JP4016484B2 - プラズマディスプレイの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレイは液晶ディスプレイに比べて高速の表示が可能であり、かつ大型化が容易であることから、OA機器および広報表示装置などの分野に浸透している。また、高品位テレビジョンの分野などでの進展が非常に期待されている。
【0003】
このような用途の拡大に伴って、精細で多数の表示セルを有するカラープラズマディスプレイが注目されている。プラズマディスプレイは、前面ガラス基板と背面ガラス基板との間に設けられた放電空間内で電極間にプラズマ放電を生じさせ、該放電空間内に封入されているガスから発生した紫外線を、放電空間内の蛍光体にあてることにより表示を行うものである。この場合、放電の広がりを一定領域に抑え、表示を規定のセル内で行わせると同時に、均一な放電空間を確保するために隔壁(障壁、リブともいう)が設けられている。
【0004】
上記のようにプラズマディスプレイは、前面ガラス基板と背面ガラス基板とを張り合わせて構成され、前面ガラス基板には、ガラス基板の内側にITOや酸化錫からなる透明電極(表示電極)が形成されている。透明電極は帯状に複数本形成され、隣り合う透明電極間に通常10kHz〜数10kHzのパルス状交流電圧を印加し表示用の放電を得るが、透明電極のシート抵抗は数10Ω/cm2と高いため、印加電圧パルスが十分に立ち上がらず、駆動が困難になる。そこで通常は、透明電極上に金属製のバス電極を形成して抵抗値を下げる。
【0005】
これら電極は低融点ガラスからなる透明誘電体層によって被覆され、さらに、その上に保護層として酸化マグネシウム層が電子ビーム蒸着法により形成されている。前面ガラス基板に形成される誘電体層は、放電のための電荷を蓄積するためのコンデンサーとしての役割を有している。
【0006】
一方、背面ガラス基板には、表示データを書き込むデータ電極(アドレス電極)が銀ペーストを用いて形成されており、その上に誘電体層を設置して該データ電極を被覆し、隔壁がその上に形成されるという構成になっている。また隔壁の側面および隔壁で囲まれた底面には赤、緑、青に発光する蛍光体を塗布・乾燥、焼成して蛍光体層が形成される。
【0007】
背面ガラス基板において、電極の上に誘電体層を形成する構成をとることにより、上部に形成される隔壁の剥がれや倒れが生じ難くなることが知られている。特に、隔壁を感光性ペースト法で形成した場合には、隔壁上部と下部の重合硬化の差に起因する隔壁剥がれが生じ易いため、隔壁層形成のアンダーガラス層として、誘電体層を形成することは歩留まり向上に有効である。しかし、誘電体層の形成条件が適切でないと、誘電体層がガラス基板から剥離したり、電極の厚みに起因する凹凸で亀裂が発生するなどの問題が発生するので、誘電体層の塗布厚みや焼成条件などを規定して形成することが重要である。
【0008】
プラズマディスプレイは、上記の背面ガラス基板と帯状に複数本形成された透明電極を有する前面ガラス基板とをマトリックス駆動が可能になるように封着した後、He−Xe,Ne−Xeなどの混合ガスを封入し、駆動回路を実装して作製される。隣り合う透明電極の間にパルス状の交流電圧を印加するとガス放電が生じ、プラズマが形成される。ここで生じた紫外線が蛍光体を励起して可視光を発光し前面ガラス基板を通して表示発光する。
【0009】
このようにしてプラズマディスプレイが作製されるが、背面ガラス基板の製造において、隔壁を焼成したときに隔壁剥がれや誘電体層の亀裂などが発生しやすく、歩留まりが低下するという課題があった。特に、ガラス基板の全面に形成される誘電体層、および高精細プラズマディスプレイを得るために形成されるピッチの小さい隔壁は、基板が大型化するにつれ上記問題が発生しやすく、その対策が必要である。
【0010】
そこで、特開昭61−22024号公報では、銀電極上に低融点ガラスの誘電体で被覆したガス放電パネルが提案されている。また、特開昭62−64020号公報では、低融点ガラスよりも高融点な絶縁材料を7〜15重量%含有した誘電体層が提案されている。特開平4−36923号公報では、導電体上に設けた誘電体をフォトリソグラフィ法により部分的に除去する技術が提案されている。
【0011】
