JP2000295717A - 畜電器を備えた作業機械 - Google Patents

畜電器を備えた作業機械

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JP2000295717A JP11093164A JP9316499A JP2000295717A JP 2000295717 A JP2000295717 A JP 2000295717A JP 11093164 A JP11093164 A JP 11093164A JP 9316499 A JP9316499 A JP 9316499A JP 2000295717 A JP2000295717 A JP 2000295717A
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昌之 鹿児島
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裕和 新谷
Hideki Kinukawa
秀樹 絹川
Masayuki Komiyama
昌之 小見山
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    • E02F9/20Drives; Control devices
    • E02F9/2058Electric or electro-mechanical or mechanical control devices of vehicle sub-units
    • E02F9/2062Control of propulsion units
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 畜電器の小型化及び軽量化を図りながら、各
作業に要求される蓄電条件を満足させる。 【解決手段】 発電機18と、この発電機18により生
成された電力によって作業部材を作動させるための動力
を発生させる電動アクチュエータ39,…とを備えたシ
ョベルなどの作業機械。電力の充放電を行う手段として
複数種の畜電器14A,14Bを具備し、要求動力や作
業内容等によって使用畜電器を選択的に切換えられるよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電機の生成する
電力を利用してブームなどの作業部材を作動させるショ
ベル等の作業機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、油圧ショベル等の作業機械では、
自走用に搭載されたエンジンの動力を利用して油圧ポン
プを駆動し、この油圧ポンプから吐出される作動油を旋
回アクチュエータ、ブームシリンダ、アームシリンダ等
の各油圧アクチュエータに供給することにより、各部位
の駆動を行うことが、一般に行われている。
【0003】しかし、このようなエンジン動力を利用し
たものでは、当該エンジンから発生する騒音や排気ガス
が作業現場周囲の環境に悪影響を及ぼすおそれがあるた
め、特に市街地やトンネル内での作業、また夜間作業に
著しい制限を受けているのが現状である。
【0004】そこで近年は、上記エンジンの作動による
弊害をなくすべく、次のような作業機械が開発されるに
至っている。
【0005】A)作業機械に搭載されたバッテリーの電
力を利用して電動アクチュエータを回し、この電動アク
チュエータによって、油圧ポンプを駆動するようにした
もの(例えば特開平9−144061号公報参照)。
【0006】B)エンジン動力を利用して発電する発電
機と、これにより生成された電力の過不足分を適宜充放
電する畜電器とを備えることにより、エンジン負荷を一
定にしてエンジンの消費燃料及び排気ガス量を低減させ
るようにしたもの。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】A)のバッテリー駆動
式作業機械では、エンジンを動力源とする場合に比べる
と、稼動時間が非常に短く、長時間の連続作業ができな
い欠点がある。
【0008】一方、B)のいわゆるハイブリッド駆動式
の作業機械では、次のような解決すべき課題がある。
【0009】前記作業機械としてショベルを例にとる
と、このショベルには、掘削、法面仕上げ、均し、土羽
打ち、ばらまき、クレーン走行など、多くの作業パター
