JP2000290217A - アセトンの精製方法 - Google Patents

アセトンの精製方法

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JP2000290217A
JP2000290217A JP11094184A JP9418499A JP2000290217A JP 2000290217 A JP2000290217 A JP 2000290217A JP 11094184 A JP11094184 A JP 11094184A JP 9418499 A JP9418499 A JP 9418499A JP 2000290217 A JP2000290217 A JP 2000290217A
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JP
Japan
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acetone
reactor
rectification column
boiling impurities
reaction
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JP11094184A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kuroda
浩史 黒田
Koichi Yamazaki
幸一 山崎
Hideki Matsuo
英喜 松尾
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アセトン精留における製品アセトンへの軽沸不
純物の混入を防止し、安定した品質のアセトンを製造す
る方法を提供する。 【解決手段】粗アセトンを精留により精製する方法にお
いて、精留塔前に反応器を設け、該反応器において粗ア
セトン中の軽沸不純物の重質化反応を予め行い、次いで
精留する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素を原料と
したアセトン製造プロセスにおけるアセトンの精製方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】アセトン製造技術において、アセトンの
沸点が56℃と低い等の理由から、軽沸不純物の蒸留除
去が困難であることが知られている。この問題を解決す
る方法として、アセトン精留塔に軽沸化合物を重質化促
進させる化合物を添加し、留出する製品アセトンに対し
て重質化した不純物を缶出除去するという方法が、主に
行われている。
【0003】しかしこの方法では重質化反応部がアセト
ン精留塔濃縮部に達することがあり、十分に重質化され
ていない軽沸不純物が留出する製品アセトンに混入し、
アセトン品質を低下させるという問題がしばしば発生し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アセトン製
造における上記問題を解決するためになされたものであ
って、軽沸化合物の重質化を精留塔前で十分に行うこと
により、アセトン精留における製品アセトンへの軽沸不
純物の混入を防止し、アセトン品質の安定化に有用であ
ることを見出して、本発明に至ったものである。
【0005】即ち、本発明は、軽沸不純物を重質化する
反応器をアセトン精留塔前に設け、使用することによ
り、軽沸不純物の重質化反応を十分進行させ、アセトン
精留における製品アセトンへの軽沸不純物の混入を防止
し、安定した品質のアセトンを製造する方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、粗アセトンを
精留により精製する方法において、精留塔前に反応器を
設け、該反応器において粗アセトン中の軽沸不純物の重
質化反応を予め行い、次いで精留することによってアセ
トン品質を向上させることを特徴とするアセトンの精製
方法である。
【0007】本発明によるアセトンの精製方法は、軽沸
化合物の重質化を精留塔前に設けた反応器で十分に行う
ことにより、アセトン精留における製品アセトンへの軽
沸不純物の混入を防止することを特徴とする。
【0008】アセトン生成反応としては、イソプロピル
アルコールを脱水素してもよいし、クメンハイドロペル
オキシドを硫酸触媒で開裂させてもよいが、これらに限
定されるものではない。
【0009】アセトン生成反応においては軽沸不純物が
副生する。具体的にはメタン、エタン、エチレン、メタ
ノール、エタノール、ホルムアルデヒド、アセトアルデ
ヒド、蟻酸,酢酸等を挙げることができる。
【0010】従来技術として、蒸留による分離精製が困
難であるこれら軽沸不純物を除去するため、精留塔内部
で重質化反応を起こして沸点を上げ、蒸留除去を容易に
するという方法を挙げることができる。
【0011】具体的にはアルデヒド類を、アルカリ金属
化合物触媒をアセトン精留塔に添加することでアセトン
