JP2001162803A - モノリシック型インクジェットプリンタヘッド - Google Patents

モノリシック型インクジェットプリンタヘッド

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JP2001162803A
JP2001162803A JP35092499A JP35092499A JP2001162803A JP 2001162803 A JP2001162803 A JP 2001162803A JP 35092499 A JP35092499 A JP 35092499A JP 35092499 A JP35092499 A JP 35092499A JP 2001162803 A JP2001162803 A JP 2001162803A
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ink
insulating film
printer head
film
monolithic
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JP35092499A
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English (en)
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Hideki Kamata
英樹 鎌田
Satoshi Kanemitsu
聡 金光
Koichi Tanaka
幸一 田中
Osamu Nakamura
修 中村
Yoshihiro Kawamura
義裕 河村
Tomoharu Yamaguchi
倫治 山口
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】インクの電気分解による気泡の発生を防止し
て、良好な印字品質を安定して得るモノリシック型のイ
ンクジェットプリンタヘッドを提供する。 【解決手段】インクジェットプリンタヘッドはチップ基
板22の上面に拡散層の駆動回路23、その上に酸化膜
39を形成され、その上に発熱抵抗体層24(発熱部2
4a、延長部24b)、密着層41、電極層(共通電極
25、個別配線電極26)、絶縁層42、隔壁(29−
1、29−1、29−3)、オリフィス板31が順次積
層される。オリフィス板31には吐出ノズル34が穿設
され、チップ基板22にはインク流路(インク供給路2
7、インク供給孔28)が穿設される。絶縁層42によ
り共通電極25個別配線電極26及び発熱抵抗体層の発
熱部24aとインクとの電気的接触が遮断されているか
ら、駆動回路23により電極(25、26)を介して抵
抗発熱部24aを駆動すべく外部の電源から電圧が印加
されても電極からインク流路のシリコン露出部へインク
を介して電流が流れることが阻止され、インクの電気化
学変化を禁止し気泡の発生を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクの電気分解
による気泡の発生を防止して、良好な印字品質を安定し
て得ることができるモノリシック型インクジェットプリ
ンタヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット方式のプリンタが
広く用いられている。このインクジェット方式によるプ
リンタには、インクを加熱し気泡を発生させてその圧力
でインク滴を飛ばすサーマル方式や、ピエゾ抵抗素子
(圧電素子)の変形によってインク滴を飛ばすピエゾ方
式等がある。これらは、色材たるインクをインク滴にし
て直接記録紙に向かって吐出し印字を行うから、粉末状
の印材であるトナーを用いる電子写真方式と比較した場
合、印字エネルギーが低くて済み、インクの混合によっ
てカラー化が容易であり、印字ドットを小さくできるの
で高画質であり、印字に使用されるインクの量に無駄が
無くコストパフォーマンスに優れており、このため特に
パーソナル用プリンタとして広く用いられている印字方
式である。
【0003】上記のサーマル方式には、インク滴の吐出
方向により二通りの構成がある。一つは発熱素子の発熱
面に平行な方向へインク滴を吐出する構成のサイドシュ
ータ型と呼称されるものであり、他の一つは発熱素子の
発熱面に垂直な方向にインク滴を吐出する構成のルーフ
シュータ型と呼称されるものである。
【0004】図11(a) は、そのようなルーフシュータ
型のインクジェットプリンタに配設されるモノカラーイ
ンクジェットプリンタヘッドのインク吐出面を模式的に
示す平面図であり、同図(b) は、そのA−A′断面矢視
拡大図、同図(c) は、このようなインクジェットプリン
タヘッドが製造されるシリコンウェハを示す図、そし
て、同図(d) は、モノカラーインクジェットプリンタヘ
ッドを4列並べて形成したフルカラーインクジェットプ
リンタヘッドを示す図である。
【0005】同図(c) に示すように、モノカラーインク
ジェットプリンタヘッド1(以下、ヘッドチップ1とい
う)は、シリコンウェハ2の上で、LSI形成処理技術
と薄膜形成処理技術とにより形成され、完成後にシリコ
ンウェハ2から個々に切り出されて採取される。
【0006】同図(a) に示すように、ヘッドチップ1の
インク吐出面には、インクを吐出する1列のノズル列3
が形成されている。ノズル列3は多数の吐出ノズル4が
例えば25.4mm当り300ドットの解像度(1mm
当り約12個の密度)で縦1列に並んで配置されてな
る。
【0007】この印字ヘッド1の内部構成は、同図(b)
に示すように、チップ基板5上に、LSIからなる駆動
回路6と薄膜からなる抵抗発熱部7が形成され、この抵
抗発熱部7の一方の端部と駆動回路6を結ぶ個別配線電
極8が形成され、外部からの駆動回路6への制御信号を
受け取るための駆動回路端子6−1が形成され、更に抵
抗発熱部7の他方の端部と給電用端子9とを接続する共
通電極11が形成されている。
【0008】上記の抵抗発熱部7と個別駆動電極8は、
各吐出ノズル4に夫々対応して配設されている。そし
て、これらの上には隔壁12が積層されている。更にチ
ップ基板5の表面に、ノズル列3に平行してインク供給
溝13が形成されており、このインク供給溝13に連通
してチップ基板5の下面に貫通するインク供給孔14が
穿設されている。
【0009】そして、これらの上からオリフィス板15
が、隔壁12上に接着されて積層されており、これによ
り、隔壁12の厚さに対応する高さおよそ10μmのイ
ンク通路16が、抵抗発熱部7とインク供給溝13間に
形成されている。オリフィス板15には、インクを吐出
する上述の吐出ノズル4が形成されている。
【0010】同図(d) に示すフルカラーインクジェット
プリンタヘッド17は、上記のような印字ヘッド1(モ
ノカラーインクジェットプリンタヘッド)を、上記のヘ
ッドチップ5よりも大きいヘッドチップ上に、モノリシ
ックに4列並べて形成したものである。このように、モ
ノカラーインクジェットプリンタヘッドの構成を4列並
べてフルカラーインクジェットプリンタヘッド17をモ