ンが存在する。しかも、各作業によって負荷(必要動
力)が大きく異なっており、これによって畜電器に要求
される蓄電能力も変わってくる。
【0010】例えば、掘削作業の場合、1つの動作を行
う時間は短いが、各アクチュエータの動作が速く、加減
速が頻繁に行われるため、負荷のピーク値及び負荷変動
が大きい。従って、畜電器には、比較的短時間で大電流
による充放電動作を行う能力が要求される。これに対し
て法面仕上げ作業等の場合、1つの動作を行う時間が長
いが、負荷のピーク値及び負荷変動が小さいため、畜電
器には、長時間にわたって少しずつ電動アクチュエータ
に電力を供給できる能力が要求される。
【0011】一方、畜電器として現在知られているもの
の代表例としては、次の表1に示す二次電池とキャパシ
タとが挙げられる。
【0012】
【表1】 この表に示されるように、鉛畜電池やニッケル水素蓄電
池をはじめとする二次電池は、エネルギー密度(単位重
量あたりの蓄積エネルギー)が高い反面、充放電サイク
ル寿命が短く、パワー密度(単位重量あたりの出力)が
低いという特性がある。逆に、電気二重層コンデンサを
はじめとする大容量キャパシタは、パワー密度(単位重
量あたりの出力)が高く、充放電サイクル寿命が長い反
面、エネルギー密度(単位重量あたりの蓄積エネルギ
ー)が低いという特性がある。
【0013】従って、前記のようにエネルギー密度が高
くてパワー密度の低い二次電池をショベルの畜電器とし
て使用する場合、前記法面仕上げ作業のように長時間に
わたって少しずつ電力を供給することが要求される作業
については、畜電器重量が小さくても十分対応できるに
もかかわらず、前記掘削作業のように短時間で大出力が
要求される作業に対応するために畜電器重量を大きくし
なければならないことになる。逆に、前記のようにパワ
ー密度が高くてエネルギー密度の低い大容量キャパシタ
を使用する場合には、前記掘削作業のように短時間で大
出力が要求される作業については、畜電器重量が小さく
ても十分対応できるにもかかわらず、前記法面仕上げ作
業のように長時間連続して行われる作業に対応するため
にやはり畜電器重量を大きくしなければならないことに
なる。
【0014】すなわち、互いに負荷特性の大きく異なる
作業を有する作業機械においては、その畜電器として前
記二次電池、キャパシタのいずれを適用する場合でも、
畜電器出力、エネルギー蓄積量のいずれかがかなりのオ
ーバースペックとなってしまう。従って、コスト的に無
駄が多くなり、また作業機械全体の小型化、軽量化が非
常に困難となる。
【0015】本発明は、このような事情に鑑み、畜電器
の小型化及び軽量化を図りながら、各作業に要求される
蓄電条件を満足させることができる畜電器を備えた作業
機械を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、発電機と、この発電機により
生成された電力によって作業部材を作動させるための動
力を発生させる電動アクチュエータとを備えた作業機械
において、前記発電機で生成された電力の充電及び前記
電動アクチュエータに対する電力の供給を行うための複
数種の畜電器と、これらの畜電器の中で使用する畜電器
を選択的に切換える切換手段とを備えたものである。
【0017】なお、「作業部材を作動させるための動力
を発生させる電動アクチュエータ」には、当該作業部材
に直結されて当該作業部材を直接駆動するものの他、当
該作業部材を駆動するための油圧回路に含まれる油圧ポ
ンプを回すものなども含まれる。
【0018】この構成によれば、複数種の畜電器の中か
ら、実際に行われている作業での電動アクチュエータの
負荷特性に適した畜電器を選択することにより、個々の
畜電器は大型化することなくその作業に要求されている
充放電条件を満足させることが可能である。
【0019】例えば、第1畜電器と、この第1畜電器よ
りも単位重量あたりの出力が高くかつ単位重量当りの蓄
積エネルギーが低い第2畜電器とを含むようにすれば、
負荷変動及び負荷ピーク値は低いが長時間継続した充放
電が要求される場合には第1畜電器を、負荷変動及び負
荷ピーク値が高くて短時間で大電流による充放電が要求
される場合には第2畜電器をそれぞれ選択することによ
り、各畜電器は小型であっても各作業に適した充放電を
行うことができる。
【0020】畜電器の切換は、例えばオペレータ等によ
る選択スイッチの切換動作に応じて行われるようにして
