JP2011249200A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

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晃暢 宮崎
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智清 山田
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【課題】本発明のプラズマディスプレイパネルに用いるペーストは、金属バス電極の下地の状態に関わらず、電極の品質を維持したまま、同一の材料にて金属バス電極を形成することができる。
【解決手段】少なくとも一方の基板上に電極と誘電体層とを形成する工程を有したプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、電極を形成するための電極材料は少なくとも第1のガラス材料および第2のガラス材料を含有し、第1のガラス材料軟化点は、第2のガラス材料の軟化点よりも高く、第1のガラス材料と第2のガラス材料との軟化点の差が5℃以上30℃以下であり、電極を形成する工程は基板上に電極材料を塗布するステップと、基板上に塗布した電極材料を焼成するステップとを有し、電極材料を焼成するステップでは、第1のガラス材料の軟化点よりも、30℃以上50℃以下の高い温度にて、焼成することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示デバイスなどに用いるプラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと呼ぶ)は、高精細化、大画面化の実現が可能であることから、100インチクラスのテレビなどが製品化されている。近年、PDPは従来のNTSC方式に比べて走査線数が2倍以上のハイディフィニションテレビへの適用が進んでいるとともに、低コスト化が求められている。
PDPは、基本的には、前面板と背面板とで構成されている。前面板は、フロート法による硼硅酸ナトリウム系ガラスのガラス基板と、その一方の主面上に形成されたストライプ状の透明電極と金属バス電極とで構成される表示電極と、この表示電極を覆ってコンデンサとしての働きをする誘電体層と、この誘電体層上に形成された酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層とで構成されている。一方、背面板は、ガラス基板と、その一方の主面上に形成されたストライプ状のアドレス電極と、アドレス電極を覆う下地誘電体層と、下地誘電体層上に形成された隔壁と、各隔壁間に形成された赤色、緑色および青色それぞれに発光する蛍光体層とで構成されている。
前面板と背面板とはその電極形成面側を対向させて気密封着され、隔壁によって仕切られた放電空間にNe−Xeの放電ガスが53kPa〜80kPaの圧力で封入されている。PDPは、表示電極に映像信号電圧を選択的に印加することによって放電させ、その放電によって発生した紫外線が各色蛍光体層を励起して赤色、緑色、青色の発光をさせ、カラー画像表示を実現している。
表示電極の金属バス電極には導電性を確保するための銀電極が用いられ、誘電体層としては酸化鉛を主成分とする低融点ガラスが用いられているが、近年の環境問題への配慮から誘電体層として鉛成分を含まない例が開示されている。また、その金属バス電極を形成する際の結着ガラスとして酸化ビスマスを所定量含有させた例も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−048645号公報
一方、近年のハイディフィニションテレビへの適用に伴い、走査線数が増加して表示電極の数が増加する。またプロセスの簡略化・低コスト化を図るために、従来まで使用してきた透明電極を形成せず、変わりに金属バス電極によって表示電極すべてを形成するような例えばフェンス構造の機種も作られている。
その結果、透明電極を形成したハイスペック機種とプロセスの簡略化・低コスト化を図ったコストダウン機種が混在し、電極材料として各機種の特性を満たすよう、それぞれに異なる材料での対応、または同一材料での両機種の両特性を満たすことが必要である。
しかし、各機種に対して異なる材料にて対応することは、生産ラインの材料切り替えなどが伴うため、生産性のロスを招き、望ましくはない。
本発明はこのような課題に鑑みなされたもので、同一材料で両機種の必要特性を満足した画像表示品位の高いPDPを提供することを目的としている。
