JP2000289207A - サーマルインクジェットプリンタの発熱抵抗体及びその製造方法 - Google Patents

サーマルインクジェットプリンタの発熱抵抗体及びその製造方法

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JP2000289207A
JP2000289207A JP11192361A JP19236199A JP2000289207A JP 2000289207 A JP2000289207 A JP 2000289207A JP 11192361 A JP11192361 A JP 11192361A JP 19236199 A JP19236199 A JP 19236199A JP 2000289207 A JP2000289207 A JP 2000289207A
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heating resistor
ink
heating
heat generating
film
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Osamu Nakamura
修 中村
Koichi Tanaka
幸一 田中
Satoshi Kanemitsu
聡 金光
Minoru Kumagai
稔 熊谷
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】十分な抵抗率を備えキャビテーションにも耐性
があって保護膜無しで実用に耐え得る使用寿命の長いサ
ーマルインクジェットプリンタの発熱抵抗体を提供す
る。 【解決手段】Ta板に所定の量のSiを埋め込んだ又は
SiO2 を焼結したターゲットを用いてスパッタリング
を行う。基板の温度を約200℃とし、成膜速度を約2
0Å/minとする。この後、400℃で10分間の熱
処理(アニール)を行い、Si基板11上に厚さ240
0ÅのTa−Si−O系の薄膜(発熱抵抗体膜)を得
る。このTa−Si−O系の薄膜26の組成はSiとT
aのモル比Si/Taが0.35<Si/Ta≦0.7
5で、Oのモル%が25モル%≦O≦55モル%であ
り、抵抗率が3mΩcm以上で、耐キャビテーション性
に優れており、保護膜を必要としない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、十分な抵抗率を備
え保護膜が不要で耐久性に優れたサーマルインクジェッ
トプリンタ用の発熱抵抗体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット方式のプリンタが
広く用いられている。このインクジェット方式によるプ
リンタには、気泡の発生による圧力でインク滴を飛ばす
サーマルジェット方式や、ピエゾ抵抗素子(圧電素子)
の変形による圧力でインク滴を飛ばすピエゾ方式等があ
る。
【0003】これらは、色材たるインクをインク滴にし
て直接記録紙に向かって吐出するという工程により、粉
末状の印材であるトナーを用いる電子写真方式と比較し
た場合、印字エネルギーが低くて済み、インクの混合に
よってカラー化が容易であり、印字ドットを小さくでき
るので高画質であり、印字に使用されるインクの量に無
駄が無くコストパフォーマンスに優れており、このため
特にパーソナル用プリンタとして広く用いられている印
字方式である。
【0004】そして、上記のサーマルジェット方式に
は、インク滴の吐出方向により二通りの構成がある。す
なわち、発熱抵抗体の発熱部の発熱面に平行な方向へ吐
出する構成のものと、発熱抵抗体の発熱部の発熱面に垂
直な方向に吐出する構成のものとがある。
【0005】図15(a),(b),(c) は、発熱抵抗体の発熱
部の発熱面に平行な方向へ吐出する構成のものであり、
同図(d),(e),(f) は、発熱抵抗体の発熱部の発熱面に垂
直な方向に吐出する構成のものをそれぞれ模式的に示し
ている。尚、同図(a) 〜(f)は発熱抵抗体の発熱部のみ
を示している。同図(a) 又は(d) に示すように、シリコ
ン基板1上には発熱部2が形成されており、不図示の隔
壁層に積層された天板3がシリコン基板1の面に所定の
間隔を置いて対向配置されている。そして、同図(a) で
は発熱部2の側方に、同図(d) では発熱部2に対向し
て、オリフィス4が形成されている。上記の発熱部2は
不図示の電極に接続されており、発熱部2が設けられて
いるインク流路にはインク5が常時供給されている。
【0006】このオリフィス4からインク滴を吐出させ
るには、先ず、同図(b) 又は(e) に示すように、画像情
報に応じた通電により、発熱部2を熱してこの発熱部
2上に核気泡を発生させ、この核気泡が合体して膜気
泡6が発生し、この膜気泡6が断熱膨脹して成長し周
囲のインクを押し遣り、これによりオリフィス4からイ
ンク5′が押し出され、この押し出されたインク5′
は、同図(c) 又は(f) に示すように、インク滴7となっ
てオリフィス4から紙面に向けて吐出される。この後、
上記の成長した膜気泡が収縮し、ついには膜気泡が
消滅し、次の発熱抵部の加熱を待機する。この一連の工
程〜は、瞬時に行われる。
【0007】上記の発熱部2の発熱面に平行な方向にイ
ンク滴を吐出する構成のものはサイドシュータ型サーマ
ルインクジェットヘッドと呼称されている。一方、発熱
部2の発熱面に垂直な方向にインク滴を吐出する構成の
ものは、ルーフシュータ型又はトップシュータ型サーマ
ルインクジェットヘッドと呼称されており、消費電力が
極めて小さくて済むことが知られている。また、このル
ーフシュータ型の形式におけるフルカラー用のサーマル
インクジェットヘッドの製法としては、シリコンLSI
形成技術と薄膜形成技術を利用して、複数の発熱抵抗体
の発熱部と個々の駆動回路とオリフィスを一括してモノ
リシックに形成する方法がある。この方法によれば、例
えば約10mmの幅の基板に、解像度が360dpi
(ドット/インチ)の印字ヘッドであれば128個の発
熱部と駆動回路とオリフィスが形成され、また、解像度
が720dpiの場合であれば256個の発熱部と駆動
回路とオリフィスが形成される。
【0008】ところで、上記の工程〜には、膜沸騰
現象が利用されている。膜沸騰現象は、例えば鉄の焼き
入れのように高温に加熱された物体を液体中に漬けた場
合と、液体と接する物体の表面温度を急激に上げた場合
とに発現するが、サーマルインクジェットヘッドに用い
られる膜沸騰現象は後者の「液体と接する物体の表面温
度を急激に上げる」方法によっている。この膜沸騰現象
において、上記の液体中に発生した気泡が消滅するとき
に起きる現象は、キャビテーションと呼ばれている。
【0009】図16(a),(b) は、上記のインク滴の吐出
に係る気泡の成長と消滅の過程を模式的に示す図であ
る。同図(a) は実験的に水深1mm(ミリメータ)のオ
