JP2002003739A - 紺藍色顔料組成物の製造方法 - Google Patents

紺藍色顔料組成物の製造方法

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JP2002003739A
JP2002003739A JP2000191161A JP2000191161A JP2002003739A JP 2002003739 A JP2002003739 A JP 2002003739A JP 2000191161 A JP2000191161 A JP 2000191161A JP 2000191161 A JP2000191161 A JP 2000191161A JP 2002003739 A JP2002003739 A JP 2002003739A
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Hiroshi Katsube
浩史 勝部
Aiko Arai
愛子 荒井
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高彩度で光沢に優れた紺藍色顔料を得る。 【解決手段】 平均一次粒子径0.001〜0.1μm
の粗製銅フタロシアニン(A)及び平均一次粒子径0.
01〜0.2μmの粗製ジオキサジンバイオレット
(B)との混合物を顔料化処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばグラビア・
フレキソインキなどの着色剤として有用な紺藍色顔料組
成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、グラビア・フレキソインキ分野、
塗料分野などにおいて紺藍色調のインキ・塗料は、青色
顔料より製造されたインキ・塗料と紫色顔料より製造さ
れたインキ・塗料の混合により紺藍色を得る方法と、青
色顔料と紫色顔料を配合した配合顔料のインキ化・塗料
化によって紺藍色を得る方法で行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記記
載方法には未だ解決すべき課題が存在する。例えば、上
記した各色の顔料の混色又は各色のインキの混色により
紺藍色調のグラビア・フレキソインキを得る方法には次
のような欠点がある。
【0004】(1)各々別々に調製した青色顔料と紫色
顔料とを混合する様にしても、その混合により色相が不
鮮明になり、各々顔料が有する鮮明性が得られない。 (2)インキ化工程では、(1)の欠点に加えて青色と
紫色の2種のインキを製造する必要があり工程が煩雑で
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような現状に鑑み、
本発明者らは紺藍色顔料の製造方法について鋭意検討し
た結果、青色顔料と紫色顔料とを混合して混合顔料とな
し、これをインキ化したり、青色インキと紫色インキと
を混合した場合より、青色顔料の前駆体と紫色顔料前駆
体とを混合してから顔料化したものをインキ化したほう
が、より鮮明性に優れることを見出し、本発明に到達し
たものである。また、さらに高彩度で光沢に優れ、結果
的に着色力が高く分散性が良好な紺藍色顔料を得られる
ことも見出した。
【0006】本発明は以下の発明を提供する。 1. 平均一次粒子径0.001〜0.1μmの粗製銅
フタロシアニン(A)及び平均一次粒子径0.01〜
0.2μmの粗製ジオキサジンバイオレット(B)との
混合物を顔料化処理することを特徴とする紺藍色顔料組
成物の製造方法。
【0007】2. 平均一次粒子径0.001〜0.1
μmの粗製銅フタロシアニン(A)及び平均一次粒子径
0.01〜0.2μmの粗製ジオキサジンバイオレット
(B)との混合物を顔料化処理することを特徴とするグ
ラビア・フレキソインキ用紺藍色顔料組成物の製造方
法。
【0008】3. 顔料化処理が、有機溶剤のみか有機
溶剤と水との混合物中で、前記(A)及び(B)を攪拌
する方法であることを特徴とした上記1または2記載の
紺藍色顔料組成物の製造方法。
【0009】4. グラビア・フレキソインキが、水性
フレキソインキである上記2記載の紺藍色顔料組成物の
製造方法。
【0010】
【発明の実施形態】以下、本発明を詳細に説明する。本
発明では、平均一次粒子径0.001〜0.1μmの粗
製銅フタロシアニン(A)及び平均一次粒子径0.01
〜0.2μmの粗製ジオキサジンバイオレット(B)と
の混合物を顔料化処理して紺藍色顔料組成物とすること
を最大の特徴とする。
【0011】このような方法で得られた顔料は、粗製銅
フタロシアニンを必要に応じて磨砕してから顔料化して
予め得られた銅フタロシアニン顔料と、粗製ジオキサジ
ンバイオレットを必要に応じて磨砕してから顔料化して
予め得られたジオキサジンバイオレット顔料とを混合し
た顔料組成物では奏しえない優れた技術的効果を発現す
る。
【0012】本発明に使用される、平均一次粒子径0.
