JP2000290282A - アルコール−シリコン直接合成溶媒類から溶解したシリケート類の除去 - Google Patents

アルコール−シリコン直接合成溶媒類から溶解したシリケート類の除去

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 アルコキシシラン類のスラリー相直接合
成で使用した溶媒から溶解したシラン類、シリコーン類
およびシリケート類を、ギ酸のようなカルボン酸を加
え、濾過可能な沈殿物および再使用できる溶媒を形成す
ることにより除去する。得られた溶媒は、それにより修
復され、直接合成プロセスに再使用するのに適してい
る。 【効果】修復した溶媒を用いて発泡が減少しシリコン変
換速度はより速い。沈殿物は容易に濾過され溶媒に無視
しうる量しか残らない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明の方法は、アルコキシシラン類の
スラリー相直接合成において使用した溶媒から溶解した
シラン類、シリコーン類およびシリケート類を除去する
ことに関する。溶媒はそれにより修復(remedia
ted)され、前記直接合成の再使用に適する。さらに
詳細には、本発明は、カルボン酸、好ましくはギ酸を使
用して溶解したシラン類、シリコーン類およびシリケー
ト類と反応させ、容易に濾過ができる沈殿物および再使
用可能な溶媒をもたらす。
【0002】
【発明の背景】トリアルコキシシラン類、特にトリメト
キシシランおよびトリエトキシシランはシランカップリ
ング剤の製造に使用される。トリアルコキシシラン類の
一つの合成法は、シリコンとアルコールとから直接行わ
れる。この方法は、直接合成(Direct Synt
hesis)、直接反応(Direct Reacti
on)、直接法(Direct Process)また
はRochow Reactionとして当業界でさま
ざま知られている。
【0003】トリアルコキシシラン類のための直接合成
はスラリー反応器中で最も都合よく行われる。トリアル
コキシシラン類の直接合成のためのスラリー反応器中で
は、触媒により活性化されたシリコン粒子を不活性高沸
点溶媒中に懸濁させて維持し、上昇させた温度でアルコ
ールと反応させる。この種の反応は、米国特許第3,6
41,077号、第3,775,457号、第4,72
7,173号、第4,761,492号、第4,76
2,939号、第4,999,446号、第5,08
4,590号、第5,103,034号、第5,36
2,897号、第5,527,937号各明細書、米国
継続出願08/728,228号および08/729,
266号明細書ならびに特開平55−28928号公報
(1980年)、同55−28929号公報(1980
年)、同55−76891号公報(1980年)、同5
7−108094号公報(1982年)、同62−96
433号公報(1987年)および特開平06−306
083号公報(1994年)に開示されている(これら
の特許明細書を参照として本明細書に含める)。これら
の特許明細書に開示されている溶媒は活性化条件および
反応条件下で劣化しない。好適なものの例は高温で安定
でありしかも典型的には熱交換媒体として使用される約
250℃よりも高い標準沸点を持つ有機溶媒である。こ
れらの基準に合致する溶媒には市販製品であるTHER
MINOL(登録商標)59、THERMINOL(登
録商標)60、THERMINOL(登録商標)66、
DOWTHERM(登録商標)HT、MARLOTHE
RM(登録商標)S、MARLOTHERM(登録商
標)Lならびにジフェニルエーテル、ジフェニル、ター
フェニル、アルキル化ベンゼン類、アルキル化ジフェニ
ル類およびアルキル化ターフェニル類等がある。
【0004】テトラアルコキシシラン類(アルキルシリ
ケート類、オルトケイ酸のエステル類およびシリコンア
ルコキシド類とも呼ばれる)は、スラリー相直接合成プ
ロセスで製造され、溶媒はしばしば生成物自身である。
触媒は銅または銅化合物であることができ、しかし普通
は高沸点アルコールのアルカリまたはアルカリ金属塩で
ある。このようなプロセスは米国特許第3,627,8
07号、同第3,803,197号、第4,113,7
61号、第4,288,604号および第4,323,
690号各明細書に開示されている(これらの特許明細
書を参照として本明細書に含める)。エチルシリケート
は最も大量に製造されているテトラアルコキシシランで
ある。これおよびその部分加水分解誘導体は、コーチン
グ、特に腐食抵抗性亜鉛豊富コーチングならびに広範囲
の種々の成形および精密鋳造用途の結合剤として使用さ
れる。
【0005】トリアルコキシシラン類の直接合成の過程
中に、アルキルシリケート類のような副生物が溶媒中に
蓄積し、粘度の増加の原因となり、触媒活性を低下させ
たり反応スラリー中に泡立たせたりする。これらの作用
は溶媒の長期間使用を制限し、その処分や修復が必要と
なる。R.J.Ayen等の "Better Ceramics Throug
h Chemistry II," C.J.Brinker, D.E.Clark およびD.R.
Ulrich, Editors, Material Research Society, Pittsb
urgh, PA, 1986. pp 801? 808はテトラエトキシシラン
の製造に伴ってこの問題が起こることを認識している
が、しかし、溶媒またはスラリーの処分または回収の具
体的方法を開示していない。米国特許第5,166,3
84号明細書はホウ酸塩およびアルカリ金属アルコキシ
ド類を使用して汚染物を沈殿させ、溶媒の再使用をもた
らすことを開示する。
【0006】Leznov等は、Journal of General C
hemistry, USSR, 29(1959)1482? 1487 で、環状および
線状ポリ(ジエチルシロキサン類)の合成のためにギ酸
や酢酸のようなカルボン酸を使用してSi−OR(R=
脂肪族または芳香族基)およびSiOH官能基の酸分解
反応を記載する。米国特許第2,486,992号明細
書で撥水性テキスタイル製品の製造のために、同4,9
50,779号明細書でポリシロキサン合成のために、
同第5,378,790号、第5,412,016号、
第5,441,718号各明細書およびS.Sakka
等の "Ultrastructure Processing of Advanced Cerami
cs," (J. D. MackenzieおよびD. R. Ulrich編, John Wi
ley & Sons, NY 1988, pp 159? 171 )でシリカゲル類
の製造のために同様な酸分解反応も使用される。これら
の文献のいずれも、使用済み直接合成反応溶媒をその使
用前に修復するように、溶解したシリケート類およびそ
の他の汚染物を除去するためのカルボン酸の使用を示唆
していない。
【0007】
【発明の概要】本発明はトリアルコキシシラン類および
テトラアルコキシシラン類の直接合成から溶媒を修復し
再使用する方法を提供する。この方法は酸分解反応にカ
ルボン酸を使用し、汚染した溶媒中の溶解したシリケー
ト類、シロキサン類およびシラン類から固体生成物を得
ることを含む。その後、修復した溶媒を直接合成プロセ
ス中の再使用のために回収する。回収は、固体物質から
溶媒を分離することにより達成でき、必要の場合、過剰
の酸を分離した溶媒から除去する。
【0008】場合により、液/固分離を容易にし、溶媒
修復プロセスの全体としての効率を改良するためにカル
ボン酸処理の前または後に濾過助剤を使用する。この全
プロセスは原料物質の浪費を少なくし、現在の工業プロ
セスよりもより工業的に価値があり、より環境的に許容
できる。
【0009】
【発明の詳細な記述】アルコキシシラン類およびテトラ
アルコキシシラン類の直接合成用のスラリー−相反応器
は回分方式または連続方式で操作できる。回分操作で
は、最初シリコンおよび触媒を一回添加し、シリコンが