もよいし、自動切換が行われるようにしてもよい。
【0021】後者の例としては、前記電動アクチュエー
タの総必要動力を検出する動力検出手段と、検出された
総必要動力に基づいて使用畜電器の切換を制御する切換
制御手段とを備えたものが好適である。この構成によれ
ば、実際に要求されている動力に基づいて適正な畜電器
の選択を自動的に行うことができる。
【0022】より具体的に、前記畜電器として、第1畜
電器と、この第1畜電器よりも単位重量あたりの出力が
高くかつ単位重量当りの蓄積エネルギーが低い第2畜電
器とを含むとともに、検出された総必要動力が予め設定
された動力範囲内にある場合には前記第1畜電器を選択
し、検出された総必要動力が前記動力範囲よりも大きく
もしくは当該動力範囲よりも小さい場合には前記第2畜
電器を選択するように前記切換制御手段を構成すれば、
動力変動が大きくて大電流による充放電が要求されるよ
うな作業時にはこれに適した第2畜電器が、動力変動が
小さい作業時には長時間にわたる充放電が可能な第1畜
電器が、それぞれ自動的に選択される。
【0023】また、前記電動アクチュエータを操作する
ための操作部材と、この操作部材の操作状態から作業内
容を判別する作業判別手段と、判別された作業内容に応
じて使用畜電器の切換を制御する切換制御手段とを備え
たものも好適である。この構成によれば、操作部材の操
作内容に基づいて実際の作業内容が判別され、その作業
内容に適した畜電器が自動的に選択切換される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施の形態
では、図1(a)(b)に示すようなブーム28、アー
ム30、及びバケット32を備えた建設用ショベルにつ
いて本発明を適用する例を示すが、本発明は、作業部材
を有する作業機械であって、負荷特性の異なる複数種の
作業内容を持つものに広く適用が可能である。
【0025】1)第1の実施の形態(図1〜図4)。
【0026】図1に示すショベルは、走行用のタイヤ1
1をもつ下部走行体10を備え、この下部走行体10上
に垂直軸回りに旋回可能に上部旋回体12が設置されて
いる。上部旋回体12には、運転席13が設けられると
ともに、第1畜電器14A、第2畜電器14B、燃料タ
ンク16、発電機18、エンジン20等が搭載されてい
る。
【0027】発電機18は、エンジン20の出力を電気
エネルギーに変換し、図2に示すような各電動アクチュ
エータ(後に詳述する)の駆動回路に供給するものであ
る。
【0028】第1畜電器14A及び第2畜電器14B
は、前記発電機18で生成された電力の余剰分を適宜蓄
え、不足分を適宜放出して前記アクチュエータ駆動回路
に供給するものである。この実施の形態では、前記発電
機18及び各アクチュエータ駆動回路と各畜電器14
A,14Bとの間に各々個別に図2に示すようなリレー
スイッチ(切換手段)15A,15Bが介在しており、
これらリレースイッチ15A,15Bのいずれか一方の
接点を閉じることにより、使用する畜電器を選択的に切
換えることが可能となっている。
【0029】ここで、前記第1畜電器14Aは、例えば
二次電池のように、比較的パワー密度(単位重量あたり
の出力)が低くかつエネルギー密度(単位重量当りの蓄
積エネルギー)が高い畜電器で構成されている。これに
対して第2畜電器14Bは、例えば大容量キャパシタの
ように、前記第1畜電器14Aよりもパワー密度が高く
かつエネルギー密度が低い畜電器で構成されている。
【0030】このショベルには、前記電動アクチュエー
タとして、図3に示すような旋回駆動用電動アクチュエ
ータ22、左走行用電動アクチュエータ26L、右走行
用電動アクチュエータ26R、ブーム駆動用電動アクチ
ュエータ34、アーム駆動用電動アクチュエータ37、
及びバケット駆動用電動アクチュエータ39を備え、こ
れらのアクチュエータは、この実施の形態では電動モー
タで構成されている。
【0031】旋回駆動用電動アクチュエータ22は、減
速機23を介して旋回駆動機構24に連結され、当該電
動アクチュエータ22の作動によって上部旋回体12全
体の旋回駆動が行われるようになっている。左側走行用
電動アクチュエータ26L及び右側走行用電動アクチュ
エータ26Rは、それぞれ前側の左右タイヤ11に左側
減速機25L及び右側減速機25Rを介して連結されて
おり、これら電動アクチュエータ26L,26Rの作動
