JP2000285956A - 円筒型アルカリ蓄電池 - Google Patents

円筒型アルカリ蓄電池

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JP2000285956A JP11089580A JP8958099A JP2000285956A JP 2000285956 A JP2000285956 A JP 2000285956A JP 11089580 A JP11089580 A JP 11089580A JP 8958099 A JP8958099 A JP 8958099A JP 2000285956 A JP2000285956 A JP 2000285956A
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Masao Takee
正夫 武江
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正極板と負極板が短絡しやすい位置にあるセ
パレータの強度を予め補強することにより、内部短絡が
生じない円筒型蓄電池を提供する。 【解決手段】 渦巻状電極群Aの最大直径(a−a線)
を示す位置に正極板11の巻終わり端11aが位置する
とともに、この巻終わり端11aの外側近辺に配置され
たセパレータ13は強度補強用のセパレータ13aが配
置されている。電極群Aの最大直径の位置(a−a線)
は他の位置よりも電池缶10aからの押圧力が強い。こ
のため、この部分に存在するセパレータの強度を補強す
ることにより、内部短絡を抑制することが可能となる。
そして、セパレータ13aは粘着テープよりも親水性が
良好であるため、容量低下を来すことなく、効果的に内
部短絡を抑制することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯状正極板と、帯
状負極板と、これらの間に介在された帯状セパレータと
が渦巻状に巻回された渦巻状電極群を備えた円筒型アル
カリ蓄電池に係り、特に、渦巻状電極群の構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、円筒型アルカリ蓄電池は各種
の携帯用の電子、通信機器等に用いられていた。近年、
この種の円筒型アルカリ蓄電池の高容量化が要望される
ようになり、この高容量化の要望を満たすために、限ら
れた容積の電池缶内へ活物質を高密度に充填する高密度
充填化や、セパレータの薄型化が採用されるようになっ
た。この結果、電池缶内に占める電極群の占有容積率が
増大し、電池缶が電極群を押圧する押圧力が増大するよ
うになつて、電池缶内での内部短絡が発生しやすくなっ
た。このため、例えば、特開平5−234598号公報
において、最外周部の正極板の外側のセパレータを耐ア
ルカリ性粘着テープで被覆することにより、内部短絡を
抑制するようにした電極群が提案された。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明者等
が内部短絡が発生した電池30(図3参照)、電池40
(図4参照)、電池50(図5参照)をそれぞれ分解し
て、上述した内部短絡の原因を詳細に検討したところ、
以下に述べるような検討結果が得られた。即ち、図3に
示すように、正極板31と負極板32とセパレータ33
を渦巻状に巻回した電極群Bを電池缶30a内に備え、
この電極群Bの最大直径がb−b線(なお、正極板31
の巻終わり端31aはb−b線と一致する位置に存在し
ていた)となる電池30にあっては、正極板31の巻終
わり端31aと巻終わり端31aの外側の負極板32と
の間のX点で短絡が生じていた。
【0004】また、図4に示すように、正極板41と負
極板42とセパレータ43を渦巻状に巻回した電極群C
を電池缶40a内に備え、この電極群Cの最大直径がc
−c線(なお、正極板41の巻終わり端41aはc−c
線と一致しないd−d線上に位置に存在していた)とな
る電池40にあっては、最大直径となるc−c線上に存
在する正極板41と負極板42との間のY点で短絡が生
