JP2010027321A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

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【課題】銀の拡散を抑制して高い製造歩留まりを実現し、高輝度、高信頼性を確保して画像表示品位の高いプラズマディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法は、一対の前面パネルおよび背面パネルからなり、前面パネルには表示電極と誘電体層が形成され、背面パネルにはアドレス電極が形成され、前面パネルと背面パネルの間に複数の放電セルにおけるガス放電に基づいて所望の画像を表示させるためのプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記アドレス電極に低融点ガラスを含有し、前記アドレス電極を形成する工程において、ペーストを前記基板に塗布するステップと、前記ペーストを焼成するステップとを有し、前記焼成ステップ時に銀イオン(Ag+)の基板上への拡散を抑制する層を形成することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、表示デバイスなどに用いるプラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと呼ぶ)は、高精細化、大画面化の実現が可能であることから、65インチサイズのテレビなどが製品化されている。さらに近年は、従来のNTSC方式に比べて走査線数が2倍以上のハイディフィニションテレビへの適用が進んでいるとともに、低コスト化が求められている。
PDPは、基本的には前面板と背面板とで構成されている。前面板は、フロート法により製造された硼硅酸ナトリウム系ガラスのガラス基板と、その一方の主面上に形成されたストライプ状の透明電極と金属バス電極とで構成される表示電極と、この表示電極を覆ってコンデンサとしての働きをする誘電体層と、この誘電体層上に形成された酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層とで構成されている。一方、背面板は、ガラス基板と、その一方の主面上に形成されたストライプ状のアドレス電極と、アドレス電極を覆う下地誘電体層と、下地誘電体層上に形成された隔壁と、各隔壁間に形成された赤色、緑色および青色それぞれに発光する蛍光体層とで構成されている。
前面板と背面板とはその電極形成面側を対向させて気密封着され、隔壁によって仕切られた放電空間にネオン(Ne)−キセノン(Xe)の放電ガスが53000Pa〜80000Paの圧力で封入されている。PDPは、表示電極に映像信号電圧を選択的に印加することによって放電させ、その放電によって発生した紫外線が各色蛍光体層を励起して赤色、緑色、青色の発光をさせてカラー画像表示を実現している。
アドレス電極には導電性を確保するために主に銀電極が用いられているが、フロート法で形成された基板ガラス上に銀を含有する表示電極を形成した場合、PDPの駆動中に(特に高温高湿中)に電極中の銀が対向する電極に向けてマイグレーション(移動)を起こし、端子間がショートしたり端子間に電流がリークしたりする課題がある。
特に前面ガラス基板や背面ガラス基板に、ガラス成分中にナトリウム(Na)やカリウム(K)を含有するフロートガラスを用いると、銀のマイグレーションを特に加速する。そのため、従来の課題解決方法としては、基板ガラスと銀電極の間に金属酸化物層を設けてマイグレーションを抑制する方法(例えば特許文献1)や、端子部に金を用いてマイグレーションを抑制する方法(例えば特許文献2)が提案されている。
特許第3770194号公報 特開2001−357788号公報
しかし、基板ガラスと銀電極の間に金属酸化物層を設けてマイグレーションを抑制する方法では、金属酸化物層を形成する工程を必要とすることから、量産性の問題はもちろんのこと、工程数の増加によるコスト増につながり、好ましくない。また、端子部に金を用いてマイグレーションを抑制する方法では、材料費のコスト増につながり、好ましくはない。
本発明はこのような課題に鑑みなされたもので、工程数を増やすことなく、銀のマイグレーションを抑制したPDPを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明のPDPの製造方法は、一対の前面パネルおよび背面パネルからなり、前面パネルには表示電極と誘電体層が形成され、背面パネルにはアドレス電極が形成され、前面パネルと背面パネルの間に複数の放電セルにおけるガス放電に基づいて所望の画像を表示させるためのPDPの製造方法であって、アドレス電極に低融点ガラスを含有し、アドレス電極を形成する工程において、ペーストを基板に塗布するステップと、ペーストを焼成するステップとを有し、焼成ステップ時に銀イオン(Ag+)の基板上への拡散を抑制する層を形成することを特徴とする。
