JP4276730B2 - アルコール−シリコン直接合成溶媒類から溶解したシリケート類の除去 - Google Patents

アルコール−シリコン直接合成溶媒類から溶解したシリケート類の除去 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の分野】
本発明の方法は、アルコキシシラン類のスラリー相直接合成において使用した溶媒から溶解したシラン類、シリコーン類およびシリケート類を除去することに関する。溶媒はそれにより修復(remediated)され、前記直接合成の再使用に適する。さらに詳細には、本発明は、カルボン酸、好ましくはギ酸を使用して溶解したシラン類、シリコーン類およびシリケート類と反応させ、容易に濾過ができる沈殿物および再使用可能な溶媒をもたらす。
【0002】
【発明の背景】
トリアルコキシシラン類、特にトリメトキシシランおよびトリエトキシシランはシランカップリング剤の製造に使用される。トリアルコキシシラン類の一つの合成法は、シリコンとアルコールとから直接行われる。この方法は、直接合成(Direct Synthesis)、直接反応(Direct Reaction)、直接法(Direct Process)またはRochow Reactionとして当業界でさまざま知られている。
【0003】
トリアルコキシシラン類のための直接合成はスラリー反応器中で最も都合よく行われる。トリアルコキシシラン類の直接合成のためのスラリー反応器中では、触媒により活性化されたシリコン粒子を不活性高沸点溶媒中に懸濁させて維持し、上昇させた温度でアルコールと反応させる。この種の反応は、米国特許第3,641,077号、第3,775,457号、第4,727,173号、第4,761,492号、第4,762,939号、第4,999,446号、第5,084,590号、第5,103,034号、第5,362,897号、第5,527,937号各明細書、米国継続出願08/728,228号および08/729,266号明細書ならびに特開平55−28928号公報(1980年)、同55−28929号公報(1980年)、同55−76891号公報(1980年)、同57−108094号公報(1982年)、同62−96433号公報(1987年)および特開平06−306083号公報(1994年)に開示されている(これらの特許明細書を参照として本明細書に含める)。これらの特許明細書に開示されている溶媒は活性化条件および反応条件下で劣化しない。好適なものの例は高温で安定でありしかも典型的には熱交換媒体として使用される約250℃よりも高い標準沸点を持つ有機溶媒である。これらの基準に合致する溶媒には市販製品であるTHERMINOL(登録商標)59、THERMINOL(登録商標)60、THERMINOL(登録商標)66、DOWTHERM(登録商標)HT、MARLOTHERM(登録商標)S、MARLOTHERM(登録商標)Lならびにジフェニルエーテル、ジフェニル、ターフェニル、アルキル化ベンゼン類、アルキル化ジフェニル類およびアルキル化ターフェニル類等がある。
【0004】
テトラアルコキシシラン類(アルキルシリケート類、オルトケイ酸のエステル類およびシリコンアルコキシド類とも呼ばれる)は、スラリー相直接合成プロセスで製造され、溶媒はしばしば生成物自身である。触媒は銅または銅化合物であることができ、しかし普通は高沸点アルコールのアルカリまたはアルカリ金属塩である。このようなプロセスは米国特許第3,627,807号、同第3,803,197号、第4,113,761号、第4,288,604号および第4,323,690号各明細書に開示されている(これらの特許明細書を参照として本明細書に含める)。エチルシリケートは最も大量に製造されているテトラアルコキシシランである。これおよびその部分加水分解誘導体は、コーチング、特に腐食抵抗性亜鉛豊富コーチングならびに広範囲の種々の成形および精密鋳造用途の結合剤として使用される。
【0005】
トリアルコキシシラン類の直接合成の過程中に、アルキルシリケート類のような副生物が溶媒中に蓄積し、粘度の増加の原因となり、触媒活性を低下させたり反応スラリー中に泡立たせたりする。これらの作用は溶媒の長期間使用を制限し、その処分や修復が必要となる。R.J.Ayen等の "Better Ceramics Through Chemistry II," C.J.Brinker, D.E.Clark およびD.R.Ulrich, Editors, Material Research Society, Pittsburgh, PA, 1986. pp 801? 808はテトラエトキシシランの製造に伴ってこの問題が起こることを認識しているが、しかし、溶媒またはスラリーの処分または回収の具体的方法を開示していない。米国特許第5,166,384号明細書はホウ酸塩およびアルカリ金属アルコキシド類を使用して汚染物を沈殿させ、溶媒の再使用をもたらすことを開示する。
【0006】
Leznov等は、Journal of General Chemistry, USSR, 29(1959)1482? 1487 で、環状および線状ポリ(ジエチルシロキサン類)の合成のためにギ酸や酢酸のようなカルボン酸を使用してSi−OR(R=脂肪族または芳香族基)およびSiOH官能基の酸分解反応を記載する。米国特許第2,486,992号明細書で撥水性テキスタイル製品の製造のために、同4,950,779号明細書でポリシロキサン合成のために、同第5,378,790号、第5,412,016号、第5,441,718号各明細書およびS.Sakka等の "Ultrastructure Processing of Advanced Ceramics," (J. D. MackenzieおよびD. R. Ulrich編, John Wiley & Sons, NY 1988, pp 159? 171 )でシリカゲル類の製造のために同様な酸分解反応も使用される。これらの文献のいずれも、使用済み直接合成反応溶媒をその使用前に修復するように、溶解したシリケート類およびその他の汚染物を除去するためのカルボン酸の使用を示唆していない。
【0007】
【発明の概要】
本発明はトリアルコキシシラン類およびテトラアルコキシシラン類の直接合成から溶媒を修復し再使用する方法を提供する。この方法は酸分解反応にカルボン酸を使用し、汚染した溶媒中の溶解したシリケート類、シロキサン類およびシラン類から固体生成物を得ることを含む。その後、修復した溶媒を直接合成プロセス中の再使用のために回収する。回収は、固体物質から溶媒を分離することにより達成でき、必要の場合、過剰の酸を分離した溶媒から除去する。
【0008】
場合により、液/固分離を容易にし、溶媒修復プロセスの全体としての効率を改良するためにカルボン酸処理の前または後に濾過助剤を使用する。
この全プロセスは原料物質の浪費を少なくし、現在の工業プロセスよりもより工業的に価値があり、より環境的に許容できる。
【0009】
【発明の詳細な記述】
アルコキシシラン類およびテトラアルコキシシラン類の直接合成用のスラリー−相反応器は回分方式または連続方式で操作できる。回分操作では、最初シリコンおよび触媒を一回添加し、シリコンが十分に反応するか所望の程度に変換反応するまで、連続的または間欠的にアルコールを加える。典型的には、アルコールを気相状態で加えるが、液相添加も可能である。連続操作では、先ず反応器にシリコンと触媒を加え、その後、所望の限度内にスラリーの固形分を維持する。回分方式は米国特許第4,727,173号明細書中に、ならびに継続出願08/728,228号(1996年10月10日出願)および08/729,266号(1996年10月10日出願)中にトリアルコキシシラン類の直接合成について例証されている(これらの明細書総てを参照として本明細書に含める)。所望の反応生成物を、アルコール反応物との気相混合物状態で反応器から除去する。生成物の単離は、公知の手順に従う蒸留により容易に行われる。
