JPH10335815A - プリント配線板用積層板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板用積層板の製造方法

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JPH10335815A
JPH10335815A JP13947497A JP13947497A JPH10335815A JP H10335815 A JPH10335815 A JP H10335815A JP 13947497 A JP13947497 A JP 13947497A JP 13947497 A JP13947497 A JP 13947497A JP H10335815 A JPH10335815 A JP H10335815A
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JP
Japan
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copper
aqueous solution
acidic aqueous
copper circuit
laminate
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JP13947497A
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English (en)
Inventor
Shuji Kitagawa
修次 北川
Yasufumi Fukumoto
恭文 福本
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板の表面に形成された銅回路を、銅イオン
及び銅イオンのキレート剤を含有する酸性水溶液で処理
して表面を粗化した後、その銅回路と熱硬化性樹脂を接
着して製造するプリント配線板用積層板の製造方法であ
って、銅回路と熱硬化性樹脂の間の、接着強度のばらつ
きが小さい積層板が得られる、プリント配線板用積層板
の製造方法を提供する。 【解決手段】 銅回路を酸性水溶液で処理する方法が、
酸性水溶液に含有する銅イオンの濃度に応じて、銅回路
と酸性水溶液が接触する時間を調整して処理する方法で
ある。そして、このようにして銅の溶解量を安定させる
と、銅が溶解することによって形成される、銅回路表面
の凹凸の大きさも安定し、接着強度のばらつきが小さい
積層板が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気・電子機器等
に使用される、プリント配線板用積層板の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器等に使用される多層のプ
リント配線板は、内層用基板の表面の銅箔をエッチング
して銅回路を形成した後、その銅回路に接着強度を高め
るために表面処理を行い、次いでその内層用基板と、熱
硬化性樹脂をガラスクロスに含浸して製造したプリプレ
グを積層し、更にその積層物の外側に銅箔を積層した
後、加熱・加圧成形して多層の積層板を作製する。次い
で、この多層の積層板に穴あけをした後、メッキ処理を
行ってこの穴に内層の銅回路及び外層の銅箔を導通する
スルホールメッキ皮膜を形成し、次いで、外層の銅箔を
エッチングして外層回路を形成することにより製造され
ている。
【0003】上記表面処理は、黒化処理と呼ばれる化学
的酸化処理が一般に行われている。この黒化処理は、銅
回路に対して施して、表面に微細な凹凸を形成し、銅回
路の接着強度を向上させる処理であり、銅回路の表面が
酸化銅となるため黒色に変化する処理である。
【0004】この黒化処理に用いられる酸化処理液は強
い酸化力を有しているため、長時間連続に処理を行う
と、処理を行う設備及び設備に付属する配管、循環ポン
プ、フィルター等も酸化処理液により酸化処理され、壁
面に穴があいたり溶接部が破損して設備が停止しやす
く、生産性が低下しやすいという問題があった。
【0005】なお、この黒化処理で形成される処理皮膜
の特性としては接着強度と並び、メッキ工程で用いられ
ているメッキ液等の酸が穴の周囲の処理皮膜を溶かし、
黒色がピンク色に変色し、ハローイングと呼ばれる現象
が発生する場合があるという問題があり、耐酸強度につ
