JP4320887B2 - プラズマディスプレイパネル用部材およびプラズマディスプレイパネルならびにその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、壁掛けテレビや大型モニターに用いられるプラズマディスプレイパネル用部材およびプラズマディスプレイパネルならびにそれらの製造方法に係り、特にプラズマディスプレイパネル用部材の外部駆動回路との接続端子部分の電極の耐酸性や耐アルカリ性を向上し、パネルの寿命を高めた、また製造工程中に使用できる薬品の選択幅を広げたプラズマディスプレイパネル用部材およびプラズマディスプレイパネルならびにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄型・大型テレビに使用できるディスプレイとして、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略す)が注目されている。PDPにおいて、表示面となる前面板側のガラス基板には、対をなす複数のサステイン電極が銀やクロム、アルミニウム、ニッケル等の材料で形成されている。さらにサステイン電極を被覆してガラスを主成分とする誘電体層が20〜50μm厚みで形成され、誘電体層を被覆してMgO層が形成されている。一方、背面板側のガラス基板には、複数のアドレス電極がストライプ状に形成され、アドレス電極を被覆してガラスを主成分とする誘電体層が形成されている。誘電体層上に放電セルを仕切るための隔壁が形成され、該隔壁と誘電体層で形成された放電空間内に蛍光体層が形成される。蛍光体層として、RGBの各色に発光する蛍光体を形成することにより、フルカラー表示が可能なPDPを作製することができる。前面板側のガラス基板のサステイン電極と背面板側のアドレス電極が互いに直交するように、前面板と背面板が封着され、それらの部材の間隙内にヘリウム、ネオン、キセノンなどから構成される希ガスが封入されPDPが形成される。スキャン電極とアドレス電極の交点を中心として画素セルが形成されるので、PDPは複数の画素セルを有し、画像の表示が可能になる。
【0003】
PDPにおいて表示を行う際、選択された画素セルにおいて、発光していない状態からサステイン電極とアドレス電極との間に封入ガスの放電開始電圧以上の電圧を印加すると電離によって生じた陽イオンや電子は、画素セルが容量性負荷であるために放電空間内を反対極性の電極へと向けて移動して両側のMgO層の内壁に帯電し、内壁の電荷はMgO層の抵抗が高いために減衰せずに残留する。この壁電荷により放電空間内に外部からの印加電圧とは逆極性の電界が形成されるのでセル内の電界は弱められて放電は直ちに停止する。
【0004】
次に、スキャン電極間に放電維持電圧を印加することにより放電は維持される。壁電荷により放電開始電圧より低い電圧での放電が継続される。この放電により放電空間内のキセノンガスが励起され、147nmの紫外線が発生し、紫外線が蛍光体を励起することにより、発光表示が可能になる。
【0005】
PDPには、上記に示した層構造をとる表示領域の周囲に、上記放電維持電圧等の印加を選択的に行うための外部駆動回路との接続部分を有しており、そこは誘電体層で被覆せずに剥き出しにした電極と駆動回路の接合部とが半田や導電性接着剤、ACFを介して接続される。しかし、この電極が剥き出しの部分は外気にさらされる部分であるため、高温酸化したり、その部分に形成された酸化物により腐食したりして、高抵抗化や断線といった電極の機能低下や停止のため、PDPの寿命が短くなるという課題がある。
【0006】
また、PDPの駆動に際して直流電圧が印加されるため、電極を構成する導電性物質がマイグレーションを起こし、長時間の使用下において電極間が短絡し、PDPの寿命を短くするという問題もある。とりわけ、電極としてよく用いられている銀はマイグレーションが起こりやすい導電性物質として知られている。他にも、外部駆動回路との接続に関するPDP作製工程中に、外部駆動回路との接続部分の酸化物の除去のため、酸やアルカリによるエッチング工程が含まれる場合があり、その際に電極壊れが発生する場合がある。
【0007】
これらの課題に関して、特開平11−40064号公報には、電極上に数十nmオーダーの薄膜誘電体層を外部駆動回路との接続部分を含めたパネル全面に形成する手段が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術の方法では、接続部分表面は絶縁体で覆われているため、電極と薄膜誘電体層表面との導通はそのままでは取れない。そのため、外部駆動回路との接続には、薄膜誘電体層を突き破る接続法に限定される欠点があった。
【0009】
すると薄膜誘電体層の厚みは数十nmオーダーの薄さであることが必要となる。数十nmオーダーの薄膜誘電体層では緻密な膜を形成しないと、酸やアルカリの浸み込みによる電極壊れが発生する欠点があり、この解決には、緻密な層形成のためにCVDやゾル・ゲルコーティング法、あるいは真空中でのスパッタリングや蒸着法といった多大な設備投資やコストがかかる方法が必要となる。
【0010】
そこで、本発明はこの外部駆動回路との接続部分の剥き出しとなっている電極の酸化や腐食による断線や高抵抗化、マイグレーションによる短絡を防いで寿命を長くするとともに、酸やアルカリによる電極壊れを改善し、かつ、接続部分の導通を確保したPDP用部材およびPDPを安価で提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、基板上に電極を形成してなるPDP用部材であって、電極上の少なくとも外部駆動回路との接続端子部分に、導電性微粒子と低融点ガラスとを含有してなる保護層を有しており、該保護層の電極上厚みTが、0.5〜10μmであり、かつ、該導電性微粒子の平均粒子径LがTに対して、T≦L≦10Tを満たす範囲にあることを特徴とするPDP用部材およびこれを用いたPDPである。また、本発明は、低融点ガラスと導電性微粒子、有機バインダーを主成分とするガラスペーストを、電極上の少なくとも外部駆動回路との接続端子部分に塗布した後、焼成して、電極上厚みTが0.5〜10μmであり、かつ、該導電性微粒子の平均粒子径LがTに対して、T≦L≦10Tを満たす範囲にある保護層を形成する工程を経ることを特徴とするPDP用部材およびPDPの製造方法である。
【0012】
尚、特開平10−64434号公報には、表示エリア内の電極上に形成される誘電体層を低融点ガラスと導電性微粒子とからつくることが開示されているが、その目的は、誘電体層の過剰な帯電による異常放電を減らすためであり、誘電体層中に導電性微粒子を混入することで、誘電体層の膜厚方向の抵抗値を幾分か下げ、過剰な電荷を電極側にリークさせようとするものである。ここで、適当量の帯電という誘電体層としての本来の機能を果たすためには、低融点ガラス部の厚みは少なくとも導電性粒子径以上が良しとされ、導電性粒子の含有量は低融点ガラスに対してほぼ5重量%以下が良しとされる。つまり、本発明とこの技術とでは、目的と効果が全く異なり、構成も異なるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をPDP用部材およびPDPの作製手順に沿って説明する。
まず背面板の作製手順を説明する。
本発明のPDP用部材に用いるガラス基板としては、ソーダガラスの他にPDP用の耐熱ガラスである旭硝子社製の“PD200”や日本電気硝子社製の“PP8”等を用いることができる。
【0014】
