JP2001143626A - プラズマディスプレイパネル用部材およびプラズマディスプレイパネルならびにその製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル用部材およびプラズマディスプレイパネルならびにその製造方法

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JP2001143626A
JP2001143626A JP36666099A JP36666099A JP2001143626A JP 2001143626 A JP2001143626 A JP 2001143626A JP 36666099 A JP36666099 A JP 36666099A JP 36666099 A JP36666099 A JP 36666099A JP 2001143626 A JP2001143626 A JP 2001143626A
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外部駆動回路との接続部分の剥き出しとなって
いる電極の酸化や腐食による断線や高抵抗化を防ぎ、酸
やアルカリの接触による電極壊れを改善し、電極を構成
する導電性物質のマイグレーションによる短絡を防止
し、かつ、接続部分の導通を確保したプラズマディスプ
レイパネル用部材およびプラズマディスプレイパネルを
提供する。 【解決手段】電極の酸やアルカリの接触による電極壊れ
やマイグレーションによる短絡を改善するために、プラ
ズマディスプレイの少なくとも外部駆動回路との接続端
子部分の電極上に、導電性微粒子と低融点ガラスとを含
有してなる保護層を形成し、かつ、電極と接しつつ、保
護層から突出した状態となっている導電性微粒子を存在
させること、もしくは、保護層の電極上における厚み
が、0.5〜10μmであり、かつ、導電性微粒子の平
均粒子径LがTに対して、T/2≦L≦10Tを満たす
範囲で該保護層を形成することにより、本発明の目的は
達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁掛けテレビや大
型モニターに用いられるプラズマディスプレイパネル用
部材およびプラズマディスプレイパネルならびにそれら
の製造方法に係り、特にプラズマディスプレイパネル用
部材の外部駆動回路との接続端子部分の電極の耐酸性や
耐アルカリ性を向上し、パネルの寿命を高めた、また製
造工程中に使用できる薬品の選択幅を広げたプラズマデ
ィスプレイパネル用部材およびプラズマディスプレイパ
ネルならびにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薄型・大型テレビに使用できるディスプ
レイとして、プラズマディスプレイパネル(以下、PD
Pと略す)が注目されている。PDPにおいて、表示面
となる前面板側のガラス基板には、対をなす複数のサス
テイン電極が銀やクロム、アルミニウム、ニッケル等の
材料で形成されている。さらにサステイン電極を被覆し
てガラスを主成分とする誘電体層が20〜50μm厚み
で形成され、誘電体層を被覆してMgO層が形成されて
いる。一方、背面板側のガラス基板には、複数のアドレ
ス電極がストライプ状に形成され、アドレス電極を被覆
してガラスを主成分とする誘電体層が形成されている。
誘電体層上に放電セルを仕切るための隔壁が形成され、
該隔壁と誘電体層で形成された放電空間内に蛍光体層が
形成される。蛍光体層として、RGBの各色に発光する
蛍光体を形成することにより、フルカラー表示が可能な
PDPを作製することができる。前面板側のガラス基板
のサステイン電極と背面板側のアドレス電極が互いに直
交するように、前面板と背面板が封着され、それらの部
材の間隙内にヘリウム、ネオン、キセノンなどから構成
される希ガスが封入されPDPが形成される。スキャン
電極とアドレス電極の交点を中心として画素セルが形成
されるので、PDPは複数の画素セルを有し、画像の表
示が可能になる。
【0003】PDPにおいて表示を行う際、選択された
画素セルにおいて、発光していない状態からサステイン
電極とアドレス電極との間に封入ガスの放電開始電圧以
上の電圧を印加すると電離によって生じた陽イオンや電
子は、画素セルが容量性負荷であるために放電空間内を
反対極性の電極へと向けて移動して両側のMgO層の内
壁に帯電し、内壁の電荷はMgO層の抵抗が高いために
減衰せずに残留する。この壁電荷により放電空間内に外
部からの印加電圧とは逆極性の電界が形成されるのでセ
ル内の電界は弱められて放電は直ちに停止する。
【0004】次に、スキャン電極間に放電維持電圧を印
加することにより放電は維持される。壁電荷により放電
開始電圧より低い電圧での放電が継続される。この放電
により放電空間内のキセノンガスが励起され、147n
mの紫外線が発生し、紫外線が蛍光体を励起することに
より、発光表示が可能になる。
【0005】PDPには、上記に示した層構造をとる表
示領域の周囲に、上記放電維持電圧等の印加を選択的に
行うための外部駆動回路との接続部分を有しており、そ
こは誘電体層で被覆せずに剥き出しにした電極と駆動回
路の接合部とが半田や導電性接着剤、ACFを介して接
続される。しかし、この電極が剥き出しの部分は外気に
さらされる部分であるため、高温酸化したり、その部分
に形成された酸化物により腐食したりして、高抵抗化や
断線といった電極の機能低下や停止のため、PDPの寿
命が短くなるという課題がある。
【0006】また、PDPの駆動に際して直流電圧が印
加されるため、電極を構成する導電性物質がマイグレー
ションを起こし、長時間の使用下において電極間が短絡
し、PDPの寿命を短くするという問題もある。とりわ
け、電極としてよく用いられている銀はマイグレーショ
ンが起こりやすい導電性物質として知られている。他に
も、外部駆動回路との接続に関するPDP作製工程中
に、外部駆動回路との接続部分の酸化物の除去のため、
酸やアルカリによるエッチング工程が含まれる場合があ
り、その際に電極壊れが発生する場合がある。
【0007】これらの課題に関して、特開平11−40
064号公報には、電極上に数十nmオーダーの薄膜誘
電体層を外部駆動回路との接続部分を含めたパネル全面
に形成する手段が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
の方法では、接続部分表面は絶縁体で覆われているた
め、電極と薄膜誘電体層表面との導通はそのままでは取
れない。そのため、外部駆動回路との接続には、薄膜誘
電体層を突き破る接続法に限定される欠点があった。
【0009】すると薄膜誘電体層の厚みは数十nmオー
ダーの薄さであることが必要となる。数十nmオーダー
の薄膜誘電体層では緻密な膜を形成しないと、酸やアル
カリの浸み込みによる電極壊れが発生する欠点があり、
この解決には、緻密な層形成のためにCVDやゾル・ゲ
ルコーティング法、あるいは真空中でのスパッタリング
や蒸着法といった多大な設備投資やコストがかかる方法
が必要となる。
【0010】そこで、本発明はこの外部駆動回路との接
続部分の剥き出しとなっている電極の酸化や腐食による
断線や高抵抗化、マイグレーションによる短絡を防いで
寿命を長くするとともに、酸やアルカリによる電極壊れ
を改善し、かつ、接続部分の導通を確保したPDP用部
材およびPDPを安価で提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、電極