001〜0.1μmの粗製銅フタロシアニン(A)と、
平均一次粒子径0.01〜0.2μmの粗製ジオキサジ
ンバイオレット(B)は、公知慣用のものがいずれも使
用できる。この様な平均粒子径のものは、より大きな粒
子径の粗製物を磨砕することにより得ることができる。
これらは、いずれも従来公知の方法で製造することが出
来る。
【0013】本発明に使用される、前記(A)より大き
な粒子径の粗製銅フタロシアニンは、例えば次の様な方
法で製造できる。 (1)無水フタル酸もしくはその誘導体,尿素もしくは
その誘導体および銅源とを反応させる。 (2)フタロジニトリルおよび銅源を反応させる。
【0014】その場合、フタル酸誘導体としては、例え
ばフタル酸塩、無水フタル酸、フタルイミド、フタルア
ミド酸及びその塩またはそのエステル、フタロニトリル
等、尿素誘導体としては、例えば尿素、アンモニア等、
銅源としては、例えば金属銅、第一銅または第二銅のハ
ロゲン化物、酸化銅、硫酸銅、硫化銅、水酸化銅等、触
媒としては、例えばモリブデン酸アンモニウム、酸化モ
リブデン等のモリブデン化合物、四塩化チタン、チタン
酸エステル等のチタン化合物、塩化ジルコニウム、炭酸
ジルコニウム等のジルコニウム化合物、酸化アンチモ
ン、ホウ酸等、有機溶媒としては、例えばアルキルベン
ゼン、アルキルナフタレン等の芳香族炭化水素、アルキ
ルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素、デカ
ン、ドデカン等の脂肪族炭化水素、ニトロベンゼン、ニ
トロトルエン等の芳香族ニトロ化合物、トリクロロベン
ゼン、クロルナフタレン等の芳香族ハロゲン化炭化水素
等が挙げられる。
【0015】上記した製造方法(1)または(2)の反
応により粗製銅フタロシアニンを製造するに当たって
は、上記各原料に対して、必要に応じ触媒を加え、有機
溶媒の存在下あるいは不存在下で、例えば180℃〜3
00℃で、1〜5時間加熱する。
【0016】一方、本発明に使用される、前記(B)よ
り大きな粒子径の粗製ジオキサジンバイオレットも、公
知慣用のものがいずれも使用できる。粗製ジオキサジン
バイオレットは、例えば3−アミノ−N−アルキル(C
1〜C4)カルバゾールとクロラニルを、脱酸剤の存在
下で、不活性溶媒中において反応させ縮合物を得、次い
で、この縮合物を不活性溶媒中で有機酸の存在下に加熱
し環化して得る製造方法などが挙げられる。
【0017】その場合、脱酸剤としては、例えば炭酸ナ
トリウム、アンモニア、ソーダ灰、重炭酸ソーダ、苛性
アルカリ、炭酸カリウム等、不活性溶媒としては、例え
ばモノクロルベンゼン、オルトジクロルベンゼン、トリ
クロルベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン
等、有機酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸又は安
息香酸等のモノカルボン酸、シュウ酸、フタル酸又はテ
レフタル酸等のジカルボン酸、ベンゼンスルフォン酸、
トルエンスルフォン酸等のスルフォン酸等が挙げられ
る。
【0018】この縮合物を得るに当たっては、例えば1
80〜260℃で、4〜8時間加熱され、環化に当たっ
ては、例えば160〜180℃で、4〜8時間加熱され
る。
【0019】前記(A)や(B)より大きな粒子径の粗
製フタロシアニンと粗製ジオキサジンバイオレットは、
いずれも、製造直後のスラリー状のものでも、ウエット
ケーキ状のものでも良いが、いずれも、乾燥した状態の
ものが好ましい。これら粗製物としては、平均一次粒子
径が10〜100μmのもの使用できる。
【0020】粗製物を磨砕することにより、後述の顔料
化処理を行うのに適した、より小さい平均一次粒子径と
することができる。得られる磨砕物がその効果を有効に
示すには銅フタロシアニンの場合は、磨砕物の平均一次
粒子径が0.001〜0.05μmが、ジオキサジンバ
イオレットの場合は、磨砕物の平均一次粒子径が0.0
2〜0.1μmとなる様にするのが好ましい。
【0021】前記(A)や(B)より大きな粒子径の粗
製フタロシアニンと粗製ジオキサジンバイオレットを、
前記範囲となる様にするには磨砕するのが好ましい。磨
砕する場合に公知慣用の磨砕手段が採用し得る。磨砕手