ガラス基板上に銀やアルミニウム、クロム、ニッケルなどの金属によりアドレス電極を形成する。形成する方法としては、これらの金属の粉末と有機バインダーを主成分とする金属ペーストをスクリーン印刷でパターン印刷する方法や、有機バインダーとして感光性有機成分を用いた感光性金属ペーストを塗布し、フォトマスクを用いてパターン露光し、不要な部分を現像工程で溶解除去し、さらに、400〜600℃に加熱・焼成して金属パターンを形成する感光性ペースト法を用いることもできる。また、ガラス基板上にクロムやアルミニウム等の金属をスパッタリングした後に、レジストを塗布し、レジストをパターン露光・現像した後にエッチングにより、不要な部分の金属を取り除くエッチング法を用いることができる。電極厚みは1〜10μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。電極が薄すぎる場合は抵抗値が大きくなり正確な駆動ができなくなる傾向にあり、厚すぎる場合は材料を多く要しコスト的に不利となる傾向にある。アドレス電極の幅は20〜200μmが好ましく、より好ましくは30〜100μmである。アドレス電極が細すぎる場合は抵抗値が高くなり正確な駆動が困難となる傾向にあり、太すぎる場合は隣の電極との間の距離が小さくなるため、ショート欠陥を生じやすい傾向にある。また、アドレス電極は表示セル(画素の各RGBを形成する領域)に応じたピッチで形成される。通常のPDPでは100〜500μm、高精細PDPにおいては100〜250μmのピッチで形成するのが好ましい。
【0015】
本発明のPDP用部材は、電極上の少なくとも外部駆動回路との接続端子部分に保護層を有する必要がある。ここで、外部駆動回路とは、プラズマ放電を選択的に起こさせるために、放電維持電圧等の印加を行うための回路等を指し、この外部駆動回路とPDP用部材のアドレス電極やサステイン電極の延出部すなわち接続端子部分とが電気的に接続される。保護層の存在により、電極が劣化したり電極壊れを引き起こすことはなくなる。
【0016】
ここで電気的接続の達成のためには、保護層中に、電極と接しつつ、保護層から突出した状態となっている導電性微粒子が存在していることが重要である。
【0017】
本発明の保護層は、導電性微粒子と低融点ガラスとを含有してなり、低融点ガラスは焼成により緻密に焼結して電極を保護することができるが、通常、低融点ガラスは導電性を有さないため、導電性微粒子の介在により導通をとる必要がある。その際、導電性微粒子が電極上部の表面と外部駆動回路側の端子の表面の双方に接触するためには、導電性微粒子が電極に接しつつ、保護層から突出した状態となるようにすることが必要である。図1に本発明の保護層の断面図を示す。導電性微粒子が保護層から突出した状態とは、この図における電極4上に存在している導電性微粒子2のように、厚み方向で導電性微粒子の頂部が保護層のベース材となる低融点ガラス3の該導電性微粒子の周囲の厚みよりも高く位置している状態を指す。
【0018】
この導電性微粒子が保護層から突出した状態の確認は、保護層の断面を走査型電子顕微鏡(例えば(株)日立製作所製S−2400形)で観察したり、保護層表面を触針式粗さ計(例えば(株)小坂研究所製表面粗さ測定器SE−3300)で表面凹凸を測定したりすることにより達成できる。また、導電性微粒子が電極と接している状態の確認は、保護層の断面を走査型電子顕微鏡(例えば(株)日立製作所製S−2400形)で観察したり、抵抗測定器を用いて電極と導電性微粒子との抵抗を測定したりすることによって達成できる。
【0019】
導通を得るには、図1のように導電性微粒子が単体で電極と接しつつ、保護層から突出した状態となっていてもよいし、数個の凝集体が電極と接しつつ、保護層から突出した状態となっていてもよい。
【0020】
または、本発明においては、保護層の電極上厚みが、0.5〜10μmであることが重要である。図1において、保護層の電極上厚みTとは、ベース材の低融点ガラス3の、電極4上で厚み方向に後述する導電性微粒子2が存在しない部分での厚みを指しており、保護層の断面を走査型電子顕微鏡(例えば(株)日立製作所製S−2400形)で観察して測定することができる。保護層の電極上厚みが0.5μm未満であると、保護層の欠損や、酸やアルカリの浸透により、電極の保護効果が十分に得られない。また、保護層の電極上厚みが10μmを越えると、下記する導電性微粒子も平均粒子径の大きいものを用いる必要が生じ、後述するような保護層表面の粗面化を避けられないため、導通を十分にとることが難しくなる。
【0021】
本発明の保護層は、導電性微粒子と低融点ガラスとを含有してなり、導電性微粒子の平均粒子径Lが保護層の電極上厚みTに対して、T≦L≦10Tを満たす範囲にあることが必要である。つまり、低融点ガラスは焼成により緻密に焼結して電極を保護することができるが、通常、低融点ガラスは導電性を有さないため、導電性微粒子の介在により導通をとる必要がある。その際、導電性微粒子が電極上部の表面と外部駆動回路側の端子の表面の双方に接触するためには、導電性微粒子が保護層から突出した状態となるようにすることが必要である。すなわち、導電性微粒子の平均粒子径Lを保護層の電極上厚みTよりも大きくすることである。T≦Lとすることで、混入する導電性微粒子のおおよそ半数以上が導通に寄与することができ、より高い導通性を確保できるからである。とりわけ後述するようなシャープな粒子径分布を持つ導電性微粒子を用いる場合には、T≦Lとすることが有効に機能する。一方、導電性微粒子の膜中での保持のためには、導電性微粒子の平均粒子径Lは保護層の電極上厚みTの10倍以下(L≦10T)とすることが重要である。
【0022】
保護層の導電性微粒子は、導電性を持つ態様のものであればよく、例えば導電性の高いNi、Cr、Au、Pd、Ag、Cu、Alを主成分とする金属粉末を用いることが好ましい。また、ガラスやセラミックス(アルミナ、コーディライトなど)などの絶縁体や金属導体、半導体といった無機微粒子をAuおよびPtの群から選ばれる金属にて被膜したものを導電性微粒子として用いることも好ましい。AuやPtは耐酸性、耐アルカリ性、および腐食防止や酸化防止に優れ、かつ導電性も高く、これらの群から選ばれる金属にて被膜することにより、極めて高い導電性の確保のみならず、耐酸性、耐アルカリ性、および腐食防止や酸化防止に優れた導電性微粒子とすることができるからである。AuおよびPtの群から選ばれる金属の被膜は、メッキ法にて達成できる。導電性微粒子の被膜は0.001μm以上あれば実効を得ることができ、0.1μm以下にすることで、高価なAuおよびPtの群の使用量が減らせ、コストを抑えることもできる。特に、前述の金属粉末を被覆の対象の無機微粒子としたものが、導電性の点からも好ましい。一方、ガラスやセラミックスは、金属粉末に比べて、粒子径や粒子形状を含めた成形加工性に優れているので、これらを被覆の対象の無機微粒子とした場合には、均一な粒子径や粒子形状により保護層からの均一な突出形態を得ることができ、良好な接触を得ることができる。
【0023】