上の少なくとも外部駆動回路との接続端子部分に、導電
性微粒子と低融点ガラスとを含有してなる保護層を有し
ており、かつ、電極と接しつつ、保護層から突出した状
態となっている導電性微粒子が存在していることを特徴
とするPDP用部材およびこれを用いたPDPである。
もしくは、該保護層の電極上厚みTが、0.5〜10μ
mであり、かつ、導電性微粒子の平均粒子径LがTに対
して、T/2≦L≦10Tを満たす範囲にあることを特
徴とするPDP用部材およびこれを用いたPDPであ
る。また、本発明は、低融点ガラスと導電性微粒子、有
機バインダーを主成分とするガラスペーストを、電極上
の少なくとも外部駆動回路との接続端子部分に塗布した
後、焼成して保護層を形成する工程を経ることを特徴と
するPDP用部材およびPDPの製造方法である。
【0012】尚、特開平10−64434号公報には、
表示エリア内の電極上に形成される誘電体層を低融点ガ
ラスと導電性微粒子とからつくることが開示されている
が、その目的は、誘電体層の過剰な帯電による異常放電
を減らすためであり、誘電体層中に導電性微粒子を混入
することで、誘電体層の膜厚方向の抵抗値を幾分か下
げ、過剰な電荷を電極側にリークさせようとするもので
ある。ここで、適当量の帯電という誘電体層としての本
来の機能を果たすためには、低融点ガラス部の厚みは少
なくとも導電性粒子径以上が良しとされ、導電性粒子の
含有量は低融点ガラスに対してほぼ5重量%以下が良し
とされる。つまり、本発明とこの技術とでは、目的と効
果が全く異なり、構成も異なるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明をPDP用部材およ
びPDPの作製手順に沿って説明する。まず背面板の作
製手順を説明する。本発明のPDP用部材に用いるガラ
ス基板としては、ソーダガラスの他にPDP用の耐熱ガ
ラスである旭硝子社製の“PD200”や日本電気硝子
社製の“PP8”等を用いることができる。
【0014】ガラス基板上に銀やアルミニウム、クロ
ム、ニッケルなどの金属によりアドレス電極を形成す
る。形成する方法としては、これらの金属の粉末と有機
バインダーを主成分とする金属ペーストをスクリーン印
刷でパターン印刷する方法や、有機バインダーとして感
光性有機成分を用いた感光性金属ペーストを塗布し、フ
ォトマスクを用いてパターン露光し、不要な部分を現像
工程で溶解除去し、さらに、400〜600℃に加熱・
焼成して金属パターンを形成する感光性ペースト法を用
いることもできる。また、ガラス基板上にクロムやアル
ミニウム等の金属をスパッタリングした後に、レジスト
を塗布し、レジストをパターン露光・現像した後にエッ
チングにより、不要な部分の金属を取り除くエッチング
法を用いることができる。電極厚みは1〜10μmが好
ましく、2〜5μmがより好ましい。電極が薄すぎる場
合は抵抗値が大きくなり正確な駆動ができなくなる傾向
にあり、厚すぎる場合は材料を多く要しコスト的に不利
となる傾向にある。アドレス電極の幅は20〜200μ
mが好ましく、より好ましくは30〜100μmであ
る。アドレス電極が細すぎる場合は抵抗値が高くなり正
確な駆動が困難となる傾向にあり、太すぎる場合は隣の
電極との間の距離が小さくなるため、ショート欠陥を生
じやすい傾向にある。また、アドレス電極は表示セル
(画素の各RGBを形成する領域)に応じたピッチで形
成される。通常のPDPでは100〜500μm、高精
細PDPにおいては100〜250μmのピッチで形成
するのが好ましい。
【0015】本発明のPDP用部材は、電極上の少なく
とも外部駆動回路との接続端子部分に保護層を有する必
要がある。ここで、外部駆動回路とは、プラズマ放電を
選択的に起こさせるために、放電維持電圧等の印加を行
うための回路等を指し、この外部駆動回路とPDP用部
材のアドレス電極やサステイン電極の延出部すなわち接
続端子部分とが電気的に接続される。保護層の存在によ
り、電極が劣化したり電極壊れを引き起こすことはなく
なる。
【0016】ここで電気的接続の達成のためには、保護
層中に、電極と接しつつ、保護層から突出した状態とな
っている導電性微粒子が存在していることが重要であ
る。
【0017】本発明の保護層は、導電性微粒子と低融点
ガラスとを含有してなり、低融点ガラスは焼成により緻
密に焼結して電極を保護することができるが、通常、低
融点ガラスは導電性を有さないため、導電性微粒子の介
在により導通をとる必要がある。その際、導電性微粒子
が電極上部の表面と外部駆動回路側の端子の表面の双方
に接触するためには、導電性微粒子が電極に接しつつ、
保護層から突出した状態となるようにすることが必要で
ある。図1に本発明の保護層の断面図を示す。導電性微
粒子が保護層から突出した状態とは、この図における電
極4上に存在している導電性微粒子2のように、厚み方
向で導電性微粒子の頂部が保護層のベース材となる低融
点ガラス3の該導電性微粒子の周囲の厚みよりも高く位
置している状態を指す。
【0018】この導電性微粒子が保護層から突出した状
態の確認は、保護層の断面を走査型電子顕微鏡(例えば
(株)日立製作所製S−2400形)で観察したり、保
護層表面を触針式粗さ計(例えば(株)小坂研究所製表
面粗さ測定器SE−3300)で表面凹凸を測定したり
することにより達成できる。また、導電性微粒子が電極
と接している状態の確認は、保護層の断面を走査型電子
顕微鏡(例えば(株)日立製作所製S−2400形)で
観察したり、抵抗測定器を用いて電極と導電性微粒子と
の抵抗を測定したりすることによって達成できる。
【0019】導通を得るには、図1のように導電性微粒
子が単体で電極と接しつつ、保護層から突出した状態と
なっていてもよいし、数個の凝集体が電極と接しつつ、
保護層から突出した状態となっていてもよい。
【0020】または、本発明においては、保護層の電極
上厚みが、0.5〜10μmであることが重要である。
図1において、保護層の電極上厚みTとは、ベース材の
低融点ガラス3の、電極4上で厚み方向に後述する導電
性微粒子2が存在しない部分での厚みを指しており、保
護層の断面を走査型電子顕微鏡(例えば(株)日立製作
所製S−2400形)で観察して測定することができ
る。保護層の電極上厚みが0.5μm未満であると、保
護層の欠損や、酸やアルカリの浸透により、電極の保護
効果が十分に得られない。また、保護層の電極上厚みが
10μmを越えると、下記する導電性微粒子も平均粒子
径の大きいものを用いる必要が生じ、後述するような保
護層表面の粗面化を避けられないため、導通を十分にと
ることが難しくなる。
【0021】本発明の保護層は、導電性微粒子と低融点
ガラスとを含有してなり、導電性微粒子の平均粒子径L
が保護層の電極上厚みTに対して、T/2≦L≦10T
を満たす範囲にあることが必要である。また好ましくは
T≦L≦10Tである。つまり、低融点ガラスは焼成に
より緻密に焼結して電極を保護することができるが、通
常、低融点ガラスは導電性を有さないため、導電性微粒
子の介在により導通をとる必要がある。その際、導電性
微粒子が電極上部の表面と外部駆動回路側の端子の表面
の双方に接触するためには、導電性微粒子が保護層から
突出した状態となるようにすることが必要である。導電
性微粒子の平均粒子径Lが保護層の電極上厚みTに対し
てT/2より小さい場合(T/2>L)には、導電性微
粒子の粒子径分布にもよるが、導通性を確保するために
必要なTよりも大きい導電性微粒子が極端に減るため、