によって油圧ショベル全体が走行するようになってい
る。
【0032】ブーム駆動用電動アクチュエータ34は、
その作動により、上部旋回体12の前端部に取付けられ
たブーム28を車幅方向の軸回りに回動駆動(起伏駆
動)させるものである。アーム駆動用電動アクチュエー
タ37は、その作動により図略のアームシリンダ駆動用
油圧回路の油圧ポンプを作動させ、これによりアームシ
リンダ38を伸縮させて、ブーム28の先端部に取付け
られたアーム30を車幅方向の軸回りに回動させるもの
である。同様に、バケット駆動用電動アクチュエータ3
7は、その作動により図略のバケットシリンダ駆動用油
圧回路の油圧ポンプを作動させ、これによりバケットシ
リンダ40を伸縮させて、アーム30の先端部に取付け
られたバケット32を車幅方向の軸回りに回動させるも
のである。
【0033】なお、前記ブーム駆動用電動アクチュエー
タ34は、ブーム28に直結されてこれを直接駆動する
ものに限らず、前記アーム駆動用電動アクチュエータ3
7と同様に、ブーム駆動用油圧回路の油圧ポンプを回し
てブームを間接的に駆動するものであってもよい。逆
に、アーム駆動用電動アクチュエータ37やバケット駆
動用電動アクチュエータ39は、前記アーム30やバケ
ット32に直結されてこれらを直接駆動するものであっ
てもよい。
【0034】上述の各電動アクチュエータには、図3に
示すような動力検知用センサが個別に設けられており、
これらのセンサによって各電動アクチュエータの動力
(モータ負荷)が個別に検知されるようになっている
(図4のステップS1)。これらの動力検知用センサ
は、モータの電気的負荷を検出する電圧センサや電流セ
ンサでもよいし、モータの機械的負荷を検出するトルク
センサや角速度センサでもよい。
【0035】前記各動力検知用センサの検出信号は、図
3に示すコントローラ50に入力されるようになってい
る。このコントローラ50は、マイクロコンピュータな
どで構成され、エンジン始動や各電動アクチュエータの
駆動制御を行うとともに、前記各動力検知用センサの検
出信号に基づいて前記畜電器14A,14Bの切換制御
を行うものであり、その切換制御のための機能として動
力演算部51及び畜電器切換部(切換制御手段)52を
備えている。
【0036】動力演算部51は、各動力検知用センサで
検出されたアクチュエータ必要動力の総和P、すなわち
作業中での総必要動力を演算するものであり(図4のス
テップS2)、当該動力検知用センサとともに動力検出
手段を構成する。
【0037】畜電器切換部52は、前記動力演算部51
で演算されたアクチュエータ動力総和Pに基づいて両畜
電器14A,14Bの中から使用する畜電器を選択し、
その選択した畜電器に該当するリレースイッチ15A,
15B(前記図2)に信号を出力して当該畜電器を使用
状態に切換えるものである。
【0038】具体的に、この畜電器切換部52は、図4
に示すように、前記アクチュエータ動力総和Pが予め設
定された上限値P1以下で予め設定された下限値P2以上
である場合には(ステップS3,S4でNO)、第1畜
電器14Aを選択し(ステップS5)、前記アクチュエ
ータ動力総和Pが前記上限値P1を超える場合(ステッ
プS3でYES)もしくは前記下限値P2を下回る場合
(ステップS4でYES)には、第2畜電器14Bを選
択する(ステップS6)。
【0039】ここで、前記上限値P1は、エンジン20
及び発電機18の作動によって生成される電力に相当す
る動力よりも高い値に設定されており、下限値P2は、
エンジン20及び発電機18の作動によって生成される
電力に相当する動力よりも低い値に設定されている。
【0040】このようなショベルでは、次のような作用
効果を得ることができる。
【0041】まず、ショベルの負荷変動及び負荷ピーク
が小さくて、動力総和Pが所定範囲内に収まっている場
合、すなわち、短時間で大電流による充放電が要求され
ない場合(P1≦P≦P2の場合)には、第1畜電器14
Aが選択される。この第1畜電器14Aは、第2畜電器
14Bよりもエネルギー密度が高いため、この第1畜電
器14Aが小型のものであっても、例えば法面仕上げや
旋回地ならしのように長時間にわたる作業中に電動アク
チュエータに継続して必要電力を供給することができ
る。
【0042】逆に、ショベルの負荷変動及び負荷ピーク