導電性微粒子の平均粒子径Lは3〜30μmであることが好ましく、より好ましくは3〜10μmである。本発明において、導電性微粒子の平均粒子径は、PDP用部材に形成された電極上の保護層を走査型電子顕微鏡で観察し、導電性微粒子の長手方向の径を100個分測り、その平均値をもって導電性微粒子の平均粒子径とすることができる。観察にあたっては、長手方向の径が確認、測定できるものを100個選び、他の粒子と重なって確認できない導電性粒子は対象から除いた。平均粒子径が小さすぎると、凝集による粗大粒子が発生し、保護層の表面粗さが大きくなりすぎる傾向にある。一方、平均粒子径が大きすぎると、粒子単体でも、保護層の表面粗さが大きくなりすぎる傾向にある。保護層の表面粗さが大きくなりすぎると、外部回路との接続にあたって、相手側の接続端子との接触面積が小さくなり、抵抗が高くなるため、好ましくない。30μmぐらいまでの平均粒子径をもつ導電性微粒子であれば、その粒度分布を制御することにより十分な接触と低抵抗が確保することができる。
【0024】
保護層の表面粗さを適度に抑えるには、導電性微粒子のD90粒子径を平均粒子径の1.4倍〜2.0倍とすることが有効であり、好ましい。
【0025】
また、外部駆動回路との接続にあたって、外部駆動回路側の接続端子との接触面積を大きくするには、導電性微粒子の保護層における含有率を、多くすることが好ましいが、多すぎると隣接する電極パターン間でショートが生じてしまうため好ましくない。そこで、導電性微粒子の保護層における含有率を、6重量%〜40重量%とすることが有効であり、好ましい。さらに好ましくは、8重量%〜30重量%である。 また、導電性微粒子の保護層における含有率を、面積比で5%〜40%とすることが有効であり、好ましい。さらに好ましくは、9〜35%である。ここで、面積比は、保護層表面を光学顕微鏡等で観察した時の導電性微粒子の占める割合とする。
モデル的に単一粒子径Lの球形導電性微粒子が含有していると仮定すると、面積比5%は4L×4Lの大きさの面積中に1個の導電性微粒子が存在していることを意味し、同様に9%は3L×3L中に1個、35%は1.5L×1.5L中に1個、40%は1.4L×1.4L中に1個存在していることとなる。
【0026】
保護層を構成する低融点ガラスも、耐酸性、耐アルカリ性があるものが好ましく、これらを実現する低融点ガラスとしては、次の組成を含むガラス粉末を用いることが好ましい。
酸化ビスマス :30〜90重量部
酸化ケイ素 : 5〜20重量部
酸化ホウ素 : 5〜20重量部
酸化アルミニウム : 1〜10重量部
酸化亜鉛 : 1〜10重量部
あるいは
酸化鉛 :30〜90重量部
酸化ケイ素 : 5〜20重量部
酸化ホウ素 : 5〜20重量部
酸化アルミニウム : 1〜10重量部
酸化亜鉛 : 1〜10重量部
である。
【0027】
また、導電性微粒子の密度を低融点ガラスの密度以上とすることにより、焼成工程中の高温での低融点ガラスの溶融時に導電性微粒子が沈み、電極との接触が十分確保できるようになるため、好ましい。ここでいう密度とは、導電性微粒子は粒子単体での密度を指し、低融点ガラスはガラス溶融時相当の密度を指す。
【0028】
本発明の保護層は、低融点ガラスと導電性微粒子、有機バインダーを主成分とするガラスペーストを、電極上の少なくとも外部駆動回路との接続端子部分に塗布した後、焼成することにより得ることができる。
【0029】
有機バインダーとしては、エチルセルロース、メチルセルロース等に代表されるセルロース系化合物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート等のアクリル系化合物等を用いることができる。また、ガラスペースト中に、溶媒、可塑剤等の添加剤を加えても良い。溶媒としては、テルピネオール、ブチロラクトン、トルエン、メチルセルソルブ等の汎用溶媒を用いることができる。また、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジエチルフタレート等を用いることができる。
【0030】
ガラスペーストは、導電性微粒子と低融点ガラス、有機バインダーなどをミキサーや三本ローラー等で混練することにより作製できる。
【0031】
ガラスペーストの塗布は、スクリーン印刷やコーター等にて達成できる。塗布エリアは少なくとも電極上の外部駆動回路との接続端子部分に塗布されていることが必要である。接続端子部分は、後述する封着の際、封着シールの外側、すなわち外気にさらされる領域となるが、PDPの電極破損や劣化は、高温酸化や腐食による高抵抗化や断線、電極を構成する導電性物質のマイグレーションによる短絡などであり、その発生は主として温湿度雰囲気、すなわち外気にさらされる部分で起こるためである。また、封着シールより内側の放電ガスが封入される領域であっても電極が直に放電ガスと触れる部分では、前述の電極破損や劣化、短絡が起こる可能性があるので、このような部分も本発明の保護層で覆うことが好ましい。塗布パターンは複数の電極をまとめて覆う形で保護層を形成しても良いし、電極パターンに沿ったパターンで形成しても良い。特に、複数の電極をまとめて覆う形での保護層の形成は、電極間も保護層でみたすので、電極を構成する導電性物質のマイグレーションを防止する効果もより期待できる。また、一面の基板上の電極パターン上全てを一面の保護層で覆う、いわゆる全面形成としても良い。全面形成とした場合には、塗布パターンを単純化できる利点のほか、後述する誘電体層のもつ諸機能の内、主として電極と蛍光体との接触による電極や蛍光体の劣化防止機能と隔壁を良好に形成するための適度な表面粗さを持つ下地層としての機能を代替できる利点などがある。
塗布した後に、400〜600℃で焼成することにより保護層を形成できる。
【0032】
次に誘電体層が好ましく形成される。
電極および保護層を形成した基板上にガラス粉末と有機バインダーとを主成分とを混練してなるガラスペーストを塗布した後に、400〜600℃で焼成することにより誘電体層を形成することができる。
【0033】
誘電体層に用いるガラスペーストには、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化リンの少なくとも1種類以上を含有し、これらを合計で10〜80重量%含有するガラス粉末を用いると良い。10重量%以上とすることで、600℃以下での焼成が容易になり、80重量%以下とすることで、結晶化を防ぎ透過率の低下を防止する。
【0034】
有機バインダーとしては、エチルセルロース、メチルセルロース等に代表されるセルロース系化合物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート等のアクリル系化合物等を用いることができる。また、ガラスペースト中に、溶媒、可塑剤等の添加剤を加えても良い。溶媒としては、テルピネオール、ブチロラクトン、トルエン、メチルセルソルブ等の汎用溶媒を用いることができる。また、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジエチルフタレート等を用いることができる。
【0035】
ガラス粉末以外にフィラー成分を添加することにより、誘電体層の反射率が高く、輝度の高いPDPを得ることができる。フィラーとしては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムが好ましく、粒子径0.05〜3μmの酸化チタンを用いることが特に好ましい。フィラーの含有量はガラス粉末:フィラーの比で、10:1〜1:1が添加の十分な効果を得る上で好ましい。
【0036】