上記の課題を解決するために本発明のPDPの製造方法は、少なくとも一方の基板上に電極と誘電体層とを形成する工程を有したPDPの製造方法であって、電極を形成するための電極材料は少なくとも第1のガラス材料および第2のガラス材料を含有し、第1のガラス材料軟化点は、第2のガラス材料の軟化点よりも高く、第1のガラス材料と第2のガラス材料との軟化点の差が5℃以上30℃以下であり、電極を形成する工程は基板上に電極材料を塗布するステップと、基板上に塗布した電極材料を焼成するステップとを有し、電極材料を焼成するステップでは、第1のガラス材料の軟化点よりも、30℃以上50℃以下の高い温度にて、焼成することを特徴とする。ここで、電極材料中の第2のガラス材料の割合が5重量%以上50重量%以下であることが望ましい。
本発明によれば、金属バス電極の下地の状態に関わらず、電極の品質を維持したまま、同一の材料にて金属バス電極を形成することができ、PDPの生産性を向上することが可能となる。
本発明の実施形態におけるPDPの構造を示す斜視図 同パネルの前面板の構成を示す断面図
以下、本発明の実施形態におけるPDPについて図面を用いて説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の実施形態におけるPDPの構造を示す斜視図である。本実施の形態のPDPの基本構造は、一般的な交流面放電型PDPと同様である。図1に示すように、PDP1は前面ガラス基板3などよりなる前面板2と、背面ガラス基板11などよりなる背面板10とが対向して配置され、その外周部をガラスフリットなどからなる封着材によって気密封着されている。封着されたPDP1内部の放電空間16には、NeおよびXeなどの放電ガスが53kPa〜80kPaの圧力で封入されている。
前面板2の前面ガラス基板3上には、走査電極4および維持電極5よりなる一対の帯状の表示電極6とブラックストライプ(遮光層とも言う)7が互いに平行にそれぞれ複数列配置されている。前面ガラス基板3上には表示電極6と遮光層7とを覆うようにコンデンサとしての働きをする誘電体層8が形成され、さらにその表面に酸化マグネシウムなどからなる保護層9が形成されている。
また、背面板10の背面ガラス基板11上には、前面板2の走査電極4および維持電極5と直交する方向に、複数の帯状のアドレス電極12が互いに平行に配置され、これを下地誘電体層13が被覆している。さらに、アドレス電極12間の下地誘電体層13上には放電空間16を区切る所定の高さの隔壁14が形成されている。隔壁14間の溝にアドレス電極12毎に、紫外線によって赤色、青色および緑色にそれぞれ発光する蛍光体層15が順次塗布して形成されている。走査電極4および維持電極5とアドレス電極12とが交差する位置に放電セルが形成され、表示電極6方向に並んだ赤色、青色、緑色の蛍光体層15を有する放電セルがカラー表示のための画素になる。
図2は、本発明の実施形態におけるPDPの前面板2の構成を示す断面図である。図2は図1と上下反転させて示している。図2に示すように、フロート法などにより製造された前面ガラス基板3に、走査電極4と維持電極5よりなる表示電極6とブラックストライプ7がパターン形成されている。走査電極4と維持電極5はそれぞれ酸化インジウム(ITO)や酸化スズ(SnO2)などからなる透明電極4a、5aと、透明電極4a、5a上に形成された金属バス電極4b、5bとにより構成されている。金属バス電極4b、5bは透明電極4a、5aの長手方向に導電性を付与する目的として用いられ、銀(Ag)材料を主成分とする導電性材料によって形成されている。さらに、金属バス電極4b、5bは黒色の黒色電極41b、51bと白色の白色電極42b、52bとで構成されている。
誘電体層8は、前面ガラス基板3上に形成されたこれらの透明電極4a、5aと金属バス電極4b、5bとブラックストライプ7を覆って設けさらに誘電体層8上に保護層9を形成している。
(本発明の実施形態におけるPDPの製造方法について)
次に、本発明の実施形態におけるPDP1の製造方法について説明する。まず、前面ガラス基板3上に、走査電極4および維持電極5と遮光層7とを形成する。透明電極4a、5aは薄膜プロセス等によって成膜され、フォトリソグラフィ法等によってパターニングし、形成される。一方、黒色電極41b、51bおよび白色電極42b、52bは、導電性黒色粒子あるいは銀(Ag)材料を含むペーストをスクリーン印刷法等によって塗布し、フォトリソグラフィ法等によってパターニングした後、走査電極4、維持電極5および遮光層7を覆うように前面ガラス基板3上に誘電体ペーストをダイコート法などにより塗布して誘電体ペースト層(誘電体ガラス層)を形成する。誘電体ペーストを塗布した後、所定の時間放置することによって塗布された誘電体ペースト表面がレベリングされて平坦な表面になる。