さらに特開平3−152830号公報では、誘電体ガラス組成として、PbO−B23−SiO2、PbO−B23、ZnO−B23−SiO2系ガラスを用いた感光性ガラスペーストの誘電体が提案されている。また特開平7−335134号公報では、元素周期律表のIIa族およびIII a族から選ばれる酸化物からなる誘電体組成物が、さらに特開平6−267429号公報では、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Thおよびランタニド元素から選ばれる少なくとも一種を含む酸化物結晶の誘電体組成物が提案されている。
【0012】
しかしながら、上記いずれの技術においても、電極層上に誘電体層を設け、さらにその上に隔壁を形成したとき、誘電体層の亀裂発生や隔壁の剥がれ、断線、蛇行発生を解消するには十分でなかった。
【0013】
また、誘電体中のアルカリ金属イオンなどの影響、具体的には電極に用いた銀、基板中に含まれる錫などの金属イオンとのイオン交換反応による誘電体の変色が生じると、ディスプレイの表示品位を低下させるという問題があった。
【0014】
さらに、上記した欠点に加え、上部に塗布しパターン露光して用いられる隔壁形成用感光性ペーストとの親和性、形状の良好な隔壁パターンの形成性、誘電体ペーストと隔壁パターンの焼成工程における両者の形状保持性と両者の密着性など後工程に与える影響などについても問題があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、隔壁剥がれや誘電体の亀裂等の欠点が生じず、高い歩留まりで、高アスペクト比かつ高精細の隔壁を形成したプラズマディスプレイ用基板を製造することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板上に電極を形成し、該電極を形成した基板上に無機成分と有機成分からなる誘電体ペーストを塗布・乾燥し、該誘電体ペースト中に含まれる無機成分の焼結下限温度より5〜50℃低い温度で熱処理して誘電体前駆体層を形成し、該誘電体前駆体層上に隔壁パターンを形成し、該誘電体前駆体層と該隔壁パターンを同時に焼成することによって誘電体層と隔壁を形成する工程を含むプラズマディスプレイの製造方法であって、誘電体前駆体層の中心線平均粗さRaが0.3〜2μmであることを特徴とするプラズマディスプレイの製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、プラズマディスプレイを構成する基板の電極上に誘電体層および隔壁を形成する際、隔壁パターンを特定の表面粗さを有する誘電体前駆体層上に形成し、隔壁パターンと誘電体前駆体層を同時に焼成するものである。
【0018】
本発明において、誘電体ペーストを塗布した膜を、含有される有機成分の熱分解除去は行われるが無機成分の溶融が完全に終了していない状態まで熱処理したものを「誘電体前駆体層」と呼称し、完全な溶融状態にまで処理したものを「誘電体層」と呼称する。
【0019】
プラズマディスプレイに用いられる基板としては、ソーダガラスや耐熱ガラスなどが挙げられる。
【0020】
基板上に形成される電極は、電極材料として、銀を80重量%以上、さらには95重量%含むものを用いて形成されたものであることが抵抗値、ガラス基板との密着性の点から好ましい。また、電極材料中に1〜5重量%のガラスフリットを含有させることにより、基板との密着性に優れた電極層を得ることができる。
【0021】
電極の形成方法は特に限定されるものではなく、公知の技術、例えば通常の導電性ペーストを所望のパターンを有するスクリーン版を用いて印刷するいわゆるスクリーン印刷法、通常の感光性導電性ペーストを用い、該感光性導電性ペーストを基板上に塗布後、所望のパターンを有するフォトマスクを介してパターン露光し、現像するいわゆるフォトリソグラフィー法などを適用することができる。
【0022】
電極の厚みは、電極形成の手法によるが0.1〜10μmであることが好ましい。電極の厚みがこの範囲にあると電極としての特性を保持し、その上に形成される誘電体層を含めた厚みを過剰にすることなく、電極に沿っての誘電体層の亀裂の発生を防止する点で好ましい。
【0023】
次に、電極を形成した基板上に誘電体前駆体層を形成する。誘電体前駆体層は、例えば、無機粉末と有機成分からなる誘電体ペーストを所定の厚さに塗布・乾燥し、熱処理することにより形成される。
【0024】