【0010】
トリアルコキシシラン類の連続直接合成については米国特許第5,084,590号明細書に、テトラアルコキシシラン類については米国特許第3,627,807号、同第3,803,197号および同第4,752,64号各明細書に開示されている(これらすべてを参照として本明細書に含める)。
【0011】
シリコン金属、触媒および溶媒を任意の順序で反応器中で一緒に加えることができる。溶媒は固形分およびガス状反応物が均一に分散するに足る量で存在する。一般に、反応は、溶媒および固形分が重量比で1:2〜4:1,好ましくは1:1〜2:1の重量比で開始される。しかし、シリコンが回分式直接合成の間に消費されるので、溶媒対固形分の比は増加させ得る。この比率は連続反応についての好適な範囲の狭い限度内に維持できる。
【0012】
所望の反応性生物を反応器からアルコール反応物との気相混合物状で取り出す。トリアルコキシシランまたはテトラアルコキシシランについての選択は触媒と反応条件との適当な選択により行うことができる。所望のトリアルコキシシランおよび/またはテトラアルコキシシランのアルコール反応物からの単離は公知の手順に従う蒸留により容易に為される。
【0013】
溶解したシリケート類および未反応固形分の蓄積により概ねもたらされる欠点(例えば、発泡、粘度増加および反応効率の損失)が原因で、溶媒は、場合により、これらの不要物の除去のための処理が為されなければならない。さもないと、直接合成の能率が落ち、プロセスが経済的でなくなる。
【0014】
次の反応式は、トリアルコキシシラン類およびテトラアルコキシシラン類の直接合成の間に起こる主要な化学反応の代表である。
【0015】
【化1】
Figure 0004276730
【0016】
トリアルコキシシラン類の直接合成の望ましい生成物は、一般式:HSi(OR)3(式中、Rは1〜6個の炭素原子のアルキル基である)。Rは好ましくはメチルおよびエチルである。合成の副生物には、Si(OR)4、RSiH(OR)2、RSi(OR)3、線状、分枝したおよび環状シリケート類、例えば、(RO)3SiOSi(OR)3、H(RO)2SiOSi(OR)2H、HSi(RO)2OSi(OR)3、(RO)3SiOSi(OR)2R、(RO)3SiOSi(RO)2OSi(RO)3、(RO)3SiOSi(OR)HOSi(OR)3、(RO)3SiOSi(OR)ROSi(OR)3、(RO)Si[OSi(OR)33、(RO)3SiOSi(OR)(OSi(OR)3)OSi(OR)3、ならびに[OSi(OR)2]n(n=4,5,6...)、水素ガス、炭化水素類(RH)、例えば、メタンおよびエタン、アルケン類(R'CH=CH2)例えば、エチレンおよびエーテル類(ROR)、例えば、ジメチルエーテルおよびジエチルエーテルを含む。アルケン副生物について、一般式:R′CH=CH2では、R′は水素または1〜4個の炭素原子のアルキル基である。水素ガス、炭化水素類およびエーテル類は、典型的には、冷却トラップ中で液体生成物と共には濃縮されず、ガス流として装置を出る。シリケート類のいくらかは反応器の外で揮発され、液体反応生成物に可溶性である。殆どが溶媒中に溶解して残るかまたは不溶性ゲルとして沈殿する。
【0017】
テトラアルコキシシラン類の直接合成は、式[9]によって表される。
【0018】
【化2】
Figure 0004276730
【0019】
同様のシリケートおよびガス状副生物はトリアルコキシシラン直接合成におけると同様に形成される。
トリアルコキシシラン類の直接合成に使用されるシリコンおよび銅原料物質の記載は、米国特許第3,775,457号および第4,727,173号各明細書、ならびに同時継続出願08/728228号(1996年10月10日)および08/729266号(1996年10月10日)に与えられている(これらの記載を参照として本明細書に含める)。使用済み溶媒は暗色微粒子をも含み、これらは反応器に装填されたシリコンおよび銅またはアルカリ金属触媒から誘導される。これらの微粒子は、とりわけシリコン、銅、鉄、アルミニウム、クロム、マンガン、ニッケル、酸素、リンおよびチタン元素を含有し、時に、特に、ゼラチン様シリケートも存在する場合濾過または遠心による分離が困難である。主な粒子はミクロメーター以下から約50ミクロメーターまでにおよぶ。凝集は相当に大きい。
【0020】
場合により、固体および/または液体濾過助剤をこれらの固形分の分離を容易にするために、カルボン酸の添加前または添加後に加える。適当な濾過助剤には、SOLKAFLOC(登録商標)のようなセルロース系製品;GOOD−RITE(登録商標)7058、CARBOPOL(登録商標)980、PEMULEN(登録商標)TR1、PEMULEN(登録商標)TR2およびPEMULEN(登録商標)1622のようなアクリル酸樹脂;MILLITHIX(登録商標)925;ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドおよびそれらのコポリマー;CELITE(登録商標)およびCLEATOM(登録商標)製品のような珪藻土製濾過助剤;ならびに:ケイ酸カルシウムおよびケイ酸マグネシウムのような無機シリケート類等がある。これらの濾過助剤の混合物も有利に使用できる。有効な固形分採取に必要な濾過助剤の量は、とりわけ、濾過助剤の粒度および表面特性、使用した反応溶媒の固形分ならびに固形分がゼラチン様かまたは結晶性かどうかのような因子に依存する。0.1重量%(使用した溶媒の総重量を基準)程度の少量はある場合には充分であるかもしれないが、他の場合には含有される固体の重量に等しい量の濾過助剤が、迅速で連続した濾過および清澄のために必要であるかもしれない。固形分が主にゼラチン様である場合、さらに多量の濾過助剤が必要である場合がある。さらに、ある物質は過剰の濾過助剤が濾過速度を低くするかもしれない量を超えると最適使用量を発揮することが経験的に見出されている。したがって、セルロース製、シリカ質、アクリル酸樹脂およびポリマー製濾過助剤の総てが全く等しい効果ではない。本発明の方法に好適な材料はSOLKAFLOC(登録商標)、PEMULEN(登録商標)TR1、PEMULEN(登録商標)TR2、PEMULEN(登録商標)1622、GOODRITE(登録商標)7058およびCARBOPOL(登録商標)980である。
【0021】
金属カルボキシレートの形成において酸の消費を可及的に少なくするために酸分解をする前に懸濁した固形分を除去するのが好ましい。しかし、この工程が絶対には必要ではないことが実施例により例証される。有効量の濾過助剤の助けにより使用済み溶媒から固形分を分離することは、溶解したシリケート類の沈殿をもたらさないで溶媒を直接合成に再循環する場合に望ましい。
【0022】
テトラアルコキシシラン類の直接合成から処分するためのスラリーは上述したと同様であるが、しかし相当に少ない量の銅およびより多くのアルカリ金属塩(例えば、ギ酸カリウム、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシドまたはナトリウム2−エトキシエチレート)を含む。これらの塩類はスラリーを非常にアルカリ性にし、溶解したシリケート類の沈殿に必要なカルボン酸の量を増加させる。
