JP2000294147A - プラズマディスプレイパネル用部材、プラズマディスプレイパネルおよびガラスペースト - Google Patents
プラズマディスプレイパネル用部材、プラズマディスプレイパネルおよびガラスペーストInfo
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Abstract
抑制し、かつ、表示中の異常放電を抑制して信頼性の高
いプラズマディスプレイパネルを提供する。 【解決手段】プラズマディスプレイパネルの信頼性を向
上するために誘電体中に添加する導電性微粒子と、誘電
体に用いるガラス粉末の平均屈折率の差を0.1以下に
したプラズマディスプレイパネルにより、本発明の目的
は達成される。
Description
レイパネルに係り、特にAC方式プラズマディスプレイ
パネルの異常放電を防止し、パネルの信頼性向上を高め
たプラズマディスプレイパネルに関する。
レイとして、プラズマディスプレイパネル(以下、PD
Pと略す)が注目されている。特に、AC方式PDP
は、構造が簡便で製造コストが安価にできる可能性があ
り、輝度や表示品位を高くできるメリットがある。AC
方式PDPは、異なるスキャン電極間で放電することに
より誘電体層の表面に発生する壁電荷を利用して、表示
するディスプレイである。アドレス電極もスキャン電極
の放電位置を決めるために放電に関与する。
加のために発生した壁電荷の一部は表示後も誘電体層の
表面に残存壁電荷として残り、この残存壁電荷により局
部的に集中して放電する異常放電(偶発放電とも言う)
が生じる。この異常放電を防止するために、特開平10
−64434号公報では、背面板、すなわち、ディスプ
レイを表示するのと反対側の基の板誘電体層の表面抵抗
率を、特に導電性微粒子を添加することにより低くし異
常放電を抑制する方法が開示されている。
消し得るが、前面板、すなわち、ディスプレイを表示す
る側の基板への電荷たまりの解消も求められている。特
に、前面板において異常放電により誘電体層が破損され
た場合、パネルの表示欠陥が生じるため、異常放電を抑
制するためにも電荷のたまりの程度(抜けやすさ)を制
御する必要がある。前面板への電荷たまりを制御するた
めには、前面板の誘電体層についても導電性を付与する
ことが考えられる。また、誘電体層に導電性を付与する
ことにより、静電容量が大きくなり、耐電圧を確保する
ために厚くした場合も表示する際の電流制御が容易にな
ることも期待できる。
体層は、放電により生じた発光光をより高い透過率で透
過する必要がある。透過率が低下すると輝度低下に結び
つく。前述の従来技術を前面板に用いると、導電性微粒
子が光を吸収、あるいは、乱反射することにより透過率
が低減し、ディスプレイの輝度が低下するという課題が
ある。
異常放電がなく、かつ、輝度低下しないPDPを提供す
ることを目的とする。
上に電極と電極を被覆する誘電体層1を形成したPDP
用部材であって、誘電体層1がガラス成分および導電性
微粒子を含み、誘電体層1に含まれるガラス成分の平均
屈折率Ngと導電性微粒子の平均屈折率Ncが、以下の
式(1)を満たすことを特徴とするPDP用部材であ
る。 −0.1≦Nc−Ng≦0.1 …(1) また、本発明は、PDPであって、電極がスキャン電極
であることを特徴とする上記のPDP用部材Aと、基板
表面上にアドレス電極とアドレス電極を被覆する誘電体
層2が形成され、その上に放電セルを仕切るための隔壁
が形成された部材Bとが対向配置され、部材Aが実質的
な画像表示面として使用されることを特徴とするPDP
である。
ダーから主として構成されるガラスペーストであって、
さらに導電性微粒子を含有し、導電性微粒子の平均屈折
率Ncとペースト中に含まれるガラス粉末の平均屈折率
Ngが、上記の関係(1)を有することを特徴とするガ
ラスペーストである。
と前面板のいずれにも好ましく用いることができるが、
異常放電がなく、かつ輝度低下しないPDPを提供する
という目的を達成する上で、実質的な画像表示面、すな
わち前面板として用いることがより効果的である。
に示す。但し、本発明はこれに限定されるものではな
い。
プレイ用ガラス基板(旭硝子社製PD200など)を使
うことができる。基板上に、ITO等によりスキャン電