ープンプール8に設定した発熱部2と、これによる気泡
の成長と消滅の過程を0〜6μs(マイクロ秒)まで、
1μs毎に示している。また、同図(b) は発熱部2への
通電タイミングを示している。
【0010】同図(a) に示すように、0〜1μsで発熱
部2が加熱され、1〜2μsで核気泡が成長し、2μs
から3μsに至る間にインク滴を吐出する気泡が発生
し、3μsでは既にその気泡の収縮が始まっている。そ
して6μsで気泡が消滅するまでの間、同図の矢印a−
1、a−2、a−3で示すにように負圧を伴うキャビテ
ーションが発生する。そして、このキャビテーションに
よる破壊力は発熱部2を設置面から引き剥がそうとする
力として働く。その衝撃力は、上記の水深1mmのオー
プンプールの場合、1000ton/cm2 に達すると
言われている。このような発熱部に電極からパルス状の
電力を投入して発熱させる際の加熱速度は、3×108
℃/秒という急激なものであるから、このままである
と、電蝕による発熱部の経時疲労が増大するだけではな
く、上記のキャビテーションの衝撃による損傷も大きく
なる。つまり、サーマルインクジェットヘッドの使用寿
命が短縮されてしまう。
【0011】また、発熱抵抗体は、抵抗率が大きくなる
と抵抗の温度変化率が大きくなる傾向がある。発熱抵抗
体の発熱エネルギーを利用する装置の場合、発熱抵抗体
の抵抗値が温度によって大きく変化するようでは発熱抵
抗体を発熱駆動する制御がなかなか困難である。
【0012】また、他方では、発熱抵抗体の抵抗値は、
発熱抵抗体の駆動回路で許容される電流の上限値からく
る制約があるため、所定値以上の抵抗率を備えることが
要求される。特に、駆動回路と発熱抵抗体が同一基板上
に設置されるモノリシックタイプのインクジェットヘッ
ドでは、ドライバ用トランジスタの電流上限値は100
mA程度であるから、例えば使用電力を1パルスあたり
1ワットとすると、抵抗の値としては100Ω必要とな
る。
【0013】一般に従来の抵抗体の材料としては、酸化
物や窒化物に金属を加えたものなどが提案されており、
通常の抵抗体は金属的なものが多い。そして、これらの
金属抵抗体は抵抗率が1mΩcm以下であるものが多
い。抵抗率が1mΩcmの抵抗体を発熱抵抗体として用
いる場合には、一般的な抵抗体(発熱部)の形状として
正方形のパターンを形成した場合、抵抗体の厚さを10
00Å程度に薄く成膜しなければならない。これでは上
述した電蝕やキャビテーション衝撃に対する耐久性が劣
るため、このままでは抵抗体の寿命確保が困難であり、
保護膜が必要となる。
【0014】したがって、一般にインクジェットプリン
タの発熱抵抗体薄膜の発熱部は、適宜の材料、例えば酸
化シリコン(SiO2 )、酸化マグネシウム(Mg
O)、酸化アルミニウム(Al2 3 )、酸化タンタル
(Ta2 5 )又は酸化ジルコニウム(ZrO)等で形
成された厚さ10000Å程度の厚い保護膜で覆われて
保護されており、直接にはインクと接触しないように形
成されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般
に、プリンタは印字速度の速いことが要求される。サー
マルインクジェットプリンタも例外ではなく、やはり印
字速度の速いことが要求される。そのようにサーマルイ
ンクジェットプリンタの印字速度を向上させるために
は、発熱部に上述したような保護膜を設けることをせ
ず、インクが直接発熱部に接触するように形成したほう
が良いことはいうまでもない。
【0016】ところが、上述したように従来のサーマル
インクジェットプリンタの発熱部は耐久性を上げるため
厚い保護膜に覆われて直接にはインクと接触しないよう
に形成されている。したがって、印字速度を上げるため
には、膜沸騰用の熱を厚い保護膜を通して急速にインク
に伝達する必要がある。そして、そのためには大きな電
流を発熱部に通電して発熱量を大きくしてやらなくては
ならない。
【0017】しかし、これでは、消費電力が大きくなる
ばかりであり、エネルギー効率が悪く、市場が要望する
低消費電力の点で望ましくない。したがって、保護膜を
必要とせず且つより高抵抗率の抵抗体の開発が望まれて
いた。
【0018】本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、
高い抵抗率を有し保護膜無しでもキャビテーション耐性
が良く使用寿命の長いサーマルインクジェットプリンタ
の発熱抵抗体及びその製造方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】以下に、本発明に係わる
のサーマルインクジェットプリンタの発熱抵抗体及びそ
の製造方法について述べる。
【0020】先ず、請求項1記載の発明のサーマルイン
クジェットプリンタの発熱抵抗体は、基板上に複数個設
けられ、発熱部に供給されたインクとの界面に発熱によ
り気泡を発生させて、対応するノズル孔からインク滴を
吐出するサーマルインクジェットプリンタの発熱部を形
成する発熱抵抗体であって、実質的にTaとSiとOを
成分元素とし、SiとTaのモル比R=Si/Taが
「0.35≦R≦0.75」で且つOのモル%Mが「2
5%≦M≦55%」であることを特徴とする。
【0021】そして、本発明の発熱抵抗体は、例えば請
求項2記載のように、アモルファス構造体をなし、X線
回折分析において回折角2θが37.5°以下にブロー
ドな吸収ピークを備えるものであることが好ましい。
【0022】次に、請求項3記載の発明のサーマルイン
クジェットプリンタの発熱抵抗体は、基板上に複数個設
けられ、発熱部に供給されたインクとの界面に発熱によ
り気泡を発生させて、対応するノズル孔からインク滴を
吐出するサーマルインクジェットプリンタの発熱部を形
成する発熱抵抗体であって、少なくともTaとSiとO
を成分元素とし、アモルファス構造体をなし、X線回折
分析において回折角2θが37.5°以下にブロードな
吸収ピークを備えるものであることを特徴とする。
【0023】請求項3の発熱抵抗体は、例えば請求項4
記載のように、成分元素がTaとSiとOに更にAlを
含んで構成しても良い。また、上記発熱部は、例えば請
求項5記載のように、保護膜を有さず、上記インク中に
露出するよう形成されることが好ましく、また、例えば
請求項6記載のように、両端にTi/Wから成る電極を
接続されて成るように構成されるのが良い。
【0024】更に、請求項7記載の発明のサーマルイン
クジェットプリンタの発熱抵抗体の製造方法は、基板上
に複数個設けられ、発熱部に供給されたインクとの界面
に発熱により気泡を発生させて、対応するノズル孔から
インク滴を吐出するサーマルインクジェットプリンタの
発熱抵抗体の製造方法であって、少なくともTaとSi
とOを成分元素とし、上記基板の温度が150℃〜40
0℃で且つ成膜速度が15Å/分〜40Å/分の条件で