【0023】
アルコキシシラン類の直接合成に有用な溶媒は熱に安定であり合成の活性化条件および反応条件下で劣化しない。トリアルコキシシラン類のために好適な溶媒は、熱交換媒体として典型的に使用される高温安定性有機溶媒である。これらの例には、THERMINOL(登録商標)59、THERMINOL(登録商標)60、THERMINOL(登録商標)66、DOWTHERM(登録商標)HT、MARLOTHERM(登録商標)S、MARLOTHERM(登録商標)、ジフェニルエーテル、ジフェニル、ターフェニルならびにアルキル化ベンゼン類、アルキル化ジフェニル類およびアルキル化ターフェニル類等があり、約250℃よりも高い標準沸点を有する。
【0024】
THERMINOL(登録商標)は、熱媒液についてのMonsanto Companyの商標名である。THERMINOL(登録商標)59は、−45〜315℃の間で使用することが推奨されるアルキル−置換芳香族化合物である。THERMINOL(登録商標)60は、平均分子量250のポリ芳香族化合物の混合物である。その最適温度範囲は−45〜315℃である。THERMINOL(登録商標)66およびDOWTHERM(登録商標)HTは、平均分子量240の水素化ターフェニル類の混合物である。最大温度限度は約370℃である。THERMINOL(登録商標)59、THERMINOL(登録商標)66およびDOWTHERM(登録商標)HTは本発明の好適な溶媒である。DOWTHERM(登録商標)流体はDow Chemical Companyにより製造されている。
【0025】
MARLOTHERM(登録商標)は、熱媒液についてのHuls AGの商標名である。MARLOTHERM(登録商標)Sは異性体ジベンジルベンゼン類の混合物である。MARLOTHERM(登録商標)Lは異性体ベンジルトルエン類の混合物である。双方とも約350℃までの温度で使用できる。双方とも本発明の好適な溶媒である。
【0026】
適切なアルキル化ベンゼン類はドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼンおよびそれらの混合物であり、Vista ChemicalCompanyにより、商標名NALKYLENE(登録商標)で販売されている。NALKYLENE(登録商標)550BL、NALKYLENE(登録商標)550LおよびNALKYLENE(登録商標)600Lは本発明の特に好適な溶媒である。アルキル化ベンゼン類およびポリ芳香族炭化水素類もアルコキシシラン類の直接合成に有用な溶媒である。
【0027】
テトラアルコキシシラン類の直接合成は、好ましくは溶媒としてその生成物を用いて行われる。しかし、ジベンジルトルエン類やジイソプロピルベンゼンのような芳香族溶媒類、および/またはトリエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル溶媒類を、テトラアルコキシシランと混合してもよい。有用な溶媒は、米国特許第3,803,197号、同第4,113,761号および同第4,752,647号各明細書で確認され、適当な該当部分を参照として本明細書に含める。
【0028】
使用済み反応溶媒の総シリコン含量を定量するための適当な方法は、重量測定および原子吸光分光法である。分析手順は、例えば、「シリコーン類の分析化学(The Analytical Chemistry of Silicones)」(A.L.Smith編)John Wiley&Sons Inc.NY、1991、8章で公開されている。可溶性シリケート類は、赤外線スペクトルにより定性的および定量的に分析できる。Si−O−Si結合は、1000〜1200cm-1の範囲における強い吸収により示される。29Si核磁気共鳴(NMR)分光法を使用して使用済み溶媒中の異なるシリコン含有種を検出し定量することができる。
【0029】
シリコン化学の命名法では、4個の酸素原子に結合されたシリコン原子はQ族と呼ばれる。Q0はモノマーSi(OR)4を表す。Q1は、鎖の末端における基OSi(OR)3を呼ぶ。Q2は鎖内または環内の内部基OSi(OR)2Oを表す。Q3は枝分かれした部位OSiO(OR)Oを、およびQ4は十分に架橋された基Si(OSi)4を呼ぶ。これらの基は、−70〜−120ppmの範囲内に特徴的な29SiNMR化学シフトがあり、これらはDEPTおよび深さパルス分析(depth pulse analysis)の使用により容易に割り当てられる。Brunet等、(Journal of Physical Chemistry、vol.95(1991)、pp945〜951;およびJournal of Non−Crystalline Solid、vol.163(1993)pp211〜225)ならびにBendall等、(Journal of Magnetic Resonance、vol.53(1983)365−385)による刊行物はこれらのNMR分析法の使用を詳述する。アルコキシシラン類の直接合成由来の使用済み炭化水素溶媒に対するIRおよびNMR技術の適用は下記の実施例で例証されている。ガスクロマトグラフィー(GC)分析および質量分析(MS)も使用済み反応溶媒中のシリケート類を定量するのに信頼性があり且つ正確な技術であることが判明している。
【0030】
溶媒の不要物処理および再使用についての本発明の方法は、アルコキシシラン類およびテトラアルコキシシラン類の直接合成に使用されるいずれの溶媒または溶媒の混合物にも応用できる。本発明の方法は、使用済み溶媒にカルボン酸を添加し、固形分および揮発性反応生成物を分離し、修復した溶媒を再使用するために回収することを含む。固体不要物の安全な処理を容易にするために、顆粒状の固体を生成するのが望ましく、それは容易に沈降または濾過され、反応溶媒を僅かしかまたは全く保持しない。
【0031】
適切なカルボン酸は一個以上のCOOH官能基を有することができる。例には、モノカルボン酸である、ギ酸、酢酸、フロ酸、アセト酢酸、クロロ酢酸、クロロプロパン酸、トリクロロ酢酸、ブロモ酢酸、フルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸、乳酸、グリコール酸およびサリチル酸;ジカルボン酸である、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸およびアジピン酸;ならびにクエン酸、酒石酸およびポリアクリル酸のようなポリカルボン酸がある。ギ酸や酢酸のような液体の低分子量酸類が好ましい。これらの酸類は、好ましくは、市販されている濃厚水溶液として使用される。しかし、使用前に水でさらに希釈してもよいが、このような希釈は溶媒の修復と再使用の有効性を損なわないことを条件とする。したがって、80〜99重量%のギ酸および酢酸試薬が効率的に使用できる。
【0032】
上述の化学式[6,7,8]から明らかなように、アルコキシシラン類は水と反応して縮合されたシリケート類を生成することがある。さらに、これらの化学式で示されている反応生成物の縮合はゲルおよび固体に導くことがある。使用済み直接合成溶媒を用いた実験により、この汚染溶媒は大気中の水分でさえ水反応性であることが示された。使用済み溶媒に水を意図的に加えて生成した固体は、ゼラチン質であり、溶媒から分離するのが非常に困難である。それらは懸濁されて残るかまたは非常にゆっくりと沈降する。濾過助剤の使用により分離は改良されたが、フィルターケーキは粘着性であり、溶媒保持力がある。しかし、使用済み溶媒と水との反応混合物にギ酸のようなカルボン酸を加えると固形分の沈降率が上昇し、それらの分離を改善する。酸の添加は、それらのシラノール基および/またはアルコキシ基の酸分解により、固形分を変化させると思われる。したがって、本発明の方法に使用されるカルボン酸溶液は上述した試薬等級の濃厚物よりもさらに希釈できる。10重量%程度の低いカルボン酸を含有する水溶液は幾つかの例で有効であることができる。好ましくは、この酸溶液は、少なくとも25%カルボン酸、好ましくは、少なくとも80重量%カルボン酸を含有する。