いても処理皮膜の重要な特性となっている。
【0006】そのため、このハローイング発生の対策と
して、例えば、特開平7−115275号に記載されて
いるような、内層用基板に形成された銅回路に酸化処理
を行って表面に酸化銅皮膜を形成しながら表面粗化した
後、その表面粗化した状態を残しながら酸に弱い酸化銅
の部分を除去して、耐酸強度を向上させる方法が検討さ
れている。しかしこの方法の場合、酸化処理を行うた
め、設備が停止しやすく生産性が低下しやすいという問
題が依然として残っており、接着強度及び耐酸強度が優
れると共に、設備が停止し難い処理方法が求められてい
る。
【0007】そのため、酸化処理を行わずに、硫酸及び
過酸化水素を含有する酸性水溶液で銅回路を粗化する方
法や、酸化処理を行わずに、銅イオン及び銅イオンのキ
レート剤を含有する酸性水溶液で銅回路を粗化する方法
等が検討されている。
【0008】しかし、銅イオン及び銅イオンのキレート
剤を含有する酸性水溶液で粗化処理した銅回路と、熱硬
化性樹脂を接着して製造した積層板は、積層板間で接着
強度のばらつきが発生しやすいという問題があり、改良
の余地があった。そのため、接着強度のばらつきが小さ
い積層板が得られる、銅回路の処理方法が求められてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を改善するために成されたもので、その目的とするとこ
ろは、基板の表面に形成された銅回路を、銅イオン及び
銅イオンのキレート剤を含有する酸性水溶液で処理して
表面を粗化した後、その銅回路と熱硬化性樹脂を接着し
て製造するプリント配線板用積層板の製造方法であっ
て、銅回路と熱硬化性樹脂の間の、接着強度のばらつき
が小さい積層板が得られる、プリント配線板用積層板の
製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
プリント配線板用積層板の製造方法は、基板の表面に形
成された銅回路を、銅イオン及び銅イオンのキレート剤
を含有する酸性水溶液で処理して表面を粗化した後、そ
の銅回路と熱硬化性樹脂を接着して製造するプリント配
線板用積層板の製造方法において、銅回路を酸性水溶液
で処理する方法が、酸性水溶液に含有する銅イオンの濃
度の変動に応じて、銅回路と酸性水溶液が接触する時間
を調整して処理する方法であることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項2に係るプリント配線板用
積層板の製造方法は、請求項1記載のプリント配線板用
積層板の製造方法において、酸性水溶液に含有する銅イ
オンの濃度の変動に応じて、銅回路と酸性水溶液が接触
する時間を調整して処理する方法が、銅イオンの濃度が
上昇した場合に、銅回路と酸性水溶液が接触する時間を
短縮し、銅イオンの濃度が低下した場合に、銅回路と酸
性水溶液が接触する時間を延長して処理する方法である
ことを特徴とする。
【0012】本発明の請求項3に係るプリント配線板用
積層板の製造方法は、請求項1又は請求項2記載のプリ
ント配線板用積層板の製造方法において、酸性水溶液
に、炭素数1〜5のカルボン酸を含有することを特徴と
する。
【0013】本発明の請求項4に係るプリント配線板用
積層板の製造方法は、請求項1から請求項3のいずれか
に記載のプリント配線板用積層板の製造方法において、
酸性水溶液で処理した銅回路の表面粗度が、2〜6μm
であることを特徴とする。
【0014】本発明の請求項5に係るプリント配線板用
積層板の製造方法は、請求項1から請求項4のいずれか
に記載のプリント配線板用積層板の製造方法において、
銅回路を酸性水溶液で処理する方法が、銅回路に酸性水
溶液をスプレーする方法であることを特徴とする。
【0015】本発明の請求項6に係るプリント配線板用
積層板の製造方法は、請求項1から請求項5のいずれか
に記載のプリント配線板用積層板の製造方法において、
銅回路と接着する熱硬化性樹脂が、ガラスクロスに含浸
された熱硬化性樹脂であることを特徴とする。
【0016】本発明によると、酸性水溶液に含有する銅
イオンの濃度の変動に応じて、銅回路と酸性水溶液が接
触する時間を調整して処理するため、銅イオンの濃度が
ばらついても、銅の溶解量をほぼ一定にすることが可能
となる。そして、このようにして銅の溶解量を安定させ
ると、銅が溶解することによって形成される、銅回路表
