JP2000286546A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板の製造方法

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JP2000286546A
JP2000286546A JP9111899A JP9111899A JP2000286546A JP 2000286546 A JP2000286546 A JP 2000286546A JP 9111899 A JP9111899 A JP 9111899A JP 9111899 A JP9111899 A JP 9111899A JP 2000286546 A JP2000286546 A JP 2000286546A
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organic acid
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Yoshiaki Ezaki
義昭 江崎
Hiroaki Fujiwara
弘明 藤原
Takeshi Koizumi
健 小泉
Shoichi Fujimori
正一 藤森
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板1の表面に形成された銅回路2を表面処
理した後、その銅回路2の表面に樹脂層3を積層して製
造するプリント配線板の製造方法であって、接着性が優
れると共に、加熱変色性が優れたプリント配線板が得ら
れるプリント配線板の製造方法を提供する。 【解決手段】 銅回路2の表面処理の方法が、銅イオン
を含有する酸性水溶液で銅回路2を処理して銅回路2の
表面を粗化した後、その粗化した銅回路2を、有機酸、
有機防錆剤及びシランカップリング剤を含有する有機酸
水溶液で処理する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気・電子機器等
に使用される、プリント配線板の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器等に使用される多層のプ
リント配線板は、例えば、内層用基板の表面の銅箔をエ
ッチングしたり、銅メッキを行って銅回路を形成した
後、その銅回路に接着強度を高めるために表面処理を行
い、次いでその内層用基板の表面に樹脂層を形成すると
共に、その樹脂層の外側に銅箔を積層する。次いで、内
層に銅回路を有する部分に穴あけをした後、メッキ処理
を行ってこの穴に内層の銅回路及び外層の銅箔を導通す
るメッキ皮膜を形成し、次いで、外層の銅箔をエッチン
グして外層回路を形成した後、所定の部分にソルダーレ
ジスト皮膜を形成することにより製造されている。
【0003】上記表面処理は、黒化処理と呼ばれる化学
的酸化処理が一般に行われている。この黒化処理は、銅
回路に対して施して、表面に微細な凹凸を形成し、銅回
路の接着性を向上させる処理であり、銅回路の表面が酸
化銅となるため黒色に変化する処理である。
【0004】しかし、この黒化処理を行って製造したプ
リント配線板の場合、メッキ工程で用いられているメッ
キ液等の酸が穴の周囲の処理皮膜を溶かし、黒色がピン
ク色に変色し、得られるプリント配線板に、ハローイン
グと呼ばれる現象が発生する場合があるという問題があ
った。
【0005】そのため、酸化処理を行わずに、酸及び過
酸化水素を含有する液で銅回路を粗化する方法や、酸化
処理を行わずに、有機酸、銅イオン及び銅イオンのキレ
ート剤を含有する液で銅回路を粗化する方法等により、
ハローイングの発生を抑えながら、適度な接着強度を呈
させる表面処理の方法が検討されている(例えば、特開
平10−335815号)。
【0006】しかし、これらの方法により表面処理され
た銅回路は、水分の乾燥等のために加熱すると、変色し
てしまう場合があり、加熱変色性が低いという問題があ
った。また、これらの表面処理を行って製造したプリン
ト配線板は、接着性が低下する場合があるという問題が
あり、改良の余地があった。
【0007】そのため、酸化処理を行わなくても、接着
性が優れると共に、加熱変色性が優れたプリント配線板