溶射法により成膜し、SiとTaのモル比R=Si/T
aが「0.35≦R≦0.75」で且つOのモル%Mが
「25%≦M≦55%」の組成となすように構成され
る。
【0025】そして、請求項8記載のように、上記溶射
法による成膜の後、400℃にて10分間の加熱処理を
行うことが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1(a),(b),(c) 及び図2
(a),(b),(c) は、一実施の形態におけるサーマルインク
ジェットプリンタの印字チップの製造方法を工程順に示
す図である。図1(a),(b),(c) はそれぞれ概略の平面図
と断面図を示しており、図2(a),(b),(c) の上段はそれ
ぞれ図1(a),(b),(c) の平面図を一部拡大して詳細に示
す図であり、中段は上段のA−A′断面矢視図(同図
(a) 参照)、下段は上段のB−B′断面矢視図(同図
(a) 参照)である。また、図1(a),(b),(c) のそれぞれ
下に示している断面図は、図2(a),(b),(c) の中段に示
す断面図と同一のものである。
【0027】尚、これらの図では説明の便宜上、いずれ
も1個の印字チップ即ちモノカラー用の、つまりモノク
ロ用のインクジェットヘッドの構成と同じものを示して
いるが、実際には後述するように、このような印字チッ
プが複数個(通常は4個)横に連なった形状でフルカラ
ーインクジェットヘッドが構成され、そのようなフルカ
ラーインクジェットヘッドが1個のチップ基板上に形成
される。
【0028】最初に、基本的な製造方法について説明す
る。先ず、工程1として、4インチ以上のシリコン基板
にLSI形成処理により駆動回路とその端子を形成する
と共に、厚さ1〜2μmの酸化膜を形成し、次に、工程
2として、薄膜技術を用いて、Ta(タンタル)−Si
(シリコン)−O(酸素)の少なくとも3元素からなる
発熱抵抗体の薄膜が形成され、フォトリソグラフィー技
術によってストライプ状にパターニングされる。そし
て、そのストライプ状の発熱抵抗体の薄膜上の発熱部と
なる領域の両側(図では左右)に、Ti−Wによる電極
膜が形成され、フォトリソグラフィー技術によって同じ
くストライプ状にパターニングされ、一方は個別配線電
極として配置され、他方は共通電極として配置される。
この工程で発熱抵抗体薄膜の発熱部の位置が決められ
る。
【0029】図1(a) 及び図2(a) は、上記の工程1及
び工程2が終了した直後の状態を示している。すなわ
ち、シリコン基板11上には共通電極12、共通電極給
電端子13(図1(a) 参照)、個別配線電極14、多数
の発熱部15、駆動回路16及び駆動回路端子17(図
1(a) 参照)が形成されている。
【0030】続いて、工程3として、個々の発熱部15
に対応するインク溝を形成すべく感光性ポリイミドなど
の有機材料からなる隔壁部材をコーティングにより高さ
20μm程度に形成し、これをパターン化した後に、3
00℃〜400℃の熱を30分〜60分加えるキュア
(乾燥硬化、焼成)を行い、高さ10μmの上記感光性
ポリイミドによる隔壁をシリコン基板上に形成・固着さ
せる。更に、工程4として、ウェットエッチングまたは
サンドブラスト法などにより上記シリコン基板の面に溝
状のインク供給路を形成し、更にこのインク供給路に連
通し下面に開口するインク給送孔を形成する。
【0031】図1(b) 及び図2(b) は、上述の工程3及
び工程4が終了した直後の状態を示している。すなわ
ち、溝状のインク供給路18及びインク給送孔20が形
成され、インク供給路18の左側に位置する共通電極1
2部分と、右方の個別配線電極14が配設されている部
分、及び各発熱部15と発熱部15の間に、隔壁19
(19、19−1、19−2)が形成されている。隔壁
19の上記各発熱部15間に積層される部分は、個別配
線電極14上の部分19−1を櫛の胴とすれば、各発熱
部15間に伸び出す部分19−2は櫛の歯に相当する形
状をなしている。
【0032】これにより、この櫛の歯を仕切り壁とし
て、その歯と歯の間の付け根部分に発熱部15が位置す
る微細な区画部が、発熱部15の数だけ形成される。こ
の櫛の歯の長さを変えることにより区画部に流通するイ
ンクのコンダクタンスが変わり、また隣接する区画部を
流動するインク間の干渉にも影響する。
【0033】この後、工程5として、ポリイミドからな
る厚さ10〜30μmのフィルムのオリフィス板を、そ
の片面に接着剤としての熱可塑性ポリイミドを極薄に例
えば厚さ2〜5μmにコーテングし、上記積層構造の最
上層に張り付けて、隔壁19−2によって形成された区
画部に蓋をする。これにより、個別にインク供給路18
方向を向いて開口する微細なインク加圧室が形成され
る。この後、200〜300℃で加熱しながら加圧して
オリフィス板を固着させる。続いて、Ni、Cu又はA
lなどの厚さ0.5〜1μm程度の金属膜を形成する。
【0034】更に、工程6として、オリフィス板の上の
金属膜をパターン化して、ポリイミドを選択的にエッチ
ングするマスクを形成し、続いて、オリフィス板をEC
Rなどのドライエッチングなどにより上記の金属膜マス
クに従って40μmφ〜20μmφの孔空けをして多数
のノズル孔(オリフィス)を一括形成する。尚、孔空け
はエキシマレーザなどを用いて行ってもよく、また、ヘ
リコン波エッチングによってもよい。
【0035】図1(c) 及び図2(c) は、上述した工程5
と工程6が終了した直後の状態を示している。すなわ
ち、オリフィス板21が駆動回路16と給電端子13及
び17の部分を除く全領域を覆っており、上記の区画部
も上を覆われて隔壁19の厚さ10μmに対応する高さ
の微細な坑状のインク加圧室22を形成している。そし
て、オリフィス板21には、発熱部15に対応する部分
にオリフィス、つまり吐出ノズル23がドライエッチン
グによって形成されており、これにより、1列の吐出ノ
ズル23を備えた印字チップ、つまりモノカラーインク
ジェットヘッド24が完成する。
【0036】このようにオリフィス板21を張り付け
て、その後で、下地のパターンつまり発熱部15の位置
に合わせて吐出ノズル23を孔空け加工することは、予
めオリフィス23を加工したオリフィス板21を張り合
わせるよりも、遥かに生産性の高い実用性のある方法で
ある。また、ドライエッチングによる場合は、マスクは
Ni、Cu、又はAlなどの金属膜を使うことで樹脂と
金属膜との選択比が概略100程度得られる。したがっ
て、20〜40μmのポリイミドフィルムのエッチング
には1μm以下の金属膜でマスクを形成することで十分
である。
【0037】ここまでが、ウエハの状態で処理される。
そして、最後に、工程7として、ダイシングソーなどを
用いてカッテングして、単位毎に個別に分割し、実装基
板にダイスボンデングし、端子接続して、実用単位のイ
ンクジェットヘッドが完成する。
【0038】尚、上記の例では駆動回路16が露出した
