JPH07112992B2 - フェノールの精製方法 - Google Patents

フェノールの精製方法

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JPH07112992B2
JPH07112992B2 JP63172806A JP17280688A JPH07112992B2 JP H07112992 B2 JPH07112992 B2 JP H07112992B2 JP 63172806 A JP63172806 A JP 63172806A JP 17280688 A JP17280688 A JP 17280688A JP H07112992 B2 JPH07112992 B2 JP H07112992B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 米国特許第4,567,304号に開示されているように、フェ
ノールとアセトンは、ほぼ40年に亘りクメン基本法によ
って一緒に製造されている。この方法では、クメンを酸
化してクメンヒドロペルオキシドにし、次にこれを酸で
分解してフェノールとアセトンにする。こうして生成し
たフェノールとアセトンは、次いで、蒸溜塔でそれぞれ
の沸点に基づいて分けられた後、フェノールとアセトン
の双方に対する各種の精製方法で精製される。明らか
に、所望の生成物のフェノールとアセトンの外に副生物
も形成される。フェノールの品質に対して特に有害なの
は、一般にカルボニル化合物群に属する着色不純物であ
る。とりわけ重大なものは、主要な混入(汚染)副生物
のα−ヒドロキシアセトンに代表されるα−ヒドロキシ
カルボニル化合物である。これらの化合物はフェノール
の品質を損うものであり、特にフェノールからの最終目
的製品の着色の問題を招く。使用されている品質試験の
ひとつは、極めて少量のα−ヒドロキシアセトンによっ
てフェノールに非常に粗悪な製品の暗示を与えるスルホ
ン化発色試験である。したがって、これらの混入カルボ
ニル化合物をフェノール流からできるだけ除去すること
が極めて重要である。
この問題は過去において充分に認識されており、発行さ
れた多くの特許に示されている。これらの特許では、高
価で複雑なプロセスによって混入カルボニル化合物を除
去することを試みている。たとえば、英国特許第1,108,
584号では、カルボニル化合物で汚染されているフェノ
ール組成物を、ローム・アンド・ハース(Rohm and Haa
s)から入手可能な硫酸、スルホン酸、リン酸およびホ
スホン酸で置換されたポリスチレンカチオン交換樹脂な
どのようなカチオン交換樹脂に接触させることによっ
て、混入カルボニル化合物をフェノールから除去してい
る。これらの樹脂はカルボニル化合物が関与する反応を
触媒するが、カルボニル化合物はこの反応によって、フ
ェノールより沸点が低く、そのため共通の蒸溜塔でフェ
ノールから分離できる物質に変換される。英国特許第1,
381,398号でも、フェノール組成物(このフェノールは
ほとんど無水である)からカルボニル不純物を分離して
いる。その方法では、フェノール混合物を、この混合物
に不溶性のイオン交換樹脂であって、カルボニル含有不
純物を前記フェノールより沸点が高い生成物に変換する
固体の酸性イオン交換樹脂に接触させた後、フェノール
を蒸溜する。ほぼ30年前米国特許第3,029,294号が米国
特許庁に出願された。この特許でもフェノール流から混
入カルボニル化合物を除去しているが、このためには、
鉱酸、有機の強酸および固体の表面活性触媒を始めとす
る汎用の触媒にカルボニル化合物を接触させて、このカ
ルボニル化合物とフェノールを再縮合させることにより
カルボニル化合物を置換ベンゾフランに変換した後、こ
のベンゾフランを塔頂留分として水抽出的にフェノール
から除去する。この有機の強酸としては、p−トルエン
スルホン酸などのような有機の酸が米国特許第3,029,29
4号の第2欄第34〜35行目に例示されている。これらの
精製法はすべて、クメンを酸化してクメンヒドロペルオ
キシドとした後このクメンヒドロペルオキシドを硫酸触
媒系によってフェノールとアセトンに分解して得られ
た、部分的に精製されたフェノールを出発材料としてい
ることに注意すべきである。先行技術文献に開示され例
示されているこれら精製法では、いずれも、汎用の精製
蒸溜法では本来使用されない新規な材料(たとえばイオ
ン交換カラムなど)や触媒的に活性な物質(たとえば、
アルミナ、鉱酸、モンモリロナイトなど)を使用してい
る。明らかに、このような方法は資本集約的で操作上高