が大きくて、動力総和Pが所定範囲から外れている場
合、すなわち、負荷が非常に大きくて短時間で大電流に
よる放電が要求される場合(P>P1)や、負荷が非常
に小さくて短時間で大電流による充電をしたい場合(P
<P2)には、第2畜電器14Bが選択される。この第
2畜電器14Bは、第1畜電器14Aよりもパワー密度
が高いため、この第2畜電器14Bが小型のものであっ
ても、大電流で充放電を行いたいという要求を満たすこ
とができる。
【0043】すなわち、このショベルによれば、実際に
要求されているアクチュエータ動力の総和に基づいて使
用する畜電器を切換えることにより、個々の畜電器は小
重量で小型のものとしながら、長時間にわたる作業につ
いても、あるいは短時間で負荷変動の大きい作業につい
ても、その作業にかかる充放電要求を満足させることが
可能になる。
【0044】2)第2の実施の形態(図5,図6) この実施の形態にかかるハード構成は、前記第1の実施
の形態と全く同様であり、ここでは説明を省略する。
【0045】この実施の形態では、前記各電動アクチュ
エータ22,26L,26R,34,37,39をそれ
ぞれ個別に操作するための操作レバー61,62,6
3,64,65,66が前記運転席13に設けられ、各
操作レバー61〜66の操作によって生成される指令信
号がコントローラ50に入力され、この指令信号に基づ
いて各電動アクチュエータの駆動を制御するようにコン
トローラ50が構成されるのに加え、コントローラ50
には、その指令信号(操作内容)に基づいて実際の作業
内容を判別する作業判別部53が設けられている。
【0046】この作業判別部53による具体的な作業判
別手法としては、例えば特開平9−217702号公報
に示されるものが適用可能である。その概要を以下に示
す。
【0047】 各種判別用数値の算出 ・ブーム用操作レバー64の所定時間分の操作量データ
に基づき、その所定時間内において当該操作レバー64
の操作量が増減変動される割合を演算し、これをブーム
操作の複雑さを示す複雑さ表示量ch1として設定する。
同様に、バケット用操作レバー66の前記所定時間分の
操作量データに基づき、その所定時間内において当該操
作レバー66の操作量が増減変動される割合を演算し、
これをバケット操作の複雑さを示す複雑さ表示量ch2と
して設定する。
【0048】・旋回用操作レバー61の前記所定時間分
の操作量データに基づき、その所定時間内において当該
操作レバー61の操作量の絶対値が予め定めた所定操作
量以上となるのに要する時間の合計を求め、これを高速
旋回時間ch3として設定する。
【0049】・ブーム用、アーム用、及びバケット用の
各操作レバー64,65,66の前記所定時間分の操作
量データに基づき、その所定時間内においてブーム用操
作レバー64の操作量がその操作方向の正側(ブーム上
昇側)で予め定めた所定操作量以上で、且つ、アーム用
操作レバー65及びバケット用操作レバー66の各操作
量が、ともにその操作方向の負側(アーム及びバケット
の引き込み側)でそれぞれ予め定められた所定操作量以
下(各操作量の絶対値では所定操作量以上)となる時間
の合計を求め、これをブーム逆操作時間ch4として設定
する。
【0050】・ブーム用、アーム用、及びバケット用の
各操作レバー64,65,66の前記所定時間分の操作
量データに基づき、その所定時間内においてブーム用操
作レバー64の操作量の大きさ(絶対値)が予め定めた
所定操作量以上で、且つアーム用操作レバー65及びバ
ケット用操作レバー66の各操作量の大きさが、それぞ
れ予め定められた所定操作量以下となる時間の合計を求
め、これをバケット・アーム停止時間ch5として設定す
る。
【0051】・ブーム用、アーム用、及びバケット用の
各操作レバー64,65,66の前記所定時間分の操作
量データに基づき、その所定時間内における各操作レバ
ー64,65,66の操作量の大きさ(絶対値)の平均
値を個別に求め、それぞれをブーム操作量平均値ch6、
アーム操作量平均値ch7、バケット操作量平均値ch8とし
て設定する。
【0052】 各種判別用数値に基づく作業判別(図
6) STEP1:バケット操作の複雑さ表示量ch2をこれに
対応して予め定められた所定値Th1と比較する。ch2≧Th
1であれば、行っている作業がばらまき作業であると判
断し、それ以外の場合はSTEP2に移行する。この
「ばらまき作業」は、バケット、アーム、ブームの同時