極を形成し、スキャン電極の抵抗値を低減させるために
銀を用いてバス電極を形成しする。
形成する。本発明のPDP用部材においては、誘電体層
に含まれるガラス成分の平均屈折率Ngと導電性微粒子
の平均屈折率Ncが、以下の式(1)を満たすことが必
要である。式(1)を満たすことにより、誘電体層内の
導電性粒子による光の吸収や乱反射を抑えることが可能
となり、光線透過率を維持しつつ、異常放電を抑制でき
る。 −0.1≦Nc−Ng≦0.1 …(1) ガラス成分としては、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化リン
を合計で10〜80重量%含有するガラスを用いること
ができる。10重量%以上とすることで、熱軟化温度が
350〜580℃となり600℃以下での焼成が容易に
なり、80重量%以下とすることで、結晶化を防ぎ透過
率の低下を防止する。これらのガラス成分の屈折率とし
ては、1.70〜1.85が好ましい。この範囲内とす
ることで、導電性微粒子との屈折率を近づけることが容
易になる。
抗値の低い金属、もしくは、金属酸化物を用いることが
できるが、具体的には、酸化錫、ITO、アンチモン酸
亜鉛が好ましい。誘電体層中の導電性微粒子の含有量は
0.1〜10重量%程度であることが好ましい。0.1
重量%以上とすることで異常放電の抑制の実効を得るこ
とができる。また、10重量%以下とすることで、電極
間の絶縁性を維持できる。
抵抗率が1×105〜1×1010Ω・mであることが好
ましい。体積抵抗率を1×1013Ω・m以下とすること
で、異常放電の抑制の実効を得ることができる。1×1
05Ω・m以上とすることで、隣り合う電極の絶縁性を
維持できる。
層の可視光線透過率が70%以上であることが好まし
い。
は、基板上に、ガラス粉末と有機バインダーから主とし
て構成されるガラスペーストを塗布した後に400〜6
00℃で焼成する事により形成できる。
微粒子を含有し、導電性微粒子の平均屈折率Ncとガラ
ス粉末の平均屈折率Ngが前述の式(1)を満たすこと
が重要である。このようなガラスペーストを採用するこ
とで、前述の誘電体層を得ることができる。
子径は、1〜10μm、さらには2〜5μmであること
が好ましい。1μm以上とすることでペースト中での粉
末の分散が容易となり、10μm以下とすることで、突
起状の欠陥を防ぐことができる。
よび有機バインダーを混合し、混練する事によりガラス
ペーストを作製できる。用いる有機バインダーとして
は、エチルセルロース、メチルセルロース等に代表され
るセルロース系化合物、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチルア
クリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレ
ート等のアクリル系化合物等を用いることができる。ま
た、ガラスペースト中に、溶媒、可塑剤等の添加剤を加
えても良い。溶媒としては、テルピネオール、ブチロラ
クトン、トルエン、メチルセルソルブ等の汎用溶媒を用
いることができる。また、可塑剤としてはジブチルフタ
レート、ジエチルフタレート等を用いることができる。
10〜100μmが好ましく、焼成後の厚みが5〜80
μm程度が好ましい。焼成後の厚みを5μm以上とする
ことでピンホールなどの欠陥が生じにくく、80μm以
下とすることで駆動電圧が上昇する問題がない。
基板を作製できる。
基板上に、アドレス電極、誘電体層、隔壁、蛍光体層を
常法により形成して作製できる。その際、背面板の誘電
体層にも導電性微粒子を含有させることが好ましい。
DP用部材を用いることが重要である。前面板とた背面
板とを封着して、Xeを含有するHeやNeガスを封入
して、駆動回路を実装することにより、PDPを作製で
きる。
説明する。ただし、本発明はこれに限定はされない。な
お、実施例、比較例中の濃度(%)は重量%である。
Ba硼珪酸ガラスの粉末(屈折率1.81)を70%、
酸化スズ(屈折率1.83)を5%、エチルセルロース
15%、テルピネオール10%を混練してガラスペース
トを得た。
0mm角のクロム/銅/クロムの3層の電極膜をスパッ
タリングにより形成した。電極膜状に、上記のガラスペ
ーストをスクリーン印刷により、50μmの厚みになる