が得られるプリント配線板の製造方法が求められてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を改善するために成されたもので、その目的とするとこ
ろは、基板の表面に形成された銅回路を表面処理した
後、その銅回路の表面に樹脂層を積層して製造するプリ
ント配線板の製造方法であって、接着性が優れると共
に、加熱変色性が優れたプリント配線板が得られるプリ
ント配線板の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るプリント配
線板の製造方法は、基板の表面に形成された銅回路を表
面処理した後、その銅回路の表面に樹脂層を積層して製
造するプリント配線板の製造方法において、銅回路の表
面処理の方法が、銅イオンを含有する酸性水溶液で銅回
路を処理して銅回路の表面を粗化した後、その粗化した
銅回路を、有機酸、有機防錆剤及びシランカップリング
剤を含有する有機酸水溶液で処理する方法であることを
特徴とする。
【0010】上記有機酸水溶液に含有する有機防錆剤
は、ベンゾトリアゾール又はその誘導体であると好まし
く、上記有機酸水溶液に含有する有機酸は、マレイン酸
又はコハク酸であると好ましい。また、上記樹脂層を形
成する樹脂は、アミン類又はイミダゾール類を含有する
エポキシ樹脂系の樹脂であると好ましく、上記基板の表
面に形成された銅回路は、メッキにより形成された銅回
路であると好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係るプリント配線板の製
造方法を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る
プリント配線板の製造方法の、一実施の形態を説明する
断面図である。
【0012】本発明に係るプリント配線板の製造方法の
一実施の形態は、図1(a)に示すような、表面に銅回
路2が形成された基板1を用いる。
【0013】この基板1としては、樹脂層3の形成のた
めの加熱処理等に耐える材料を用いて、片面又は両面に
銅回路2が形成されている板であればよく、熱硬化性樹
脂のシートの片面又は両面に銅箔が張られている板や、
ガラス等の無機質繊維やポリイミド等の有機質繊維のク
ロス、ペーパー等の基材を、熱硬化性樹脂で接着し、片
面又は両面に銅箔が張られている板等を用いて、銅箔を
エッチングして銅回路2を形成したものや、表面に銅箔
を有さない板の表面にメッキを行い、銅回路2を形成し
たもの等が挙げられる。
【0014】なお、基板1に用いられる熱硬化性樹脂と
しては、例えば、エポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、
ポリイミド樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリフ
ェニレンエーテル樹脂系等の単独、変性物、混合物や、
これらの樹脂に、シリカ、ガラス繊維等の充填材を含有
させたものが挙げられる。この基板1には、スルホール
や、内層回路等をも有していても良い。
【0015】次いで、基板1の表面に形成された銅回路
2を、銅イオンを含有する酸性水溶液で処理して、図1
(b)に示すように、銅回路2の表面を粗化した後、そ
の粗化した銅回路2を、有機酸、有機防錆剤及びシラン
カップリング剤を含有する有機酸水溶液で処理する。
【0016】上記銅イオンを含有する酸性水溶液として
は、カルボン酸及び銅イオンを含有する液や、カルボン
酸、銅イオン及び銅イオンのキレート剤を含有する液
や、硫酸、過酸化水素及び銅イオンを含有する液等の、
銅をエッチングして銅回路2の表面を粗化する酸性の水
溶液が挙げられる。なお、この酸性の水溶液に銅イオン
を含有していると、エッチング量が安定するため、基板
1の面内位置による粗化の程度の差が小さくなる。
【0017】なお、この酸性水溶液に、ギ酸や酢酸等の
炭素数1〜5のカルボン酸を含有すると、粗化する反応
性が優れるため、処理時間を短くすることができ好まし
い。また、この酸性水溶液に、エチレンジアミン四酢
酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、1,10−フェナ
ントロリン、8−ヒドロキシキノリン等の、銅イオンの
キレート剤を含有すると、基板1の面内位置による粗化
の程度の差が小さくなり好ましい。
【0018】この酸性水溶液を用いて処理する時間は、