価であり、フェノールの不純物汚染というさらに別の問
題が生じ、通常使用される手順から外れたものとなる。
この程、混入(汚染)カルボニル化合物から精製(分
離)されたフェノールを製造する際に上記のような異質
で高価な手順は必要ではないことが発見された。それど
ころか、フェノールからアセトンを分離するための初期
蒸溜で得られたフェノール流中には自生の(その流中で
生成する)不純物が存在し、この自生の不純物は、臨界
的な濃度に達するまで放置すると、混入カルボニル化合
物とフェノールとの間の反応を引起こすことができ、そ
の反応によって、フェノールの回収または精製のプロセ
スで通常実施する手順によって容易にフェノールから除
去できる化合物が生成される。
現在業界で認められているフェノール製造技術では、一
連の蒸溜塔によってアセトン留分から分離されたフェノ
ール留分を精製処理する。これらの塔のうちのひとつは
通常フェノールの「ポリッシング」段階である。フェノ
ール流と共に運ばれる不純物は、ある種の炭化水素すな
わち油状の物質である。これらの油状の炭化水素不純物
は水抽出プロセスによってフェノールから除去される。
共沸蒸溜または水蒸気蒸溜の技術によってフェノールか
ら不純物を取り除くために、蒸溜塔に水を導入する。こ
の時点では、ある種の有機酸不純物もカラム中に存在す
る。本発明以前には、これらの酸不純物の濃度が上昇し
ないように、これら不純物を側面抜出し口により塔から
抽出・除去していた。なぜならば、そのような有機酸は
高い濃度だと、普通の塔材料のステンレススチールに対
して腐触性であるからである。
驚くべきことに、これらの混入有機酸の濃度を上昇する
がままにしておくと、その濃度は、これらの有機酸がフ
ェノールと混入カルボニル化合物間の反応を触媒して、
塔内ですでに進行している水抽出的水蒸気蒸溜プロセス
によって容易に除去できる化合物を生成するような濃度
に達することが発見されたのである。この有機酸が触媒
活性になる濃度はまた、塔材料に対して腐触性でもあ
る。このような腐触性レベルまでの有機酸の濃縮は、従
来技術の教示に反する。しかしながら、水抽出技術によ
って容易に除去可能な有機化合物の生成は、この方法に
とって明らかに有益である。すなわち、異質の物質を添
加したり、特殊なイオン交換樹脂やその他フェノールか
らカルボニル不純物を除くためのなんらかの手段にかけ
るためにフェノール流を横道にそらしたりする必要がな
いからである。この反応を触媒する試薬は通常のフェノ
ール流中に存在している。本発明では、反応を触媒でき
る時点以前にこれらの試薬を除去してしまう代わりに、
これらの試薬を触媒量に達するまで濃縮されるがままに
しておく。この考え方は、従来技術では決して理解も認
識もされていなかった。この新規なプロセスによって、
フェノールをさらに精製するための安価で効率の高い方
法が提供される。
発明の概要 本発明に従って、フェノールの精製方法が提供される。
この方法は次の工程からなる。
a.乾燥重量基準で約95重量%より多くのフェノールと、
混入している汚染物としての有機酸と、混入している汚
染物としての有機カルボニル化合物とからなる液体フェ
ノール組成物を蒸溜塔内に導入する。
b.この蒸溜塔内に、該フェノール流と共に、または別々
に、水を導入する。
c.このフェノール組成物と水を、水が蒸発するのに充分
な程高い温度に加熱する。
d.この混入有機酸の濃度が、混入有機カルボニルとフェ
ノールとの反応を触媒し、その結果水蒸気中で揮発可能
な化合物を形成させるのに充分な程高い濃度になるまで
放っておく。
e.こうして形成された化合物を、水抽出物水蒸気蒸溜に
よって蒸溜塔から除去する。
発明の詳細な説明 フェノールとアセトンは長年に亘りクメンの酸化によっ
て工業的に製造されている。基本的なプロセスは、クメ
ンを酸化してそのヒドロペルオキシドにした後このクメ
ンヒドロペルオキシドをアセトンとフェノールに分解す
ることである。このフェノールとアセトンは、次に別々
の蒸溜系列で精製した後商業的に利用する。フェノール
の応用に関する重要な要因のひとつはそのカルボニル含
量である。フェノール中のカルボニル化合物を測定する
には各種の試験法が利用されている。これらの中には、
フェノールを濃硫酸と接触させるスルホン化試験があ
る。そのような反応によって生じた発色量はカルボニル
不純物およびフェノールの純度の尺度となる。発色が多
ければそのフェノールは純粋ではない。発色が少ない
か、またはほとんど発色が見られない場合は、そのフェ
ノールの品質は高いと考えられ、スルホン化による発色
の多いフェノールは使用できない各種の用途に利用する