十分に反応するか所望の程度に変換反応するまで、連続
的または間欠的にアルコールを加える。典型的には、ア
ルコールを気相状態で加えるが、液相添加も可能であ
る。連続操作では、先ず反応器にシリコンと触媒を加
え、その後、所望の限度内にスラリーの固形分を維持す
る。回分方式は米国特許第4,727,173号明細書
中に、ならびに継続出願08/728,228号(19
96年10月10日出願)および08/729,266
号(1996年10月10日出願)中にトリアルコキシ
シラン類の直接合成について例証されている(これらの
明細書総てを参照として本明細書に含める)。所望の反
応生成物を、アルコール反応物との気相混合物状態で反
応器から除去する。生成物の単離は、公知の手順に従う
蒸留により容易に行われる。
【0010】トリアルコキシシラン類の連続直接合成に
ついては米国特許第5,084,590号明細書に、テ
トラアルコキシシラン類については米国特許第3,62
7,807号、同第3,803,197号および同第
4,752,64号各明細書に開示されている(これら
すべてを参照として本明細書に含める)。
【0011】シリコン金属、触媒および溶媒を任意の順
序で反応器中で一緒に加えることができる。溶媒は固形
分およびガス状反応物が均一に分散するに足る量で存在
する。一般に、反応は、溶媒および固形分が重量比で
1:2〜4:1,好ましくは1:1〜2:1の重量比で
開始される。しかし、シリコンが回分式直接合成の間に
消費されるので、溶媒対固形分の比は増加させ得る。こ
の比率は連続反応についての好適な範囲の狭い限度内に
維持できる。
【0012】所望の反応性生物を反応器からアルコール
反応物との気相混合物状で取り出す。トリアルコキシシ
ランまたはテトラアルコキシシランについての選択は触
媒と反応条件との適当な選択により行うことができる。
所望のトリアルコキシシランおよび/またはテトラアル
コキシシランのアルコール反応物からの単離は公知の手
順に従う蒸留により容易に為される。
【0013】溶解したシリケート類および未反応固形分
の蓄積により概ねもたらされる欠点(例えば、発泡、粘
度増加および反応効率の損失)が原因で、溶媒は、場合
により、これらの不要物の除去のための処理が為されな
ければならない。さもないと、直接合成の能率が落ち、
プロセスが経済的でなくなる。
【0014】次の反応式は、トリアルコキシシラン類お
よびテトラアルコキシシラン類の直接合成の間に起こる
主要な化学反応の代表である。
【0015】
【化1】
【0016】トリアルコキシシラン類の直接合成の望ま
しい生成物は、一般式:HSi(OR)3(式中、Rは
1〜6個の炭素原子のアルキル基である)。Rは好まし
くはメチルおよびエチルである。合成の副生物には、S
i(OR)4、RSiH(OR)2、RSi(OR)3
線状、分枝したおよび環状シリケート類、例えば、(R
O)3SiOSi(OR)3、H(RO)2SiOSi
(OR)2H、HSi(RO)2OSi(OR)3、(R
O)3SiOSi(OR)2R、(RO)3SiOSi
(RO)2OSi(RO)3、(RO)3SiOSi(O
R)HOSi(OR)3、(RO)3SiOSi(OR)
ROSi(OR)3、(RO)Si[OSi(OR)3
3、(RO)3SiOSi(OR)(OSi(OR)3
OSi(OR)3、ならびに[OSi(OR)2]n(n
=4,5,6...)、水素ガス、炭化水素類(R
H)、例えば、メタンおよびエタン、アルケン類(R'
CH=CH2)例えば、エチレンおよびエーテル類(R
OR)、例えば、ジメチルエーテルおよびジエチルエー
テルを含む。アルケン副生物について、一般式:R′C
H=CH 2では、R′は水素または1〜4個の炭素原子
のアルキル基である。水素ガス、炭化水素類およびエー
テル類は、典型的には、冷却トラップ中で液体生成物と
共には濃縮されず、ガス流として装置を出る。シリケー
ト類のいくらかは反応器の外で揮発され、液体反応生成
物に可溶性である。殆どが溶媒中に溶解して残るかまた
は不溶性ゲルとして沈殿する。
【0017】テトラアルコキシシラン類の直接合成は、
式[9]によって表される。
【0018】
【化2】
【0019】同様のシリケートおよびガス状副生物はト
リアルコキシシラン直接合成におけると同様に形成され
る。トリアルコキシシラン類の直接合成に使用されるシ
リコンおよび銅原料物質の記載は、米国特許第3,77
5,457号および第4,727,173号各明細書、
ならびに同時継続出願08/728228号(1996
年10月10日)および08/729266号(199
6年10月10日)に与えられている(これらの記載を
参照として本明細書に含める)。使用済み溶媒は暗色微
粒子をも含み、これらは反応器に装填されたシリコンお
よび銅またはアルカリ金属触媒から誘導される。これら
の微粒子は、とりわけシリコン、銅、鉄、アルミニウ
ム、クロム、マンガン、ニッケル、酸素、リンおよびチ
タン元素を含有し、時に、特に、ゼラチン様シリケート
も存在する場合濾過または遠心による分離が困難であ
る。主な粒子はミクロメーター以下から約50ミクロメ
ーターまでにおよぶ。凝集は相当に大きい。
【0020】場合により、固体および/または液体濾過
助剤をこれらの固形分の分離を容易にするために、カル
ボン酸の添加前または添加後に加える。適当な濾過助剤
には、SOLKAFLOC(登録商標)のようなセルロ
ース系製品;GOOD−RITE(登録商標)705
8、CARBOPOL(登録商標)980、PEMUL
EN(登録商標)TR1、PEMULEN(登録商標)
TR2およびPEMULEN(登録商標)1622のよ
うなアクリル酸樹脂;MILLITHIX(登録商標)
925;ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシ
ドおよびそれらのコポリマー;CELITE(登録商
標)およびCLEATOM(登録商標)製品のような珪
藻土製濾過助剤;ならびに:ケイ酸カルシウムおよびケ
イ酸マグネシウムのような無機シリケート類等がある。
これらの濾過助剤の混合物も有利に使用できる。有効な
固形分採取に必要な濾過助剤の量は、とりわけ、濾過助
剤の粒度および表面特性、使用した反応溶媒の固形分な
らびに固形分がゼラチン様かまたは結晶性かどうかのよ
うな因子に依存する。0.1重量%(使用した溶媒の総
重量を基準)程度の少量はある場合には充分であるかも
しれないが、他の場合には含有される固体の重量に等し
い量の濾過助剤が、迅速で連続した濾過および清澄のた
めに必要であるかもしれない。固形分が主にゼラチン様
である場合、さらに多量の濾過助剤が必要である場合が
ある。さらに、ある物質は過剰の濾過助剤が濾過速度を
低くするかもしれない量を超えると最適使用量を発揮す
ることが経験的に見出されている。したがって、セルロ
ース製、シリカ質、アクリル酸樹脂およびポリマー製濾
過助剤の総てが全く等しい効果ではない。本発明の方法
に好適な材料はSOLKAFLOC(登録商標)、PE
MULEN(登録商標)TR1、PEMULEN(登録
商標)TR2、PEMULEN(登録商標)1622、
GOODRITE(登録商標)7058およびCARB
OPOL(登録商標)980である。
【0021】金属カルボキシレートの形成において酸の
消費を可及的に少なくするために酸分解をする前に懸濁
した固形分を除去するのが好ましい。しかし、この工程
が絶対には必要ではないことが実施例により例証され
る。有効量の濾過助剤の助けにより使用済み溶媒から固
形分を分離することは、溶解したシリケート類の沈殿を
もたらさないで溶媒を直接合成に再循環する場合に望ま
しい。
【0022】テトラアルコキシシラン類の直接合成から
処分するためのスラリーは上述したと同様であるが、し
かし相当に少ない量の銅およびより多くのアルカリ金属
塩(例えば、ギ酸カリウム、ナトリウムエトキシド、ナ
トリウムメトキシドまたはナトリウム2−エトキシエチ
レート)を含む。これらの塩類はスラリーを非常にアル