段としては、湿式磨砕よりは乾式磨砕が過度の凝集が起
こりにくい点、より容易に結晶変換が行える点、かつ作
業性にも優れる点でより好ましい。
【0022】乾式磨砕は、例えば、銅フタロシアニンや
ジオキサジンバイオレットと反応性を有さず、それらを
溶解しない食塩、芒硝等の磨砕助剤の存在下あるいは不
存在下、アトライター、ボールミル、振動ミル等を用い
て容易に実施できる。乾式磨砕としては磨砕助剤存在
下、ガラスビーズ、金属ビーズ等の分散メディアの存在
下で行うのがより好ましい。
【0023】本発明では顔料化処理は、例えば、磨砕さ
れた粗製銅フタロシアニン(A)と磨砕された粗製ジオ
キサジンバイオレット(B)の混合物の存在下で行われ
る。即ち、銅フタロシアニン顔料とジオキサジンバイオ
レット顔料とを含む本発明の紺藍色顔料は、上記した様
にして得られた前記(A)及び(B)を含む粗製物を顔
料化することにより、例えば得ることが出来る。
【0024】粗製銅フタロシアニン(A)と粗製ジオキ
サジンバイオレット(B)の混合物は、そのままの状態
で使用することができる。例えば、より大きな粒子径の
粗製物各々単独で磨砕されたものの混合物、または、前
記(A)より大きな粒子径の粗製銅フタロシアニンと前
記(B)より大きな粒子径の粗製ジオキサジンバイオレ
ットの混合物を磨砕したものを使用することができる
が、好ましくは前者である。これらを用いて後述する顔
料化を行ったほうが、グラビアインキやフレキソインキ
に用いた場合には、最終的に得られる着色塗膜の光沢や
着色力は、より優れたものとなるので好ましい。
【0025】顔料化に際しての、粗製銅フタロシアニン
(A)と粗製ジオキサジンバイオレット(B)の混合比
は、自由に選ぶことが出来るが、一般に使用されている
紺藍色調のインキを得るには粗製銅フタロシアニンに対
して、粗製ジオキサジンバイオレット0.1〜10.0
重量%となる様に用いるのが好ましい。粗製銅フタロシ
アニン/粗製ジオキサジンバイオレット(重量比)は、
99.9/0.1〜90/10とすることが好ましい。
【0026】顔料化処理は、従来公知の粗製銅フタロシ
アニンの顔料化法と同じ方法で行うことができる。例え
ば従来の顔料化法としては(1)磨砕された粗製銅フタ
ロシアニンと磨砕された粗製ジオキサジンバイオレット
を有機溶剤と水溶性無機塩類とともに機械的磨砕するソ
ルベントソルトミリング法、(2)磨砕された粗製銅フ
タロシアニンと磨砕された粗製ジオキサジンバイオレッ
トを有機溶剤のみまたは有機溶剤と水とともに加熱攪拌
するソルベント法、(3)磨砕された粗製銅フタロシア
ニンと磨砕された粗製ジオキサジンバイオレットを濃硫
酸に溶解または懸濁した後、水に注入し再沈殿するアシ
ッドペースト法、アシッドスラリー法などがある。
【0027】しかしながら、一回当たりの得量をより多
くし、塩を回収したりするための手間を省き、さらに、
作業工程の簡便性、作業時間の短縮等の作業環境の向上
が期待できる点で、そして、より光沢に優れた顔料組成
物を得るには、本発明の顔料化処理としては(2)のソ
ルベント法が最も好ましい。
【0028】本発明に有効である顔料化処理法である、
粗製銅フタロシアニン(A)と粗製ジオキサジンバイオ
レット(B)を有機溶剤のみまたは有機溶剤と水ととも
に加熱攪拌する方法の詳細を説明する。
【0029】磨砕して得た粗製銅フタロシアニンと磨砕
した得た粗製ジオキサジンバイオレットの混合物、また
は、より大きな粒子径の粗製銅フタロシアニンとより大
きな粒子径の粗製ジオキサジンバイオレットとの混合物
を磨砕したものからなる、より小さな平均粒子径を有す
る(A)及び(B)の混合物に対し、有機溶剤のみ、ま
たは有機溶剤と水を入れて顔料化を行う(有機溶剤の
み、または有機溶剤と水との混合物を、以下、液媒体と
称する。)。この顔料化により、結晶変換を行うと共に
前記(A)及び(B)をより大きな平均粒子径へと結晶
成長させる。
【0030】本発明に有効である顔料化処理法である、
磨砕された粗製銅フタロシアニンと磨砕された粗製ジオ
キサジンバイオレットを液媒体と加熱攪拌する方法で
は、好適なものとして安定なβ型結晶に結晶転移可能な
有機溶剤が使用される。その処理方法で液媒体は、有機
溶剤単独で用いられる場合や、水と有機溶剤単独あるい
