JP2000290522A - 粗製顔料の精製方法と低粘度用途向け顔料の製造方法 - Google Patents

粗製顔料の精製方法と低粘度用途向け顔料の製造方法

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JP2000290522A
JP2000290522A JP11097565A JP9756599A JP2000290522A JP 2000290522 A JP2000290522 A JP 2000290522A JP 11097565 A JP11097565 A JP 11097565A JP 9756599 A JP9756599 A JP 9756599A JP 2000290522 A JP2000290522 A JP 2000290522A
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浩史 勝部
Masao Komada
政夫 駒田
Hidehiro Otake
英弘 大竹
Aiko Arai
愛子 荒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な粗製顔料の精製方法と、着色力は維持
しつつ、かつインキの低粘度化が可能な顔料を提供す
る。 【解決手段】 粗製顔料を100℃以下で磨砕し、その
磨砕顔料を150〜250℃に加熱処理して粗製顔料を
精製する。この精製された粗製顔料を用いて、有機溶剤
下、水および有機溶剤下における処理またはソルベント
ソルトミリング処理して低粘度用途向け顔料を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粗製顔料の精製方
法及び顔料製造時に混入する副生成物が少ない高純度顔
料の製造方法に関する。また、得られた顔料は、製造さ
れるインキ塗液粘度が低くなる顔料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年フタロシアニン顔料は高彩色、高着
色力の顔料が要求され、特にグラビアインキの場合はよ
り高い要求がある。グラビアインキは多種類の樹脂に対
してグラビアインキとしての適性が安定的であることが
望まれている。また、最近はベースインキの高顔料分化
の傾向から、着色力は維持しつつ、かつインキの低粘度
化が要求されている。
【0003】従来のインキ組成において顔料成分のみを
多くした場合、そのインキ粘度は増大し、またはインキ
塗液の表面に膜を形成し、作成したインキを用いて展色
するのが困難になることが多かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、例え
ば低粘度が要求される用途、具体的にはインキや塗料分
野において、塗膜の着色力を維持し、さらに本発明方法
によるフタロシアニン顔料を使用した組成物粘度を大幅
に低下させることが可能な顔料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記従来
技術の欠点を解決するため、磨砕顔料に着目して磨砕顔
料とその顔料化方法を研究した結果、磨砕顔料に、特定
の処理を施すか否かで、顔料化した後に得られる顔料を
インキや塗料等に用いた場合、塗膜の着色力、およびイ
ンキや塗料の粘度に大きな影響を与えることを発見し
た。
【0006】即ち、磨砕顔料を分解が起こらない程度の
高温下に晒すこと(顔料焼成)により、顔料内の副生成
物と見られる不純物が蒸気化することで除去されて、顔
料純度が高くなること、それに加えて、この焼成顔料を
原料にして、例えば溶剤顔料化の研究を行った結果、か
かる顔料から製造したインキ等の粘度が大きく低下する
現象を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は次の発明を提供するもので
ある。 (1) 粗製顔料を100℃以下で磨砕し、その磨砕顔
料を150〜250℃に加熱処理することを特徴とする
粗製顔料の精製方法。
【0008】(2) 粗製顔料がフタロシアニンである
上記(1)記載の精製方法。
