JP2002075964A - 異方性エッチング方法 - Google Patents

異方性エッチング方法

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JP2002075964A
JP2002075964A JP2000256125A JP2000256125A JP2002075964A JP 2002075964 A JP2002075964 A JP 2002075964A JP 2000256125 A JP2000256125 A JP 2000256125A JP 2000256125 A JP2000256125 A JP 2000256125A JP 2002075964 A JP2002075964 A JP 2002075964A
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film
etching
ink
resist film
anisotropic etching
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JP2000256125A
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Ichiro Kono
一郎 河野
Hideki Kamata
英樹 鎌田
Minoru Kumagai
稔 熊谷
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】メタルマスクのエッチング残渣の再付着による
吐出ノズルの形状不良や電極端子部分の電気接続不良が
発生しない異方性エッチング方法を提供する。 【解決手段】チップ基板51上の発熱部52、共通電極
53、個別配線電極54、インク供給溝55、インク供
給孔56、隔壁57等の最上層にオリフィス板58を積
層し、この上にメタルマスク膜63をスパッタ成膜しパ
ターン63−1を形成する。更にその上に例えばオリフ
ィス板58とのエッチング選択比が1対1であるような
非金属膜の厚膜レジスト膜64をオリフィス板58と同
じ厚さに成膜しパターン64−1を形成する。この後パ
ターン64−1及び63−1に従ってヘリコン波ドライ
エッチングを行って吐出ノズル62を穿設する。エッチ
ングのほぼ全期間中に亙り厚膜レジスト膜64がエッチ
ングされて徐々に消失し、最終段階でメタルマスク膜6
3が極めて僅かな厚さdだけエッチングされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エッチング残渣の
発生が少なく所望のパターンを容易に成形できる異方性
エッチング方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】従来より、シート材に異方性エッチング
によって所望の開口パターンを穿設する方法が知られて
いる。この方法は例えばインクジェットプリンタの印字
ヘッドのオリフィス板材に吐出ノズルを穿設する場合に
も使用される。
【0003】インクジェットプリンタの印字ヘッドによ
る印字方法は、インク吐出面に多数配列されている微細
な孔(吐出ノズル)からインクの液滴を吐出して、この
インク滴(印字ドット)を紙、布などの被記録材に着弾
させて吸収させ、これにより文字や画像等の印字を行な
うものであり、騒音の発生が少なく、電子写真式プリン
タのように特別な定着処理を要することもなく且つフル
カラー記録も比較的容易な印字方法である。
【0004】上記のインク滴を吐出させる方法として
は、微細なインク加圧室に発熱部を配して、この発熱部
に電気パルスを与え高速でインクと発熱部の界面に気泡
を発生させ、その気泡の成長力を利用して吐出ノズルか
ら液滴を吐出させるサーマル式のインクジェットプリン
タヘッドがある。
【0005】上記のサーマル式のインクジェットプリン
タヘッドには、インク滴の吐出方向により、二通りの構
成があり、一つは発熱部の発熱面に平行な方向へインク
を吐出する構成のものであり、他の一つは発熱部の発熱
面に垂直な方向にインクを吐出する構成のものである。
中でも発熱部の発熱面に垂直な方向にインク滴を吐出す
る構成のものは、ルーフシュータ型インクジェットプリ
ンタヘッドと呼称されており、発熱部の発熱面に平行な
方向へインクを吐出する構成のものに比較して、消費電
力が極めて小さくて済むことが知られている。
【0006】このルーフシュータ型のインクジェットプ
リンタヘッドの製法としては、例えば6×2.54mm
以上の直径の一枚のシリコンウエハ上に例えば90個以
上に区画された10mm×15mm程度の大きさの多数
のチップ基板の上に、LSI形成技術と薄膜形成技術を
利用して、多数の発熱部と、これらを個々に駆動する駆
動回路とインク流路と吐出ノズルとを一括してモノリシ
ックに形成する方法がある。
【0007】図7(a),(b),(c) は、上記従来の印字ヘッ
ドの製造方法を工程順に示す図であり、それぞれ一連の
工程においてチップ基板上に形成されていく状態の概略
の平面図と断面図を模式的に示している。尚、これらの
図には、説明の便宜上、1列のみの吐出ノズルを備えた
モノクロ用印字ヘッドを示しているが、実際にはこのよ
うな印字ヘッドが複数個(通常は4個)連なった形状で
1個のチップ基板に形成されたものがフルカラー用印字
ヘッドとして一般的に実用化されている。また、同図
(c) には23個の吐出ノズルを示しているが、実際に
は、設計上の方針によっても異なるが64個、128
個、256個等、多数の吐出ノズルが形成されるもので
ある。
【0008】図8(a),(b),(c) は、上段に図7(a),(b),
(c) の平面図をそれぞれ一部を拡大して詳細に示してお
り、図8(a),(b),(c) の中段には上段のA−A′断面矢
視図を示し、下段には上段のB−B′断面矢視図を示し
ている。また、図8(a),(b),(c) の中段に示す断面図
は、それぞれ図7(a),(b),(c) の下に示す断面図と同一
のものである。尚、図8(a),(b),(c) には、図示する上
での便宜上、本来は上記のように64個、128個又は
256個というように多数形成されるインク吐出ノズル
を、5個のインク吐出ノズルで代表させて示している。
【0009】この印字ヘッドの製造方法は、先ず、工程
1として、4×25.4mm以上のシリコン基板上にダ
イシングラインによって多数細分化されたチップ基板の
区画にそれぞれLSI形成処理により駆動回路とその端
子を形成すると共に、厚さ1〜2μmの酸化膜(Si O
2 )を形成し、次に、工程2として、薄膜形成技術を用
いて、タンタル(Ta)−シリコン(Si)−酸素
(O)又はTa−Si−O−N(窒素)系の発熱抵抗体
膜と、Ti−W等の密着膜と、良導体の例えばAuなど
の電極膜とを、スパッタあるいは真空蒸着等の真空成膜
装置で連続して順次積層して成膜する。
【0010】そして、電極膜と発熱抵抗体膜をフォトリ
ソグラフィー技術によって夫々パターニングし、条形の
発熱抵抗体膜の発熱部とする領域を露出させその両側の
発熱抵抗体膜に重ねて配線電極を形成して、発熱部と両
側の配線電極とからなる発熱素子を形成する。この工程
で発熱部の位置が決められる。
【0011】図7(a) 及び図8(a) は、上記の工程1及
び工程2が終了した直後の状態を示している。すなわ