また、導電性微粒子を含有することにより駆動時の信頼性の高いPDPを作製することができる。導電性微粒子は、ニッケル、クロムなどの金属粉末が好ましく、粒子径は1〜10μmが好ましい。1μm以上とすることで十分な効果を発揮でき、10μm以下とすることで誘電体上の凹凸を抑え隔壁形成を容易なものとすることができる。これらの導電性微粒子が誘電体層に含まれる含有量としては、0.1〜5重量%が好ましい。0.1重量%以上とすることで添加の効果を得ることができ、5重量%以下とすることで、隣り合うアドレス電極間でのショートを防ぐことができる。誘電体層の厚みは3〜30μmとするのが好ましく、より好ましくは3〜15μmである。誘電体層が薄すぎる場合はピンホールが発生する傾向にあり、厚すぎる場合は放電電圧が高くなり消費電力が大きくなる傾向にある。
【0037】
次に、放電セルを仕切るための隔壁を形成する。隔壁の高さは、80μm〜200μmが適している。80μm以上とすることで蛍光体とスキャン電極が近づきすぎるのを防ぎ、放電による蛍光体の劣化を抑制できる。また、200μm以下とすることで、スキャン電極での放電と蛍光体の距離が離れすぎるのを防ぎ、十分な輝度を得ることができる。隔壁のピッチ(P)は、100μm≦P≦500μmのものがよく用いられる。また、高精細PDPとしては、隔壁のピッチ(P)は、100μm≦P≦250μmである。100μm以上とすることで放電空間が狭くなるのを防ぎ十分な輝度を得ることができ、500μm以下とすることで画素が細かくなりきれいな映像表示ができる。250μm以下とすることにより、ハイビジョン(HDTV)レベルの美しい映像を表示することができる。隔壁の線幅(L)は、頂部で10μm≦L≦50μmであることが好ましい。10μm以上とすることで前面板と背面板を封着する際の破損を防ぐことができる。また、50μm以下とすることで蛍光体の形成面積を大きくとることができ輝度が得られる。
【0038】
隔壁は、無機微粒子と有機バインダーからなるガラスペーストを隔壁の形状にパターン形成した後に、400〜600℃に焼成して隔壁を形成する方法が一般的である。
【0039】
無機微粒子としては、ガラス、セラミック(アルミナ、コーディライトなど)などを用いることができる。特に、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物、または、アルミニウム酸化物を必須成分とするガラスやセラミックスが好ましい。
【0040】
有機バインダーは、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、α−メチルスチレン重合体、ブチルメタクリレート樹脂、エチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース化合物を用いることができる。さらに、可塑剤、増粘剤、有機溶媒、酸化防止剤、分散剤、有機あるいは無機の沈殿防止剤やレベリング剤などの添加剤を加えることも行われる。
【0041】
さらに、その溶液の粘度を調整したい場合、有機溶媒を加えてもよい。このとき使用される有機溶媒としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチルラクトン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
【0042】
また、本発明のPDP用部材の隔壁を後述の感光性ペースト法により形成する場合には、ガラスペーストに感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーのうちの少なくとも1種類から選ばれた感光性成分を含有し、更に、必要に応じて、光重合開始剤、光吸収剤、増感剤、増感助剤、重合禁止剤を添加すると良い。
【0043】
ガラスペーストを用いて隔壁パターン加工する方法としては、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、感光性ペースト法、フォト埋め込み法、型転写法等の方法によって形成可能である。
【0044】
各種の隔壁形成方法の中で、高精細化・工程の簡便性の点で、感光性ペースト法が優れている。次に、感光性ペーストを用いた隔壁形成方法を以下に示す。
【0045】
ガラス基板に、感光性ペーストを塗布する。塗布方法としては、スクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーターなど一般的な方法を用いることができる。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、ペーストの粘度を選ぶことによって調整できる。また、ポリエステルフィルムなどのフィルム上に感光性ペーストを塗布した感光性シートを作成して、ラミネーターなどの装置を用いて基板上に感光性ペーストを転写する方法を用いても良い。
【0046】
感光性ペースト塗布した後、露光装置を用いて露光を行う。露光は、通常のフォトリソグラフィで行われるように、フォトマスクを用いてマスク露光する方法が一般的である。用いるマスクは、感光性有機成分の種類によって、ネガ型もしくはポジ型のどちらかを選定する。また、フォトマスクを用いずに、レーザ光などで直接描画する方法を用いても良い。露光に使用される活性光線は、例えば、可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザ光などが挙げられる。これらの中で紫外線が最も好ましく、その光源として、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用できる。これらのなかでも超高圧水銀灯が好適である。露光条件は、塗布厚みによって異なるが、1〜100mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用いて0.1〜10分間露光を行う。
【0047】
露光後、露光部分と非露光部分の現像液に対する溶解度差を利用して、現像を行うが、その際、浸漬法やスプレー法、ブラシ法等が用いられる。
【0048】
現像液は、感光性ペースト中の溶解させたい有機成分が溶解可能である溶液を用いる。感光性ペースト中にカルボキシル基などの酸性基をもつ化合物が存在する場合は、アルカリ水溶液で現像できる。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液などが使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。有機アルカリとしては、一般的なアミン化合物を用いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は、通常、0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。アルカリ濃度が低過ぎると可溶部が除去され難くなる傾向にあり、アルカリ濃度が高過ぎると、パターン部を剥離させ、また、非可溶部を腐食する傾向にある。また、現像時の現像温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。
【0049】
次に、焼成炉にて焼成を行う。焼成雰囲気や温度は、ペーストや基板の種類によって異なるが、空気中、窒素、水素などの雰囲気中で焼成する。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やローラーハース式の連続型焼成炉を用いることができる。焼成温度は、400〜800℃で行う。基板がガラスである場合は、450〜620℃の温度で10〜60分間保持して焼成を行う。
【0050】