じていた。さらに、図5に示すように、正極板51と負
極板52とセパレータ53を渦巻状に巻回した電極群D
を電池缶50a内に備え、この電極群Dの最大直径がe
−e線(なお、正極板51の巻終わり端51aはe−e
線と一致しないf−f線上に位置に存在していた)とな
る電池50にあっては、最大直径となるe−e線上に存
在する正極板51と負極板52との間のZ点で短絡が生
じていた。
【0005】このことから、特開平5−234598号
公報において提案されるように、最外周部の正極板の外
側のセパレータを耐アルカリ性粘着テープで被覆して
も、内部短絡抑制効果を発揮することができないことが
明らかとなった。逆に、粘着テープは一般的に親水性が
ないため、その部分の反応性が阻害されて電池容量の低
下を招来するという問題も生じた。そこで、本発明は上
記問題点に鑑みてなされたものであって、上記検討結果
に基づき、正極板と負極板が短絡しやすい位置にあるセ
パレータの強度を同種のセパレータを用いて予め強度補
強して、内部短絡が生じないとともに、電池容量が低下
しない円筒型蓄電池を得ることを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記目的を達成するため、本発明の円筒型蓄電池は、渦巻
状電極群の最大直径を示す位置に帯状正極板の巻終わり
端が位置するとともに、この帯状正極板の巻終わり端の
外側近辺に介在されたセパレータはこのセパレータと同
種のセパレータが少なくとも二重になるように配置され
て強度が補強されている。
【0007】電極群の最大直径の位置は他の位置よりも
電池缶からの押圧力が強くなるため、この位置に正極板
の巻終わり端が位置すると、正極板の巻終わり端とセパ
レータを介して対向する負極板との間で短絡が生じやす
い。このため、この部分に存在するセパレータを少なく
とも二重にすることにより、この部分のセパレータの強
度が補強されるので、効果的に内部短絡を抑制すること
が可能となる。また、強度補強のために介在させる部材
をセパレータと同種のセパレータとすると、セパレータ
は粘着テープよりも親水性が良好であるため、容量低下
を来すことなく、効果的に内部短絡を抑制することが可
能となる。
【0008】また、発泡ニッケル等の三次元的な網目構
造を有する金属多孔体よりなる極板基材に活物質を充填
した正極板を用いた場合には、正極板の端部に無数の切
断バリが発生している。このため、この部分に接するセ
パレータが少なくとも二重になって強度補強されている
と、この部分での短絡の発生をより効果的に防止できる
ようになる。特に、活物質を充填し、圧延後に所定の極
板形状に切断された場合には、よりバリが発生しやすい
ため、一層効果的である。
【0009】さらに、電極群の最外周がセパレータある
いは粘着テープ等で巻止めされていない場合は、電極群
の巻回時のスプリングバック現象により外装缶内で正極
板が巻き戻ろうとするため、正極板の巻終わり端でより
短絡が生じやすくなる。このため、この部分に接するセ
パレータを少なくとも二重にして強度補強されている
と、さらに短絡防止効果を発揮することとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】ついで、本発明の円筒型アルカリ
蓄電池として、ニッケル−水素蓄電池に本発明を適用し
た実施の一形態を図に基づいてに説明する。なお、図1
は本実施形態の実施例のニッケル−水素蓄電池の横断面
を示す断面図であり、図2は他の実施例のニッケル−水
素蓄電池の横断面を示す断面図であり、図3〜図5は比
較例(従来例)のニッケル−水素蓄電池の横断面を示す
断面図である。
【0011】1.ニッケル正極板の作製 水酸化ニッケル粉末90重量部と、水酸化コバルト粉末
10重量部と、酸化亜鉛粉末3重量部との混合粉末に、
糊材としてのヒドロキシプロピルセルロース0.2重量
%水溶液を50重量部だけ添加、混合して活物質スラリ
ーを作製した。この活物質スラリーを所定寸法よりも大
きい発泡ニッケル基材(目付が約600g/m2で多孔
度が約95%のもの)に充填し、乾燥させた後、厚みが
約0.60mmとなるようにロール圧延した。この後、