【0033】
化学式[10〜16]は、ギ酸が試薬酸であるときの使用済み溶媒中で起こる主要な化学反応を例示する。SiORおよびSiOH官能性は、使用済み溶媒中の溶解または懸濁したシリケート類、シラン類およびシロキサン類に存在する。SiOSi形成は、結局は固体シリケート類およびシリカの沈殿をもたらす。ギ酸アルキルおよび対応するアルコールは揮発性副生物である。それらは、所望の場合、有益に灰化または使用されることができる。例えば、エステル−アルコール混合物は、埋立前の沈殿した固体から過剰の酸および溶媒を洗浄するのに使用することができる。
【0034】
【化3】
Figure 0004276730
【0035】
廃溶媒に添加されるカルボン酸の量は、溶解したシリケート類を沈殿させしかも再使用できる溶媒を得るのに足る量でなければならない。酸の不足は有効ではなく、過剰は、無駄である上に、溶媒を再使用するとき望ましくない直接合成特性をもたらす可能性がある。最適な量は、使用済み溶媒の溶解シリコン含量を分析し、酸基対シリコンの当量比(すなわち、COOH/Si)を0.5〜6の範囲、またはそれよりも高比率でさえ利用することにより見積もることができる。好適な範囲は1〜3である。スラリーがアルカリ性であるとき、追加のカルボン酸処理が必要となりうる。
【0036】
過剰のカルボン酸が使用された場合、蒸発、活性炭のような適当な固体状の吸収または揮発性エステルもしくは不溶性塩に化学変換させることにより、処理済み溶媒からその過剰の酸を除去できる。蒸発は、常圧または減圧で、そして熱および不活性ガス流の助けの下で行うことができる。例えば、ギ酸や酢酸を、THERMINOL(登録商標)59から50〜100℃で大気圧またはそれより低い圧力でストリッピングすることができる。
【0037】
好適な実施態様では、トリメトキシシランまたはトリエトキシシランの直接合成に使用される溶媒は、トリアルキルオルトエステルスカベンジャー(例えば、オルトギ酸エステル(HC(OCH33やHC(OC253)、オルト酢酸エステル(CH3C(OC253およびCH3C(OC372OC25)ならびにオルト炭酸エステル(例えば、C(OCH34、C(OC254やC(OC374)で処理し、痕跡のカルボン酸類(例えば、ギ酸や酢酸)および/またはその他の活性水素化合物を、溶解したシリケート類、シロキサン類およびシラン類を前記カルボン酸で沈殿させた後に回収した濾液から除去する。
【0038】
酸類は化学式[17]に例示されているような反応を経て揮発性エステル類に変換される。
【0039】
【化4】
Figure 0004276730
【0040】
15〜250℃、好ましくは20〜100℃の範囲の温度が使用済み溶媒の安全で且つ効果的な処理のために使用できる。最も適した温度の選択は、とりわけ次の因子、すなわち、エステルおよびアルコールの揮発性、酸分解の発熱性、形成した固形分の濾過の容易性および利用できる装置の構成により決定される。酸分解反応の時間は約10分〜約6時間またはそれ以上であることができる。約30分〜約3時間の反応時間が本発明の方法に好適である。
【0041】
使用済み溶媒からカルボン酸類を用いて溶解したシリケート類、シラン類およびシロキサン類を除去する方法は、多くの方法で達成できる。場合によっては、酸処理を行ってからシリコンおよび触媒固形分の分離を直接合成に使用したのと同じ反応器中で行うのが有利であり得る。したがって、1以上のバッチのシリコンをアルコールと反応した後で、溶媒を修復して再循環する必要がある場合、反応器へのアルコール供給を停止し、カルボン酸を、化学式[10,11,13]により生成したエステルおよびアルコールの標準沸点を超える温度で撹拌下の反応スラリーに加える。これらの揮発性副生物(エステル類およびアルコール類)をオーバーヘッドから採取し、場合により灰化する。カルボン酸を、溶解したシリケート類、シロキサン類およびシラン類を除去するのに足る速度と量で加える。シリコン、触媒(すなわち、銅、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する)固形物、沈殿したシリケート類および溶媒を含むスラリーを、少量の酸、アルコールおよびエステルと共に反応器からフィルター、遠心分離器またはその他の液/固分離器に入れる。場合により、濾過助剤を分離の容易性と速度を改善するために加える。場合により、固形分は、アルコールおよびエステル混合物で洗浄し、埋め立てるかさもなくば安全に廃棄する。回収した溶媒は直接合成反応器に再循環させる。トリアルキルオルトエステルのようなスカベンジャーの有効量を、場合により、再循環される溶媒中に注入して残留痕跡の酸をエステル化し、その後、当該溶媒の再使用をする。このスカベンジャーは、この時、溶媒中の水またはその他の活性水素化合物とも反応し、易揮発性の生成物を得る。総ての揮発物は、溶媒が直接反応を再開するために再加熱されているときに、溶媒からストリッピングされる。シリコンおよび触媒は、適当な安全性および注意を払ってこの熱ストリッピングされた溶媒に直接合成の開始温度未満の温度で加えられる。
【0042】
あるいは、直接合成からの熱スラリーは、場合により、有効量の濾過助剤で処理され、不要固形分の除去のため、固/液分離器(例えば、遠心分離器または濾過器)中に注がれる。濾液は、なお超微細粒子を含有するが、別の容器または場合により元の反応器に入れられ、そこで撹拌、カルボン酸による処理ならびにエステル類およびアルコール類を揮発させるのに足る温度に維持される。カルボン酸は、シラン類、シリケート類およびシロキサン類を除去するのに足る速度および量で加える。カルボン酸の添加が完了すると、場合によりオルトエステルを注入し、さらにエステル類およびアルコール類を除去する。修復した溶媒から遠心分離または濾過により、場合により濾過助剤の助けを借り、固形分を除去する。この溶媒を直接合成に再循環させる。
【0043】
【実施例】
下記の実施例は本発明の好適な実施態様を例証する。これらは、本発明の範囲を制限する意図はない。そうではなくて、これらの実施例は単に当業者により本発明の実施を容易にするために提供する。
【0044】
実施例のデータを示すのに使用される略号は次の通りである:
【0045】
【表1】
Figure 0004276730
【0046】
下記の実施例では使用済み溶媒は、重量測定および原子吸光スペクトルにより総シリコン含量について、そして29SiNMRにより可溶性シリコンをQ0、Q1、Q2、Q3およびQ4基に種分けするために分析した。これらの官能基の化学シフト(テトラメチルシランに関連して)を下の表2に示す。これらの基のモル%は積分面積から計算される。
【0047】
【表2】
Figure 0004276730
【0048】
合成シリケート混合物の製造