状態で示されているが実際には保護膜が形成されてい
る。また保護膜を後からわざわざ形成するのではなく、
オリフィス板21を図1(c) (図2(c) も同様)の右方
に延長して積層するようにして、オリフィス板21に駆
動回路16の保護膜を兼用させるようにしてもよい。
【0039】上記の1列の吐出ノズル23を備えた印字
チップは、これだけでは上述したようにモノカラーイン
クジェットヘッドの構成であるが、現在ではフルカラー
の印字が主流であり、その場合は減法混色の三原色であ
るイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3
色に、文字や画像の黒部分に専用されるブラック(B
k)を加えて合計4色のインクを必要とする。したがっ
て最低でも4列のノズル列が必要である。上述した製造
方法によれば、モノカラーインクジェットヘッド24と
同一の構成を、横に4列、モノリシックに構成して、フ
ルカラーインクジェットヘッドを作成することは可能で
あり、各列の吐出ノズル23等の位置関係も今日の半導
体の製造技術により正確に配置することが可能である。
【0040】図3(b) は、上述の図1及び図2に示した
シリコン基板11、共通電極12、共通電極給電端子1
3、個別配線電極14、発熱部15、駆動回路16、駆
動回路端子17、インク供給路18、隔壁部材19、イ
ンク供給孔20、オリフィス板21、インク加圧室2
2、吐出ノズル23の各部を1組としてなる素子(モノ
カラーインクジェットヘッド24の構成)を4列並べて
フルカラーインクジェットヘッド25を構成した状態を
示す図である。
【0041】尚、図3(a) には、素子(モノカラーイン
クジェットヘッド24の構成)が4列並んだ構成を分か
り易く示すため、図1(a) に示した工程1〜工程2まで
終了した状態のものを示している。また、図3(b) に示
す形態は、オリフィス板21に駆動回路16の保護膜を
兼用させる形態のものを示している。
【0042】この図3(a),(b) に示すように、フルカラ
ーインクジェットヘッド25は、4個の素子24(モノ
カラーインクジェットヘッド24a、24b、24c、
24d)が並んで配置され、例えばインク供給路18a
からYインクが素子24aのインク加圧室22(図1
(c) 及び図2(c) 参照)に供給され、インク供給路18
bからMインクが素子24bのインク加圧室22に供給
され、インク供給路18cからCインクが素子24cの
インク加圧室22に供給され、そしてインク供給路18
dからはBkインクが素子24dのインク加圧室22に
供給される。
【0043】このようにして得られるフルカラーインク
ジェットヘッド25は、例えば概略8.5mm×19.
0mmの大きさのシリコンチップ上に、解像度が360
dpiの場合であれば、128ノズル×4列=640ノ
ズルを備えて形成され、また、解像度が720dpiの
場合であれば、256ノズル×4列=1280ノズルを
備えて形成される。
【0044】このフルカラーインクジェットヘッド25
は、印字に際しては発熱部15(図1(c) 及び図2(c)
参照)が印字情報に応じて選択的に通電され、瞬時に発
熱してインク加圧室22内に膜沸騰現象を発生させ、そ
のインク加圧室22に対応する吐出ノズル23からイン
ク滴が吐出される。このようなフルカーインクジェット
ヘッド25においては、インク滴は吐出ノズル23の径
に対応する大きさの略球形で吐出され、紙面上に略その
倍の径の大きさとなって印字される。
【0045】次に、上述したフルカラーインクジェット
ヘッド25の製造方法の工程2において概略説明した発
熱部15を形成する前段の発熱抵抗体の薄膜形成につい
て、更に詳しく説明する。
【0046】図4は、上述した発熱部15及びその近傍
部分を拡大して示す図である。同図に示すように、シリ
コン基板11上には発熱抵抗体薄膜26が形成され、そ
の発熱部15となる両端に、共通電極12及び個別配線
電極14が形成されている。
【0047】先ず、上記発熱部15となる発熱抵抗体膜
26として適切な抵抗率を考察すると、先ず、サーマル
インクジェットの発熱抵抗体は、インク吐出時にキャビ
テーションによる大きな衝撃を受けることは前述した。
したがって、発熱抵抗体の膜厚は、ある程度厚い方が望
ましいといえる。しかし、他方では、モノリシックに形
成したサーマルインクジェットヘッドの場合、発熱抵抗
体を発熱駆動するトランジスタの電流には上限がある。
【0048】トランジスタの上限電流を100mA、使
用電圧を10Vとすると、その場合の抵抗値は200Ω
となる。保護膜なしの発熱部はキャビテーション耐性の
面から3000Å以上、好ましくは6000Å以上の膜
厚が必要とされ、且つ、必要な熱流束を得るにはシート
抵抗で100Ω/□以上が要求されるから、試みにシー
ト抵抗を100Ω/□、厚さ3000Åとして計算する
と、発熱部の抵抗率σ1 は、σ1 =100×0.3×1
-4Ωcm=3mΩcmである。すなわち、発熱部つま
り抵抗抵抗体膜の抵抗率の好ましい下限値σ1 は3mΩ
cmで、より好ましくは、6mΩcmである。
【0049】また、発熱抵抗体の抵抗率の上限値につい
ては、上記のトランジスタの耐電圧を20Vとすれば、
抵抗値は400Ωになる。すなわち、シート抵抗は40
0Ω/□ということになるが、これで計算すると、発熱
抵抗体の抵抗率σ2 は、σ2=400×0.6×10-4
Ωcm=24mΩcmである。すなわち、発熱抵抗体の
抵抗率の上限値σ2 を24mΩcmとすることが好まし
いといえる。
【0050】次に、上述した上限値と下限値の適正範囲
内の抵抗率を備えた発熱抵抗体膜を得るため、Ta−S
i−O系の薄膜を各種ターゲット及び装置を用いて作成
して、その組成、及び抵抗率を調査した。
【0051】先ず、第1の実施形態においては、上記発
熱抵抗体薄膜26の形成に溶射法(スパッタリング(sp
uttering))を用いるが、このスパッタリング装置の使
用では、Ta(タンタル)板に所定の量のSi(シリコ
ン)を埋め込んだターゲット(例えばTa:Si=3:
1)を用い、装置の真空層内を1×10-6Torr以下
に排気した後に、アルゴンガスを所定量導入し、DCス
パッタリングを行う。
【0052】このとき基板11の温度を約200℃と
し、成膜速度を約20Å/分とする。この後に、400
℃で10分間の熱処理(アニール)を行う。このように
して、SiO2 の熱酸化膜を形成したSi基板11上に
厚さ7000ÅのTa−Si−O系薄膜を形成する。こ
のTa−Si−O系の発熱抵抗体薄膜26の上に配線用
電極膜を形成し、レジストを塗布し、ウエットエッチン
グして、図4に示したように配線用電極膜をパターニン
グし、共通電極12及び個別配線電極14を形成する。
これにより、発熱部15が画定形成される。このように
して形成される発熱部15のサイズは、およそ40μm
×55μm、厚さは上述したように7000Å(=0.