誘電体層は、電極を被覆しそれを保護し、放電電圧の安定性を向上すると共に、電極による表面凹凸をなくす効果があり、さらに上部に形成される隔壁の形成歩留まりを向上することができる。特に、隔壁を感光性ペースト法で形成する場合には、隔壁をガラス表面上に直接形成するよりも、隔壁の密着性が改善され、断線や歪みが減少するので歩留まり向上に有効である。また、誘電体層を白色化するならば、蛍光体層から発光される表示光をよく反射し、輝度を向上できるという利点を得ることもできる。
【0025】
本発明において誘電体前駆体層は、その表面の中心線平均粗さRaが0.3〜2μmであることが必要である。
【0026】
中心線平均粗さRaは、対象表面の粗さを表す1つの指標であり、その定義はJIS B0601に準拠するもので、粗さ曲線を基にして得られる物性である。粗さ曲線は、対象面に直角な平面で対象面を切断した時にその切り口に現れる輪郭から、表面のうねり成分を除去した曲線のことである。また、中心線はこの粗さ曲線の平均線に平行に直線を引いた時に、この直線と粗さ曲線で囲まれた面積がこの直線の両側で等しくなる直線のことである。中心線平均粗さRaは粗さ曲線と中心線とで囲まれた面積を測定長さで除した値をμm単位で表したもので、測定範囲内の表面の凹凸の程度を表している。測定には触針式粗さ計(例:(株)小坂研究所製粗さ測定器SE−3300)を用いた。
【0027】
誘電体前駆体層の表面のRaが上記範囲である時には、その上部に塗布される隔壁形成用ガラスペースト塗布膜との密着力が強力となる。これは隔壁形成用ガラスペースト塗布膜と接触する面積が多くなること、すなわちアンカー効果により誘電体前駆体層表面に強く接着することなどによるものであると推定される。
【0028】
このように接触面積の増大およびアンカー効果による誘電体前駆体層表面と隔壁形成用ガラスペースト塗布膜との密着性の向上は、隔壁形成用ガラスペースト塗布膜の隔壁パターン形成の際に生じる乾燥または重合収縮、および隔壁パターンの焼成における脱バインダーによる収縮などに起因する隔壁パターンおよび隔壁の剥がれなどの欠陥発生を抑制するのに効果的に寄与することができる。
【0029】
中心線平均粗さRaが0.3μmより小さい場合には、この効果が十分でなく、誘電体前駆体層上に隔壁パターンを形成する場合や焼成する場合に、隔壁パターンや隔壁が剥がれたり、倒れたりすることによる歩留まり低下が生じる。2μmより大きい場合には、隔壁形成用ガラスペーストの塗布性が低下したり、隔壁パターンの形成性などへの悪影響から放電欠陥の原因となる。
【0030】
このように0.3〜2μmの中心線平均粗さを有する誘電体前駆体層を形成するには、以下の手段が効果的である。
【0031】
その手段は、誘電体ペーストに含まれる無機成分の焼結下限温度より5〜50℃低い温度で熱処理し、ガラスの焼結を抑制した誘電体前駆体層を形成することである。
【0033】
誘電体ペーストとしては、有機成分と無機成分からなるものが好ましく用いられ、有機成分としては、有機バインダーが主体であり、可塑剤、溶媒および必要に応じて分散剤、レベリング剤、増粘剤、チクソトロピー剤などの添加物を含むものが好ましく挙げられる。有機バインダーの具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体や共重合体、アクリル酸エステル重合体や共重合体、セルロース系樹脂などが挙げられる。特に、セルロース系樹脂を用いるのが脱バインダー性の点で好ましい。
【0034】
また、誘電体ペーストの無機成分としては、ガラスを主成分とするものが挙げられる。誘電体層を形成する無機成分は、ガラス基板上で焼き付けができる低融点ガラスであると同時にその組成成分は電極構成成分に対して不活性であることが好ましい。すなわち、誘電体層は電極に接して形成されるため、ガラス成分中にアルカリ金属イオンが存在すると、電極中の銀イオンとイオン交換反応を生じ、該銀イオンが誘電体ペーストの焼成時に還元され、コロイド化して誘電体層が着色するという問題が起こる。この誘電体層の着色を抑制する方法として、(1)誘電体ペースト中のガラス成分と銀とのイオン交換反応の抑止または抑制、(2)イオン交換反応した銀イオンが誘電体層に移動した場合でも誘電体層中での銀イオンの還元を抑止または抑制するなどの方法があり、これらの方法を本発明で適用することができる。
【0035】