カリ性にし、溶解したシリケート類の沈殿に必要なカル
ボン酸の量を増加させる。
【0023】アルコキシシラン類の直接合成に有用な溶
媒は熱に安定であり合成の活性化条件および反応条件下
で劣化しない。トリアルコキシシラン類のために好適な
溶媒は、熱交換媒体として典型的に使用される高温安定
性有機溶媒である。これらの例には、THERMINO
L(登録商標)59、THERMINOL(登録商標)
60、THERMINOL(登録商標)66、DOWT
HERM(登録商標)HT、MARLOTHERM(登
録商標)S、MARLOTHERM(登録商標)、ジフ
ェニルエーテル、ジフェニル、ターフェニルならびにア
ルキル化ベンゼン類、アルキル化ジフェニル類およびア
ルキル化ターフェニル類等があり、約250℃よりも高
い標準沸点を有する。
【0024】THERMINOL(登録商標)は、熱媒
液についてのMonsanto Companyの商標
名である。THERMINOL(登録商標)59は、−
45〜315℃の間で使用することが推奨されるアルキ
ル−置換芳香族化合物である。THERMINOL(登
録商標)60は、平均分子量250のポリ芳香族化合物
の混合物である。その最適温度範囲は−45〜315℃
である。THERMINOL(登録商標)66およびD
OWTHERM(登録商標)HTは、平均分子量240
の水素化ターフェニル類の混合物である。最大温度限度
は約370℃である。THERMINOL(登録商標)
59、THERMINOL(登録商標)66およびDO
WTHERM(登録商標)HTは本発明の好適な溶媒で
ある。DOWTHERM(登録商標)流体はDow C
hemical Companyにより製造されてい
る。
【0025】MARLOTHERM(登録商標)は、熱
媒液についてのHuls AGの商標名である。MAR
LOTHERM(登録商標)Sは異性体ジベンジルベン
ゼン類の混合物である。MARLOTHERM(登録商
標)Lは異性体ベンジルトルエン類の混合物である。双
方とも約350℃までの温度で使用できる。双方とも本
発明の好適な溶媒である。
【0026】適切なアルキル化ベンゼン類はドデシルベ
ンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼンお
よびそれらの混合物であり、Vista Chemic
alCompanyにより、商標名NALKYLENE
(登録商標)で販売されている。NALKYLENE
(登録商標)550BL、NALKYLENE(登録商
標)550LおよびNALKYLENE(登録商標)6
00Lは本発明の特に好適な溶媒である。アルキル化ベ
ンゼン類およびポリ芳香族炭化水素類もアルコキシシラ
ン類の直接合成に有用な溶媒である。
【0027】テトラアルコキシシラン類の直接合成は、
好ましくは溶媒としてその生成物を用いて行われる。し
かし、ジベンジルトルエン類やジイソプロピルベンゼン
のような芳香族溶媒類、および/またはトリエチレング
リコールジメチルエーテルのようなエーテル溶媒類を、
テトラアルコキシシランと混合してもよい。有用な溶媒
は、米国特許第3,803,197号、同第4,11
3,761号および同第4,752,647号各明細書
で確認され、適当な該当部分を参照として本明細書に含
める。
【0028】使用済み反応溶媒の総シリコン含量を定量
するための適当な方法は、重量測定および原子吸光分光
法である。分析手順は、例えば、「シリコーン類の分析
化学(The Analytical Chemist
ry of Silicones)」(A.L.Smi
th編)John Wiley&Sons Inc.N
Y、1991、8章で公開されている。可溶性シリケー
ト類は、赤外線スペクトルにより定性的および定量的に
分析できる。Si−O−Si結合は、1000〜120
0cm-1の範囲における強い吸収により示される。29
i核磁気共鳴(NMR)分光法を使用して使用済み溶媒
中の異なるシリコン含有種を検出し定量することができ
る。
【0029】シリコン化学の命名法では、4個の酸素原
子に結合されたシリコン原子はQ族と呼ばれる。Q0
モノマーSi(OR)4を表す。Q1は、鎖の末端におけ
る基OSi(OR)3を呼ぶ。Q2は鎖内または環内の内
部基OSi(OR)2Oを表す。Q3は枝分かれした部位
OSiO(OR)Oを、およびQ4は十分に架橋された
基Si(OSi)4を呼ぶ。これらの基は、−70〜−
120ppmの範囲内に特徴的な29SiNMR化学シフ
トがあり、これらはDEPTおよび深さパルス分析(d
epth pulse analysis)の使用によ
り容易に割り当てられる。Brunet等、(Jour
nal of Physical Chemistr
y、vol.95(1991)、pp945〜951;
およびJournal of Non−Crystal
line Solid、vol.163(1993)p
p211〜225)ならびにBendall等、(Jo
urnal of Magnetic Resonan
ce、vol.53(1983)365−385)によ
る刊行物はこれらのNMR分析法の使用を詳述する。ア
ルコキシシラン類の直接合成由来の使用済み炭化水素溶
媒に対するIRおよびNMR技術の適用は下記の実施例
で例証されている。ガスクロマトグラフィー(GC)分
析および質量分析(MS)も使用済み反応溶媒中のシリ
ケート類を定量するのに信頼性があり且つ正確な技術で
あることが判明している。
【0030】溶媒の不要物処理および再使用についての
本発明の方法は、アルコキシシラン類およびテトラアル
コキシシラン類の直接合成に使用されるいずれの溶媒ま
たは溶媒の混合物にも応用できる。本発明の方法は、使
用済み溶媒にカルボン酸を添加し、固形分および揮発性
反応生成物を分離し、修復した溶媒を再使用するために
回収することを含む。固体不要物の安全な処理を容易に
するために、顆粒状の固体を生成するのが望ましく、そ
れは容易に沈降または濾過され、反応溶媒を僅かしかま
たは全く保持しない。
【0031】適切なカルボン酸は一個以上のCOOH官
能基を有することができる。例には、モノカルボン酸で
ある、ギ酸、酢酸、フロ酸、アセト酢酸、クロロ酢酸、
クロロプロパン酸、トリクロロ酢酸、ブロモ酢酸、フル
オロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ブロモ安息香酸、クロロ
安息香酸、乳酸、グリコール酸およびサリチル酸;ジカ
ルボン酸である、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸、コハク酸およびアジピン酸;ならびにクエン
酸、酒石酸およびポリアクリル酸のようなポリカルボン
酸がある。ギ酸や酢酸のような液体の低分子量酸類が好
ましい。これらの酸類は、好ましくは、市販されている
濃厚水溶液として使用される。しかし、使用前に水でさ
らに希釈してもよいが、このような希釈は溶媒の修復と
再使用の有効性を損なわないことを条件とする。したが
って、80〜99重量%のギ酸および酢酸試薬が効率的
に使用できる。
【0032】上述の化学式[6,7,8]から明らかなよ
うに、アルコキシシラン類は水と反応して縮合されたシ
リケート類を生成することがある。さらに、これらの化
学式で示されている反応生成物の縮合はゲルおよび固体
に導くことがある。使用済み直接合成溶媒を用いた実験
により、この汚染溶媒は大気中の水分でさえ水反応性で
あることが示された。使用済み溶媒に水を意図的に加え
て生成した固体は、ゼラチン質であり、溶媒から分離す
るのが非常に困難である。それらは懸濁されて残るかま
たは非常にゆっくりと沈降する。濾過助剤の使用により
分離は改良されたが、フィルターケーキは粘着性であ
り、溶媒保持力がある。しかし、使用済み溶媒と水との
反応混合物にギ酸のようなカルボン酸を加えると固形分
の沈降率が上昇し、それらの分離を改善する。酸の添加
は、それらのシラノール基および/またはアルコキシ基
の酸分解により、固形分を変化させると思われる。した