7μm)程度が好ましい。
【0053】図5(a) は、このパターン化された発熱部
15に、10kHz、2μs、4μJのパルスを印加し
てオープンプールでの膜沸騰を確認した後、より過酷な
試験であるといわれている大気中での耐パルス試験を行
った結果を示す図である。同図(a) は縦軸に抵抗値を示
しており、横軸に印加パルスの回数を示している。同図
(a) に示すように、10億パルスの印加後も、抵抗に殆
ど変化がなく、極めて良好な耐パルス特性を示してい
る。
【0054】ここで、このような特性を有する上述のT
a−Si−O系の薄膜(発熱抵抗体薄膜26)を試料と
して種々の調査を行ってみると、先ず、X線回折によっ
て、このTa−Si−O系薄膜はアモルファスであるこ
とが確認された。また、成膜後の抵抗率は5mΩcmで
あったが、アニールによって5.7mΩcmに上昇して
いることが判明した。
【0055】図5(b) は、上記の方法で製造したTa−
Si−O系薄膜の組成とアニールによる酸化について調
査したオージェ電子分光法とX線電子分光法(ESC
A)とによる分析結果を示す図である。同図は、縦軸に
各成分の濃度を%で示し、横軸に膜内の位置(深さ)を
Åで示している。同図(a) に示すように、組成はおよそ
Taが43%、Siが29%、Oが28%であった。
【0056】ここで引き続き上記のアニールによる酸化
膜の存在や酸素の拡散を調査するために、表面近傍のみ
更に低スパッタレートで、オージェの深さ方向分析を行
ったが、膜厚30Å〜50Åは自然酸化膜のみであり、
アニールによる酸化膜や酸素(O)の拡散は認められな
かった。したがって、アニールによる抵抗率の変化は、
酸化では説明できいないことになる。
【0057】図6は、上記の抵抗変化について、別の観
点から調査した結果を示す図である。すなわち、同図
は、石英ガラス基板上に上述の方法とほぼ同一の方法
で、厚さ2400ÅのTa−Si−O系薄膜を形成し、
そのアニール前後の抵抗率と光透過率を調べたものであ
る。同図は縦軸に光透過率を示し、横軸に光エネルギー
(eV)を示している。グラフaはアニール前、グラフ
bはアニール後である。また、表面反射の影響を除いて
データを整理して示してある。
【0058】同図に示すように、アニール前の抵抗率
4.6mΩcmがアニール後では5.2mΩcmに大き
く変化している。また、光透過率もアニールによって大
きくなっている。ところが、組成の変化についての分析
結果では、この場合も、アニール後において自然酸化膜
程度の酸化しか認められていない。この程度の組成の変
化では、上記のような光透過率の変化は説明できない。
【0059】したがって、上記の試験による測定結果を
総合すると、アニールによって、物質の電子状態が変化
したと考えられる。以上のことから、本実施の形態にお
けるTa−Si−O系薄膜の新規な特性が上述した組成
に加えてその電子状態にも起因していることが判明す
る。
【0060】図7は、更にTa−Si−O系の組成の割
合を異ならせて作成した発熱抵抗体の試料の調査結果を
示す図表であり、この場合も、作成した各試料の組成の
分析は、オージェ電子分光法によっている。なお、試料
番号1の発熱抵抗体は、上述した第1の実施形態による
発熱抵抗体である。
【0061】先ず、試料番号2の発熱抵抗体の形成に
は、試料1の場合と同様に通常のDCスパッタリング装
置を使用した。この成膜装置を同図ではAと表記してい
る。ターゲットには、Ta板に所定の量のSiを埋め込
んだものを使用した。真空層内を1×10-6Torr以
下に排気した後に、アルゴンガスを所定量導入し、スバ
ッタリングを行った。基板温度は約200℃、成膜速度
は約20Å/min(分)である。試料1の場合とは、
スパッタリング電力を変えて組成を変化させた。このよ
うにして製造した試料2としての発熱抵抗体の組成は、
Taが48モル%、Siが22モル%、Oが29モル%
であり、成膜後でアニール前の抵抗率は4.5mΩcmで
あった。
【0062】以上の様に、試料番号1及び2の発熱抵抗
体は、夫々、アニール前の抵抗率が5mΩcm、4.5
mΩcmであるが、後述するように、発熱抵抗体のアニ
ール後の抵抗率は、アニール前に比べて20%程度大き
くなることが判明しているから、上述した発熱抵抗体と
しての抵抗率の好適な範囲条件を充分に満足するもので
あることが分かる。
【0063】試料番号3、4及び5の発熱抵抗体の形成
には、DCマグネトロンスバッタリング装置を使用し
た。この成膜装置を同図ではBと表記している。ターゲ
ットには、Ta板に所定の量のSiチップを置いたもの
を使用した。基板温度は成り行きとし、成膜速度は約1
00Å/minである。組成変化は、ターゲット内のS
iの割合を変化させることによって行った。
【0064】試料番号6及び7の発熱抵抗体の形成に
は、RFマグネトロンスパッタリング装置を使用した。
この成膜装置を同図ではCと表記している。ターゲット
には、所定の割合のTaとSiO2 の混合ターゲットで
ある。成膜速度は約100Å/minである。組成変化
は、ターゲット内のSiO2 の割合を変化させることに
よって行った。
【0065】試料番号8、9及び10の発熱抵抗体の形
成には、同じくRFマグネトロンスパッタリング装置を
使用した。この場合における同成膜装置を図5ではDと
表記している。ターゲットには、所定の割合のTaとS
iO2 の混合ターゲットを用いたが、試料番号6及び7
の場合に比べて、SiO2 の割合を大幅に少なくしてい
る。成膜速度は約100〜200Å/minである。組
成変化は、スパッタリング電力を変えることによって行
った。
【0066】図7の図表に示すように、これら発熱抵抗
体のアニール前の抵抗率(mΩhm・cm)は、試料番
号3、4及び5が、0.34〜0.4mΩcmであって
一番小さく、試料番号8、9及び10が、1〜1.3m
Ωcmでやや大きく、それよりも試料番号1及び2が、
数倍大きく、4.5及び5mΩcmである。そして、試
料番号6及び7は、300及び100mΩcmであり、
極めて抵抗率が大きくなっている。
【0067】試料番号3乃至5は、抵抗率が低すぎて発
熱効率が良くないことが容易に判明する。また、これら
よりも抵抗率がやや大きい試料番号8乃至10は電力を
消費し過ぎることが予想され、抵抗率が極めて大きい試
料番号6及び7については発熱効率がそれほど良くはな
いと推定されるが、これらは少なくとも発熱させること
はできる。そこで、念のためその特性を調べるために、
試料番号1及び2と共に、オープンプールによる水中通
電試験を行った。
【0068】先ず、発熱抵抗体を、この場合も試験的に
2400Åの厚さで成膜し、その両端にTi/Wによる
2000Åの厚さの電極をスパッタリングで成膜し後、
その上に重ねてAuによる7000Åの厚さの電極を成
膜して、25μm□の抵抗体発熱部のパターンを試作し
た。これをオープンプールにおいて、72個中の任意の
6個の電極に、上述した核沸騰条件のパルスを印加し
た。
【0069】図8は、試料番号1及び2における上記水
中通電試験の結果を示すグラフであり、縦軸に抵抗変化
の割合を示し、横軸に印字パルス数を示している。オー
プンプールでの試験では結果にバラツキが出るのが特徴
であるが、それでも同図に示すように、試料番号1及び
2のものは、疲労破壊されるまで5000万〜1億パル
スの印加に耐性を示し、発熱抵抗体として充分に満足で
きるものであった。一方、試料番号8〜10及び試料番