長さが約80mmになるようにスリツト切断してニッケ
ル正極板11を作製した。
【0012】2.水素吸蔵合金負極板の作製 市販の金属元素(Mm,Ni,Co,Al,Mn)をM
mNi3.2Co1.0Al 0.2Mn0.6となるよう秤量し、高
周波溶解炉にて熔解した後、鋳造して水素吸蔵合金塊
(インゴット)を作製した。このインゴットを約50μ
mに機械粉砕して、水素吸蔵合金粉末を作製した。この
水素吸蔵合金粉末と10重量%の0.5%ポエチレンオ
キサイド(PEO)水溶液を混練して、水素吸蔵合金ス
ラリーとした後、これをパンチングメタルからなる極板
芯体の両面に塗着し、乾燥させた後、厚みが約0.40
mmとなるようロール圧延し、長さが約105mmにな
るようにスリット切断して水素吸蔵合金負極板12を作
製した。
【0013】3.ニッケル−水素蓄電池の作製 (1)実施例1 上述のように作製した正極板11と負極板12を、ポリ
プロピレンあるいはポリエチレンを主成分とするポリオ
レフィン系セパレータ(目付約60g/m2、厚み約
0.15mm)13を介して渦巻状に巻回して電極群A
を作製した。なお、この電極群Aの正極板11の巻終わ
り端11a付近の外側のセパレータ13には、このセパ
レータ13と同種の材質からなるセパレータ13aが予
め約10mmだけ貼り付けらており、この部分での強度
が補強されている。なお、この電極群Aの正極板11の
巻終わり端11aは、電極群Aの最大直径(a−a線)
上に存在している。
【0014】ついで、この電極群Aを集電体を介して電
池ケース内に接続配置した後、電池缶10a内にNaO
H,LiOHを含有した7NのKOH水溶液からなる電
解液を注入した後、安全弁を備えた封口体によって密閉
して実施例1のニッケル−水素蓄電池10を作製した。
なお、電極群Aの最外周はセパレータ13が配置されて
おり、電極群Aが巻きほどけてこないように、セパレー
タ13の端部を融着して巻止めを行っている。
【0015】(2)実施例2 予め所定の寸法(長さが約80mm)となるように切断
しておいた発泡ニッケル基材に、上述した実施例1と同
様の活物質スラリーを充填し、乾燥させた後、ロール圧
延して所定寸法となるように作製した正極板11と、上
述のように作製した負極板12とを用いて上述の実施例
1と同様に電極群Aを作製した後、上述した実施例1の
ニッケル−水素蓄電池10と同様に作製して、実施例2
のニッケル−水素蓄電池10を作製した。なお、この電
極群Aの正極板11の巻終わり端11aは、電極群Aの
最大直径(a−a線)上に存在している。
【0016】(3)実施例3 電極群Aの最外周に配置されたセパレータ13の端部を
融着によって巻止めを行わないこと以外は、上述した実
施例1のニッケル−水素蓄電池10と同様に作製して、
実施例3のニッケル−水素蓄電池10を作製した。な
お、この電極群Aの正極板11の巻終わり端11aは、
電極群Aの最大直径(a−a線)上に存在している。
【0017】(4)実施例4 厚みを約0.65mmにし、長さを約75mmにした正
極板21と、上述と同様に作製した負極板22と、セパ
レータ23とを用い、正極板21の巻終わり端部21a
の外側のセパレータ23にこれと同種のセパータ23a
を貼り付けて電極群A’とし、電極群A’の最外周を負
極板22として巻止めされていないこと以外は、上述し
た実施例1のニッケル−水素蓄電池10と同様に作製し
て、図2に示すような、実施例4のニッケル−水素蓄電
池20を作製した。なお、この場合の電極群A’の正極
板21の巻終わり端21aは、最外周が巻止めされてい
ないためにスプリングバック現象によって広がるため
(このため、図2においては電池缶20aは仮想線にて
示している)、電極群A’の最大直径(a’−a’線)
上に存在している。
【0018】(5)比較例1 図3に示すように、正極板31の巻終わり端31aの外
側のセパレータ33にセパレータを貼り付けないこと以
外は、上述した実施例1のニッケル−水素蓄電池10と
同様に作製して、比較例1のニッケル−水素蓄電池30
を作製した。なお、この場合の電極群Bの正極板31の