【0009】(3) 上記(2)で精製された粗製顔料
を用いて、有機溶剤下、水および有機溶剤下における処
理またはソルベントソルトミリング処理することを特徴
とする低粘度用途向け顔料の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では、まず、粗製顔料を特
定温度範囲で磨砕し、その磨砕顔料を特定温度範囲で加
熱処理する。
【0011】本発明で用いる粗製顔料としては、公知慣
用の各種のものが挙げられる。化学合成により得られた
クルードと呼ばれ、市販されている粗製の、無金属フタ
ロシアニンや、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロ
シアニン、チタニルフタロシアニン、アルミニウムフタ
ロシアニン等が好適に用いられる。
【0012】これらの粗製フタロシアニンは、例えば無
水フタル酸もしくはその誘導体,尿素もしくはその誘導
体および必要に応じて中心金属に対応する金属源とを反
応させるか、フタロジニトリルおよび必要に応じて金属
源を反応させることにより得ることが出来る。
【0013】その場合、フタル酸誘導体としては、例え
ばフタル酸塩、無水フタル酸、フタルイミド、フタルア
ミド酸及びその塩またはそのエステル、フタロニトリル
等、尿素誘導体としては、例えば尿素、アンモニア等、
金属源としては、例えば金属銅、第一銅または第二銅の
ハロゲン化物、酸化銅、硫酸銅、硫化銅、水酸化銅、塩
化アルミニウム、塩化チタニウム等、触媒としては、例
えばモリブデン酸アンモニウム、酸化モリブデン等のモ
リブデン化合物、四塩化チタン、チタン酸エステル等の
チタン化合物、塩化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム等
のジルコニウム化合物、酸化アンチモン、ホウ酸等、有
機溶媒としては、例えばアルキルベンゼン、アルキルナ
フタレン等の芳香族炭化水素、アルキルシクロヘキサ
ン、デカリン等の脂環式炭化水素、デカン、ドデカン等
の脂肪族炭化水素、ニトロベンゼン、ニトロトルエン等
の芳香族ニトロ化合物、トリクロロベンゼン、クロルナ
フタレン等の芳香族ハロゲン化炭化水素等が挙げられ
る。
【0014】上記した製造方法により粗製フタロシアニ
ンを製造するに当たっては、上記各原料に対して、必要
に応じ触媒を加え、有機溶媒の存在下あるいは不存在下
で、例えば180℃〜300℃で、1〜5時間加熱す
る。
【0015】中でも粗製顔料を得るにあたっての原料や
副生成物を含む、反応直後の未精製または精製不充分な
粗製顔料が好適に用いられる。粗製フタロシアニンの場
合は、それを得るに当たって尿素やその誘導体を用いた
反応で得たものが、精製の効果が高い点で好ましい。本
発明で用いる粗製顔料の比表面積は、例えば10〜30
2/gである。
【0016】粗製顔料を磨砕する温度は、それに引き続
く加熱処理に温度より相対的に低い温度で行われる。
【0017】本発明において粗製顔料を磨砕する場合の
温度は、一般的には100℃以下、中でも60〜90℃
が好ましい。粗製フタロシアニンも前記同様である。本
発明の磨砕方法としては、乾式または湿式の従来の方法
がいずれも採用できるが、磨砕前に比べて比表面積が大
きくなる様にする。この磨砕には、例えばビーズ、ロッ
ド等のメディアを内蔵した粉砕機が使用できる。ここで
はガラス製や金属製のメディアが一般的に用いられる。
そして、その粉砕状態を温度コントロールできる粉砕機
が好ましいが、磨砕するメディアの回転速度をコントロ
ールし、磨砕温度を管理してもよい。
【0018】磨砕する粗製顔料は、得られる磨砕顔料の
大きさにより、乾式法で磨砕することが好ましいが、
水、有機溶剤等を単独、もしくは2種類以上同時に入れ
る湿式磨砕法でもよい。上記磨砕に要する時間は特に制
限されるものではないが、通常数分〜数時間の範囲であ
る。
【0019】磨砕は、例えばメディア同士、あるいはメ
ディアとベッセル壁との粉砕力や破壊力を利用して行わ
れる。粉砕装置としては公知の方法であるアトライタ
ー、ボールミル、振動ミル等が挙げられる。そして、必