ち、チップ基板1の短手方向の一方の(図では右方の)
側端部近傍に沿って駆動回路2が形成され、チップ基板
1の長手方向の一方の(図では上方の)端部に駆動回路
端子2−1が形成されている(図7(a) 参照)。
【0012】そして、その上からチップ基板1の全面に
形成されたパッシベーション膜3の上に、発熱部4が形
成されている。発熱部4の一方の端部に共通電極5が接
続され、他方の端部と駆動回路2との間に個別配線電極
6が接続されている。上記の発熱部4、共通電極5、及
び個別配線電極6は1組となって条形状にパターン化さ
れて、各条が発熱素子を形成し、所定の間隔で平行に並
設されている。これらの並設により、チップ基板1上に
は、発熱部列4′及び個別配線電極列6′が形成されて
いる。そして、共通電極5には、共通給電端子5−1が
形成されている(図7(a) 参照)。
【0013】続いて、工程3として、個々の発熱部4に
対応するインク加圧室及びこれらのインク加圧室にイン
クを供給するインク流路を形成すべく感光性ポリイミド
などの有機材料からなる隔壁部材をコーティングで形成
し、これをフォトリソグラフィー技術によりパターン化
した後に、300℃〜400℃の熱を30分〜60分加
えるキュア(焼成)を行い、高さ1/2程度の上記感光
性ポリイミドによる隔壁をチップ基板上に形成・固着さ
せる。更に、工程4として、ウェットエッチング装置ま
たはサンドブラスト装置などにより上記チップ基板の面
に細長のインク供給溝を形成し、更にこのインク供給溝
に連通し基板下面に開口するインク供給孔を形成する。
【0014】この工程4では、発熱部、配線電極、隔壁
などが形成されている表面側のインク供給溝と、裏面側
のインク供給孔では、形状が異なるため、表裏から別々
に加工を行う。例えば表面側にインク供給溝をチップ基
板の厚さ半分程度まで穿設し、裏面側からインク供給孔
を穿設して表裏に貫通させる。
【0015】図7(b) 及び図8(b) は、上述の工程3及
び工程4が終了した直後の状態を示している。すなわ
ち、細長いインク供給溝7及び丸又は角形のインク供給
孔8が形成され、インク供給溝7の左側に位置する共通
電極5部分と、右方の個別配線電極6が配設されている
部分、及び各発熱部4と発熱部4の間に、隔壁9(シー
ル隔壁9−1、9−2、区画隔壁9−3)が形成されて
いる。
【0016】上記の隔壁9は、個別配線電極6上のシー
ル隔壁9−2を櫛の胴とすれば、各発熱部4と発熱部4
との間に伸び出す区画隔壁9−3は櫛の歯に相当する形
状をなしている。これにより、この櫛の歯状の区画隔壁
9−3を仕切り壁として、その歯と歯の間の付け根部分
に発熱部4が位置する微細な区画部が、発熱部4の数だ
け形成される。
【0017】この後、工程5として、例えばポリイミド
のフィルムからなるオリフィス板で、その両面又は片面
に接着剤としての熱可塑性ポリイミドを極薄にコーテン
グした状態のものを、上記積層構造の最上層つまり隔壁
の上に載置し、真空中で50〜200℃で加熱しなが
ら、9.8×10-4Paの数倍の圧力で加圧し、これを
数10分続けて、そのオリフィス板を固着させる。続い
て真空装置又はスパッタ装置でTi、Ni、Cu又はA
lなどの金属膜をオリフィス板表面に蒸着する。
【0018】更に、工程6として、オリフィス板表面の
上記金属膜をパターン化して、ポリイミドを選択的にエ
ッチングするマスクを形成し、続いて、例えばヘリコン
波によるドライエッチング等により上記の金属膜マスク
に従って吐出ノズルとして多数の開口をオリフィス板に
一括形成する。
【0019】図7(c) 及び図8(c) は、上述した工程5
と工程6が終了した直後の状態を示している。すなわ
ち、オリフィス板11が共通電極給電端子5−1及び駆
動回路端子2−1の部分を除く全領域を覆っており、シ
ール隔壁9−2及び区画隔壁9−3によって形成されて
いる区画部も上を覆われて隔壁9の厚さに対応する高さ
の微細なインク加圧室12を形成して、その開口をイン
ク供給溝7方向に向けている。そして、これらインク加
圧室12の開口とインク供給溝7とを連通させるインク
流路13が形成されている。
【0020】そして、オリフィス板11には、インク加
圧室12の発熱部4に対向する位置に吐出ノズル14が
ドライエッチングによって形成されている。これによ
り、64個、18個又は56個の吐出ノズル14を1列
に備えた多数のモノカラー用印字ヘッド15がシリコン
ウェハ上に完成する。
【0021】ここまでが、シリコンウェハの状態で処理
される。そして、最後に、工程7として、ダイシングソ
ーなどを用いてシリコンウェハをスクライブラインに沿
ってカッテングして、チップ基板単位毎に個別に分割
し、実装基板にダイボンデングし、端子接続し、その接
続部分を樹脂等で封止処理して、実用単位のモノカラー
用印字ヘッドモジュールが完成する。
【0022】上記のように1列の吐出ノズル14を備え
たモノカラー用印字ヘッド15はモノクロ用インクジェ
ットヘッドの構成であるが、通常フルカラー印字におい
ては、減法混色の三原色であるイエロー(Y)、マゼン
タ(M)、シアン(C)の3色に、文字や画像の黒部分
に専用されるブラック(Bk)を加えて合計4色のイン
クを必要とする。したがって最低でも4列のノズル列が
必要である。そして上述した製造方法によればモノカラ
ー用印字ヘッド15の構成をモノリシックに4列構成と
することは可能であり、各モノカラー用印字ヘッド15
のノズル列の位置関係も今日の半導体の製造技術により
正確に配置することが可能である。
【0023】図9(a) は、上述の図7及び図8に示した
チップ基板1、駆動回路2、駆動回路端子2−1、発熱
部4、共通電極5、共通電極給電端子5−1、個別配線
電極6、インク供給溝7、インク供給孔8、隔壁9、オ
リフィス板11、インク加圧室12、インク流路13、
吐出ノズル14の各部を1組としてなるモノカラー用印
字ヘッド15をヘッド素子として、このヘッド素子をや
や大きく区画したチップ基板16上に4列並べ、これに
より、1個のチップ基板16に4列のノズル列17(1
7a、17b、17c、17d)を形成してフルカラー
用印字ヘッド18を構成した例を示す図である。また、
図9(b) は、製造工程の途上にあるシリコンウエハ19
上における上記のフルカラー用印字ヘッド18を示して
いる。
【0024】図10(a) 〜(d) は、上記構成のフルカラ
ー用印字ヘッド18が印字駆動されるときの動作状態を
示す図であり、同図(a) は図7(c) の断面図又は図8
(c) の中段の断面図に示した構成を再掲している。ただ
し、図10(a) に示す実働時には、インク流路13には
外部からインク21が常時供給されており、インク加圧
室12に供給され吐出ノズル14内に進入したインク2
1の表面部21aは凹状のメニスカスを形成している。
【0025】先ず、印字情報に応じた通電により、発熱
部4を発熱駆動すると、発熱部4上に極微の核気泡が発
生し、この核気泡が合体して、図10(b) に示すよう
に、膜気泡22が発生する。そして、吐出ノズル14内
のインク表面部21aはやや上昇する。続いて、同図
(c) に示すように、上記の膜気泡22が断熱膨脹により
更に大きな膜気泡22aに成長して、その圧力により、
インク吐出ノズル14からインク21が押し出されて、
その表面部21aが大きく外部に突出する。
【0026】この押し出されたインク21の表面部21
aは、同図(d) に示すように、同図(c) の膜気泡22a