隔壁を形成した後に、RGBの各色に発光する蛍光体層を形成する。蛍光体粉末、有機バインダーおよび有機溶媒を主成分とする蛍光体ペーストを所定の隔壁間に塗布することにより、蛍光体層を形成することができる。その方法としては、スクリーン印刷版を用いてパターン印刷するスクリーン印刷法、吐出ノズルの先端から蛍光体ペーストをパターン吐出するディスペンサー法、また、感光性を有する有機成分を有機バインダーとする感光性蛍光体ペーストを用いる感光性ペースト法等を採用することができる。
【0051】
各色の蛍光体層の厚みは、10〜50μmであることが好ましい。10μm以上とすることで十分な輝度を得ることができる。また、厚みを50μm以下とすることで放電空間を確保し、蛍光体を有効に発光できる。この場合の蛍光体層の厚みは、隣り合う隔壁の中間点での形成厚み、つまり、放電空間(セル内)の底部に形成された蛍光体の厚みとして測定する。
【0052】
蛍光体層を形成した基板を必要に応じて、400〜550℃で焼成する事により、背面板を作製することができる。
【0053】
一方、前面板は、ガラス基板上に所定のパターンで透明電極、バス電極、誘電体、保護層(MgO)を形成して作製する。背面板上に形成されたRGB各色蛍光体層に一致する部分にカラーフィルター層を形成しても良い。また、コントラストを向上するために、ブラックストライプを形成しても良い。
【0054】
背面板と同様、前面板の透明電極、バス電極を形成した後に、電極上の少なくとも外部駆動回路との接続端子部分に保護層を形成することも本発明の実施の態様である。保護層中の導電性微粒子は光を通さないことから、前面板においては、保護層の形成領域を表示エリア外に限定することが好ましい。
【0055】
上記の背面板と前面板とを封着後、両部材の基板間隔に形成された空間に、ヘリウム、ネオン、キセノンなどから構成される放電ガスを封入後、外部駆動回路を装着して本発明のPDPを作製できる。このとき、PDPには放電ガスが封入された領域と外部駆動回路との接続端子部分を含む周縁領域とができ、その2つの領域は封着シールによって分け隔てられる。封着シールより外側の周縁部分は外気にさらされるため、この部分に存在する電極を本発明の保護層で覆うことが好ましい。
【0056】
【実施例】
以下に、本発明を実施例を用いて、具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定はされない。なお、実施例、比較例中の濃度(%)は重量%である。
【0057】
(測定方法)
(1)ペースト原料の平均粒子径の測定
レーザ式粒度分布測定装置(マイクロトラック 9320−X100を使用し、測定サンプルは導電性微粒子約0.5gを純水約100mlに添加したもの、分散条件は380μA 5分間)にて測定を行った。
【0058】
(2)保護層中の平均粒子径の測定
PDP用部材に形成された電極上の保護層を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−2400形)で観察し、導電性微粒子の長手方向の径を100個分測り、その平均値をもって導電性微粒子の平均粒子径とした。観察にあたっては、導電性微粒子の長手方向の径が確認、測定できるものを100個選び、他の粒子と重なって確認できない導電性微粒子は対象から除いた。
【0059】
(3)保護層表面の凹凸測定
保護層表面に露出している導電性微粒子の低融点ガラス部からの突出高さを20個の導電性微粒子に対して測定し、その最大値を凹凸の指標とした。
測定装置:触針式粗さ計((株)小坂研究所製表面粗さ測定器SE−3300)。
【0060】
(4)突出導電性微粒子の導通試験
まず、外部駆動回路との接続部分のある1本の電極上の保護層表面から突出している導電性微粒子に対して、抵抗測定器(テスター)の一方の端子を該導電性微粒子の突出部に接触させ、もう一方の端子を該電極の延長上で該導電性微粒子から200mm離れた点に接触させて、抵抗値を測定した。なお、保護層がない場合の抵抗値は30Ωである。これを20個分の導電性微粒子に対して行い、測定した抵抗値が100Ω以下であった導電性微粒子数を数えた。
結果判定は、0個の場合を×とし、1〜3個の場合を△、4個以上の場合を○とした。
【0061】
(5)導電性微粒子の含有率(面積比)
200倍の光学顕微鏡を用いて、50μm四方に存在する導電性微粒子の数を数えた。これを5回行い、その平均個数を求め、平均粒子径より面積比を算出した。
【0062】
(6)導通試験
まず、外部駆動回路との接続部分のある1本の電極上の保護層表面にアルミ板を接触させた。抵抗測定器(テスター)の一方の端子をこのアルミ板に接触させ、もう一方の端子を該電極の延長上でアルミ板との接触面から200mm離れた点に接触させて、抵抗値を測定した。また、電極上でのアルミ板の接触面は幅50μm、長さ2mmである。なお、保護層がない場合の抵抗値は30Ωである。1回の試験につき50本分の電極について測定を行った。
結果判定は、50本中に1本でも50Ωを越えた場合を×とし、1本でも40〜50Ωがあった場合を△、50本全てが40Ω未満だった場合を○とした。
【0063】
(7)耐酸性、耐アルカリ性試験
被試験部分を次にあげる5種類の溶液中に5分間浸し、その後、水洗、80℃乾燥を行い、接続部分の電極の状態を観察した。
5種類の溶液:
溶液A:3.6%塩酸、
溶液B:6%硝酸、
溶液C:9.7%硫酸、
溶液D:0.3%炭酸ナトリウム水溶液、
溶液E:0.5重量%のエタノールアミン水溶液
観察結果について ○:問題なし ×:電極ハガレ、断線の発生あり。
【0064】
(8)絶縁試験
まず、外部駆動回路との接続部分の隣り合う電極上の保護層表面にそれぞれ別のアルミ板を接触させた。抵抗測定器(テスター)の一方の端子を一方のアルミ板に接触させ、もう一方の端子を他方のアルミ板に接触させて、絶縁を調べた。また、電極上でのアルミ板の接触面は幅50μm、長さ2mmである。
1回の試験につき、異なる50の電極間で調べた。結果判定は、電極間ショートが1つでもあった場合を×とし、電極間ショートが0の場合を○とした。
【0065】
(9)PDP駆動試験
外部駆動回路をACFを介して接続を行い、全面発光を行った。
このときの電極断線や高抵抗による点灯不良、電極間ショートによる駆動不良を調べた。この点灯不良と駆動不良を総じてPDP不良と呼ぶこととする。結果判定は、10枚分のPDP駆動試験に対して、3枚以上にPDP不良が発生した場合を×とし、1〜2枚にPDP不良が発生した場合を△、PDP不良が0枚の場合を○とした。
【0066】
(10)マイグレーション試験
JIS Z3197規格に準拠した。
電極パターンはB型くし形電極を用い、85℃80%RH下、印加電圧25Vにて試験を行った。30日後(720時間後)の電極周縁部に成長するマイグレーションを観察した。
【0067】
(実施例1)
まず、前面板を作製した。
旭硝子社製ガラス基板PD200上に、ITOを用いて、ピッチ375μm、線幅150μmのスキャン電極を形成した。また、その基板上に感光性銀ペーストを塗布した後に、フォトマスクを介したマスク露光、0.3%炭酸ナトリウム水溶液を用いた現像、580℃15分間の焼成工程を経て、線幅50μm、厚み3μmのバス電極を形成した。
【0068】
次に、平均粒子径4μmのニッケル粉末に厚み0.003μmの金をメッキ法にて被膜した金コートニッケル粉末(密度9g/cm3)を準備し、この粉末と酸化物表記で下記組成を有する低融点ガラスの粉末(密度5g/cm3)との重量比が9:91となるように混合し、塗布時の電極上厚みが4μmとなるように有機バインダーであるエチルセルロースとテルピネオールを適量加えて混練して得られたガラスペースト(このときのペースト組成は導電性微粒子が5%、低融点ガラスの粉末が48%、エチルセルロースが2%、テルピネオールが35%であった)をスクリーン印刷により、外部駆動回路との接続部分を含んだ表示エリア部分外の電極上に塗布した後に、570℃15分間の焼成を行って保護層を形成した。焼成後の電極上厚みは、2μmであった。