ように塗布し、570℃15分間の焼成を行って誘電体
層を形成した。焼成後の厚みは28μmであった。誘電
体層上にドータイトを塗布して直径40mmの円形電極
膜を形成した。誘電体層の上下の電極間に1ボルトの電
圧をかけ、高抵抗計で抵抗値を測定したところ7×10
8Ωであった。この抵抗値を次式(2)に代入し、形成
した誘電体層の体積抵抗率が3×1010Ω・mであるこ
とを確認した。 体積抵抗率(Ω・m)=抵抗値(Ω)×πd2/4t …(2) ただし、d(m)は電極の直径、t(m)は誘電体の厚
さである。
00上に、ITOを用いて、ピッチ220μm、線幅1
00μmのスキャン電極を形成した。また、その基板上
に感光性銀ペーストを塗布した後に、フォトマスクを介
したマスク露光、0.3%炭酸ナトリウム水溶液を用い
た現像、580℃15分間の焼成工程を経て、バス電極
を形成した。
クリーン印刷により、表示部分のバス電極が覆われるよ
うに50μmの厚みとなるように塗布し、570℃15
分間の焼成を行って前面誘電体を形成した。焼成後の厚
みは28μmであった。誘電体を形成した基板上に電子
ビーム蒸着により保護膜として、厚み0.5μmの酸化
マグネシウム層を形成して前面板を作製した。
し、酸化鉛を70重量%含有するガラス粉末を主成分と
するガラスペーストを用いて背面誘電体を形成した後、
隔壁、RGBの蛍光体層を形成し、背面板を作製した。
いて封着して、Xe5%含有のNeガスを内部ガス圧6
6500Paになるように封入した。さらに、駆動回路
を実装してPDPを作製した。PDPのスキャン電極に
電圧を印加して発光させた。その輝度計を用いて輝度を
測定したところ、250cd/m2であった。また、2
4時間連続して表示を行ったが、異常放電は生じなかっ
た。
ストのガラス粉末として、酸化ビスマス65重量%、酸
化亜鉛10重量%を含有するBa硼珪酸ガラスを用いた
以外は実施例1、2と同様にして前面板を作製した。次
に、酸化鉛を70重量%含有するBa硼珪酸ガラス粉末
を主成分とするペースト中にニッケル粉末を2重量%添
加した以外は実施例2と同様に背面基板を作製した。こ
れらの前面基板と背面基板を封着してPDPを作製し、
4時間連続して表示を行ったが、異常放電は生じなかっ
た。
ストとして、ガラス粉末75%、エチルセルロース15
%、テルピネオール10%を混練して得られたガラスペ
ーストを用いた以外は、実施例1、2と同様にして、前
面板、背面板を作製し、PDPを作製して表示を行っ
た。PDPの輝度は228cd/m2であった。しかし
表示1時間の間に平均4回の異常放電が生じた。また実
施例1と同様に誘電体層の体積抵抗率を測定したとこ
ろ、1×1015Ω・mであった。
ストのガラス粉末として、酸化鉛を60重量%含有する
Ba硼珪酸ガラス(屈折率1.69)を用いた以外は、
実施例1、2と同様にして、前面板、背面板を作製し、
PDPを作製して表示を行った。また、24時間連続し
て表示を行っても、異常放電は生じなかった。しかし輝
度は195cd/m2であり、実施例2に比べ劣るもの
であった。また実施例1と同様に誘電体層の体積抵抗率
を測定したところ、4×1010Ω・mであった。
マディスプレイパネルおよびガラスペーストにより、高
輝度でかつ異常放電の生じにくく、信頼性に優れたプラ
ズマディスプレイパネルを提供できる。
Claims (10)
- 【請求項1】基板上に電極と電極を被覆する誘電体層1
を形成したプラズマディスプレイパネル用部材であっ
て、誘電体層1がガラス成分および導電性微粒子を含
み、誘電体層1に含まれるガラス成分の平均屈折率Ng
と導電性微粒子の平均屈折率Ncが、以下の式(1)を
満たすことを特徴とするプラズマディスプレイパネル用
部材。 −0.1≦Nc−Ng≦0.1 …(1) - 【請求項2】誘電体層1の体積抵抗率が1×105〜1
×1013Ω・mであることを特徴とする請求項1記載の
プラズマディスプレイパネル用部材。 - 【請求項3】誘電体層1における導電性微粒子の含有比
率が0.1〜10重量%であることを特徴とする請求項
1または2記載のプラズマディスプレイパネル用部材。 - 【請求項4】誘電体層1の可視光線透過率が、70%以
上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載