から更に膨張して大きく成長した膜気泡22bの圧力に
よってインク滴21bとなってインク吐出ノズル14か
ら噴射され、図の矢印Cで示すように、不図示の紙面に
向けて飛翔する。この後、上記の膜気泡22bは急速に
縮小して消滅し、図10(a) の状態に戻る。この動作周
期はおよそ300μsec以下である。
【0027】尚、上記の例は、発熱部、配線電極、イン
ク供給溝、隔壁等からなる印字部と駆動回路とを1個の
チップ基板に一体で構成する例を示しているが、印字部
だけをシリコン基板または近年になって提案されている
ガラス基板などの絶縁性基板に形成して、この印字部を
形成した基板に、別途作成した駆動回路基板を後から組
み付けるようにした印字ヘッドの場合も全く同様であ
る。
【0028】ところで、上記のように吐出ノズル14か
ら吐出されるインク滴21bの吐出ノズル14からの切
れが良くないと、吐出されたインク滴21bの飛翔方向
が一定しなかったり、サテライトと呼ばれる微細なイン
クの飛散粒が発生し、これらが紙面に着弾した印字ドッ
トの周囲に付着して印字ドットの鮮明さを損なうという
不具合が発生して、正しい印字ドットを形成することが
できない。したがって、いまではインク滴21bの吐出
ノズル14からの切れを良くするためにオリフィス板1
1のインク吐出面である金属膜の表面に撥インク膜を形
成する表面処理を施すのが一般的である。
【0029】上記の印字ヘッド製造工程の説明では、工
程5の後段におけるオリフィス板表面への金属膜の蒸着
と、工程6における上記金属膜のパターン化によるエッ
チングマスクの形成と、ヘリコン波ドライエッチングに
よる吐出ノズルの形成について、金属膜等の図示を省略
して簡略に説明しているが、実際には、工程6の後段、
つまり吐出ノズル形成後において、金属膜の上に更に撥
インク層を形成している。
【0030】図11(a) 〜(f) は、吐出上述した従来の
オリフィス板表面への金属膜の形成から撥インク層の形
成までの工程を示す図である。同図(a) に示すように、
先ずオリフイス板11上に、マスク材としてNi、C
u、Al、TiまたはTa等の金属膜23をスパッタで
厚さ0.5〜1μm程度に成膜する。
【0031】続いて、同図(b) に示すように、レジスト
膜24を成膜し、フォトリソグラフィー技術を用いて吐
出ノズルの開口の形状に応じたレジストマスクパターン
24−1を形成する。そして、同図(c) に示すように、
このレジストマスクパターン24−1に従って、ウェッ
トまたはドライエッチングにより、金属膜23をエッチ
ングして、メタルマスクパターン23−1を形成する。
【0032】この後、同図(d) に示すように、同図(c)
に示したレジスト膜24を除去した後、へリコン波エッ
チング装置により、同図(e) に示すように、上記メタル
マスクパターン23−1に従って選択的にオリフイス板
11に孔空け加工を行って吐出ノズル14を形成する。
そしてこの吐出ノズル14の開口部を除く全面に、同図
(f) に示すように、撥インク性材料を成膜して撥インク
層25を形成する。
【0033】上記の吐出ノズルを穿設するドライエッチ
ングには、へリコン式、ECRなど種々あるが、設計通
り正確に孔空け加工が出来る異方性エッチングが可能で
ある点とエッチングレートが高い点でヘリコン波エッチ
ングが優れている。また、異方性エッチングの場合、選
択比を大きくとるため、通常は金属マスク膜が用いられ
る。図11に示す例のように、オリフィス板11に吐出
ノズル14を孔空けするのにヘリコン波ドライエッチン
グ装置を用いる場合は、上記のように金属膜23をマス
クに使うことでオリフィス板11の材料であるポリイミ
ドフィルムと金属膜23との選択比が概略50〜100
程度得られる。従って、厚さ約30μmのポリイミドフ
ィルムのエッチングには1μm以下の金属膜23のマス
クでも十分に可能である。
【0034】図12(a) は、ヘリコン波エッチング装置
を模式的に示す図であり、同図(b)はそのウエハ固定用
ステージの平面図、同図(c) は同図(a) の部分拡大図で
ある。同図(a) に示すように、ヘリコン波エッチング装
置は、プロセスチャンバー(処理室)26を中心に、こ
のプロセスチャンバー26内に突設されるウエハ固定用
ステージ27を備えている。図9(b) に示したシリコン
ウエハ19は、図12(a) の矢印Gで示すように装置左
方から搬入されて、上記のウエハ固定用ステージ27上
に載置される。
【0035】上記シリコンウエハ19は、メカチャック
法(機構的に行う固定方法)又は静電チャック法(静電
的に行う固定方法)で固定される。ウエハ固定用ステー
ジ27は、支持台28上に、支持台28と一体に構成さ
れ、この支持台28を介して、例えば13.56MHz
のRF(radio−frequency:高周波)バ
イアスが接地側交流電源29から印加される。
【0036】また、このウエハ固定用ステージ27に
は、低温サーキュレータ31による不凍液が支持台28
を介して循環している。さらに、ウエハ固定用ステージ
27とシリコンウエハ19との間に生じている微細な隙
間hに、熱伝導を促進するためのHeガスなどの冷媒ガ
ス32を、冷媒送入ポンプ33から、支持台28及びウ
エハ固定用ステージ27内に配設された冷媒送入路34
を介し、ウエハ固定用ステージ27のウエハ支持面に開
口する冷媒吹き出し口35から送入して、シリコンウエ
ハ19の低温サーキュレータ31による冷却を促進させ
る。
【0037】つまり、ヘリコン波エッチング装置のウエ
ハ固定用ステージ27を循環不凍液で−10℃以下に冷
却し、且つ、ウエハ固定用ステージ27とシリコンウエ
ハ19間に冷媒ガス32を介在させることにより、ヘリ
コン波ドライエッチングの際のシリコンウェハ19の温
度上昇を効果的に抑制するようにしている。
【0038】また、上記のプロセスチャンバー26の周
囲には、酸素(O2 )プラズマ36をプロセスチャンバ
ー26内に閉じ込めるためのマグネット(磁石)37が
配設され、プロセスチャンバー26の上部中央にはソー
スチャンバー(源流室)38が配置される。ソースチャ
ンバー38の周囲には上下二段にアンテナ39が配設さ
れ、その外側には、プラズマを封じ込めるために、内外
二重にインナーコイル(内コイル)41とアウターコイ
ル(外コイル)42が配置されている。
【0039】このソースチャンバー38の上部には、パ
イプライン43が開口し、ここからプロセスガス(処理
用酸素)が供給される。また、二段のアンテナ39には
ソースパワーサプライ(源流電源)44から、例えば上
記接地側交流電源29のサイクルに対応する13.56
MHzの電圧が印加される。
【0040】この構成により、ソースチャンバ38内に
おいてパイプライン43から供給される処理用酸素がア
ンテナ39によってプラズマ化され、インナーコイル4
1及びアウターコイル42によってプロセスチャンバー
26に送り込まれる。この酸素プラズマ36を、プロセ
スチャンバー26内で、支持台28及びウエハ固定用ス
テージ27を介してシリコンウエハ19(つまり印字ヘ
ッド18のチップ基板16、以下、実際にはシリコンウ
エハ19の状態での処理であるが、チップ基板16とし
て説明する)に印加されているRFバイアス電圧で吸引
・加速する。
【0041】プロセスチャンバー26の周囲壁面に配設
されているマグネット37が上記酸素プラズマ36の電