ノリシックに構成することは、上述した製造方法によれ
ば可能であり、各列の位置関係も今日の半導体の製造技
術により正確に配置することが可能である。
【0011】ここまでが、シリコンウェハの状態で処理
される。そして、最後に、ダイシングソーなどを用いス
クライブラインに沿ってカッテングしてチップ基板単位
毎に個別に分割し、実装基板にダイボンデングし、ワイ
ヤボンディングにより端子接続して、実用単位のフルカ
ラー用印字ヘッド17が完成する。
【0012】このフルカラー印字ヘッド17は、印字に
際しては、外部のインクカートリッジ等からインク供給
孔14及びインク供給溝13を介して抵抗発熱部7に常
時インクを供給され、駆動回路6からの印字データに応
じた駆動信号の印加に基づいて、各抵抗発熱部7が、個
別配線電極8及び共通電極11により選択的に通電さ
れ、瞬時に発熱してインクとの界面に膜沸騰現象を発生
させる。そして、その膜沸騰現象により生じた膜気泡の
圧力により、その抵抗発熱部7に対応する吐出ノズル4
からインク滴を吐出させる。吐出されたインク滴は対向
する用紙面に着弾して印字ドットを形成し、これにより
画像が印刷されていく。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、品質改善の
為の実験過程において、上記のような印字ヘッド17に
より印字を実行するに際して、駆動回路6により抵抗発
熱部7を発熱させるべく通電すると、抵抗発熱部7で膜
気泡が発生するばかりでなく、共通電極11、個別配線
電極8、インク供給溝13の内壁、及びインク供給孔1
4の内壁にも、微細な気泡が発生する。
【0014】このようにインク流路内に気泡が発生する
と、インクの安定した流量を確保することができず、ま
た、インク滴を吐出する際の圧力の伝わり方にも悪影響
を及ぼすようになり、全体としてインクの良好な吐出性
能を阻害し、印字品質を顕著に低下させるという問題が
発生する。
【0015】図12(a) は、図11(b) の更なる拡大図
であり、図12(b) は、その駆動系の等価回路図であ
る。尚、同図(a) には、図11(a),(b) に示した構成と
同一の構成部分には図11(a),(b) と同一の番号を付与
して示している。また、図11(b) では図示を省略した
パシベーション膜18を示している。同図(a) に示す印
字ヘッド17(又は印字ヘッド1)において、インク供
給孔14、インク供給溝13、インク流路16、抵抗発
熱部7の配置部、及び吐出ノズル4内には、外部から常
時供給されているインクが充満している。このインク
は、通常のインクジェットプリンタ用のインクであり、
通常のインクジェットプリンタ用のインクは、一般に、
弱電解質溶液である。
【0016】そして、同図(b) に示すように、駆動回路
6の論理回路6aには駆動回路端子6−1(図11(a)
も参照)を介して5Vの信号用電源電圧Vddが供給さ
れ、共通電極11には給電用端子9を介して発熱駆動用
電源19から15〜20Vの駆動電圧Vhが供給されて
いる。また、チップ基板5は接地されている。同図(a)
に示すように、抵抗発熱部7、これに接続する個別配線
電極8と共通電極11の一部、及びインク供給溝13と
インク供給孔14の内壁は、インクに直接曝されてい
る。
【0017】同図(b) に示す駆動トランジスタからなる
ドライバ20がオフのときは、共通電極11、抵抗発熱
部7及び個別配線電極8は同電位になっており、チップ
基板5との間には、15〜20Vの電位差が生じてい
る。
【0018】また、駆動回路6の論理回路6aにより、
同図(b) に示すいずれかのドライバ19が選択されてオ
ンとなり、給電用端子9、共通電極11、抵抗発熱部
7、個別配線電極8、接地部21と電流が流れて、選択
された抵抗発熱部7が発熱するときにおいても、個別配
線電極8の電位は抵抗発熱部7での電圧降下を考慮に入
れてもプラスの電位になっている。
【0019】したがって、ドライバ19のオン/オフに
拘らず、発熱駆動用電源18がオンしている間は、共通
電極11、抵抗発熱部7及び個別配線電極8は、プラス
の電位になっている。そして、チップ基板との間の電位
差によって、同図(a),(b) に破線で示すように、主に共
通電極11と、インク供給溝13及びインク供給孔14
の内壁との間にインクの抵抗R2を介した電気回路が形
成される。
【0020】そして、この電気回路に流れる電流による
電気化学反応によりインクが電気分解され、陽極側であ
る共通電極11、抵抗発熱部7、及び個別配線電極8で
は酸素が発生し、陰極側であるインク供給溝13及びイ
ンク供給孔14の内壁には水素が発生する。そして、こ
れらが微細な気泡となってインク吐出に悪影響を及ぼ
す。
【0021】本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、
インクの電気分解による気泡の発生を防止し、良好な印
字品質を安定して得ることのできるモノリシック型のイ
ンクジェットプリンタヘッドを提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明のモノリシック型
インクジェットプリンタヘッドは、同一の半導体基板
に、インクに圧力を作用させて所定方向に噴射させるイ
ンク噴射ヘッドと、該噴射ヘッドを駆動する駆動回路
と、を設置してなり、上記圧力を発生させる圧力エネル
ギー発生素子を駆動する駆動電源と、該駆動電源と上記
圧力エネルギー発生素子とを接続する配線と、上記駆動
回賂の一部を構成する上記半導体基板と、上記インク
と、が直列に接続された閉ループ回路を形成可能なモノ
リシック型インクジェットプリンタヘッドであって、上
記閉ループ回路の少なくと1部位に該閉ループ回路を遮
断する回路遮断手段を設けて構成される。
【0023】上記回路遮断手段は、例えば請求項2記載
のように、上記配線と上記圧力エネルギー発生素子の内
の少なくとも上記配線の上記インクとの接触面に被着さ
れた絶縁膜であることが好ましい。そして、この絶縁膜
は、例えば請求項3記載のように、無機絶縁膜で構成さ
れ、この場合は、上記無機絶縁膜は、例えば請求項4記
載のように、Ta−Si−O系絶縁膜であることが好ま
しい。
【0024】また、例えば請求項5記載のように、上記
Ta−Si−O系無機絶縁膜は、少なくとも上記圧力エ
ネルギー発生素子の上記インクとの接触面に被着され、
上記圧力エネルギー発生素子は、Ta−Si−O系の発
熱低抗膜で構成されることが好ましい。
【0025】また、例えば請求項6記載のように、上記
Ta−Si−O系無機絶縁膜は、少なくとも上記圧力エ
ネルギー発生素子の上記インクとの接触面に被着され、
上記圧カエネルギー発生素子は、Ta−Si−O−N系
の発熱抵抗膜で構成されることが好ましい。
【0026】そして、請求項7記載のように、上記無機
絶縁膜と上記配線との間には、双方に対して密着性に優
れた密着層を介在させれるのが良く、請求項8記載のよ
うに、配線がAuの場合は、密着層はW−Tiとするこ
とが好ましい。
【0027】また、上記絶縁膜は、例えば請求項9記載
のように、有機絶縁膜であってもよい。この場合は、例
えば請求項10記載のように、上記有機絶縁膜は、ポリ