とアルドール縮合反応を起こし、アセトアルドール,も
しくはクロトンアルデヒドとしてアセトン精留塔缶出と
して系外に除去する方法が挙げられるが、これに限定さ
れるものではない。
【0012】本発明では、アセトン精留塔前に反応器を
設けることによって、反応器内部で軽沸不純物の重質化
反応の進行を助長させ、アセトン精留塔内では重質化未
反応を軽減させることができる。
【0013】アルデヒド類に対するアルドール縮合反応
の例で説明すると、反応器としては滞留時間が5分から
20分程度となるような大きさが望ましい。更に好まし
くは、縮合反応を促進するアルカリ金属化合物触媒の滞
留を防ぐために、反応器に攪拌機を備えているとよい。
【0014】アルドール縮合反応のような平衡反応で
は、アセトン精留塔内で組成分布が生じた場合、精留塔
内で再び軽沸不純物に解離することもあるので、従来の
技術通りに精留塔内へのアルカリ金属化合物触媒添加を
行うほうが好ましい。
【0015】また、反応器の形態は固定床でも流動床で
もよい。
【0016】アセトン精留塔缶出液は、若干のアセトン
とアルカリ金属化合物を含んだ水が主な組成であるが、
これを更に蒸留して有価物を蒸留除去した水溶液を、ア
セトン精留塔前に設けた重質化反応器にフィードするこ
とによって、用役使用量を削減することもできる。
【0017】
【実施例】以下に、アセトン精留塔前に重質化するため
の反応器を設けることによる効果を、実施例として説明
する。しかし、本発明はこれら実施例により何ら限定さ
れるものではない。
【0018】実施例1 20万T/Y規模のクメン法アセトン製造プロセスにお
いて、18T/hの粗アセトンを、55℃,20m3の
反応器にを経由してアセトン精留塔にフィードした。反
応器には0.75%の水酸化ナトリウム水溶液を1.5
kg/h添加した。アセトン精留塔には0.5%NaO
Hをプロセスフィードの4段上に0.5T/hフィード
した。
【0019】アセトン生産を1年間続け、アセトン精留
塔留出の製品アセトンが、アルデヒド類が原因でオフス
ペックとなったのは、年間0回であった。
【0020】実施例2 反応器にアセトン精留塔缶出液を戻した以外は、実施例
1と同様に反応を行なった。
【0021】アセトン生産を1年間続け、アセトン精留
塔留出の製品アセトンが、アルデヒド類が原因でオフス
ペックとなったのは、年間0回であった。
【0022】比較例1 アセトン精留塔前の反応器を経由しない以外は、実施例
1と同様に反応を行った。
【0023】アセトン生産を1年間続け、アセトン精留
塔留出の製品アセトンが、アルデヒド類が原因でオフス
ペックとなったのは、年間10回であった。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、アセト
ン製造プロセスにおいて、アセトン精留塔前に軽沸不純
物を重質化する反応器を設けることにより、アセトン品
質を安定化させることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粗アセトンを精留により精製する方法にお
    いて、精留塔前に反応器を設け、該反応器において粗ア
    セトン中の軽沸不純物の重質化反応を予め行い、次いで
    精留することによってアセトン品質を向上させることを
    特徴とするアセトンの精製方法。
  2. 【請求項2】軽沸不純物がアルデヒド類である、請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】重質化反応がアルドール縮合反応である、
    請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】粗アセトンがクメン法フェノール類製造方
    法によって得られたものである、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】アセトン精留塔缶出液から有価物を蒸留除
    去した水溶液を、アセトン精留塔前の反応器に戻すこと
    を特徴とする、請求項1記載の方法。
JP11094184A 1999-03-31 1999-03-31 アセトンの精製方法 Pending JP2000290217A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009515967A (ja) * 2005-11-14 2009-04-16 スノコ, インコーポレイテッド(アール アンド エム) クメンハイドロパーオキサイド分解生成物の蒸留による回収法
JP2015515499A (ja) * 2012-05-04 2015-05-28 ライオンデル ケミカル テクノロジー、エル.ピー. 粗アセトン流の精製方法
CN111995510A (zh) * 2020-09-11 2020-11-27 吉化集团油脂化工有限公司 一种提高丙酮产品质量的精丙酮塔处理方法

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