ことができる。α−ヒドロキシアセトンはこれらの有機
カルボニル不純物の中で最も多く、発色のかなりの量を
占める。理論に制約されることはないが、α−ヒドロキ
シアセトンは、クメンヒドロペルオキシドがフェノール
とアセトンに分解される際に、アセトンがクメンヒドロ
ペルオキシドによって酸化されて形成されると考えられ
る。α−ヒドロキシアセトンは水に可溶であり、そのた
めに水抽出法によってフェノールから除去するのは非常
に困難であることが知られている。しかし、α−ヒドロ
キシアセトンやその他のα−ヒドロキシカルボニル不純
物をフェノールと反応させることができれば、ベンゾフ
ラン型の分子が生成し、これは水抽出法、すなわち水蒸
気蒸溜によって極めて除去し易い。
さらに、処理技術の故にフェノール流中に存在する別の
混入汚染物は、たとえばギ酸や酢酸などのカルボン酸お
よびイオウ含有有機酸などのような有機の酸である。存
在することが知られている重要な有機酸のひとつは酢酸
である。この酢酸は、最初に用いた原料のクメンが多少
不純で少量のエチルベンゼンを含有していたために汚染
混入物として現われるものと思われるが、この過程に限
られるわけではない。クメンはベンゼンをプロピレンで
アルキル化して製造される。プロピレンは通常石油の蒸
溜によって得られる。蒸溜塔から留出するプロピレン留
分にはプロピレンと共にエチレンも多少は含まれてい
る。このエチレンもまたベンゼンをアルキル化してエチ
ルベンゼンとなるが、これがクメンに混入して汚染する
のである。エチルベンゼンは酸化工程中に酸化されてそ
のペルオキシド化合物になる。このエチルベンゼンペル
オキシドがその後の分解工程中にフェノールとアセトア
ルデヒドに分解する。このアセトアルデヒドは、フェノ
ール/アセトンプロセスの通常の過程中に存在するいろ
いろな反応条件によって、酸化されて酢酸になる。この
過程の概略を次に示す。
これらの混入有機酸と混入有機カルボニル化合物はフェ
ノール精製系を通して流れ、水抽出蒸溜が行なわれるフ
ェノール精製系列中の蒸溜塔内に存在する。本発明方法
のひとつの態様では、有機酸と有機カルボニル化合物が
混入して汚染されているフェノール流を、水流と共に蒸
溜塔内に導入する。このフェノール流は、通常、フェノ
ール流が塔頂留出物として重質分から分離される前列の
蒸溜塔から得られる。水は、フェノール流と別個に導入
することができ、あるいは特に蒸溜塔に導入する前にフ
ェノール流に添加してもよい。水は、蒸溜塔内の温度条
件下で水抽出過程が起こってフェノール流中に存在する
汚染物としての油分を共沸混合物としてフェノールから
除去するように使用する。そのような「油分」の例に
は、2−メチルベンゾフラン、α−メチルスチレン、2
−フェニル−ブテン、ならびに3−メチルシクロペンテ
ノンなどのC6〜C9ケトンがある。これら「油分」の中に
はフェノールとはかなり異なる沸点をもっているものも
あるだろうが、これらの油分はフェノールと親和性を有
しており、蒸溜塔内でフェノールと共にグループを形成
する傾向がある。
通常この蒸溜塔内には、必ずしも望ましいことではない
が、同様に除去される水/フェノール共沸混合物も存在
している。すでに述べたように、混入カルボニル化合物
は水に可溶であり、そのため水抽出蒸溜ではあまりうま
く除去されない。むしろ、これらの混入カルボニル化合
物は塔内を流下してより高温の区域に入る。これらの高
温区域には酸汚染物も存在し、これらは塔のプレート
(段)上に生じる動的平衡状態で集合する。フェノール
産業でこの精製塔を作動させる際の一般的な注意事項
は、有機の酸が蓄積される傾向のあるプレートに横の引
出し口を設けることである。汚染物の有機酸は、濃縮さ
れて塔に対して腐触性となる酸濃度にまで達することの
ないように定期的に抜き出される。
この度、本発明者らは、このようにすると、有機の酸
は、混入カルボニル化合物(特にα−ヒドロキシアセト
ン)とフェノールとの間で生起し容易に水抽出除去する
ことができる新規な化合物を生成する反応を触媒するの
に有効な濃度にまで達しないことを発見した。有機酸の
濃度が高くなるので、混入有機酸が濃縮される塔部分に
は耐食性合金を使用するのが好ましく、かつ望ましい。
そのような耐酸腐触性合金を使用しないと、ステンレス
スチールなどのような普通の塔材料では損傷を受けるで
あろう。これらの酸は、やはり横の引出し口から抜くの
が好ましいが、通常の場合よりずっと高い濃度に保たれ
る。本発明の方法によって製造されるフェノールの品質
は、スルホン化試験で測定すると極めて高い。実際、一
般に、塔底部に現われるフェノールは測定できる程度の
