JPS6050169B2 - フエノ−ル類の製造方法 - Google Patents

フエノ−ル類の製造方法

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JPS6050169B2
JPS6050169B2 JP54141993A JP14199379A JPS6050169B2 JP S6050169 B2 JPS6050169 B2 JP S6050169B2 JP 54141993 A JP54141993 A JP 54141993A JP 14199379 A JP14199379 A JP 14199379A JP S6050169 B2 JPS6050169 B2 JP S6050169B2
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明郎 金沢
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C37/00Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring
    • C07C37/68Purification; separation; Use of additives, e.g. for stabilisation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07C37/00Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring
    • C07C37/08Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring by decomposition of hydroperoxides, e.g. cumene hydroperoxide
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    • C07C37/68Purification; separation; Use of additives, e.g. for stabilisation
    • C07C37/70Purification; separation; Use of additives, e.g. for stabilisation by physical treatment
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    • C07C37/70Purification; separation; Use of additives, e.g. for stabilisation by physical treatment
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はフェノール類のより改良された製造方法に関す
る。
式(1)、式(■)で示されるヒドロペルオキシド、例
えばクメンヒドロペルオキシドを硫酸、リン酸、塩酸な
どの鉱酸により分解し、得られた酸分解混合物からフェ
ノール類を回収してフェノール類を製造する方法は公知
である。
〔式中、R1ないしR6は.アルキル基を示し、R1と
R2、R3とR4、R5とR6の炭素数の和は2又は3
である。
又kはアリール基を示す。〕上記分解混合物からフェノ
ール類を回収する際にそのまま分解混合物を回収工程に
供すると該混合物には使用した鉱酸が存在するため回収
工程で使用する装置例えば蒸留塔などが腐蝕する、また
蒸留などの工程で副反応を生起させるなどの欠点を生じ
るので通常該混合物の鉱酸を水酸化ナトリウム、フェノ
ールのナトリウム塩の如き強アルカリで中和して鉱酸を
除去する方法が採用される。
しかし鉱酸の中和に伴つて新たな問題が生じる。すなわ
ち鉱酸として硫酸を、強アルカリとして水酸化ナトリウ
ムを使用するときは硫酸ナトリウムが生成するがこの種
の塩が充分に該混合物から除去されないで蒸留塔に供給