この点から、誘電体ぺースト中のガラス成分がアルカリ金属を実質的に含有しないことが好ましい。実質的に含有しないというのは、含んだとしても0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下であることを示す。
【0036】
さらに、ガラス成分中にアルカリ土類金属を実質的に含有しないことが好ましい。このことにより焼成時の基板の反りや封着時の割れを防止することができる。基板の反りには誘電体ペースト中のガラス成分の熱膨張係数が重要であるが、熱膨張係数が基板ガラスと整合していても、ガラス成分中のアルカリ土類金属、例えばバリウム、カルシウムなどの含有量が0.5重量%を超えると、焼成時にガラス基板や電極中のガラス成分とイオン交換反応が起こる。このため、基板ガラスの表面部分や誘電体層ガラス成分の熱膨張係数が変化し、基板ガラスの熱膨張係数と整合しなくなり、基板ガラスに引張り応力が生じ、基板割れの原因となる。
【0037】
本発明においては、誘電体ペースト中の無機成分を、50〜400℃の範囲の熱膨張係数α50400の値が70〜85×10-7/Kであるガラスを主成分とすることが基板ガラスの熱膨張係数と整合し、焼成の際にガラス基板にかかる応力を減らすので好ましい。熱膨張係数がこの範囲を外れると、誘電体層の形成面側に基板が反るように応力がかかり、70×10−7/K未満では誘電体層のない面側に基板が反るような応力がかかる。このため、基板の加熱、冷却を繰り返すと基板が割れる場合がある。また、前面ガラス基板との封着の際、基板の反りのために両基板が平行にならず封着できない場合がある。
【0038】
電極の形成されたガラス基板の熱変形を抑制するため、誘電体前駆体層と隔壁パターンの焼成工程は400〜600℃で行うことが好ましく、450〜600℃の範囲がより好ましい。このため、誘電体ペースト中の無機成分は、ガラス転移点400〜550℃、軟化点450〜600℃のガラスを主成分とすることが好ましい。ガラス転移点が400℃より低い場合や軟化点が450℃より低い場合は、後の工程中にガラスが溶融して、誘電体層の厚みの均一性や特性が低下することがある。また、ガラス転移点が550℃より高い場合や軟化点が600℃より高い場合は、ガラス基板上での焼成が不十分になり、誘電体層の剥離や欠落が生じやすくなる。
【0039】
このような熱特性を有するガラスとして、酸化ビスマスを10〜70重量%含むものが、ガラス転移点、軟化点および熱膨張係数のコントロールが容易な点で好ましく挙げられる。また、酸化ビスマス10〜70重量%のガラスを用いることは、誘電体ペーストの安定性を向上するなどの利点がある。より具体的には、酸化物換算表記で下記のような組成を含有するものが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0040】
酸化ビスマス 10〜70重量%
酸化珪素 3〜50重量%
酸化硼素 10〜40重量%
酸化亜鉛 10〜20重量%
さらに無機成分が、ガラス転移点400〜550℃、軟化点450〜600℃のガラス50〜95重量%とフィラー5〜50重量%からなることが好ましい。フィラーとしては、軟化点650〜850℃の高融点ガラス、チタニア、アルミナ、シリカ、チタン酸バリウム、ジルコニア、ジルコンからなる群から選ばれた少なくとも一種を挙げることができる。
【0041】
なおフィラーは、誘電体層を形成する場合の焼成収縮を軽減して基板の反りや割れを抑制するために混入される。また、セラミックスなどの白色フィラーの混入は誘電体層の反射率を高めて表示光の輝度の向上に寄与し、低融点ガラスと屈折率が大きく異なるフィラーを配合することでも同様の効果を得ることができる。上記したように本発明においては、特に平均粒径1〜5μmを有するフィラーを用いることにより、誘電体前駆体層の中心粗さRaを本発明において必要な範囲とすることが容易となる。
【0042】
ここで高融点ガラスとしては、酸化珪素および酸化アルミニウムをそれぞれ15重量%以上含有する下記の酸化物換算組成を有するものなどが好ましく使用されるが、これに限定されるものではない。
【0043】
酸化珪素 15〜50重量%
酸化硼素 5〜20重量%
酸化アルミニウム 15〜50重量%
酸化バリウム 2〜10重量%
次に、本発明において必要な表面粗さを有する誘電体前駆体層の形成方法について説明する。この方法は、先に述べた通り、誘電体ペースト塗布膜を熱処理する際の温度を規制する方法である。
【0044】