その後、各電極層および誘電体ペースト層を焼成固化することにより、走査電極4、維持電極5および遮光層7を覆う誘電体層8が形成される。なお、誘電体ペーストは粉末の誘電体ガラス、バインダおよび溶剤を含む塗料である。次に、誘電体層8上に酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層9を真空蒸着法により形成する。以上の工程により、前面ガラス基板3上に所定の構成部材が形成されて前面板2が完成する。
一方、背面板10は次のようにして形成される。まず、背面ガラス基板11上に、銀(Ag)材料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や、金属膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングする方法などによりアドレス電極12用の構成物となる材料層を形成し、それを所望の温度で焼成することによりアドレス電極12を形成する。
次に、アドレス電極12が形成された背面ガラス基板11上にダイコート法などによりアドレス電極12を覆うように誘電体ペーストを塗布して誘電体ペースト層を形成する。その後、誘電体ペースト層を焼成することにより下地誘電体層13を形成する。なお、誘電体ペーストは粉末の誘電体ガラスとバインダおよび溶剤を含んだ塗料である。
次に、下地誘電体層13上に隔壁材料を含む隔壁形成用ペーストを塗布して所定の形状にフォトリソグラフィ法等によって隔壁材料層をパターニングし、その後、焼成することにより隔壁14を形成する。ここで、下地誘電体層13上に塗布した隔壁用ペーストをパターニングする方法としては、フォトリソグラフィ法やサンドブラスト法を用いることができる。次に、隣接する隔壁14間の下地誘電体層13上および隔壁14の側面に蛍光体材料を含む蛍光体ペーストを塗布して焼成することにより蛍光体層15が形成される。以上の工程により、背面ガラス基板11上に所定の構成部材が形成されて背面板10が完成する。
このようにして所定の構成部材を備えた前面板2と背面板10とを走査電極4とアドレス電極12とが直交するように対向配置して、その周囲をガラスフリットで封着し、放電空間16にNe、Xeなどを含む放電ガスを封入することによりPDP1が完成する。
(本発明の実施形態における金属バス電極について)
次に本発明の実施形態における金属バス電極について説明する。先に述べたように、金属バス電極は、ガラス基板上および透明電極上いずれにおいても安定的に形成されることが望まれる。
しかしながら、従来技術において金属バス電極を同一材料にて形成した場合には、透明電極上と透明電極の無いガラス基板上とでは熱伝導・熱容量が異なるため、焼成工程において金属バス電極そのものにかかる温度が異なり、形状が安定しない。具体的には、透明電極上では金属バス電極の密着性が悪化し、焼成工程後に膜剥がれの不具合が生じる。一方、ガラス基板上では金属バス電極に気泡が発生し、水ぶくれ(ブリスター)という症状が発生する。
さらに、黒色電極と白色電極との2層構造で金属バス電極を形成する場合には、これら各層のガラス材料の軟化点を調整する技術もあるが、これでは上記現象を抑えることができない。
これに対し発明者等が検討した結果、透明電極上に金属バス電極を形成した際に生じる剥がれ現象に対しては、ガラス材料の軟化点を下げることによって抑制できることが判明した。また、ガラス基板上に形成した際に生じるブリスターの発生については、ガラス材料の軟化点を上げることによって抑制できることが判明した。
そしてさらに検討した結果、上記のように金属バス電極を形成するためのペーストが、軟化点がある一定の差をもった2種以上のガラス材料を適切に含有することによって、これら二つの不具合をいずれも抑制できることが判明した。
そこで本発明の実施形態における金属バス電極は次のような構成としている。つまり、本発明の実施形態では電極層を形成するための電極材料であるペーストは、複数のガラス材料から構成されている。そして、それらの複数のガラス材料のうち、第1のガラス材料および第2のガラス材料を含有し、第1のガラス材料と第2のガラス材料との軟化点の差が5℃以上30℃以下であることを特徴とする。ここで、第1のガラス材料(以下、高軟化点ガラス材料とする)の軟化点は、第2のガラス材料(以下、低軟化点ガラス材料とする)の軟化点よりも高く、電極材料であるペースト中のガラス材料全体に対して、第2のガラス材料の割合が5重量%以上50重量%以下であることが望ましい。