子が壁面で消滅するのを防止する。これにより、酸素プ
ラズマ36は、均一な分布となってチップ基板16に降
り注ぎ、金属膜23のマスクのパターン23−1で露出
しているオリフィス板11表面に激突し、エッチングす
る。処理後のプロセスガスは、図12(a) の矢印Jで示
すように装置右方に排出される。
【0042】ヘリコン波エッチングは、RIE(反応性
イオンエッチング)のように電極配置が平行平板型では
ないが、それと同じように、酸素プラズマ36に対して
チップ基板16の電位が、酸素イオンを引き込む方向に
ある。これにより、工作物(オリフィス板11)を酸素
イオン45がスバッタするのと同時に、ラジカル原子4
6を利用して化学エッチングもしている。
【0043】例えば、工作物がポリイミドの場合、その
主成分は、炭素であるため、CxHy+O→CO2 ↑+
2 O↑の化学反応によるエッチングを行っている。よ
って、上記のヘリコン波エッチングは、スパッタ(物理
的エッチング)+ラジカル反応(化学的エッチング)を
使って、孔加工のような異方性エッチングを高い選択比
で行うことができる。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のへリ
コン波エッチングは、エッチングレートが高いため作業
能率の点からは目下のところ最適のエッチング方法であ
るが、オリフィス板だけでなくメタルマスクも同時にエ
ッチングする。このためメタルマスクのエッチング残渣
が発生し、この残渣が吐出ノズルや電極端子に付着す
る。このような残渣が、吐出ノズルの内部や近傍に付着
するとインクの吐出不良という不具合を引き起こす。ま
た、電極端子に付着すると電気接続不良という不具合を
引き起こす。また、エッチング中に削り取られたメタル
マスクの一部がエッチング面に再付着すると吐出ノズル
の孔が歪んで加工されて、この場合もインクの吐出不良
という不具合を引き起こす。
【0045】また、吐出ノズルの形成後に、メタルマス
ク上に撥インク性を持たせるためにフッ素樹脂の粒子が
分散したNiメッキ膜をメッキ形成する場合、このメッ
キ用の電極としてメタルマスクを利用するため、メタル
マスクをオリフィス板表面に残しておく必要がある。
【0046】例えば、オリフイス板材を厚さ17μmの
ポリイミド、メタルマスク材をAl−1%Siとし、こ
のエッチングプロセス条件を、ソースパワーを1000
W、バイアスパワーを300W、ガス種を酸素、ガス流
量を50sccm、プロセス圧を0.5Pa、アウター
コイル出力を35A、インナーコイル出力を40A、サ
ーキュレータ温度を−30℃、ステージ冷媒をHe、冷
媒圧力を3325Paとしたとき、ポリイミドのへリコ
ン波エッチングによるエッチングレートは2.1μm/
min、この吐出ノズルの穿設加工で同時に削られるメ
タルマスクAl−1%Siの削れ速度は120Å/mi
nである。
【0047】よってエッチング時間は8.1分であり、
さらにオーバーエッチング時間が+4分程度あるため、
Al−1%Siの削れ量は1452Åになる。そこで、
ヘリコン波エッチングによりメタルマスクがスパッタさ
れて無くなってしまうことを防ぐため、上記の削れ量に
更に「+α」の厚さでマスク用金属膜を成膜する必要が
ある。そして、このようにメタルマスクを厚く成膜する
必要があるため、成膜時間が長くなるという問題もあっ
た。
【0048】本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、
メタルマスク膜のエッチング残渣による弊害の発生を防
止し所望のパターンを短時間で容易に成形できる異方性
エッチング方法を提供することである。
【0049】
【課題を解決するための手段】本発明の異方性エッチン
グ方法は、所定の材質の被加工材に異方性エッチングに
より所定の開口パターンを穿設するエッチング方法であ
って、上記被加工材に所定の材質の非金属レジスト膜を
所定の厚さに積層する工程と、上記非金属レジスト膜に
上記開口パターンに対応したマスクパターンを形成する
工程と、上記非金属レジスト膜を介して上記被加工材に
異方性エッチングを実施し、上記開口パターンを穿設す
る工程とを有して構成される。
【0050】上記異方性エッチングによる上記非金属レ
ジスト膜と上記被加工材に対するエッチング選択比は、
例えば請求項2記載のように、1対1であることが好ま
しい。また、上記異方性エッチングは、例えば請求項3
記載のように、へリコン波ドライエッチングであること
が好ましい。
【0051】そして、例えば請求項4記載のように、上
記被加工材は、インクジェットプリンタの吐出ノズルが
穿設されるオリフィス板材であり、上記開口パターン
は、吐出ノズルの穿設パターンであっても良い。この場
合、上記異方性エッチングは、例えば請求項5記載のよ
うに、上記非金属レジスト膜を除去すると略同時に、上
記被加工材に上記開口パターンを穿設できる所定のエッ
チング選択比を備えたエッチャントを用い、上記非金属
レジスト膜を介して上記被加工材に異方性エッチングを
開始し、上記非金属レジスト膜を除去すると同時に上記
開口パターンを穿設できる時点を基準時点とした場合
に、上記基準時点から所定時間経過後までの間に異方性
エッチングを停止して上記開口パターンを穿設するよう
にしてもよい。また、例えば請求項6記載のように、上
記異方性エッチングは、上記被加工材に対する上記開口
パターンの穿設が完了した時点で上記非金属レジスト膜
を所定の厚さだけ残留させることができる所定のエッチ
ング選択比を備えたエッチャントを用い、上記非金属レ
ジスト膜を介し異方性エッチングを実施して上記開口パ
ターンを穿設するようにしてもよい。
【0052】この場合、残留した上記非金属レジスト膜
は、例えば請求項7記載のように、撥インク性を備えて
いることが好ましい。また、上記非金属レジスト膜は、
例えば請求項8記載のように、上記オリフィス板に直接
被着されるようにしてもよい。また、例えば請求項9記
載のように、上記オリフィス板に金属膜を直接被着する
工程と、該金属膜に上記吐出ノズルパターンが形成され
た上記レジストマスク膜を介して開口パターンを形成す
る工程とを、更に有するように構成してもよく、また、
例えば請求項10記載のように、上記オリフィス板材に
金属膜と撥インク膜を積層する工程と、上記開口パター
ンが形成された上記非金属レジスト膜を介して上記撥イ
ンク膜と上記金属膜に開口パターンを形成する工程と
を、更に有するように構成してもよい。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1(a),(b) (c),(d) は、第
1の実施の形態としての印字ヘッドの異方性エッチング
方法による吐出ノズル穿設の方法を説明する図である。
本例における印字ヘッド50の同図(a) に示す構成にお
いて、チップ基板51、発熱部52、共通電極53、個
別配線電極54、インク供給溝55、インク供給孔5
6、隔壁57、オリフィス板58、インク加圧室59、
インク流路61、及び吐出ノズル62の構成は、吐出ノ
ズルの穿設方法が異なるだけで、図7及び図8に示した
従来の印字ヘッド15のチップ基板1、発熱部4、共通
電極5、個別配線電極6、インク供給溝7、インク供給
孔8、隔壁9(9−1、9−2、9−3)、オリフィス
板11、インク加圧室12、インク流路13、吐出ノズ
ル14の構成と同一である。