十分な導通性の確保が困難となる。T/2≦Lを満たす
ことが十分な導通性の確保のためには必要である。好ま
しくは、導電性微粒子の平均粒子径Lを保護層の電極上
厚みTよりも大きくすることである。T≦Lとすること
で、混入する導電性微粒子のおおよそ半数以上が導通に
寄与することができ、より高い導通性を確保できるから
である。とりわけ後述するようなシャープな粒子径分布
を持つ導電性微粒子を用いる場合には、T≦Lとするこ
とが有効に機能する。一方、導電性微粒子の膜中での保
持のためには、導電性微粒子の平均粒子径Lは保護層の
電極上厚みTの10倍以下(L≦10T)とすることが
重要である。
【0022】保護層の導電性微粒子は、導電性を持つ態
様のものであればよく、例えば導電性の高いNi、C
r、Au、Pd、Ag、Cu、Alを主成分とする金属
粉末を用いることが好ましい。また、ガラスやセラミッ
クス(アルミナ、コーディライトなど)などの絶縁体や
金属導体、半導体といった無機微粒子をAuおよびPt
の群から選ばれる金属にて被膜したものを導電性微粒子
として用いることも好ましい。AuやPtは耐酸性、耐
アルカリ性、および腐食防止や酸化防止に優れ、かつ導
電性も高く、これらの群から選ばれる金属にて被膜する
ことにより、極めて高い導電性の確保のみならず、耐酸
性、耐アルカリ性、および腐食防止や酸化防止に優れた
導電性微粒子とすることができるからである。Auおよ
びPtの群から選ばれる金属の被膜は、メッキ法にて達
成できる。導電性微粒子の被膜は0.001μm以上あ
れば実効を得ることができ、0.1μm以下にすること
で、高価なAuおよびPtの群の使用量が減らせ、コス
トを抑えることもできる。特に、前述の金属粉末を被覆
の対象の無機微粒子としたものが、導電性の点からも好
ましい。一方、ガラスやセラミックスは、金属粉末に比
べて、粒子径や粒子形状を含めた成形加工性に優れてい
るので、これらを被覆の対象の無機微粒子とした場合に
は、均一な粒子径や粒子形状により保護層からの均一な
突出形態を得ることができ、良好な接触を得ることがで
きる。
【0023】導電性微粒子の平均粒子径Lは3〜30μ
mであることが好ましく、より好ましくは3〜10μm
である。本発明において、導電性微粒子の平均粒子径
は、PDP用部材に形成された電極上の保護層を走査型
電子顕微鏡で観察し、導電性微粒子の長手方向の径を1
00個分測り、その平均値をもって導電性微粒子の平均
粒子径とすることができる。観察にあたっては、長手方
向の径が確認、測定できるものを100個選び、他の粒
子と重なって確認できない導電性粒子は対象から除い
た。平均粒子径が小さすぎると、凝集による粗大粒子が
発生し、保護層の表面粗さが大きくなりすぎる傾向にあ
る。一方、平均粒子径が大きすぎると、粒子単体でも、
保護層の表面粗さが大きくなりすぎる傾向にある。保護
層の表面粗さが大きくなりすぎると、外部回路との接続
にあたって、相手側の接続端子との接触面積が小さくな
り、抵抗が高くなるため、好ましくない。30μmぐら
いまでの平均粒子径をもつ導電性微粒子であれば、その
粒度分布を制御することにより十分な接触と低抵抗が確
保することができる。
【0024】保護層の表面粗さを適度に抑えるには、導
電性微粒子のD90粒子径を平均粒子径の1.4倍〜
2.0倍とすることが有効であり、好ましい。
【0025】また、外部駆動回路との接続にあたって、
外部駆動回路側の接続端子との接触面積を大きくするに
は、導電性微粒子の保護層における含有率を、多くする
ことが好ましいが、多すぎると隣接する電極パターン間
でショートが生じてしまうため好ましくない。そこで、
導電性微粒子の保護層における含有率を、6重量%〜4
0重量%とすることが有効であり、好ましい。さらに好
ましくは、8重量%〜30重量%である。 また、導電
性微粒子の保護層における含有率を、面積比で5%〜4
0%とすることが有効であり、好ましい。さらに好まし
くは、9〜35%である。ここで、面積比は、保護層表
面を光学顕微鏡等で観察した時の導電性微粒子の占める
割合とする。モデル的に単一粒子径Lの球形導電性微粒
子が含有していると仮定すると、面積比5%は4L×4
Lの大きさの面積中に1個の導電性微粒子が存在してい
ることを意味し、同様に9%は3L×3L中に1個、3
5%は1.5L×1.5L中に1個、40%は1.4L
×1.4L中に1個存在していることとなる。
【0026】保護層を構成する低融点ガラスも、耐酸
性、耐アルカリ性があるものが好ましく、これらを実現
する低融点ガラスとしては、次の組成を含むガラス粉末
を用いることが好ましい。 酸化ビスマス :30〜90重量部 酸化ケイ素 : 5〜20重量部 酸化ホウ素 : 5〜20重量部 酸化アルミニウム : 1〜10重量部 酸化亜鉛 : 1〜10重量部 あるいは 酸化鉛 :30〜90重量部 酸化ケイ素 : 5〜20重量部 酸化ホウ素 : 5〜20重量部 酸化アルミニウム : 1〜10重量部 酸化亜鉛 : 1〜10重量部 である。
【0027】また、導電性微粒子の密度を低融点ガラス
の密度以上とすることにより、焼成工程中の高温での低
融点ガラスの溶融時に導電性微粒子が沈み、電極との接
触が十分確保できるようになるため、好ましい。ここで
いう密度とは、導電性微粒子は粒子単体での密度を指
し、低融点ガラスはガラス溶融時相当の密度を指す。
【0028】本発明の保護層は、低融点ガラスと導電性
微粒子、有機バインダーを主成分とするガラスペースト
を、電極上の少なくとも外部駆動回路との接続端子部分
に塗布した後、焼成することにより得ることができる。
【0029】有機バインダーとしては、エチルセルロー
ス、メチルセルロース等に代表されるセルロース系化合
物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イ
ソブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチル
アクリレート、イソブチルアクリレート等のアクリル系
化合物等を用いることができる。また、ガラスペースト
中に、溶媒、可塑剤等の添加剤を加えても良い。溶媒と
しては、テルピネオール、ブチロラクトン、トルエン、
メチルセルソルブ等の汎用溶媒を用いることができる。
また、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジエチルフ
タレート等を用いることができる。
【0030】ガラスペーストは、導電性微粒子と低融点
ガラス、有機バインダーなどをミキサーや三本ローラー
等で混練することにより作製できる。
【0031】ガラスペーストの塗布は、スクリーン印刷
やコーター等にて達成できる。塗布エリアは少なくとも
電極上の外部駆動回路との接続端子部分に塗布されてい
ることが必要である。接続端子部分は、後述する封着の
際、封着シールの外側、すなわち外気にさらされる領域
となるが、PDPの電極破損や劣化は、高温酸化や腐食
による高抵抗化や断線、電極を構成する導電性物質のマ
イグレーションによる短絡などであり、その発生は主と
して温湿度雰囲気、すなわち外気にさらされる部分で起
こるためである。また、封着シールより内側の放電ガス
が封入される領域であっても電極が直に放電ガスと触れ
る部分では、前述の電極破損や劣化、短絡が起こる可能
性があるので、このような部分も本発明の保護層で覆う
ことが好ましい。塗布パターンは複数の電極をまとめて
覆う形で保護層を形成しても良いし、電極パターンに沿
ったパターンで形成しても良い。特に、複数の電極をま