低軟化点ガラス材料を含有することで、電極層が下地層に対して融着する作用が起こり、透明電極上に形成した場合に生じる剥がれ現象を改善できる。そして、高軟化点ガラス材料と低軟化点ガラス材料との差が10℃以上であればこの効果が現出し、その差が大きいほど、この効果は期待できる。しかしながら、高軟化点ガラス材料と低軟化点ガラス材料との軟化点の差が30℃よりも大きくなった場合、ブリスターの発生量が急激に増加してしまう。
そして、その低軟化点ガラス材料の量は、ペースト中のガラス材料全体に対して5重量%以上50重量%以下としている。5重量%より低い場合、高軟化点ガラス材料と低軟化点ガラス材料との差が30℃であったとしても、効果が現出されない。また、50重量%より大きい場合、電極層にブリスターが多数発生してしまう。
また、本発明の実施形態における製造方法では、基板上に塗布した金属バス電極材料を焼成するステップにおいて、高軟化点ガラス材料の軟化点よりも、30℃以上50℃以下の高い温度にて焼成している。これにより、焼成時におけるブリスター発生や、焼成時の電極収縮によって生じる残渣を抑制することができる。さらには電極の基板への密着性悪化や黄変についても抑制することが可能である。
ここで、金属バス電極材料を焼成する温度と、高軟化点ガラス材料の軟化点との差が50℃よりも大きい場合、電極材料中のガラスの粘度が必要以上に低下してしまい、形成した金属バス電極の端部からガラス材料が溶出し、電極形状のシャープ性を悪化させ、好ましくない。逆に、焼成温度と低軟化点ガラス材料の軟化点との差が、30℃よりも小さい場合には、ガラスが十分に溶融せずに基板との密着性を確保できず、電極が基板から剥がれるといった不具合が生じる。さらには導電性材料として主に用いられる銀(Ag)材料がガラス基板上の場合にはより拡散し、黄変を発生させて好ましくない。このことから本発明の実施の形態では、焼成温度をフリット割合が50重量%以上含有する軟化点の高いフリットの軟化点に対し30℃以上50℃以下の温度としている。
次に、本発明の実施形態における電極材料の作製方法について説明する。まずは、前面板2の金属バス電極4b、5bを構成する黒色電極41b、51bについて説明する。この黒色電極41b、51bは、次の材料組成のガラス材料を複数有した構成となっている。すなわち、酸化ビスマス(Bi23)を10重量%〜70重量%、酸化珪素(SiO2)を3重量%〜30重量%、酸化硼素(B23)を1重量%〜30重量%含むガラス材料を基本としている。
これらのガラス材料を主成分とする秤量・混合分散された材料粉末を、約1000℃〜1600℃の温度で溶融させて溶融ガラスを作製する溶融ガラス化ステップを経た後で冷却固化させてガラス材料を作製する。なお、ガラス材料は上記に述べたように軟化点差が5℃以上30℃以下になるよう所望の組成で2種類以上作製する。軟化点の操作は上記の成分を調整することで可能である。
これらのガラス材料を、湿式ジェットミルやボールミルによって平均粒径が0.5μm〜2.5μmとなるように粉砕するガラス材料粉末作製ステップで黒色電極用ガラス材料粉末を各々作製する。次に、これら黒色電極用ガラス材料粉末15重量%〜30重量%と、有機樹脂バインダ10重量%〜45重量%、黒色顔料5重量%〜15重量%とを三本ロールでよく混練する電極材料作製ステップにおいてダイコート用あるいは印刷用の黒色電極ペーストを作製する。なおガラス材料粉末の割合として、ペースト中のガラス材料全体に対して、低軟化点ガラス材料のものが5重量%以上50重量%以下になるようにする。
有機樹脂バインダは、アクリル樹脂5重量%〜25重量%を含むエチレングリコールであり、5重量%以下の感光性開始剤を含有する。また、ペースト中には、必要に応じて可塑剤としてフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリブチルを添加し、分散剤としてグリセロールモノオレート、ソルビタンセスキオレヘート、ホモゲノール(Kaoコーポレーション社製品名)、アルキルアリル基のリン酸エステルなどを添加して印刷性を向上させてもよい。