面の凹凸の大きさも安定し、その銅回路と熱硬化性樹脂
を接着して積層板を製造すると、銅回路と熱硬化性樹脂
の間の、接着強度のばらつきが小さい積層板が得られ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係るプリント配線板用積
層板の製造方法は、基板の表面に形成された銅回路を、
銅イオン及び銅イオンのキレート剤を含有する酸性水溶
液で処理して表面を粗化した後、その銅回路と熱硬化性
樹脂を接着して製造する積層板の製造方法である。
【0018】本発明で用いる酸性水溶液は、酸と、銅イ
オンと、銅イオンのキレート剤を少なくとも含有する酸
性水溶液であり、銅を溶解して銅回路の表面を粗化可能
な酸性水溶液である。この液に含有する酸としては、硫
酸、塩酸等の無機酸やカルボン酸等の有機酸が挙げられ
る。なお、この酸性水溶液は、銅イオン及び銅イオンの
キレート剤を含有することが重要である。これらの一方
又は両方を含有していない場合は、銅回路の表面の粗化
が進みにくく、得られる積層板の接着強度が著しく低く
なる。
【0019】これは、銅イオン及び銅イオンのキレート
剤を含有する酸性水溶液中では、2価の銅イオンとキレ
ート剤が錯体を形成しており、この液に銅を反応させる
と、下記式(a)の反応が起こって銅が溶解すると考え
られている。なお、この式(a)の反応で生じた一価の
銅イオンとキレート剤の錯体は、2価の銅イオンとキレ
ート剤の錯体と比較して不安定な錯体のため、下記式
(b)のように、空気中の酸素を吸収して反応し、2価
の銅イオンとキレート剤の錯体となると考えられる。そ
して、これらの反応は、一旦反応が開始した部分は急激
に反応が進むため、銅回路の位置により溶解量に差が生
じ、その差によって表面に凹凸が形成されて粗面化する
と考えられている。
【0020】
【化1】
【0021】この銅イオンのキレート剤としては、例え
ばエチレンジアミン四酢酸、シクロヘキサンジアミン四
酢酸、1,10−フェナントロリン、8−ヒドロキシキ
ノリン等が挙げられる。
【0022】なお、この酸性水溶液に、ギ酸や酢酸等の
炭素数1〜5のカルボン酸を含有すると、粗化する反応
性が優れるため、処理する時間を短くすることができ好
ましい。また、この酸性水溶液には、湿潤剤や防錆剤等
をも含有していてもよい。
【0023】酸性水溶液中の、銅イオンや銅イオンのキ
レート剤等の含有量としては、カルボン酸、銅イオン及
び銅イオンのキレート剤を含有する酸性水溶液を用いて
銅回路の表面を粗化する場合、カルボン酸の濃度は、一
般には10〜100グラム/リットル(以下、g/Lと
記す)であることが望ましく、銅イオンの濃度は15〜
25g/Lであることが望ましく、銅イオンのキレート
剤の濃度は、0.1〜10g/Lであることが望まし
い。また、pHは1〜4であることが望ましく、処理時
の液温は、30〜45℃が望ましい。
【0024】なお、酸性水溶液を用いて銅回路を処理す
る時間は、酸性水溶液に含有する銅イオンの濃度の変動
に応じて、銅回路と酸性水溶液が接触する時間を調整し
て処理することが重要である。酸性水溶液に含有する銅
イオンの濃度の変動に応じて、銅回路と酸性水溶液が接
触する時間を調整しない場合、銅の溶解量のばらつきが
生じ、得られる積層板間に接着強度のばらつきが発生し
やすくなる。なお、「銅回路と酸性水溶液が接触する時
間」とは、銅回路を酸性水溶液に浸漬したり、銅回路に
酸性水溶液をスプレーして、銅回路に酸性水溶液が接触
してから、水洗等により、酸性水溶液が銅回路から除去
される迄の時間を表すものである。
【0025】この酸性水溶液に含有する銅イオンの濃度
の変動に応じて、銅回路と酸性水溶液が接触する時間を
調整して処理する方法としては、銅イオンの濃度が上昇
した場合に、銅回路と酸性水溶液が接触する時間を短縮
し、銅イオンの濃度が低下した場合に、銅回路と酸性水
溶液が接触する時間を延長して処理を行う。
【0026】これは、酸性水溶液中の銅イオンは、ほと
んどが1価の銅イオンより安定な2価の銅イオンとして
存在しているため、酸性水溶液中の銅イオンの濃度が上
昇した場合、2価の銅イオンの濃度が主に上昇すると考
えられる。そして、この2価の銅イオンの濃度が上昇し
た場合、化学平衡を保つために上記式(a)の反応が促
進され、銅の溶解速度が上昇する。そのため、銅回路と
酸性水溶液が接触する時間を短縮することにより、銅の