このような構成により、焼成ステップ中に低融点ガラスが軟化し、粘性が低下して基板ガラスと電極との間にガラス成分が偏在し、工程数を増やすことなく拡散防止層を形成して銀イオンのマイグレーションによる端子間のショートや端子間の電流リークを低減することができて、画像表示品位の高いPDPを提供することができる。
さらに、アドレス電極に含有する低融点ガラスの軟化点は、350〜500℃であることが望ましい。このような構成によれば、電極焼成温度でガラス成分の粘度低下を発現でき、焼成ステップ中に基板ガラスと電極の間にガラス成分が偏在しやすくなり、容易に拡散防止層を形成することができる。
また、アドレス電極に含有する低融点ガラスは、その組成としてビスマスを含有し、アルカリ金属を含まないことが望ましい。このような構成によれば、ビスマス成分によって比重を大きくすることができて、焼成ステップ中に基板ガラスと電極の間にガラス成分が偏在しやすくなり、容易に拡散防止層を形成することができる。
本発明は、アドレス電極の銀の拡散を低減した、高輝度、高信頼性を確保して画像表示品位の高いPDPを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態におけるPDPについて図面を用いて説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態におけるPDPの構造を示す斜視図である。本発明の実施の形態におけるPDPの基本構造は、一般的な交流面放電型PDPと同様である。図1に示すように、PDP1は前面ガラス基板3などよりなる前面板2と、背面ガラス基板11などよりなる背面板10とが対向して配置され、その外周部をガラスフリットなどからなる封着材によって気密封着されている。封着されたPDP1内部の放電空間16には、NeおよびXeなどの放電ガスが53000Pa〜80000Paの圧力で封入されている。
前面板2の前面ガラス基板3上には、走査電極4および維持電極5よりなる一対の帯状の表示電極6と遮光層7が互いに平行にそれぞれ複数列配置されている。前面ガラス基板3上には表示電極6と遮光層7とを覆うようにコンデンサとしての働きをする誘電体層8が形成され、さらにその表面に酸化マグネシウムなどからなる保護層9が形成されている。
また、背面板10の背面ガラス基板11上には、前面板2の走査電極4および維持電極5と直交する方向に、複数の帯状のアドレス電極12が互いに平行に配置され、これを下地誘電体層13が被覆している。さらに、アドレス電極12間の下地誘電体層13上には放電空間16を区切る所定の高さの隔壁14が形成されている。隔壁14間の溝にアドレス電極12毎に、紫外線によって赤色、青色および緑色にそれぞれ発光する蛍光体層15が順次塗布して形成されている。走査電極4および維持電極5とアドレス電極12とが交差する位置に放電セルが形成され、表示電極6方向に並んだ赤色、緑色、青色の蛍光体層15を有する放電セルがカラー表示のための画素になる。
次に、PDP1の背面板10の製造方法について説明する。まず、背面ガラス基板11上に、銀(Ag)材料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や、金属膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングする方法などによりアドレス電極12用の構成物となる材料層を形成し、それを所望の温度で焼成することによりアドレス電極12を形成する。次に、アドレス電極12が形成された背面ガラス基板11上にダイコート法などによりアドレス電極12を覆うように誘電体ペーストを塗布して下地誘電体ペースト層を形成する。その後、下地誘電体ペースト層を焼成することにより下地誘電体層13を形成する。なお、誘電体ペーストはガラス粉末などの誘電体材料とバインダおよび溶剤を含んだ塗料である。
次に、下地誘電体層13上に隔壁材料を含む隔壁材料用ペーストを塗布して隔壁ペースト層を形成し、所定の形状にパターニングした後、焼成することにより隔壁14を形成する。ここで、下地誘電体層13上に塗布した隔壁ペースト層をパターニングする方法としては、フォトリソグラフィ法やサンドブラスト法を用いることができる。次に、隣接する隔壁14間の下地誘電体層13上および隔壁14の側面に蛍光体材料を含む蛍光体ペーストを塗布し、焼成することにより蛍光体層15が形成される。以上の工程により、背面ガラス基板11上に所定の構成部材を有する背面板10が完成する。