(低融点ガラスの組成)
酸化ビスマス :70%
酸化ホウ素 :12%
酸化ケイ素 :12%
酸化アルミニウム: 3%
酸化亜鉛 : 3%。
【0069】
次に、酸化鉛を75重量%含有する低融点ガラスの粉末を70%、エチルセルロース20%、テルピネオール10%を混練して得られたガラスペーストをスクリーン印刷により、表示エリア部分のバス電極が覆われるように20μmの厚みで塗布した後に、570℃15分間の焼成を行って前面誘電体を形成した。誘電体を形成した基板上に電子ビーム蒸着により厚み0.5μmの酸化マグネシウム層を形成して前面板を作製した。
【0070】
次に、背面板を作製した。
PD200上に感光性銀ペースト用いてアドレス電極を作製した。感光性銀ペーストを塗布、乾燥、露光、現像、焼成工程を経て、線幅50μm、厚み3μm、ピッチ250μmのアドレス電極を形成した。外部駆動回路との接続部分はアドレス電極の延出により形成されており、表示エリア部分の外側にリード部分が15mm長、その先に外部駆動回路との接続部分として5mm長を電極パターンとして同時形成した。
【0071】
次に、前面板で用いたのと同じ保護層用ガラスペーストをスクリーン印刷により、外部駆動回路との接続端子部分とリード部分の接続端子側10mm部分の電極が覆われるように4μmの厚みで塗布した後に、570℃15分間の焼成を行って保護層を形成した。焼成後の電極上厚みは、2μmであった。ここで、保護層中の導電性微粒子の平均粒子径を測定したところ、4μmであった。
【0072】
次に、保護層表面の凹凸測定、突出導電性微粒子の導通試験、導電性微粒子の含有率(面積比)測定、導通試験をそれぞれ行った。結果を表1、2に記す。保護層表面の凹凸測定の結果は、4μm以下の高さばらつきであり、良好な面接触ができることが分かった。
【0073】
続いて、酸化ビスマスを75重量%含有する低融点ガラスの粉末を60%、平均粒子径0.3μmの酸化チタン粉末を10%、エチルセルロース15%、テルピネオール15%を混練して得られたガラスペーストをスクリーン印刷により、表示エリア部分とリード部分の表示エリア側5mm部分のアドレス電極が覆われるように20μmの厚みで塗布した後に、570℃15分間の焼成を行って背面誘電体層を形成した。
【0074】
誘電体層上に、感光性ペースト法により隔壁を形成した。感光性ペーストを塗布した後に、開口部線幅30μmのフォトマスクを用いて露光し、次に0.5重量%のエタノールアミン水溶液中で現像し、さらに、560℃で15分間焼成することにより、ピッチ250μm、線幅30μm、高さ130μmの隔壁を形成した。
【0075】
次に、隣り合う隔壁間に蛍光体を塗布した。蛍光体の塗布は、256カ所の穴(口径:130μm)が形成されたノズル先端から蛍光体ペーストを吐出するディスペンサー法により形成した。蛍光体は隔壁側面に焼成後厚み25μm、誘電体上に焼成後厚み25μmになるように塗布した後に、500℃で10分間の焼成を行い、背面板を完成した。
【0076】
前面板と背面板を封着ガラスを用いて封着して、Xe5%含有のNeガスを内部ガス圧66500Paになるように封入した。封着シールは、表示エリアの外側に配し、封着シールより外側に位置する電極は外部駆動回路との接続部分となっている。
【0077】
ここで、前面板と背面板の、封着シールより外側に出ている電極(すなわち外部駆動回路との接続部分)について、耐酸性、耐アルカリ性試験を行った。結果を表2に記す。これより、耐酸性、耐アルカリ性に良好であることが分かった。この結果から、酸化や腐食にも耐性ができたと考えられる。
【0078】
次に、絶縁試験を行った。その結果を表2に記す。これより、電極間の絶縁は保たれていることが分かった。このようにして10枚のPDPを作製した後に、PDP駆動試験を行った。結果を表2に記す。良好な駆動特性であった。またそのときの輝度を測定したところ、250cd/m2と、良好な表示特性であった。
【0079】
(比較例1)
実施例1と同様に基板上に電極を形成した後に、保護層を形成しないで、PDPを作製した後に、耐酸性、耐アルカリ性試験を行った。表2に記すように、酸に対して耐性がなかった。その後のPDP駆動試験においては、電極ハガレによるPDP不良が全てに発生した。
【0080】
(比較例2)
導電性微粒子として平均粒子径4μmの球状ガラス粉末に厚み0.003μmの金をメッキ法にて被膜した金コートガラス粉末(密度4g/cm3)を用いたことと、この導電性微粒子と低融点ガラスの粉末との重量比を3:97となるように混合したことと、スクリーン版のメッシュと、溶媒であるテルピネオールの添加量を調節して、保護層の塗布時の電極上厚みが24μmとなるようにしたこと以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上厚みは12μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、4μmであった。その他の各試験の結果を表1、2に記す。電極と導通がとれる突出導電性微粒子はなく、導通試験において50Ω以下の抵抗値の電極は1本もなかった。
【0081】
(参考例1)スクリーン版のメッシュと、溶媒であるテルピネオールの添加量を調節して、保護層の塗布時の電極上厚みが14μmとなるようにしたこと以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上厚みは7μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、4μmであった。その他の各試験の結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好であった。その他の各試験の結果を表1、2に記す。電極と導通がとれる突出導電性微粒子は少なかったが、単位面積当たりの導電性微粒子数が多く、導通試験では総じて40〜50Ωの抵抗値となった。また、高抵抗電極の存在によるPDP不良が1枚にだけ発生した。
【0082】
(実施例2)導電性微粒子として平均粒子径9μmのニッケル粉末に厚み0.003μmの金をメッキ法にて被膜した金コートニッケル粉末を用いたこと以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上厚みは2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、9μmであった。その他の各試験の結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好であった。また、全体的に抵抗値が微増(1〜2割程度)していたが、PDP不良の発生はなかった。
【0083】
(実施例3)導電性微粒子として平均粒子径13μmのニッケル粉末に厚み0.003μmの金をメッキ法にて被膜した金コートニッケル粉末を用いたこと以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上厚みは2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、11μmであった。その他の各試験の結果を表1、2に記す。18μmまでのやや大きな凹凸であり、導通試験では総じて40〜50Ωの抵抗値となった。また、高抵抗電極の存在によるPDP不良が1枚にだけ発生した。