がって、本発明の方法に使用されるカルボン酸溶液は上
述した試薬等級の濃厚物よりもさらに希釈できる。10
重量%程度の低いカルボン酸を含有する水溶液は幾つか
の例で有効であることができる。好ましくは、この酸溶
液は、少なくとも25%カルボン酸、好ましくは、少な
くとも80重量%カルボン酸を含有する。
【0033】化学式[10〜16]は、ギ酸が試薬酸で
あるときの使用済み溶媒中で起こる主要な化学反応を例
示する。SiORおよびSiOH官能性は、使用済み溶
媒中の溶解または懸濁したシリケート類、シラン類およ
びシロキサン類に存在する。SiOSi形成は、結局は
固体シリケート類およびシリカの沈殿をもたらす。ギ酸
アルキルおよび対応するアルコールは揮発性副生物であ
る。それらは、所望の場合、有益に灰化または使用され
ることができる。例えば、エステル−アルコール混合物
は、埋立前の沈殿した固体から過剰の酸および溶媒を洗
浄するのに使用することができる。
【0034】
【化3】
【0035】廃溶媒に添加されるカルボン酸の量は、溶
解したシリケート類を沈殿させしかも再使用できる溶媒
を得るのに足る量でなければならない。酸の不足は有効
ではなく、過剰は、無駄である上に、溶媒を再使用する
とき望ましくない直接合成特性をもたらす可能性があ
る。最適な量は、使用済み溶媒の溶解シリコン含量を分
析し、酸基対シリコンの当量比(すなわち、COOH/
Si)を0.5〜6の範囲、またはそれよりも高比率で
さえ利用することにより見積もることができる。好適な
範囲は1〜3である。スラリーがアルカリ性であると
き、追加のカルボン酸処理が必要となりうる。
【0036】過剰のカルボン酸が使用された場合、蒸
発、活性炭のような適当な固体状の吸収または揮発性エ
ステルもしくは不溶性塩に化学変換させることにより、
処理済み溶媒からその過剰の酸を除去できる。蒸発は、
常圧または減圧で、そして熱および不活性ガス流の助け
の下で行うことができる。例えば、ギ酸や酢酸を、TH
ERMINOL(登録商標)59から50〜100℃で
大気圧またはそれより低い圧力でストリッピングするこ
とができる。
【0037】好適な実施態様では、トリメトキシシラン
またはトリエトキシシランの直接合成に使用される溶媒
は、トリアルキルオルトエステルスカベンジャー(例え
ば、オルトギ酸エステル(HC(OCH33やHC(O
253)、オルト酢酸エステル(CH3C(OC
253およびCH3C(OC372OC25)ならび
にオルト炭酸エステル(例えば、C(OCH34、C
(OC254やC(OC3 74)で処理し、痕跡のカ
ルボン酸類(例えば、ギ酸や酢酸)および/またはその
他の活性水素化合物を、溶解したシリケート類、シロキ
サン類およびシラン類を前記カルボン酸で沈殿させた後
に回収した濾液から除去する。
【0038】酸類は化学式[17]に例示されているよ
うな反応を経て揮発性エステル類に変換される。
【0039】
【化4】
【0040】15〜250℃、好ましくは20〜100
℃の範囲の温度が使用済み溶媒の安全で且つ効果的な処
理のために使用できる。最も適した温度の選択は、とり
わけ次の因子、すなわち、エステルおよびアルコールの
揮発性、酸分解の発熱性、形成した固形分の濾過の容易
性および利用できる装置の構成により決定される。酸分
解反応の時間は約10分〜約6時間またはそれ以上であ
ることができる。約30分〜約3時間の反応時間が本発
明の方法に好適である。
【0041】使用済み溶媒からカルボン酸類を用いて溶
解したシリケート類、シラン類およびシロキサン類を除
去する方法は、多くの方法で達成できる。場合によって
は、酸処理を行ってからシリコンおよび触媒固形分の分
離を直接合成に使用したのと同じ反応器中で行うのが有
利であり得る。したがって、1以上のバッチのシリコン
をアルコールと反応した後で、溶媒を修復して再循環す
る必要がある場合、反応器へのアルコール供給を停止
し、カルボン酸を、化学式[10,11,13]により
生成したエステルおよびアルコールの標準沸点を超える
温度で撹拌下の反応スラリーに加える。これらの揮発性
副生物(エステル類およびアルコール類)をオーバーヘ
ッドから採取し、場合により灰化する。カルボン酸を、
溶解したシリケート類、シロキサン類およびシラン類を
除去するのに足る速度と量で加える。シリコン、触媒
(すなわち、銅、アルカリ金属またはアルカリ土類金属
を含有する)固形物、沈殿したシリケート類および溶媒
を含むスラリーを、少量の酸、アルコールおよびエステ
ルと共に反応器からフィルター、遠心分離器またはその
他の液/固分離器に入れる。場合により、濾過助剤を分
離の容易性と速度を改善するために加える。場合によ
り、固形分は、アルコールおよびエステル混合物で洗浄
し、埋め立てるかさもなくば安全に廃棄する。回収した
溶媒は直接合成反応器に再循環させる。トリアルキルオ
ルトエステルのようなスカベンジャーの有効量を、場合
により、再循環される溶媒中に注入して残留痕跡の酸を
エステル化し、その後、当該溶媒の再使用をする。この
スカベンジャーは、この時、溶媒中の水またはその他の
活性水素化合物とも反応し、易揮発性の生成物を得る。
総ての揮発物は、溶媒が直接反応を再開するために再加
熱されているときに、溶媒からストリッピングされる。
シリコンおよび触媒は、適当な安全性および注意を払っ
てこの熱ストリッピングされた溶媒に直接合成の開始温
度未満の温度で加えられる。
【0042】あるいは、直接合成からの熱スラリーは、
場合により、有効量の濾過助剤で処理され、不要固形分
の除去のため、固/液分離器(例えば、遠心分離器また
は濾過器)中に注がれる。濾液は、なお超微細粒子を含
有するが、別の容器または場合により元の反応器に入れ
られ、そこで撹拌、カルボン酸による処理ならびにエス
テル類およびアルコール類を揮発させるのに足る温度に
維持される。カルボン酸は、シラン類、シリケート類お
よびシロキサン類を除去するのに足る速度および量で加
える。カルボン酸の添加が完了すると、場合によりオル
トエステルを注入し、さらにエステル類およびアルコー
ル類を除去する。修復した溶媒から遠心分離または濾過
により、場合により濾過助剤の助けを借り、固形分を除
去する。この溶媒を直接合成に再循環させる。
【0043】
【実施例】下記の実施例は本発明の好適な実施態様を例
証する。これらは、本発明の範囲を制限する意図はな
い。そうではなくて、これらの実施例は単に当業者によ
り本発明の実施を容易にするために提供する。
【0044】実施例のデータを示すのに使用される略号
は次の通りである:
【0045】
【表1】
【0046】下記の実施例では使用済み溶媒は、重量測
定および原子吸光スペクトルにより総シリコン含量につ
いて、そして29SiNMRにより可溶性シリコンを
0、Q1、Q2、Q3およびQ4基に種分けするために分
析した。これらの官能基の化学シフト(テトラメチルシ
ランに関連して)を下の表2に示す。これらの基のモル
%は積分面積から計算される。
【0047】
【表2】
【0048】合成シリケート混合物の製造 W.G.KlempererおよびS.D.Ramam
urthiにより「Better Ceramics
Through Chemistry III」(Br
inkley、ClarkおよびUlich編)p.3
に公開されている手順にしたがって、112.09gの
CH3OH、22.42gのHSi(OCH33、8
6.24gのSi(OCH34、7.14gのH2Oお
よび1.45gの10モルHClから線状、枝分かれし
たおよび環状シリケート類の混合物を製造した。この混
合物は、実施例1〜3で報告した比較実験で、アルキル
シリケート類の分光学的特性を例証するためにそしてS
iOCH3基とギ酸や酢酸との反応を例証するために使
用した。 (実施例1)この実施例は、トリメトキシシランの実験
室および産業規模のスラリー直接合成からの廃溶媒のシ
リコン、溶解したシリケートおよび総固形分の含量を示
す。
【0049】
【表3】