されると該塩が蒸留塔で加熱のために使用されるリボイ
ラーを閉塞するので頻繁に蒸留系の運転を止め、閉塞物
質である塩を清掃除去する必要があつた。また反応生成
物からフェノール類及びケトン類その他の低沸点留分を
除去した後に副生物として得られる高沸点の、タール状
物質中に塩分が多量に蓄積され燃料に使用するときその
価値を低下せしめる欠点も生じた。このためフェノール
類の回収工程に供給される酸分解混合物中の塩をなるべ
く少量とするための・種々の方法が現在までに提案され
ている。
例えば英国特許743004号公報明細書では鉱酸を含
む分解反応生成物と強アルカリ性水溶液、具体的にはフ
ェノールのナトリウム塩の水溶液とを接触した後、油相
について更に水と接触せしめて油水分離を行う方法が開
示される。しかしこの提案は発明者の追試によれば鉱酸
を含む酸分解混合物と強アルカリ水溶液とを接触する際
エマルジョン化が激しく引き続き水と接触する際に多量
の水を使用しないと充分な油水分離、すなわち塩の除去
が達成されず、塩を除去するための多量の水の使用は製
造の目的物であるフェノール類とケトン類が多量水相に
移行するため該明細書で開示される如くこフれらの物質
を該水相から回収する本格的な装置を必要とし望ましく
ない。回収装置を必要としない少量の水の使用では油相
中に数百Ppm以上で塩が存在していた。又、特公昭3
5−698吋公報明細書は酸分解混合7物と直接強アル
カリ水溶液と接触せしめることなく高濃度の塩を含有し
、かつPHが7以下の水溶液と該酸分解反応生成物とを
接触せしめて水相に鉱酸を抽出し、油水分離後の油相を
回収工程に供し、鉱酸を抽出した水相は強アルカリを加
えて中ノ和する方法を提案している。
本発明者の追試によれば該方法は、エマルジョン化は認
められない、フェノール類やケトン類の水相への移行が
少ない、系外へ排出する水の量が少量で済む等の利点を
有するが、該水溶液と接触する際、油相中に高濃度に塩
を含有する水溶液が霧状に混入してやはり100ppm
以上の水準で油相中に塩類が存在することを認めた。従
つて、フェノール類の回収工程へ供給される酸分解生成
物中には鉱酸を除去する工程を経ることにより塩類が約
100ppm以上の水準で存在しているのが実情であり
、しかも油相中に塩を含む水相が霧状に分散している状
態で塩が含有されるため工業的実施に耐え得る方法での
分離除去は困難であつた。
故にこのような酸分解生成物をフェノール類の回収工程
へ供給せざるを得ず、回収工程で使用する蒸留塔で生じ
る前述した不具合その他の不具合は解決されるべき課題
として残つていた。
しかしながら本発明者は鉱酸の除去された酸分解混合物
からフェノール類を回収する一連の工程の初期の蒸留工
程において後述する蒸留操作及び蒸留装置を採用するこ
とにより、蒸留操作時に該酸分解混合物中に含有される
塩を実質的に除去することを可能ならしめ、如上の問題
を一挙に解決し本発明の完成に到つた。
すなわち本発明によれは、前記一般式(■)又は(■)
で示されるヒドロペルオキシドを鉱酸により分解して得
られる生成物から鉱酸を中和又は除去した後の塩を含有
する酸分解混合物を蒸留してケトン類を塔頂より除去し
塔底留分からフェノール類を回収することからなるフェ
ノール類の製造方法において、該蒸留に際して鉱酸が除
去された酸分解混合物の蒸留塔への供給位置又は該供給
位置以下て塔底より上の位置の液相部を抜き出して油水
分離し、油水分離後の油相を抜き出し位置の下に循環し
、油水分離後の水相を該蒸留系外に除去し、更に必要に
応じてフェノール類よりも低沸点でケトン類よりも高沸
点の炭化水素及び/又は水を供給する蒸留操作を行い、
塩含有量の少ない塔底留分からフェノール類を回収する
ことを特徴とするフェノール類の製造方法が提供される
鉱酸の除去された酸分解生成物を蒸留によりケトン類及
びケトン類より低沸点の成分を塔頂より留去し、塔底留
分としてフェノール類を含有する成分からフェノール類
を回収する方法は、例えば特公昭50−1258号公報
明細書でよソー層高純度のフェノールをクメンヒドロペ