とめて覆う形での保護層の形成は、電極間も保護層でみ
たすので、電極を構成する導電性物質のマイグレーショ
ンを防止する効果もより期待できる。また、一面の基板
上の電極パターン上全てを一面の保護層で覆う、いわゆ
る全面形成としても良い。全面形成とした場合には、塗
布パターンを単純化できる利点のほか、後述する誘電体
層のもつ諸機能の内、主として電極と蛍光体との接触に
よる電極や蛍光体の劣化防止機能と隔壁を良好に形成す
るための適度な表面粗さを持つ下地層としての機能を代
替できる利点などがある。塗布した後に、400〜60
0℃で焼成することにより保護層を形成できる。
【0032】次に誘電体層が好ましく形成される。電極
および保護層を形成した基板上にガラス粉末と有機バイ
ンダーとを主成分とを混練してなるガラスペーストを塗
布した後に、400〜600℃で焼成することにより誘
電体層を形成することができる。
【0033】誘電体層に用いるガラスペーストには、酸
化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化リンの少なくとも
1種類以上を含有し、これらを合計で10〜80重量%
含有するガラス粉末を用いると良い。10重量%以上と
することで、600℃以下での焼成が容易になり、80
重量%以下とすることで、結晶化を防ぎ透過率の低下を
防止する。
【0034】有機バインダーとしては、エチルセルロー
ス、メチルセルロース等に代表されるセルロース系化合
物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イ
ソブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチル
アクリレート、イソブチルアクリレート等のアクリル系
化合物等を用いることができる。また、ガラスペースト
中に、溶媒、可塑剤等の添加剤を加えても良い。溶媒と
しては、テルピネオール、ブチロラクトン、トルエン、
メチルセルソルブ等の汎用溶媒を用いることができる。
また、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジエチルフ
タレート等を用いることができる。
【0035】ガラス粉末以外にフィラー成分を添加する
ことにより、誘電体層の反射率が高く、輝度の高いPD
Pを得ることができる。フィラーとしては、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムが好ましく、
粒子径0.05〜3μmの酸化チタンを用いることが特
に好ましい。フィラーの含有量はガラス粉末:フィラー
の比で、10:1〜1:1が添加の十分な効果を得る上
で好ましい。
【0036】また、導電性微粒子を含有することにより
駆動時の信頼性の高いPDPを作製することができる。
導電性微粒子は、ニッケル、クロムなどの金属粉末が好
ましく、粒子径は1〜10μmが好ましい。1μm以上
とすることで十分な効果を発揮でき、10μm以下とす
ることで誘電体上の凹凸を抑え隔壁形成を容易なものと
することができる。これらの導電性微粒子が誘電体層に
含まれる含有量としては、0.1〜5重量%が好まし
い。0.1重量%以上とすることで添加の効果を得るこ
とができ、5重量%以下とすることで、隣り合うアドレ
ス電極間でのショートを防ぐことができる。誘電体層の
厚みは3〜30μmとするのが好ましく、より好ましく
は3〜15μmである。誘電体層が薄すぎる場合はピン
ホールが発生する傾向にあり、厚すぎる場合は放電電圧
が高くなり消費電力が大きくなる傾向にある。
【0037】次に、放電セルを仕切るための隔壁を形成
する。隔壁の高さは、80μm〜200μmが適してい
る。80μm以上とすることで蛍光体とスキャン電極が
近づきすぎるのを防ぎ、放電による蛍光体の劣化を抑制
できる。また、200μm以下とすることで、スキャン
電極での放電と蛍光体の距離が離れすぎるのを防ぎ、十
分な輝度を得ることができる。隔壁のピッチ(P)は、
100μm≦P≦500μmのものがよく用いられる。
また、高精細PDPとしては、隔壁のピッチ(P)は、
100μm≦P≦250μmである。100μm以上と
することで放電空間が狭くなるのを防ぎ十分な輝度を得
ることができ、500μm以下とすることで画素が細か
くなりきれいな映像表示ができる。250μm以下とす
ることにより、ハイビジョン(HDTV)レベルの美し
い映像を表示することができる。隔壁の線幅(L)は、
頂部で10μm≦L≦50μmであることが好ましい。
10μm以上とすることで前面板と背面板を封着する際
の破損を防ぐことができる。また、50μm以下とする
ことで蛍光体の形成面積を大きくとることができ輝度が
得られる。
【0038】隔壁は、無機微粒子と有機バインダーから
なるガラスペーストを隔壁の形状にパターン形成した後
に、400〜600℃に焼成して隔壁を形成する方法が
一般的である。
【0039】無機微粒子としては、ガラス、セラミック
(アルミナ、コーディライトなど)などを用いることが
できる。特に、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物、または、
アルミニウム酸化物を必須成分とするガラスやセラミッ
クスが好ましい。
【0040】有機バインダーは、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合
体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−
メタクリル酸エステル共重合体、α−メチルスチレン重
合体、ブチルメタクリレート樹脂、エチルセルロースや
メチルセルロース等のセルロース化合物を用いることが
できる。さらに、可塑剤、増粘剤、有機溶媒、酸化防止
剤、分散剤、有機あるいは無機の沈殿防止剤やレベリン
グ剤などの添加剤を加えることも行われる。
【0041】さらに、その溶液の粘度を調整したい場
合、有機溶媒を加えてもよい。このとき使用される有機
溶媒としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、
ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、
アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソ
ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒ
ドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチルラク
トン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベン
ゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息
香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒
混合物が用いられる。
【0042】また、本発明のPDP用部材の隔壁を後述
の感光性ペースト法により形成する場合には、ガラスペ
ーストに感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポ
リマーのうちの少なくとも1種類から選ばれた感光性成
分を含有し、更に、必要に応じて、光重合開始剤、光吸
収剤、増感剤、増感助剤、重合禁止剤を添加すると良