のプラズマディスプレイパネル用部材。 - 【請求項5】電極がスキャン電極であることを特徴とす
る、請求項1〜4のいずれか記載のプラズマディスプレ
イパネル用部材。 - 【請求項6】プラズマディスプレイパネルであって、請
求項5に記載のプラズマディスプレイパネル用部材A
と、基板表面上にアドレス電極とアドレス電極を被覆す
る誘電体層2が形成され、その上に放電セルを仕切るた
めの隔壁が形成された部材Bとが対向配置され、部材A
を実質的な画像表示面として使用することを特徴とする
プラズマディスプレイパネル。 - 【請求項7】部材Bに形成した誘電体層2に導電性微粒
子を含むことを特徴とする請求項6記載のプラズマディ
スプレイパネル。 - 【請求項8】ガラス粉末と有機バインダーから主として
構成されるガラスペーストであって、さらに導電性微粒
子を含有し、導電性微粒子の平均屈折率Ncとガラス粉
末の平均屈折率Ngが、以下の関係(1)を有すること
を特徴とするガラスペースト。 −0.1≦Nc−Ng≦0.1 …(1) - 【請求項9】導電性微粒子として、酸化錫、ITO、ア
ンチモン酸亜鉛の内の少なくとも1種類以上を用いるこ
とを特徴とする請求項7記載のガラスペースト。 - 【請求項10】導線性微粒子の含有量が、ガラスペース
トに対して0.1〜10重量%であることを特徴とする
請求項7または8記載のガラスペースト。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP9987899A JP4174902B2 (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | プラズマディスプレイパネル用前面板、プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネル用前面板の誘電体層形成用ガラスペースト |
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008032408A1 (fr) * | 2006-09-15 | 2008-03-20 | Hitachi Plasma Display Limited | Panneau d'affichage à plasma |
KR100852706B1 (ko) | 2007-03-02 | 2008-08-19 | 삼성에스디아이 주식회사 | 격벽 형성용 조성물, 및 이를 이용하여 제조된 플라즈마디스플레이 패널 |
US8092982B2 (en) | 2007-03-26 | 2012-01-10 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Photosensitive paste composition, barrier rib prepared using the composition and plasma display panel comprising the barrier rib |
-
1999
- 1999-04-07 JP JP9987899A patent/JP4174902B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US8029970B2 (en) | 2007-03-02 | 2011-10-04 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Composition for manufacturing barrier rib, and plasma display panel manufactured by the same |
US8092982B2 (en) | 2007-03-26 | 2012-01-10 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Photosensitive paste composition, barrier rib prepared using the composition and plasma display panel comprising the barrier rib |
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