要に応じて粉砕機内部に窒素ガス、アルゴンガス等の不
活性ガス雰囲気下で行ってもよい。また、分散機として
公知の方法であるダイノーミル、ドライスミル、サンド
グラインダー等のビースミルを使用してもよい。こうし
て得られる磨砕された粗製顔料(以下、磨砕顔料とい
う)の比表面積は2〜20m2/gである。
【0020】本発明において磨砕顔料の加熱処理は、磨
砕時の温度よりも相対的高く、かつ、磨砕顔料が分解し
ない温度で行う。好ましくは150〜250℃で加熱処
理することにより精製できるが、好ましくは180℃〜
240℃の範囲である。粗製フタロシアニンの場合も前
記同様である。特に上記温度範囲では、尿素やそれの誘
導体を未反応原料等として含む粗製フタロシアニンか
ら、最終的な顔料の粘度に影響を与えやすい尿素やそれ
の誘導体等の成分を揮発除去させやすいので好適であ
る。加熱処理の時間は特に制限されるものではないが、
数分〜数時間の範囲である。
【0021】上記した様な磨砕処理と加熱処理とを行う
ことにより、粗製顔料はより高純度なものとなる様に精
製される。こうして得られた磨砕顔料は、顔料化処理を
行うことにより、より低粘度が要求される用途向けに優
れた顔料とすることが出来る。
【0022】この顔料化処理としては、公知慣用の方法
が採用可能であるが、磨砕顔料が溶解しない液媒体、例
えば有機溶剤のみの下、または水および有機溶剤の下で
の処理を行うことが出来る。別法として、ソルベントソ
ルトミリング処理を行うことも出来る。粗製フタロシア
ニンからフタロシアニン顔料を得る当たり、特にインキ
用途にその顔料を用いることが明らかな場合には、結晶
型がβ型のみとなるように顔料化される。
【0023】磨砕顔料の有機溶剤下における処理は、好
適には安定なβ型結晶に結晶転移可能な溶剤が使用され
る。その処理方法は有機溶剤単独で用いられる場合、水
と単独あるいは複数の有機溶剤で使用される場合があ
る。このような処理は室温で行ってもよいが、好ましく
は加熱下で行われる。また、水と混合した溶剤を使用す
る場合、水との親和性がない溶剤は界面活性剤でエマル
ションにして用いてもよい。
【0024】磨砕顔料のソルベントソルトミリング処理
は、例えば磨砕顔料と無機塩、有機溶剤を混練すること
によって得られる。無機塩は水、アルカリまたは酸の水
溶液に可溶なものであればよく、目的によって2種類以
上の塩を用いてもよい。無機塩としては、例えば食塩、
芒硝等が挙げられる。無機塩の量は特に制限されるもの
ではないが、磨砕顔料に対して数倍〜数十倍の範囲が好
ましい。
【0025】混練は通常ソルベントソルトミリングで使
用される混練機、例えばニーダー、ミックスマーラー等
が用いられる。ミリングする時間は特に制限されるもの
ではないが、数時間〜数十時間の範囲が好ましい。
【0026】磨砕顔料の有機溶剤化における処理、ある
いはソルベントソルトミリング処理で用いられる有機溶
剤の種類は、たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、
ニトロベンゼン等の芳香族化合物類、ヘプタン、ヘキサ
ン、石油ベンジン、ミネラルスピリット、ケロシン等の
脂肪族炭化水素化合物類、イソプロパノール、ブタノー
ル、イソブタノール、ヘプタノール、イソヘプタノー
ル、ジエチレングリコール等のアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブ
アセテート等のエステル類が挙げられる。
【0027】本発明の中で、例えばインキ適性を向上さ
せるため、樹脂による顔料表面処理も行うことができ
る。その方法は、乾式磨砕の時に添加することも可能で
あり、また有機溶剤処理下に行ってもよい。使用する樹
脂は、酸価が30〜250程度まで使用でき、重合ロジ
ン、水添ロジン、不均化ロジン等のロジン類、アクリル
樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノー
ル樹脂等、印刷用樹脂と相溶性がよいものであればよ
い。また、顔料表面の極性付与のため、樹脂による表面
処理を金属塩で行うこともできる。
