して平面視で平行な方向に伸縮することにより、リンク機構81に支持される吸着部66の間隔を変更して、吸着部66に吸着される青果物2の間隔を変更する。
この実施形態においては、トレイ搬送装置93上で停止された平トレイ8の搬送下流側の側方の容器詰め搬送装置91上にストッパ85が、図示しないアクチュエータにより進退可能に配置されている。容器詰め装置50は、載置台3に載置された青果物2を平トレイ8に移送する際には、ストッパ85を容器詰め搬送装置91上に突出させて、載置台3の搬送を阻止し、載置台3が隣接した状態で6個並ぶと、容器詰め搬送装置91の搬送動作が停止して、6個の載置台3が等間隔で停止するように構成される。この位置を青果物2の吸着位置とする。そして、移送装置60の伸縮装置80は、リンク機構用シリンダ82を作動させてシリンダロッド83を伸長させ、吸着部66の間隔を載置台3の間隔に一致させ、載置台3に載置された青果物2を各吸着部66にそれぞれ吸着する。そして、上下シリンダ63により伸縮装置80を上昇させて、移送装置60の横移送レール61(図
3参照)によりトレイ搬送装置93の上方まで移送する。
そして、移送装置60は、青果物2を吸着した吸着部66を平トレイ8上に移動する際に、シリンダロッド83を縮めることによってリンク機構81を縮め、吸着部66の間隔を収納部8aの間隔に合わせように狭めて、6個の吸着部66にそれぞれ吸着された6個の青果物2の間隔を狭める。またこのとき、移送装置60は、隣り合う吸着部66の間隔の比率を一定に保ちながら(「X1:X2:X3:X4:X5=x1:x2:x3:x4:x5」となるように(図12及び図13参照))、吸着部66の間隔を狭めて青果物2の間隔を狭め、載置台3から平トレイ8に青果物2を移送する。
また、容器詰め搬送装置91上の青果物取出位置で青果物2が載置台3から吸着及び移送された後、ストッパ85が退避させられ、容器詰め搬送装置91が作動して、空の載置台3を載置台戻りライン(図示省略)などの載置台回収部へ搬送する。6個の空の載置台3がストッパ85配置位置を通過した後、ストッパ85を容器詰め搬送装置91上に突出させて、載置台3の搬送を阻止し、次の移送対象となる6個の青果物2を載置した6個の載置台3が吸着位置に配置される。
このようにして、移送装置60は、平トレイ8における長手方向側の一列分(6個分)の収納部8aに、青果物2を一度に収納する。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、様々な態様に具体化できる。また、本願発明における各部の構成は図示の実施形態に限られるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、容器詰め装置50を複数の仕分け搬送装置9の送り終端部9a間で移動させる移動部はレール71及び車輪72で構成されているが、本願発明の青果物選別装置において移動部はこれに限定されず、選別搬送部により搬送される青果物を青果物収納容器へ移送する容器詰め装置を複数の選別搬送部の送り終端部間で移動させていずれかの選別搬送部の送り終端部に案内できる構成であれば、どのような構成であってもよい。
また、上記実施形態では容器詰め対象はイチゴであるが、本願発明の青果物容器詰は、例えばミニトマト、ミズナス、桃、梨、柑橘類、リンゴ、メロンなど、他の青果物の容器詰めにも適用可能である。なお、青果物を等階級ごとに選別する基準は青果物の種類などに応じて様々である。例えば、イチゴは重量で階級選別されるが、大きさで階級選別される青果物もある。
また、青果物収納容器は、平トレイ8に限定されず、青果物を自動で容器詰めする容器詰め装置に適用可能な容器であればどのような容器であってもよい。