い。
【0043】ガラスペーストを用いて隔壁パターン加工
する方法としては、スクリーン印刷法、サンドブラスト
法、感光性ペースト法、フォト埋め込み法、型転写法等
の方法によって形成可能である。
【0044】各種の隔壁形成方法の中で、高精細化・工
程の簡便性の点で、感光性ペースト法が優れている。次
に、感光性ペーストを用いた隔壁形成方法を以下に示
す。
【0045】ガラス基板に、感光性ペーストを塗布す
る。塗布方法としては、スクリーン印刷法、バーコータ
ー、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーター
など一般的な方法を用いることができる。塗布厚みは、
塗布回数、スクリーンのメッシュ、ペーストの粘度を選
ぶことによって調整できる。また、ポリエステルフィル
ムなどのフィルム上に感光性ペーストを塗布した感光性
シートを作成して、ラミネーターなどの装置を用いて基
板上に感光性ペーストを転写する方法を用いても良い。
【0046】感光性ペースト塗布した後、露光装置を用
いて露光を行う。露光は、通常のフォトリソグラフィで
行われるように、フォトマスクを用いてマスク露光する
方法が一般的である。用いるマスクは、感光性有機成分
の種類によって、ネガ型もしくはポジ型のどちらかを選
定する。また、フォトマスクを用いずに、レーザ光など
で直接描画する方法を用いても良い。露光に使用される
活性光線は、例えば、可視光線、近紫外線、紫外線、電
子線、X線、レーザ光などが挙げられる。これらの中で
紫外線が最も好ましく、その光源として、例えば、低圧
水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、
殺菌灯などが使用できる。これらのなかでも超高圧水銀
灯が好適である。露光条件は、塗布厚みによって異なる
が、1〜100mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用
いて0.1〜10分間露光を行う。
【0047】露光後、露光部分と非露光部分の現像液に
対する溶解度差を利用して、現像を行うが、その際、浸
漬法やスプレー法、ブラシ法等が用いられる。
【0048】現像液は、感光性ペースト中の溶解させた
い有機成分が溶解可能である溶液を用いる。感光性ペー
スト中にカルボキシル基などの酸性基をもつ化合物が存
在する場合は、アルカリ水溶液で現像できる。アルカリ
水溶液としては、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、
炭酸ナトリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液などが
使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時
にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。有機アル
カリとしては、一般的なアミン化合物を用いることがで
きる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキ
サイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイ
ド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが
挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は、通常、0.01
〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%であ
る。アルカリ濃度が低過ぎると可溶部が除去され難くな
る傾向にあり、アルカリ濃度が高過ぎると、パターン部
を剥離させ、また、非可溶部を腐食する傾向にある。ま
た、現像時の現像温度は、20〜50℃で行うことが工
程管理上好ましい。
【0049】次に、焼成炉にて焼成を行う。焼成雰囲気
や温度は、ペーストや基板の種類によって異なるが、空
気中、窒素、水素などの雰囲気中で焼成する。焼成炉と
しては、バッチ式の焼成炉やローラーハース式の連続型
焼成炉を用いることができる。焼成温度は、400〜8
00℃で行う。基板がガラスである場合は、450〜6
20℃の温度で10〜60分間保持して焼成を行う。
【0050】隔壁を形成した後に、RGBの各色に発光
する蛍光体層を形成する。蛍光体粉末、有機バインダー
および有機溶媒を主成分とする蛍光体ペーストを所定の
隔壁間に塗布することにより、蛍光体層を形成すること
ができる。その方法としては、スクリーン印刷版を用い
てパターン印刷するスクリーン印刷法、吐出ノズルの先
端から蛍光体ペーストをパターン吐出するディスペンサ
ー法、また、感光性を有する有機成分を有機バインダー
とする感光性蛍光体ペーストを用いる感光性ペースト法
等を採用することができる。
【0051】各色の蛍光体層の厚みは、10〜50μm
であることが好ましい。10μm以上とすることで十分
な輝度を得ることができる。また、厚みを50μm以下
とすることで放電空間を確保し、蛍光体を有効に発光で
きる。この場合の蛍光体層の厚みは、隣り合う隔壁の中
間点での形成厚み、つまり、放電空間(セル内)の底部
に形成された蛍光体の厚みとして測定する。
【0052】蛍光体層を形成した基板を必要に応じて、
400〜550℃で焼成する事により、背面板を作製す
ることができる。
【0053】一方、前面板は、ガラス基板上に所定のパ
ターンで透明電極、バス電極、誘電体、保護層(Mg
O)を形成して作製する。背面板上に形成されたRGB
各色蛍光体層に一致する部分にカラーフィルター層を形
成しても良い。また、コントラストを向上するために、
ブラックストライプを形成しても良い。
【0054】背面板と同様、前面板の透明電極、バス電
極を形成した後に、電極上の少なくとも外部駆動回路と
の接続端子部分に保護層を形成することも本発明の実施
の態様である。保護層中の導電性微粒子は光を通さない
ことから、前面板においては、保護層の形成領域を表示
エリア外に限定することが好ましい。
【0055】上記の背面板と前面板とを封着後、両部材
の基板間隔に形成された空間に、ヘリウム、ネオン、キ
セノンなどから構成される放電ガスを封入後、外部駆動
回路を装着して本発明のPDPを作製できる。このと
き、PDPには放電ガスが封入された領域と外部駆動回
路との接続端子部分を含む周縁領域とができ、その2つ
の領域は封着シールによって分け隔てられる。封着シー
ルより外側の周縁部分は外気にさらされるため、この部
分に存在する電極を本発明の保護層で覆うことが好まし
い。
【0056】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて、具体的に
説明する。ただし、本発明はこれに限定はされない。な
お、実施例、比較例中の濃度(%)は重量%である。
【0057】(測定方法) (1)ペースト原料の平均粒子径の測定 レーザ式粒度分布測定装置(マイクロトラック 932
0−X100を使用し、測定サンプルは導電性微粒子約
0.5gを純水約100mlに添加したもの、分散条件
は380μA 5分間)にて測定を行った。
【0058】(2)保護層中の平均粒子径の測定 PDP用部材に形成された電極上の保護層を走査型電子
顕微鏡((株)日立製作所製S−2400形)で観察
し、導電性微粒子の長手方向の径を100個分測り、そ
の平均値をもって導電性微粒子の平均粒子径とした。観