酸性水溶液の組成、温度等に応じて適宜決められるが、
酸性水溶液を銅回路2にスプレーして処理を行う場合、
処理時間を短縮することが可能となり好ましい。なお、
酸性水溶液で処理する前に必要に応じて、銅回路2の表
面を機械的な研磨又は過硫酸アンモニウムのような化学
的な研磨を行い洗浄した後、酸性水溶液で処理するよう
にしてもよい。
【0019】次いで、この酸性水溶液で処理した銅回路
2を水等で洗浄して、銅回路2や基板1の表面に付着し
ている酸性水溶液を除去する。
【0020】次いで、酸性水溶液で粗化した銅回路2
を、有機酸、有機防錆剤及びシランカップリング剤を含
有する有機酸水溶液で処理する。すると、銅回路2の表
面に、加熱変色性が優れた処理皮膜が形成される。また
このとき形成される皮膜は、熱硬化性樹脂との接着性を
損なわない皮膜が形成されるため、接着性が優れると共
に、加熱変色性が優れたプリント配線板を得ることが可
能になる。なお、銅回路2が、メッキにより形成された
銅回路2の場合、表面平滑性が比較的優れた銅回路2の
ため、これらの表面処理を行うと、特に接着性が優れる
と共に、加熱変色性が優れたプリント配線板となる。
【0021】なお、酸性水溶液で処理した銅回路2を水
等で洗浄してから、有機酸水溶液で処理するまでの間
の、銅回路2が気中に放置される時間をできるだけ短く
すると、特に加熱変色性が優れたプリント配線板が得ら
れ好ましい。
【0022】有機酸水溶液に含有する有機酸としては、
マレイン酸、コハク酸等が挙げられる。この有機酸水溶
液に含有する有機酸の濃度としては、0.1〜50グラ
ム/リットル(以下、g/Lと記す)が好ましい。0.
1g/L未満の場合、及び50g/Lを越える場合に
は、接着性が低下したり、加熱変色性が低下する場合が
ある。
【0023】また、有機酸水溶液に含有する有機防錆剤
としては、ベンゾトリアゾール、又は、3−アミノ−
1,2,4−トリアゾール等のベンゾトリアゾールの誘
導体が好ましい。この有機酸水溶液に含有する有機防錆
剤の濃度としては、0.1〜50g/Lが好ましい。
0.1g/L未満の場合、加熱変色性が低下する場合が
あり、50g/Lを越える濃度配合しても特性の差が小
さいため、経済的でない。
【0024】また、有機酸水溶液に含有するシランカッ
プリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン等のエポキシシランや、γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシランが挙げ
られる。この有機酸水溶液に含有するシランカップリン
グ剤の濃度としては、1〜50g/Lが好ましい。1g
/L未満の場合、接着性が低下する場合があり、50g
/Lを越える濃度配合しても特性の差が小さいため、経
済的でない。
【0025】なお、有機酸水溶液を用いて銅回路2を処
理する時間は、有機酸水溶液の組成、温度等に応じて、
得られるプリント配線板の接着性が優れると共に、加熱
変色性が優れるように適宜調整する。
【0026】次いで、有機酸水溶液で処理した銅回路2
を水等で洗浄して、銅回路2や基板1の表面に付着して
いる有機酸水溶液を除去した後、加熱して表面を乾燥さ
せ、次いで、図1(c)に示すように、銅回路2や基板
1の表面に樹脂層3を積層する。
【0027】この樹脂層3を積層する方法としては、液
状の熱硬化性樹脂を銅回路2や基板1の表面に塗布した
後、硬化させる方法や、シート状の熱硬化性樹脂を銅回
路2や基板1の表面に熱圧着する方法が挙げられる。な
お、一方の面に銅箔を備えたシート状の熱硬化性樹脂を
熱圧着するようにしても良い。
【0028】この樹脂層3の形成に用いられる熱硬化性
樹脂としては、エポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、ポ
リイミド樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリフェ
ニレンエーテル樹脂系等の単独、変性物、混合物のよう
に、熱硬化性樹脂全般を用いることができ、必要に応じ
てシリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タル
ク等の無機質粉末充填材や、ガラス繊維、パルプ繊維、
合成繊維、セラミック繊維等の繊維質充填材を含有させ