号6、7のものは、特には図示しないが、1000万未
満のパルス印加回数で破壊された。これでは寿命の点で
不満足なものである。
【0070】このことから、試料番号1及び2のもの
は、単に上述したトランジスタの限界電流に対応してい
るばかりでなく、電蝕及びキャビテーション損傷にも高
い耐性のある組成を有した良好な発熱抵抗体であるとう
ことができる。
【0071】試料2についても、その種々の特性を調査
してみると、X線回折では、このTa−Si−O系薄膜
はアモルファスであることが確認された。また、表面近
傍の低スパッタレートでのオージェの深さ方向分析で
は、膜厚30Å〜50Åは自然酸化膜のみであり、アニ
ールによる酸化膜や酸素(O)の拡散は認められなかっ
た。また、石英ガラス基板上に上記とほぼ同一の方法で
形成した薄膜のアニール前後の抵抗率と光透過率の証左
では、アニール前の抵抗率がアニール後では、20%近
く上昇していることが判明した。また、光透過率もアニ
ールによって大きくなっている。しかし、この場合もア
ニール後において自然酸化膜程度の酸化しか認められず
組成に大きな変化はない。つまりこの場合もアニールに
よって物質の電子状態が変化したと考えられる。
【0072】ところで、上述したように、本発明におい
ては、発熱抵抗体を発熱駆動する電極として、発熱抵抗
体に直接接触する下層部にTi/Wを用い、これに重ね
て上層部にAuを用いている。一般に、配線材料として
は発熱抵抗体と異なり抵抗の小さい材料が望ましく、こ
の点でAuは良好な材料であるが、単体であるとTa−
Si−O系の発熱抵抗体から剥離しやすいため、下地に
他の材料を用いてこれと組み合わせることが多い。
【0073】発明者による配線材料の調査では、従来か
ら良い配線材料であることが知られているNi電極を、
試料番号1及び2の発熱抵抗体に、2000Åの厚さで
成膜した後に、Auを7000Åの厚さで成膜して、2
5μm口の抵抗体パターン(発熱部)と配線電極(共通
電極及び個別配線電極)を作成した場合と、Ti/W電
極を同じく試料番号1及び2の発熱抵抗体に2000Å
の厚さで成膜した後に、Auを7000Åの厚さで成膜
して、25μm口の抵抗体パターンと配線電極を作成し
た場合とにより、発熱抵抗体の抵抗のバラツキを比較し
た。
【0074】図9(a) は、下地の電極にNiを用いた場
合の抵抗のバラツキを示す図であり、同図(b) は、下地
の電極にTi/Wを用いた場合の抵抗のバラツキを示す
図である。尚、同図(a),(b) は、いずれも横軸に72個
の発熱部の配置場所を示しており、縦軸に標準規格の抵
抗値を示している。
【0075】同図(a) に示すように、下地の電極にNi
を用いたものは抵抗のバラツキが大きい。これは、Ni
とTa−Si−Oとの密着強度が弱いためであり、場合
によってはNiが簡単に剥離することが判明している。
これに対して、同図(b) に示すように、下地の電極にT
i/Wを用いたものは、NiとTa−Si−Oとの密着
強度が高く且つAuとの密着強度も高いためにむらの無
い通電を行うことができ、Niの場合に比べて抵抗のバ
ラツキが殆ど無く極めて良好な結果となっている。
【0076】図10(a) は、更なるTa−Si−O系の
組成の割合が異なる発熱抵抗体試料の調査結果を示す図
表であり、同図(b) は、Ta+SiO2 ターゲット+A
lチップを使用して得られたTa−Si−O−Al系の
組成の割合が異なる発熱抵抗体試料の調査結果を示す図
表である。尚、これらの試料はいずれもSi基板上に作
成したものである。
【0077】同図(a) に示す試料番号11〜20の発熱
抵抗体は、Ta−SiO2 の焼結体ターゲットを使用
し、雰囲気の酸素の導入量をコントロールすることによ
って作成した幅広い各種組成のTa−Si−O系の発熱
抵抗体を示している。ただし、0.1≦Si/(Ta+
Si)≦0.4の範囲のものに絞って調査している。
【0078】同図に示すように、これら発熱抵抗体のア
ニール前の抵抗率(mΩhm・cm)は、試料番号11
〜15では抵抗率が最小で3.6mΩcm、最大で8.
1mΩcmの大きな抵抗率を示している。そして、試料
番号16〜18では抵抗率は0.2〜0.7mΩcmで
極めて小さく、そして、試料番号19及び20では、抵
抗率が大き過ぎて測定出来なかったことを示している。
【0079】また、同図(b) に示す試料番号21では、
抵抗率が1.02mΩcmであり、一般的な金属抵抗体
と大差の無い抵抗率となっている。そして、試料番号2
2では、4.5mΩcmであり、サーマルインクジェッ
トの発熱抵抗体として理想的な抵抗率となっている。な
お、同図(a) にモル%で示す組成の分析には、RBS
(ラザフオード後方散乱)を使用した。組成の分析にR
BSを使用したのは発熱抵抗体の組成分析の定量性を向
上させるためである。
【0080】この図10(a) に示す調査結果によれば、
酸素導入量が53%以下の場合、酸素導入量が増加する
につれて抵抗率が増加する傾向があることが分かる。ま
た、酸素量が30%近傍にある場合と50%近傍にある
場合に、Siの割合が増加するにつれて抵抗率がやや増
加する傾向にあることも分かる。しかし、図7に示した
酸素モル濃度が30%近傍にある試料番号1及び2の抵
抗率が、この図10(a) に示す酸素モル濃度が33%と
略同程度である試料番号16の抵抗率よりも高くなって
いる。そこで、このことを調査するために、先ず、比較
用試料を作成し、RBSにより分析した酸素の定量値
と、ESCA(X線光電子分光の一種)による酸素の定
量値との差を調査した。
【0081】図11は、RBSにより分析した酸素の定
量値とESCAによる酸素の定量値を示す図表である。
尚、同図に示すESCAのデータはSi/Taの割合を
最表面の測定から決定したものである。これは、測定試
料をスパッタすることによる組成変動の影響を避けるた
めである。しかし、酸素のみは、最表面のデータを使用
することが不可能であるために、その試料をスパッタ後
に酸素濃度を測定している。
【0082】同図に示すように、RBSとESCAの定
量分析において、Si/Taの比はほとんど一致する
が、酸素濃度は5%程度、ESCAによる定量分析の方
が低くでることが判明した。しかし、これだけでは、試
料1,2と試料16の抵抗率の差を説明するには不十分
である。
【0083】上述の様に組成が同様な成分領域にある発
熱抵抗体の抵抗率が異なる現象の原因は現在究明中であ
るが、推定では、特定の分析手段で検出が困難な不純物
元素の存在や、2種類以上のアモルファスの準安定状態
等が考えられる。
【0084】いずれにしても、インクジェットプリンタ
の発熱抵抗体として必要とされる特性は、高抵抗率と耐
キャビテーション性を有することであり、そのような特
性を備えた発熱抵抗体を何等かの方法で特定できれば、
良好な発熱抵抗体を容易に作成することができることに
なる。一般に材料物質を構造的に特定する方法としてX
線回折分析がよく用いられるが、上述したように、本例
における発熱抵抗体の材料はアモルファスであるため
に、その構造そのものをX線回折だけで決定することは
困難である。そこで、上述した組成分析にX線回折分析
を組み合わせ高抵抗率と耐キャビテーション性を有する
発熱抵抗体を特定することを試みた。
【0085】図12は、上述した試料番号1〜22の中
の或る一つの試料に対するX線回析の測定例を示す図で
ある。同図に示すX線のパターンは回折角2θが37.