【0028】本発明では、流動性と透明性、光沢向上を
兼備させるために、顔料のスルホン酸誘導体、あるいは
脂肪族、芳香族のスルホン酸化合物を加えることもでき
る。そして、スルホン酸の対イオンは使用されるインキ
樹脂の適性に応じて金属塩で行うこともできる。
【0029】樹脂による顔料表面処理および顔料誘導
体、脂肪族および芳香族スルホン酸化合物の添加量は特
に制限されるものではないが、顔料に対して数%〜数十
%の範囲が好ましい。
【0030】本発明により得られた精製された顔料は、
グラビアインキやフレキソインキ等の様な印刷インキや
塗料の様な低粘度が求められている用途、より具体的に
は例えばB型粘度計の60回転/分における粘度が0を
越えて1000mPaで用いられる用途に好適に使用さ
れる。
【0031】グラビアインキまたはフレキソインキは、
例えば、ベヒクルに本発明で得られる顔料を分散させる
ことにより調製することが出来る。ベヒクルは、通常樹
脂、水及び/又は有機溶媒を主成分としてその他添加剤
を均一混合することにより調製される。油性インキを調
製する際には、溶媒として疎水性有機溶媒、当該溶媒に
溶解する樹脂を用い、水性インキを調製する際には、溶
媒として水または水と親水性有機溶媒、当該溶媒に安定
に溶解するか分散する樹脂を用いられる。
【0032】ここで用いるベヒクルは、通常樹脂、溶
媒、可塑剤、ワックス、及び滑剤、消泡剤その他を用い
て調製される。
【0033】ここで樹脂としては、例えばポリアミド樹
脂、ニトロセルロース樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙
げられる。溶媒は水のみでも良いが、親水性有機溶媒が
併用されるのが一般的である。親水性有機溶媒として
は、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール等のアルコール系溶媒が好適に用いられる。
【0034】インキの調製に当たっては、樹脂不揮発分
100重量部当たり、本発明の顔料組成物500〜10
00重量部となる様に調製される。
【0035】こうして得られたインキは、公知慣用な被
印刷媒体に塗布し乾燥することにより印刷することがで
きる。被印刷媒体としては、例えば紙、樹脂コート紙、
合成樹脂フィルムやシート等が挙げられる。
【0036】
【実施例】次に本発明を実施例および比較例により具体
的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるも
のではない。以下において、とくに断わりの無い限り、
「部」および「%」は夫々『重量部』および『重量%』
を表わす。
【0037】(実施例1) (磨砕方法)フタロシアニン粗製顔料530部を内容積
5Lのアトライタ(三井三池社製)にスチールビーズ
(直径3/8インチ)を内容積の60%入れ、内温が8
0℃〜90℃になるよう温度調節をして1時間磨砕し
た。
【0038】(焼成方法)この磨砕顔料500部をステ
ンレス性バット(A4判)に粉表面が平滑になるよう均
し、内温が230℃に保たれた電気炉に1時間入れた。
その後電気炉からステンレス性バットを取り出し、放冷
後、ビニール袋に入れ替え、塊がなくなるようにへらで
潰して粗顔料492部を得た。
【0039】(顔料作成方法)得られた粗顔料60部を
銅フタロシアニンスルホン酸ナトリウム(スルホン酸置
換基数 n=1.0〜2.0)、ステベライトロジン
(酸価160)をそれぞれ7.5部、水600部、イソ
ブタノール100部を還流管付きフラスコに入れ、89
℃で2時間反応させた後、完全に溶剤を留去し、顔料ス
ラリーを得た。
【0040】得られた顔料スラリーを80℃にし、塩化
ストロンチウム4.92部を加えた後、pHを6に調製
した。そして、濾過、水洗、水洗浄をした後、濾過、乾
燥し顔料77部を得た。
【0041】(実施例2)焼成方法で、内温が170℃
に保たれた電気炉に1時間入れた以外は、実施例1と同
様の磨砕と焼成操作を行って、粗顔料495部を得た。
【0042】次いで、実施例1と同様の顔料作成方法に
従って、顔料78部を得た。