【0054】また、図1に示していないが、この印字ヘ
ッド50には、図7及び図8に示した従来の印字ヘッド
15の駆動回路2、駆動回路端子2−1、パッシベーシ
ョン膜3、発熱部列4′、共通電極給電端子5−1、個
別配線電極列6′等と同様の構成が形成されている。
【0055】本例において、両面に2μmの膜厚の熱可
塑性ポリイミドが塗布されている総厚T1 が17μmの
ポリイミドフィルムをオリフイス板58として隔壁57
の上に貼り付けて積層した後、その上に、Al−1%S
i(またはTiでも良い)の金属膜63をスパッタによ
り成膜しパターン化する。この金属膜63の膜厚は10
00Å程度で良い。さらにその上に、厚膜レジスト膜6
4のパターニングを行う。厚膜レジスト膜64は、これ
から穿設すべき吐出ノズルと電極端子部分のみ開口させ
る(図1(a) は、吐出ノズルに対応する部分の開口パタ
ーン64−1を示している)。
【0056】このとき厚膜レジスト膜64は、その開口
部分を、エッチング形成されるメタルマスクの開口部分
63−1に対し、位置精度や加工精度を考慮して、1〜
2μm程度径が大きくなるように形成する。この厚膜レ
ジスト膜64は、異方性エッチング作用を受けることに
より発生する固形残渣が少なく、且つ、その固形残渣が
メタルマスク膜の残渣のようにパターンに付着して成形
不良を発生させる虞の少ない非金属レジスト膜であり、
その材料としては例えば樹脂レジスト膜が好適であり、
その内でもアクリル系樹脂のネガ型レジストが好適であ
る。
【0057】吐出ノズルの穿設加工時のポリイミドのエ
ッチングレートが、2.1μm/minであるのに対し
て、上記アクリル系のネガ型レジストからなる厚膜レジ
スト膜64のエッチングレートも2.1μm/minで
あるので、この厚膜レジスト膜64とポリイミドつまり
オリフィス板58のエッチング選択比は1:1である。
【0058】したがって、厚膜レジスト膜64の厚さT
2は、オリフイス板58の膜厚と同じ厚さに形成する。
同図(b) に示す厚膜レジスト膜64は、ヘリコン波エッ
チングが既に開始されて吐出ノズルのドライエッチング
がほぼ2/3程度まで進行中の状態を示しており、その
吐出ノズルのエッチングに伴って、これと同時に厚膜レ
ジスト膜64もエッチングされて薄くなっている状態を
示している。
【0059】なお、エッチング開始に先立ち、厚膜レジ
スト膜64の開口パターン64−1に従って、ウェット
エッチングまたはドライエッチングで金属膜63をエッ
チングしてマスクパターン63−1を形成する。この
後、ヘリコン波エッチング装置により、同図(b) に示す
ように、吐出ノズル62の穿設を行う。
【0060】従来のヘリコン波エッチングの処理条件で
は、オリフイス板材を厚さ17μmのポリイミド、メタ
ルマスク材をAl−1%Siとし、このエッチング処理
におけるソースパワーを1000W、バイアスパワーを
300W、ガス種を酸素、ガス流量を50sccm、プ
ロセス圧を0.5Pa、アウターコイル出力を35A、
インナーコイル出力を40A、サーキュレータ温度を−
30℃、ステージ冷媒をHe、冷媒圧力を3325Pa
としたとき、ポリイミドのへリコン波エッチングによる
エッチングレートが2.1μm/min、この吐出ノズ
ルの穿設加工で同時に削られるメタルマスクAl−1%
Siの削れ速度が120Å/min、よって吐出ノズル
が穿設される基準時点であるジャストエッチング時点が
エッチング開始より8.1分であることは前述した。
【0061】本例において、上記のジャストエッチング
時間8.1分でエッチングを終了する場合、選択比が1
対1である厚膜レジスト膜64の膜厚は、オリフィス板
58の膜厚と同様の17μmであれば良く、これによ
り、同図(c) に示すように吐出ノズル62が貫通形成さ
れると同時に厚膜レジスト膜64が除去されることにな
り、メタルマスクAl−1%Siの削れを予防できる。
また、吐出ノズル62の開口仕上がりを良くするために
オーバーエッチングを更に4分程度行う場合は、エッチ
ング時間の合計は12.1分となる。このオーバーエッ
チング時間を経過した後で、上記のエッチング(異方性
エッチング)を終了する場合は、厚膜レジスト膜64の
厚さは25.41μmに形成するとよい。
【0062】ところで、上記ジャストエッチング時間
は、計算上の理想時間であり、実際に吐出ノズルが貫通
形成される時点は上記ジャストエッチング時点より前後
にずれる誤差時間を伴う。従って、ジャストエッチング
時点でエッチングを停止すると、完全に貫通形成されて
いない未完成の吐出ノズルが形成されたり、レジスト膜
が残存した状態で吐出ノズルが貫通形成される虞があ
る。そこで、本実施形態の方法では、この誤差時間を見
込み、基準時点となるジャストエッチング時点から所定
時間経過する後までの間に上記異方性エッチングを停止
するようにする。
【0063】本実施形態では、いずれの場合も、メタル
マスク表面に圧膜レジスト64が残留しないように(圧
膜レジスト64が残留するとメッキ用電極としてメタル
マスクを利用できない)、ヘリコン波ドライエッチング
を仕上げ処理としてややオーバー気味に行う。即ち、ジ
ャストエッチング時点から所定時間経過後までの間に仕
上げエッチング処理を行った後、ヘリコン波ドライエッ
チングを停止する。これにより、同図(d) に示すよう
に、メタルマスク63は若干エッチングされる。しか
し、そのエッチング量dは極めて僅かであって、エッチ
ング残渣による不具合を発生させるほどの量ではない。
【0064】上記へリコン波エッチングによる吐出ノズ
ル62の穿設加工後は、特には図示しないが、メタルマ
スク63上に撥インク性を持たせるために、上記メタル
マスクをメッキ用の電極として利用して、フッ素樹脂の
粒子が分散したNiメッキ膜を形成する。尚、その際、
撥インク層を形成する必要のない箇所、例えば吐出ノズ
ルや電極端子部分には、他のレジストまたはドライフィ
ルム等で予め充填または被覆してから、撥インク性膜の
成膜を行うようにする。
【0065】このように、本例によれば、ヘリコン波エ
ッチングによる吐出ノズル加工時に、メタルマスクが露
出する時間は極僅かの時間であるので、メタルマスクの
削れ量が極めて少なく、このため、メタルマスクのエッ
チング残渣が吐出ノズルや電極端子へ再付着することが
殆ど無く、したがって、吐出ノズルの吐出不良や電極端
子の電気接続不良の不具合が解消される。また、厚膜レ
ジスト膜が確実にメタルマスク表面から除去されるの
で、メタルマスク表面に撥インクメッキ膜を容易に形成
することができる。更に、メタルマスクの削れ量を多く
見込む必要がなく、したがって、従来よりも厚さの薄い
メタルマスクで良く、これにより、メタルマスク用金属
膜の成膜時間が短縮されて作業能率が向上する。
【0066】図2(a),(b) は、上記第1の実施形態の変
形例を示す図である。尚、この変形例においては、厚膜
レジスト膜以外の構成は、図1の場合と同一であるの
で、説明に必要な構成部分にのみ番号を付与して示して
いる。同図(a) に示す厚膜レジスト膜65は、撥インク
性を有するレジストであり、図1(a) の場合と同様に、
先ずレジストを所定の厚膜に成膜し、これをパターニン
グして、このパターンに従って金属膜63をエッチング
してメタルマスクパターンを形成し、このメタルマスク
パターンにしたがって、同図(b) に示すように、吐出ノ
ズル62をヘリコン波ドライエッチングにより貫通形成