ルオキシドの酸分解生成物より製造する際の一連の工程
の初期工程を構成するものとして開示され、公知方法で
ある。工業的に高純度のフェノールを所謂クメン法によ
り製造する際、クメンから分子状酸素によりクメンヒド
ロペルオキシドを製造する工程、クメンヒドロペルオキ
シドの鉱酸による酸分解工程、鉱酸を除去する工程を適
切な条件下て行い、鉱酸の除去された酸分解生成物につ
いて該公知方法を適用した場合、塔底留分はその組成か
ら通常エマルジョン状を呈しており、塔底成分の油水分
離は極めて困難で、塩を除去するのは難かしく、後続す
る高純度のフェノールを回収する工程として該公報明細
書が開示の方法を採用しても前述した不具合が生じてい
たが、該明細書で採用する初期工程に代えて、本発明の
より改良された方法を採用することにより該不具合が全
く取り除かれる。勿論、本発明の効果は該公報明細書で
開示される特定の場合においてのみ発現するのでは無く
、要すれば、本発明の採用により鉱酸が除去されたヒド
ロペルオキシド酸分解生成物中に塩類が例え100pp
m以上の水準で多量に存在していたとしても、該酸分解
生成物からフェノール類を回収する初期のケトン類を除
く蒸留工程で塩含有量を激減することが可能なので、後
続するフェノール回収工程において如何なる方法を採用
してもケトン類をまず除く利点を生かし、かつ従来存在
していた不具合、すなわち蒸留塔で使用するリボイラー
の閉塞、ヒドロペルオキシドを製造する工程及び酸分解
工程で副生するタール状物質中の塩含有量の問題等が全
面的に解決されるのである。
そして又、本発明はフェノール類、炭化水素、ケトン類
、水その他不純物からなる系で油相と水相の比重差を0
.03以上とすれば容易に油水分離が達成される事実、
塩を含有する酸分解混合物からケトン類を除去する蒸留
操作時に蒸留塔の供給位置又は供給位置と塔底の中間に
位置する液相部に於いてフェノールよりも低沸点の炭化
水素の濃度が極めて大となり充分な比重差を有する油相
と水相とを形成し得る場合があること、そして必要に応
じて蒸留塔内にフェノールより低沸点でケトン類より高
沸点の炭化水素及び/又は水を蒸留塔内に供給すれば確
実に充分な比重差を有する油相と水相とを形成する液相
部を供給位置又は中間の位置に存在させることが可能で
ある事実に着目して完成されるものである。
勿論本発明の方法を採用・しなくても比重差だけに着目
し充分な比重差を有する油相と水相を形成することはそ
れ程難かしい事では無い。例えば鉱酸の除去された酸分
解混合物に比重の軽い炭化水素必要に応じて水を加えれ
ば達成される。しかしそのような操作は工業的実′施に
耐えられない程の大量の炭化水素を必要とするし、又水
相からのケトン類の回収工程を必要とする。又酸分解混
合物からアセトンを留去せしめた残りの塔底成分につい
て同様に比重の軽い炭化水素、必要に応じて水を添加す
れば充分に比重差5の大なる油相と水相に分離するが、
この楊合も大量の炭化水素を必要とし工業的実施には不
向である。本発明は蒸留塔の供給位置迄は供給位置とを
塔底との中間の位置に炭化水素の高濃度域が存在すOる
事実を利用したものてあるから、例えば塔内に外部より
炭化水素を供給したとしてもその量は少なく工業的実施
に極めて有利てある。以下本発明を詳述することにより
本発明の構成、利点、目的が一層理解することができる
であろう。
本発明のヒドロペルオキシドは前記した一般式(1)、
(■)で示される化合物であるが、具体的にはクメンヒ
ドロペルオキシド、p−シメンヒドロペルオキシド、m
−シメンヒドロペルオキシド、s−ブチルベンゼンヒド
ロペルオキシド、p−エチルイソプロピルベンゼンヒド
ロペルオキシド、イソプロピルナフタレンヒドロペルオ
キシド、m−ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシ
ド及びp−ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド
を好ましく例示することができ、より好ましくはクメン
ヒドロペルオキシド、p−シメンヒドロペルオキシド及