察にあたっては、導電性微粒子の長手方向の径が確認、
測定できるものを100個選び、他の粒子と重なって確
認できない導電性微粒子は対象から除いた。
【0059】(3)保護層表面の凹凸測定 保護層表面に露出している導電性微粒子の低融点ガラス
部からの突出高さを20個の導電性微粒子に対して測定
し、その最大値を凹凸の指標とした。測定装置:触針式
粗さ計((株)小坂研究所製表面粗さ測定器SE−33
00)。
【0060】(4)突出導電性微粒子の導通試験 まず、外部駆動回路との接続部分のある1本の電極上の
保護層表面から突出している導電性微粒子に対して、抵
抗測定器(テスター)の一方の端子を該導電性微粒子の
突出部に接触させ、もう一方の端子を該電極の延長上で
該導電性微粒子から200mm離れた点に接触させて、
抵抗値を測定した。なお、保護層がない場合の抵抗値は
30Ωである。これを20個分の導電性微粒子に対して
行い、測定した抵抗値が100Ω以下であった導電性微
粒子数を数えた。結果判定は、0個の場合を×とし、1
〜3個の場合を△、4個以上の場合を○とした。
【0061】(5)導電性微粒子の含有率(面積比) 200倍の光学顕微鏡を用いて、50μm四方に存在す
る導電性微粒子の数を数えた。これを5回行い、その平
均個数を求め、平均粒子径より面積比を算出した。
【0062】(6)導通試験 まず、外部駆動回路との接続部分のある1本の電極上の
保護層表面にアルミ板を接触させた。抵抗測定器(テス
ター)の一方の端子をこのアルミ板に接触させ、もう一
方の端子を該電極の延長上でアルミ板との接触面から2
00mm離れた点に接触させて、抵抗値を測定した。ま
た、電極上でのアルミ板の接触面は幅50μm、長さ2
mmである。なお、保護層がない場合の抵抗値は30Ω
である。1回の試験につき50本分の電極について測定
を行った。結果判定は、50本中に1本でも50Ωを越
えた場合を×とし、1本でも40〜50Ωがあった場合
を△、50本全てが40Ω未満だった場合を○とした。
【0063】(7)耐酸性、耐アルカリ性試験 被試験部分を次にあげる5種類の溶液中に5分間浸し、
その後、水洗、80℃乾燥を行い、接続部分の電極の状
態を観察した。 5種類の溶液: 溶液A:3.6%塩酸、 溶液B:6%硝酸、 溶液C:9.7%硫酸、 溶液D:0.3%炭酸ナトリウム水溶液、 溶液E:0.5重量%のエタノールアミン水溶液 観察結果について ○:問題なし ×:電極ハガ
レ、断線の発生あり。
【0064】(8)絶縁試験 まず、外部駆動回路との接続部分の隣り合う電極上の保
護層表面にそれぞれ別のアルミ板を接触させた。抵抗測
定器(テスター)の一方の端子を一方のアルミ板に接触
させ、もう一方の端子を他方のアルミ板に接触させて、
絶縁を調べた。また、電極上でのアルミ板の接触面は幅
50μm、長さ2mmである。1回の試験につき、異な
る50の電極間で調べた。結果判定は、電極間ショート
が1つでもあった場合を×とし、電極間ショートが0の
場合を○とした。
【0065】(9)PDP駆動試験 外部駆動回路をACFを介して接続を行い、全面発光を
行った。このときの電極断線や高抵抗による点灯不良、
電極間ショートによる駆動不良を調べた。この点灯不良
と駆動不良を総じてPDP不良と呼ぶこととする。結果
判定は、10枚分のPDP駆動試験に対して、3枚以上
にPDP不良が発生した場合を×とし、1〜2枚にPD
P不良が発生した場合を△、PDP不良が0枚の場合を
○とした。
【0066】(10)マイグレーション試験 JIS Z3197規格に準拠した。電極パターンはB
型くし形電極を用い、85℃80%RH下、印加電圧2
5Vにて試験を行った。30日後(720時間後)の電
極周縁部に成長するマイグレーションを観察した。
【0067】(実施例1)まず、前面板を作製した。旭
硝子社製ガラス基板PD200上に、ITOを用いて、
ピッチ375μm、線幅150μmのスキャン電極を形
成した。また、その基板上に感光性銀ペーストを塗布し
た後に、フォトマスクを介したマスク露光、0.3%炭
酸ナトリウム水溶液を用いた現像、580℃15分間の
焼成工程を経て、線幅50μm、厚み3μmのバス電極
を形成した。
【0068】次に、平均粒子径4μmのニッケル粉末に
厚み0.003μmの金をメッキ法にて被膜した金コー
トニッケル粉末(密度9g/cm3)を準備し、この粉
末と酸化物表記で下記組成を有する低融点ガラスの粉末
(密度5g/cm3)との重量比が9:91となるよう
に混合し、塗布時の電極上厚みが4μmとなるように有
機バインダーであるエチルセルロースとテルピネオール
を適量加えて混練して得られたガラスペースト(このと
きのペースト組成は導電性微粒子が5%、低融点ガラス
の粉末が48%、エチルセルロースが2%、テルピネオ
ールが35%であった)をスクリーン印刷により、外部
駆動回路との接続部分を含んだ表示エリア部分外の電極
上に塗布した後に、570℃15分間の焼成を行って保
護層を形成した。焼成後の電極上厚みは、2μmであっ
た。 (低融点ガラスの組成) 酸化ビスマス :70% 酸化ホウ素 :12% 酸化ケイ素 :12% 酸化アルミニウム: 3% 酸化亜鉛 : 3%。
【0069】次に、酸化鉛を75重量%含有する低融点
ガラスの粉末を70%、エチルセルロース20%、テル
ピネオール10%を混練して得られたガラスペーストを
スクリーン印刷により、表示エリア部分のバス電極が覆
われるように20μmの厚みで塗布した後に、570℃
15分間の焼成を行って前面誘電体を形成した。誘電体
を形成した基板上に電子ビーム蒸着により厚み0.5μ
mの酸化マグネシウム層を形成して前面板を作製した。
【0070】次に、背面板を作製した。PD200上に
感光性銀ペースト用いてアドレス電極を作製した。感光
性銀ペーストを塗布、乾燥、露光、現像、焼成工程を経
て、線幅50μm、厚み3μm、ピッチ250μmのア
ドレス電極を形成した。外部駆動回路との接続部分はア
ドレス電極の延出により形成されており、表示エリア部
分の外側にリード部分が15mm長、その先に外部駆動
回路との接続部分として5mm長を電極パターンとして
同時形成した。
【0071】次に、前面板で用いたのと同じ保護層用ガ
ラスペーストをスクリーン印刷により、外部駆動回路と
の接続端子部分とリード部分の接続端子側10mm部分
の電極が覆われるように4μmの厚みで塗布した後に、
570℃15分間の焼成を行って保護層を形成した。焼
成後の電極上厚みは、2μmであった。ここで、保護層
中の導電性微粒子の平均粒子径を測定したところ、4μ
mであった。
【0072】次に、保護層表面の凹凸測定、突出導電性
微粒子の導通試験、導電性微粒子の含有率(面積比)測
定、導通試験をそれぞれ行った。結果を表1、2に記
す。保護層表面の凹凸測定の結果は、4μm以下の高さ
ばらつきであり、良好な面接触ができることが分かっ
た。
【0073】続いて、酸化ビスマスを75重量%含有す
る低融点ガラスの粉末を60%、平均粒子径0.3μm
の酸化チタン粉末を10%、エチルセルロース15%、
テルピネオール15%を混練して得られたガラスペース
トをスクリーン印刷により、表示エリア部分とリード部
分の表示エリア側5mm部分のアドレス電極が覆われる
ように20μmの厚みで塗布した後に、570℃15分
間の焼成を行って背面誘電体層を形成した。
【0074】誘電体層上に、感光性ペースト法により隔
壁を形成した。感光性ペーストを塗布した後に、開口部
線幅30μmのフォトマスクを用いて露光し、次に0.