巻終わり端31aは、電極群Bの最大直径(b−b線)
上に存在している。
【0019】(6)比較例2 厚みを約0.60mmにし、長さを約75mmにした正
極板41を用いたこと以外は上述した実施例1のニッケ
ル−水素蓄電池10と同様に作製して、図4に示すよう
な、比較例2のニッケル−水素蓄電池40(なお、図4
においては、正極板41の巻終わり端41aの外側のセ
パレータ43に貼り付けられたセパレータは図示してい
ない)を作製した。なお、この場合の電極群Cの正極板
41の巻終わり端41aは、電極群Cの最大直径(c−
c線)上には存在しなく、最大直径より短いd−d線上
に存在している。
【0020】(7)比較例3 厚みを約0.60mmにし、長さを約75mmにした正
極板41を用いて、かつ、正極板41と巻終わり端41
aの外側のセパレータ43にセパレータを貼り付けない
こと以外は上述した実施例1のニッケル−水素蓄電池1
0と同様に作製して、図4に示すような、比較例3のニ
ッケル−水素蓄電池40を作製した。なお、この場合の
電極群Dの正極板41の巻終わり端41aは、電極群C
の最大直径(c−c線)上には存在しなく、最大直径よ
り短いd−d線上に存在している。
【0021】(8)比較例4 厚みを約0.65mmにし、長さを約75mmにした正
極板51を用いたこと以外は、上述した実施例1のニッ
ケル−水素蓄電池10と同様に作製して、図5に示すよ
うな、比較例4のニッケル−水素蓄電池50(なお、図
5においては、正極板51の巻終わり端51aの外側の
セパレータ53に貼り付けられたセパレータは図示して
いない)を作製した。なお、この場合の電極群Dの正極
板51の巻終わり端51aは、電極群Dの最大直径(e
−e線)上には存在しなく、最大径より短いf−f線上
に存在している。
【0022】(9)比較例5 予め所定の寸法(長さが約80mm)となるように切断
しておいた発泡ニッケル基材に、上述した実施例1と同
様の活物質スラリーを充填し、乾燥させた後、ロール圧
延して所定寸法となるように作製した正極板31と、上
述のように作製した負極板32とを用い、正極板31の
巻終わり端部31aの外側のセパレータ33にセパレー
タを貼り付けないこと以外は、上述の実施例1と同様に
電極群Bを作製した後、上述した実施例1のニッケル−
水素蓄電池10と同様に作製して、図3に示すような比
較例5のニッケル−水素蓄電池30を作製した。なお、
この電極群Bの正極板31の巻終わり端31aは、電極
群Bの最大直径(b−b線)上に存在している。
【0023】(10)比較例6 図3に示すように、正極板31の巻終わり端31aの外
側のセパレータ33にポリプロピレン製粘着テープ(図
示せず)を貼り付けたこと以外は、上述した実施例1の
ニッケル−水素蓄電池10と同様に作製して、比較例6
のニッケル−水素蓄電池30を作製した。なお、この場
合の電極群Bの正極板31の巻終わり端31aは、電極
群Bの最大直径(b−b線)上に存在している。
【0024】(11)比較例7 図3に示すように、正極板31の巻終わり端部31aの
外側のセパレータ33にセパレータを貼り付けなく、か
つ電極群Bの最外周のセパレータ33を融着によって巻
止めを行わないこと以外は、上述した実施例1のニッケ
ル−水素蓄電池10と同様に作製して、比較例7のニッ
ケル−水素蓄電池30を作製した。なお、この場合の電
極群Bの正極板31の巻終わり端31aは、電極群Bの
最大直径(b−b線)上に存在している。
【0025】2.電池試験 (1)短絡の測定 上述のように作製した実施例1〜4の電池および比較例
1〜7の電池をそれぞれ100個ずつ用意し、これらの
100個ずつの各実施例1〜4および各比較例1〜7の
電池について、それぞれの電池作製時の電極群を集電体
を介して電池缶内に接続配置した状態で、正負極間の抵
抗値を測定し、その抵抗値が1.5kΩ以下の場合は短
絡していると判定して短絡率を算出した。
【0026】(2)電池容量の測定 上述のように作製した実施例1〜4の電池および比較例
1〜7の電池をそれぞれ100個ずつ用意し、これらの
100個ずつの各実施例1〜4および各比較例1〜7の