びm−シメンヒドロペルオキシドを例示できる。
これらのヒドロペルオキシドをフェノール類及びケトン
類に分解する触媒としての鉱酸として硫酸、塩酸、燐酸
及びこれらの混合物を好ましく例示できるが、とくには
硫酸が好ましい。
従つて本発明の方法の製造の目的物であるフェノール類
は一般式(1)又は(■)で示されるヒドロペルオキシ
ドを酸分解して生成するフェノール類であり、フェノー
ル、p−クレゾール、m−クレゾール、エチル化フェノ
ール、ナフトール、ハイドロキノン及びレゾジンが好ま
しく例示され、なかでもフェノール、p−クレゾール及
びM5−クレゾールが好ましく例示される。
又、ケトン類としては具体的にはアセトン及びメチルエ
チルケトンなどであるがアセトンのときがより本発明対
象として好ましい。
ヒドロペルオキシドを鉱酸により分解する反応こ条件は
公知の任意の方法が採用される。
工業的には炭化水素溶媒の存在下に分解反応が実施され
、炭化水素溶媒としては芳香族炭化水素が好ましく、具
体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメ
ン、エチルベンゼン、ジイソロピル5ベンゼン、ブチル
ベンゼン、α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエ
ンなどを好ましく例示できる。ヒドロペルオキシドを酸
分解して得られる生成物は次に鉱酸が除去される。
そして鉱酸が除去さ4れた酸分解生成物は後述するフェ
ノール回収工程へ供給される。鉱酸を除去する方法とし
て中和、除去する方法が採用されるが、従来提案の任意
の方法が採用される。
従つて鉱酸が除去された酸分解生成物の一つとして前述
の英国特許743004号明細書に従う方法、すなわち
鉱酸を含む酸分解生成物と強アルカリ性水溶液と接触し
た後、油相について更に水と接触する方法で得られる油
相が挙げられる。
勿論該酸分解生成物と強アルカリ性水溶液との接触操作
のみによつて得られる塩を多量に含有するもの、又酸分
解生成物に直接アルカリ性物質を添加して中ノ和したも
の、更にこれを洒過等により固体状に析出した塩を除去
して尚かつ塩を含有するものでもよい、又前述した特公
昭35−69(1)号公報明細書で開示される方法すな
わち酸分解生成物から高濃度の塩を含有するPH7以下
の水溶液により鉱酸を抽・出する方法によつて得られる
油相でもよいし、又この方法で水溶液のPHが11以下
であれば該方法の利点を充分生かせることを本発明者は
知見しており、勿論このような油相もその一つである。
要すれは鉱酸が除去された酸分解混合物とは鉱酸が装置
を腐蝕する作用の無い程度までに実質的に除去されてい
るか中和されている状態のものである。又該酸分解混合
物の組成がケトン類15ないし60重量%、フェノール
類20ないし6鍾量%、炭化水素類5ないし6唾量%、
水5ないし2鍾量%であるとき本発明がより好ましく適
用される。
鉱酸の除去された酸分解生成物はフェノール類の回収工
程へ供されるが、本発明の方法にあつては後述する蒸留
をまず行う。
そしてこの蒸留の操作が本発明の方法の最も重要な要部
をなす。以下の蒸留操作の説明に於いては蒸留塔として
多段蒸留塔を用いたときの態様を説明するが、多段蒸留
塔以外の蒸留塔、例えば充填塔を使用したときも同様に
適用されることは当業者であれば容易に理解されよう。
本発明では鉱酸の除去された酸分解生成物からケトン類
蒸留により塔頂より留出せしめ、フェノール類などの高
沸点の留分が塔底留分として抜き出す蒸留操作が行われ
る。
この蒸留操作の目的は塩を含む酸分解混合物からケトン
類を除くことそして同時に脱塩をも行うことである。
ケトン留分を塔頂から除去するために通常250TIU
TLHgないし2k9/CItGl好ましくは30hH
gないし大気圧の圧力下に蒸留が行われ、一般に約20
段以上、好ましくは約3鍛以上の段数を有する多段蒸留
塔を用いて行うことができる。
又該酸分解生成物の供給は多段蒸留塔は一般に塔底から
約1/3〜約2/3の高さのところにあ3る段に供給す