具体的には、誘電体ペースト塗布膜を無機粉末の焼結下限温度より5〜50℃低い温度で熱処理して誘電体前駆体層を形成する方法である。このような温度条件で熱処理することにより、誘電体ペースト中の無機粉末が完全に溶融し焼結することなく、本発明において必要な粗い表面を有する誘電体前駆体層を容易に形成することができる。この場合、熱処理温度を下げ過ぎると未焼結の度合いが高くなって誘電体前駆体層を構成する無機粉末が欠落したり、誘電体前駆体層の緻密性が低下して最終的に形成される誘電体層の電気的および機械的特性が低下する懸念があるので、予め無機粉末の焼結下限温度を確認し、熱処理温度との差と生じる表面粗さとの関係を把握しておくなど、精密な制御をする必要がある。
【0045】
誘電体前駆体層形成の際における熱処理温度の低下により生じる緻密性や強度の欠陥を補う手段として、誘電体前駆体層および隔壁パターンの焼成において、誘電体ペースト中の無機粉末の焼結下限温度より5〜50℃高い温度で焼成することが好ましい。これにより誘電体前駆体層を誘電体層へ転換して、本来有する特性を発揮できる状態に戻すことが可能となる。
【0046】
なお無機粉末の焼結下限温度とは、誘電体ペースト中に含まれる無機粉末が焼結によって緻密になり得る最低温度のことである。緻密になっていることを確認する方法としては、電子顕微鏡などにおいて、破断したサンプルの誘電体層内部を観察する方法が挙げられる。すなわち、誘電体層内に気泡がない状態、もしくは、わずかに気泡が存在しいてもその泡が内閉されている状態を緻密ということとする。無機粉末の焼結する温度の下限値は、それぞれの無機粉末において、実験的に正確に求めておくことが必要である。
【0047】
電極厚みと誘電体層厚みとの間の関連性は次の通りである。誘電体層の厚みが電極厚みに比べて薄過ぎる場合には、誘電体層が電極部分で盛り上がり、電極上の誘電体層に亀裂が発生することがあり好ましくない。また、このような誘電体層上に形成される隔壁には断線、蛇行あるいは剥がれが発生することがあり好ましくない。一方、誘電体層厚みが電極厚みに比べて厚過ぎると焼成の際、脱バインダー不良を生じ、誘電体層に亀裂が生じやすくなる。また、基板にかかる誘電体層による応力が大きくなるため基板が反り、基板焼成時あるいはパネル封着時に基板が割れるなどの問題が生じることになるので好ましくない。さらに、誘電体層が厚過ぎる場合には、パネルとして放電電圧が高くなり、正常な放電特性が得られないことがある。
【0048】
この点から、誘電体層の厚みは4〜20μmであることが好ましい。このような範囲の誘電体層厚みを得るためには誘電体ペーストのガラス成分含有率と焼成温度を考慮して誘電体ペーストの塗布厚みをコントロールしなければならない。誘電体前駆体層の厚みは、焼成条件によっても変化するものの、4〜40μmであることが好ましい。
【0049】
本発明において電極、および誘電体層前駆体層が形成された上に、隔壁パターンを形成する必要があるが、スクリーン印刷法や、サンドブラスト法、転写法、感光性ペースト法などの公知の手法を適用し形成することが可能である。これらの方法で隔壁パターンを形成した後、誘電体前駆体層と同時に焼成することにより、誘電体と隔壁が形成される。なお焼成温度は400〜600℃が好ましく、450〜600℃がより好ましい。
【0050】
隔壁が形成された後、隔壁の側面および隔壁間の底部に均一な厚みの蛍光体層を形成し、前面ガラス基板と封着し、ガスを封入し、さらに配線の実装を行うことによりプラズマディスプレイを得ることができる。
【0051】
【実施例】
以下に本発明を実施例を用いて具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。なお、誘電体前駆体層の中心線平均粗さRaは、触針式表面粗さ計(小坂研究所社製:SE−3300)で測定した。また、実施例中の濃度は断りのない場合は重量%である。
【0052】
実施例1
[電極形成ガラス基板の作製]
平均粒径3μmの銀粉末を含む感光性銀ペーストを用いて、ピッチ150μm、線幅40μmのストライプ状電極パターン(銀含有量:95%)を形成した300mm角のガラス基板(旭硝子社製PD−200)を、空気中で590℃、30分間焼成することで、ガラス基板上に厚さ3μmの電極が形成されたディスプレイ用基板を得た。
【0053】
[誘電体前駆体層の形成]