電池について、120mA(0.1C)の充電電流で1
6時間充電した後、1時間休止し、240mA(0.2
C)の放電電流で放電終止電圧1.0Vになるまで放電
した後、1時間休止するという充放電サイクルを3回線
り返して、3回目の放電容量を電池容量として求めた。
【0027】3.試験結果 (1)電極群の最大直径位置と短絡率の関係 まず、電極群の最大直径位置と短絡率の関係を検討する
ため、実施例1の電池および比較例1〜4の各電池つい
て、上述のようにして求めた短絡率および電池容量を下
記の表1に示すように表した。
【0028】
【表1】
【0029】上記表1より次のようなことが明らかとな
った。まず、正極板の巻終わり端が電極群の最大直径
(a−a線またはb−b線)上に存在する、実施例1の
電池と比較例1の電池とを比較すると、それぞれの電池
容量は1242mAhおよび1245mAhとほぼ同等
であるが、短絡率は比較例1の電池が5%であるのに対
し、実施例1の電池では0%と耐短絡性に優れているこ
とが確認できた。短絡した電池を解体調査した結果、比
較例1の電池の短絡は、正極板21の巻終わり端21a
に発生した発泡ニッケル基材の切断バリがセパレータ2
3を貫通(図3のX点)して生じた短絡であった。
【0030】次に、正極板の巻終わり端が最大直径位置
となっていない比較例2の電池と比較例3の電池とを比
較すると、正極板の巻終わり端付近の外側のセパレータ
を同種のセパレータで補強している比較例2の電池およ
び補強していない比較例3の電池は、ともに短絡率は0
%であったが、正極板の長さが実施例1(比較例1)よ
り短いため、電池容量は実施例1の電池の1242mA
hに対して比較例2及び3の電池はそれぞれ1168m
Ahおよび1173mAhと大幅に低い値となった。ま
た、正極板厚みが0.65mmであること以外は比較例
2の電池と同様に作製された比較例4の電池では、電池
容量は実施例1の電池とほぼ同等の1248mAhであ
ったが、短絡率は4%と大幅に増加していた。
【0031】比較例4の電池について解体解析を行った
ところ、短絡の発生箇所はいずれも正極板51の中央部
(図5のZ点)のクラックによるセパレータ53の局部
破れによるものであった。これは、正極板51の厚みが
増大したこにより正極板51にクラックが発生しやすく
なったために生じたものと考えられる。以上のことか
ら、正極板の巻終わり端が電極群の最大直径位置となる
ような電極群構成であって、正極板の巻終わり端付近の
正極板の外側のセパレータを同種のセパレータで補強す
ることで、高容量でかつ高品質の電池を得ることができ
ることが明らかとなった。
【0032】(2)正極板の切断時期と短絡率の関係 ついで、正極板の切断時期と短絡率の関係を検討するた
め、実施例1,2の電池および比較例1,5の電池つい
て、上述のようにして求めた短絡率および電池容量を下
記の表2に示すように表した。
【0033】
【表2】
【0034】上記表2より次のようなことが明らかとな
った。まず、予め発泡ニッケル基材を切断し、活物質を
充填した後に、乾燥して、圧延した正極板51を用い、
巻終わり端51a付近の外側のセパレータ53にこれと
同種のセパレータにて補強を行っていない比較例5の電
池50の短絡率は3%であったのに対し、正極板11の
巻終わり端11a付近の外側のセパレータ13をこれと
同種のセパレータ13aにて補強した実施例2の電池1
0は短絡率が0%で、短絡は発生しなかった。
【0035】また、活物質を充填し、乾燥して、圧延し
た後に所定の寸法に切断した正極板31を用い、正極板
31の巻終わり端31a付近の外側のセパレータ33に
これと同種のセパレータにて補強を行っていない比較例
1の電池30の短絡率は5%と比較例5の電池50より
高率の短絡率であったのに対し、正極板11の巻終わり
端11a付近の外側のセパレータ13にこれと同種のセ
パレータ13aで補強した実施例1の電池10の短絡率
は0%で、短絡は発生しなかった。これらのことから、
活物質を充填し、乾燥して、圧延した後に所定の寸法に
切断された正極板を用いた方が、正極板の巻終わり端付
近の外側のセパレータにこれと同種のセパレータで補強