ることが望ましい。
そしてケトン類を塔頂に、フェノール類などの高沸点留
分を塔底に分離すると共に蒸留塔供給段又は供給段と塔
底の中間段、好ましくは供給段と塔底との中間段の液相
部を抜き出し油水分離すJる。
液相部を抜き出す段の位置は液相部の油相と水相との比
重差が0.03以上、好ましくは0.0G上となる段で
ある。鉱酸の除去された酸分解混合物の組成によつては
供給段又は中間段て油相と水相を形成しない場合もあり
、又油相と水相を形成しても比重差が少ないときもある
例えは鉱酸の除去された酸分解混合物中に水が少量しか
含まれないとき、あるいは炭化水素含有量が少量である
ときなどである。そのようなときに水及び/又はケトン
類よりも高沸点で、かつフェノール類より低沸点の炭化
水素を蒸留塔に供給する。このとき水を供給する位置と
して抜き出し段の下であることが推奨される。勿論塔底
であつても良い。上記炭化水素の供給位置は任意である
が、供給段及びそれより下段であることが好ましい。
勿論、鉱酸の除去された酸分解混合物にあらかじめ添加
してもよい。上記炭化水素はケトン類よりも高沸点で、
フエノール類より低沸点の炭化水素であるが具体的には
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウン
デカンなどで例示される直鎖状脂肪族炭化水素、あるい
はこれらの鎖状異性体、更にはおれらの脂環状異性体、
そしてベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン
、クメン、シメン、α−メチルスチレン、スチレン、イ
ソプロペニルトルエンなどの芳香族炭化水素及びこれら
の混合物を挙げることができるが、なかでも芳香族炭化
水素の使用が好ましい。
工業的には前記ヒドロペルオキシドの開裂反応工程で溶
媒として使用した芳香族炭化水素と同一のものを使用す
るのが好ましい。炭化水素及び/又は水の供給量は、鉱
酸の除去された酸分解混合物の組成に依存し、供給段又
は供給段と塔底の中間段に前記した液相部が存在するよ
うに供給する。
そのような液相部が存在するように量関係を定めること
は極めて容易である。段(A)から抜き出された液相部
は油水分離され油相は段(A)よりも下段に再び循環さ
れて蒸留塔内に供給される。水相は塩を溶解しており系
外に除去されるが、フェノール類を少量溶解しているの
で必要に応じてフェノール類回収工程へ供給される。こ
の油水分離に於て使用される装置は通常のデカンダーな
どが使用される。前述の如き液相部を有する段(A)が
供給段又は供給段と塔底との中間段に存在する理由は次
の如くである。
すなわち酸が除去された酸分解混合物から実質的にケト
ン類を除去した高沸点の留分は、例えばフェノール類、
水、酸分解工程で溶媒として使用した芳香族炭化水素、
副生芳香族炭化水素、少量のケトン類、その他の種々の
副生物、そして必要に応じて蒸留塔に供給される炭化水
素などの混合物であるが、フェノール類より低沸点の炭
化水素類及び水は塔底よりも上段に於てより高濃度であ
り、かつフェノール類の濃度は低い。その結果、油相は
比重の軽い炭化水素類の濃度が高く、比重の重いフェノ
ール類の濃度が低いため該油相の比重は低く、水相はフ
ェノール類の含有量が若干少量となるがほぼ水の比重と
近い。従つて塔底の上段に於いては、塔底留分より油相
と水相の比重差が大である。しかも炭化水素類の濃度は
、必要に応じて外部から供給することにより任意に変化
させることができるので油相の比重を炭化水素類の比重
(100℃で約0.79ないし約0.82)に近ずける
ことができる。そして液相部の炭化水素類の割合が大と
なるに従い水相の比重はほぼ水の比重に近くなる(10
0℃で約0.96)。水相の存在は必要に応じて水を塔
内に供給することによつて5保証される。従つて本発明
に従えば例え塔底留分の油相と水相の比重差が0.03
未満であつても確実に比重差が0.03以上となる液相
部を有する段を存在させることができる。この事実のよ
り理解のために第1図の三角図表θを用いて説明する。