は複数で使用される場合がある。このような処理は、好
ましくは加熱下で行われる。また、水と混合した溶剤を
使用する場合、水との親和性がない溶剤は界面活性剤で
エマルションにして用いてもよい。
【0031】ここで使用できる有機溶剤としては、例え
ばトルエン、キシレン、ミネラルスピリッツ等の炭化水
素類;メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;
プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、
イソブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、シクロヘキサノール等のアルコール類;トリクロロ
エタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロ
ゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、
ジグライム、アニソール等のエーテル類;酢酸エチル、
酢酸プロピル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブ
チルセロソルブアセテート等のエステル類;ジメチルホ
ルムアマイド、N−メチルピロリドン等のアミド類等が
挙げられる。さらに、これらの溶剤2種類以上の混合物
を用いることもできる。また、これらの溶剤に水を加
え、水溶液または液−液二相系の形態で用いることもで
きる。
【0032】ソルベント法は、前記(A)及び(B)の
混合物を、それに対し大過剰の液媒体に浸漬して温度5
0〜180℃で30分〜5時間攪拌する方法である。そ
の液媒体使用量は、前記混合物100重量部当たり、4
00〜1000重量部である。
【0033】この際の液媒体としては、有機溶剤と水と
の混合物が好ましく、イソブタノールと水の混合物が最
適である。
【0034】こうして、前記(A)及び(B)がいずれ
も顔料化した、全体として、平均粒子径0.02〜0.
2μmの、β型銅フタロシアニン顔料とジオキサジンバ
イオレット顔料とを含む紺藍色顔料組成物を得ることが
出来る。
【0035】このソルベント法での処理後は蒸留操作や
減圧操作等による脱溶剤を行った後、有機溶剤処理のみ
の場合は乾燥顔料組成物が得られ、有機溶剤−水の水溶
液、または液−液二相系の場合には水スラリーにして、
濾過工程、乾燥工程を経て乾燥顔料組成物を得ることが
できる。また、有機溶剤−水の水溶液の場合、蒸留や減
圧等の操作を行わずに直接濾過し、顔料中の有機溶剤分
を完全に除去するまで洗浄した後、乾燥工程を経て乾燥
顔料組成物を得ることもできる。または洗浄水を含んだ
分散液の状態で、スプレードライーヤー等で乾燥するこ
とも可能である。
【0036】尚、製造後の顔料表面の適性付与を目的と
して、顔料化時に顔料誘導体、顔料分散剤、ロジン等を
共存下で行っても良い。
【0037】こうして乾燥した紺藍色顔料組成物は、そ
のままで顔料として使用に供することができる程度に容
易にほぐれるが、必要であれば、さらに粉砕を行っても
よいし、粒子径分布をシャープとするために、分級を行
ってもよい。
【0038】本発明の紺藍色顔料組成物は、公知慣用の
分野、例えばグラビアインキ、フレキソインキ等の汎用
インキ、焼付塗料、UV塗料、常乾塗料等の汎用塗料、
熱可塑性成形品の着色、電子写真用トナー、ジェットプ
リンターインキ、カラーフィルター等の記録材料の公知
慣用な用途に使用可能である。
【0039】本発明の紺藍色顔料組成物は、グラビアイ
ンキまたはフレキソインキの調製用として特に好適であ
る。
【0040】グラビアインキまたはフレキソインキは、
例えば、ベヒクルに本発明で得られる紺藍色顔料組成物
を分散させることにより調製することが出来る。ベヒク
ルは、通常樹脂、水及び/又は有機溶剤を主成分として
その他添加剤を均一混合することにより調製される。油
性インキを調製する際には、溶媒として疎水性有機溶
剤、当該溶剤に溶解する樹脂を用い、水性インキを調製
する際には、溶媒として水のみまたは水と親水性有機溶
剤、当該溶剤に安定に溶解するか分散する樹脂が用いら
れる。
【0041】本発明によって得られた紺藍色顔料組成物
は、水性フレキソインキにおいてその特徴を最も有効に