することによる短絡率抑制効果が大きいことが分かる。
【0036】短絡率が高かった比較例5および比較例1
の短絡した電池30,50を解体調査したところ、いず
れの電池30,50も正極巻終わり端33a,53aに
発生した発泡ニッケル基材の切断バリがセパレータ33
(図3のX点),53(図5のZ点)を貫通して生じた
短絡であった。比較例1の電池30の方が短絡率が高か
った理由は、活物質を充填した後に正極板31を所定寸
法に切断したため、発泡ニッケル基材のバリがより発生
しやすくなったためと考えられ、セパレータ補強による
効果がより大きくなったと考えられる。また、この効果
は打ち抜き切断でも同様であった。なお、実施例1およ
び実施例2の電池10、および比較例1および比較例5
の電池30,50の電池容量は、それぞれ1242mA
h,1247mAh,1245mAh,1244mAh
といずれもほぼ同等の容量が得られた。
【0037】(3)セパレータ補強材と短絡率との関係 ついで、セパレータ補強材と短絡率との関係を検討する
ため、実施例1の電池および比較例6の電池ついて、上
述のようにして求めた短絡率および電池容量を下記の表
3に示すように表した。
【0038】
【表3】
【0039】上記表3より次のようなことが明らかとな
った。まず、正極巻終わり端31a付近の外側のセパレ
ータ33にポリプロピレン製テープを貼り付けておいた
比較例6の電池の短絡率は1%であったのに対し、正極
の巻終わり端11a付近の外側のセパレータ13にこれ
と同種のセパレータ13aを貼り付けておいた実施例1
の電池の短絡率は0%で、短絡は発生しなかった。これ
は、一般的に粘着テープはペーパーライクなため、切断
バリによる耐貫通性に対してはあまり効果的ではないも
のと考えられる。
【0040】一方、電池容量においては、実施例1の電
池10が1242mAhであったのに対し、比較例6の
電池30は1213mAhで、実施例1の電池10より
約30mAh程度低い結果となった。これらの電池を解
体調査したところ、実施例1の電池10では充放電によ
って正極板11が黒色に変化していたのに対し、比較例
6の電池30のポリプロピレン製テープを貼り付けてお
いた部分の正極板31はその変色度合いが少なかった。
このことから、テープを貼り付けたことによって、正極
板31の充放電反応が阻害され、容量が低下したものと
考えられる。
【0041】従って、電池容量を低下させずに極板基材
の切断バリがセパレータを貫通することにより生じる短
絡を抑制するためには、少なくともセパレータとして用
いることのできる、つまり電解液を保持できる不織布を
用いることが望ましいと考えられる。
【0042】(4)電極群の巻止めと短絡率との関係 ついで、電極群の巻止めと短絡率との関係を検討するた
め、実施例3および実施例4の電池と、比較例1および
比較例7の電池について、上述のようにして求めた短絡
率および電池容量を下記の表4に示すように表した。
【0043】
【表4】
【0044】上記表4より次のようなことが明らかとな
った。まず、電極群の最外周に存在するセパレータ33
を巻止めしている比較例1の電池の短絡率は5%であっ
たのに対し、巻止めを行っていない比較例7の電池では
短絡率は6%と耐短絡性が低下した。巻止めを行わない
方が耐短絡性が低下した理由としては、正極板33の巻
終わり端33aがスプリングバック現象によって巻き戻
ろうとするため、より正極板33の巻終わり端33aの
外側で短絡しやすくなったためと考えられる。
【0045】しかしながら、電極群Aの最外周に存在す
るセパレータ13を巻止めしていないが、正極の巻終わ
り端11a付近の外側のセパレータ13にこれと同種の
セパレータ13aにて補強した実施例3の電池の短絡率
は0%で、短絡は発生しなかった。このことから、電極
群の最外周に存在するセパレータを巻止めしない場合
は、特に補強効果が大きいということができる。また、
電極群の最外周を負極とすることで巻止めを行うことが
できないが、代わりに最外周部分のセパレータを除くこ
とができるため、実施例1よりも約90mAh以上高容