5重量%のエタノールアミン水溶液中で現像し、さら
に、560℃で15分間焼成することにより、ピッチ2
50μm、線幅30μm、高さ130μmの隔壁を形成
した。
【0075】次に、隣り合う隔壁間に蛍光体を塗布し
た。蛍光体の塗布は、256カ所の穴(口径:130μ
m)が形成されたノズル先端から蛍光体ペーストを吐出
するディスペンサー法により形成した。蛍光体は隔壁側
面に焼成後厚み25μm、誘電体上に焼成後厚み25μ
mになるように塗布した後に、500℃で10分間の焼
成を行い、背面板を完成した。
【0076】前面板と背面板を封着ガラスを用いて封着
して、Xe5%含有のNeガスを内部ガス圧66500
Paになるように封入した。封着シールは、表示エリア
の外側に配し、封着シールより外側に位置する電極は外
部駆動回路との接続部分となっている。
【0077】ここで、前面板と背面板の、封着シールよ
り外側に出ている電極(すなわち外部駆動回路との接続
部分)について、耐酸性、耐アルカリ性試験を行った。
結果を表2に記す。これより、耐酸性、耐アルカリ性に
良好であることが分かった。この結果から、酸化や腐食
にも耐性ができたと考えられる。
【0078】次に、絶縁試験を行った。その結果を表2
に記す。これより、電極間の絶縁は保たれていることが
分かった。このようにして10枚のPDPを作製した後
に、PDP駆動試験を行った。結果を表2に記す。良好
な駆動特性であった。またそのときの輝度を測定したと
ころ、250cd/m2と、良好な表示特性であった。
【0079】(比較例1)実施例1と同様に基板上に電
極を形成した後に、保護層を形成しないで、PDPを作
製した後に、耐酸性、耐アルカリ性試験を行った。表2
に記すように、酸に対して耐性がなかった。その後のP
DP駆動試験においては、電極ハガレによるPDP不良
が全てに発生した。
【0080】(比較例2)導電性微粒子として平均粒子
径4μmの球状ガラス粉末に厚み0.003μmの金を
メッキ法にて被膜した金コートガラス粉末(密度4g/
cm3)を用いたことと、この導電性微粒子と低融点ガ
ラスの粉末との重量比を3:97となるように混合した
ことと、スクリーン版のメッシュと、溶媒であるテルピ
ネオールの添加量を調節して、保護層の塗布時の電極上
厚みが24μmとなるようにしたこと以外は実施例1を
繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上
厚みは12μmであった。保護層中の導電性微粒子の平
均粒子径の測定結果は、4μmであった。その他の各試
験の結果を表1、2に記す。電極と導通がとれる突出導
電性微粒子はなく、導通試験において50Ω以下の抵抗
値の電極は1本もなかった。
【0081】(実施例2)スクリーン版のメッシュと、
溶媒であるテルピネオールの添加量を調節して、保護層
の塗布時の電極上厚みが14μmとなるようにしたこと
以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。保護層
の焼成後の電極上厚みは7μmであった。保護層中の導
電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、4μmであっ
た。その他の各試験の結果を表1、2に記す。耐酸性、
耐アルカリ性は良好であった。その他の各試験の結果を
表1、2に記す。電極と導通がとれる突出導電性微粒子
は少なかったが、単位面積当たりの導電性微粒子数が多
く、導通試験では総じて40〜50Ωの抵抗値となっ
た。また、高抵抗電極の存在によるPDP不良が1枚に
だけ発生した。
【0082】(実施例3)導電性微粒子として平均粒子
径9μmのニッケル粉末に厚み0.003μmの金をメ
ッキ法にて被膜した金コートニッケル粉末を用いたこと
以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。保護層
の焼成後の電極上厚みは2μmであった。保護層中の導
電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、9μmであっ
た。その他の各試験の結果を表1、2に記す。耐酸性、
耐アルカリ性は良好であった。また、全体的に抵抗値が
微増(1〜2割程度)していたが、PDP不良の発生は
なかった。
【0083】(実施例4)導電性微粒子として平均粒子
径13μmのニッケル粉末に厚み0.003μmの金を
メッキ法にて被膜した金コートニッケル粉末を用いたこ
と以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。保護
層の焼成後の電極上厚みは2μmであった。保護層中の
導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、11μmであ
った。その他の各試験の結果を表1、2に記す。18μ
mまでのやや大きな凹凸であり、導通試験では総じて4
0〜50Ωの抵抗値となった。また、高抵抗電極の存在
によるPDP不良が1枚にだけ発生した。
【0084】(実施例5、6、7)導電性微粒子と低融
点ガラスの粉末との重量比を実施例5では5:95、実
施例6では17:83、実施例7では50:50となる
ように混合したこと以外は実施例1を繰り返してPDP
をそれぞれ作製した。保護層の焼成後の電極上厚みはど
れも2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒
子径の測定結果は、どれも4μmであった。その他の各
試験の結果を表1、2に記す。ここで、導電性微粒子の
含有量がやや少ない実施例5は、導通試験では総じて4
0〜50Ωの抵抗値となった。また、高抵抗電極の存在
によるPDP不良が1枚にだけ発生した。また、導電性
微粒子の含有量がやや多い実施例7は、絶縁試験では電
極間ショートは見られなかったものの、電極間ショート
によるPDP不良が2枚にだけ発生していた。
【0085】(実施例8)導電性微粒子として平均粒子
径4μmのニッケル粉末を用いたこと以外は実施例1を
繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上
厚みは2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均
粒子径の測定結果は、4μmであった。その他の各試験
の結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好
であった。また、全体的に抵抗値が微増(1〜2割程
度)していたが、PDP不良の発生はなかった。
【0086】(実施例9)導電性微粒子として平均粒子
径4μmのクロム粉末を用いたこと以外は実施例1を繰
り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上厚
みは2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒
子径の測定結果は、4μmであった。その他の各試験の
結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好で
あった。また、全体的に抵抗値が微増(1〜2割程度)
していたが、PDP不良の発生はなかった。
【0087】(実施例10)導電性微粒子として平均粒
子径4μmの銀粉末を用いたこと以外は実施例1を繰り
返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上厚み
は2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子
径の測定結果は、4μmであった。その他の各試験の結
果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好であ
った。また、全体的に抵抗値が微増(1〜2割程度)し
ていたが、PDP不良の発生はなかった。
【0088】(実施例11)導電性微粒子として平均粒
子径4μmのニッケル粉末に厚み0.003μmの白金
をメッキ法にて被膜した白金コートニッケル粉末を用い
たこと以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。
保護層の焼成後の電極上厚みは2μmであった。保護層
中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、4μmで
あった。その他の各試験の結果を表1、2に記す。耐酸
性、耐アルカリ性は良好であった。また、PDP不良の
発生はなかった。
【0089】(実施例12)導電性微粒子として平均粒
子径4μmの球状ガラス粉末に厚み0.003μmの金
をメッキ法にて被膜した金コートガラス粉末を用いたこ
ととこの導電性微粒子と低融点ガラスの粉末との重量比
を6:94となるように混合したこと以外は実施例1を
繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上
厚みは2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均
粒子径の測定結果は、4μmであった。その他の各試験
の結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好
であった。また、全体的に抵抗値が微増(1〜2割程
度)していたが、PDP不良の発生はなかった。
【0090】(実施例13)導電性微粒子として平均粒
子径4μmの球状アルミナ粉末に厚み0.003μmの
金をメッキ法にて被膜した金コートアルミナ粉末を用い
たこととこの導電性微粒子と低融点ガラスの粉末との重
量比を6:94となるように混合したこと以外は実施例
1を繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電
極上厚みは2μmであった。保護層中の導電性微粒子の
平均粒子径の測定結果は、4μmであった。その他の各
試験の結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は
良好であった。また、全体的に抵抗値が微増(1〜2割
程度)していたが、PDP不良の発生はなかった。
【0091】(実施例14)導電性微粒子として平均粒
子径25μm、D90粒子径35μmの球状シリカ粉末
に厚み0.003μmの金をメッキ法にて被膜した金コ
ートシリカ粉末を用いたこととこの導電性微粒子と低融