第1図の三角図表の頂点3,5,1は各々フェノール、
クメン及びα−メチルスチレンの混合物で代表される炭
化水素類、水を示し、曲線7は約100′Cでの溶解度
曲線てある。線分10,12,15はタイラインであり
、各夕イライン線上の組成を有する液相は各タイライン
と溶解度曲線7との二つの交点に油水分離する。すなわ
ち8,11,14の点の組成を有する油相と、9,13
,16の点の組成を有する水相とに分離する。そして油
相の比重(d1)及び水相の比重(D2)は各々次の如
くである。従つて炭化水素含量の増大に伴い比重差が大
となることが明らかである。
又、この三角図表を利用して0.03以上の比重差を有
する水相と油相を形成する領域を実験的に求め、蒸留操
作を定めるための指環を得ることができ、容易に抜き出
し段の位置、水、炭化水素供給その他の蒸留操作を設定
できる。
そして、抜き出し段の液相部の炭化水素含有量の観点か
ら論すると抜き出し段の液相部の炭化水素含有が高い方
が望ましいので、液相部の炭化水素含有量が極大となる
中間段から液相部を抜き出すことが最適であるが、必ず
しもその必要はなく、液相部の油相中の炭化水素含有量
が一般に35重量%以上、好ましくは4踵量%以上てあ
る中間段から抜き出すことも勿論できる。
鉱酸の除去された塩を含有する酸分解混合物から、ケト
ン類及びそれよりも低沸点物のみを除いた塔底留分が油
相と水相を形成し、その比重差が.0.03%以上てあ
るときでも本発明の方法ま適用され得る。
より油水分離しやすい組成関係を有する液相を抜き出し
油水分離することによつて一層効率良く塩をを除去し得
るからである。しかし該塔底留分が油相と水相を形成し
ないか又は形成してjも油相と水相の比重差が0.03
未満である場合に本発明が好ましく適用される。かくし
て塔底からは塩含有量の少ないフェノール類を含む留分
が抜き出され精製工程へと供される。この際任意の公知
の精製工程が適用できる。そして、本発明は前記で詳述
した蒸留操作を行うことに適する装置として第2図の多
段蒸留塔17の原料供給段18又はそれより下段に位置
し、かつ塔底20より上段に位置する抜き出し段26と
油水分離器22とが連結され、更に油水分離器22の油
相出口と段26の下段に位置する段28とが連結され、
更に必要に応じて段26の下に位置する段28に水供給
管が付された蒸留装置をも提供する。
本装置の利点は既述した事から自明であるが、本装置は
前述した塩を含む特定の組成を有する混合物から塩を効
率よく除去するのに特に有効ではあるが、水、水よりも
低沸点の成分及び水よりもフ高沸点の成分を含有し、か
つ水溶性の塩類を含有する液状混合物から、低沸点留分
、高沸点留分及び塩類を同時に分離するときにも有効で
ある。
そして該液状混合物が均一相もしくはエマルジョン状で
、しかも水より低沸点の留分を塔頂より留去・しても塔
底留分が均一相もしくはエマルジョン相をなす楊合には
より有効である。勿論供給段18又は供給段18との塔
底20との間の段で油水分離しやすい液相部を形成する
ように蒸留操作が行われる。蒸留塔17は通常の多段の
蒸留塔であり、油水分離器22は通常の油水分離器であ
る。
又抜き出し段26はいわゆるチムニートレー又はそれと
類似の構造のトレーが使用される。尚、ここで引用した
番号は図面の第2図に従う番号である。次に本発明につ
いてより具体的に説明する。第2図のライン29よりク
メンヒドロペルオキシドを硫酸により分解した生成物を
水酸化ナトリウムにより硫酸を中和、除去した酸分解生
成物を100重量部/Hrで供給した。このときの酸分
解生成物の組成は次の如くであつた。
アセトン留分は塔頂からライン25を経て27.7重量
部/Hrで抜き出された。
チムニートレーからなる段26の液相部はライン19を
経て油水分離器22で油水分離された、。硫酸ナトリウ
ム感換算で塩を332ppm含有する水相が32.鍾量
部/Hrでライン27を経て排出された。このときの油
相と水相の比重差は0.06であり、液相部全体の組成
及ひ油相の組成は次の如くてあつた。
液相部全体 油 相 部フェノール 31.