【0043】(実施例3)焼成方法で、内温が200℃
に保たれた電気炉に1時間入れた以外は、実施例1と同
様の磨砕と焼成操作を行って、粗顔料494部を得た。
【0044】次いで、実施例1と同様の顔料作成方法に
従って、顔料76部を得た。
【0045】(比較例1)磨砕のみを行い、焼成を行わ
なかった磨砕顔料を用いた以外は実施例1と同様の操作
を行って、顔料77部を得た。
【0046】(グラビアインキ試験方法)実施例1〜
3、および比較例1で得られた顔料25部、ニトロセル
ロース樹脂(ダイセル化学社製 FQ SS1/4:イ
ソプロパノール30%含有)11.9部、エタノール6
1.1部、DOP(ジオクチルフタレート)2部、ジル
コニアビーズ150部を200mlガラス瓶に入れ、ペ
イントコンディショナーで45分間分散しインキを得
た。このインキを用いてB型粘度測定(60回転、1分
間における粘度)を行った。
【0047】また、このインキ1部に前述のニトロセル
ロース樹脂1.4部、エタノール7.6部を加えてペイ
ントコンディショナーで10分間均一に混ぜて希釈イン
キとした。
【0048】濃色インキと希釈インキをそれぞれポリエ
チレンテレフタレートフィルム上にバーコータ(Web
star No.6)にて展色し、塗膜を分光光度型
(DaTaColor International
社)にて測色した。なお、比較対象物は比較例1とし、
実施例1、実施例2、実施例3を濃色インキ塗膜、希釈
インキ塗膜で測色したデータをそれぞれ濃色インキ濃
度、希釈インキ濃度とした。
【0049】
【表1】表1:グラビアインキ試験結果
【0050】次に60回転粘度が同じ値(50mPa)
となるように粘度の値が大きいインキについては、濃色
インキと樹脂濃度が同じ割合のビヒクル(ニトロセルロ
ース樹脂 15.9%、エタノール 81.6%、DO
P 2.5%)を追加し、その時の濃色インキ、希釈イ
ンキを前例と同じ操作を行い、測色データを濃色インキ
濃度、希釈インキ濃度とした。
【0051】
【表2】表2:粘度一定下でのグラビアインキ試験結果
【0052】表2から、インキ粘度を一定にした場合で
は、濃色インキ濃度、希釈インキ濃度が著しく向上する
ことがわかる。
【0053】(純度分析)比較例1の磨砕顔料と実施例
1〜3の磨砕後に焼成した粗顔料をそれぞれ10部をそ
れぞれ95%硫酸200部に氷冷下0℃〜5℃の範囲で
加え、光学顕微鏡で溶解していることを確認した。その
後、それぞれ10℃に冷やした水2000部に入れるこ
とにより、顔料を析出させて濾過、濾液のpHが中性に
なるまで洗浄し、105℃で乾燥した。
【0054】その後、重量を測定し、純度は以下の式か
ら求めた。 純度(%)=(乾燥後重量)/(硫酸に加える前の粗顔
料の重量)×100
【0055】
【表3】表3:磨砕顔料と焼成した顔料の純度分析結果
【0056】表3の結果から、セミクルードを170℃
〜230℃で焼成したものは元の純度に較べて高くなっ
ていることがわかる。尚、本方法は、その他の公知慣用
の再沈殿や再結晶等の顔料の精製手段に比べて、結晶構
造や粒子径/粒子径分布の変化も少なく、格段に作業性
に優れていた。
【0057】
【発明の効果】本発明の粗製顔料の精製方法とそれを用
いた高純度顔料によれば、顔料の純度を向上させること
ができ、またこの顔料を原料として顔料化した顔料は、
例えばインキ粘度を大幅に低減させることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗製顔料を100℃以下で磨砕し、その
    磨砕顔料を150〜250℃に加熱処理することを特徴
    とする粗製顔料の精製方法。
  2. 【請求項2】 粗製顔料がフタロシアニンである請求項
    1記載の精製方法。
  3. 【請求項3】 請求項2で精製された粗製顔料を用い
    て、有機溶剤下、水および有機溶剤下における処理また
    はソルベントソルトミリング処理することを特徴とする
    低粘度用途向け顔料の製造方法。
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