溶解量を抑えると、その短縮した時間内の銅の溶解量
と、銅イオンの濃度が上昇する前の銅の溶解量を、ほぼ
同じ程度にすることが可能となる。
【0027】逆に、酸性水溶液中の銅イオンの濃度が低
下した場合、上記式(a)の反応が進行しにくくなり、
銅の溶解速度が低下する。そのため、銅回路と酸性水溶
液が接触する時間を延長することにより、銅の溶解量を
増加させると、その延長した時間内の銅の溶解量と、銅
イオンの濃度が低下する前の銅の溶解量を、ほぼ同じ程
度にすることが可能となる。そして、このようにして銅
の溶解量を安定させると、銅が溶解することによって形
成される、銅回路表面の凹凸の大きさも安定し、接着強
度のばらつきが小さい積層板を得ることが可能となる。
【0028】また、酸性水溶液を用いて銅回路を処理す
る時間は、酸性水溶液で処理した部分の銅回路の表面粗
度が、2〜6μmとなる条件の範囲内で時間を調整する
と好ましい。2μm未満の場合、接着強度のばらつきは
小さいが全体に低くなる場合があり、6μmを越える場
合、銅回路の厚みが薄くなって電気信頼性が低下する場
合がある。
【0029】なお、銅回路を酸性水溶液で処理する方法
としては、銅回路に酸性水溶液をスプレーする方法や、
銅回路を酸性水溶液に浸漬する方法等が挙げられるが、
酸性水溶液を銅回路にスプレーして処理を行う場合、処
理時間を短縮することが可能となり好ましい。
【0030】なお必要に応じて、酸性水溶液で処理する
前に、銅回路の表面を機械的な研磨又は過硫酸アンモニ
ウム若しくは塩化銅のような化学的な研磨を行い洗浄し
た後、酸性水溶液で処理を行ってもよい。
【0031】次いで、酸性水溶液で処理した銅回路を、
水等で洗浄して表面に付着している酸性水溶液を除去し
た後、表面を乾燥させ、次いで、銅回路と熱硬化性樹脂
を接着して、プリント配線板用積層板を製造する。
【0032】本発明に用いる熱硬化性樹脂としては、エ
ポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、ポリイミド樹脂系、
不飽和ポリエステル樹脂系、ポリフェニレンエーテル樹
脂系等の単独、変性物、混合物のように、熱硬化性樹脂
全般を用いることができ、必要に応じてシリカ、炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、タルク等の無機質粉末
充填材や、ガラス繊維、パルプ繊維、合成繊維、セラミ
ック繊維等の繊維質充填材を含有させることができる。
なお、エポキシ樹脂系の熱硬化性樹脂の場合、得られる
積層板の電気特性及び接着強度のバランスが良好であり
好ましい。
【0033】なお熱硬化性樹脂が、ガラスクロス等の基
材に熱硬化性樹脂を含浸して製造した、一般にプリプレ
グと呼ばれる樹脂含浸基材に含浸された熱硬化性樹脂の
場合、接着強度のばらつきが特に小さくなり好ましい
が、プリプレグに用いられた熱硬化性樹脂のみに限定す
るものではなく、熱硬化性樹脂単独のシートを内層用基
板と積層し、更にその積層物の外側に銅箔を積層した
後、成形して積層板を製造する場合のシート状熱硬化性
樹脂や、内層用基板の表面に熱硬化性樹脂を塗布した
後、硬化することにより、樹脂組成物単独の絶縁層を形
成し、次いでその絶縁層の表面に導体回路を形成して製
造する、一般にビルドアップ基板と呼ばれるプリント配
線板に用いられる塗布用熱硬化性樹脂でもよい。
【0034】また、本発明に用いる表面に銅回路を形成
した基板としては、銅回路と熱硬化性樹脂を接着するた
めの加熱処理等に耐える材料を用いて、片面又は両面に
銅回路が形成されている板であればよく、例えば、上記
熱硬化性樹脂を硬化させたシートの片面又は両面に銅箔
が張られている板や、ガラス等の無機質繊維やポリイミ
ド等の有機質繊維のクロス、ペーパー等の基材を、上記
熱硬化性樹脂で接着し、片面又は両面に銅箔が張られて
いる板等を用いて、銅箔をエッチングして回路を形成し
たものや、銅箔が張られていない板の表面に銅メッキを
行い、銅の回路を形成したもの等が挙げられる。
【0035】
【実施例】
(実施例1)大きさ50×50cm、銅箔を除く厚み
0.8mmのガラス基材エポキシ樹脂両面銅張り積層板
[松下電工株式会社製、商品名 R−1766]の銅箔
(厚み35μm)をエッチングして、直径1.5mmの
ランドパターン複数と、大きさ30×100mmの銅箔
が残るパターンを形成した評価用基板を得た。