イミド樹脂膜であり、上記インクの流路を区画する隔壁
はポリイミド樹脂膜であることが好ましい。また、上記
有機絶縁膜は、例えば請求項11記載のように、非感光
性ポリイミド樹脂膜であってもよい。
【0028】更に、上記絶縁膜は、例えば請求項12記
載のように、無機絶縁膜と有機絶縁膜の2層構造をなす
ように構成してよい。また、上記回路遮断手段は、例え
ば請求項13記載のように、上記半導体基板の上記イン
クとの接触面に形成された絶縁膜で構成してもよい。そ
して、上記絶縁膜は、例えば請求項14記載のように、
陽極酸化法により形成してもよく、また、例えば請求項
15記載のように、電着塗装法により形成してもよい。
【0029】また、上記回路遮断手段は、例えば請求項
16記載のように、上記配線のインクとの接触面及び上
記半導体基板のインクとの接触面の双方に被着された絶
縁膜であってもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1(a),(b),(c) は、第1の
実施の形態におけるインクジェットプリンタヘッドの製
造方法を工程順に示す図であり、それぞれ一連の工程に
おいてヘッドチップの基板上に形成されていく状態の概
略の平面図と断面図を模式的に示している。尚、これら
の図には、説明の便宜上、いずれもフルカラー用のイン
クジェットプリンタヘッドを構成するための1個の印字
ヘッド(モノクロ用インクジェットヘッドの構成と同
じ)のみを示しているが、実際には後述するように、こ
のような印字ヘッドが複数個(通常は4個)連なった形
状のものが、1個のヘッドチップに形成される。また、
同図(c) には36個の吐出ノズルを示しているが、実際
には、設計上の方針によって異なるが64個、128
個、256個等、多数の吐出ノズルが形成されるもので
ある。
【0031】図2(a),(b),(c) は、上段に図1(a),(b),
(c) の平面図をそれぞれ一部を拡大して詳細に示してお
り、この図2(a),(b),(c) の中段には上段のB−B′断
面矢視図(同図(a) 参照)を示し、下段には上段のC−
C′断面矢視図(同図(a) 参照)示している。また、同
図(a),(b),(c) の中段に示す断面図は、それぞれ図1
(a),(b),(c) の下に示す断面図と同一のものである。
尚、図2(a),(b),(c) には、図示する上での便宜上、6
4個、128個又は256個のインク吐出ノズルを、5
個のインク吐出ノズルで代表させて示している。
【0032】最初に、基本的な製造方法について説明す
る。先ず、工程1として、4×25.4mm以上のシリ
コン基板上に多数細分化されたヘッドチップ区画にそれ
ぞれLSI形成処理により駆動回路とその端子を形成す
ると共に、厚さ1〜2μmの酸化膜(Si O2 )を形成
し、次に、工程2として、薄膜形成技術を用いて、タン
タル(Ta)−シリコン(Si)−酸素(O)又はTa
−Si−O−N(窒素)からなる発熱抵抗体層と、Ti
−W等の密着層を介在させてAuなどによる電極膜を順
次積層形成する。そして、電極膜と発熱抵抗体層をフォ
トリソグラフィー技術によって夫々パターニングし、ス
トライプ状の発熱抵抗体層の発熱部とする領域を露出さ
せその両側に発熱抵抗体層と配線電極が積層されてなる
発熱素子を形成する。この工程で抵抗発熱部の位置が決
められる。
【0033】図1(a) 及び図2(a) は、上記の工程1及
び工程2が終了した直後の状態を示している。すなわ
ち、チップ基板22の一方の側端部近傍に駆動回路23
が形成され、その上に形成された酸化膜からなる絶縁層
の上に、抵抗発熱部24aが形成されている。抵抗発熱
部24aの一方の端部に共通電極25が接続され、他方
の端部と駆動回路23との間に個別配線電極26が接続
されている。
【0034】上記の抵抗発熱部24a、共通電極25、
及び個別配線電極26は1組となって条形状にパターン
化されて、各条が発熱素子を形成し、所定の間隔で平行
に並設されている。また、共通電極25には共通電極給
電端子25−1が上端部に形成されており(図1(a) 参
照)、これに並んで駆動回路端子23−1が形成されて
いる(図1(a) 参照)。
【0035】続いて、工程3として、個々の抵抗発熱部
24aに対応するインク加圧室及びこれらのインク加圧
室にインクを供給するインク流路を形成すべく感光性ポ
リイミドなどの有機材料からなる隔壁部材をコーティン
グにより高さ20μm程度に形成し、これをフォトリソ
技術によりパターン化した後に、300℃〜400℃の
熱を30分〜60分加えるキュア(乾燥硬化、焼成)を
行い、高さ10μm程度の上記感光性ポリイミドによる
隔壁をヘッドチップ上に形成・固着させる。更に、工程
4として、ウェットエッチングまたはサンドブラスト法
などにより上記ヘッチップの面に溝状のインク供給路を
形成し、更にこのインク供給路に連通し基板下面に開口
するインク給送孔を形成する。
【0036】この工程4では、発熱抵抗体、電極、隔壁
などが形成されている表面側のインク供給路と、裏面側
のインク給送孔では、形状が異なるため、表裏から別々
に加工を行う。例えば表面側にインク供給路をヘッドチ
ップの厚さ半分程度まで穿設し、裏面側からインク給送
孔を穿設して表裏に貫通させる。
【0037】図1(b) 及び図2(b) は、上述の工程3及
び工程4が終了した直後の状態を示している。すなわ
ち、溝状のインク供給路27及びインク給送孔28が形
成され、インク供給路27の左側に位置する共通電極2
5部分と、右方の個別配線電極26が配設されている部
分、及び各抵抗発熱部24aと抵抗発熱部24aの間
に、隔壁29(シール隔壁29−1、29−2、区画隔
壁29−3)が形成されている。上記の隔壁29は、個
別配線電極26上のシール隔壁29−2を櫛の胴とすれ
ば、各抵抗発熱部24aと抵抗発熱部24aとの間に伸
び出す区画隔壁29−3は櫛の歯に相当する形状をなし
ている。これにより、この櫛の歯状の区画隔壁29−3
を仕切り壁として、その歯と歯の間の付け根部分に抵抗
発熱部24aが位置する微細な区画部が、抵抗発熱部2
4aの数だけ形成される。
【0038】この後、工程5として、ポリイミドからな
る厚さ10〜30μmのフィルムのオリフィス板で、そ
の両面又は片面に接着剤としての熱可塑性ポリイミドを
極薄に例えば厚さ2〜5μmにコーテングした状態のも
のを、上記積層構造の最上層つまり隔壁の上に載置し、
真空中で200〜250℃で加熱しながら、9.8×1
-4Paの数倍の圧力で加圧し、これを数10分続け
て、そのオリフィス板を固着させる。続いて真空装置又
はスパッタ装置でTi、Ni、Cu又はAlなどの厚さ
0.5〜1μm程度の金属膜をオリフィス板表面に蒸着
する。
【0039】更に、工程6として、オリフィス板表面の
上記金属膜をパターン化して、ポリイミドを選択的にエ
ッチングするマスクを形成し、続いて、ヘリコン波によ
るドライエッチングにより上記の金属膜マスクに従って
吐出ノズルとして20μmφ〜40μmφの多数の孔を
オリフィス板に一括形成する。
【0040】図1(c) 及び図2(c) は、上述した工程5
と工程6が終了した直後の状態を示している。すなわ
ち、オリフィス板31が共通電極給電端子25−1及び