【0050】(実施例2)この実施例は、トリメトキシ
シランおよびトリエトキシシランの直接合成のために使
用した溶媒をギ酸または酢酸で処理したときにシリケー
ト固形分の沈殿が起こることを示す。結果は、未使用コ
ントロールおよび合成されたシリケート類を含有する比
較試料についても示されている(上掲参照)。
【0051】実施例1で使用されたのと同じ使用済み溶
媒の約20gアリコットを小さなガラス製瓶に移し、1
0gのHCOOH(90重量%)または10g氷酢酸C
3COOHと共に振とうさせた。室温で試料を静かに
放置し、周期的に観察した。二、三のケースでは加熱し
た。表4に観察結果を記録する。
【0052】
【表4】
【0053】試験結果は、ギ酸または酢酸で処理した総
ての使用済み溶媒試料で固形分の沈殿が起こった。この
沈殿は、合成シリケート混合物で観察されたのと同様で
あり、使用済み有機溶媒からの可溶性シリケートを除去
する証拠を与えた。 (実施例3)この実施例は、溶解したシリケート類がカ
ルボン酸による処理により使用済み溶媒から除去され、
しかも対応するアルコールおよびカルボン酸エステルが
同時に形成される証拠をFTIRおよびGC/MS分析
により与える。
【0054】HSi(OCH33の工業規模直接合成に
使用されたTHERMINOL(登録商標)59を90
重量%のHCOOHと50℃で反応させた。使用したモ
ル比〔HCOOH/Si〕は1.5〜6の範囲であっ
た。機械撹拌器、蒸留用ヘッド(distilling
head)、水流冷却コンデンサー、温度計および滴
下ロートを備えた250ml三口フラスコ中で反応を行
った。使用した試薬の量は表5に列挙した。使用済みT
HERMINOL(登録商標)59にギ酸を加えると同
時に反応は約60℃に発熱した。揮発性副生物、沈殿固
形分および処理済み溶媒を分析のために集めた。反応混
合物を濾過により分離した。減圧下150℃で濾液をス
トリッピングし、残留メタノール、ギ酸メチルおよびギ
酸を除去した。顆粒状固体をメタノールで濯ぎ、100
℃のオーブン中で一夜乾燥させた。回収した固体の量も
表5に記録した。
【0055】
【表5】
【0056】ギ酸処理前後における未使用THERMI
NOL(登録商標)59および使用済みTHERMIN
OL(登録商標)59のFTIRスペクトルを臭化カリ
ウム板の間の極薄いフィルム(thin capill
ary film)上で測定した。使用済みTHERM
INOL(登録商標)59のスペクトルは、1020−
1150cm-1の領域にSi−O−Si非対称伸縮の特
徴を示す顕著な吸収を示した。最大ピークは1096.
5cm-1にあった。未使用およびギ酸処理THERMI
NOL(登録商標)59はその領域に有意な吸収を示さ
なかった。さらに、これらの2スペクトルの重なりは実
験誤差内で同一であることを示した。
【0057】沈殿した固体は黄褐色であった。すべて、
シリカのSi−O−Si非対称伸縮を示唆する1072
−1075cm-1を中心とするブロードな強いバンドお
よび水素結合されたOH基を示す3365cm-1に広い
バンドを示すFTIRを有した。1276cm-1および
2955cm-1の弱いバンドはSiに結合したCH3
示す。2250cm-1に弱いSi−H伸縮が観察され
た。水は1630−1640cm-1の弱いバンドにより
示されている。
【0058】これらのFTIR結果は、使用済みTHE
RMINOL(登録商標)59中に溶解したシリケート
が存在し、1096.5cm-1にSi−O−Siのバン
ドが原因であることを示す。使用済み溶媒のギ酸処理は
シリケート類を沈殿させ、新鮮な未使用THERMIN
OL(登録商標)59と区別できない濾液を残す。沈殿
した固形分はH3C−Si、H−SiおよびHO−Si
部分を持つシリカおよびシルセスキオキサン類を含む。
【0059】上述したギ酸処理からの揮発性副生物を濃
縮し、Hewlett Packard5970装置で
GC/MSによる分析をした。0.25μmの被覆をし
た30mx0.25mm直径のDB−5キャピラリーカ
ラムを分離のために使用した。メタノール(質量32)
およびギ酸メチル(質量60)が主成分であった。
【0060】上で製造した合成オルガノシリケート混合
物について比較実験を行った。この混合物をTHERM
INOL(登録商標)59に加え、1.25重量%のS
iまたは2.50重量%Siを含有する溶液を与えた。
ギ酸を、[HCOOH/Si]モル比が1〜4の範囲に
相当する量で使用した。すべての反応は僅かに発熱性で
あった。回収した固体、揮発性副生物および処理した溶
媒を上述したようにFTIRおよびGC/msにより分
析した。このデータは溶解したシリコンが[HCOOH
/Si]モル比が>1で十分に沈殿したことを示した。 (実施例4〜6)これらの実施例は、ギ酸沈殿工程を行
うことのできる広い範囲の温度、モル比、HCOOH添
加速度および反応時間を例証する。反応の完了および形
成された固形分の濾過能力を2種類のパラメーターで監
視した。
【0061】実施例4は、21〜90℃の反応温度で、
[HCOOH/Si]モル比が約6の効果を例証する。
実施例5は、[HCOOH/Si]モル比が0.9〜3
で、反応時間が1〜5時間の効果を例証する。実施例6
は、ギ酸の添加速度が0.25〜18g/秒の効果を例
証する。
【0062】機械的撹拌器、蒸留用ヘッド、水流冷却コ
ンデンサー、温度計および滴下ロートを備えた適当な大
きさの三口丸底フラスコ中で反応をおこなった。ギ酸
(90重量%)を、HSi(OCH33の工業規模の直
接合成に使用したTHERMINOL(登録商標)59
に加えた。実施例4の各実験(表6)で、500gの使
用済みTHERMINOL(登録商標)59をフラスコ
に入れ、所定の温度に加熱した。次いで、ギ酸(90重
量%、100g)を3g/秒の速度で導入した。その所
定の温度で1時間撹拌を続けた。ステンレス鋼製フィル
ター中の0.7μm、142mm直径ボロシリケートマ
イクロファイバーパッドを通して20psig(13
7.9kPa)窒素加圧下で濾過をおこなった。濾液の
重量を10秒間隔で記録した。固形分をメタノールで濯
ぎ、恒量になるまで80℃のオーブン中で乾燥させた。
【0063】実施例5では(表7)、100gの使用済
みTHERMINOL(登録商標)59を用いて21℃
で反応を開始した。ギ酸を3g/秒の速度で加えた。表
8に示されているように総反応時間を1〜5時間で変動
させた。300gの使用済みTHERMINOL(登録
商標)59、60gのHCOOH(90重量%)、開始
温度21℃および総反応時間1時間は、実施例6で記載
したギ酸添加速度の検討において使用した量および条件
であった(表8)。実施例5および6の反応混合物を2
0psig(137.9kPa)窒素下で微細なボロシ
リケートメンブラン60mm直径で加圧濾過をした。濾
液の重量を10秒間隔で記録した。固形分をメタノール
で濯ぎ、恒量になるまで80℃のオーブン中で乾燥させ
た。
【0064】
【表6】
【0065】表6から、検討した温度のすべてにおいて
固形分が沈殿したが、35〜50℃の温度と比較して、
21℃(実施例4A)および80〜90℃(実施例4
D、4E)で濾過性を改善したことが分かる。
【0066】
【表7】
【0067】表7のデータは、実施例5Aおよび5Gで
形成した固形分よりも実施例5E、5F、5H、5Iお
よび5Jで形成した固形分の方がより濾過性が容易であ
ったことが分かる。したがって、1.5〜3の[HCO
OH/Si]モル比および約1時間の反応時間が使用済
み反応溶媒から溶解したシリケートの除去のために非常
に望ましい条件であることが分かる。
【0068】
【表8】
【0069】表8から、より遅いギ酸の添加がより濾過
の容易な固形分を得たことが分かる。 (実施例7)この実施例は、溶解したシリケート類の沈
殿に続いて使用済みTHERMINOL(登録商標)5
9からの残留ギ酸の除去を例証する。トリメトキシオル
トホルメートを用いる残留ギ酸の捕捉およびこの残留酸