量となる実施例4の電池を得ることができる。この場合
においても短絡発生率は0%であり、セパレータ補強に
よる大きな短絡抑制効果が得られた。つまり、電極群の
最外周がセパレータの存在しない負極とした高容量とな
る電極群構成においてこそ、大きなセパレータ補強によ
る本発明の効果が最大限に発揮されることが分かる。
【0046】上述したように、本発明の円筒型蓄電池に
おいては、渦巻状電極群Aの最大直径(a−a線)ある
いは渦巻状電極群A’の最大直径(a’−a’線)を示
す位置に帯状正極板11,21の巻終わり端11a,2
1aが位置するとともに、この帯状正極板11,21の
巻終わり端11a,21aの外側近辺に介在されたセパ
レータ13a,23aは、このセパレータ13,23が
少なくとも二重になるように配置されて強度が補強され
ている。これにより、効果的に内部短絡を抑制すること
が可能となる。また、少なくとも二重に配置されたセパ
レータ13a,23aは粘着テープよりも親水性が良好
であるため、容量低下を来すことなく、効果的に内部短
絡を抑制することが可能となる。
【0047】なお、上述した実施形態においては、巻終
わり端を補強するために用いたセパレータとして、電極
群を形成するためのセパレータと同一の目付のセパレー
タを用いる例について説明したが、これに限らず、電極
群を形成するためのセパレータの目付の0.5〜1.5
倍のセパレータを用いることが好ましい。また、上述し
た実施形態においては、ニッケル−水素蓄電池のニッケ
ル正極として非焼結式ニッケル正極を用いた例について
説明したが、焼結式ニッケル正極を用いてもほぼ同様な
結果が得られた。また、上述した実施形態においては、
本発明をニッケル−水素蓄電池に適用する例について説
明したが、本発明の密閉型アルカリ蓄電池として、ニッ
ケル−カドミウム蓄電池に適用してもほぼ同様な結果が
得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例のニッケル−水素蓄電池の横
断面を示す断面図である。
【図2】 本発明の他の実施例のニッケル−水素蓄電池
の横断面を示す断面図である。
【図3】 比較例(従来例)のニッケル−水素蓄電池の
横断面を示す断面図である。
【図4】 他の比較例(従来例)のニッケル−水素蓄電
池の横断面を示す断面図である。
【図5】 さらに他の比較例(従来例)のニッケル−水
素蓄電池の横断面を示す断面図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状正極板と、帯状負極板と、これらの
    間に介在された帯状セパレータとが渦巻状に巻回された
    渦巻状電極群を備えた円筒型アルカリ蓄電池であって、 前記渦巻状電極群の最大直径を示す位置に前記帯状正極
    板の巻終わり端が位置するとともに、 前記帯状正極板の巻終わり端の外側近辺に介在された前
    記セパレータはこれと同種のセパレータが少なくとも二
    重になるように配設されて強度が補強されていることを
    特徴とする円筒型アルカリ蓄電池。
  2. 【請求項2】 前記帯状正極板は三次元的な網目構造を
    有する金属多孔体よりなる極板基材に正極活物質が充填
    されていることを特徴とする請求項1に記載の円筒型ア
    ルカリ蓄電池。
  3. 【請求項3】 前記帯状正極板は活物質の充填、圧延後
    に、所定寸法に切断あるいは打ち抜きされたものである
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の円筒
    型アルカリ蓄電池。
  4. 【請求項4】 前記渦巻状電極群の最外周はセパレータ
    または粘着テープで巻止めされていないことを特徴とす
    る請求項1から請求項3のいずれかに記載の円筒型アル
    カリ蓄電池。
  5. 【請求項5】 前記渦巻状電極群の最外周が前記帯状負
    極板であることを特徴とする請求項1から請求項4のい
    ずれかに記載の円筒型アルカリ蓄電池。
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