動作によって、バケットに土をすくい、それをバケット
の動作によってばらまくという作業を高速で繰り返すも
のである。
【0053】STEP2:STEP1の条件が成立しな
い場合に、ブーム操作の複雑さ表示量ch1と、高速旋回
時間ch3と、バケット・アーム停止時間ch5とをそれぞれ
予め定められた所定値Th2,Th3,Th4と比較し、ch1≧Th
2、且つch3≦Th3、且つch5≧Th4であれば、行っている
作業が「土羽打ち作業」であると判断し、それ以外の場
合にはSTEP3に移行する。この「土羽打ち作業」
は、ブームの上下動を繰り返すことにより、バケットを
地面に何度も叩きつけて地面を固める作業であり、アク
チュエータの負荷は衝撃的に急速増減することになる。
【0054】STEP3:STEP2の条件が成立しな
い場合に、バケット操作の複雑さ表示量ch2と、バケッ
ト・アーム停止時間ch5と、ブーム逆操作時間ch4と、ア
ーム操作量の平均値及びブーム操作量平均値の合計値
(ch7+ch8)とをそれぞれ予め定められた所定値Th5,T
h6,Th7,Th8と比較し、ch2≦Th5、且つch5≦Th6、且つ
ch4≧Th7、且つ(ch7+ch8)≧Th8であれば、行ってい
る作業が「法面仕上げ作業」であると判断し、それ以外
の場合にはSTEP4へ移行する。この「法面仕上げ作
業」は、バケット、アーム、ブームの同時操作によっ
て、バケットを斜面に沿わせながらアームやブームを作
動させてバケットにより斜面を削っていく作業である。
【0055】STEP4:STEP3の条件が成立しな
い場合に、ブーム操作の複雑さ表示量ch1と、バケット
操作の複雑さ表示量ch2と、高速旋回時間ch3と、バケッ
ト・アーム停止時間ch5と、アーム操作量の平均値及び
ブーム操作量平均値の合計値(ch7+ch8)とをそれぞれ
予め定められた所定値Th9,Th10,Th11,Th12,Th13と
比較し、ch1≦Th9、且つch2≦Th10、且つch3≦Th11、且
つch5≦Th12、且つ(ch7+ch8)≦Th13であれば、行っ
ている作業が「クレーン作業」であると判断し、それ以
外の場合にはSTEP5へ移行する。この「クレーン作
業」は、バケットの刃先にロープ等を介して運搬物を吊
り下げ、該運搬物の移動を行うものである。
【0056】STEP5:STEP4の条件が成立しな
い場合に、高速旋回時間ch3と、バケット・アーム停止
時間ch5と、アーム操作量の平均値及びブーム操作量平
均値の合計値(ch7+ch8)とをそれぞれ予め定められた
所定値Th14,Th15,Th16と比較し、ch3≧Th14、且つch5
≦Th15、且つ(ch7+ch8)≧Th16であれば、行っている
作業が「押しつけ掘削作業」であると判断し、それ以外
の場合にはSTEP6へ移行する。この「押しつけ掘削
作業」は、車両の側方箇所で車両の前後方向に溝を掘る
場合等に、旋回動作を行いつつバケットを地面に押し当
てて引き込むことにより掘削するものであり、電動アク
チュエータの負荷変動及び負荷ピーク値は大きくなる。
【0057】STEP6:STEP5の条件が成立しな
い場合に、ブーム操作の複雑さ表示量ch1と、バケット
操作の複雑さ表示量ch2と、高速旋回時間ch3と、ブーム
逆操作時間ch4とをそれぞれ予め定められた所定値Th1
7,Th18,Th19,Th20と比較し、ch1≦Th17、且つch2≦T
h18、且つch3≦Th19、且つch4≦Th20であれば、行って
いる作業が「積み込み作業」であると判断し、それ以外
の場合にはSTEP7へ移行する。この「積み込み作
業」は、当該ショベルを輸送する際に当該ショベルをト
レーラ等に積み込む作業である。
【0058】STEP7:STEP6の条件が成立しな
い場合に、高速旋回時間ch3と、バケット・アーム停止
時間ch5と、ブーム操作量の平均値及びアーム操作量平
均値の合計値(ch6+ch7)とをそれぞれ予め定められた
所定値Th21,Th22,Th23と比較し、ch3≧Th21、且つch5
≧Th22、且つ(ch6+ch7)≦Th23であれば、行っている
作業が「旋回地ならし作業」であると判断し、それ以外
の場合にはSTEP8へ移行する。この「旋回地ならし
作業」は、バケットを地面に接触させ、この状態で旋回
動作をすることで地ならしを行う作業である。
【0059】STEP8:STEP7の条件が成立しな