の蒸発による除去の双方を例証する。
【0070】HSi(OCH33の工業規模直接合成で
使用された302.5gのTHERMINOL(登録商
標)59を50.2gの90重量%HCOOHと50℃
で1時間反応させた。モル比[HCOOH/Si]は
4.92であった。機械的撹拌器、蒸留用ヘッド、水流
冷却コンデンサー、温度計および滴下ロートを備えた5
00mlの三口丸底フラスコ中で反応をおこなった。反
応混合物を20psig(137.9kPa)窒素下で
微細なボロシリケートメンブラン60mm直径で加圧濾
過をした。濾液(表9の試料7A)を残留ギ酸の除去の
ために2部分に分けた。約100gの一部分は1時間1
50℃に加熱し、窒素流中でその揮発成分をストリッピ
ングした。回収した溶媒は表9で試料7Bと表示した。
濾液の別の部分(150g)を5.82gのHC(OC
33と21℃で反応させ、次いで、窒素流中で70℃
に加熱し、含まれている揮発成分をストリッピングし
た。この処理により回収した溶媒を表9の試料7Cと標
識した。KBr板の間に極薄いフィルムとしてFTIR
により3試料すべてを分析した。
【0071】
【表9】
【0072】表9に要約した結果は、試料7B、7Cお
よび未使用THERMINOL(登録商標)59のFT
IRスペクトルは区別できないことを示している。これ
らの3試料すべてが溶解したシリケートまたはギ酸もし
くはギ酸メチルのようなカルボニル含有化合物を含まな
かった。ギ酸またはギ酸メチルの双方とも、最初に処理
したTHERMINOL(登録商標)59、試料7A中
に存在した。カルボニルバンドは、エステルカルボニル
(ギ酸メチル)および酸カルボニル(ギ酸)の重なりで
あり、後者は低振動数肩により表示された。したがっ
て、HC(OCH 33捕捉および蒸発による分離は、溶
解したシリケートの沈殿に続くTHERMINOL(登
録商標)59から残留ギ酸を除去した。 (実施例8)本実施例は、使用済み反応溶媒に濾過助剤
を添加することによりもたらされる固/液分離速度にお
ける改善を例証する。数種のポリアクリレート(GOO
D−RITE(登録商標)7058、CARBOPOL
(登録商標)980、PEMULEN(登録商標))、
セルロース系(SOLKAFLOC(登録商標))、ソ
ルビトール系(MILLITHIX(登録商標)92
5)およびポリエチレンオキシド濾過助剤を試験した。
表10に示したデータは、HSi(OCH33の工業規
模直接合成からの使用済みTHERMINOL(登録商
標)59中に0.5重量%使用レベルについてである。
【0073】各実験では、200gの使用済み溶媒を適
当な濾過助剤と共に21℃で撹拌した。20psig
(137.9kPa)窒素加圧下ステンレス鋼フィルタ
ー中の142mm直径、0.7μmボロシリケートマイ
クロファイバーパッドを通過させて濾過をおこなった。
濾液の重量を採取中継続して量り、重量対時間のプロッ
トを作成した。表10に示されている速度(g/分)
は、上昇する曲線部分の直線状傾斜である。各実験によ
り約190gを回収した。
【0074】
【表10】
【0075】表10のデータは、0.5重量%の濾過助
剤の添加により異なる程度で濾過が改善されたことを示
す。ポリアクリレートおよびセルロース系材料は、コン
トロール値の2〜6倍の速度の改善をもたらした。GO
OD−RITE(登録商標)7058およびSOLKA
FLOC(登録商標)は特に有効であった。 (実施例9)本実施例は、トリメトキシシランの直接合
成から未濾過THERMINOL(登録商標)59の修
復におけるギ酸およびトリメチルオルトホルメートの使
用を例証する。
【0076】溶解したシリケート類を除去しないで、H
Si(OCH33の直接合成に4回再循環させたTHE
RMINOL(登録商標)59が出発物質であった。こ
れには、1.85重量%の溶解シリコン、2.95重量
%の総シリコンおよび4.03重量%の固形分が含まれ
ていた。この未濾過廃物3.33kgを5リットルの四
つ口フラスコ(機械撹拌器、蒸留用ヘッド、温度計、コ
ンデンサーおよび窒素スパージャーが備えられている)
に入れ、室温(21℃)で10.5g/分の速度で添加
される208gのHCOOH(90重量%)と反応させ
た。モル比〔HCOOH/Si〕は1.85であった。
全部で1時間撹拌を続けてから、20psig(13
7.9kPa)で0.7μm、142mm直径のボロシ
リケートパッドを通過させて固形分の加圧濾過をおこな
った。濾液には依然としてメタノール、ギ酸メチルおよ
び僅かに過剰のギ酸が含有されていた。それを21.2
6gHC(OCH33で未反応のHCOOHを捕捉する
ために処理し、約1時間窒素流下100℃に加熱して揮
発成分の全ストリッピングをおこなった。回収した溶媒
をトリメトキシシランを製造するのに使用した(実施例
12E参照)。 (実施例10)本実施例は、トリメトキシシランの直接
合成からの使用済みTHERMINOL(登録商標)5
9の濾過およびギ酸処理を例証する。
【0077】溶解したシリケートを除去しないで、HS
i(OCH33の直接合成に4回再循環させたTHER
MINOL(登録商標)59が出発物質であった。これ
には、1.85重量%の溶解シリコン、2.95重量%
の総シリコンおよび4.03重量%の固形分が含まれて
いた。この使用済み溶媒にSOLKAFLOC(登録商
標)濾過助剤を加え、得られたスラリーを40psig
(275.8kPa)で0.7μm、142mm直径の
ボロシリケートパッドを通過させて加圧濾過をおこなっ
た。次いで、2580.6gの濾過した廃物を150.
22gのHCOOH(90重量%)を用いて室温で2.
5時間処理をした。モル比[HCOOH/Si]は1.
73であった。0.7μm、142mm直径のボロシリ
ケートパッドを通過させて加圧濾過をおこなうと、10
8.2gのシリケート固体と、THERMINOL(登
録商標)59、メタノール、ギ酸メチルおよび可能性あ
るギ酸を含む濾液を生じた。窒素流下、150℃に加熱
し、1時間その温度に維持して、濾液の揮発性成分をス
トリッピングして、2424.6gの修復されたTHE
RMINOL(登録商標)59を直接合成に再使用する
ために回収した(実施例12D参照)。 (実施例11:比較例)ホウ酸/ソジウムメトキシドを
用いるTHERMINOL(登録商標)59の処理 この比較例は、米国特許第5,166,384号(例2
1)に開示されている方法を使用して修復したTHER
MINOL(登録商標)59の試料を得るのに使用す
る。
【0078】溶解したシリケートを除去しないで、HS
i(OCH33の直接合成に4回再循環させたTHER
MINOL(登録商標)59が出発物質であった。これ
には、1.85重量%の溶解シリコン、2.95重量%
の総シリコンおよび4.03重量%の固形分が含まれて
いた。この未濾過廃物2.85kgを4リットルの四つ
口フラスコ(機械撹拌器、蒸留用ヘッド、温度計、コン
デンサーおよび窒素スパージャーが備えられている)に
入れ、撹拌しながら65℃に加熱した。12.25gの
NaOCH3粉末を加え、次いで、1分後に37.1g
のH3BO3を加えた。温度を85℃に上げ、2時間その
温度に維持した。次いで、熱反応混合物を、20psi
g(137.9kPa)で0.7μm、142mm直径
のボロシリケートパッドを通過させて加圧濾過をおこな
った。回収した濾液を実施例12Cでトリメトキシシラ
ンの直接合成のために使用した。 (実施例12)この実施例は、HSi(OCH33のス
ラリー相直接合成において実施例9〜11で上述したと
おりに回収したTHERMINOL(登録商標)59の
再使用を例証する。 使用した装置 5.8リットルのCHEMINEER(登録商標)反応
器を、実施例12A〜12Eでシリコンおよびメタノー
ルの直接反応に使用した。周方向に90°づつ離間させ
て設けられた幅1.27cmの4枚のバッフルが反応器
の壁に取り付けられている。軸シャフトに取り付けた2
個の撹拌器により撹拌した。底部側の撹拌器は直径6.