【0036】また、炭素数1〜5のカルボン酸と銅イオ
ンのキレート剤を含有する酸性水溶液として、メック株
式会社製処理液[商品名 CZ8100]を用いて、水
酸化銅を溶解させることにより銅イオンを15g/L含
有する、pH3.5の酸性水溶液を建浴した。なお、銅
イオン濃度は、酸性水溶液をサンプリングして、EDT
A(エチレンジアミン四酢酸)規定液を用いて滴定する
ことにより測定した。
【0037】そして、38℃に温度制御した酸性水溶液
を銅回路にスプレーした後、直ちに水洗することによ
り、銅回路と酸性水溶液を165秒間接触させて、銅回
路の表面を粗化した。次いで、80℃で30分乾燥し
て、初期処理基板を製造した。
【0038】次いで、各種パターン形状の基板を、3時
間投入して処理した後、酸性水溶液の銅イオン濃度を上
記と同様の方法で測定したところ、25g/L含有して
いたため、銅回路と酸性水溶液が接触する時間を、10
9秒間に変更したこと以外は初期処理基板の場合と同様
にして、評価用基板の銅回路の表面を粗化し、経時処理
基板を製造した。
【0039】次いで、銅イオンが15g/Lのとき処理
した初期処理基板と、銅イオンが25g/Lのとき処理
した経時処理基板の銅回路の表面粗度を、表面粗さ計
[東京精密株式会社製、サーフコム]を用いて、針径5
μm、走査長さ10mm、走査速度0.3mm/秒の条
件で、Rmax(最大粗さ)を測定した。その結果は、
共に4.0μmであった。
【0040】次いで、厚み0.15mm、樹脂量50%
のガラス基材エポキシ樹脂プリプレグ[松下電工株式会
社製、商品名 R−1661]を、初期処理基板及び経
時処理基板の両方の面に2枚づつ重ねて積層し、さらに
その積層物の両外層に厚み18μmの銅箔を積層した
後、この積層物を温度170℃、圧力3.9MPa、時
間60分の条件で加熱加圧成形して、初期処理基板を用
いた積層板と、経時処理基板を用いた積層板を得た。
【0041】(実施例2)実施例1で建浴した酸性水溶
液と同様の、38℃に温度制御した酸性水溶液に、銅回
路及び基板を浸漬した後、直ちに引き出して水洗するこ
とにより、銅回路と酸性水溶液を371秒間接触させ
て、銅回路の表面を粗化した。次いで、80℃で30分
乾燥して、初期処理基板を製造した。
【0042】各種パターン形状の基板を、5時間投入し
て処理した後、酸性水溶液の銅イオン濃度を実施例1と
同様の方法で測定したところ、25g/L含有していた
ため、銅回路と酸性水溶液が接触する時間を、245秒
間に変更したこと以外は初期処理基板の場合と同様にし
て、評価用基板の銅回路の表面を粗化し、経時処理基板
を製造した。
【0043】次いで、実施例1と同様にして、銅イオン
が15g/Lのとき処理した初期処理基板と、銅イオン
が25g/Lのとき処理した経時処理基板の銅回路の表
面粗度を測定した結果、共に4.0μmであった。次い
で、実施例1と同様にして、積層板を得た。
【0044】(比較例1)酸性水溶液の銅イオン濃度が
25g/Lの場合であっても、銅回路と酸性水溶液が接
触する時間を変更せず、165秒間接触させて経時処理
基板を製造したこと以外は実施例1と同様にして、初期
処理基板及び経時処理基板を製造した。
【0045】次いで、実施例1と同様にして、銅イオン
が15g/Lのとき処理した初期処理基板と、銅イオン
が25g/Lのとき処理した経時処理基板の銅回路の表
面粗度を測定した結果、銅イオンが15g/Lのとき処
理した初期処理基板は3.9μm、銅イオンが25g/
Lのとき処理した経時処理基板は5.4μmであった。
次いで、実施例1と同様にして、積層板を得た。
【0046】(比較例2)酸性水溶液の銅イオン濃度が
15g/Lのとき、銅回路と酸性水溶液を109秒間接
触させたこと以外は実施例1と同様にして、評価用基板
の銅回路の表面を粗化して、初期処理基板及び経時処理
基板を製造した。
【0047】次いで、実施例1と同様にして、銅イオン
が15g/Lのとき処理した初期処理基板と、銅イオン
が25g/Lのとき処理した経時処理基板の銅回路の表
面粗度を測定した結果、銅イオンが15g/Lのとき処
理した初期処理基板は1.6μm、銅イオンが25g/
Lのとき処理した経時処理基板は4.0μmであった。
次いで、実施例1と同様にして、積層板を得た。
【0048】(評価、結果)各実施例及び各比較例で得
られた積層板の引き剥がし強さ、耐酸強度及び銅回路の
厚みを測定した。