い場合に、ブーム操作量の平均値及びアーム操作量平均
値の合計値(ch6+ch7)を予め定められた所定値Th24と
比較し、(ch6+ch7)≧Th24であれば、行っている作業
が前記押しつけ作業以外の掘削作業、すなわち「単純掘
削、溝掘削、水平掘削作業」であると判断する。これら
の作業は、基本的には、車両の前方箇所でバケットを地
面に押し当てて手前に引き込むことにより行う作業であ
り、いずれにせよ電動アクチュエータの負荷変動及び負
荷ピーク値は大きくなる。このSTEP8の条件も成立
しない場合には、作業判別不能であるとする。
【0060】このようにして判別された作業内容に基づ
き、図5に示す畜電器切換部52は使用畜電器の選択及
び切換を行う。具体的に、前記各作業のうち、その作業
時間が比較的短くてしかも負荷変動及び負荷ピーク値の
大きい土羽打ち、押しつけ掘削、及び単純掘削、溝、水
平掘削については第2畜電器14Bを選択し、それ以外
の作業については第1畜電器14Aを選択する(表2参
照)。
【0061】
【表2】 このような構成によれば、負荷変動及び負荷ピーク値の
大きい作業が行われているときには、第2畜電器14B
を選択することによって当該作業に対応した大電流によ
る充放電を行う一方、負荷変動及び負荷ピーク値の小さ
い作業が行われているときには、第1畜電器14Aを選
択することによって長時間にわたる作業を継続して行う
ことが可能になる。
【0062】なお、判別する作業内容は上記のものに限
られず、それ以外の作業を加えてもよいし、逆に判別種
数を減らしてもよい。また、作業機械の種類によって判
別作業の内容が変わることはいうまでもない。
【0063】3)第3の実施の形態(図7) この実施の形態では、運転席13の近傍などの適所に選
択スイッチ56が設けられている。この選択スイッチ5
6は、その切換操作を受けることにより、その操作に応
じた選択指令信号(第1畜電器14Aを選択する信号も
しくは第2畜電器14Bを選択する信号)を出力する。
コントローラ50は、前記選択指令信号を受信する畜電
器切換スイッチ検出部54を備え、その選択指令信号に
従って使用畜電器を切換えるように畜電器切換部52が
構成されている。
【0064】このように、使用畜電器の選択を手動で行
うようにすれば、実際の作業内容に適した畜電器の選択
をオペレータ等の自らの判断で行うことが可能である。
【0065】なお、この実施の形態では、必ずしもコン
トローラ50の出力信号によって使用畜電器の切換を行
うようにしなくてもよく、例えば選択スイッチ56の操
作に連動して前記図2に示すリレースイッチ15A,1
5Bのリレーコイルが択一的に通電されるような電気回
路を構成してもよい。
【0066】また、本発明において使用畜電器を切換え
る手段はかかるリレースイッチに限らず、その他のスイ
ッチ手段を用いてもよい。
【0067】また、本発明では、前記第1畜電器、第2
畜電器に加え、第3、第4の畜電器を搭載して3以上の
畜電器を適宜使い分けるようにしてもよい。
【0068】
【発明の効果】以上のように本発明は、作業機械におい
て、発電機で生成された電力の充電及び前記電動アクチ
ュエータに対する電力の供給を行うための畜電器として
複数種のものを具備し、これらの畜電器の中で使用する
畜電器を選択的に切換える切換手段を備えたものである
ので、畜電器の小型化及び軽量化を図りながら、各作業
に要求される蓄電条件を満足させることができる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施の形態にかかるシ
ョベルの正面図、(b)は同ショベルの平面図である。
【図2】前記ショベルにおける畜電器の切換回路を示す
図である。
【図3】前記ショベルに搭載されたコントローラの機能
ブロック図である。
【図4】前記コントローラの行う制御動作を示すフロー
チャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態にかかるショベルに
搭載されたコントローラの機能ブロック図である。
【図6】図5に示すコントローラの行う作業判別動作を
示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施の形態にかかるショベルに
搭載されたコントローラの機能ブロック図である。
【符号の説明】