35cmの6ブレードタービンであった。同じ直径の4
ブレードプロペラをタービンの上方10cmに配置し
た。磁気タコメーターにより回転速度が測定される可変
速度空気駆動モーターにより撹拌力が与えられた。ヒー
ター/温度コントローラーにより制御される電気加熱用
マントルを反応器を加熱するのに使用した。
【0079】目盛付きFMI実験室用ポンプにより1リ
ットルの貯蔵用容器からメタノールを反応器に供給し
た。内部直径0.32cm×長さ305cmのコイル巻
きしたステンレス鋼製管を150℃に制御された4リッ
トルのシリコーンオイル浴中に入れ、アルコール蒸発装
置として作用させた。同様の蒸発装置用コイルは再循環
流のために利用できたが、しかし、それはこれらの実験
の行程中では使用されなかった。アルコール入口ライン
は反応器の頂部から挿入されていた。蒸気の凝縮を避け
るためにそのラインを加熱した。アルコール蒸気を、反
応器の底部から2.5cmで6ブレードタービンのレベ
ルより低い位置で一個の下向きスパージャー(内部直径
0.63cm)により注入した。アルコール蒸気入口ラ
インに付けられた圧力ゲージは、スパージャーが栓詰ま
りしたときに、より高い読みを与えた(最高約2気
圧)。通常、ゲージ値はゼロだった。実験中に貯蔵用容
器に追加のアルコールを供給し、この試薬の連続した流
れを維持した。
【0080】反応生成物と未反応のアルコールを、9
1.4cm×2.54cm内部直径充填チューブを介し
て反応器から出した。このチューブはエントレインメン
ト分離器および部分蒸留カラムとして作用し、生成物流
から溶媒と高沸点シリケート類とを除去する。充填はセ
ラミックサドルとステンレス鋼製メッシュだった。チュ
ーブの長さ方向に沿って5個の熱電対を配備し、温度を
記録し発泡を表示した。最も低い熱電対は反応器の頂部
と同一の高さであった。FS 1265を使用して発泡
を制御した。軟質管材料でエントレインメント分離器/
部分蒸留カラムの出口を4方向バルブに連結した。
【0081】2個の10プレートOldershaw蒸
留カラムにより、気相から液体反応生成物および未反応
アルコールを分離した。反応器からの排液をより低いカ
ラムの頂部トレイに入れた。該カラムは加熱用マントル
中に支持された2リットルの三口丸底フラスコに結合さ
れていた。上方カラムを磁気的に制御された還流冷却器
および熱電対を備えた蒸留用ヘッドにより覆った。還流
冷却器および別のコンデンサーの下流を、循環するシリ
コーンオイルにより−25℃に冷却した。未濃縮ガスは
蒸気ロックバブラーよりコンデンサーを出、総ガス流メ
ーター(Model DTM−115、America
n meter Co)に入れた。ガラス製品(カラ
ム、コンデンサーおよびバブラー)を破壊するかまたは
結合部の漏れを起こす可能性のある背圧を避けるために
より広い管材料をバブラーの下流に使用した。ガス試料
採取口をガスメーターに続くTジョイントに設けた。メ
ーターからのガス流を窒素で希釈してから実験用フード
中にその排出をする。熱電対は三口フラスコの第2番目
の口に設け、その他の口にFMI実験室用ポンプに対す
る取り入れ口を設けた。このポンプは、フラスコからT
EFLON(登録商標)被覆したポリエチレン製貯蔵瓶
に液体生成物を移動させるために使用した。貯蔵に使用
されたすべてのガラス容器または試料トリメトキシシラ
ンは、希釈したHClで洗浄され、メタノールでよく濯
ぎ、110℃でオーブン乾燥されてから使用された。 一般的活性化および反応手順 すべての場合に、反応器に2kgの溶媒、1kgのシリ
コン、7.05gの水酸化銅(II)触媒および0.6
gのFS−1265脱泡剤を装填し、蓋をした。化学式
[1]にしたがい、1kgのシリコンの完全変換は3.
43kgのメタノールを必要とし、298°Kおよび1
気圧で4.36kgのHSi(OCH33および873
リットルのH2を生成した。得られたスラリーを約90
0〜1200rpmで撹拌し、250℃に加熱されたと
きに窒素を導入した。シリコン−触媒熱活性化と同時
に、アルコール蒸発器を約150℃に加熱し、コンデン
サー内を循環する冷媒を約25℃に冷却した。スラリー
を1時間250℃に置いた後、反応器にアルコールを流
し始めた。流速は5.05g/分だった。
【0082】アルコール流が進行し始めたら、安定な組
成が確立するまで、10分毎に水素のベントガス流を試
料採取して分析した。それは導入期間の終了を示す。そ
の後、ガス試料採取を30分毎におこない水素、炭化水
素およびエーテルをモニターした。反応行程中、総ベン
トガス流を、化学式[1]の化学量論にしたがって反応
速度の大体の測定として使用した。
【0083】4方向試料採取用バルブに結合され、予め
酸洗浄をし、メタノールで濯ぎ、オーブンで乾燥させた
容器中に、試料を30分毎に2〜5分間にわたって採取
した。試料採取中、容器をドライアイス中で冷却した。
試料を秤量し、ガスクロマトグラフィーにより分析し
た。液体生成物の大部分を、リボイラーとして作動する
三口フラスコ中で濃縮し、貯蔵のため移動させた。これ
らのデーターのすべてを、生成物流の特定期間の組成、
トリアルコキシシランへの選択性、反応速度および全シ
リコン変換を計算するために使用した。普通、反応は、
反応器へ装填されたシリコンの>85%が反応した後、
終了させた。
【0084】ガス試料を、GS−Moleculars
ieve 30m×0.53mm内部直径(J&W S
cientific)キャピラリーカラムおよび炎イオ
ン化検出器を備えたHewlett Packard5
840ガスクロマトグラフで水素、窒素およびメタン含
量について分析した。アルゴンをキャリアーガスとし
た。ガスクロマトグラフィー−マススペクトルは、ジメ
チルエーテルの分析のために使用した。アルコキシシラ
ン類を含有する液体試料を、60/80メッシュCHR
OMOSORB WHPカラム上に3.66m×3.1
8mm内部直径のステンレス鋼20%OV−101(S
upelco)および熱伝導率検出器を備えたHewl
ett Packard5840ガスクロマトグラフで
分析した。ヘリウムをキャリアーガスとした。 使用材料 例証的な実施例12A〜12Eの実験で利用した工業等
級のシリコンについての分析および粒度データーを表1
1および12に列挙した。表13は使用した水酸化銅
(II)触媒についてのデーターの要約である。使用し
た溶媒は、NALKYLENE(登録商標)550BL
およびTHERMINOL(登録商標)59だった。発
泡制御剤はFS1265(Dow Corning)だ
った。
【0085】
【表11】
【0086】
【表12】
【0087】
【表13】
【0088】上述した5.8リットルCHERMINO
L(登録商標)反応器中で直接合成をおこなった。実施
例12Aは未使用THERMINOL(登録商標)59
を用いたコントロール実験である。実施例12Bは、懸
濁した固形分を圧縮濾過したが、それ以外は何も処理し
ない使用済みTHERMINOL(登録商標)59(実
施例9〜11と同じ出発物質)を用いておこなった。実
施例12Cの溶媒は、米国特許第5,166,384号
の方法にしたがった実施例11で回収したものである。
実施例12Dおよび12Eで使用したTHERMINO
L(登録商標)59は、各々実施例10および9で開示
したギ酸修復で得られた。
【0089】表14は、85%シリコン変換率における
5実験の性能パラメーターの要約を含む。反応は、実際
は、この点を超えて継続したが、85%は比較のために
都合の良い基準である。
【0090】
【表14】
【0091】実施例12Bの濾過済みTHERMINO
L(登録商標)59は、実施例12Aの未使用で新鮮な
THERMINOL(登録商標)59又は実施例12
C、12Dおよび12Eの修復した溶媒に比較して視覚
的により粘性だった。実施例12Bにおけるよりゆっく
りとしたシリコン変換速度は、このより粘性の媒質にお
いてメタノールの移動に対して大きな抵抗をもたらす可
能性があり、何回も再使用した後に溶媒の修復を必要と
することを示す。実施例12A、12Bおよび12Cの
選択性は非常に良好で米国特許第4,727,173号
および同第5,166,384号に開示された値に匹敵
する。反応速度および選択性は本発明の修復済み溶媒
(実施例12Dおよび12E)において優れていた。
【0092】上記の実施例および開示は例証を目的とし
ており網羅的ではない。これらの実施例および記載は当
業者にとり多くの変動と代替を示唆する。これらのすべ
ての代替物および変動は特許請求の範囲内に含まれてい
ることを意図している。業界に通じた者は本明細書中で
記載した特定の実施態様のその他の均等物を認めると思
われるが、これらの均等物も特許請求の範囲により包含