駆動回路端子23−1の部分を除く全領域を覆ってお
り、シール隔壁29−2及び区画隔壁29−3によって
形成されている区画部も上を覆われて隔壁29の厚さ1
0μmに対応する高さの微細なインク加圧室32を形成
して、その開口をインク供給路27方向に向けている。
そして、これらインク加圧室32の開口とインク供給路
27とを連通させる高さ10μmのインク流路33が形
成されている。
【0041】そして、オリフィス板31には、インク加
圧室32の抵抗発熱部24aに対向する部分に吐出ノズ
ル34がドライエッチングによって形成されている。こ
れにより、64個、128個又は256個の吐出ノズル
34を1列に備えた多数のモノカラーインクジェットプ
リンタヘッド35がシリコンウェハ上に完成する。
【0042】ここまでが、シリコンウェハの状態で処理
される。そして、最後に、工程7として、ダイシングソ
ーなどを用いてシリコンウェハをスクライブラインに沿
ってカッテングして、ヘッドチップ単位毎に個別に分割
し、実装基板にダイボンデングし、端子接続して、実用
単位のモノカラーインクジェットプリンタヘッドが完成
する。
【0043】上記のように1列の吐出ノズル34を備え
たモノカラーインクジェットプリンタヘッド35はモノ
クロ用インクジェットヘッドの構成であるが、通常フル
カラー印字においては、減法混色の三原色であるイエロ
ー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色に、文
字や画像の黒部分に専用されるブラック(Bk)を加え
て合計4色のインクを必要とする。したがって最低でも
4列のノズル列が必要である。そして上述した製造方法
によればモノカラーインクジェットプリンタヘッド35
をモノリシックに4列構成とすることは可能であり、各
モノカラーインクジェットプリンタヘッド35のノズル
列の位置関係も今日の半導体の製造技術により正確に配
置することが可能である。
【0044】図3(a) は、上述の図1及び図2に示した
チップ基板22、駆動回路23、駆動回路端子23−
1、抵抗発熱部24a、共通電極25、共通電極給電端
子25−1、個別配線電極26、インク供給路27、イ
ンク供給孔28、隔壁29、オリフィス板31、インク
加圧室32、インク流路33、吐出ノズル34の各部を
1組としてなるヘッド素子つまりモノカラーインクジェ
ットプリンタヘッド35を、やや大きく区画したヘッド
チップ36上に4列並べてフルカラーインクジェットプ
リンタヘッド37を構成し、これにより1個のヘッドチ
ップ36に4列のノズル列38(38a、38b、38
c、38d)を形成した状態を示す図である。また、図
3(b) は、同図(a) のモノカラーインクジェットプリン
タヘッド35が4列並んだ構成を分かり易く示すため、
図1(a) に示した工程1〜工程2まで終了した状態のも
のを示している。
【0045】この図3(a),(b) に示すように、フルカラ
ーインクジェットプリンタヘッド37は、4個のモノカ
ラーインクジェットプリンタヘッド35(35a、35
b、35c、35d)が並んで配置されている。そし
て、例えばインク供給路27aからイエローインクがモ
ノカラーインクジェットプリンタヘッド35aの個々の
インク加圧室32に供給され、ノズル列38aから吐出
される。また、インク供給路27bからマゼンタインク
がモノカラーインクジェットプリンタヘッド35bの個
々のインク加圧室32に供給され、ノズル列38bから
吐出される。また、インク供給路27cからシアンイン
クがモノカラーインクジェットプリンタヘッド35cの
個々のインク加圧室32に供給され、ノズル列38cか
ら吐出される。そして、インク供給路27dからはブラ
ックインクがモノカラーインクジェットプリンタヘッド
35dの個々のノズル列38dに供給され、ノズル列3
8dから吐出される。
【0046】ところで、本発明においては上述した基本
的な製造方法における工程3において隔壁を積層するに
先立ち、あるいは工程4においてインク供給路27及び
インク給送孔28を形成した後に続いて、印字ヘッド完
成後の印字実行時におけるインクの電気分解の問題を解
決すべく、製造工程に特別の工夫が施されている。以下
これについて説明する。
【0047】図4(a) は、図2(c) の中段を更に拡大し
て示す詳細図であり、同図(b) は、その駆動回路の等価
回路図である。尚、同図(a) には、図2(a),(b),(c) に
示した構成と同一の構成部分には図2(a),(b),(c) と同
一の番号を付与して示している。また、図4(a) には、
図2(a),(b),(c) では図示を省略したが、上述の工程1
で形成される酸化膜39(パシベーション膜)、工程2
で形成される発熱抵抗体層24、及びTi−W等からな
る密着層41も図示している。
【0048】この第1実施形態においては、上述の工程
3において、隔壁の積層に先立って、図4(a),(b) に示
すように、個別配線電極26、抵抗発熱部24a及び共
通電極25の上に、絶縁膜42を形成する。以下、これ
について前後の工程も含めて順を追って説明する。
【0049】先ず、シリコンウェハ基板、つまりチップ
基板22に、抵抗発熱部24a及びその延長部となる発
熱抵抗体層24を形成するためのTa−Si−O系から
なる厚さ1000Å〜5000Åの抵抗膜、密着層41
を形成するためのTi−Wからなる厚さ1000Å〜3
000Åの下地配線膜、共通電極25、及び個別配線電
極26を形成するためのAuからなる厚さ3000Å〜
10000Åの上層配線膜を、それぞれスパッタ又は真
空蒸着等を行なう真空成膜装置で順次連続して成膜す
る。
【0050】次に、フォトリソグラフィー技術を用いる
ことにより、レジストパターンを形成した後、ヨウ素系
のエッチャントで上部配線膜をエッチングし、続いて、
過酸化水素系のエッチャントで下地配線膜をエッチング
し、フォトレジストを剥離除去して、共通電極25、個
別配線電極26、及び密着層41のパターンを形成す
る。更に、フォトリソグラフィー技術を用いて、レジス
トパターンを形成した後、フッ酸系のエッチャントで抵
抗膜をエッッチングし、フォトレジストを剥離除去し
て、抵抗発熱部24a及び延長部24bからなる発熱抵
抗体層24のパターンを形成する。
【0051】そして、上記のように形成された共通電極
25、個別配線電極26、及び抵抗発熱部24aの上に
絶縁膜42を形成する。この絶縁膜42は、物理的な気
相成長法であるPVD(Physical Vapor Deposition )
法によるスパッタ又は真空蒸着により、SiO2 、Ta
SiO等の酸化物からなる絶縁膜を成膜する。あるい
は、化学的気相成長法であるCVD(Chemical Vapor D
eposition )法により、SiO2 、SiNの絶縁膜を成
膜する。
【0052】この後、感光性ポリイミドなどの有機材料
からなる隔壁部材をコーティングし、パターン化し、キ
ュアを行って隔壁を形成・固着させた後、前述した工程
4に進む。
【0053】このように、共通電極25、個別配線電極
26、及び抵抗発熱部24aの上に絶縁膜42を形成す