W.G.KlempererおよびS.D.Ramamurthiにより「Better Ceramics Through Chemistry III」(Brinkley、ClarkおよびUlich編)p.3に公開されている手順にしたがって、112.09gのCH3OH、22.42gのHSi(OCH33、86.24gのSi(OCH34、7.14gのH2Oおよび1.45gの10モルHClから線状、枝分かれしたおよび環状シリケート類の混合物を製造した。この混合物は、実施例1〜3で報告した比較実験で、アルキルシリケート類の分光学的特性を例証するためにそしてSiOCH3基とギ酸や酢酸との反応を例証するために使用した。
(実施例1)
この実施例は、トリメトキシシランの実験室および産業規模のスラリー直接合成からの廃溶媒のシリコン、溶解したシリケートおよび総固形分の含量を示す。
【0049】
【表3】
Figure 0004276730
【0050】
(実施例2)
この実施例は、トリメトキシシランおよびトリエトキシシランの直接合成のために使用した溶媒をギ酸または酢酸で処理したときにシリケート固形分の沈殿が起こることを示す。結果は、未使用コントロールおよび合成されたシリケート類を含有する比較試料についても示されている(上掲参照)。
【0051】
実施例1で使用されたのと同じ使用済み溶媒の約20gアリコットを小さなガラス製瓶に移し、10gのHCOOH(90重量%)または10g氷酢酸CH3COOHと共に振とうさせた。室温で試料を静かに放置し、周期的に観察した。二、三のケースでは加熱した。表4に観察結果を記録する。
【0052】
【表4】
Figure 0004276730
【0053】
試験結果は、ギ酸または酢酸で処理した総ての使用済み溶媒試料で固形分の沈殿が起こった。この沈殿は、合成シリケート混合物で観察されたのと同様であり、使用済み有機溶媒からの可溶性シリケートを除去する証拠を与えた。
(実施例3)
この実施例は、溶解したシリケート類がカルボン酸による処理により使用済み溶媒から除去され、しかも対応するアルコールおよびカルボン酸エステルが同時に形成される証拠をFTIRおよびGC/MS分析により与える。
【0054】
HSi(OCH33の工業規模直接合成に使用されたTHERMINOL(登録商標)59を90重量%のHCOOHと50℃で反応させた。使用したモル比〔HCOOH/Si〕は1.5〜6の範囲であった。機械撹拌器、蒸留用ヘッド(distilling head)、水流冷却コンデンサー、温度計および滴下ロートを備えた250ml三口フラスコ中で反応を行った。使用した試薬の量は表5に列挙した。使用済みTHERMINOL(登録商標)59にギ酸を加えると同時に反応は約60℃に発熱した。揮発性副生物、沈殿固形分および処理済み溶媒を分析のために集めた。反応混合物を濾過により分離した。減圧下150℃で濾液をストリッピングし、残留メタノール、ギ酸メチルおよびギ酸を除去した。顆粒状固体をメタノールで濯ぎ、100℃のオーブン中で一夜乾燥させた。回収した固体の量も表5に記録した。
【0055】
【表5】
Figure 0004276730
【0056】
ギ酸処理前後における未使用THERMINOL(登録商標)59および使用済みTHERMINOL(登録商標)59のFTIRスペクトルを臭化カリウム板の間の極薄いフィルム(thin capillary film)上で測定した。使用済みTHERMINOL(登録商標)59のスペクトルは、1020−1150cm-1の領域にSi−O−Si非対称伸縮の特徴を示す顕著な吸収を示した。最大ピークは1096.5cm-1にあった。未使用およびギ酸処理THERMINOL(登録商標)59はその領域に有意な吸収を示さなかった。さらに、これらの2スペクトルの重なりは実験誤差内で同一であることを示した。
【0057】
沈殿した固体は黄褐色であった。すべて、シリカのSi−O−Si非対称伸縮を示唆する1072−1075cm-1を中心とするブロードな強いバンドおよび水素結合されたOH基を示す3365cm-1に広いバンドを示すFTIRを有した。1276cm-1および2955cm-1の弱いバンドはSiに結合したCH3を示す。2250cm-1に弱いSi−H伸縮が観察された。水は1630−1640cm-1の弱いバンドにより示されている。
【0058】
これらのFTIR結果は、使用済みTHERMINOL(登録商標)59中に溶解したシリケートが存在し、1096.5cm-1にSi−O−Siのバンドが原因であることを示す。使用済み溶媒のギ酸処理はシリケート類を沈殿させ、新鮮な未使用THERMINOL(登録商標)59と区別できない濾液を残す。沈殿した固形分はH3C−Si、H−SiおよびHO−Si部分を持つシリカおよびシルセスキオキサン類を含む。
【0059】
上述したギ酸処理からの揮発性副生物を濃縮し、Hewlett Packard5970装置でGC/MSによる分析をした。0.25μmの被覆をした30mx0.25mm直径のDB−5キャピラリーカラムを分離のために使用した。メタノール(質量32)およびギ酸メチル(質量60)が主成分であった。
【0060】
上で製造した合成オルガノシリケート混合物について比較実験を行った。この混合物をTHERMINOL(登録商標)59に加え、1.25重量%のSiまたは2.50重量%Siを含有する溶液を与えた。ギ酸を、[HCOOH/Si]モル比が1〜4の範囲に相当する量で使用した。すべての反応は僅かに発熱性であった。回収した固体、揮発性副生物および処理した溶媒を上述したようにFTIRおよびGC/msにより分析した。このデータは溶解したシリコンが[HCOOH/Si]モル比が>1で十分に沈殿したことを示した。
(実施例4〜6)
これらの実施例は、ギ酸沈殿工程を行うことのできる広い範囲の温度、モル比、HCOOH添加速度および反応時間を例証する。反応の完了および形成された固形分の濾過能力を2種類のパラメーターで監視した。
【0061】
実施例4は、21〜90℃の反応温度で、[HCOOH/Si]モル比が約6の効果を例証する。実施例5は、[HCOOH/Si]モル比が0.9〜3で、反応時間が1〜5時間の効果を例証する。実施例6は、ギ酸の添加速度が0.25〜18g/秒の効果を例証する。
【0062】
機械的撹拌器、蒸留用ヘッド、水流冷却コンデンサー、温度計および滴下ロートを備えた適当な大きさの三口丸底フラスコ中で反応をおこなった。ギ酸(90重量%)を、HSi(OCH33の工業規模の直接合成に使用したTHERMINOL(登録商標)59に加えた。実施例4の各実験(表6)で、500gの使用済みTHERMINOL(登録商標)59をフラスコに入れ、所定の温度に加熱した。次いで、ギ酸(90重量%、100g)を3g/秒の速度で導入した。その所定の温度で1時間撹拌を続けた。ステンレス鋼製フィルター中の0.7μm、142mm直径ボロシリケートマイクロファイバーパッドを通して20psig(137.9kPa)窒素加圧下で濾過をおこなった。濾液の重量を10秒間隔で記録した。固形分をメタノールで濯ぎ、恒量になるまで80℃のオーブン中で乾燥させた。
【0063】
実施例5では(表7)、100gの使用済みTHERMINOL(登録商標)59を用いて21℃で反応を開始した。ギ酸を3g/秒の速度で加えた。表8に示されているように総反応時間を1〜5時間で変動させた。300gの使用済みTHERMINOL(登録商標)59、60gのHCOOH(90重量%)、開始温度21℃および総反応時間1時間は、実施例6で記載したギ酸添加速度の検討において使用した量および条件であった(表8)。実施例5および6の反応混合物を20psig(137.9kPa)窒素下で微細なボロシリケートメンブラン60mm直径で加圧濾過をした。濾液の重量を10秒間隔で記録した。固形分をメタノールで濯ぎ、恒量になるまで80℃のオーブン中で乾燥させた。