されることを意図する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フア・ユ アメリカ合衆国ニューヨーク州10603,ホ ワイト・プレインズ,グラナダ・クレセン ト 12−17 (72)発明者 レジーナ・エヌ・イング アメリカ合衆国ニューヨーク州11791,シ ョセン,グリフィン・レーン 1 Fターム(参考) 4H006 AA02 AB80 4H049 VN01 VP01 VQ21 VQ31 VR11 VR43 VR44 VS21 VS99 VT40 VT43 VT44 VV02 VV06 VW01 VW02 VW06 VW08 VW13

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解したシリコン化合物を含有する使用
    済み溶媒の修復方法であって、当該方法は:当該使用済
    み溶媒と、溶解したシリコン化合物類を固体シリケート
    類および/またはシリカに変換する反応を行うのに足る
    量のカルボン酸とを接触させ、次いで、当該溶媒を変換
    された固体シリケート類および/またはシリカから分離
    する、前記溶解したシリコン化合物を含有する使用済み
    溶媒の修復方法。
  2. 【請求項2】 前記接触工程の前に溶媒をその中で懸濁
    されている固体から分離する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 カルボン酸を使用済み溶媒に、カルボン
    酸当量分/シリコン原子(COOH/Si)が0.5〜
    6の比率を与える量で加える請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記比率COOH/Siが1〜3である
    請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 過剰の酸を使用し、前記固体シリケート
    類および/またはシリカを生成した後に、過剰の酸を溶
    媒から除く請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記固体シリケート類および/またはシ
    リカを生成した後に、溶媒にスカベンジャーを加え、再
    使用する前に残留し得る活性水素と反応させる請求項1
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記スカベンジャーがトリアルキルオル
    トエステルである請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記スカベンジャーがHC(OC
    33、HC(OC25 3、CH3C(OC253
    CH3C(OC372OC25、C(OCH34、C
    (OC254およびC(OC374からなる群から選
    択される請求項6に記載の方法。
  9. 【請求項9】 カルボン酸の濃度が少なくとも10重量
    %である請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 カルボン酸の濃度が少なくとも25重
    量%である請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記反応を15〜250℃の温度で行
    う請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記反応を20〜100℃の温度で行
    う請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記カルボン酸が酢酸またはギ酸であ
    る請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 使用する酢酸またはギ酸の濃度が少な
    くとも80重量%である請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記カルボン酸がギ酸、酢酸、フロ
    酸、アセト酢酸、クロロ酢酸、クロロプロパン酸、トリ
    クロロ酢酸、ブロモ酢酸、フルオロ酢酸、トリフルオロ
    酢酸、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸、乳酸、グリコ
    ール酸、サリチル酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル
    酸、イタコン酸、コハク酸、アジピン酸、クエン酸、酒
    石酸およびポリアクリル酸ならびにそれらの混合物から
    なる群から選択される請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記アルコールおよび前記アルコール
    と前記酸とのエステルの標準沸点のうちの高い方を超え
    る温度で反応を行う請求項1に記載の方法。
  17. 【請求項17】 反応溶媒の沸点が250℃よりも高い
    請求項1に記載の方法。
  18. 【請求項18】 反応溶媒がアルキル化芳香族化合物、
    ポリ芳香族化合物、トリエチレングリコールジメチルエ
    ーテルまたはその2種以上の混合物である請求項17に
    記載の方法。
  19. 【請求項19】 反応溶媒が、ジフェニルエーテル、ジ
    フェニル、ターフェニル、アルキル化ベンゼン類、アル
    キル化ジフェニル類、アルキル化ターフェニル類、ジベ
    ンジルベンゼン類、ベンジルトルエン類、水素化ターフ
    ェニル類およびトリエチレングリコールジメチルエーテ
    ルからなる群から選択される少なくとも1構成分を含む
    請求項17に記載の方法。
  20. 【請求項20】 使用済み溶媒とカルボン酸とを接触さ
    せる前又は接触後に濾過助剤を加えることをさらに含む
    請求項1に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記濾過助剤が、セルロース製、アク
    リル製、ポリエチレンオキシド製、ポリプロピレンオキ
    シド製、ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシ
    ド)コポリマー製、珪藻土製および無機ケイ酸塩製濾過
    助剤、ならびにこれらの成分の混合物の濾過助剤からな
    る群の構成分である請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 溶媒が、アルコキシシランの生産のた
    めの直接合成法からの使用済み溶媒である請求項1に記
    載の方法。
  23. 【請求項23】 アルコキシシランがトリアルコキシシ
    ランまたはテトラアルコキシシランである請求項1に記
    載の方法。
  24. 【請求項24】 a)シリコンとアルコールとの混合物
    をアルコキシシランが生成する条件下の反応溶媒中で反
    応させ、b)アルコキシシラン生成物を反応混合物から
    分離し、次いで、c)i)使用済み溶媒を、この使用済
    み溶媒中に溶解したシリコン化合物類を固体のシリケー
    ト類および/またはシリカに変換させる反応を行うに足
    る量のカルボン酸と接触させ、次いで、ii)固体のシ
    リケート類および/またはシリカから溶媒を分離させる
    ことにより使用済み溶媒を修復する、ことを含む方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100625148B1 (ko) * 1998-04-02 2006-09-20 제너럴 일렉트릭 캄파니 알콜-규소 직접 합성 용매에서 용해된 규산염을 제거하는 방법
CN116064109A (zh) * 2021-10-31 2023-05-05 中国石油化工股份有限公司 一种石脑油加氢的工艺方法
CN116064108A (zh) * 2021-10-31 2023-05-05 中国石油化工股份有限公司 一种重整预加氢的工艺方法
CN116064111A (zh) * 2021-10-31 2023-05-05 中国石油化工股份有限公司 一种高硅石脑油加氢脱硅的工艺方法
CN116064141A (zh) * 2021-10-31 2023-05-05 中国石油化工股份有限公司 一种柴油加氢裂化和石脑油脱硅耦合的工艺方法
KR102611580B1 (ko) * 2022-10-13 2023-12-07 한국화학연구원 폐 에어백 재활용 방법

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