るので、従来例の図12(b) の等価回路に示した共通電
極11、個別配線電極8、及び抵抗発熱部7と接地部2
1間に形成されるインクの抵抗R2を介したによる抵抗
値R2の電気回路が、本例では、図4(b) に示すよう
に、共通電極25、個別配線電極26、及び抵抗発熱部
24aと、インクとの間に、電気抵抗値R3を備えた絶
縁膜42が直列的に挿入されたことになり、この場合、
絶縁膜42の電気抵抗値R3は実質的に無限大であるか
ら上述のインクを介する電気回路が遮断される。すなわ
ち、このインクを介する電気回路に電流が流れることは
なく、これにより、インクの電気分解が防止され、従来
から問題とされたインクの電気分解による気泡発生の障
害が解消される。
【0054】ところで、抵抗発熱部24aを形成するた
めの発熱抵抗体層24として、Ta、Si、O及びNか
らなる四元組成の構成で、例えばSiとTaのモル比S
i/Taを「0.35<Si/Ta<0.65」、Oの
モル%M1を「25モル%≦M1≦45モル%」、且つ
Nのモル%M2を「5モル%≦M2≦15モル%」であ
るような範囲に設定して成膜すると、抵抗発熱体として
比較的優れた特性を有する膜、つまり、必要十分に高い
電気抵抗値を温度に拘わらず安定的に得られると共に耐
久性に優れた抵抗発熱体膜ができることが、本発明の発
明者等の実験により判明している。
【0055】また、Ta−Si−Oの三元組成からなる
材料のOのモル%を大きくすると、極めて高い抵抗値を
有する膜、つまり絶縁膜を、形成できることも実験の結
果判明している。
【0056】したがって、抵抗発熱部24aを、Ta−
Si−O−Nの四元組成の材料で形成し、絶縁膜42
を、Ta−Si−O系の三元組成のOのモル%を大きく
した材料で形成すると、いずれも、Ta−Si−O系で
あるから親和性が強く、抵抗発熱部24aと絶縁膜42
との接合部が良く密着し、抵抗発熱部24aが発熱した
際の熱伝導性が向上してインク滴の吐出効率を上げるこ
とができる。
【0057】図5は、そのように抵抗発熱部24aを、
Ta−Si−O−Nの四元組成の材料で形成し、絶縁膜
42を、Ta−Si−O系の三元組成のOのモル%を大
きくした材料で形成した場合の抵抗発熱部近傍の構成を
上記第1の実施の形態に係わる変形例として示したもの
である。尚、同図には、図4(a) に示した構成と同一の
構成部分には図4(a) と同一の番号を付与して示し、オ
リフィス板31及び基板下部の酸化膜39の図示を省略
している。
【0058】この第1の実施の形態に係わる変形例で
は、図5に示すように、Au膜からなる共通電極25及
び個別配線電極26並びにTa−Si−O−Nからなる
抵抗発熱部24aの上全面を覆って、Ta−Si−Oか
らなる絶縁膜44が形成されている。本例の場合は、こ
の絶縁膜44の上に、抵抗発熱部24aの上のみを除い
て更にポリイミドからなる絶縁膜45を形成している。
【0059】すなわち、共通電極25と個別配線電極2
6の電極側の配線部が、Ta−Si−Oの無機絶縁膜と
非感光性ポリイミドの有機絶縁膜の2層構造の膜に覆わ
れ、抵抗発熱部24aだけがTa−Si−Oの無機絶縁
膜のみを被着した例を示している。これにより、図4
(b) に示す等価回路の抵抗R3が、より一層大きな抵抗
値に強化されて絶縁性がより確実に確保される。又、抵
抗発熱部24aの領域だけがTa−Si−Oの無機絶縁
膜のみの単層絶縁膜としたことにより、抵抗発熱部24
aに絶縁膜を被着することによる熱効率の低下を最小限
に抑えることができる。
【0060】上記のように抵抗発熱部24aの上のみを
除いてポリイミドの絶縁膜を形成する場合は、一般的に
は感光性のポリイミドを用いてフォトリソグラフィー技
術によりパターニングする必要があるが、非感光性のポ
リイミドを用いて形成することもできる。非感光性のポ
リイミドは、感光性のポリイミドに比べて極めて安価で
あって経済的である。
【0061】この場合、非感光性ポリイミドは、スピン
コート法などによってシリコンウェハ上に均一に被着さ
せる。この被着する膜の厚さは4〜10μm程度であ
る。実際にはその後の熱硬化処理によって収縮して2〜
5μm程度の膜厚となる。
【0062】非感光性である通常のポリイミド材料は、
LCD(液晶表示装置)の配光膜に使われているよう
に、1000〜2000Å程度の非常に薄い成膜も可能
である。すなわち、感光性ポリイミドに比べて均一に薄
い膜を容易に形成することができるから、インク流路の
底部の絶縁膜をより薄く形成でき、その結果、絶縁膜が
厚くなることによるインク加圧室へのインクリフィル性
の低下が抑制される。
【0063】また、非感光性ポリイミド材料であって
も、成膜に、ポリイミドの前駆体をコートし、これに焼
成処理を加えることによってポリイミド骨格を形成さ
せ、全体としてポリイミド化を図っている。
【0064】つまり、非感光性ポリイミドであっても、
焼成処理以前はポリイミドの前駆体の状態でポリイミド
の骨格が形成されておらず、酢酸ブチル溶液等によって
そのエッチングは可能であり、通常のフォトリソグラフ
ィー工程への適用が可能である。
【0065】また、そのようなフォトリソグラフィー工
程を用いたエッチングでなく、オリフィス板に吐出ノズ
ルを孔空けするドライエッチングの際に、オーバーエッ
チングすることにより、上記一様に被着させたポリイミ
ドの内の吐出ノズル直下の位置となる抵抗発熱体上のポ
リイミドをエッチングして除去することによっても、上
記同様に抵抗発熱部24aの上のみを除いたポリイミド
の絶縁膜を形成することができる。
【0066】ところで、上記のように、Au膜からなる
共通電極25及び個別配線電極26をTa−Si−O−
Nからなる発熱抵抗体層の延長部24bの上に重ねて形
成する場合、AuとTa−Si−O系とでは密着性に難
があることが経験上判明している。
【0067】そこで、図4(a) 及び図5に示すように、
共通電極25及び個別配線電極26と発熱抵抗体層24
の延長部24bとの間にTi−Wからなる密着層41を
形成しているのは、Ti−WがAuとTa−Si−O系
の両方に接着性が強いからであり、これによって、良導
体のAu電極をTi−W膜を介して延長部24bに密着
させている。
【0068】したがって、上記の図5に示す共通電極2
5及び個別配線電極26の上にTa−Si−Oの絶縁膜
44を重ねて形成した構成は、絶縁膜44が発熱抵抗体
層延長部24bと同様にTa−Si−O系であるから、
共通電極25及び個別配線電極26との密着性に劣ると
いう同様の問題を有している。
【0069】図6は、第1の実施の形態に係わる第2の
変形例を示す図であり、上記のようにAu膜からなる共
通電極25及び個別配線電極26の上にTa−Si−O
からなる絶縁膜44を形成する場合のより良い構成を示
す図である。同図に示すように、本例は、Au膜からな
る共通電極25及び個別配線電極26の上面に、下面同
様にTi−Wからなる密着層41を形成して、この上に
Ta−Si−Oの絶縁膜44を形成したものである。こ
の構成によれば、絶縁膜44が容易に剥離する虞が無
く、耐久性のある絶縁膜を形成することができる。
【0070】上記密着層41としては、酸化速度が或る
程度緩慢であり安定な金属酸化物を形成できる金属や合