示すものであり、ここで用いるベヒクルは、通常樹脂、
溶媒、可塑剤、ワックス、及び滑剤、消泡剤その他を用
いて調製される。
【0042】ここで樹脂としては、例えば天然樹脂系の
シェラック、合成樹脂系のロジン変成マレイン酸樹脂、
スチレン−アクリル酸樹脂、アクリル酸−アクリル酸エ
ステル樹脂、ポリエステル樹脂の他、水溶性ポリアミド
樹脂、水性ポリウレタン樹脂などが挙げられる。溶媒は
水のみでも良いが、親水性有機溶剤が併用されるのが一
般的である。親水性有機溶剤としては、例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコ
ール系溶媒が好適に用いられる。
【0043】インキの調製に当たっては、樹脂不揮発分
100重量部当たり、本発明の顔料組成物200〜60
0重量部となる様に調製される。
【0044】尚、本発明の紺藍色顔料組成物が油性イン
キ用として用いられる場合には、上記予め顔料化処理さ
れたものを油性インキ用ワニス等に混合してインキを調
製することが出来るが、例えば磨砕された粗製物を油性
インキ用ワニス等の存在下で、顔料化処理とインキ化処
理を同時に行うことも可能である。
【0045】こうして得られたインキは、公知慣用な被
印刷媒体に塗布し乾燥することにより印刷することがで
きる。被印刷媒体としては、例えば紙、樹脂コート紙、
合成樹脂フィルムやシート等が挙げられる。
【0046】
【実施例】以下に実施例、参考例、比較例を挙げる。実
施例、参考例および比較例中、部とあるのは重量部であ
り、%とあるのは重量%である。
【0047】以下の実施例で用いた、乾式磨砕された粗
製銅フタロシアニンは、平均一次粒子径0.01μmの
もの(以下、粗製銅フタロシアニン(A)という。)
を、乾式磨砕された粗製ジオキサジンバイオレットは、
平均一次粒子径0.05μmのもの(粗製ジオキサジン
バイオレット(A)という。)である。
【0048】実施例1 粗製銅フタロシアニン(A)99%と粗製ジオキサジン
バイオレット(B)1%との混合物60部、水200
部、イソブタノール100部をそれぞれ環流管付きセパ
ラブルフラスコに仕込み、温度89℃で6時間環流操作
を行った。その後、蒸留操作は徐々に温度を上げ、水湿
潤液が100℃になるようにすることで完全にイソブタ
ノールを除去した。その後、濾過及び多量の水で洗浄し
た後、乾燥し紺藍色顔料組成物58部を得た。この顔料
組成物の平均一次粒子径は、0.1μmであった。
【0049】実施例2 前記混合物に代えて、粗製銅フタロシアニン(A)95
%と粗製ジオキサジンバイオレット(B)5%の混合物
を用いた以外の操作は実施例1と同様にして行い、紺藍
色顔料組成物58部を得た。この顔料組成物の平均一次
粒子径は、0.05μmであった。
【0050】実施例3 前記混合物に代えて、粗製銅フタロシアニン(A)93
%と粗製ジオキサジンバイオレット(B)7%の混合物
にした以外の操作は実施例1と同様にして行い、紺藍色
顔料組成物57部を得た。この顔料組成物の平均一次粒
子径は、0.03μmであった。
【0051】水性フレキソインキの作成 実施例1、実施例2、実施例3で得られた紺藍色顔料組
成物、β型銅フタロシアニン顔料(Fastogen
Blue 5380E 大日本インキ社製)、およびジ
オキサジンバイオレット顔料(Fastogen Su
per Violet RVS 大日本インキ社製)の
40部、ベヒクル(ジョンソンワックス社製ジョンクリ
ル61J、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体の水分散液。不揮発分31
%)34.5部、IPA(イソプロパノール)34.5
部、消泡剤0.2部を1/8スチールビーズ250部と
ともに250cc容器に入れペイントミル(東洋精機社
製)で30分間運転し、実施例と比較例に対応する各々
の水性フレキソインキを得た。
【0052】比較例1 β型銅フタロシアニン顔料(Fastogen Blu
e 5380E 大日本インキ社製)から得られた水性
フレキソインキ99%とジオキサジンバイオレット顔料
(Fastogen Super Violet RV
S 大日本インキ社製)から得られた水性フレキソイン
キ1%を前出のペイントミルで10分間混合して紺藍顔