次に、白色電極42b、52bについて詳細に説明する。ガラス材料の作製方法は、上記の黒色電極材料と同様である。白色電極用ガラス材料粉末0重量%〜10重量%と、有機バインダ1重量%〜20重量%、AgやPtなどの導電性粒子50重量%〜85重量%とを三本ロールでよく混練してダイコート用あるいは印刷用の白色電極ペーストを作製する。なお電極の結着効果を発現させるのに、上記とは異なったガラス材料を0重量%〜10重量%含有させても良い。有機バインダはアクリル樹脂1重量%〜20重量%を含むエチレングリコールであり5重量%以下の感光性開始剤を含有する。また、ペースト中には、必要に応じて可塑剤としてフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリブチルを添加し、分散剤としてグリセロールモノオレート、ソルビタンセスキオレヘート、ホモゲノール(Kaoコーポレーション社製品名)、アルキルアリル基のリン酸エステルなどを添加して印刷性を向上させてもよい。
次に、これらの黒色電極ペースト、白色電極ペーストの順番に前面ガラス基板3にダイコート法あるいはスクリーン印刷法で塗布する。その後、この塗布膜を乾燥させ、その後、所定パターンの露光用マスクを用いて所定の面積に50mj/cm2〜500mj/cm2の光量で露光する。その後0.1重量%〜10重量%のアルカリ溶液などのアルカリ溶液で現像することにより、2層構造の黒色電極41b、51b、白色電極42b、52bとからなる金属バス電極4b、5bを形成して走査電極4、維持電極5を形成する。
また、上述したように表示電極6を構成する黒色電極41b、51bと遮光層7とを同一材料で兼用する場合には、遮光層7も同様にパターニングをすることが可能である。
なお、黒色電極41b、51b、白色電極42b、52bの膜厚については、現像によってパターニングされる際の電極幅精度を確保するために、0.5μm〜10μm以下とすることが好ましい。また電極抵抗値を微調整するため、厚み調整することも可能である。
以上のようにして、本発明の実施形態における黒色電極および白色電極が形成される。黒色電極中のガラス成分は、基板との密着やそれによる黒色度を発現させるために用いられる。本発明の実施形態では、このような本来黒色電極が持つ効果はもちろんのこと、上記の構成とすることによって、透明電極上に金属バス電極を形成した際の剥がれを抑制し、ガラス基板上に形成してもブリスターを抑制することが可能である。
(実施例)
本発明の実施形態での効果を確認するため、以下の検討を行った。まず酸化ビスマス(Bi23)を10重量%〜70重量%、酸化珪素(SiO2)を3重量%〜30重量%、酸化硼素(B23)を1重量%〜30重量%を基本とし、以下表1に示す各々の軟化点温度を有するようにガラス材料を作製した。
これら作製したガラス材料を、ガラスの混合割合を表1に示すように調整して、それを用いて黒色顔料を含む黒色電極用ペーストを作製した。これらのペーストを15cm2程度の小片ガラス基板にスクリーン印刷法を用いて印刷し、その上に白色電極を黒色電極同様スクリーン印刷法を用いて印刷したのち、100mj/cm2〜200mj/cm2の光量で露光し、0.1重量%〜10重量%の炭酸ナトリウム溶液で現像して焼成した電極膜サンプルを作製した。
これら作製したサンプルは、剥がれ評価、ブリスター評価、電極形状端部の直線性、ガラス基板の黄変度合い、により出来栄えを判定した。
剥がれ評価は、形状測定レーザマイクロスコープを用いたパターンエッジの剥がれ高さによる3段階の評価を行った。剥がれ高さが3μmより小さければ、電極形状として問題はない。また、ブリスター評価は試料の一定領域におけるパターン上に発生した直径20μm以上の膨れの個数により評価した。ブリスター個数が5個より少なければ、電極形状として問題はない。
電極形状端部の直線性は、金属バス電極の長手方向10mmにおける形状端部のはみ出しを十点平均高さ(Rz)を測定し、設計幅に対して大きくなる程度を評価した。設計幅に対して3μmより小さければ電極形状として良品とした。
黄変度合の評価は、視認性の度合いを示すb*値として色彩計(ミノルタ社製CR−300)で測定・評価した。なお、PDPの視認性に影響を与えるb*値の目安は、本実施の形態での測定条件では3.5より低いことが望ましく、この値が小さければ小さいほど、黄変度が小さくなり、良好なパネルカラーと共に画像表示性能を有するPDPが得られる。
そして導電性評価については、LCRメーターにより抵抗値を測定し、設計値に対してどの程度大きくなるかを評価した。設計値に対して変化量が3%より小さければ良品であると判断した。
表1は、所望の軟化点温度になるようガラス材料を作製し、かつ各々の割合になるよう混合したガラスを用いた場合の評価結果を示す。ここで「軟化点差」は、低軟化点ガラス材料と高軟化点ガラス材料との軟化点の差を示した。また同表「温度差」は、焼成温度と高軟化点ガラス材料との差を示した。