金が好適であり、Ti−W以外では、Pt等も好適に用
いることができる。
【0071】尚、上記のように絶縁膜としてTa−Si
−Oの材料を使用する理由は、この絶縁膜が単に抵抗発
熱部24aとの密着性が良いからというだけではなく、
抵抗発熱部の熱伝導を妨げない程度に薄い膜を形成で
き、膜気泡現象におけるキャビテーションに強い耐性を
有し、インク中における電気化学反応にも強い耐性があ
るという特性を有するからである。
【0072】このような、Ta−Si−O絶縁膜を形成
することを想到するに至った経緯を以下に説明する。一
般に、絶縁層として優れている材料は、SiO2 ,Al
2 3 等の単純酸化物が挙げられる。また、チッ化物、
AlN、Si3 4 等も使用可能である。
【0073】しかし、Ta−Si−O系の良好な抵抗発
熱体を選定する過程において、三元組成系又は四元組成
系の酸素の組成を変えるだけで抵抗値が極めて大きく変
化することが判明した。
【0074】最初に、発熱抵抗体Ta−Si−O−N膜
の絶縁保護膜の材料を選定する方法を述べる。この保護
膜選定調査のために、まず所定の方法でTa−Si−O
−N膜を作成した。この作成には、スパッタリング装置
を用い、Ta板に所定の量のSiを埋めこんだターゲッ
ト、例えばTa:Si=3:1であるようなターゲット
を使用し、真空槽内を1×10-6×133Pa以下に排
気した後、Ar+O2+Nを所定量導入した雰囲気中で
スパッタリングにより成膜した。スパッタ条件は、基板
にはSiを使用し、基板の温度は約2000℃、成膜速
度は約20Å/sec、成膜の膜厚は2400Åであ
る。
【0075】この成膜の後、所定の電気炉に入れて40
0℃、10分間のアニール(熱処理)を行なった。そし
て、この方法により生成された試料の表面の組成と熱処
理による酸化の深さを調査するために、オージェ電子分
光法とX線光電子分光法(ESCA)による分析を行っ
た。そして、オージェ電子分光法のデプスプロファイル
の測定から、表面酸化層の厚さは、約50Åであること
が判明した。
【0076】また、表面酸化層の組成の決定には、定量
性の優れている、すなわち、マトリックス効果の少な
い、ESCAを使用した。また、表面酸化層より内側の
組成を決定するためにRBSの測定をおこなった。
【0077】上記の分析結果から、特には図示しないが
注目すペき結果が得られた。すなわち、Ta−Si−O
−Nの膜を酸素を含む雰囲気で熱処理した場合、その表
面層は、酸化が進行するだけでなく、Nが減少すること
が判明した。更に、この酸化物(Ta−Si−O)の層
の厚さは、熱処理の時間を増加させても、ほとんど変化
しないことも判明した。したがって、この酸化物(Ta
−Si−O)の膜は、下地の抵抗体と密着性が高く且安
定な材料であることが予想された。
【0078】この予想を確認するために、先ず、オープ
ンプール用の試料を作成した。抵抗体Ta−Si−O−
N膜は、表面に1μmの酸化膜SiO2 を形成したSi
基板に所定の方法で、4800Åの厚さで作成した。こ
の膜に配線電極用のTi−W膜とAu膜を成膜した後、
配線電極(共通電極と個別配線電極)と発熱抵抗体をパ
ターニングし、アニール処理して、オープンプール用の
試料を作成した。
【0079】この試験では、発熱抵抗体を25μm角の
大きさに形成し、この試料を水に浸け、基板をGNDに
落とさないで、オープンプールでの印加パルスの試験を
行った。印加パルスのエネルギーは1μJ、印加パルス
幅は1μsecである。そして、一億パルスを印加後、
発熱抵抗体の表面をSEMで観察した。
【0080】発熱抵抗体の中央に、大きさ1μm程度の
キャビテーション損傷が観察されたが、表面酸化物(T
a−Si−O)と下地(Ta−Si−O−N)の間の剥
離は、見られず、この絶縁性の高い表面酸化物は、予想
どおり下地の発熱抵抗体との密着性が高く、且安定な材
料であることが判明した。
【0081】しかしながら、アニールによる発熱抵抗体
の自己酸化膜の絶縁保護層の厚みは50Å程度でありこ
れでは実用的には電気絶縁層として不十分である。ま
た、トランジスタと一体型のモノリシック型印字ヘッド
の場合、トランジスタを形成後、アニール温度を上げる
ことが困難であり、絶縁保護膜の厚みを更に増加させる
ことは、一層困難である。そこで、上記と同程度の組成
を有する膜を別途形成することにした。
【0082】図7(a) は、上記別途形成したTa−Si
−O膜の試料の組成を示す図表である。同図は左から試
料番号、Ta割合、Si割合、O割合、及び分析方法を
示している。上記の試料番号1に示す試料のTaSiO
絶縁保護膜の形成には、TaとSiO2 のHIP焼結体
ターゲットを使用し、Ar+O2 雰囲気でRFスパッタ
で成膜した。また、試料番号2に示す試料のTa−Si
−O絶縁保護膜の形成には、TaとSiのストライプタ
ーゲットを使用し、Ar+O2 雰囲気でDCスパッタで
成膜した。そして、成膜後この膜の組成をRBSで分析
した結果が上記の図7である。
【0083】また、図7(b) の三元系組成を示す三角ダ
イヤグラムに示されるように、上記のスパッタで作成し
たTa−SiーO膜の組成と、前述したTa−Si−O
−N膜をアニールによって作成した表面のTa−Si−
O膜の組成とは、両者ともに、SiO2 とTa2 5
組成を結ぶ(SiO2 )x(Ta2 5 )1−xで表さ
れる組成を示す直線の近傍領域に集中する。
【0084】したがって、上記のようにスパッタで作成
したTa−SiーO膜も、Ta−Si−O−N膜をアニ
ールによって作成した表面のTa−Si−O膜も、(S
iO 2 )x(Ta2 5 )1−xで表される組成に近接
する組成であると考えられる。よって、スパッタで作成
したTa−SiーO膜も、Ta−Si−O−N膜をアニ
ールして作成した表面のTa−Si−O膜と同程度にT
a−Si−O−N膜に対する密着性に優れていること
は、明らかである。また、これらTa−SiーO系の酸
化物絶縁膜における酸素の割合は、図7(a) の分析結果
を示す図表と分析誤差を考慮に入れて60モル%〜75
モル%の範囲にあると考えられる。
【0085】また、これらの試料のシート抵抗の測定を
試みたが、抵抗値が測定不可能な程大きく、絶縁層そし
て充分なものでることも判明した。続いて、他の方法に
よる「インクの電気分解防止」の形態、すなわち工程4
においてインク供給路27及びインク給送孔28を形成
した後に続いて行なう「インクの電気分解防止」のため
の工程とそれにより得られる第2の実施の形態について
説明する。
【0086】図8は、第2の実施の形態におけるインク
ジェットプリンタヘッドの構成を示す側断面図である。
尚、このインクジェットプリンタヘッドの基本的製造工
程は、図1〜図3に示した場合と同様であり、図4(a)
に示す構成と同一の構成部分には図4(a) と同一の番号
を付与して示している。
【0087】本実施の形態においては、図8に示すよう
に、前述した工程4において、先ずインク供給路27及
びインク給送孔28を形成した後、その後段の処理とし
て、インク供給路27及びインク給送孔28の内壁、す
なわちシリコン露出部を、電気的陽極酸化法により表面