したとき、マスクパターンが形成された金属膜63上
に、厚膜レジスト膜65が厚さDだけ残るように、厚膜
レジスト膜65の初期の厚さが形成されている。そし
て、ヘリコン波ドライエッチングを上記実施形態と同様
に吐出ノズルが貫通形成されるジャストエッチング時点
から所定時間経過後の間で停止する。これにより、吐出
ノズル62が完全に貫通形成されると共に厚膜レジスト
膜65がジャストエッチング時点からの仕上げエッチン
グ時間分αだけ除去された厚さ(D−α)で残存する。
【0067】ところで、吐出ノズル形成後のメタルマス
ク上に撥インク性膜をメッキ成膜するときの電極として
利用するためにメタルマスクを残しておくことは前述し
た。しかし、撥インク性膜を別の方法、例えばスプレ
ー、ディップ、CVD等で形成する場合は、必ずしもメ
タルマスクを残しておく必要はない。また、マスクがメ
タル(金属)である必要もない。
【0068】図3(a),(b),(c) は、第2の実施の形態と
しての印字ヘッドの異方性エッチング方法による金属マ
スクを用いない吐出ノズル穿設の方法を説明する図であ
る。尚、本例においては、オリフィス板58よりも下方
つまり印字ヘッド内部の構成は、図1(a) に示した印字
ヘッド50の内部構成と同一であるので、説明に必要な
構成部分以外は番号の図示を省略している。
【0069】同図(a) に示すように、オリフィス板58
上に、先ずレジストを所定の厚膜に成膜して厚膜レジス
ト膜66を形成し、フォトリソグラフィーで開口パター
ン66−1を形成する。この場合、厚膜レジスト膜66
とオリフィス板58の材料として、ヘリコン波ドライエ
ッチングによるエッチング選択比が1:1となるもの使
用しているから、厚膜レジスト膜66とオリフィス板5
8の各厚さを同一に形成する。そして、同図(b) に示す
ように、上記開口パターン66−1に従って、オリフィ
ス板58をエッチングして吐出ノズル62の穿設を開始
する。
【0070】このとき、厚膜レジスト膜66も同時にエ
ッチングされて薄くなっていくが、エッチング選択比は
1対1であるから、吐出ノズル62の未穿設部分の厚さ
mと、厚膜レジスト膜66の残留部分の厚さnとの関係
は常にm=nである。そして、同図(c) に示すように、
オリフィス板58に吐出ノズル62が丁度貫通したと
き、すなわち、ジャストエッチング時点で、厚膜レジス
ト膜66を確実に消失させるため、上記実施形態と同様
に仕上げエッチング時間を見込んでエッチングを停止す
るようにする。これにより、確実に厚膜レジスト膜66
を除去できる。この後、上述したように、撥インク性膜
をスプレー、ディップ、またはCVD等で形成する。
【0071】このように、上記第2の実施の形態によれ
ば、ヘリコン波異方性エッチングによる吐出ノズル加工
時に、メタルマスクを使用しないので、エッチング残渣
が全く発生せず、したがって、エッチング残渣による吐
出ノズルの吐出不良や電極端子の電気接続不良等の不具
合の発生を防止することができる。
【0072】図4(a),(b) は、上記第2の実施形態の変
形例を示す図である。尚、この変形例においては、厚膜
レジスト膜以外の構成は図3の場合と同一であるので説
明に必要な構成部分にのみ番号を付与して示している。
同図(a) に示す厚膜レジスト膜67は、撥インク性を有
するレジストであり、図3(a) の場合と同様に、レジス
トを所定の厚膜に成膜してパターニングした後、その開
口パターン67−1に従って、図4(a) に示すように、
吐出ノズル62の穿設を開始する。
【0073】そして、この場合、同図(b) に示すよう
に、吐出ノズル62を貫通形成したとき、オリフィス板
58上に、厚膜レジスト膜67が厚さDだけ残るよう
に、厚膜レジスト膜67の初期の厚さが形成されてい
る。このようにすれば、メタルマスク用の時間のかかる
金属膜の成膜も必要なく、また、吐出ノズル形成後に別
工程で撥インク性膜を形成する必要もないから、作業能
率が大幅に向上することになる。
【0074】図5(a),(b),(c) は、第3の実施の形態と
しての印字ヘッドの異方性エッチング方法による吐出ノ
ズル穿設の方法を説明する図である。尚、本例において
も、オリフィス板58よりも下方の印字ヘッド内部の構
成は、図1(a) に示した印字ヘッド50の内部構成と同
一であるので、説明に必要な構成部分以外は番号の図示
を省略している。
【0075】図6(a),(b) は、それぞれ上記第3の実施
の形態における印字ヘッドの異方性エッチング方法によ
る吐出ノズルの穿設処理のフローチャート(その1、そ
の2)である。先ず、図6(a) 及び図5(a),(b),(c) を
用いて第1の方法を説明する。図6(a) のフローチャー
トに示すように、先ず、オリフィス板の設置処理を行う
(S1)。これにより、図5(a) に示すように、オリフ
ィス板58が隔壁57の上に貼設される。
【0076】次に、メタルマスク膜の被着処理を行う
(S2)。これにより、図5(a) に示すように、オリフ
ィス板58の上にメタルマスク膜68が成膜される。上
記に続いて撥インク膜の被着処理を行う(S3)。これ
により、図5(a) に示すように、メタルマスク膜68の
上に撥インク膜69が成膜される。このように、本製造
方法では、吐出ノズルを形成する前に撥インク膜を形成
するので、撥インク膜を無電解メッキ等のメッキ法によ
り形成する場合でも、吐出ノズルをレジストやドライフ
ィルムで被覆する必要がない。
【0077】更に続いて、厚膜レジスト膜の被着処理を
行う(S4)。これにより、図5(a) に示すように、撥
インク膜69の上に第1実施形態の場合と同様の厚膜レ
ジスト膜64が成膜される。次に、この厚膜レジスト膜
64をパターニング処理する(S5)。この処理は例え
ばフォトリソグラフィーによって処理される。これによ
り、図5(a) に示すように、厚膜レジスト膜64に吐出
ノズルに対応する開口パターン64−1が形成される。
【0078】上記に続いて、撥インク膜69をパターニ
ング処理する(S6)。この処理では、上記厚膜レジス
ト膜64の開口パターン64−1に従って、例えばウエ
ットエッチングにより撥インク膜69がエッチング処理
される。これにより、図5(a) に示すように、撥インク
膜69に吐出ノズルに対応する開口パターン69−1が
形成される。
【0079】更に続いて、メタルマスク膜68をパター
ニング処理する(S7)。この処理では、上記厚膜レジ
スト膜64の開口パターン64−1及び撥インク膜69
の開口パターン69−1に従って、例えばウエットエッ
チングによりメタルマスク膜68がエッチング処理され
る。これにより、図5(a) に示すように、メタルマスク
膜68に吐出ノズルに対応する開口パターン68−1が
形成される。
【0080】上記に続いて、ヘリコン波ドライエッチン
グによる吐出ノズルの穿設を行う(S8)。この処理で
は、図5(b) に示すように、上記厚膜レジスト膜64の
開口パターン64−1、撥インク膜69の開口パターン
69−1及びメタルマスク膜68の開口パターン68−
1に従って、オリフィス板58がエッチングされて吐出
ノズル62が穿設されると共に、厚膜レジスト膜64が
削り取られて徐々に消失していく。
【0081】そして、図5(c) に示すように、エッチン
グをジャストエッチング時点から所定時間経過後までの
間に停止するようにして、吐出ノズル62が丁度オリフ
ィス板58を貫通したとき、又はややオーバーエッチン