【0064】
【表6】
Figure 0004276730
【0065】
表6から、検討した温度のすべてにおいて固形分が沈殿したが、35〜50℃の温度と比較して、21℃(実施例4A)および80〜90℃(実施例4D、4E)で濾過性を改善したことが分かる。
【0066】
【表7】
Figure 0004276730
【0067】
表7のデータは、実施例5Aおよび5Gで形成した固形分よりも実施例5E、5F、5H、5Iおよび5Jで形成した固形分の方がより濾過性が容易であったことが分かる。したがって、1.5〜3の[HCOOH/Si]モル比および約1時間の反応時間が使用済み反応溶媒から溶解したシリケートの除去のために非常に望ましい条件であることが分かる。
【0068】
【表8】
Figure 0004276730
【0069】
表8から、より遅いギ酸の添加がより濾過の容易な固形分を得たことが分かる。
(実施例7)
この実施例は、溶解したシリケート類の沈殿に続いて使用済みTHERMINOL(登録商標)59からの残留ギ酸の除去を例証する。トリメトキシオルトホルメートを用いる残留ギ酸の捕捉およびこの残留酸の蒸発による除去の双方を例証する。
【0070】
HSi(OCH33の工業規模直接合成で使用された302.5gのTHERMINOL(登録商標)59を50.2gの90重量%HCOOHと50℃で1時間反応させた。モル比[HCOOH/Si]は4.92であった。機械的撹拌器、蒸留用ヘッド、水流冷却コンデンサー、温度計および滴下ロートを備えた500mlの三口丸底フラスコ中で反応をおこなった。反応混合物を20psig(137.9kPa)窒素下で微細なボロシリケートメンブラン60mm直径で加圧濾過をした。濾液(表9の試料7A)を残留ギ酸の除去のために2部分に分けた。約100gの一部分は1時間150℃に加熱し、窒素流中でその揮発成分をストリッピングした。回収した溶媒は表9で試料7Bと表示した。濾液の別の部分(150g)を5.82gのHC(OCH33と21℃で反応させ、次いで、窒素流中で70℃に加熱し、含まれている揮発成分をストリッピングした。この処理により回収した溶媒を表9の試料7Cと標識した。KBr板の間に極薄いフィルムとしてFTIRにより3試料すべてを分析した。
【0071】
【表9】
Figure 0004276730
【0072】
表9に要約した結果は、試料7B、7Cおよび未使用THERMINOL(登録商標)59のFTIRスペクトルは区別できないことを示している。これらの3試料すべてが溶解したシリケートまたはギ酸もしくはギ酸メチルのようなカルボニル含有化合物を含まなかった。ギ酸またはギ酸メチルの双方とも、最初に処理したTHERMINOL(登録商標)59、試料7A中に存在した。カルボニルバンドは、エステルカルボニル(ギ酸メチル)および酸カルボニル(ギ酸)の重なりであり、後者は低振動数肩により表示された。したがって、HC(OCH33捕捉および蒸発による分離は、溶解したシリケートの沈殿に続くTHERMINOL(登録商標)59から残留ギ酸を除去した。
(実施例8)
本実施例は、使用済み反応溶媒に濾過助剤を添加することによりもたらされる固/液分離速度における改善を例証する。数種のポリアクリレート(GOOD−RITE(登録商標)7058、CARBOPOL(登録商標)980、PEMULEN(登録商標))、セルロース系(SOLKAFLOC(登録商標))、ソルビトール系(MILLITHIX(登録商標)925)およびポリエチレンオキシド濾過助剤を試験した。表10に示したデータは、HSi(OCH33の工業規模直接合成からの使用済みTHERMINOL(登録商標)59中に0.5重量%使用レベルについてである。
【0073】
各実験では、200gの使用済み溶媒を適当な濾過助剤と共に21℃で撹拌した。20psig(137.9kPa)窒素加圧下ステンレス鋼フィルター中の142mm直径、0.7μmボロシリケートマイクロファイバーパッドを通過させて濾過をおこなった。濾液の重量を採取中継続して量り、重量対時間のプロットを作成した。表10に示されている速度(g/分)は、上昇する曲線部分の直線状傾斜である。各実験により約190gを回収した。
【0074】
【表10】
Figure 0004276730
【0075】
表10のデータは、0.5重量%の濾過助剤の添加により異なる程度で濾過が改善されたことを示す。ポリアクリレートおよびセルロース系材料は、コントロール値の2〜6倍の速度の改善をもたらした。GOOD−RITE(登録商標)7058およびSOLKAFLOC(登録商標)は特に有効であった。
(実施例9)
本実施例は、トリメトキシシランの直接合成から未濾過THERMINOL(登録商標)59の修復におけるギ酸およびトリメチルオルトホルメートの使用を例証する。
【0076】
溶解したシリケート類を除去しないで、HSi(OCH33の直接合成に4回再循環させたTHERMINOL(登録商標)59が出発物質であった。これには、1.85重量%の溶解シリコン、2.95重量%の総シリコンおよび4.03重量%の固形分が含まれていた。この未濾過廃物3.33kgを5リットルの四つ口フラスコ(機械撹拌器、蒸留用ヘッド、温度計、コンデンサーおよび窒素スパージャーが備えられている)に入れ、室温(21℃)で10.5g/分の速度で添加される208gのHCOOH(90重量%)と反応させた。モル比〔HCOOH/Si〕は1.85であった。全部で1時間撹拌を続けてから、20psig(137.9kPa)で0.7μm、142mm直径のボロシリケートパッドを通過させて固形分の加圧濾過をおこなった。濾液には依然としてメタノール、ギ酸メチルおよび僅かに過剰のギ酸が含有されていた。それを21.26gHC(OCH33で未反応のHCOOHを捕捉するために処理し、約1時間窒素流下100℃に加熱して揮発成分の全ストリッピングをおこなった。回収した溶媒をトリメトキシシランを製造するのに使用した(実施例12E参照)。
(実施例10)
本実施例は、トリメトキシシランの直接合成からの使用済みTHERMINOL(登録商標)59の濾過およびギ酸処理を例証する。
【0077】
溶解したシリケートを除去しないで、HSi(OCH33の直接合成に4回再循環させたTHERMINOL(登録商標)59が出発物質であった。これには、1.85重量%の溶解シリコン、2.95重量%の総シリコンおよび4.03重量%の固形分が含まれていた。この使用済み溶媒にSOLKAFLOC(登録商標)濾過助剤を加え、得られたスラリーを40psig(275.8kPa)で0.7μm、142mm直径のボロシリケートパッドを通過させて加圧濾過をおこなった。次いで、2580.6gの濾過した廃物を150.22gのHCOOH(90重量%)を用いて室温で2.5時間処理をした。モル比[HCOOH/Si]は1.73であった。0.7μm、142mm直径のボロシリケートパッドを通過させて加圧濾過をおこなうと、108.2gのシリケート固体と、THERMINOL(登録商標)59、メタノール、ギ酸メチルおよび可能性あるギ酸を含む濾液を生じた。窒素流下、150℃に加熱し、1時間その温度に維持して、濾液の揮発性成分をストリッピングして、2424.6gの修復されたTHERMINOL(登録商標)59を直接合成に再使用するために回収した(実施例12D参照)。
(実施例11:比較例)ホウ酸/ソジウムメトキシドを用いるTHERMINOL(登録商標)59の処理
この比較例は、米国特許第5,166,384号(例21)に開示されている方法を使用して修復したTHERMINOL(登録商標)59の試料を得るのに使用する。