一方、前面板2は次のようにして形成される。まず、前面ガラス基板3上に、走査電極4および維持電極5と遮光層7とを形成する。金属バス電極4、5は、フォトリソグラフィ法などを用いてパターニングして形成される。金属バス電極4、5は銀(Ag)材料もしくは黒色顔料を含むペーストを所望の温度で焼成して固化している。また、遮光層7も同様に、黒色顔料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や黒色顔料を前面ガラス基板3の全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングし、焼成することにより形成される。
金属バス電極4、5の具体的な形成手順は、以下に示す手順が一般的である。前面ガラス基板3上に黒色顔料を含んだペーストを印刷して乾燥させた後、フォトリソグラフィ法でパターンニングして遮光層7を形成する。さらにその上に顔料を含んだペーストと導電性粒子を含んだペーストを印刷して乾燥を繰り返すことで黒色電極4a、5aの黒色電極ペースト層と白色電極4b、5bの白色電極ペースト層とを形成する。その後フォトリソグラフィ法でパターニングして黒色の黒色電極4a、5aと白色の白色電極4b、5bとからなる金属バス電極4、5を形成する。ここで、画像表示時のコントラストを向上させるために、黒色電極4a、5aを下層(前面ガラス基板3側)に形成し、白色電極4b、5bを上層に形成している。
また、金属バス電極4、5の黒色電極4a、5aと遮光層7とを同一材料で兼用する手順もある。ただし、この手法の場合、遮光層7が導電性材料を含有することになるため、画像表示時の誤放電等の発生を考慮する必要がある。
次に、走査電極4、維持電極5および遮光層7を覆うように前面ガラス基板3上に誘電体ペーストをダイコート法などにより塗布して誘電体ペースト層(誘電体ガラス層)を形成する。誘電体ペーストを塗布した後、所定の時間放置することによって塗布された誘電体ペーストの表面がレベリングされて平坦な表面になる。その後、誘電体ペースト層を焼成固化することにより、走査電極4、維持電極5および遮光層7を覆う誘電体層8が形成される。
次に、誘電体層8上に酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層9を真空蒸着法により形成する。以上の工程により、前面ガラス基板3上に所定の構成部材が形成されて前面板2が完成する。
このようにして所定の構成部材を備えた前面板2と背面板10とを走査電極4とアドレス電極12とが直交するように対向配置し、その周囲をガラスフリットで封着して放電空間16にネオン(Ne)、キセノン(Xe)などを含む放電ガスを封入することによりPDP1が完成する。
次に、背面板10のアドレス電極12について詳細に説明する。このアドレス電極12は次の材料組成のガラス材料を含有して構成されている。すなわち、酸化ビスマス(Bi23)を30重量%〜80重量%、酸化珪素(SiO2)を0重量%〜10重量%、酸化硼素(B23)を0重量%〜20重量%含むガラス材料を基本としている。
一般的にアドレス電極には、電極としての結着性を発現させるために少量のガラス材料を付与している。これに対して本発明の実施の形態の上記ガラス材料は、その効果とは別に、電極焼成時に、ガラス粘度が低下して表示電極側にガラス成分が偏在して拡散抑制層を形成し、銀イオン(Ag+)が拡散するのを防止してガラス基板の着色を低減させることができる。また、上記ガラス材料の役割として、本来の電極の結着効果も兼ねても良い。このことを狙い本発明の実施の形態では、アドレス電極12に含まれるガラス材料の軟化点温度を350〜500℃としている。
ところで、銀イオン(Ag+)拡散を抑制する手段としては、次の手法がある。例えば、蒸着または印刷法などによって絶縁性の金属酸化物層を形成して、防止する方法である。しかし、このような手法を電極形成に用いるには、工程数の増加によるコスト増につながり、またリードタイム増になるため好ましくない。このような課題を解決するために、本発明の実施の形態では電極を形成する過程で拡散防止層を形成するように、電極成分中に拡散抑制層を形成するガラス材料を含有している。
次に、アドレス電極12について詳細に説明する。アドレス電極12は次の材料組成のガラス材料より構成されている。
これらのガラス材料は、酸化ビスマス(Bi23)を30重量%〜80重量%、酸化珪素(SiO2)を0重量%〜10重量%、酸化硼素(B23)を0重量%〜20重量%含むガラス材料を基本としている。なお、ガラス材料の割合によって含有量が多い場合は均一にガラス化しない可能性が考えられるため、状況に応じて含有量を調整することが効果的である。
酸化ビスマス(Bi23)を30重量%〜80重量%、酸化珪素(SiO2)を0重量%〜10重量%、酸化硼素(B23)を0重量%〜20重量%を主成分とする原材料をそれぞれ秤量・混合分散された材料粉末を、約1000℃〜1600℃の温度で溶融させて溶融ガラスを作製する溶融ガラス化ステップを経た後で冷却固化させてガラス材料を作製する。