ることができる。
【0029】なお、硬化剤又は硬化促進剤としてアミン
類又はイミダゾール類を含有するエポキシ樹脂を用いた
場合、耐湿及び耐熱の長期信頼性が、特に優れ好まし
い。この詳細原因は不明であるが、銅回路2の表面を上
記有機酸水溶液で処理すると、銅によるアミン類又はイ
ミダゾール類の硬化促進トラップが防止されるため、架
橋密度が向上してガラス転移温度が上昇し、その結果、
耐湿及び耐熱の長期信頼性が向上すると考えられる。な
お、アミン類としては、ジシアンジアミド、脂肪族ポリ
アミド等のアミド系硬化剤や、ジアミノジフェニルメタ
ン、メタフェニレンジアミン、トリエチルアミン、ジエ
チルアミン等のアミン系硬化剤が挙げられ、イミダゾー
ル類としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−
4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等
が挙げられる。
【0030】次いで、図1(d)に示すように、樹脂層
3の所定の部分を除去して、内層の銅回路2と接続した
ビアホール4を形成する。このビアホール4の形成方法
としては、レーザー光を照射して形成したり、ドリルを
用いて穴あけする。
【0031】次いで、金属メッキを行ったり、金属ペー
ストを供給して、図1(e)に示すように、樹脂層3の
表面の所定の位置に導体回路5を形成したり、ビアホー
ル4の内部に導体を形成した後、電子部品と接続を予定
する部分以外の基板1表面に、ソルダーレジスト皮膜6
を形成することによりプリント配線板を製造する。な
お、一方の面に銅箔を備えたシート状の熱硬化性樹脂を
熱圧着して樹脂層3を形成した場合には、外層の銅箔を
エッチングして導体回路5を形成した後、金属メッキを
行って、ビアホール4の内部壁面に導体層を形成する。
【0032】
【実施例】(実施例1)厚み0.2mmのエポキシ樹脂
絶縁板の表面に銅メッキを行って、表面に厚み35μm
の銅回路を有する内層用基板を形成した。
【0033】また、カルボン酸及び銅イオンのキレート
剤を含有する酸性水溶液として、メック株式会社製処理
液[商品名 エッチボンドCZ8100]を用いて、銅
箔を溶解させることにより銅イオンを20g/L含有す
る酸性水溶液を作成した。また、有機酸としてコハク酸
を5g/L、有機防錆剤として3−アミノ−1,2,4
−トリアゾールを5g/L、シランカップリング剤とし
てγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを5g
/L含有する有機酸水溶液を作成した。
【0034】そして酸性水溶液を上記銅回路を形成した
内層用基板にスプレーして銅回路の表面を粗化した。な
お、この処理によって、銅回路の表面の色調は、ピンク
色を呈した。次いで、水洗した後、直ちに有機酸水溶液
に浸漬して処理し、次いで、120℃で30分加熱して
乾燥した。なお、この乾燥による銅回路の色調の変化は
観測されず、加熱変色性が優れていることが確認され
た。
【0035】次いで、その内層用基板の両表面に、イミ
ダゾール類を含有するエポキシ樹脂を厚み約50μm塗
布した後、加熱硬化させて、銅回路の表面に樹脂層を形
成した。次いで、炭酸ガスレーザー光を照射して樹脂層
の所定の部分を除去して、ビアホールを形成した後、過
マンガン酸塩にて樹脂層の表面を粗面化すると共に、ビ
アホール内の樹脂残さを除去し、次いで、セミアディテ
ィブ法により、樹脂層の表面に導体回路を形成すること
によりプリント配線板を得た。
【0036】(実施例2)樹脂層を形成する樹脂とし
て、ジアミノジフェニルメタンを含有するエポキシ樹脂
を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてプリント配
線板を得た。なおこの場合も、有機酸水溶液に浸漬した
後の乾燥による銅回路の色調の変化は観測されず、加熱
変色性が優れていることが確認された。
【0037】(実施例3)酸性水溶液として、株式会社
荏原電産製処理液[商品名 ネオブラウン]を用いたこ
と、及び、有機酸としてコハク酸を2g/L、有機防錆
剤として3−アミノ−1,2,4−トリアゾールを2g
/L、シランカップリング剤としてγ−アミノプロピル
トリメトキシシランを2g/L含有する有機酸水溶液を