エチルセルロース5%含有のテルピネオール溶液30g、平均粒径0.24μmのチタニア10gおよび酸化ビスマス含有ガラス60gからなる無機成分を混合し、三本ローラで混練して誘電体ペーストを得た。このペーストを電極が形成されたガラス基板上にスクリーン印刷法で厚さ20μmに塗布・乾燥し、530℃で30分間熱処理することにより誘電体前駆体層を形成した。
【0054】
なお、実施例において用いた酸化ビスマス含有ガラスは次の特性を有するものであり、誘電体ペーストに含まれる無機粉末の焼結下限温度は565℃であった。
【0055】
・用いた酸化ビスマス含有ガラスの組成と特性
組成:酸化ビスマス38%、酸化珪素7%、酸化硼素19%、酸化アルミニウム4%、酸化亜鉛20%、酸化バリウム12%。
平均粒径2.5μm、ガラス転移点475℃、軟化点515℃、熱膨張係数75×10-7/K。
【0056】
[隔壁パターンの形成と焼成]
共重合体(X−4007)34%含有γ−ブチロラクトン溶液32g、感光性モノマ(MGP400)10.5g、光重合開始剤(IC−369)3.4g、増感剤(DETX−S)3.4g、ベンゾトリアゾール2.2g、紫外線吸光剤(スダンIV)0.04g、酸化リチウム含有ガラス49gを混合し、三本ロールで混練して隔壁用感光性ガラスペーストを得た。このペーストを誘電体前駆体層上に乾燥厚み130μmになるようにスクリーン印刷を数回繰り返して塗布し乾燥した。このようにして形成した膜上にフォトマスク(ストライプ状パターン、ピッチ150μm、線幅20μm)を置いて、12mW/cm2の出力を有する超高圧水銀灯露光機を用いて600mJ/cm2の露光量を与えた。
【0057】
35℃に保持したモノエタノールアミンの0.2%水溶液を120秒間シャワーすることにより現像し、その後、水洗浄した。このように操作することにより、隔壁パターンが形成され、未露光部の感光性ペースト膜が除去され部分には誘電体前駆体層表面が露出した。次に誘電体前駆体層および隔壁パターンの焼成を、空気中570℃で15分間行い、プラズマディスプレイ用基板を製造した。誘電体前駆体層のRaおよび得られた基板の状態を表1に示す。
【0058】
さらに、隔壁の側面および隔壁間の底部に均一な厚みの蛍光体層を形成し、前面ガラス基板と封着し、ガスを封入し、さらに配線の実装を行うことによりプラズマディスプレイを製造したところ、表示品位の優れたものが得られた。
【0059】
実施例2
誘電体ペースト塗布膜の熱処理温度を実施例1より15℃高く設定した以外は、実施例1と同様にプラズマディスプレイ用基板を作製した。結果を表1に示す。
【0060】
実施例3
誘電体ペースト塗布膜の熱処理温度を実施例1より25℃高く設定した以外は、実施例1と同様にプラズマディスプレイ用基板を作製した。結果を表1に示す。
【0061】
実施例4
誘電体ペースト塗布膜の熱処理温度を実施例1より30℃高く設定した以外は、実施例1と同様にプラズマディスプレイ用基板を作製した。結果を表1に示す。
【0062】
実施例5
電極厚み2μm、誘電体ペースト塗布膜の厚みを16μmとした以外は、実施例3と同様にプラズマディスプレイ用基板を製造した。結果を表1に示す。
【0063】
実施例6
電極厚み5μmとした以外は、実施例3と同様にプラズマディスプレイ用基板を製造した。結果を表1に示す。
【0066】
実施例
無機粉末を、平均粒径0.24μmのチタニア10gおよび平均粒径2.6μmの軟化点750℃の高融点ガラス20g、酸化ビスマス含有ガラス50gとし、誘電体ペーストを、厚さ3μmの電極上に16μmの厚さに塗布し、これを540℃で熱処理して誘電体前駆体層を形成した以外は実施例1と同様にプラズマディスプレイ用基板を製造した。結果を表1に示す。
【0067】
比較例1
誘電体ペーストの熱処理温度を無機粉末の焼結下限温度より5℃高く設定した以外は実施例1を繰り返した。結果を表2に示した。誘電体前駆体層形成時の熱処理温度が高いため、誘電体前駆体層の中心線平均粗さRaは0.2μmと小さく、隔壁の剥がれ生じる。
【0068】
比較例2
電極厚み3μmに対して誘電体ペーストの塗布厚みを6μmとする以外は実施例3を繰り返した。結果を表2に示した。電極厚みに対する誘電体層の厚み、さらに隔壁形成後の誘電体層厚みのバランスが悪く、誘電体前駆体層表面の中心線平均粗さも2.10μmと大きくなり、隔壁の不都合および誘電体層の亀裂が発生する。
【0069】
【表1】