5度程度を中心とするブロードなピークを持っている。
ここでは、一つの試料に対する測定結果しか示していな
いが、実際には試料番号1〜22の試料におけるX線回
折分析の結果では、回折角2θが30度から40度の範
囲のところにブロードなピークが出現することを確認で
きた。
【0086】これは、アモルファスの最隣接原子の配列
を現す構造因子(逆格子空間)を反映するものであり、
3元ABC化合物であるとA−A、A−B、B−B、A
−C、B−C、C−Cの6種類の構造因子の和となり、
フーリエ変換すると平均原子配列がわかる。
【0087】このように、X線回折のブロードなピーク
は最近接原子間の結合を反映するために、発熱抵抗体の
強度や、耐キャビテーション性を反映する可能性が高
い。また抵抗率も試料のバンド構造すなわち原子の結合
状態をある程度反映する。
【0088】図13は、上述したTa−Si−O膜の成
分比率を変えた試料番号1〜20及びTa−Si−O−
Al膜の試料番号21,22の各試料における上記ピー
ク中心回折角2θ(以下、単に回折角という)の位置と
抵抗率との関係を示す特性図である。同図に示すよう
に、これらの試料、すなわち少なくともTa、Si、O
を成分元素とする発熱抵抗体は、その組成の成分比率に
拘わりなく、回折角2θが小さくなるにつれて抵抗率が
大きくなる傾向がある。
【0089】ここで、前述した成分組成比が略同じであ
るが抵抗率が大きく異なっていた試料16,17と試料
1,2について着目すると、試料16,17のX線回折
における回折角2θは、37.7度及び37.76度と
何れも37.5度を超えている。従って、組成分析比の
条件にX線回折による回折角2θが37.5度以下であ
るという条件を加えれば、上述した組成分析比では区別
できなかった低抵抗率の発熱抵抗体材料を排除してより
正確に所望の発熱抵抗体材料を特定できるということが
分かる。
【0090】また、同図に示す試料番号1及び2の発熱
抵抗体は、図7及び図8で説明したように、耐キャビテ
ーション性が良好な試料である。したがって、回折角2
θが37.5度以下の材料は、抵抗率が3mΩcm以上
で、且つ耐キャビテーション性にも優れていると判断で
きる。
【0091】図14は、上述したTa−Si−O系の発
熱抵抗体材料の内の、試料番号1、2、4、5と、試料
番号11〜22の各発熱抵抗体の各成分の組成を示す三
元組成図である。これによれば、本発明のサーマルイン
クジェットヘッド用の発熱抵抗体として必要とされる3
mΩcm以上の抵抗率を備えた発熱抵抗体材料の組成比
は、SiとTaのモル比R=Si/Taが「0.35≦
R≦0.75」であって、Oのモル%Mが「25%≦M
≦55%」であるということができる。そして、この組
成比に加えて更に、図13の特性曲線から、X線回折分
析のピーク回折角2θが37.5度以下となるものが、
3mΩcm以上の高抵抗率で且つ保護膜なしで耐キャビ
テーション性に優れたTa−Si−O系の発熱抵抗体で
あるとより正確に特定することができる。
【0092】なお、Ta−Si−O系で成立した上記の
X線回折による回折角と抵抗率の関係は、Ta−Si−
O−Al系の発熱抵抗体材料に限らず、少なくともT
a、Si、Oと他の元素αを成分元素とするTa−Si
−O−α系でアモルファス構造を有する発熱抵抗体材料
においても成立するものと考えられので、それら材料の
サーマルインクジェットヘッド用発熱抵抗体としての可
否判別方法として上述したX線回折による方法を適用す
ることができることは明らかである。
【0093】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、Ta−Si−O系の発熱抵抗体の組成をSiとT
aのモル比R=Si/Taが「0.35≦R≦0.7
5」であって、Oのモル%Mが「25%≦M≦55%」
となるように設定することにより、抵抗率が3mΩcm
以上のサーマルインクジェットヘッド用のTa−Si−
O系発熱抵抗体を得ることができる。その結果、膜厚が
厚くても所要の発熱効果が発揮され且つキャビテーショ
ン耐性が良く使用寿命の長い発熱抵抗体が得られ、これ
により、発熱抵抗体の保護膜が不用となり、したがっ
て、低消費電力型で高速度記録が可能なサーマルインク
ジェットプリンタの発熱抵抗体の製造が可能となる。こ
の場合、X線回折分析においてブロードなピークが発現
する回折角度が37.5度以下であるという条件を加え
ることにより、より正確に3mΩcm以上の抵抗率を備
えたTa-Si-O系発熱抵抗体材料を特定することがで
きる。
【0094】また、発熱抵抗体の両端に直接接続される
駆動電極をTi/Wで形成することにより、一方では発
熱抵抗体への密着性が向上し、他方ではAu給電配線と
の接合性が向上し、したがって、常に全ての発熱素子が
均一に発熱する信頼性の高いサーマルインクジェットヘ
ッドを提供することが可能となる。
【0095】また、少なくともTa、Si、Oと他の元
素を成分とする発熱抵抗体材料の内X線回折分析におい
てブロードなピークが発現する回折角度が37.5度以
下のものを選定することによっても、抵抗率が3mΩc
m以上で耐キャビテーション性に優れたサーマルインク
ジェットヘッド用発熱抵抗体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b),(c) は一実施形態におけるサーマルイ
ンクジェットプリンタの印字チップの製造方法を工程順
に示す概略の平面図と断面図である。
【図2】(a),(b),(c) の上段はそれぞれ図1(a),(b),
(c) の平面図を一部拡大して詳細に示す図、中段は上段
のA−A′断面矢視図、下段は上段のB−B′断面矢視
図である。
【図3】(a) は素子が4列並んで構成されるフルカラー
インクジェットヘッドを分かり易く示す図、(b) はその
外観平面図である。
【図4】フルカラーインクジェットヘッドの発熱部及び
その近傍部分を拡大して示す図である。
【図5】(a) は発熱部に大気中での耐パルス試験を行っ
た結果を示す図、(b) はその発熱抵抗体のオージェ電子
分光法とX線電子分光法(ESCA)とによる分析結果
を示す図である。
【図6】本発明の発熱抵抗体の抵抗変化について別の観
点から調査した結果を示す図である。