を酸化させて酸化絶縁膜46を形成する。
【0088】図9は、上記のように露出したシリコン表
面に酸化絶縁膜46を陽極酸化法で形成する方法を示す
概念図である。同図に示すように、この陽極酸化法は、
電解槽47に満たした電解液48内に、図3(b) に示す
ような工程4までを終了したチップ基板が多数形成され
ているシリコンウェハ49と、白金板51を浸漬する。
シリコンウェハ49にはこれを陽極として直流電源52
のプラス側を電流計53を介して接続し、白金板51に
はこれを陰極として同じく直流電源52のマイナス側を
接続する。
【0089】上記の電解液48としては、直流電源52
が高電圧の場合は、エチレングリコールに硝酸塩を溶か
したものを用い、また、直流電源52が低電圧の場合で
あれば、りん酸や硝酸などの酸、あるいは、ほう酸アン
モニウム水溶液などを使用するのがよい。
【0090】本例では、エチレングリコール系の電解液
を用いることとし、エチレングリコールに対し硝酸カリ
ウムを0.04Nの割合で混合したものを使用した。こ
れでシリコンウェハ49と白金板51間の電位差を30
0Vに設定して、約1500Åの厚さの酸化皮膜が形成
されることを確認した。
【0091】この陽極酸化法による絶縁膜の形成方法
は、シリコンウェハ49側に絶縁欠陥がある場合、その
部分が酸化中の良い電流経路となって急速に酸化膜が形
成されてその部分の絶縁欠陥が埋められるため、隙間の
無い緻密な絶縁膜を形成することができる。
【0092】尚、この絶縁膜の形成工程では、陽極酸化
法に限ることなく、電着塗装膜を付着させることによっ
て形成するようにしてもよい。電着塗装法で絶縁膜を形
成する方法は、基本的には上記の陽極酸化法と同様であ
るが、電着塗装法では陽極酸化法の電解液の代わりに電
着塗装材を用い点のみが異なる。電着塗装材にはアニオ
ン系とカチオン系があり、アニオン系の電着塗装材を用
いる場合は、シリコンウェハ49を陽極にし、カチオン
系の電着塗装材を用いる場合は、シリコンウェハ49を
陰極にする。
【0093】電着塗装材に混合する樹脂は、エポキシ
系、アクリル系、ポリエステル系、フツ素系等の多くの
種類がある。また、これで形成される膜厚も、陽極酸化
法に比べて厚く形成できる。一般に、数10Vの電圧で
およそ10μm程度の厚さに形成することができる。
【0094】この電着塗装法の場合も、陽極酸化法と同
様に絶縁欠陥が電流経路となって欠陥部分に自動的に絶
縁膜が形成される。また、電着塗装法は、陽極酸化法に
比ぺて膜の厚さを厚く形成できるという利点がある。
【0095】また、その他の絶縁膜形成法としては、S
iO2 やSiNのCVD法により絶縁膜を形成してもよ
い。また、酸化性の酸素プラズマ雰囲気中に暴露するこ
とにより絶縁膜を形成することもできる。
【0096】この後、工程5以下の処理は、第1の実施
形態の場合と同様である。これにより、印字時に吐出ノ
ズル34からインク滴を吐出させるべく抵抗発熱部24
aを駆動して、共通電極25、抵抗発熱部24a及び個
別配線電極26とチップ基板22との間に電位差が生じ
てこれらの間に電界が形成されても、インクと接触する
インク供給路27及びインク給送孔28内壁表面には上
記絶縁膜46が緻密に被覆されているから、共通電極2
5等の高電位側からインクを介してチップ基板22に電
流が流れることはない。即ち、発熱駆動用電源19と共
通電極25、抵抗発熱部24a、個別配線電極26の内
の少なくとも共通電極とインク及びチップ基板22が直
列に接続された閉ループ電気回路が、絶縁膜46により
遮断される。したがって、インクが電気分解されること
がなく、これによって気泡の発生が防止される。
【0097】図10は、第3の実施の形態における印字
ヘッドの抵抗発熱部の近傍の構成を示す図である。尚、
同図には、図4(a) 又は図8と同一の構成部分には、図
4(a) 又は図8と同一の番号を付与して示している。同
図に示すように、本実施の形態では、共通電極25、抵
抗発熱部24a及び個別配線電極26を例えばTa−S
i−O絶縁膜42で覆うと共にインク供給路27及びイ
ンク給送孔28の内壁面もSi酸化絶縁膜46で覆うよ
うにしている。
【0098】即ち、共通電極25、抵抗発熱部24a及
び個別配線電極26のインクに対する高電位側と、低電
位側のインク供給路27及びインク給送孔28の内壁面
の双方のインクとの接触面に絶縁膜を被着してインクと
の接触を遮断している。従って、Ta−Si−O絶縁膜
42又はSi酸化絶縁膜46のいずれか一方が疲労等に
よって破損しても、上述したインクを介する閉ループ電
気回路が遮断された状態は維持され、インクの電気分解
による気泡の発生をより確実に防止することができる。
【0099】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、圧力エネルギー発生素子を駆動する駆動電源と、
この駆動電源と上記圧力エネルギー発生素子とを接続す
る配線と、上記駆動回賂の一部を構成する半導体基板
と、インクと、が直列に接続された閉ループ回路を形成
可能なモノリシック型インクジェットプリンタヘッドお
いて上記閉ループ回路の少なくと1部位にこの閉ループ
回路を遮断する回路遮断手段を設けるから、インクを介
して電流が流れることがなく、インクの電気化学反応に
よる気泡の発生を確実に防止することができる。
【0100】回路遮断手段として、共通電極、抵抗発熱
部、及び個別配線電極のインクと直接接触する虞のある
表面に絶縁膜を形成してもよく、また、インクと直接接
触する虞のあるチップ基板の露出部に酸化絶縁膜を形成
してもよい。更に、インクと直接接触する虞のある電極
及び抵抗発熱部とチップ基板露出部の両方に絶縁膜を形
成してもよく、その場合、電極とチップ基板露出部間に
インクを介して形成される電気経路を電気的により完全
に遮断でき、長期的により安定してインクの電気化学反
応による気泡の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b),(c) は第1の実施の形態におけるイン
クジェットプリンタヘッドの製造方法を工程順に示す図
である。
【図2】(a),(b),(c) の上段は図1(a),(b),(c) の平面
図の一部拡大図、中段は上段のB−B′断面矢視図、下
段は上段のC−C′断面矢視図である。
【図3】(a) は本発明の実施の形態におけるフルカラー
インクジェットプリンタヘッドの平面図、(b) はその製
造工程2まで終了した状態のものを示す図である。
【図4】(a) は図2(c) の中段を更に拡大して示す詳細
図、(b) はその駆動回路の等価回路図である。
【図5】第1の実施の形態に係わる変形例を示す図であ
る。
【図6】第1の実施の形態に係わる第2の変形例を示す
図である。
【図7】(a)はスパッタリングにより作成したTa−
Si−O膜の試料の組成を示す図表、(b)は成膜方法
が異なるTa−Si−O膜の三元素組成を示す三角ダイ
ヤグラムである。
【図8】第2の実施の形態におけるインクジェットプリ
ンタヘッドの構成を示す側断面図である。
【図9】シリコンウェハの露出した表面に酸化絶縁膜を
陽極酸化法で形成する方法を示す概念図である。