【0084】
(実施例4、5、6)導電性微粒子と低融点ガラスの粉末との重量比を実施例4では5:95、実施例5では17:83、実施例6では50:50となるように混合したこと以外は実施例1を繰り返してPDPをそれぞれ作製した。保護層の焼成後の電極上厚みはどれも2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、どれも4μmであった。その他の各試験の結果を表1、2に記す。ここで、導電性微粒子の含有量がやや少ない実施例4は、導通試験では総じて40〜50Ωの抵抗値となった。また、高抵抗電極の存在によるPDP不良が1枚にだけ発生した。また、導電性微粒子の含有量がやや多い実施例6は、絶縁試験では電極間ショートは見られなかったものの、電極間ショートによるPDP不良が2枚にだけ発生していた。
【0085】
(実施例7)導電性微粒子として平均粒子径4μmのニッケル粉末を用いたこと以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上厚みは2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、4μmであった。その他の各試験の結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好であった。また、全体的に抵抗値が微増(1〜2割程度)していたが、PDP不良の発生はなかった。
【0086】
(実施例8)導電性微粒子として平均粒子径4μmのクロム粉末を用いたこと以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上厚みは2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、4μmであった。その他の各試験の結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好であった。また、全体的に抵抗値が微増(1〜2割程度)していたが、PDP不良の発生はなかった。
【0087】
(実施例9)導電性微粒子として平均粒子径4μmの銀粉末を用いたこと以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上厚みは2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、4μmであった。その他の各試験の結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好であった。また、全体的に抵抗値が微増(1〜2割程度)していたが、PDP不良の発生はなかった。
【0088】
(実施例10)導電性微粒子として平均粒子径4μmのニッケル粉末に厚み0.003μmの白金をメッキ法にて被膜した白金コートニッケル粉末を用いたこと以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上厚みは2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、4μmであった。その他の各試験の結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好であった。また、PDP不良の発生はなかった。
【0089】
(実施例11)導電性微粒子として平均粒子径4μmの球状ガラス粉末に厚み0.003μmの金をメッキ法にて被膜した金コートガラス粉末を用いたこととこの導電性微粒子と低融点ガラスの粉末との重量比を6:94となるように混合したこと以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上厚みは2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、4μmであった。その他の各試験の結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好であった。また、全体的に抵抗値が微増(1〜2割程度)していたが、PDP不良の発生はなかった。
【0090】
(実施例12)導電性微粒子として平均粒子径4μmの球状アルミナ粉末に厚み0.003μmの金をメッキ法にて被膜した金コートアルミナ粉末を用いたこととこの導電性微粒子と低融点ガラスの粉末との重量比を6:94となるように混合したこと以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上厚みは2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、4μmであった。その他の各試験の結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好であった。また、全体的に抵抗値が微増(1〜2割程度)していたが、PDP不良の発生はなかった。
【0091】
(実施例13)導電性微粒子として平均粒子径25μm、D90粒子径35μmの球状シリカ粉末に厚み0.003μmの金をメッキ法にて被膜した金コートシリカ粉末を用いたこととこの導電性微粒子と低融点ガラスの粉末との重量比を6:94となるように混合したことと、スクリーン版のメッシュと、溶媒であるテルピネオールの添加量を調節して、保護層の塗布時の電極上厚みが8μmとなるようにしたこと以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上厚みは4μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、25μmであった。その他の各試験の結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好であった。また、全体的に抵抗値が微増(1〜2割程度)していたが、PDP不良の発生はなかった。
【0092】
(実施例14)導電性微粒子として平均粒子径4μmの球状ガラス粉末に厚み0.003μmの金をメッキ法にて被膜した金コートガラス粉末(密度4g/cm3)を用いたこととこの導電性微粒子と低融点ガラスの粉末との重量比を6:94となるように混合したこと以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上厚みは2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、4μmであった。その他の各試験の結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好であった。また、電極と導通がとれる導電性微粒子は少なく、全体的に導通試験の抵抗値は40Ω前後であったが、PDP不良の発生はなかった。
【0093】
(実施例15)低融点ガラスの組成の内、酸化ビスマスを酸化鉛に変更した以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上厚みは2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、4μmであった。その他の各試験の結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好であった。また、PDP不良の発生はなかった。