点ガラスの粉末との重量比を6:94となるように混合
したことと スクリーン版のメッシュと、溶媒であるテ
ルピネオールの添加量を調節して、保護層の塗布時の電
極上厚みが8μmとなるようにしたこと以外以外は実施
例1を繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の
電極上厚みは4μmであった。保護層中の導電性微粒子
の平均粒子径の測定結果は、25μmであった。その他
の各試験の結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ
性は良好であった。また、全体的に抵抗値が微増(1〜
2割程度)していたが、PDP不良の発生はなかった。
【0092】(実施例15)導電性微粒子として平均粒
子径4μmの球状ガラス粉末に厚み0.003μmの金
をメッキ法にて被膜した金コートガラス粉末(密度4g
/cm3)を用いたこととこの導電性微粒子と低融点ガ
ラスの粉末との重量比を6:94となるように混合した
こと以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。保
護層の焼成後の電極上厚みは2μmであった。保護層中
の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、4μmであ
った。その他の各試験の結果を表1、2に記す。耐酸
性、耐アルカリ性は良好であった。また、電極と導通が
とれる導電性微粒子は少なく、全体的に導通試験の抵抗
値は40Ω前後であったが、PDP不良の発生はなかっ
た。
【0093】(実施例16)低融点ガラスの組成の内、
酸化ビスマスを酸化鉛に変更した以外は実施例1を繰り
返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上厚み
は2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子
径の測定結果は、4μmであった。その他の各試験の結
果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好であ
った。また、PDP不良の発生はなかった。
【0094】(実施例17)背面板側の保護層形成のた
めのスクリーン印刷による塗布エリアをアドレス電極上
全面(表示エリア部分、リード部分、外部駆動回路との
接続部分)としたこと以外は実施例1を繰り返してPD
Pを作製した。保護層の焼成後の電極上厚みは2μmで
あった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結
果は、4μmであった。その他の各試験の結果を表1、
2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好であった。ま
た、PDP不良の発生はなかった。
【0095】(実施例18)背面板側に誘電体層を形成
しなかったこと以外は実施例17を繰り返してPDPを
作製した。保護層の焼成後の電極上厚みは2μmであっ
た。保護層中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果
は、4μmであった。その他の各試験の結果を表1、2
に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好であった。また、
PDP不良の発生はなかった。
【0096】(実施例19)実施例1の背面板の作製に
おいて、アドレス電極パターン形成後に保護層を形成せ
ず誘電体層を形成し、その後に保護層形成のためのスク
リーン印刷による塗布エリアをアドレス電極パターン全
エリア上(表示エリア部分、リード部分、外部回路との
接続部分)として、保護層を形成し、その後隔壁形成、
蛍光体形成を行って背面板を得たこと以外は実施例1を
繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上
厚みは2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均
粒子径の測定結果は、4μmであった。その他の各試験
の結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好
であった。また、PDP不良の発生はなかった。
【0097】(実施例20)マイグレーション試験を行
うため、以下の試験サンプルを作製した。旭硝子社製ガ
ラス基板PD200上に感光性銀ペースト用いて試験用
電極パターンを作製した。電極パターンは感光性銀ペー
ストを塗布、乾燥、露光、現像、焼成工程を経て形成し
た。この上に実施例1で用いたのと同じ保護層用ガラス
ペーストをスクリーン印刷により、電極パターン全面が
覆われるように4μmの厚みで塗布した後に、570℃
15分間の焼成を行って保護層を形成した。焼成後の電
極上厚みは、2μmであった。この試験サンプルを用い
てマイグレーション試験を行った結果、30日後でもマ
イグレーションは観察されなかった。
【0098】(比較例5)電極パターン上に保護層を形
成しなかった以外は実施例20を繰り返してマイグレー
ション試験用サンプルを作製した。この試験サンプルを
用いてマイグレーション試験を行った結果、30日後の
観察において、マイグレーションの存在が確認された。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【発明の効果】本発明により、外部駆動回路との接続部
分の耐酸性と耐アルカリ性の強化と電極を構成する導電
性物質のマイグレーションの防止をし、かつ、接続部分
の導通を確保したPDP用部材およびPDPが提供でき
る。
【0102】これにより、電極破損や劣化、短絡を抑え
ることができるため、寿命に優れたPDP用部材および
PDPを得ることができる。
【0103】また、この保護層の製造には、安価な厚膜
形成技術を用いることができ、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保護層の断面図である。
【符号の説明】
1 保護層 2 導電性微粒子 3 低融点ガラス 4 電極 5 基板 T 保護層の電極上厚み

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に電極を形成してなるプラズマディ
    スプレイパネル用部材であって、電極上の少なくとも外
    部駆動回路との接続端子部分に、導電性微粒子と低融点
    ガラスとを含有してなる保護層を有しており、かつ、電
    極と接しつつ、保護層から突出した状態となっている導
    電性微粒子が存在していることを特徴とするプラズマデ
    ィスプレイパネル用部材。
  2. 【請求項2】基板上に電極を形成してなるプラズマディ
    スプレイパネル用部材であって、電極上の少なくとも外
    部駆動回路との接続端子部分に、導電性微粒子と低融点
    ガラスとを含有してなる保護層を有しており、かつ、該
    保護層の電極上厚みTが0.5〜10μmであり、か
    つ、導電性微粒子の平均粒子径LがTに対して、T/2
    ≦L≦10Tを満たす範囲にあることを特徴とするプラ
    ズマディスプレイパネル用部材。
  3. 【請求項3】導電性微粒子の平均粒子径が3〜30μm
    であることを特徴とする請求項1または2記載のプラズ
    マディスプレイパネル用部材。
  4. 【請求項4】導電性微粒子の保護層における含有率が、
    6重量%〜40重量%であることを特徴とする請求項1
    または2記載のプラズマディスプレイパネル用部材。
  5. 【請求項5】導電性微粒子の保護層における含有率が、
    面積比で5%〜40%であることを特徴とする請求項1
    または2記載のプラズマディスプレイパネル用部材。
  6. 【請求項6】導電性微粒子が、Ni、Cr、Au、P
    d、Ag、Cu、Alを主成分とする金属粉末であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のプラズマディス
    プレイパネル用部材。
  7. 【請求項7】導電性微粒子が無機微粒子にAuおよびP
    tの群から選ばれる金属を被膜してなることを特徴とす
    る請求項1または2記載のプラズマディスプレイパネル
    用部材。
  8. 【請求項8】無機微粒子が、Ni、Cr、Au、Pd、
    Ag、Cu、Alを主成分とする金属粉末であることを
    特徴とする請求項7記載のプラズマディスプレイパネル
    用部材。
  9. 【請求項9】低融点ガラスが次の範囲内からなる酸化物
    を含有してなることを特徴とする請求項1または2記載
    のプラズマディスプレイパネル用部材。 酸化ビスマス :30〜90重量部 酸化ケイ素 : 5〜20重量部 酸化ホウ素 : 5〜20重量部 酸化アルミニウム : 1〜10重量部 酸化亜鉛 : 1〜10重量部
  10. 【請求項10】低融点ガラスが次の範囲内からなる酸化
    物を含有してなることを特徴とする請求項1または2記
    載のプラズマディスプレイパネル用部材。 酸化鉛 :30〜90重量部 酸化ケイ素 : 5〜20重量部 酸化ホウ素 : 5〜20重量部 酸化アルミニウム : 1〜10重量部 酸化亜鉛 : 1〜10重量部
  11. 【請求項11】導電性微粒子の密度が低融点ガラスの密
    度以上であることを特徴とする請求項1または2記載の
    プラズマディスプレイパネル用部材。
  12. 【請求項12】低融点ガラスと導電性微粒子、有機バイ
    ンダーを主成分とするガラスペーストを、電極上の少な
    くとも外部駆動回路との接続端子部分に塗布した後、焼
    成して保護層を形成する工程を経ることを特徴とするプ
    ラズマディスプレイパネル用部材の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項1〜11のいずれか記載のプラズ
    マディスプレイパネル用部材を用いたことを特徴とする
    プラズマディスプレイパネル。
  14. 【請求項14】封着シールより外側の背面板上の電極
    が、保護層で覆われるように構成されていることを特徴
    とする請求項13記載のプラズマディスプレイパネル。
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