14A 第1畜電器 14B 第2畜電器 18 発電機 20 エンジン 22 旋回駆動用電動アクチュエータ 26L,26R 走行用駆動アクチュエータ 28 ブーム 30 アーム 32 バケット 34 ブーム駆動用電動アクチュエータ 37 アーム駆動用電動アクチュエータ 38 アームシリンダ 39 バケット駆動用電動アクチュエータ 40 バケットシリンダ 50 コントローラ 51 動力演算部(動力検出手段を構成) 52 畜電器切換部(切換制御手段) 53 作業判別部 56 選択スイッチ 61〜66 操作レバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新谷 裕和 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 絹川 秀樹 広島市安佐南区祇園3丁目12番4号 油谷 重工株式会社内 (72)発明者 小見山 昌之 広島市安佐南区祇園3丁目12番4号 油谷 重工株式会社内 Fターム(参考) 2D003 AA01 AB03 AB07 BA02 BB01 CA10 DA04 DB01 5H115 PI16 PI22 PI29 PU01 PU26 QE16 QN02 QN12 RB08 RB11 TO04 TO12 TO13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発電機と、この発電機により生成された
    電力によって作業部材を作動させるための動力を発生さ
    せる電動アクチュエータとを備えた作業機械において、
    前記発電機で生成された電力の充電及び前記電動アクチ
    ュエータに対する電力の供給を行うための複数種の畜電
    器と、これらの畜電器の中で使用する畜電器を選択的に
    切換える切換手段とを備えたことを特徴とする畜電器を
    備えた作業機械。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の畜電器を備えた作業機械
    において、前記畜電器として、第1畜電器と、この第1
    畜電器よりも単位重量あたりの出力が高くかつ単位重量
    当りの蓄積エネルギーが低い第2畜電器とを含むことを
    特徴とする畜電器を備えた作業機械。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の畜電器を備えた作業機械
    において、前記電動アクチュエータの総必要動力を検出
    する動力検出手段と、検出された総必要動力に基づいて
    使用畜電器の切換を制御する切換制御手段とを備えたこ
    とを特徴とする畜電器を備えた作業機械。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の畜電器を備えた作業機械
    において、前記畜電器として、第1畜電器と、この第1
    畜電器よりも単位重量あたりの出力が高くかつ単位重量
    当りの蓄積エネルギーが低い第2畜電器とを含むととも
    に、検出された総必要動力が予め設定された動力範囲内
    にある場合には前記第1畜電器を選択し、検出された総
    必要動力が前記動力範囲よりも大きくもしくは当該動力
    範囲よりも小さい場合には前記第2畜電器を選択するよ
    うに前記切換制御手段を構成したことを特徴とする畜電
    器を備えた作業機械。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の畜電器を備えた
    作業機械において、前記電動アクチュエータを操作する
    ための操作部材と、この操作部材の操作状態から作業内
    容を判別する作業判別手段と、判別された作業内容に応
    じて使用畜電器の切換を制御する切換制御手段とを備え
    たことを特徴とする畜電器を備えた作業機械。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の畜電器を備えた
    作業機械において、切換操作を受ける選択スイッチを備
    え、この選択スイッチの操作に対応して使用畜電器の切
    換が行われるように構成したことを特徴とする畜電器を
    備えた作業機械。
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