【図7】Ta−Si−O系の組成の割合を種々異ならせ
て作成した発熱抵抗体の試料の調査結果を示す図表であ
る。
【図8】図7の試料番号1及び2の発熱抵抗体の抵抗疲
労度を調べるオープンプールでの耐パルス試験の結果を
示す図である。
【図9】(a) は下地の電極にNiを用いた場合の抵抗の
バラツキを示す図、(b) は下地の電極にTi/Wを用い
た場合の抵抗のバラツキを示す図である。
【図10】(a) は更なるTa−Si−O系の組成の割合
が異なる発熱抵抗体試料の調査結果を示す図表であり、
(b) はTa+SiO2 ターゲット+Alチップを使用し
て得られたTa−Si−O系の組成の割合が異なる発熱
抵抗体試料の調査結果を示す図表である。
【図11】RBSにより分析した酸素の定量値とESC
Aによる酸素の定量値を示す比較図表である。
【図12】Ta−Si−O膜の成分比率を変えた試料番
号1〜22の中の或る一つの試料に対するX線回析の測
定結果を示す図である。
【図13】Ta−Si−O膜の成分比率を変えた試料番
号1〜22のピーク回折角(2θ)の位置と抵抗率との
関係を示す特性図である。
【図14】本発明の高抵抗、高キャビテーション耐性、
及び所定以下のピーク回折角を有する発熱抵抗体の各成
分の組成を示す三元組成図である。
【図15】(a),(b),(c) はインクジェットヘッドの発熱
部の発熱面に平行な方向へ吐出する構成を示す図、(d),
(e),(f) は発熱部の発熱面に垂直な方向に吐出する構成
のものを示す図である。
【図16】(a),(b) はインク滴の吐出に係るキャビテー
ション気泡の成長と消滅の過程を模式的に示す図であ
る。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 発熱部 3 天板 4 オリフィス 5 インク 5′ 押し出されたインク 6 膜気泡 7 インク滴 8 オープンプール 11 シリコン基板 12 共通電極 13 共通電極給電端子 14 個別配線電極 15 発熱部 16 駆動回路 17 駆動回路端子 18 インク供給路 19、19−1、19−2 隔壁 20 インク給送孔 21 オリフィス板 22 インク加圧室 23 吐出ノズル(オリフィス) 24(24a、24b、24c、24d) モノカラー
インクジェットヘッド 25 フルカラーインクジェットヘッド 26 発熱抵抗体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金光 聡 東京都青梅市今井3丁目10番6号 カシオ 計算機株式会社青梅事業所内 (72)発明者 熊谷 稔 東京都青梅市今井3丁目10番6号 カシオ 計算機株式会社青梅事業所内 Fターム(参考) 2C057 AF03 AF24 AF54 AF65 AF91 AF93 AG14 AG46 AP02 AP13 AP14 AP22 AP32 AP33 AQ02 AQ03 BA04 BA13 5E033 AA02 BB05 BC07 BG02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に複数個設けられ、発熱部に供給
    されたインクとの界面に発熱により気泡を発生させて、
    対応するノズル孔からインク滴を吐出するサーマルイン
    クジェットプリンタの発熱部を形成する発熱抵抗体であ
    って、 実質的にTaとSiとOを成分元素とし、SiとTaの
    モル比R=Si/Taが「0.35≦R≦0.75」で
    且つOのモル%Mが「25%≦M≦55%」であること
    を特徴とする発熱抵抗体。
  2. 【請求項2】 アモルファス構造体をなし、X線回折分
    析において回折角2θが37.5°以下にブロードな吸
    収ピークを備えていることを特徴とする請求項1記載の
    発熱抵抗体。
  3. 【請求項3】 基板上に複数個設けられ、発熱部に供給
    されたインクとの界面に発熱により気泡を発生させて、
    対応するノズル孔からインク滴を吐出するサーマルイン
    クジェットプリンタの発熱部を形成する発熱抵抗体であ
    って、 少なくともTaとSiとOを成分元素とし、アモルファ
    ス構造体をなし、X線回折分析において回折角2θが3
    7.5°以下にブロードな吸収ピークを備えていること
    を特徴とする発熱抵抗体。
  4. 【請求項4】 成分元素がTaとSiとOに更にAlを
    含むことを特徴とする請求項3記載の発熱抵抗体。
  5. 【請求項5】 前記発熱部は、保護膜を有さず、前記イ
    ンク中に露出するよう形成されて成ることを特徴とする
    請求項1、2、3又は4記載の発熱抵抗体。
  6. 【請求項6】 前記発熱部は、両端にTi/Wから成る
    電極を接続されて成ることを特徴とする請求項1、2、
    3又は5記載の発熱抵抗体。
  7. 【請求項7】 基板上に複数個設けられ、発熱部に供給
    されたインクとの界面に発熱により気泡を発生させて、
    対応するノズル孔からインク滴を吐出するサーマルイン
    クジェットプリンタの発熱抵抗体の製造方法であって、 少なくともTaとSiとOを成分元素とし、 前記基板の温度が150℃〜400℃で且つ成膜速度が
    15Å/分〜40Å/分の条件で溶射法により成膜し、 SiとTaのモル比R=Si/Taが「0.35≦R≦
    0.75」で且つOのモル%Mが「25%≦M≦55
    %」の組成となすことを特徴とするサーマルインクジェ
    ットプリンタプリンタの発熱抵抗体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記溶射法による成膜の後、400℃に
    て10分間の加熱処理を行うことを特徴とする請求項7
    記載のサーマルインクジェットプリンタの発熱抵抗体の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1315650C (zh) * 2003-12-26 2007-05-16 佳能株式会社 喷墨记录头的制造方法及利用该制造方法制造的喷墨记录头

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