濃度のα−ヒドロキシアセトンを含有していない。
フェノール製造プロセスで認められている技術の教えと
は逆行する研究を続けた結果、この程、このプロセス流
に元来含まれていることが知られている通常の混入酸
が、このフェノール流から除去するのが最も難しい不純
物のひとつを除去する反応を触媒するのに使用できると
いうことが示されたのである。スルホン化試験で測定し
て異常な程に純粋なフェノールが、資本と操業コストの
低いプロセスによって得られる。
添付の第1図を参照しながら本発明をさらに詳細に説明
する。第1図は、本発明の特定の態様のひとつである蒸
溜塔を示している。
第1図に示した本発明のプロセスでは蒸溜塔10を使用す
るが、不純なフェノール原料流12はこの塔の頂部付近に
導入する。このフェノール流は、少なくとも95重量%が
フェノールであり、約97重量%より多くがフェノールで
あると好ましく、フェノールが98重量%を越えるのがさ
らに好ましい。このフェノールの重量の計算は乾燥重量
基準である。また、このフェノール流中には汚染物のカ
ルボニル化合物と有機酸も存在している。この時点で蒸
溜塔に入るフェノール流は、その前列の蒸溜塔の塔頂留
出物であることが多く、この前列の蒸溜塔では、フェノ
ールおよびそれに伴う混入物が高沸点物質から分離され
る。水は、フェノール流と一緒に蒸溜塔10に導入しても
よいし、フェノール流とは別にライン14で導入してもよ
い。水源からの水はライン8から供給され、フェノール
流12と水は蒸溜塔に入る。このフェノール流は通常約18
0〜約210゜F、一般に約195〜約205゜Fの温度に保つ。
蒸溜塔の底部のラインから、約400〜約420゜Fの温度お
よび中程度の圧力で精製された無水の液体フェノールが
得られる。ある量の液体フェノールをライン24から取出
し、スチームで加熱するリボイラー28を通した後塔に再
循環する。この加熱されたフェノールによって、蒸溜塔
内の高温が維持され、蒸溜塔のさまざまな内部プレート
の所で共沸混合物が生じて物質の連続的な沸騰と液化が
起こり、その結果分別分離が起こり得る。供給されたフ
ェノールは蒸溜塔内を流下し、そこで存在する水と共に
共沸混合物を形成し、この共沸混合物は常に塔頂からラ
イン18によって抜取られる。この水フェノール共沸混合
物と共に水/混入油共沸混合物も存在し、これも一緒に
抜取られてさらにフェノールを精製する。しかし、混入
カルボニル化合物のあるものは容易に水と共に共沸除去
されないものもあり、そのためフェノールと共に塔内を
流下し、通常の情況下ではライン22で塔から出て行く。
一般にこの混入カルボニル化合物は比較的濃度が低い
が、スルホン化発色試験ではかなりの変化を生じる。一
般に、フェノール製品のα−ヒドロキシアセトンによる
汚染は約10〜約100ppmで変化する。塔の温度はフェノー
ルが下流に進むにつれて高くなるので、塔頂留出物とし
て容易に抜き取られる水とフェノールの共沸混合物およ
び水と油の共沸混合物のほとんどは、頂上から測って塔
の長さの約2/3の所にある。この所に、混入有機酸がそ
の沸点のために蓄積し始める。業界で現在行なわれてい
る塔の特別な操作方法は、図示の側面抜出し口16から汚
染物の混入有機酸を抜出して、蒸溜塔の材料に対して極
めて腐触性の高い有機酸の濃縮を回避することである。
本発明のプロセスは、有機酸が混入カルボニル化合物特
にα−ヒドロキシアセトンとフェノールとの反応を触媒
し、その結果、水と共沸的に蒸発可能であって水/油共
沸混合物および水/フェノール共沸混合物と一緒に塔の
頂部からライン18を介して留去される化合物を生成する
程度の酸濃度にまで上昇させるという点において従来の
方法とは異なるのである。ライン18はドラム20につなが
っており、そこで混入カルボニル化合物/フェノール反
応生成物およびその他の抽出された汚染物の油分からフ
ェノールと水を分離し、このフェノールと水をライン14
によって蒸溜塔に再循環する。こうして抽出された汚染
物の油はライン36によってドラム20から除去される。以
下の特定の化合物が形成されるのが絶対確かだというわ
けではないが、下記に示すように、α−ヒドロキシアセ
トンは酸性条件下でフェノールと反応して2−メチルベ
ンゾフランを生成することが知られており、この化合物
はこの塔内で行なわれている水抽出プロセスで容易に揮
発可能である。
以下に挙げる特定の比較例は、従来のプロセスによって
混入カルボニル化合物を除去する場合と、本発明の新規
なプロセスによって混入カルボニル化合物を除去する場
合とを比較して示すものである。充分に反応を触媒する
ことができる酸のレベルは、通常pHが約2.5未満であ