Figure 0004016484
【0070】
【表2】
Figure 0004016484
【0071】
略記号の説明
X−4007:40%メタクリル酸、30%メチルメタクリレート、30%スチレンからなる共重合体のカルボキシル基に対して0.4当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させた重量平均分子量43,000、酸価95の側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するポリマ。
【0072】
MGP400:下記の化学式で示される化合物
【化1】
Figure 0004016484
【0073】
IC−369:Irgacure-369(チバ・ガイギー社製品)
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1
DETX−S:2,4−ジエチルチオキサントン
【0074】
【発明の効果】
本発明は、基板上に電極、誘電体前駆体層、隔壁パターンをこの順に形成し、該誘電体前駆体層と該隔壁パターンを同時に焼成することによって誘電体層と隔壁を形成する工程を含むプラズマディスプレイの製造方法であって、前記誘電体前駆体層の中心線平均粗さRaが0.3〜2μmであることを特徴とするプラズマディスプレイの製造方法であるため、誘電体前駆体層上に隔壁形成ガラスペーストを用いて形成される隔壁パターンおよびその焼成による隔壁形成を、隔壁剥がれや、誘電体層の亀裂などの欠点が生じず、歩留まりよく進行させることができる。このような誘電体前駆体層は、酸化ビスマスを10〜70重量%含有し、ガラス転移点が400〜550℃、軟化点が450〜600℃を有するガラス成分と平均粒径1〜5μmのフィラーから構成されること、または誘電体ペースト塗布膜の熱処理温度を無機粉末の焼結下限温度より5〜50℃低い温度に設定して誘電体前駆体層を形成することで容易に実現できる。
【0075】
これらの効果により優れた特性を有するプラズマディスプレイ用隔壁形成基板を高い歩留まりで製造することができ、表示品位の優れたプラズマディスプレイを得ることが可能になる。

Claims (7)

  1. 基板上に電極を形成し、該電極を形成した基板上に無機成分と有機成分からなる誘電体ペーストを塗布・乾燥し、該誘電体ペースト中に含まれる無機成分の焼結下限温度より5〜50℃低い温度で熱処理して誘電体前駆体層を形成し、該誘電体前駆体層上に隔壁パターンを形成し、該誘電体前駆体層と該隔壁パターンを同時に焼成することによって誘電体層と隔壁を形成する工程を含むプラズマディスプレイの製造方法であって、誘電体前駆体層の中心線平均粗さRaが0.3〜2μmであることを特徴とするプラズマディスプレイの製造方法。
  2. 誘電体前駆体層の厚みが4〜40μmである請求項1に記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  3. 誘電体前駆体層が、ガラス転移点400〜550℃、軟化点450〜600℃のガラスを主成分とするものである請求項1または請求項2に記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  4. ガラスが、酸化ビスマスを10〜70重量%含有するものである請求項3に記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  5. 誘電体前駆体層が、ガラス転移点400〜550℃、軟化点450〜600℃のガラスを50〜95重量%、フィラーを5〜50重量%含有するものである請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  6. フィラーが、軟化点650〜850℃の高融点ガラス、チタニア、アルミナ、シリカ、チタン酸バリウム、ジルコニア、ジルコンからなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項5に記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  7. フィラーの平均粒径が1〜5μmである請求項5または請求項6に記載のプラズマディスプレイの製造方法
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