料水性フレキソインキを得た。
【0053】以上の方法により水性フレキソインキを作
成した。また、その結果を表1に示す。
【0054】
【表1】表 1
【0055】評価方法 ※1 鮮明性 得られた水性フレキソインキを0.15mmバーコータ
ーを用いて上質紙に展色し鮮明性を目視により判定し
た。
【0056】※2 光沢 鮮明性評価に使用した展色物を、haze−gloss
meter(BYK・Gardner社製)で光沢の
測定を行った。比較例1を100(標準)として実施例
1、実施例2、実施例3の比較を数値化した。
【0057】※3 着色力 鮮明性評価で得た各々水性フレキソインキ1.5部、白
インキ(ダイフレックスACT709白、大日本インキ
化学工業社製)35部を100cc容器にいれ良く混合
して淡色インキを得た。得られた淡色インキを0.15
mmバーコーターを用いて上質紙に展色し、SPECT
RAFLASH500(data color社製)で
着色力を測定した。比較例1を100(標準)として実
施例1、実施例2、実施例3の比較を数値化した。
【0058】※4 色相 着色力評価で得られた淡色インキ展色物をSPECTRAFLASH
500(data color社製)でa*値を参考例、実施例
1、実施例2、実施例3、比較例1について測定した。
ここで、a*値は数値が大きい程(青色の場合、0に近
づく程)、赤味傾向が大きく、紺藍色顔料としてはユー
ザー要求の高い顔料となる。
【0059】表1の実施例1と比較例1との対比からわ
かる様に、実施例1の顔料組成物から得たインキは、比
較例1の顔料から得たそれに比べて、鮮明性、光沢、着
色力のいずれにおいても優っている。また、同一顔料含
有量において、より赤味傾向が大きな色相が得られてい
るのは極めて意外である。
【0060】
【発明の効果】このようにして得られた本発明の紺藍色
顔料組成物は、配合顔料のインキ化品やフタロシアニン
顔料のインキ化品に比べ、色相が鮮明でa*値がより大
きく、更には高着色力、かつ高光沢を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 11/02 C09D 11/02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均一次粒子径0.001〜0.1μm
    の粗製銅フタロシアニン(A)及び平均一次粒子径0.
    01〜0.2μmの粗製ジオキサジンバイオレット
    (B)との混合物を顔料化処理することを特徴とする紺
    藍色顔料組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 平均一次粒子径0.001〜0.1μm
    の粗製銅フタロシアニン(A)及び平均一次粒子径0.
    01〜0.2μmの粗製ジオキサジンバイオレット
    (B)との混合物を顔料化処理することを特徴とするグ
    ラビア・フレキソインキ用紺藍色顔料組成物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 顔料化処理が、有機溶剤のみか有機溶剤
    と水との混合物中で、前記(A)及び(B)を攪拌する
    方法であることを特徴とした請求項1または請求項2記
    載の紺藍色顔料組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 グラビア・フレキソインキが、水性フレ
    キソインキである請求項2記載の紺藍色顔料組成物の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008285532A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Toyo Ink Mfg Co Ltd 微細ポリハロゲン化フタロシアニン顔料、その製造方法及びそれを用いた着色組成物
US7922807B2 (en) 2006-01-10 2011-04-12 Canon Kabushiki Kaisha Method of producing pigment dispersion

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