グされたとき、同図(b) に示す厚膜レジスト膜64が、
同図(c) に示すように、確実に撥インク膜69上から消
失する。これにより、吐出ノズル62の完成と同時に、
インク吐出面に撥インク膜69を被着した印字ヘッド7
0が完成する。
【0082】このように、吐出ノズル加工時に、メタル
マスク膜の上に形成した撥インク膜の上に厚膜レジスト
膜を被着して、この厚膜レジスト膜のパターンに従って
吐出ノズルを穿設するので、メタルマスクのエッチング
残渣が出ないだけでなく吐出ノズルの穿設完了と共にイ
ンク吐出面に撥インク膜を被着した印字ヘッドが完成す
るので、従来の吐出ノズル形成後に撥インク膜を成膜す
る場合に行うレジストの充填又は被着の手数が不要とな
って工程が簡略化する。
【0083】次に、第3実施形態としての印字ヘッド7
0の、他の製造手順を説明する。図6(b) のフローチャ
ートに示すように、先ず、オリフィス板の設置(S1
1)とメタルマスク膜の被着(S12)の処理は、同図
(a) に示すオリフィス板の設置(S1)とメタルマスク
膜の被着(S2)の処理と同一である。この例では、次
から手順が異なる。
【0084】すなわち、先ず、メタルマスク膜のパター
ニングを行う(S13)。この処理では、上記のS12
で形成された図5(a) に示すメタルマスク膜68の上へ
のレジスト層の被着と、このレジスト層のフォトリソグ
ラフィーによるパターン化と、このパターンに従ったウ
エット又はドライのエッチングによって、図5(a) に示
すメタルマスク膜68の開口パターン68−1が形成さ
れる。この後、レジスト層はウエット又はドライのアッ
シヤーで全部剥離する。
【0085】続いて、撥インク膜の被着処理を行う(S
14)。この処理では、先ず、開口パターン68−1を
メッキレジストを充填して保護し、更にメタルマスク膜
面を除く印字ヘッドの全面(側面と裏面)をメッキレジ
ストで被覆した後、メタルマスク膜を電極として撥イン
ク膜のメッキ被着を行う。これにより、上記メタルマス
ク膜68の上面に、開口パターン68−1の部分を除く
形で選択的に撥インク膜68が被着される。この後、メ
ッキレジストは除去される。これにより、図5(a) に示
す撥インク膜69及びその開口パターン69−1が形成
される。
【0086】上記に続いて、厚膜レジスト膜の被着(S
15)と、この厚膜レジスト膜のパターニング(S1
6)の処理を行う。これらの処理は、図6(a) の厚膜レ
ジスト膜の被着(S4)と、厚膜レジスト膜のパターニ
ング(S5)の処理と同一である。これにより、図5
(a) に示す厚膜レジスト膜64と、その開口パターン6
4−1が形成される。
【0087】この後、ヘリコン波ドライエッチングによ
る吐出ノズルの穿設を行う(S17)。この処理は、図
6(a) のヘリコン波ドライエッチングによる吐出ノズル
の穿設処理(S8)と同一の処理である。本製造手順に
よる場合も、メタルマスクのエッチング残渣が出ないだ
けでなく吐出ノズルの穿設完了と共にインク吐出面に撥
インク膜を被着した印字ヘッドが完成するので、従来の
吐出ノズル形成後に撥インク膜を成膜する場合に行うレ
ジストの充填又は被着の手数が不要となって工程が簡略
化する。
【0088】なお、本発明は、ヘリコン波ドライエッチ
ングに限らず、他の種々の異方性エッチングに広く適用
できることは、勿論である。また、本発明の非金属レジ
スト膜は、上記実施形態で使用されている樹脂レジスト
膜にかぎらず、パターン成形不良等の弊害となる残渣の
発生が少ない非金属レジスト膜であればよい。
【0089】更に、本発明は、異方性エッチングにより
孔を貫通形成する場合だけでなく、異方性エッチングに
より凹部を形成する場合にも、好適に適用できる。
【0090】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、エッチング残渣の発生が少ない非金属レジスト膜
を開口パターンの貫通と同時にエッチング除去されるべ
き厚さに形成するから、残渣による成形不良等の弊害が
確実に防止され、異方性エッチングにより所望のパター
ンを容易に成形することが可能となる。
【0091】また、本発明の第1の実施形態によれば、
メタルマスク上に上記レジスト膜を積層した2重マスク
構造としても、ヘリコン波異方性エッチングによる吐出
ノズル加工時に、仕上げのオーバーエッチングのとき以
外はメタルマスクが露出しないので、メタルマスクのエ
ッチングによる削れ量が極めて少なく、このため、メタ
ルマスクのエッチング残渣が吐出ノズルや電極端子へ再
付着することが殆ど無く、したがって、吐出ノズルの吐
出不良や電極端子の電気接続不良の不具合が解消され
る。また、メタルマスクの削れ量を多く見込む必要がな
く、したがって、従来よりも厚さの薄いメタルマスクで
良く、これにより、メタルマスク用金属膜の成膜時間が
短縮されて作業能率が向上する。更に、吐出ノズルが貫
通形成された時点で非金属レジストマスク膜は確実に除
去されているので、マスク膜を除去する工程が不要とな
ると共に、オリフィス板表面に撥インク膜を確実且つ容
易にに被着することができる。
【0092】また、本発明の第2の実施の形態によれ
ば、ヘリコン波異方性エッチングによる吐出ノズル加工
時に、メタルマスクを使用しないので、メタルマスクの
エッチング残渣が全く発生せず、したがって、そのエッ
チング残渣による吐出ノズルの吐出不良や電極端子の電
気接続不良等の不具合の発生が防止される。
【0093】また、本発明の第3の実施の形態によれ
ば、ヘリコン波異方性エッチングによる吐出ノズル加工
時に、メタルマスク膜の上に撥インク膜と厚膜レジスト
膜を積層し、この厚膜レジスト膜のパターンに従って吐
出ノズルを穿設するので、メタルマスクのエッチング残
渣が出ないだけでなく吐出ノズルの穿設完了と同時にイ
ンク吐出面に撥インク膜を被着した印字ヘッドが得られ
るので、従来の吐出ノズル形成後に撥インク膜を成膜す
る場合に行う吐出ノズル遮蔽用レジストの充填又は被着
の手数が不要となって工程が簡略化する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b),(c),(d) は第1の実施の形態における
印字ヘッドの異方性エッチング方法による吐出ノズル穿
設の方法を説明する図である。
【図2】(a),(b) は第1の実施の形態における変形例を
示す図である。
【図3】(a),(b),(c) は第2の実施の形態における印字
ヘッドの異方性エッチング方法による吐出ノズル穿設の
方法を説明する図である。
【図4】(a),(b) は第2の実施の形態における変形例を
示す図である。
【図5】(a),(b),(c) は第3の実施の形態における印字
ヘッドの異方性エッチング方法による吐出ノズル穿設の
方法を説明する図である。
【図6】(a),(b) は第3の実施の形態における印字ヘッ
ドの異方性エッチングの処理手順の例を示すフローチャ
ト(その1、その2)である。
【図7】(a),(b),(c) は従来の印字ヘッドの製造方法を
工程順に模式的に示す概略の平面図と断面図である。
【図8】(a),(b),(c) の上段は図7(a),(b),(c) の一部
拡大詳細図、中段は上段のA−A′断面矢視図、下段は
上段のB−B′断面矢視図である。
【図9】(a) はモノカラー用印字ヘッドを1個のチップ
基板上に4列並べてフルカラー用印字ヘッドを構成した