【0049】引き剥がし強さは、酸性水溶液で処理した
銅回路の表面処理面とプリプレグ層との間の接着力を測
定したものであり、測定方法としては、上記表面処理を
した面の反対面であるマット面を露出させた内層用基板
の銅回路に10mm幅のラインを形成し、そのラインの
90度方向の引き剥がし強さを50mm/分の引き剥が
し速度で測定した。
【0050】耐酸強度は、内層用基板の直径1.5mm
のランドパターンがある位置に、直径0.4mmのドリ
ル[ユニオンツール株式会社製、商品名 UC30]を
用いて、72000回転/分の回転数、19μm/回転
の送り速度で50個穴あけを行い、次いで20℃1.2
規定の塩酸水溶液に10分浸漬して処理した後、直ちに
水洗し、次いで、外層の銅箔とプリプレグが硬化した絶
縁層を削って内層用基板の銅回路を露出させ、処理皮膜
がピンク色に変色した部分の、穴の壁面からの最大の長
さを50倍の拡大鏡で測定した。銅回路の厚みは、得ら
れた積層板を断面観察して、銅回路の厚みを測定した。
【0051】その結果は表1に示したとおり、各実施例
の引き剥がし強さ及び銅回路の厚みは、銅イオンが15
g/Lの場合と、25g/Lの場合の差が小さいが、各
比較例は、引き剥がし強さ又は銅回路の厚みの差が大き
く、各実施例は各比較例と比べて、接着強度のばらつき
が小さい積層板が得られることが確認された。
【0052】また、各実施例と各比較例の耐酸強度は同
等であり、共に優れていることが確認された。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明に係るプリント配線板用積層板の
製造方法によると、酸性水溶液に含有する銅イオンの濃
度の変動に応じて、銅回路と酸性水溶液が接触する時間
を調整して処理するため、銅回路と熱硬化性樹脂の間
の、接着強度のばらつきが小さい積層板を得ることが可
能となる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に形成された銅回路を、銅イ
    オン及び銅イオンのキレート剤を含有する酸性水溶液で
    処理して表面を粗化した後、その銅回路と熱硬化性樹脂
    を接着して製造するプリント配線板用積層板の製造方法
    において、銅回路を酸性水溶液で処理する方法が、酸性
    水溶液に含有する銅イオンの濃度の変動に応じて、銅回
    路と酸性水溶液が接触する時間を調整して処理する方法
    であることを特徴とするプリント配線板用積層板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 酸性水溶液に含有する銅イオンの濃度の
    変動に応じて、銅回路と酸性水溶液が接触する時間を調
    整して処理する方法が、銅イオンの濃度が上昇した場合
    に、銅回路と酸性水溶液が接触する時間を短縮し、銅イ
    オンの濃度が低下した場合に、銅回路と酸性水溶液が接
    触する時間を延長して処理する方法であることを特徴と
    する請求項1記載のプリント配線板用積層板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 酸性水溶液に、炭素数1〜5のカルボン
    酸を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2記
    載のプリント配線板用積層板の製造方法。
  4. 【請求項4】 酸性水溶液で処理した銅回路の表面粗度
    が、2〜6μmであることを特徴とする請求項1から請
    求項3のいずれかに記載のプリント配線板用積層板の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 銅回路を酸性水溶液で処理する方法が、
    銅回路に酸性水溶液をスプレーする方法であることを特
    徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のプリ
    ント配線板用積層板の製造方法。
  6. 【請求項6】 銅回路と接着する熱硬化性樹脂が、ガラ
    スクロスに含浸された熱硬化性樹脂であることを特徴と
    する請求項1から請求項5のいずれかに記載のプリント
    配線板用積層板の製造方法。
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