り、pHが約2.0より低いのが好ましいことを銘記された
い。
以下に示す結果では、通常業界で行なわれているように
して実験室でスルホン化試験を実施した。すなわち、フ
ェノール流の一部と濃硫酸を混合し、発色させて色を測
定する。発色した色が濃ければそれだけ光の透過率
(%)は低い。透過率が90%を越える値であれば、その
フェノールの品質が例外的に高いことを示すと考えられ
る。このような高品質のフェノールを従来の方法で製造
するのは非常に困難でありしかも高価である。スルホン
化試験において透過率の値が90%を越えるか90%より低
いかではフェノールの純度に大きな相違がある。下記表
に示すデータの中には、フェノール中に存在するα−ヒ
ドロキシアセトン(HA)のppm値も示してある。スルホ
ン化試験もHA試験もどちらもサンプルは工場用フェノー
ル蒸溜塔底部から取った。この蒸溜塔はほぼ第1図に示
したのと同じようにして操作した。従来技術の低有機酸
レベルの方法で生成したフェノール留出物は31日間に亘
って毎日スルホン化試験の透過率測定用とHA値試験用に
サンプルを取り、その後の31日間には、本発明の高有機
酸レベルの方法で生成したフェノール留出物もスルホン
化試験の透過率とHA値を分析した。下に示す値は各々の
試験系に対する31日間の算術平均である。
上のデータから観察することができるように、α−ヒド
ロキシアセトンのレベルは、単に「汚染混入物」を適当
な濃度にまで達するように放置するだけで98%以上も低
減された。SAD透過率の値で測定したフェノールの傑出
した品質はまた、操業費用または投下資本をほとんど増
加させることなく達成される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の特定の態様のひとつである蒸溜塔を
示した略図である。 8……水供給ライン、10……蒸溜塔、12……原料フェノ
ール流、14……水導入(フェノール・水再循環)ライ
ン、16……有機酸抜出し口、18……共沸混合物抜出しラ
イン、20……分離用ドラム、22……精製フェノール取出
しライン、24……再循環用フェノール取出しライン、28
……リボイラー、36……汚染物の油除去ライン。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノールの品質を向上するための方法で
    あって、 (a)乾燥重量基準で約95重量%を越えるフェノール、
    混入有機酸、および混入有機ケトンを含む液状フェノー
    ル組成物を蒸溜塔に導入し、 (b)フェノール流と一緒に、または別個の流れとし
    て、水を蒸溜塔に導入し、 (c)フェノール組成物および水を、水が蒸発するのに
    充分高い温度に加熱し、 (d)混入有機酸の濃度を、混入有機ケトンとフェノー
    ルとの間の反応を触媒するのに充分な酸が存在するよう
    な濃度まで上昇させて、その結果1種以上の新しい化合
    物を形成させ、 (e)こうして形成した化合物を水抽出的水蒸気蒸溜に
    よって蒸溜塔から除去する ことからなる方法。
  2. 【請求項2】混入有機ケトンの少なくとも一部がα−ヒ
    ドロキシアセトンである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】混入有機酸の少なくとも一部が酢酸である
    請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】混入有機酸の少なくとも一部が酢酸および
    /またはギ酸である請求項2記載の方法。
JP63172806A 1987-07-16 1988-07-13 フェノールの精製方法 Expired - Lifetime JPH07112992B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US74214 1987-07-16
US07/074,214 US4832796A (en) 1987-07-16 1987-07-16 Process for purifying phenol

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6490146A JPS6490146A (en) 1989-04-06
JPH07112992B2 true JPH07112992B2 (ja) 1995-12-06

Family

ID=22118362

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