【0078】
溶解したシリケートを除去しないで、HSi(OCH33の直接合成に4回再循環させたTHERMINOL(登録商標)59が出発物質であった。これには、1.85重量%の溶解シリコン、2.95重量%の総シリコンおよび4.03重量%の固形分が含まれていた。この未濾過廃物2.85kgを4リットルの四つ口フラスコ(機械撹拌器、蒸留用ヘッド、温度計、コンデンサーおよび窒素スパージャーが備えられている)に入れ、撹拌しながら65℃に加熱した。12.25gのNaOCH3粉末を加え、次いで、1分後に37.1gのH3BO3を加えた。温度を85℃に上げ、2時間その温度に維持した。次いで、熱反応混合物を、20psig(137.9kPa)で0.7μm、142mm直径のボロシリケートパッドを通過させて加圧濾過をおこなった。回収した濾液を実施例12Cでトリメトキシシランの直接合成のために使用した。
(実施例12)
この実施例は、HSi(OCH33のスラリー相直接合成において実施例9〜11で上述したとおりに回収したTHERMINOL(登録商標)59の再使用を例証する。
使用した装置
5.8リットルのCHEMINEER(登録商標)反応器を、実施例12A〜12Eでシリコンおよびメタノールの直接反応に使用した。周方向に90°づつ離間させて設けられた幅1.27cmの4枚のバッフルが反応器の壁に取り付けられている。軸シャフトに取り付けた2個の撹拌器により撹拌した。底部側の撹拌器は直径6.35cmの6ブレードタービンであった。同じ直径の4ブレードプロペラをタービンの上方10cmに配置した。磁気タコメーターにより回転速度が測定される可変速度空気駆動モーターにより撹拌力が与えられた。ヒーター/温度コントローラーにより制御される電気加熱用マントルを反応器を加熱するのに使用した。
【0079】
目盛付きFMI実験室用ポンプにより1リットルの貯蔵用容器からメタノールを反応器に供給した。内部直径0.32cm×長さ305cmのコイル巻きしたステンレス鋼製管を150℃に制御された4リットルのシリコーンオイル浴中に入れ、アルコール蒸発装置として作用させた。同様の蒸発装置用コイルは再循環流のために利用できたが、しかし、それはこれらの実験の行程中では使用されなかった。アルコール入口ラインは反応器の頂部から挿入されていた。蒸気の凝縮を避けるためにそのラインを加熱した。アルコール蒸気を、反応器の底部から2.5cmで6ブレードタービンのレベルより低い位置で一個の下向きスパージャー(内部直径0.63cm)により注入した。アルコール蒸気入口ラインに付けられた圧力ゲージは、スパージャーが栓詰まりしたときに、より高い読みを与えた(最高約2気圧)。通常、ゲージ値はゼロだった。実験中に貯蔵用容器に追加のアルコールを供給し、この試薬の連続した流れを維持した。
【0080】
反応生成物と未反応のアルコールを、91.4cm×2.54cm内部直径充填チューブを介して反応器から出した。このチューブはエントレインメント分離器および部分蒸留カラムとして作用し、生成物流から溶媒と高沸点シリケート類とを除去する。充填はセラミックサドルとステンレス鋼製メッシュだった。チューブの長さ方向に沿って5個の熱電対を配備し、温度を記録し発泡を表示した。最も低い熱電対は反応器の頂部と同一の高さであった。FS 1265を使用して発泡を制御した。軟質管材料でエントレインメント分離器/部分蒸留カラムの出口を4方向バルブに連結した。
【0081】
2個の10プレートOldershaw蒸留カラムにより、気相から液体反応生成物および未反応アルコールを分離した。反応器からの排液をより低いカラムの頂部トレイに入れた。該カラムは加熱用マントル中に支持された2リットルの三口丸底フラスコに結合されていた。上方カラムを磁気的に制御された還流冷却器および熱電対を備えた蒸留用ヘッドにより覆った。還流冷却器および別のコンデンサーの下流を、循環するシリコーンオイルにより−25℃に冷却した。未濃縮ガスは蒸気ロックバブラーよりコンデンサーを出、総ガス流メーター(Model DTM−115、American meter Co)に入れた。ガラス製品(カラム、コンデンサーおよびバブラー)を破壊するかまたは結合部の漏れを起こす可能性のある背圧を避けるためにより広い管材料をバブラーの下流に使用した。ガス試料採取口をガスメーターに続くTジョイントに設けた。メーターからのガス流を窒素で希釈してから実験用フード中にその排出をする。熱電対は三口フラスコの第2番目の口に設け、その他の口にFMI実験室用ポンプに対する取り入れ口を設けた。このポンプは、フラスコからTEFLON(登録商標)被覆したポリエチレン製貯蔵瓶に液体生成物を移動させるために使用した。貯蔵に使用されたすべてのガラス容器または試料トリメトキシシランは、希釈したHClで洗浄され、メタノールでよく濯ぎ、110℃でオーブン乾燥されてから使用された。
一般的活性化および反応手順
すべての場合に、反応器に2kgの溶媒、1kgのシリコン、7.05gの水酸化銅(II)触媒および0.6gのFS−1265脱泡剤を装填し、蓋をした。化学式[1]にしたがい、1kgのシリコンの完全変換は3.43kgのメタノールを必要とし、298°Kおよび1気圧で4.36kgのHSi(OCH33および873リットルのH2を生成した。得られたスラリーを約900〜1200rpmで撹拌し、250℃に加熱されたときに窒素を導入した。シリコン−触媒熱活性化と同時に、アルコール蒸発器を約150℃に加熱し、コンデンサー内を循環する冷媒を約25℃に冷却した。スラリーを1時間250℃に置いた後、反応器にアルコールを流し始めた。流速は5.05g/分だった。
【0082】
アルコール流が進行し始めたら、安定な組成が確立するまで、10分毎に水素のベントガス流を試料採取して分析した。それは導入期間の終了を示す。その後、ガス試料採取を30分毎におこない水素、炭化水素およびエーテルをモニターした。反応行程中、総ベントガス流を、化学式[1]の化学量論にしたがって反応速度の大体の測定として使用した。
【0083】
4方向試料採取用バルブに結合され、予め酸洗浄をし、メタノールで濯ぎ、オーブンで乾燥させた容器中に、試料を30分毎に2〜5分間にわたって採取した。試料採取中、容器をドライアイス中で冷却した。試料を秤量し、ガスクロマトグラフィーにより分析した。液体生成物の大部分を、リボイラーとして作動する三口フラスコ中で濃縮し、貯蔵のため移動させた。これらのデーターのすべてを、生成物流の特定期間の組成、トリアルコキシシランへの選択性、反応速度および全シリコン変換を計算するために使用した。普通、反応は、反応器へ装填されたシリコンの>85%が反応した後、終了させた。
【0084】
ガス試料を、GS−Molecularsieve 30m×0.53mm内部直径(J&W Scientific)キャピラリーカラムおよび炎イオン化検出器を備えたHewlett Packard5840ガスクロマトグラフで水素、窒素およびメタン含量について分析した。アルゴンをキャリアーガスとした。ガスクロマトグラフィー−マススペクトルは、ジメチルエーテルの分析のために使用した。アルコキシシラン類を含有する液体試料を、60/80メッシュCHROMOSORB WHPカラム上に3.66m×3.18mm内部直径のステンレス鋼20%OV−101(Supelco)および熱伝導率検出器を備えたHewlett Packard5840ガスクロマトグラフで分析した。ヘリウムをキャリアーガスとした。
使用材料