鍾量%39.踵量%アセトン 4.鍾量% 5
.踵量%クメン(a) 17.踵量%24.鍾
量%α−メチルスチレン(b)5.暉量% 7.5重量
%水 293重量% 7.踵量%その他
の炭化水素(C)10.4重量%14.1重量%炭化水
素合計量(a)+(b)+(c) 33.踵量%45
.踵量%油相はラインン23を経て段28に循環され、
又ライン24より105゜Cの水蒸気が28.7重量部
/Hrで供給された。
尚、この水蒸気は上記の油水分離された水相を加熱し回
収された水蒸気を用いた。塔底20からはライン21を
経て次の組成の高沸点留分が抜き出された。フェノール
58.踵量% アセトン 1.踵量% クメン 14.1重量% α−メチルスチレン 6.踵量% アセトフェノン 1.鍾量% 構造不明な炭化水素 13.踵量% 水 4.踵量% 塩(硫酸ナトリウム換算) 10ppm 尚、塩の含有量はナトリウム含有を測定して硫酸ナトリ
ウムとして換算した。
又供給段18と塔頂との段数は2鍛(理論段は約1鍛)
とし、供給段18と塔底20間の段数は25段(理論段
は約1鍛)とし、段26の位置は塔底より3段目の位置
とした。又蒸留は大気圧下で行い、塔頂温度56℃、塔
底温度11TCであつた。 比較として第2図において
ライン19、油水分離22、ライン23、ライン24を
装備しない蒸留塔により同一組成の酸分解混合物を供給
し、アセトン成分をライン25より留出させた処、塔底
成分の塩含有量は硫酸ナトリウム換算で約150ppm
で、しかもエマルジョン化が激しく油水分離できる状態
でなかつた。長期間放置後油相と水相につき比重を測定
したところ比重差は0.02であつた。
【図面の簡単な説明】
ノ 第1図はフェノール、水及び炭化水素類に関する三
角図表である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式( I )又は(II)で示されるヒドロペルオ
    キシドを鉱酸により分解して得られる生成物から鉱酸を
    中和又は除去した後の塩を含有する酸分解混合物を蒸留
    してケトン類を塔頂より除去し塔底留分からフェノール
    類を回収することからなるフェノール類の製造方法にお
    いて、該蒸留に際して鉱酸が除去された酸分解混合物の
    蒸留塔への供給位置又は該供給位置以下で塔底より上の
    位置の液相部を抜き出して油水分離し、油水分離後の油
    相を抜き出し位置の下に循環し、油水分離後の水相を該
    蒸留系外に除去し、更に必要に応じてフェノール類より
    も低沸点でケトン類よりも高沸点の炭化水素及び/又は
    水を供給する蒸留操作を行い、塩含有量の少ない塔底留
    分からフェノール類を回収することを特徴とするフェノ
    ール類の製造方法。 ▲数式、化学式、表等があります▼( I )▲数式、化
    学式、表等があります▼(II)〔式中、R_1ないしR
    _6はアルキル基を示し、R_1とR_2、R_3とR
    _4、R_5とR_6の炭素数の和は2又は3である。 又Arはアリール基を示す。〕2 抜き出し位置の液相
    部が油相と水相の不均一相をなし、かつ油相と水相の比
    重差が0.03以上であることを特徴とする第1項記載
    の方法。3 抜き出し位置が供給位置と塔底との中間に
    位置することを特徴とする第1項ないし第2項記載の方
    法。 4 蒸留に際して使用する蒸留塔が多段蒸留塔であるこ
    とを特徴とする第1項ないし第3項記載の方法。 5 ケトン類がアセトンであることを特徴とする第1項
    ないし第4項記載の方法。 6 フェノール類がフェノールであることを特徴とする
    第1項ないし第5項記載の方法。
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