用いたこと、及び、樹脂層を形成する樹脂として、ジシ
アンジアミドを含有するエポキシ樹脂を用いたこと以外
は、実施例1と同様にしてプリント配線板を得た。なお
この場合も、有機酸水溶液に浸漬した後の乾燥による銅
回路の色調の変化は観測されず、加熱変色性が優れてい
ることが確認された。
【0038】(実施例4)有機酸としてマレイン酸を5
g/L、有機防錆剤としてベンゾトリアゾールを5g/
L、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシランを5g/L含有する有機酸水溶
液を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてプリント
配線板を得た。なおこの場合も、有機酸水溶液に浸漬し
た後の乾燥による銅回路の色調の変化は観測されず、加
熱変色性が優れていることが確認された。
【0039】(実施例5)樹脂層を形成する樹脂とし
て、アミン類及びイミダゾール類を含有せず、フェノー
ル系硬化剤を含有するエポキシ樹脂を用いたこと以外
は、実施例1と同様にしてプリント配線板を得た。なお
この場合も、有機酸水溶液に浸漬した後の乾燥による銅
回路の色調の変化は観測されず、加熱変色性が優れてい
ることが確認された。
【0040】(比較例1)有機酸水溶液の代わりに、有
機防錆剤として3−アミノ−1,2,4−トリアゾール
を5g/L、シランカップリング剤としてγ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシランを5g/L含有し、有
機酸を含有しない水溶液を用いたこと以外は実施例1と
同様にしてプリント配線板を得た。なおこの場合、この
水溶液に浸漬した後の乾燥により、銅回路の表面が酸化
して色調が少し変化しており、加熱変色性が劣っている
ことが確認された。
【0041】(比較例2)有機酸水溶液の代わりに、有
機酸としてコハク酸を2g/L、シランカップリング剤
としてγ−アミノプロピルトリメトキシシランを2g/
L含有し、有機防錆剤を含有しない水溶液を用いたこと
以外は実施例3と同様にしてプリント配線板を得た。な
おこの場合、この水溶液に浸漬した後の乾燥により、銅
回路の表面が酸化して色調が変化しており、加熱変色性
が劣っていることが確認された。
【0042】(比較例3)有機酸水溶液の代わりに、有
機酸としてコハク酸を2g/L、有機防錆剤として3−
アミノ−1,2,4−トリアゾールを2g/L含有し、
シランカップリング剤を含有しない水溶液を用いたこと
以外は実施例3と同様にしてプリント配線板を得た。な
おこの場合、この水溶液に浸漬した後の乾燥による銅回
路の色調の変化は観測されず、加熱変色性が優れている
ことが確認された。
【0043】(評価)各実施例及び各比較例で得られた
プリント配線板の接着性の評価として、内層接着強度及
び外層接着強度を評価し、耐湿及び耐熱の長期信頼性の
評価として、耐PCT試験及び冷熱サイクル試験を行っ
た。更に、ガラス転移温度を評価した。
【0044】内層接着強度は、内層の銅回路の表面処理
した面と樹脂層との間の接着力を測定したものであり、
測定方法としては、上記表面処理をした面の反対面であ
るマット面を露出させた基板の銅回路に10mm幅のラ
インを形成し、JIS規格C6481に準じて、そのラ
インの90度方向の引き剥がし強さを50mm/分の引
き剥がし速度で測定した。また、外層接着強度は、樹脂
層の表面に形成した導体回路と樹脂層との間の接着力を
測定したものであり、JIS規格C6481に準じて測
定した。
【0045】耐PCT試験は、2気圧121℃100%
RHのPCT(プレッシャークッカーテスト)処理を1
00時間行った後、ふくれ、クラック、回路の断線、シ
ョート等の異常の有無で評価した。そして、異常の発生
がないものを○とし、異常が発生しているものを×とし
た。
【0046】冷熱サイクル試験は、−55℃及び125
℃の処理を1サイクルとして、1000サイクル処理し
た後、ふくれ、クラック、回路の断線、ショート等の異
常の有無で評価した。そして、異常の発生がないものを
○とし、異常が発生しているものを×とした。また、ガ
ラス転移温度は、銅回路の表面に形成した樹脂層をサン
プリングし、DMA法にて測定した。
【0047】(結果)その結果は、表1に示すように、
各実施例で得られたプリント配線板は、各比較例で得ら