例証的な実施例12A〜12Eの実験で利用した工業等級のシリコンについての分析および粒度データーを表11および12に列挙した。表13は使用した水酸化銅(II)触媒についてのデーターの要約である。使用した溶媒は、NALKYLENE(登録商標)550BLおよびTHERMINOL(登録商標)59だった。発泡制御剤はFS1265(Dow Corning)だった。
【0085】
【表11】
Figure 0004276730
【0086】
【表12】
Figure 0004276730
【0087】
【表13】
Figure 0004276730
【0088】
上述した5.8リットルCHERMINOL(登録商標)反応器中で直接合成をおこなった。実施例12Aは未使用THERMINOL(登録商標)59を用いたコントロール実験である。実施例12Bは、懸濁した固形分を圧縮濾過したが、それ以外は何も処理しない使用済みTHERMINOL(登録商標)59(実施例9〜11と同じ出発物質)を用いておこなった。実施例12Cの溶媒は、米国特許第5,166,384号の方法にしたがった実施例11で回収したものである。実施例12Dおよび12Eで使用したTHERMINOL(登録商標)59は、各々実施例10および9で開示したギ酸修復で得られた。
【0089】
表14は、85%シリコン変換率における5実験の性能パラメーターの要約を含む。反応は、実際は、この点を超えて継続したが、85%は比較のために都合の良い基準である。
【0090】
【表14】
Figure 0004276730
【0091】
実施例12Bの濾過済みTHERMINOL(登録商標)59は、実施例12Aの未使用で新鮮なTHERMINOL(登録商標)59又は実施例12C、12Dおよび12Eの修復した溶媒に比較して視覚的により粘性だった。実施例12Bにおけるよりゆっくりとしたシリコン変換速度は、このより粘性の媒質においてメタノールの移動に対して大きな抵抗をもたらす可能性があり、何回も再使用した後に溶媒の修復を必要とすることを示す。実施例12A、12Bおよび12Cの選択性は非常に良好で米国特許第4,727,173号および同第5,166,384号に開示された値に匹敵する。反応速度および選択性は本発明の修復済み溶媒(実施例12Dおよび12E)において優れていた。
【0092】
上記の実施例および開示は例証を目的としており網羅的ではない。これらの実施例および記載は当業者にとり多くの変動と代替を示唆する。これらのすべての代替物および変動は特許請求の範囲内に含まれていることを意図している。業界に通じた者は本明細書中で記載した特定の実施態様のその他の均等物を認めると思われるが、これらの均等物も特許請求の範囲により包含されることを意図する。

Claims (24)

  1. 溶解したシリコン化合物を含有する使用済み溶媒の修復方法であって、当該方法は:
    当該使用済み溶媒と、溶解したシリコン化合物類を固体シリケート類および/またはシリカに変換する反応を行うのに足る量のカルボン酸とを接触させ、次いで、当該溶媒を変換された固体シリケート類および/またはシリカから分離することを含む、前記溶解したシリコン化合物を含有する使用済み溶媒の修復方法。
  2. 前記接触工程の前に溶媒をその中で懸濁されている固体から分離する請求項1に記載の方法。
  3. カルボン酸を使用済み溶媒に、カルボン酸当量分/シリコン原子(COOH/Si)が0.5〜6の比率を与える量で加える請求項2に記載の方法。
  4. 前記比率COOH/Siが1〜3である請求項3に記載の方法。
  5. 過剰の酸を使用し、前記固体シリケート類および/またはシリカを生成した後に、過剰の酸を溶媒から除く請求項1に記載の方法。
  6. 前記固体シリケート類および/またはシリカを生成した後に、溶媒にスカベンジャーを加え、再使用する前に残留し得る活性水素と反応させる請求項1に記載の方法。
  7. 前記スカベンジャーがトリアルキルオルトエステルである請求項6に記載の方法。
  8. 前記スカベンジャーがHC(OCH、HC(OC、CHC(OC、CHC(OCOC、C(OCH、C(OCおよびC(OCからなる群から選択される請求項6に記載の方法。
  9. カルボン酸の濃度が少なくとも10重量%である請求項1に記載の方法。
  10. カルボン酸の濃度が少なくとも25重量%である請求項9に記載の方法。
  11. 前記反応を15〜250℃の温度で行う請求項1に記載の方法。
  12. 前記反応を20〜100℃の温度で行う請求項11に記載の方法。
  13. 前記カルボン酸が酢酸またはギ酸である請求項1に記載の方法。
  14. 使用する酢酸またはギ酸の濃度が少なくとも80重量%である請求項13に記載の方法。
  15. 前記カルボン酸がギ酸、酢酸、フロ酸、アセト酢酸、クロロ酢酸、クロロプロパン酸、トリクロロ酢酸、ブロモ酢酸、フルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸、乳酸、グリコール酸、サリチル酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、アジピン酸、クエン酸、酒石酸およびポリアクリル酸ならびにそれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  16. 前記アルコールおよび前記アルコールと前記酸とのエステルの標準沸点のうちの高い方を超える温度で反応を行う請求項1に記載の方法。
  17. 反応溶媒の沸点が250℃よりも高い請求項1に記載の方法。
  18. 反応溶媒がアルキル化芳香族化合物、ポリ芳香族化合物、トリエチレングリコールジメチルエーテルまたはその2種以上の混合物である請求項17に記載の方法。
  19. 反応溶媒が、ジフェニルエーテル、ジフェニル、ターフェニル、アルキル化ベンゼン類、アルキル化ジフェニル類、アルキル化ターフェニル類、ジベンジルベンゼン類、ベンジルトルエン類、水素化ターフェニル類およびトリエチレングリコールジメチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1構成分を含む請求項17に記載の方法。
  20. 使用済み溶媒とカルボン酸とを接触させる前又は接触後に濾過助剤を加えることをさらに含む請求項1に記載の方法。
  21. 前記濾過助剤が、セルロース製、アクリル製、ポリエチレンオキシド製、ポリプロピレンオキシド製、ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)コポリマー製、珪藻土製および無機ケイ酸塩製濾過助剤、ならびにこれらの成分の混合物の濾過助剤からなる群の構成分である請求項20に記載の方法。
  22. 溶媒が、アルコキシシランの生産のための直接合成法からの使用済み溶媒である請求項1に記載の方法。
  23. アルコキシシランがトリアルコキシシランまたはテトラアルコキシシランである請求項22に記載の方法。
  24. a)シリコンとアルコールとの混合物をアルコキシシランが生成する条件下の反応溶媒中で反応させ、b)アルコキシシラン生成物を反応混合物から分離し、次いで、c)i)使用済み溶媒を、この使用済み溶媒中に溶解したシリコン化合物類を固体のシリケート類および/またはシリカに変換させる反応を行うに足る量のカルボン酸と接触させ、次いで、ii)固体のシリケート類および/またはシリカから溶媒を分離させることにより使用済み溶媒を修復する、ことを含む方法。
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