【図10】第3の実施の形態における印字ヘッドの抵抗
発熱部の近傍の構成を示す図である。
【図11】(a) は従来のモノカラーインクジェットプリ
ンタヘッドのインク吐出面を模式的に示す平面図、(b)
はそのA−A′断面矢視拡大図、(c) はこのようなイン
クジェットプリンタヘッドが製造されるシリコンウェハ
を示す図、(d) はモノカラーインクジェットプリンタヘ
ッドをモノシリックに4列並べて形成したフルカラーイ
ンクジェットプリンタヘッドを示す図である。
【図12】(a) は図11(b) の更なる拡大図、(b) はそ
の駆動系の等価回路図である。
【符号の説明】
1 モノカラー用印字ヘッド 2 シリコンウェハ 3 ノズル列 4 吐出ノズル 5 ヘッドチップ 6 駆動回路 7 抵抗発熱部 8 個別配線電極 9 給電用端子 11 共通電極 12 隔壁 13 インク供給溝 14 インク供給孔 15 オリフィス板 16 インク通路 17 フルカラー用印字ヘッド 18 発熱駆動用電源 19 ドライバ 21 接地部 22 チップ基板 23 駆動回路 23−1 駆動回路端子 24 発熱抵抗体層 24a 抵抗発熱部 24b 延長部 25 共通電極 25−1 共通電極給電端子 26 個別配線電極 27(27a、27b、27c、27d) インク供給
路 28 インク給送孔 29 隔壁 29−1、29−2 シール隔壁 29−3 区画隔壁 31 オリフィス板 32 インク加圧室 33 インク流路 34 吐出ノズル 35(35a、35b、35c、35d) モノカラー
インクジェットプリンタヘッド 36 ヘッドチップ 37 フルカラーインクジェットプリンタヘッド 38(38a、38b、38c、38d) ノズル列 39 酸化膜 41 密着層 42 絶縁膜 44 TaSiO絶縁膜 45 ポリイミド絶縁膜 46 酸化絶縁膜 47 電解槽 48 電解液 49 シリコンウェハ 51 白金板 52 直流電源 53 電流計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 幸一 東京都青梅市今井3丁目10番6号 カシオ 計算機株式会社青梅事業所内 (72)発明者 中村 修 東京都青梅市今井3丁目10番6号 カシオ 計算機株式会社青梅事業所内 (72)発明者 河村 義裕 東京都青梅市今井3丁目10番6号 カシオ 計算機株式会社青梅事業所内 (72)発明者 山口 倫治 東京都青梅市今井3丁目10番6号 カシオ 計算機株式会社青梅事業所内 Fターム(参考) 2C057 AF66 AF67 AF70 AF77 AF93 AG46 AG50 AG83 AG91 AP14 AP31 AP52 AP57 BA04 BA13

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一の半導体基板に、インクに圧力を作
    用させて所定方向に噴射させるインク噴射ヘッドと、該
    噴射ヘッドを駆動する駆動回路と、を設置してなり、前
    記圧力を発生させる圧力エネルギー発生素子を駆動する
    駆動電源と、該駆動電源と前記圧力エネルギー発生素子
    とを接続する配線と、前記駆動回賂の一部を構成する前
    記半導体基板と、前記インクと、が直列に接続された閉
    ループ回路を形成可能なモノリシック型インクジェット
    プリンタヘッドであって、 前記閉ループ回路の少なくと1部位に該閉ループ回路を
    遮断する回路遮断手段を設けたことを特徴とするモノリ
    シック型インクジェットプリンタヘッド。
  2. 【請求項2】 前記回路遮断手段は、前記配線と前記圧
    力エネルギー発生素子の内の少なくとも前記配線の前記
    インクとの接触面に被着された絶縁膜であることを特徴
    とする請求項1記載のモノリシック型インクジェットプ
    リンタヘッド。
  3. 【請求項3】 前記絶縁膜は、無機絶縁膜であることを
    特徴とする請求項2記載のモノリシック型インクジェッ
    トプリンタヘッド。
  4. 【請求項4】 前記無機絶縁膜は、Ta−Si−O系絶
    縁膜であることを特徴とする請求項3記載のモノリシッ
    ク型インクジェットプリンタヘッド。
  5. 【請求項5】 前記Ta−Si−O系無機絶縁膜は、前
    記圧力エネルギー発生素子の前記インクとの接触面にも
    被着され、該圧力エネルギー発生素子は、Ta−Si−
    O系の発熱抵抗体膜であることを特徴とする請求項4記
    載のモノリシック型インクジェットプリンタヘッド。
  6. 【請求項6】 前記Ta−Si−O系無機絶縁膜は、少
    なくとも前記圧力エネルギー発生素子の前記インクとの
    接触面に被着され、該圧カエネルギー発生素子は、Ta
    −Si−O−N系の発熱抵抗体膜であることを特徴とす
    る請求項4記載のモノリシック型インクジェットプリン
    タヘッド。
  7. 【請求項7】 前記無機絶縁膜と前記配線との間には双
    方に対して密着性に優れた密着層を介在させていること
    を特徴とする請求項5乃至6記載のモノリシック型イン
    クジェットプリンタヘッド。
  8. 【請求項8】 前記配線がAuであり、前記密着層がW
    −Tiであることを特徴とする請求項7記載のモノリシ
    ック型インクジェットプリンタヘッド。
  9. 【請求項9】 前記絶縁膜は、有機絶縁膜であることを
    特徴とする請求項2記載のモノリシック型インクジェッ
    トプリンタヘッド。
  10. 【請求項10】 前記有機絶縁膜は、ポリイミド樹脂膜
    であり、前記インクの流路を区画する隔壁はポリイミド
    樹脂膜であることを特徴とする請求項9記載のモノリシ
    ック型インクジェットプリンタヘッド。
  11. 【請求項11】 前記有機絶縁膜は、非感光性ポリイミ
    ド樹脂膜であることを特徴とする請求項9記載のモノリ
    シック型インクジェットプリンタヘッド。
  12. 【請求項12】 前記絶縁膜は、無機絶縁膜と有機絶縁
    膜の2層構造をなしていることを特徴とする請求項2記
    載のモノリシック型インクジェットプリンタヘッド。
  13. 【請求項13】 前記回路遮断手段は、前記半導体基板
    の前記インクとの接触面に形成された絶縁膜であること
    を特徴とする請求項1記載のモノリシック型インクジェ
    ットプリンタヘッド。
  14. 【請求項14】 前記絶縁膜は、陽極酸化法により形成
    されることを特徴とする請求項13記載のモノリシック
    型インクジェットプリンタヘッド。
  15. 【請求項15】 前記絶縁膜は、電着塗装法により形成
    されることを特徴とする請求項13記載のモノリシック
    型インクジェットプリンタヘッド。
  16. 【請求項16】 前記回路遮断手段は、前記配線のイン
    クとの接触面及び前記半導体基板のインクとの接触面に
    被着された絶縁膜であることを特徴とする請求項1記載
    のモノリシック型インクジェットプリンタヘッド。
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