このガラス材料を、湿式ジェットミルやボールミルによって平均粒径が0.5μm〜2.0μmとなるように粉砕するガラス材料粉末作製ステップで電極用ガラス材料粉末を作製する。次に、この電極用ガラス材料粉末1重量%〜25重量%と、有機バインダ1重量%〜20重量%、AgやPtなどの導電性粒子50重量%〜85重量%とを三本ロールでよく混練してダイコート用あるいは印刷用の白色電極ペーストを作製する。なお電極の結着効果を発現させるのに、上記とは異なったガラス材料を0.5重量%〜10重量%含有させても良い。
有機バインダはアクリル樹脂1重量%〜20重量%を含むエチレングリコールであり5重量%以下の感光性開始剤を含有する。また、ペースト中には、必要に応じて可塑剤としてフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリブチルを添加し、分散剤としてグリセロールモノオレート、ソルビタンセスキオレヘート、ホモゲノール(Kaoコーポレーション社製品名)、アルキルアリル基のリン酸エステルなどを添加して印刷性を向上させてもよい。
次に、アドレス電極ペーストを背面ガラス基板11にダイコート法あるいはスクリーン印刷法で塗布する。その後、この塗布膜を乾燥させ、その後、所定パターンの露光用マスクを用いて所定の面積に100mJ/cm2〜800mJ/cm2の光量で露光する。その後0.1重量%〜10重量%のアルカリ溶液などのアルカリ溶液で現像することにより、アドレス電極12を形成する。
なお、アドレス電極12の膜厚については、現像によってパターニングされる際の電極幅精度を確保するために、0.5μm〜10μm以下とすることが好ましい。また電極抵抗値を微調整するため、厚み調整することも可能である。
次に、本発明の実施の形態においてアドレス電極12中に添加したガラス材料の作用について説明する。アドレス電極中のガラス材料は、電極焼成過程で、ガラス粘度が低下して基板ガラスと電極の間にガラス成分が偏在して拡散抑制層を形成し、銀イオン(Ag+)が拡散するのを防止して端子間のショートや端子間の電流リークを低減する。
従来技術のように、蒸着または印刷法などによって別途絶縁性の金属酸化物膜を形成して、防止する方法では、工程数の増加によるコスト増につながり、またリードタイム増になるため好ましくない。これに対して、本発明の実施の形態では、前述のようにペースト中にガラス材料を含有させ、電極形成の焼成過程で拡散防止層を形成させるため、工程数が増えてコストアップに繋がることなく効果を発現させることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態におけるPDPとその製造方法の実施例について説明する。
(実施例1)
本発明の実施の形態での効果を確認するため、以下の検討を行った。まず各々の軟化点温度を有するガラス材料を作製し、ガラス化の可否を以下の方法を用いて判定した。
すなわち、酸化ビスマス(Bi23)、酸化硼素(B23)、酸化珪素(SiO2)を主成分としたBi−B−Si系ガラス材料を用いて電極用ペーストを作製した。これらのペーストを15cm2程度の小片ガラス基板にスクリーン印刷法を用いて印刷したのち、100mJ/cm2〜200mJ/cm2の光量で露光し、0.1重量%〜10重量%の炭酸ナトリウム溶液で現像して焼成した電極膜サンプルを作製した。
なお、主たるガラス材料粉末がBi−B−Si系ガラスでは、酸化ビスマスを50重量%〜80重量%、酸化ホウ素を2重量%〜18重量%、酸化珪素を0.1重量%〜10重量%となるように調整し、これらの主たるガラス材料の混合割合を変えたガラス材料のガラス化の可否を判定した。
これらの電極膜は、そのガラス材料の結晶化の有無によって、電極強度が弱く脆くなる場合や、ガラス基板との付着力が弱く剥離しやすい場合、または、部分的に付着ムラが発生した場合などが観察される。これらの現象は、ガラス材料が正常にガラス化していない状態と判断した。なお軟化点温度の評価は、マクロ型示差熱分析計を用いて測定し、第2吸熱ピークの値を示した。表1は上記に示す各々の軟化点温度になるよう作製したガラスを用いた場合の結果を示す。
Figure 2010027321
表1の結果から、軟化点は350℃以上が望ましい。350℃以下ではガラス化せず結晶化するため、銀イオン(Ag+)拡散を防止する層が十分に形成されずに、銀イオン(Ag+)の拡散を十分に抑制できず好ましくない。
(実施例2)