れたプリント配線板と比べて、内層接着強度が優れてい
ることが確認された。すなわち、各実施例で得られたプ
リント配線板は、接着性が優れると共に、加熱変色性が
優れるが、有機酸水溶液に代えて、有機酸、有機防錆剤
及びシランカップリング剤のいずれかを含有していない
水溶液で処理した各比較例で得られたプリント配線板
は、接着性及び加熱変色性のうち、少なくても1つの特
性が劣っていることが確認された。
【0048】また、実施例のうち、樹脂層を形成する樹
脂が、アミン類又はイミダゾール類を含有するエポキシ
樹脂系の樹脂である実施例1〜3は、実施例4及び各比
較例で得られたプリント配線板と比べて、耐湿及び耐熱
の長期信頼性が優れていることが確認された。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明に係るプリント配線板の製造方法
は、銅回路の表面処理の方法が、銅イオンを含有する酸
性水溶液で銅回路を処理して銅回路の表面を粗化した
後、その粗化した銅回路を、有機酸、有機防錆剤及びシ
ランカップリング剤を含有する有機酸水溶液で処理する
方法であるため、接着性が優れると共に、加熱変色性が
優れたプリント配線板が得られる。
【0051】本発明の請求項4に係るプリント配線板の
製造方法は、上記の効果に加え、耐湿及び耐熱の長期信
頼性が優れたプリント配線板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリント配線板の製造方法の、一
実施の形態を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 銅回路 3 樹脂層 4 ビアホール 5 導体回路 6 ソルダーレジスト皮膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小泉 健 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 藤森 正一 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 5E314 AA32 BB02 CC01 FF05 GG11 GG14 5E343 AA15 AA16 AA17 BB24 BB67 CC22 CC33 DD32 EE52 EE56 EE60 GG02 GG16 5E346 CC09 CC32 DD03 DD22 HH11 HH13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に形成された銅回路を表面処
    理した後、その銅回路の表面に樹脂層を積層して製造す
    るプリント配線板の製造方法において、銅回路の表面処
    理の方法が、銅イオンを含有する酸性水溶液で銅回路を
    処理して銅回路の表面を粗化した後、その粗化した銅回
    路を、有機酸、有機防錆剤及びシランカップリング剤を
    含有する有機酸水溶液で処理する方法であることを特徴
    とするプリント配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機酸水溶液に含有する有機防錆剤が、
    ベンゾトリアゾール又はその誘導体であることを特徴と
    する請求項1記載のプリント配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】 有機酸水溶液に含有する有機酸が、マレ
    イン酸又はコハク酸であることを特徴とする請求項1又
    は請求項2記載のプリント配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】 樹脂層を形成する樹脂が、アミン類又は
    イミダゾール類を含有するエポキシ樹脂系の樹脂である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記
    載のプリント配線板の製造方法。
  5. 【請求項5】 基板の表面に形成された銅回路が、メッ
    キにより形成された銅回路であることを特徴とする請求
    項1から請求項4のいずれかに記載のプリント配線板の
    製造方法。
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