Figure 2011249200
同表に示すように、低軟化点ガラス材料と高軟化点ガラス材料との軟化点の差が、5℃以上30℃以下であり、かつガラス材料全体に対して低軟化点ガラス材料の割合が5重量%以上50重量%以下となる試料に関しては、剥がれ評価、ブリスター評価についても良好な結果が得られている。
しかしながら、低軟化点ガラス材料と高軟化点ガラス材料とを有していても、それらの軟化点の差が30℃より大きくなっている試料は、ブリスターまたは剥がれのいずれかが発生し、電極として品質を確保できず好ましくない。
さらに、それらガラス材料全体に対する体軟化点ガラス材料の割合が、50重量%より大きくなっても、上述と同様ブリスターまたは剥がれのいずれかが発生し、電極として品質を確保できず好ましくない。
また、焼成温度と高軟化点ガラス材料の軟化点との差が、30℃以上50℃以下である試料は良好な評価結果が得られているが、当該差が50℃より大きい試料では電極形状端部の直線性が悪化し、当該差が30℃より小さい試料では剥がれの評価が良好ではない。
なお、上記高軟化点ガラス材料の軟化点は、電極の導電性を確保できる焼成温度との関係やガラス基板の耐温度性との観点から考慮した剥がれ抑制との観点から、軟化点525℃以上570℃以下であることが好ましい。
以上のように、本発明の表示電極材料を用いることにより、高信頼性を確保した画像表示品位の高いPDPを提供することができる。
なお、本発明の実施形態では、金属バス電極として黒色電極と白色電極の2層構造の場合について述べたが、単層構造の金属バス電極に適応することも可能である。また表示電極を被覆する誘電体が単層あるいは多層構造より形成されるPDP前面板についても適応可能である。
また、以上に述べた各材料組成の含有量数値は、電極層ペースト材料では±0.05%程度の測定誤差が存在し、焼成後の電極層では±0.1%程度の測定誤差が存在する。これらの誤差を含めた数値範囲の含有量での材料組成においても、本発明と同様の効果は得られる。また、鉛成分等について「実質的に含有しない」というのは、不純物等で鉛成分等を含んだ誘電体層についても本発明に相当すると考える。
以上述べてきたように本発明のPDPは、金属バス電極の下地の状態に関わらず、電極の品質を維持したまま、同一の材料にて金属バス電極を形成することができ、PDPの生産性を向上できる点で産業上有用である。
1 プラズマディスプレイパネル
2 前面板
3 前面ガラス基板
4 走査電極
4a、5a 透明電極
4b、5b 金属バス電極
5 維持電極
6 表示電極
7 ブラックストライプ(遮光層)
8 誘電体層
9 保護層
10 背面板
11 背面ガラス基板
12 アドレス電極
13 下地誘電体層
14 隔壁
15 蛍光体層
16 放電空間

Claims (2)

  1. 少なくとも一方の基板上に電極と誘電体層とを形成する工程を有したプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記電極を形成するための電極材料は少なくとも第1のガラス材料および第2のガラス材料を含有し、前記第1のガラス材料軟化点は、前記第2のガラス材料の軟化点よりも高く、前記第1のガラス材料と前記第2のガラス材料との軟化点の差が5℃以上30℃以下であり、
    前記電極を形成する工程は前記基板上に前記電極材料を塗布するステップと、前記基板上に塗布した前記電極材料を焼成するステップとを有し、
    前記電極材料を焼成するステップでは、前記第1のガラス材料の軟化点よりも、30℃以上50℃以下の高い温度にて、焼成することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 前記電極材料中の前記第2のガラス材料の割合が5重量%以上50重量%以下であることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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JP (1) JP2011249200A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103681163A (zh) * 2012-09-20 2014-03-26 E·I·内穆尔杜邦公司 制造pdp汇流电极的方法

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