次に、42インチのハイビジョンテレビの背面板に適合するように、セルピッチを160μm、電極間隔を100μm、取り出し電極の端子間距離をアドレス電極部で80μm、放電電極間で250μmと設定した13吋サイズの背面板を作製し、また42インチのハイビジョンテレビの前面板に適合する13吋サイズの前面板を作製して両者を封着ガラスを用いて張り合わせ、Ne−Xe系ガスを66.5〜100kPaになるよう封入してサンプルを作製した。
そして、以上のようにして作製したサンプルについて、パネルの点灯試験を行った。この時、表示電極間(維持電極間)は180V、アドレス電極間は80Vの電位差になっていた。また、パネル点灯試験の雰囲気は60℃、95%の相対湿度中で行い、100時間後のマイグレーションの有無、耐圧不良(絶縁不良)の有無を評価した。表2にこれらの結果を記載する。
Figure 2010027321
なお、ここで使用したアドレス電極は、軟化点の異なるガラス材料を用いており、ガラス材料としてBi−B−Si系ガラスを用い、その添加量は15重量%とした。
表2に示すように、軟化点温度が低く結晶化するものや軟化点温度が500℃を超えるものと比較し、軟化点温度が350℃〜500℃のガラス材料を用いたものは銀のマイグレーションが発生し、端子間は絶縁不良を発生していることが判る。このことから、軟化点温度が350℃〜500℃の結晶化しないガラス材料を用いることにより、銀のマイグレーション抑制に有効であることが確認された。
(実施例3)
一方、白色電極にガラス材料を含有させる副作用としては、その量を多くしすぎると電極としての抵抗値が増加してしまうことが懸念される。図2は本発明の実施の形態におけるPDPのアドレス電極へのガラス材料含有量に対する電極の比抵抗上昇と銀マイグレーション有無を示す図である。用いたガラス材料の軟化点は470℃のものである。
ガラス基板に短冊型の所定の形状にパターニング形成して焼成したアドレス電極12の基板面方向の抵抗値を測定して電極の形状寸法から比抵抗値を算出し、ガラス添加量に対する上昇率を相対的に示した。なお、銀マイグレーション有無の評価は、上述した方法を用いて評価した。
図2の結果より、銀マイグレーション低減による絶縁不良抑制効果という観点では、アドレス電極中のガラス材料の添加量を1重量%以上に増加させていくことが効果的である。しかし、PDPのアドレス電極12としての導電性を確保することが必要であり、この観点から考えると、図2の結果からガラス材料の添加量としては25重量%以下であることが望ましい。
以上のように、本発明のPDPおよびその製造方法、PDPのアドレス電極用ペーストによれば、背面板として銀電極のマイグレーションを低減し、高い製造歩留まりと画像表示品位が高いPDPを提供することができる。
以上述べてきたように本発明のPDPおよびその製造方法、PDPのアドレス電極用ペーストによれば、背面板としての銀電極のマイグレーションを抑制し、大画面で高精細のPDPの製造歩留まり向上に有用である。
本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルの構造を示す斜視図 同パネルのアドレス電極へのガラス材料の含有量に対する電極の比抵抗値と端子部絶縁不良有無を示す説明図
符号の説明
1 プラズマディスプレイパネル
2 前面板
3 前面ガラス基板
4 走査電極
5 維持電極
6 表示電極
7 遮光層
8 誘電体層
9 保護層
10 背面板
11 背面ガラス基板
12 アドレス電極
13 下地誘電体層
14 隔壁
15 蛍光体層
16 放電空間

Claims (3)

  1. 一対の前面パネルおよび背面パネルからなり、前面パネルには表示電極と誘電体層が形成され、背面パネルにはアドレス電極が形成され、前面パネルと背面パネルの間に複数の放電セルにおけるガス放電に基づいて所望の画像を表示させるためのプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記アドレス電極に低融点ガラスを含有し、前記アドレス電極を形成する工程において、ペーストを前記基板に塗布するステップと、前記ペーストを焼成するステップとを有し、前記焼成ステップ時に銀イオン(Ag+)の基板上への拡散を抑制する層を形成することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 前記アドレス電極に含有する低融点ガラスの軟化点は、350〜500℃であることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  3. 前記アドレス電極に含有する低融点ガラスは、その組成としてビスマスを含有し、アルカリ金属を含まないことを特徴とする請求項1または請求項2記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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