【0094】
(実施例16)背面板側の保護層形成のためのスクリーン印刷による塗布エリアをアドレス電極上全面(表示エリア部分、リード部分、外部駆動回路との接続部分)としたこと以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上厚みは2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、4μmであった。その他の各試験の結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好であった。また、PDP不良の発生はなかった。
【0095】
(実施例17)背面板側に誘電体層を形成しなかったこと以外は実施例16を繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上厚みは2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、4μmであった。その他の各試験の結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好であった。また、PDP不良の発生はなかった。
【0096】
(実施例18)実施例1の背面板の作製において、アドレス電極パターン形成後に保護層を形成せず誘電体層を形成し、その後に保護層形成のためのスクリーン印刷による塗布エリアをアドレス電極パターン全エリア上(表示エリア部分、リード部分、外部回路との接続部分)として、保護層を形成し、その後隔壁形成、蛍光体形成を行って背面板を得たこと以外は実施例1を繰り返してPDPを作製した。保護層の焼成後の電極上厚みは2μmであった。保護層中の導電性微粒子の平均粒子径の測定結果は、4μmであった。その他の各試験の結果を表1、2に記す。耐酸性、耐アルカリ性は良好であった。また、PDP不良の発生はなかった。
【0097】
(実施例19)マイグレーション試験を行うため、以下の試験サンプルを作製した。旭硝子社製ガラス基板PD200上に感光性銀ペースト用いて試験用電極パターンを作製した。電極パターンは感光性銀ペーストを塗布、乾燥、露光、現像、焼成工程を経て形成した。この上に実施例1で用いたのと同じ保護層用ガラスペーストをスクリーン印刷により、電極パターン全面が覆われるように4μmの厚みで塗布した後に、570℃15分間の焼成を行って保護層を形成した。焼成後の電極上厚みは、2μmであった。この試験サンプルを用いてマイグレーション試験を行った結果、30日後でもマイグレーションは観察されなかった。
【0098】
(比較例5)
電極パターン上に保護層を形成しなかった以外は実施例20を繰り返してマイグレーション試験用サンプルを作製した。この試験サンプルを用いてマイグレーション試験を行った結果、30日後の観察において、マイグレーションの存在が確認された。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【発明の効果】
本発明により、外部駆動回路との接続部分の耐酸性と耐アルカリ性の強化と電極を構成する導電性物質のマイグレーションの防止をし、かつ、接続部分の導通を確保したPDP用部材およびPDPが提供できる。
【0102】
これにより、電極破損や劣化、短絡を抑えることができるため、寿命に優れたPDP用部材およびPDPを得ることができる。
【0103】
また、この保護層の製造には、安価な厚膜形成技術を用いることができ、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保護層の断面図である。
【符号の説明】
1 保護層
2 導電性微粒子
3 低融点ガラス
4 電極
5 基板
T 保護層の電極上厚み
Claims (13)
- 基板上に電極を形成してなるプラズマディスプレイパネル用部材であって、電極上の少なくとも外部駆動回路との接続端子部分に、導電性微粒子と低融点ガラスとを含有してなる保護層を有しており、該保護層の電極上厚みTが0.5〜10μmであり、かつ、該導電性微粒子の平均粒子径LがTに対して、T≦L≦10Tを満たす範囲にあることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用部材。
- 前記導電性微粒子の平均粒子径が3〜30μmであることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル用部材。
- 前記導電性微粒子の前記保護層における含有率が、6重量%〜40重量%であることを特徴とする請求項1または2記載のプラズマディスプレイパネル用部材。
- 前記導電性微粒子の前記保護層における含有率が、面積比で5%〜40%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用部材。
- 前記導電性微粒子が、Ni、Cr、Au、Pd、Ag、Cu、Alを主成分とする金属粉末であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用部材。
- 前記導電性微粒子が無機微粒子にAuおよびPtの群から選ばれる金属を被膜してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用部材。
- 前記無機微粒子が、Ni、Cr、Au、Pd、Ag、Cu、Alを主成分とする金属粉末であることを特徴とする請求項6記載のプラズマディスプレイパネル用部材。
- 前記低融点ガラスが次の範囲内からなる酸化物を含有してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用部材。
酸化ビスマス : 30〜90重量部
酸化ケイ素 : 5〜20重量部
酸化ホウ素 : 5〜20重量部
酸化アルミニウム : 1〜10重量部
酸化亜鉛 : 1〜10重量部 - 前記低融点ガラスが次の範囲内からなる酸化物を含有してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用部材。
酸化鉛 : 30〜90重量部
酸化ケイ素 : 5〜20重量部
酸化ホウ素 : 5〜20重量部
酸化アルミニウム : 1〜10重量部
酸化亜鉛 : 1〜10重量部 - 前記導電性微粒子の密度が前記低融点ガラスの密度以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用部材。
- 低融点ガラスと導電性微粒子、有機バインダーを主成分とするガラスペーストを、電極上の少なくとも外部駆動回路との接続端子部分に塗布した後、焼成して、電極上厚みTが0.5〜10μmであり、かつ、該導電性微粒子の平均粒子径LがTに対して、T≦L≦10Tを満たす範囲にある保護層を形成する工程を経ることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用部材の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか記載のプラズマディスプレイパネル用部材を用いたことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
- 封着シールより外側の背面板上の電極が、前記保護層で覆われるように構成されていることを特徴とする請求項12記載のプラズマディスプレイパネル。
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