例を示す図、(b) は製造工程の途上にあるシリコウエハ
上におけるフルカラー用印字ヘッドを示す図である。
【図10】(a) 〜(d) は従来構成の印字ヘッドが印字駆
動されるときの動作状態を示す図である。
【図11】(a) 〜(f) は従来のオリフィス板表面への金
属膜の形成から撥インク層の形成までの工程を示す図で
ある。
【図12】(a) はヘリコン波エッチング装置を模式的に
示す図、(b) はそのウエハ固定用ステージの平面図、
(c) は(a) の部分拡大図である。
【符号の説明】
1 チップ基板 2 駆動回路 2−1 駆動回路端子 3 パッシベーション膜 4 発熱部 4′ 発熱部列 5 共通電極 5−1 共通電極給電端子 6 個別配線電極 6′ 個別配線電極列 7 インク供給溝 8 インク供給孔 9 隔壁 9−1、9−2 シール隔壁 9−3 区画隔壁 11 オリフィス板 12 インク加圧室 13 インク流路 14 吐出ノズル 15 モノカラー用印字ヘッド 16 チップ基板 17(17a、17b、17c、17d) ノズル列 18 フルカラー用印字ヘッド 19 シリコンウエハ 21 インク 21a インク表面部 21b インク滴 22、22a、22b 膜気泡 23 金属膜 23−1 メタルマスクパターン 24 レジスト膜 24−1 レジストマスクパターン 25 撥インク層 26 プロセスチャンバー 27 ウエハ固定用ステージ 28 支持台 29 接地側交流電源 31 低温サーキュレータ 32 冷媒ガス 33 冷媒送入ポンプ 34 冷媒送入路 35 冷媒吹き出し口 36 酸素(O2 )プラズマ 37 マグネット 38 ソースチャンバー 39 アンテナ 41 インナーコイル 42 アウターコイル 43 パイプライン 44 ソースパワーサプライ 45 酸素イオン 46 ラジカル原子 50 印字ヘッド 51 チップ基板 52 発熱部 53 共通電極 54 個別配線電極 55 インク供給溝 56 インク供給孔 57 隔壁 58 オリフィス板 59 インク加圧室 61 インク流路 62 吐出ノズル 63 金属膜 63−1 メタルマスク開口部分 64 厚膜レジスト膜 64−1 開口パターン 65 撥インク性厚膜レジスト膜 66 厚膜レジスト膜 66−1 開口パターン 67 撥インク性厚膜レジスト膜 68 メタルマスク膜 69 撥インク膜 70 印字ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊谷 稔 東京都青梅市今井3丁目10番6号 カシオ 計算機株式会社青梅事業所内 Fターム(参考) 2C057 AF43 AF67 AF72 AF93 AG14 AP02 AP12 AP13 AP32 AP34 AP52 AP54 AP60 BA04 BA13 5F004 AA04 BA14 BA20 BB25 DA22 DA26 DB25 DB26 EA05 EA10 EA28

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の材質の被加工材に異方性エッチン
    グにより所定の開口パターンを穿設するエッチング方法
    であって、 前記被加工材に所定の材質の非金属レジスト膜を所定の
    厚さに積層する工程と、 前記非金属レジスト膜に前記開口パターンに対応したマ
    スクパターンを形成する工程と、 前記非金属レジスト膜を介して前記被加工材に異方性エ
    ッチングを実施し、前記開口パターンを穿設する工程と
    を有することを特徴とする異方性エッチング方法。
  2. 【請求項2】 前記異方性エッチングによる前記非金属
    レジスト膜と前記被加工材に対するエッチング選択比が
    1対1であることを特徴とする請求項1記載の異方性エ
    ッチング方法。
  3. 【請求項3】 前記異方性エッチングは、へリコン波ド
    ライエッチングであることを特徴とする請求項1記載の
    異方性エッチング方法。
  4. 【請求項4】 前記被加工材は、インクジェットプリン
    タの吐出ノズルが穿設されるオリフィス板材であり、前
    記開口パターンは、吐出ノズルの穿設パターンであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の異方性エッチング方法。
  5. 【請求項5】 前記異方性エッチングは、前記非金属レ
    ジスト膜を除去すると略同時に、前記被加工材に前記開
    口パターンを穿設できる所定のエッチング選択比を備え
    たエッチャントを用い、前記非金属レジスト膜を介して
    前記被加工材に異方性エッチングを開始し、前記非金属
    レジスト膜を除去すると同時に前記開口パターンを穿設
    できる時点を基準時点とした場合に、前記基準時点から
    所定時間経過後までの間に異方性エッチングを停止して
    前記開口パターンを穿設することを特徴とする請求項4
    記載の異方性エッチング方法。
  6. 【請求項6】 前記異方性エッチングは、前記被加工材
    に対する前記開口パターンの穿設が完了した時点で前記
    非金属レジスト膜を所定の厚さだけ残留させることがで
    きる所定のエッチング選択比を備えたエッチャントを用
    い、前記非金属レジスト膜を介し異方性エッチングを実
    施して前記開口パターンを穿設することを特徴とする請
    求項4記載の異方性エッチング方法。
  7. 【請求項7】 残留した前記非金属レジスト膜は、撥イ
    ンク性を備えていることを特徴とする請求項6記載の異
    方性エッチング方法。
  8. 【請求項8】 前記非金属レジスト膜は、前記オリフィ
    ス板に直接被着されることを特徴とする請求項4記載の
    異方性エッチング方法。
  9. 【請求項9】 前記オリフィス板に金属膜を直接被着す
    る工程と、該金属膜に前記吐出ノズルパターンが形成さ
    れた前記レジストマスク膜を介して開口パターンを形成
    する工程とを、更に有することを特徴とする請求項4記
    載の異方性エッチング方法。
  10. 【請求項10】 前記オリフィス板材に金属膜と撥イン
    ク膜を積層する工程と、前記開口パターンが形成された
    前記非金属レジスト膜を介して前記撥インク膜と前記金
    属膜に開口パターンを形成する工程とを、更に有するこ
    とを特徴とする請求項4記載の異方性エッチング方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006264147A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Brother Ind Ltd インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド
JP2009137098A (ja) * 2007-12-05 2009-06-25 Seiko Epson Corp 液滴吐出ヘッドの製造方法
JP2012000980A (ja) * 2010-05-19 2012-01-05 Canon Inc 液体吐出ヘッド用基板の製造方法、液体吐出ヘッドの製造方法および液体吐出ヘッドアセンブリの製造方法

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